JP2010134205A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー帯の除去の待ち時間の短縮、トナー帯による2次転写部材の汚れの低減を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、現像電源V2の現像電圧の出力が停止しており中間転写体91が感光体1から離間している状態から中間転写体91を感光体1に当接させて感光体1上のトナー像の形成を開始する際に、現像電源V2の現像電圧の出力開始時に現像部材41に対向する感光体1上の領域が、感光体1の回転により感光体1と中間転写体9との当接予定位置を通過した後に、感光体1と中間転写体91とを当接させる構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
昨今、複写機、プリンター、FAXといった出力端末をすべてかね備えた複合機が市場で受け入れられている。このような出力端末として、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられている。又、機械の高速化に伴い、装置本体の寿命を伸ばすことが望まれている。又、エコロジーの観点から廃棄物をなくす、即ち、消耗品を減らすこと、消耗品の寿命を延ばすこと、信頼性を上げることも合わせて求められている。
一方、従来は白黒機が主流であったが、オフィスにおいても原稿又は出力ファイルのカラー化が進んでいる。従って、TCO(使用者からみた全体の必要費用)を下げるため、装置本体のコスト及びランニングコストが白黒機と等価のカラー画像形成装置が望まれている。
斯かる状況の中、ドラム型の電子写真感光体である感光ドラムを複数備え、各感光ドラムに形成された異なる色のトナー像を被転写体に順次重ねて転写することによってカラー画像を形成する、所謂、タンデム方式の画像形成装置が主流になってきている。
又、タンデム方式の画像形成装置としては、各感光ドラムから転写されるトナー像を担持して搬送する中間転写体を用いる中間転写方式のものが広く用いられている。斯かる画像形成装置では、感光ドラムの表面に形成したトナー像を中間転写体上に多重転写(1次転写)し、この中間転写体上のトナー像を、紙を主とする転写材に転写(2次転写)する工程を繰り返す。
タンデム方式のカラー画像形成装置では、白黒画像を出力する場合に、中間転写体との摺擦傷を発生させないために、黒以外のトナー像を形成するための感光ドラムも駆動する構成が多い。しかし、この構成では、作像に関係の無い感光ドラムまで、クリーニングブレードなどの残留トナーの除去手段との摺擦が生じることで削れて、その寿命が短くなり、白黒画像を多く出力する使用者にとってはTCOが上がってしまう。
そこで、次のような、白黒画像を出力する白黒画像出力モードと、カラー画像を出力するカラー画像出力モードとを備える画像形成装置がある。即ち、白黒画像出力モードでは、黒以外のトナー像を形成するための感光ドラムから中間転写体を離間させて且つその駆動を停止する。カラー画像出力モードでは、黒のトナー像を形成するための感光ドラムと共に、黒以外のトナー像を形成するための感光ドラムに対しても中間転写体を当接させる。この構成によれば、白黒画像を多く出力する使用者でも、黒以外のトナー像を形成するための感光ドラムの寿命をより長くすることが可能になり、TCOの低減にも役立つ。
ここで、従来、静電潜像を中間媒体として画像を形成する画像形成装置においては、主にコロナ帯電方式が用いられ、コロナ放電によって感光ドラムに電荷を供給していた。しかし、コロナ放電電圧は5KV〜10KVと高電圧になることから、近年、用いる電圧が比較的低く且つ小型化が容易な帯電ローラ方式が広く用いられている。この帯電ローラ方式に用いられる帯電部材である帯電ローラは、金属製の軸の外周面に、弾性体層とこの弾性層の表面の保護層とが設けられている。そして、保護層が感光ドラムと接触し、金属製の軸に帯電電源(高圧電源)から、一般に、交流電圧と直流電圧とを重畳した帯電電圧(Vdc+Vac)を印加されるように構成される。
又、従来、感光ドラムに形成した静電潜像に現像剤のトナーを供給する現像剤担持体(現像部材)として、回転可能な円筒型の現像スリーブが広く用いられている。現像工程時には、現像スリーブに所定の現像電圧が印加されて、感光ドラム1と現像スリーブとの間に形成される電界の作用によって、現像スリーブから感光ドラムへとトナーが転移し、静電潜像がトナー像として現像される。又、現像方式として、主にトナーとキャリアとを混合して成る2成分現像剤を用いる2成分現像方式が広く用いられている。2成分現像方式では、現像スリーブ上に2成分現像剤から成る磁気ブラシ層を形成して、この磁気ブラシ層を感光ドラムに接触又は近接させて、2成分現像剤中のトナーを感光ドラムに供給する。更に、現像方式として、反転現像方式が広く用いられている。反転現像方式では、一様に帯電された感光ドラムを露光することによって電荷が減衰した部分(露光明部)に、感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させることでトナー像を形成する。
尚、特許文献1は、音圧測定情報に基づいて帯電音の発生を低減するように帯電バイアスを制御する技術を開示する。
特開2002−207352号公報
現像スリーブに電圧を印加している際には、感光ドラムの表面電位を現像スリーブに印加した電圧の値と同程度にしなければ、2成分現像のキャリアが感光ドラム上に転移してしまう現象(キャリア付着)が発生する。キャリアが感光ドラム上に転移され続けると、画像形成装置の故障の原因になることがある。そのため、現像スリーブに電圧を印加する際には、帯電電圧を印加する必要がある。
ここで、感光ドラム上の電位と現像スリーブに印加する電圧の直流成分の値との差(コントラスト電位Vcont)をなるべく大きくしないよう(例えば、約±150V以内)に制御することが望まれる。しかし、帯電電源の電圧の立ち上がり方と現像電源(高圧電源)の電圧の立ち上がり方を完全に同じにすることは難しい。そのため、現像電源をやや早めに立ち上げ、感光ドラムにキャリアが転移されにくい設定にすることが考えられる。この場合、現像スリーブに電圧を印加することによって、感光ドラム上に、現像スリーブの長手方向(回転軸線方向)に沿った帯状のトナー像が現像される。又、現像スリーブに対する電圧の印加を停止する際にも、同様に、コントラスト電位をなるべく大きくしないように制御することが望まれる。しかし、感光ドラムにキャリアが転移されないようにコントラスト電位を設定するため、感光ドラム上にトナー帯が発生する。感光ドラム上の電位、現像スリーブに印加する電圧の直流成分の値、コントラスト電位、トナー帯又はキャリア付着の発生状況の関係を下記表1にまとめる(反転現像方式、負帯電性のトナー利用)。
