JP2010135283A - 固体酸化物形燃料電池とその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池稼働に伴う発電出力の低下が軽減された固体酸化物形燃料電池とその作製方法を提供すること。
【解決手段】電解質層2を燃料極3と空気極1とで挟んでなる単セルを複数個直列に接続してなるスタック構造を有する固体酸化物形燃料電池において、前記単セルの燃料極3側から燃料極側セパレータ4、空気極側セパレータ5、接続層6の順に、燃料極側セパレータ4、空気極側セパレータ5及び接続層6が前記単セル間で挟持され、接続層6が、導電性の金属酸化物の粉体または該粉体の焼結物で構成され、一方の面から他方の面に通じる気孔を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池とその作製方法に関し、特に、セラミックスなどの酸化物よりなる電解質層を構成要素とする単セルを重ねて用いる固体酸化物形燃料電池とその作製方法に関するものである。
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として、燃料電池が注目されている。
燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、空気極と呼ばれる陽極と、燃料極と呼ばれる陰極とで電解質の層を挟んだ単セルを、複数重ね合わせてなるスタック構造を用いている。一組のセル(単セル)で得られる電気の電圧は、約0.7V程度であるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。
このような燃料電池には、高分子材料を電解質層に用いる固体高分子形や、セラミックスなどの酸化物を電解質層に用いる固体酸化物形がある。
固体高分子形燃料電池では、作動温度が高々90℃程度であり、自動車用や家庭用コジェネレーションシステムに適用可能とされている。
これに対し、固体酸化物形燃料電池は、作動温度が600℃以上と高温であり、発電効率が45%以上と高いという特徴を備えている。このため、複数の単セルを組み合わせたスタック構造の固体酸化物形燃料電池は、タービン発電などを組み合わせて、より高い効率のコジェネレーションシステムが構築できるという利点を有し、発電所としての用途などが期待されている。
ところで、複数の単セルを重ね合わせてスタック接続させるときには、各単セルの燃料極側に供給される燃料ガスと、空気極側に供給される酸化剤ガスとが混合しない状態で、各単セルが電気的に接続された状態としている。このように、ガスの混合を防いだ状態で複数の単セルを電気的に接続するために、セパレータやインターコネクタなどと呼ばれ、ガスが透過せず、電気伝導度が高い材料からなる部材が用いられている。しかしながら、金属酸化物の焼結体(セラミックス)から構成されている空気極の側においては、セパレータとの接続に電気抵抗が生じ、その結果として、期待された出力が得られないという問題があった。
上述した空気極とセパレータとの接続における電気抵抗を低減するために、例えば、空気極に白金(Pt)ペーストや、導電性セラミックスからなるペーストを塗布した上にセパレータを接続させてスタック構造とする技術が提案されている(下記非特許文献1参照)。この技術によれば、空気極とセパレータとの間の電気抵抗の低減が図れ、高い出力が得られている。また、白金は、反応性が非常に低い材料であるため、空気極を構成するセラミックス材料と反応して悪影響を及ぼすなどの問題も発生しない。
K. Huang, et al., "Characterization of iron-based alloy interconnects for reduced temperature solid oxide fuel cells", Solid State Ionics, Vol. 129, pp. 237-250, (2000).
