JP2022172890A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整においてクリーニングブレードの反転することを抑制することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】本発明の画像形成装置は、感光体と、帯電器と、感光体の表面に潜像を形成するように設けられた露光ユニットと、潜像を可視化するように設けられた現像ユニットと、感光体の表面のトナー像を転写媒体に転写するように設けられた転写手段と、クリーニングユニットと、制御部とを備え、帯電器及び制御部は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により感光体の表面を帯電させるように設けられ、かつ、潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により感光体の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により感光体の表面を帯電させるように設けられたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに多用されている。この画像形成装置では、帯電器を用いて帯電させた感光体の表面にレーザ光を照射することにより潜像を形成し、この潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。そして、このトナー像を転写媒体に転写する。また、転写後に感光体の表面に残った残留トナーは、クリーニングユニットにより感光体の表面から除去される。
クリーニングユニットは回転する感光体の表面に当接するクリーニングブレードを有し、このクリーニングブレードにより感光体表面から残留トナーが掻き取られる。クリーニングブレードの材料には、通常、ウレタンゴムなどが用いられる。
また、直流電圧と交流電圧との重畳電圧を帯電器に印加することにより感光体の表面を帯電させる画像形成装置が知られており(例えば、特許文献1参照)、この交流電圧が大きすぎると、感光体の表面に放電生成物が生成し、感光体の表面の摩擦係数が大きくなることが知られている。
一方、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用いて静電潜像にトナーを供給する現像ユニットを有する画像形成装置では、透磁率センサを用いて現像剤のトナー濃度を検出し、この検出結果に基づき現像剤のトナー濃度を調整している。しかし、透磁率センサの検知感度はプロセス速度(印刷速度)などにより変化するため、画像形成装置の初期調整において、透磁率センサの出力を補正する値を調べる必要がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2009-192568号公報 特開2008-216816号公報
画像形成装置の調整の際、感光体の表面に潜像やトナー像を形成することなく感光体を回転させる場合がある。この場合、感光体の表面のトナー量が少ないため、感光体の表面とクリーニングブレードとの間の摩擦力が大きくなりクリーニングブレードが反転することがある。このような反転を抑制するために、感光体表面を強く削って摩擦係数を減少させる場合があるが、クリーニングブレード及び感光体の寿命特性を低下させるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整においてクリーニングブレードの反転することを抑制することができる画像形成装置を提供する。
本発明は、感光体と、前記感光体の表面を帯電させるように設けられた帯電器と、画像データに基づいて帯電した前記感光体の表面を露光することにより前記感光体の表面に潜像を形成するように設けられた露光ユニットと、前記感光体の表面にトナーを供給することにより前記潜像を可視化するように設けられた現像ユニットと、前記感光体の表面のトナー像を転写媒体に転写するように設けられた転写手段と、転写後の前記感光体の表面をクリーニングするように設けられたクリーニングユニットと、制御部とを備え、前記帯電器及び前記制御部は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられ、かつ、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により前記感光体の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明の画像形成装置では、画像形成装置の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により感光体の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により感光体の表面を帯電させる。このことにより、感光体の表面に酸化物(放電生成物)が生成することを抑制することができ、感光体の表面の摩擦係数が大きくなることを抑制することができる。このため、感光体の表面とクリーニングブレードとの間の摩擦力が大きくなることを抑制することができ、クリーニングブレードが反転することを抑制することができる。また、クリーニングブレード及び感光体の寿命特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の概略図である。 (a)(b)は、画像形成装置の調整における電圧調整のフローチャートである。 画像形成装置の調整における電圧調整のフローチャートである。