Figure 2010134205
尚、現像剤の中には正規の帯電極性とは逆極性に帯電するトナーがわずかながら存在する。そのため、画像形成を繰り返すうちに、コントラスト電位をマイナス側にしても、感光ドラム上に薄いトナー帯が発生するようになる場合がある。
以上のようなトナー帯が出力画像に現れないようにするために、トナー帯が除去されるまでは画像形成を開始できず、待ち時間が生じてしまう。中間転写方式の画像形成装置では、トナー帯が出力画像に現れないようにするために、トナー帯が中間転写体に転写され、2次転写部を通過した後に除去されるまで、待ち時間が生じる。
又、現像スリーブに印加する電圧を停止する際にもトナー帯が発生するが、このトナー帯の量が多いと、2次転写部材である2次転写ローラを汚したり、中間転写体の清掃手段によって清掃しきれなかったりする問題が発生するリスクが高まる。
従って、本発明の目的は、トナー帯の除去のための待ち時間の短縮が可能な画像形成装置を提供することである。
又、本発明の他の目的は、トナー帯による2次転写用の転写部材の汚れの低減を図ることのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した前記帯電のための帯電電圧を印加する帯電電圧印加手段と、帯電された前記感光体に静電像を形成する露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部材と、前記現像部材に直流成分を有する前記現像のための現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、前記感光体からトナー像が転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる転写部材と、前記中間転写体と前記感光体とが当接した状態と前記中間転写体と前記感光体とが離間した状態との間の切り替えを行う切り替え手段と、を有する画像形成装置において、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力が停止しており前記中間転写体と前記感光体とが離間している状態から前記中間転写体と前記感光体とを当接させて前記感光体上のトナー像の形成を開始する際に、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力開始時に前記現像部材に対向する前記感光体上の領域が、前記感光体の回転により前記感光体と前記中間転写体との当接予定位置を通過した後に、前記感光体と前記中間転写体とを当接させることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、回転可能な感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した前記帯電のための帯電電圧を印加する帯電電圧印加手段と、帯電された前記感光体に静電像を形成する露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部材と、前記現像部材に直流成分を有する前記現像のための現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、前記感光体からトナー像が転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる転写部材と、前記中間転写体と前記感光体とが当接した状態と前記中間転写体と前記感光体とが離間した状態との間の切り替えを行う切り替え手段と、を有する画像形成装置において、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力が行われており前記中間転写体と前記感光体とが当接している状態から前記感光体上のトナー像の形成を終了して前記中間転写体と前記感光体とを離間させる際に、前記感光体と前記中間転写体とを離間させた後に、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力停止を行うことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、トナー帯の除去のための待ち時間の短縮が可能となる。又、本発明によれば、トナー帯による2次転写用の転写部材の汚れの低減を図ることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体構成及び動作
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、転写方式電子写真プロセス、接触帯電方式、反転現像方式を用いた、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像形成装置本体(装置本体)と通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ、画像読み取り装置などの外部ホスト装置からの画像情報に応じて、転写材、例えば、用紙、OHPシートなどにカラー画像を形成して出力することができる。
本実施例の画像形成装置100は、所謂、4連タンデムドラム方式の画像形成装置である。即ち、画像形成装置100は、複数個のプロセスカートリッジ8を有し、各プロセスカートリッジ8により、一旦、移動可能な中間転写体91に連続的にトナー像を多重転写する。その後、中間転写体91から転写材Sにトナー像を一括して転写することによりカラー画像を形成する。本実施例では、プロセスカートリッジ8は、中間転写体91の移動方向において直列にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に4個配置されている。以下、更に詳しく説明する。
本実施例の画像形成装置100は、複数の像形成手段として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための、第1、第2、第3、第4の画像形成部PY、PM、PC、PBkを有する。4個の画像形成部PY、PM、PC、PBkは、使用する現像剤の色が異なる他は同一の構成とされるので、以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成部の要素であることを示す符号の添え字Y、M、C、Bkは省略し、総括的に説明する。