しかしながら、600℃〜1000℃という固体酸化物形燃料電池の動作温度では、空気極とセパレータとの間に介在する接続層を構成している導電性の粉体同士が焼結して、セパレータから供給された酸化剤ガスが時間と共に空気極に拡散し難くなり、発電出力が低下するといった問題が生じる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、燃料電池稼働に伴う発電出力の低下が軽減された固体酸化物形燃料電池とその作製方法を提供することである。
本発明においては、上記課題を解決するために、請求項1に記載のように、
電解質層を燃料極と空気極とで挟んでなる単セルを複数個直列に接続してなるスタック構造を有する固体酸化物形燃料電池において、前記単セルの燃料極側からセパレータ、接続層の順に、該セパレータ及び接続層が前記単セル間で挟持され、該接続層が導電性の金属酸化物の粉体または該粉体の焼結物で構成され、一方の面から他方の面に通じる気孔を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池を構成する。
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、前記接続層は、分散媒体中に前記導電性の金属酸化物の粉末と気孔形成粉末とを分散させてなるペーストを空気極形成部材に塗布し、これを焼成し、前記導電性の金属酸化物のみを塗布層中に残すことによって形成されたものであることを特徴とする固体酸化物形燃料電池を構成する。
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池を作製する固体酸化物形燃料電池の作製方法であって、分散媒体中に導電性の金属酸化物の粉末と気孔形成粉末とを分散させてなるペーストを空気極形成部材に塗布し、これを焼成し、前記導電性の金属酸化物のみを塗布層中に残すことによって接続層を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法を構成する。
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、前記気孔形成粉末がカーボン粉末であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法を構成する。
また、本発明においては、請求項5に記載のように、
請求項3または4に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、カーボン粉末を例とする前記気孔形成粉末の前記導電性の金属酸化物の粉末に対する重量比が5%以上75%以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法を構成する。
また、本発明においては、請求項6に記載のように、
請求項4または5に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、前記ペーストは、造粒してなるカーボン粒子を用いて作製され、該カーボン粒子の粒径が60μm以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法を構成する。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、空気極とセパレータとの間に接続層を備え、該接続層は、導電性の金属酸化物の粉体または該粉体の焼結物で構成され、十分、かつ低下しにくい気体透過性を有することを特徴とする。この結果、本発明によれば、燃料電池稼働に伴う発電出力の低下が軽減され、長期にわたり十分な発電出力が得られる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の一部を示す断面図である。 本発明に係る固体酸化物形燃料電池におけるスタック構造の断面図である。 造粒してなるカーボン粒子の粒径を変化させたときの出力密度と電圧低下率の挙動を示す図である。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池においては、単セルが、図1の断面図に示されるように、燃料極3と、燃料極3の上に配置された電解質層2と、電解質層2の上に配置された空気極1とから構成され、この単セルが複数個積層されてスタック構造を構成し、隣り合う単セルの間には、導電性材料からなるセパレータ(燃料極側セパレータ4と空気極側セパレータ5とから構成される)と、空気極1と空気極側セパレータ5との間に配置された接続層6とが介在し、燃料極側セパレータ4、空気極側セパレータ5及び接続層6によって、単セルが直列に接続され、その特徴は、接続層6が、導電性の金属酸化物の粉体または該粉体の焼結物で構成され、一方の面から他方の面に通じる気孔を有することである。
このような接続層6は、固体酸化物形燃料電池を作製する過程において、分散媒体中に、導電性の金属酸化物の粉末と、カーボン粉末を例とする気孔形成粉末とを分散させてなるペーストを空気極形成部材に塗布し、これを焼成し、導電性の金属酸化物のみを塗布層中に残すことによって得られる。