本発明の画像形成装置は、感光体と、前記感光体の表面を帯電させるように設けられた帯電器と、画像データに基づいて帯電した前記感光体の表面を露光することにより前記感光体の表面に潜像を形成するように設けられた露光ユニットと、前記感光体の表面にトナーを供給することにより前記潜像を可視化するように設けられた現像ユニットと、前記感光体の表面のトナー像を転写媒体に転写するように設けられた転写手段と、転写後の前記感光体の表面をクリーニングするように設けられたクリーニングユニットと、制御部とを備え、前記帯電器及び前記制御部は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられ、かつ、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により前記感光体の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられたことを特徴とする。
好ましくは、前記現像ユニットはトナー及び磁性キャリアを含む現像剤と、現像剤中のトナー濃度を検出するように設けられたトナー濃度検出手段とを有し、前記画像形成装置の調整は、トナー濃度検出手段の初期調整である。
好ましくは、前記感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層とを備え、前記導電性基体は、アース又はグラウンドに接続し、前記帯電器は、導電性支持体と、導電性支持体上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた抵抗層とを備え、前記帯電器及び前記制御部は、アース又はグラウンドと導電性支持体との間に前記直流電圧又は前記重畳電圧を印加するように設けられる。このことにより、感光体と帯電器との間に電圧を印加することができ、感光体の表面を帯電させることができる。
好ましくは、前記帯電器及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、印刷時よりも大きい直流電圧により感光体の表面を帯電させるように設けられる。このことにより、交流バイアスOFFの際、感光体の表面の電位の絶対値が小さくなりトナーが飛散することを抑制することができる。
好ましくは、前記現像ユニットは、トナーを感光体の表面に供給するように設けられた現像ローラを有し、前記帯電器及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に感光体の表面の電位の絶対値が印刷時よりも小さくなるように感光体の表面を帯電させるように設けられ、前記現像ユニット及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に現像ローラに印加する現像電圧を印刷時よりも小さくするように設けられる。このことにより電力消費量を少なくすることができる。また、トナーが飛散することを抑制することができる。
好ましくは、前記感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層とを備え、導電性基体は、アース又はグラウンドに接続し、現像ユニット及び制御部は、アース又はグラウンドと現像ローラとの間に現像電圧を印加するように設けられる。このことにより、感光体と現像ローラとの間に電圧を印加することができ、感光体の表面へのトナーの付着を制御することができる。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1は本実施形態の画像形成装置の概略図である。
本実施形態の画像形成装置40は、感光体2と、感光体2の表面を帯電させるように設けられた帯電器3と、画像データに基づいて帯電した感光体2の表面を露光することにより感光体2の表面に潜像を形成するように設けられた露光ユニット4と、感光体2の表面にトナーを供給することにより前記潜像を可視化するように設けられた現像ユニット5と、感光体2の表面のトナー像を転写媒体7に転写するように設けられた転写手段6と、転写後の感光体2の表面をクリーニングするように設けられたクリーニングユニット8と、制御部9とを備え、帯電器3及び制御部9は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により感光体2の表面を帯電させるように設けられ、かつ、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置40の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により感光体2の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により感光体2の表面を帯電させるように設けられたことを特徴とする。
画像形成装置40は、電子写真技術を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置40は、モノクロ画像を形成できるモノクロ画像形成装置であってもよく、図1に示したカラー画像を形成できる中間転写方式のカラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置40は、例えば、トナー像がそれぞれ形成される複数のトナー像形成部11a~11dを所定方向(例えば、水平方向または鉛直方向)に並設した構成を有する所謂タンデム式のフルカラー画像形成装置である。また、画像形成装置40は、他のカラー画像形成装置、複写機、複合機またはファクシミリ装置であってもよい。
制御部9は、画像形成装置40を制御する部分である。制御部9は、例えば、演算処理装置(例えば、CPU)、RAM、ストレージデバイス(例えば、HDD)、ネットワークコントローラ、ビデオコントローラ、電源部などを有することができる。また、電源部は、帯電電圧回路、現像バイアス回路などを含むことができる。また、帯電電圧回路は、直流バイアス回路及び交流バイアス回路を含むことができる。また、電源部は、アース又はグラウンドに接続することができる。