例えば、4色カラー画像を形成する場合の全体動作を説明すると、画像形成装置100と通信可能に接続された外部ホスト装置からの信号に従って、色分解された画像信号が生成される。この信号に応じて、各画像形成部PY、PM、PC、PBkの各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8BKにおいて各色のトナー像の形成が行われる。
各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8BKでは、像担持体として導電性支持体上に有機物質の感光層を持つ回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム1を、帯電手段としての帯電部材である帯電ローラ2によって帯電させる。その一様帯電面を、像露光手段としての像露光装置(レーザービームスキャナ)3によって走査露光することで、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)を形成する。そして、この静電潜像に現像手段としての現像装置4によって現像剤であるトナーを供給することにより、感光ドラム1上にトナー像を形成する。各感光ドラム1に形成された各色のトナー像は、各1次転写部dにおいて、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト91上に順次重ね合わせて転写(1次転写)される。中間転写ベルト91の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、1次転写手段としての1次転写部材である1次転写ローラ92が設けられている。この1次転写ローラ92の作用により感光ドラム1から中間転写ベルト91へのトナー像の転写(1次転写)が行われる。そして、中間転写ベルト91上に形成されたカラーのトナー像は、中間転写ベルト91と2次転写手段としての2次転写部材である2次転写ローラ10とが対向する2次転写部Nに搬送されてきた転写材S上に一括して転写(2次転写)される。次いで、トナー像が転写された転写材Sは、定着手段としての定着器13に搬送され、ここでトナー像の定着を受けた後、機外に排出される。本実施例では、定着器13は、定着ローラ対によって転写材Sに熱及び圧力を適用して、トナー像を転写材Sに溶融定着させる。
2.画像形成部の各要素の構成及び動作
次に、図2をも参照して、各画像形成部Pの各要素についてより詳細に説明する。以下、各画像形成部Pがそれぞれ有する各要素について、特に区別を要する場合は、例えば、第1、第2、第3、第4の感光ドラム1PY、1PM、1PC、1Bkというように、それぞれ「第1」、「第2」、「第3」、「第4」のものとして記載する。
画像形成装置100は、像担持体として回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム1を有する。本実施例では、感光ドラム1は有機光導電体(OPC)ドラムであり、その外径は30mmである。又、感光ドラム1は、中心支軸を中心に140mm/secのプロセススピード(周速度)で図示矢印R1方向(反時計方向)に回転駆動される。
画像形成装置100は、帯電手段として、接触式の帯電装置である帯電ローラ2を有する。帯電ローラ2は、ローラ状に形成された接触帯電部材である。帯電ローラ2に所定の条件の電圧を印加することで、感光ドラム1を一様に負極性に帯電させる。本実施例では、帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)の長さは320mmであり、芯金(支持部材)の外回りに、基層の上に表面層を塗工して構成されている。
更に説明すると、本実施例の帯電ローラ2は、芯金として直径6mmのステンレス丸棒を用い、表層としてフッ素樹脂にカーボンを分散させたものを用いており、ローラとしての外径は14mm、ローラとしての電気抵抗は104Ω〜107Ωである。帯電ローラ2は、芯金の両端部がそれぞれ軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押圧ばねによって感光ドラム1の方向に付勢されて、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されている。又、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。
そして、帯電ローラ2には、帯電電圧印加手段(バイアス印加手段)としての帯電電源(高圧電源)V1から、直流電圧(Vdc)に所定の周波数の交流電圧(Vac)を重畳した所定の振動電圧(Vdc+Vac)が、芯金を介して印加される。これにより、回転する感光ドラム1の周面が所定の電位に帯電処理される。帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部が帯電部aである。
本実施例では、画像形成時に、帯電ローラ2に印加する帯電電圧(帯電バイアス)は、−500Vの直流電圧と、周波数=1500Hz、ピーク間電圧Vpp=1700V、正弦波の交流電圧と、を重畳した振動電圧である。斯かる帯電電圧により、感光ドラム1の周面は−500V(暗部電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
又、帯電ローラ2に対して、帯電ローラクリーニング部材2fが設けられている。本実施例では、帯電ローラクリーニング部材2fは、可撓性を持つクリーニングフィルムである。このクリーニングフィルム2fは、帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)に対し平行に配置される。又、このクリーニングフィルム2fは、同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gが、画像形成装置100の駆動モーターによりギア列を介して駆動され、長手方向に一定量の往復運動をすることで、帯電ローラ2の表層がクリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2の表層の付着汚染物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