このようにして得られる接続層6は、気孔形成粉末を用いない場合に比べて、高い気孔率、したがって高い気体透過性を持っている。気孔率が高ければ、単位体積当たりの金属酸化物粉体同士の接触点の数も減り、燃料電池稼働中に起こりうる金属酸化物粉体の焼結の割合も減り、高い気体透過性が維持されやすくなり、その結果として、燃料電池稼働に伴う発電出力の低下が軽減される。
また、ペーストへの気孔形成粉末添加量は、金属酸化物粉末に対する重量比で5%以上75%以下であればよく、5%以上20%以下であれば、初期の発電出力が十分に得られ、かつセル電圧の低下の割合も低減することができ、さらによい。
さらに、電気伝導度の高い金属酸化物であるLaNi1−xFe(LNF)、La1−xSrCoO(LSC)、LaCoO、La1−xSrCo1−yFe(LSCF)、La1−xSrMnO(LSM)、Sm1−xSrCoO(SSC)(但し、0<x<1、0<y<1である)で記載される化合物を接続層として用いることで、空気極とセパレータの接続による抵抗を大幅に低減することが可能となる。さらにまた、上記記載の化合物(LNF、LSC、LaCoO、LSCF、LSM、SSC)から選ばれた2種類以上の化合物を混合してなる接続層を用いることで、熱膨脹係数の違いによる特性の破綻といった問題点を回避することができる。
図2は、本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池のスタック構造の構成例を模式的に示す断面図である。図2の中央に、スタック構造中の1個の発電ユニットを、構成要素間の間隔を空けて示す。
図2に示す固体酸化物形燃料電池のスタック構造は、空気極1、電解質層2、燃料極3からなる複数の単セルと、これら単セルの間に配置されるセパレータ(燃料極側セパレータ4及び空気極側セパレータ5)と接続層6とを構成要素とする。
空気極1は、空気極側セパレータ5に形成された集電部7と、接続層6を介して、電気的に接続し、燃料極3は、燃料極側セパレータ4に形成された集電部7と電気的に接続している。また、各セパレータにはガス流路8が形成されており、セパレータの中心部から供給された酸化剤ガス及び燃料ガスは、各電極表面に均一に流れることができる。
また、燃料極側セパレータ4には凹部が設けられ、この凹部内に単セルが収容されている。凹部内において、単セルの側部が、リング状に形成されたシール部材9を介して凹部の内側側面に固定されている。燃料極側セパレータ4の凹部において、シール部材9により、燃料極3と燃料極側セパレータ4との間に密閉された空間が形成される。また、燃料極側セパレータ4の凹部周縁部には、リング状のセルカバー10が設けられ、上述した空間の密閉性を向上させている。なお、セルカバー10の上部には、絶縁部材11が設けられている。
図2に示す固体酸化物形燃料電池のスタック構造においては、空気極1と空気極側セパレータ5との間に、ランタンストロンチウムコバルタイト(LaSrCO:LSC)などの導電性を有する金属酸化物からなる金属酸化物粉末を用いて形成された接続層6を設けるようにした。
接続層6は、例えば、導電性の金属酸化物粉末と、カーボン粉末を例とする気孔形成粉末とが、テルピネオールなどの有機溶媒からなる分散媒体に分散されているペーストを空気極形成部材に塗布し、これを加熱、焼成し、金属酸化物のみを塗布層に残すことによって形成すればよい。有機溶媒としては、テルピネオールに限らず、トルエン、キシレンなどの他の有機溶媒を用いてもよい。また、分散媒体として水を用い、上記混合粉末が水に分散されたペーストを用いてもよい。例えば、所定の界面活性剤を分散媒体である水に添加することで、上記混合粉末が水に分散された状態とすることができる。
塗布したペーストを加熱することで、分散媒体と気孔形成粉末が塗布層から除去された状態となり、その結果として、気孔形成粉末を用いない場合に比べて高い気孔率、したがって高い気体透過性を持つ多孔性導電層としての接続層6が形成された状態が得られる。気孔率が高ければ、単位体積当たりの金属酸化物粉体の相互接触点も少なくなり、金属酸化物粉体の焼結の割合も減り、高い気体透過性が維持されやすくなり、その結果として、燃料電池稼働に伴う発電出力の低下が軽減される。
気孔形成粉末としては、カーボン粉末の他に、酸化性雰囲気中での加熱により、金属酸化物粉末に悪影響を与えることなく分解し、ペースト塗布層から除去されるような粉末が利用可能である。例えば、でん粉、セルロース等の炭水化物(化学組成はC(HO)で表される)は、酸化性雰囲気中での加熱により脱水、炭化、酸化されて水と二酸化炭素とになり、金属酸化物粉末に悪影響を与えることなくペースト塗布層から除去されるので、これらの炭水化物の粉末を気孔形成粉末として用いることができる。
また、分散媒体の粘度を高めるときには、分散媒体が有機溶媒である場合には、有機高分子材料、例えばポリ(イソブチルメタクリレート)を有機溶媒に溶解して用いればよいし、分散媒体が水である場合には、水溶性高分子、たとえば、でん粉またはポリビニルアルコールを水に溶解して用いればよい。