感光ドラム1は、帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理された後、像露光手段としての像露光装置3による画像露光Lを受ける。本実施例では、像露光手段としての像露光装置3は、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャンによる走査露光系などを有する。像露光装置3によって、目的のカラー画像の各画像形成部PY、PM、PC、PBkに対応した色成分の静電潜像が、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成される。
本実施例では像露光手段としての像露光装置3として半導体レーザーを用いたレーザービームスキャナ3を用いた。レーザービームスキャナ3は、外部ホスト装置から画像形成装置100側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して、回転する感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザー走査露光(イメージ露光)する。このレーザー走査露光により、感光ドラム1上のレーザー光Lで照射された部分の電位が低下することで、回転する感光ドラム1上には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施例では、露光部電位Vlは−150Vである。感光ドラム1における画像露光Lの照射位置が露光部bである。
感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4でトナーにより現像される。本実施例において、現像装置4は2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である。現像装置4は、現像容器(現像装置本体)40、内部に固定配置されたマグネットローラを有する現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード42、現像容器40内の底部側に配設した現像剤攪拌部材43、44等を有する。現像容器40内には、主に樹脂トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)との混合物である2成分現像剤(現像剤)46が収容されている。現像剤担持体(現像部材)としての現像スリーブ41は、その外周面の一部を外部に露呈させて、現像容器40内に回転可能に配設されている。
現像スリーブ41には、所定間隙を有して現像剤規制ブレード42が対向されており、現像スリーブ41の図示矢印R2方向(反時計方向)の回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。本実施例では、現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保たせて、感光ドラム1に近接させて対向配設されている。感光ドラム1と現像スリーブ41との対向部が現像部cである。又、現像スリーブ41は、現像部cにおいてその表面が感光ドラム1の表面の進行方向とは逆方向に移動するように回転駆動される。
現像スリーブ41上の現像剤薄層は、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して、感光ドラム1を適度に摺擦する。現像スリーブ41には、現像電圧印加手段(バイアス印加手段)としての現像電源(高圧電源)V2から、直流成分を有する所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像スリーブ41に印加する現像電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した交流電圧である。より具体的には、−350Vの直流電圧と、ピーク間電圧Vpp=1800V、周波数=11kHzの交流電圧と、を重畳した振動電圧である。
回転する現像スリーブ41上に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナーが、現像電圧による電界によって感光ドラム1に形成された静電潜像に対応して選択的に付着する。これにより、感光ドラム1上の静電潜像がトナー像として現像される。本実施例では、感光ドラム1上の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
現像部cを通過した現像スリーブ41上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に伴い現像容器40内の現像剤溜り部に戻される。現像装置4内には、現像剤攪拌部材としての撹拌スクリュー43、44が設けられている。攪拌スクリュー43、44は、現像スリーブ41の回転と同期して回転し、補給されたトナーをキャリアと攪拌・混合して、トナーに所定の帯電電荷を与える機能を有する。又、攪拌スクリュー43、44は、それぞれ長手方向において反対方向に現像剤を搬送し、現像剤を現像スリーブ41に供給する。それと共に、攪拌スクリュー43、44は、現像工程によりトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)の薄くなった現像剤をトナー補給部に搬送し、現像剤を現像容器40内で循環させる機能を有する。
現像装置4の攪拌スクリュー44の上流側壁面には、現像剤の透磁率変化を検出して現像剤中のトナー濃度を検知するセンサ45が設けられており、現像剤の循環方向においてセンサ45のやや下流側にトナー補給開口47が設けられている。現像動作を行った後に、現像剤はセンサ45の検知部に運ばれ、ここでトナー濃度が検知される。その検知結果に応じて、適宜、現像装置4に接続された現像剤補給容器(トナー補給ユニット)5が備える補給スクリュー51の回転により、トナー補給ユニット5から、現像装置4のトナー補給開口47を通してトナー補給が行われる。これにより、現像剤中のトナー濃度を一定に維持するようになっている。補給されたトナーは、攪拌スクリュー44により搬送され、キャリアと混ざり合い、適度な帯電電荷を付与された後に、現像スリーブ41の近傍に運ばれ、現像スリーブ41上で薄層形成され現像に供される。本実施例では、トナーとして、平均粒径5.5μmの負帯電性のトナーを用い、キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。又、本実施例では、トナーとキャリアを重量比6:94で混合したものを現像剤として用いた。
1次転写部dで中間転写ベルト91に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(転写残トナー)は、感光体清掃手段としてのクリーニング装置7によって感光ドラム1上から除去される。クリーニング装置7は、感光ドラム1に当接して設けられたクリーニング部材としてのクリーニングブレード7aによって感光ドラム1上の転写残トナーを除去する。表面が清掃された感光ドラム1は、次の作像工程に供される。クリーニングブレード7aの材料としては、ウレタンゴム系の材料が広く用いられている。
本実施例では、像露光装置3と現像装置4とで、帯電ローラ2によって帯電された感光ドラム1にトナー像を形成するトナー像形成手段が構成される。
本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置7と、は一体的にカートリッジ化されて、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ8を構成する。
又、画像形成装置100は、制御部の中心的素子としてCPU50を有する。CPU50は、感光ドラム1や中間転写ベルト91の駆動手段の駆動・停止の指示、後記当接離間機構14の動作の指示、帯電電源V1や現像電源V2の電圧印加の開始・停止の指示及び印加電圧条件の設定などを含む画像形成装置100の動作を統括的に制御する。
3.中間転写ベルトユニット
各画像形成部Pの各感光ドラム1に対向するように、転写装置としての中間転写ユニット9が設けられている。中間転写ユニット9では、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト91が、駆動ローラ94、テンションローラ95及び2次転写対向ローラ96に所定の張力を持って掛け渡されている。中間転写ベルト91は、図示矢印R3方向(時計方向)に回転(周回移動)する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1と中間転写ベルト91との対向部である1次転写部(1次転写ニップ部)dへ進入する。1次転写部dでは、中間転写ベルト91の裏側に、1次転写手段としての1次転写部材である1次転写ローラ92が当接されている。1次転写ローラ92には、各画像形成部Pで独立に1次転写電圧(1次転写バイアス)を印加可能とするため、それぞれ1次転写電圧印加手段(バイアス印加手段)としての1次転写電圧電源93が接続されている。
中間転写ベルトユニット9は、感光体と転写装置との当接又は離間状態を切り替える切り替え手段として当接離間機構14を有する。本実施例では、当接離間機構14は、第1、第2、第3の画像形成部PY、PM、PCにおける1次転写ローラ92Y、92M、92Cの感光ドラム1P、1M、1Cに対する加圧及び加圧の解除を行う。当接離間機構14は、1次転写ローラ92Y、92M、92Cの軸受け部分を感光ドラム1Y、1M、1Cに向けて押し込むことができるように構成されている。
中間転写ベルト91が感光ドラム1から離間する際には、1次転写ローラ92Y、92M、92Cの加圧を解除し、テンションローラ95を予め定められた量hだけ移動させる(図3)。より詳細には、中間転写ベルト91を感光ドラム1から離間させる際には、当接離間機構14は、移動部15により、テンションローラ95を予め定められた量hだけ移動させる(図3)。この際、テンションローラ95と連動して当接離間機構14が動作することで、第1〜第3の1次転写ローラ92Y、92M、92Cが、第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cから離間する。この際、第4の画像形成部PBkでは中間転写ベルト91が感光ドラム1Bkから離間しない構成とする。そのため、第3の画像形成部PCと第4の画像形成部PBkとの間において中間転写ベルト91の裏面側に設けられた転写位置維持ローラ110により、第4の1次転写ローラ92Bkの位置がほとんど変わらないようにしている。又、中間転写ベルト91を第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cに当接させる際には、移動部15により、テンションローラ95を、上述の離間させた場合とは逆に移動させる。これによりテンションローラ95と連動して当接離間機構14が動作して、第1〜第3の1次転写ローラ92Y、92M、92Cを第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cに向けて加圧する(図1)。
尚、本実施例では、切り替え手段は、中間転写体を移動させることで、感光体と中間転写体との当接又は離間の状態を切り替えるが、これに限定されるものではない。本実施例とは逆に、感光体を移動させることで、感光体と中間転写体との当接又は離間の状態を切り替えるようにしてもよい。又、感光体と中間転写体の両方を移動させることで、感光体と中間転写体との当接又は離間の状態を切り替えるようにしてもよい。
カラー画像を形成する場合、中間転写ベルト91には、先ず、第1の感光ドラム1Yに形成された1色目(イエロー)のトナー像が転写される。その後、第2、第3、第4の感光ドラム1M、1C、1Bk上にそれぞれ形成された2色目(マゼンタ)、3色目(シアン)、4色目(ブラック)の各色のトナー像が、順次に中間転写ベルト91に多重転写される。
本実施例では、露光部(露光部電位Vl:−150V)に転移されたトナーに対する転写効率を考慮し、1次転写電圧として、1色目〜4色目の全てについて+350Vの電圧を印加した。
中間転写ベルト91上に形成されたトナー像は、2次転写手段としての2次転写ローラ10により、転写材Sに一括して転写(2次転写)される。転写材Sは、転写材送給手段(図示せず)から供給され、所定のタイミングで搬送手段としての給紙ローラ12によって2次転写部Nに送られてくる。
2次転写後に中間転写ベルト91上に残留する2次転写残トナーは、中間転写体清掃手段としての中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニング部材であるクリーニングブレード11aによってクリーニングされ、中間転写ベルト91は次の作像工程に供される。
中間転写ベルト91の材料としては、樹脂系、或いは金属芯体入りのゴムベルト、樹脂及びゴムからなるベルトが望ましい。又、トナーの飛び散りや中抜けなどの良化など画像向上性を意識して、弾性層を有する中間転写ベルト91を用いても良い。本実施例では、PI(ポリイミド)にカーボン分散し、体積抵抗率を108Ωcmオーダーに制御した樹脂ベルトを用いた。又、本実施例では、中間転写ベルト91は、厚さが80μm、幅(移動方向と略直交する方向の長さ)が320mm、全周が900mmである。