なお、空気極1は、ランタンニッケルフェライト(La(Ni,Fe)O:LNF)、ランタンストロンチウムマンガネート((La,Sr)MnO:LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト((La,Sr)CoO:LSC)、ランタンストロンチウムフェライト((La,Sr)FeO:LSF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト((Sm,Sr)CoO:SSC)などの、導電性を有する金属酸化物の焼結体から構成されたものであればよい。
また、電解質層2は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、サマリア安定化ジルコニア(SSZ)スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などから構成されていればよい。
また、燃料極3は、ニッケルドープイットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)、ニッケルドープスカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの、電解質層を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合されたものであればよい。
また、セパレータ(燃料極側セパレータ4及び空気極側セパレータ5)は、例えば、クロムが16〜25%程度含まれているフェライト系の耐熱合金から構成されていればよい。
次に、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の作製方法例について説明する。
まず、Ni−ScSZよりなる板状の燃料極3を用意し、この上に、ScSZよりなる板状の電解質層2を配置し、この上に、平均粒径0.5〜1.0μmのLNFの焼結体から構成された板状(円盤)の空気極1を配置し、単セルが構成された状態とする。例えば3つの単セルが形成された状態とする。
次に、LSCの粉末とカーボンの粉末とを重量比で9:1となるように混合し、この混合粉末をテルピネオールからなる有機溶媒に混合し、ペーストを作製する。作製したペーストを、形成した各々の単セルの空気極1(一般には空気極形成部材)の上に塗布し、空気極1の上にペースト塗布層が形成された状態とする。
さらに、造粒してなるカーボン粒子をペーストに用いることで、ペースト焼成後の接続層内部に大きな空孔が分布し、十分なガス拡散が得られる。さらにまた、造粒にスプレードライ法を用いることで、ペースト内部にカーボン粒子が沈殿しにくくなり、均一に空孔が形成できる。ここで、スプレードライ法とは、溶液または分散液(ここではカーボン分散液)を細いノズルから、熱風とともに、チャンバー内に噴霧して微小な液滴とし、急速乾燥させて造粒粒子を製造する方法であり、この方法によって、球形で流動性のよい造粒粒子を製造することができる。
次に、耐熱性ステンレス鋼から構成された台座の上に絶縁部材11を介して下端セパレータ(図示せず)が固定された状態とする。
次に、下端セパレータの上に、上述した1つの単セル(図示せず)が載置された状態とする。このとき、下端セパレータの燃料ガス流路が形成されている面に、燃料極集電層(図示せず)が配置された状態とし、この上に、単セルの燃料極が配置された状態とする。なお、燃料極集電層は、白金、銀、金、パラジウム、イリジウム、ロジウムなどの金属やフェライト系耐熱合金の細線からなるメッシュや不織布、エキスパンドメタル、または、発泡金属から構成されていればよい。例えば、ニッケルの発泡体である発泡ニッケルを配置して用いるようにしてもよい。なお、空気極集電層(図示せず)も同様である。
また、下端セパレータと単セル周辺部との隙間に、例えば、ガラス粉末と有機溶媒からなるガラスペーストの層を形成する。
また、下端セパレータの周縁部から上記ガラスペーストの層及び単セルの周辺部にかけて、例えばクロムが16〜25%程度含まれたフェライト系の耐熱性ステンレス鋼から構成されたセルカバー10が固定され、その上に、マイカからなる厚さ0.5mmの絶縁部材11が配置された状態とする。加熱の工程において、上記ガラスペーストが焼成されてシール部材9となる。
次に、空気極1上のペースト塗布層の上に空気極集電層を配置し、その空気極集電層の上に、空気極側セパレータ5の集電部7が当接するように、空気極側セパレータ5が配置された状態とする。次いで、空気極側セパレータ5の上に燃料極側セパレータ4を重ね、燃料極側セパレータ4の集電部7上に燃料極集電層が配置された状態とし、この上に、前述同様に、次の単セルが積層された状態とする。また、燃料極側セパレータ4の周縁部に、セルカバー10が固定され、この上に、絶縁部材11が配置された状態とする。これらのことを繰り返し、所定数の単セルを積層した後、最後(最上)の単セル(図示せず)のペースト塗布層の上に上端セパレータ(図示せず)が載置された状態とする。