尚、本実施例では、1次転写ローラ92としては、導電性スポンジからなるものを用いた。又、本実施例では、1次転写ローラ92は、電気抵抗が106Ω以下、外径が16mm、長手方向(回転軸線方向)の長さが315mmである。
4.帯電電圧制御
(a)原理
本発明者らは、中間転写体の離間機構を備えたタンデム方式の画像形成装置において、トナー帯が出力画像に現れないようにするための待ち時間を省略するために、次のような構成を考案した。白黒画像を出力するために中間転写体が感光ドラムから離間している状態から当接させようとする際に、次のような動作とする。即ち、中間転写体を感光ドラムに当接させる前に現像スリーブに電圧を印加することにより、感光ドラム上に発生するトナー帯が1次転写位置を通過した後に、中間転写体を感光ドラムに当接させる。これにより、トナー帯が出力画像に現れないようにするためにトナー帯が中間転写体に転写され、2次転写部を通過した後に除去されるまでに生じる待ち時間を省略しようとする構成である。
又、現像スリーブに印加する電圧を停止する際にもトナー帯が発生するが、このトナー帯の量が多いと、2次転写部材である2次転写ローラを汚したり、中間転写体の清掃手段によって清掃しきれなかったりする問題が発生するリスクが高まる。そのため、本発明者らは、なるべくトナー帯を中間転写体に送らないために、中間転写体が感光ドラムから離間してから、現像スリーブに印加している電圧を停止する構成を考案した。
しかしながら、前述のように、現像スリーブに電圧を印加する際には帯電電圧を印加する必要があるが、中間転写体を感光ドラムから離間した状態で帯電ローラに交流電圧を印加すると、帯電音が大きくなり比較的耳障りな騒音となることが分かった。
ここで、帯電音について説明する。
感光ドラムと、感光ドラムに接触させた帯電ローラとの間には、電圧を印加することによって電界が発生して、電気的な力が生じる。この印加電圧が振動電圧たる交流電圧を含む場合には、その電気的な力が交流成分の電圧変化に対応して強弱変化する。このため、感光ドラムに振動を引き起こし、帯電音と呼ばれる騒音を発生させる。この帯電音は、周波数や交流電圧の周波数により音程が変わり、印加電圧が大きくなると大きな音になる傾向がある。
一方、交流電圧が印加された帯電ローラにより感光ドラムを帯電したときの感光ドラム上の暗部電位(画像露光されていない感光ドラム上の電位)部分には、次のような帯電電位ムラがある。即ち、印加電圧の交流成分の周波数f(Hz)と感光ドラムのプロセススピードPS(mm/sec)とで決まる空間波長λ(=PS/f)の帯電電位ムラである。従って、帯電電位ムラを目立たなくするためには、ある程度以上の周波数の交流成分を印加することが望まれる。
そのため、従来は、帯電電位ムラが目立たず、帯電音も許容範囲となる交流電圧の周波数fを一意的に決定し、この周波数fの交流電圧と所定の直流電圧とを重畳した電圧を、帯電ローラに印加するようにしていた。
従来の画像形成装置における帯電ローラに印加する交流電圧設定の一例を示すと、PS=140mm/secにおいて、Vpp=1300V〜2000V程度、f=1500Hz程度である。斯かる交流電圧設定によって、感光ドラム上は良好な帯電状態となり、帯電音も問題なかった。しかし、この場合、中間転写体が感光ドラムに当接しており、特に中間転写体内に設けられたバネで付勢された1次転写ローラが、感光ドラムの振動を抑える役割をしていた。
これに対し、中間転写体が離間している場合には、感光ドラムの振動を抑えるものが無い開放系となる。そのため、帯電音は比較的耳障りな騒音となってしまったものと考えられる。
前述のように、トナー帯が発生する動作である現像スリーブに対する電圧印加の開始及び停止を、中間転写体が感光ドラムから離間している状態で行うことが望まれる。ところが、現像電源の立ち上げ及び立ち下げ時には帯電電源が立ち上がっている必要があるため、中間転写体の離間時には帯電音が大きくなることになる。
ここで、画像形成時に帯電ローラに印加する交流電圧の周波数は、帯電電位ムラが画像として目立つかどうかによって決まる。しかし、現像電源の立ち上げ及び立ち下げ時には、厳しい帯電均一性は要求されず、帯電電位ムラがある程度許容される。
そこで、本実施例では、帯電ローラに印加する交流電圧を、中間転写体が離間している際は帯電音が抑制されるように設定し、画像形成を開始する段階では帯電電位ムラが問題にならない設定に変えるようにする。以下、更に詳しく説明する。
尚、本実施例では、以下に説明する制御は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部のCPU50によって行われる。
(b)当接時シーケンス
本実施例の画像形成装置100では、起動時において中間転写ベルト91は、第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cから離間している状態とする。この状態から白黒画像を形成する場合には、中間転写ベルト91を感光ドラム1Y、1M、1Cに当接させることはない。
一方、例えば、画像形成装置100に対する画像形成要求が、白黒画像形成とカラー画像形成の両方を行うものであって、白黒画像出力からカラー画像出力に移行する場合には、次のような動作を行う。即ち、この場合、先ず、第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cの駆動を開始し、その後、第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cを回転させながら、中間転写ベルト91を第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cに当接させる。この際、第1〜第3の画像形成部PY、PM、PCの始動に伴い第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cに発生するトナー帯が中間転写ベルト91に転写されないように、本実施例に従う制御を行う。
以下、中間転写ベルト91が離間している状態から、カラー画像を出力する際の、第1〜第3の画像形成部PY、PM、PCにおける帯電電圧設定、現像電圧設定、中間転写ベルト当接動作について図4を用いて説明する。
中間転写ベルト91の当接動作開始時においては、帯電ローラ2に印加する電圧の設定は、予め求められた帯電音が問題にならない設定とする。表2に一例を示す。一般的な傾向として、周波数を下げる方向、交流電圧の電圧を小さくする方向に設定を変更すると、帯電音は小さくなりやすい。本実施例では、一例として、温度23℃、湿度50%の環境において、周波数f0=500Hz、ピーク間電圧Vpp=1400Vとした。
Figure 2010134205
先ず、帯電ローラ2に交流電圧と直流電圧とを重畳した電圧(Vdc+Vac)を印加する。次に、感光ドラム1の電位の上昇に合わせて現像スリーブ41に現像電圧を印加する。この際、キャリアが感光ドラム1上に現像しないようにするため、現像スリーブ41に印加する電圧としては、感光ドラム1の電位と同程度の電圧を印加する。
現像スリーブ41に電圧を印加すると、感光ドラム1の電位を上回った部分において、トナーが帯状に感光ドラム1上に転移される。このトナー帯が1次転写位置dを通過した段階で、中間転写ベルト91を感光ドラム1に当接させることが可能となる。中間転写ベルト91が感光ドラム1に当接した後、第1〜第3の1次転写ローラ92Y、92M、92Cの第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cに向けた加圧を行い、当接が完了する。
尚、中間転写ベルト91が感光ドラム1に当接する際には感光ドラム1にショックが与えられるため、当接前にトナー像が感光ドラム1上にあるとトナー像にずれが生じる恐れがある。従って、中間転写ベルト91を感光ドラム1への当接前には、感光ドラム1上にトナー像を形成することは避けることが望ましい。
中間転写ベルト91が感光ドラム1に当接した後、帯電ローラ2に印加する電圧の設定を、帯電電位ムラが発生しない画像形成用の設定に変える。本実施例では、一例として、温度23℃、湿度50%の環境において、周波数f1=1500Hz、ピーク間電圧Vpp=1700Vとした。
このように、本実施例では、現像電源V2の現像電圧の出力が停止しており中間転写ベルト91が感光ドラム1から離間している状態から中間転写ベルト91を感光ドラム1に当接させて感光体上のトナー像の形成を開始する際に、次のような動作とする。即ち、現像電源V2の現像電圧の出力開始時に現像スリーブ41に対向する感光ドラム1上の領域が、感光ドラム1の回転により感光ドラム1と中間転写ベルト91との当接予定位置dを通過した後に、感光ドラム1と中間転写ベルト91とを当接させる。現像電源V2の現像電圧の出力開始時に現像スリーブ41に対向する感光ドラム1上の領域は、トナー帯が形成される領域である。そして、本実施例では、画像形成時に帯電ローラ2に印加する帯電電圧の設定と、感光ドラム1と中間転写ベルト91とが離間した状態で帯電ローラ2に印加する帯電電圧の設定とは異なる。特に、本実施例では、画像形成時に帯電ローラ2に印加する帯電電圧の交流成分の周波数の設定と、感光ドラム1と中間転写ベルト91とが離間した状態で帯電ローラ2に印加する前記帯電電圧の交流成分の周波数の設定とは異なる。典型的には、画像形成時の上記交流成分の周波数よりも、上記離間した状態での上記交流成分の周波数の方が小さい。更に、本実施例では、画像形成時に帯電ローラ2に印加する帯電電圧の交流成分のピーク間電圧の設定と、感光ドラム1と中間転写ベルト91とが離間した状態で帯電ローラ2に印加する帯電電圧の交流成分のピーク間電圧の設定とは異なる。典型的には、画像形成時の上記交流成分のピーク間電圧よりも、上記離間した状態での上記交流成分のピーク間電圧の方が小さい。
以上の制御を行うことにより、中間転写ベルト91が感光ドラム1に当接することを待ってから帯電ローラ2に電圧を印加するのに比べ、画像形成の開始までにかかる時間を数秒程度短縮することが可能になる。
(c)離間時シーケンス
次に、カラー画像を出力し、中間転写ベルト91が当接している状態から、中間転写ベルト91を感光ドラム1から離間する際の、第1〜第3の画像形成部PY、PM、PCにおける動作について図5を用いて説明する。
帯電ローラ2に印加されている交流電圧と直流電圧とを重畳した電圧(Vac+Vdc)の設定は、帯電電位ムラが発生しない、画像形成用の設定となっている。
先ず、中間転写ベルト91を感光ドラム1から離間する前に、帯電ローラ2に印加する電圧の設定を、画像形成用の設定から、帯電音が問題とならない設定に変更する。本実施例では、一例として、画像形成用の設定である周波数f1=1500Hz、ピーク間電圧Vpp=1700Vから、帯電音が問題とならない設定であるf0=500Hz、ピーク間電圧Vpp=1400Vへと変更とする。
続いて、第1〜第3の1次転写ローラ92Y、92M、92Cの加圧を解除した後、中間転写ベルト91を離間する。離間した後、キャリアを感光ドラム1上に転移させないために、感光ドラム1の電位と現像スリーブ41の電位が同程度になるように、露光Lを行いながら現像スリーブ41に印加している電圧を停止する。続いて、帯電ローラ2に印加している電圧を停止した後、露光Lを停止する。この際にも現像スリーブ41に印加された電圧が感光ドラム1の電位を上回った部分において、トナーが帯状に感光ドラム1上に現像される。
このように、本実施例では、現像電源V2の現像電圧の出力が行われており中間転写ベルト91が感光ドラム1に当接している状態から感光体上のトナー像の形成を終了して中間転写ベルト91を感光ドラム1から離間させる際に、次のような動作とする。即ち、感光ドラム1と中間転写ベルト91とを離間させた後に、現像電源V2の現像電圧の出力停止を行う。
以上の制御を行うことにより、現像電源を立ち下げる際に発生するトナー帯を2次転写ローラ10や中間転写ベルトクリーナ11に送らず、安定した画像形成が可能になる。
以上、本実施例によれば、当接離間機構14の利用により、白黒画像の出力比率が高い使用者における、カラー画像出力を行う感光ドラム1の寿命を伸ばすことができる。そして、本実施例によれば、このような画像形成装置100において、画像出力にかかる時間を短縮し、2次転写ローラ10の汚れを抑え、且つ、帯電音を抑制することが可能になる。即ち、本実施例によれば、トナー帯の除去のための待ち時間の短縮、トナー帯による2次転写ローラ10の汚れの低減を図ると共に、帯電音を抑制することができる。
その他
上記実施例では第4の感光ドラム1Bkが中間転写ベルト91から離間しない構成としたが、第4の感光ドラム1Bkが離間する構成においても、効果的に本発明を適用することができる。又、第1〜第3の感光ドラム1Y、1M、1Cが独立して離間する構成においても、効果的に本発明を適用することができる。又、上記実施例は4連タンデムドラム方式の画像形成装置について記載したが、像担持体の数はいくつであってもかまわない。