上述したように、複数のセパレータ及び単セルを積層した状態で、まず、上端セパレータの上から台座にかけて荷重をかけ、各単セルに圧力が加わった状態とする。この状態で、図2に例示した固体酸化物形燃料電池を800℃にまで加熱する。次いで、燃料極に水素を供給し、空気極に空気を供給すれば、発電状態とすることができる。このとき、上述した加熱により、各単セルの空気極に設けられたペースト層は加熱され、ペースト中の分散媒体とカーボンが除去される。この結果、図2に例示したように、空気極1の上に接続層6が形成された状態が得られる。
次に、空気極上に塗布するペーストのカーボン添加量について説明する。ペーストを構成しているLSC粉末に対するカーボン粉末の重量比を変化させたペーストの試料を作製し、これらの初期の0.5A/cmおける出力密度と1000時間後のセル電圧の低下の割合を評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2010135283

表1に示すように、カーボン添加量を増加させると共に、初期の発電出力は低下するが、1000時間後のセル電圧の低下の割合を低減することができる。表1より明らかなように、ペーストへのカーボン添加量は、金属酸化物粉末に対する重量比で5%以上75%以下であればよく、5%以上20%以下であれば、初期の発電出力が十分に得られ、かつセル電圧の低下の割合も低減することができ、さらによい。この結果より、本発明の実施により、固体酸化物形燃料電池の長寿命化が実現することが分かる。
次に、カーボン添加量が5%となるように、造粒してなるカーボン粒子をペーストに混合して、発電特性とセル電圧の低下の割合を評価した。電流密度が0.5A/cmで発電したときのカーボン粒子の粒径に対する出力密度と電圧低下率の測定結果を図3に示す。
この結果から、カーボン粒子の粒径が60μm以下であれば、十分な出力密度が得られるとともに、1000時間当たりの電圧低下率も良好で、固体酸化物形燃料電池の長寿命化につながることが分かる。さらに、カーボン粒子の粒径が15μm以上で40μm以下の範囲の値であれば、1000時間当たりの電圧低下率はより向上し、粒径が20μm以上で35μm以下の範囲の値であれば 1000時間当たりの電圧低下率はさらに向上するので、より長寿命化につながる。
1:空気極、2:電解質層、3:燃料極、4:燃料極側セパレータ、5:空気極側セパレータ、6:接続層、7:集電部、8:ガス流路、9:シール部材、10:セルカバー、11:絶縁部材。

Claims (6)

  1. 電解質層を燃料極と空気極とで挟んでなる単セルを複数個直列に接続してなるスタック構造を有する固体酸化物形燃料電池において、
    前記単セルの燃料極側からセパレータ、接続層の順に、該セパレータ及び接続層が前記単セル間で挟持され、該接続層が導電性の金属酸化物の粉体または該粉体の焼結物で構成され、一方の面から他方の面に通じる気孔を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、前記接続層は、分散媒体中に前記導電性の金属酸化物の粉末と気孔形成粉末とを分散させてなるペーストを空気極形成部材に塗布し、これを焼成し、前記導電性の金属酸化物のみを塗布層中に残すことによって形成されたものであることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池を作製する固体酸化物形燃料電池の作製方法であって、
    分散媒体中に導電性の金属酸化物の粉末と気孔形成粉末とを分散させてなるペーストを空気極形成部材に塗布し、これを焼成し、前記導電性の金属酸化物のみを塗布層中に残すことによって接続層を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法。
  4. 請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、前記気孔形成粉末がカーボン粉末であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法。
  5. 請求項3または4に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、カーボン粉末を例とする前記気孔形成粉末の前記導電性の金属酸化物の粉末に対する重量比が5%以上75%以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法。
  6. 請求項4または5に記載の固体酸化物形燃料電池の作製方法において、前記ペーストは、造粒してなるカーボン粒子を用いて作製され、該カーボン粒子の粒径が60μm以下であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の作製方法。
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