本発明に係る画像形成装置の一実施例(中間転写ベルト当接時)の概略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施例における画像形成部の感光ドラムの周囲の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施例(中間転写ベルト離間時)の概略断面図である。 本発明に従う現像電圧立ち上げ時の帯電電圧設定、現像電圧設定、中間転写ベルト当接動作のシーケンスを示すチャート図である。 本発明に従う現像電圧立ち下げ時の帯電電圧設定、現像電圧設定、中間転写ベルト離間動作のシーケンスを示すチャート図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
4 現像装置
10 2次転写ローラ
11 中間転写ベルトクリーナ
41 現像スリーブ
91 中間転写ベルト
92 1次転写ローラ

Claims (7)

  1. 回転可能な感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した前記帯電のための帯電電圧を印加する帯電電圧印加手段と、帯電された前記感光体に静電像を形成する露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部材と、前記現像部材に直流成分を有する前記現像のための現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、前記感光体からトナー像が転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる転写部材と、前記中間転写体と前記感光体とが当接した状態と前記中間転写体と前記感光体とが離間した状態との間の切り替えを行う切り替え手段と、を有する画像形成装置において、
    前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力が停止しており前記中間転写体と前記感光体とが離間している状態から前記中間転写体と前記感光体とを当接させて前記感光体上のトナー像の形成を開始する際に、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力開始時に前記現像部材に対向する前記感光体上の領域が、前記感光体の回転により前記感光体と前記中間転写体との当接予定位置を通過した後に、前記感光体と前記中間転写体とを当接させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転可能な感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に直流電圧と交流電圧とを重畳した前記帯電のための帯電電圧を印加する帯電電圧印加手段と、帯電された前記感光体に静電像を形成する露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部材と、前記現像部材に直流成分を有する前記現像のための現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、前記感光体からトナー像が転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体から転写材にトナー像を転写させる転写部材と、前記中間転写体と前記感光体とが当接した状態と前記中間転写体と前記感光体とが離間した状態との間の切り替えを行う切り替え手段と、を有する画像形成装置において、
    前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力が行われており前記中間転写体と前記感光体とが当接している状態から前記感光体上のトナー像の形成を終了して前記中間転写体と前記感光体とを離間させる際に、前記感光体と前記中間転写体とを離間させた後に、前記現像電圧印加手段の前記現像電圧の出力停止を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 画像形成時に前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の設定と、前記感光体と前記中間転写体とが離間した状態で前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の設定とは異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 画像形成時に前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分の周波数の設定と、前記感光体と前記中間転写体とが離間した状態で前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分の周波数の設定とは異なることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 画像形成時に前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分の周波数よりも、前記感光体と前記中間転写体とが離間した状態で前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分の周波数の方が小さいことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 画像形成時に前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分のピーク間電圧の設定と、前記感光体と前記中間転写体とが離間した状態で前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分のピーク間電圧の設定とは異なることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成時に前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分のピーク間電圧よりも、前記感光体と前記中間転写体とが離間した状態で前記帯電部材に印加する前記帯電電圧の交流成分のピーク間電圧の方が小さいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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