また、制御部9のうち帯電器3を制御する部分は帯電器の一部であり、制御部9のうち露光ユニット4を制御する部分は露光ユニットの一部であり、制御部9のうち現像ユニット5を制御する部分は現像ユニットの一部である。
画像形成装置40は、ブラックのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー及びイエローのトナーの4種類のトナーを用いてカラー画像を形成するように設けることができる。この場合、画像形成装置40は、ブラックのトナーを用いてトナー像を形成するように設けられたトナー像形成部11a、シアンのトナーを用いてトナー像を形成するように設けられたトナー像形成部11b、マゼンタのトナーを用いてトナー像を形成するように設けられたトナー像形成部11c、イエローのトナーを用いてトナー像を形成するように設けられたトナー像形成部11dを有することができる。トナー像形成部11a~11dが並ぶ順序は特に限定されない。なお、モノクロ画像を形成する画像形成装置40は、ブラックのトナーを用いてトナー像を形成するように設けられたトナー像形成部だけを有する。
トナー像形成部11a~11dは、感光体2と、帯電器3と、露光ユニット4と、現像ユニット5と、転写手段6と、クリーニングユニット8とを有する。
感光体2は、その表面に潜像及びトナー像が形成される部材である。この感光体2が回転することにより連続的に画像が形成される。感光体2は、例えば感光体ドラムである。帯電器3、露光ユニット4、現像ユニット5、転写手段6およびクリーニングユニット8は、この順序で、感光体2の外周面に沿って、感光体2の回転方向の上流側から下流側に向って設けられる。
感光体2は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層とを備える。また、感光体2は、導電性基体と感光層との間に下引き層を備えてもよい。感光層は、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。導電性基体は、アース又はグラウンドに接続することができる。このことにより、感光体2と帯電器3との間または感光体2と現像ローラ13との間に適切な電圧を印加することができる。
また、導電性基体は、インダクタ又は抵抗体を介してアース又はグラウンドに接続することができる。
帯電器3は、感光体2の表面を帯電させるように設けられた部分である。帯電器3としては、例えば、ローラ形状、ベルト形状、ブレード形状などの接触帯電器を利用できる。帯電器3は、導電性支持体を基体としてその外周面上に、被覆層として弾性層および抵抗層をこの順で有することができる。また、導電性支持体は、制御部9と電気的に接続することができる。このことにより、帯電器3と感光体2との間に適切な電圧を印加することができ、感光体2の表面を均一に帯電させることができる。帯電器3は、感光体2の表面をマイナスに帯電させるように設けることができる。
また、制御部9(帯電電圧回路)は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により感光体2の表面を帯電させるように設けられる。また、制御部9は、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を帯電器3と感光体2との間に印加することができるように設けられる。このことにより、感光体2の表面を均一に帯電させることができる。また、感光体2がアース又はグラウンドに接続している場合、制御部9は、重畳電圧をアース又はグラウンドと帯電器3との間に印加することができる。
また、制御部9は、直流電圧(交流電圧を重畳していない電圧)を帯電器3と感光体2との間に印加することができるように設けられる。また、感光体2がアース又はグラウンドに接続している場合、制御部9は、直流電圧をアース又はグラウンドと帯電器3との間に印加することができる。
また、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置40の調整における帯電器3による感光体2の表面の帯電方法については後述する。
露光ユニット4は、画像データに基づいて帯電した感光体2の表面を露光することにより感光体2の表面に潜像(静電潜像)を形成するように設けられた部分である。露光ユニット4は、露光ユニット4を有することができる。露光ユニット4は、制御部9から出力された画像データ(例えば、ラスターイメージ)に基づいて変調された光を光走査しながら帯電器3と現像ユニット5との間の感光体2の表面(外周面)に照射する装置である。光走査には、例えば、ポリゴンモータ、MEMSなどを用いることができる。また、光の変調には、例えば、パルス幅変調、光強度変調又はこれらの組み合わせを用いることができる。また、光源には、半導体レーザ、発光ダイオードなどを用いることができる。このような露光ユニット4により感光体2に光を照射することにより、画像データに対応した電荷を感光層に生じさせることができ、感光体2の表面に、画像データに対応した静電潜像を形成することができる。露光ユニット4は、例えば、着色部分(トナーが付着する部分)に対応する感光体2の表面の部分に光を照射するように設けることができる。感光体2の表面のうち光が照射された部分では、光励起により感光層に電子とホールが発生し、このホールがマイナスに帯電した感光体2の表面に移動することにより、感光体2の表面電位が変化し静電潜像が形成される。
また、画像形成装置40が複数のトナー像形成部11a~11dを有する場合、露光ユニット4はそれぞれの感光体2に光を照射するように設けることができる。
現像ユニット5は、感光体2の表面にトナーを供給することにより静電潜像を可視化するように設けられた部分である。現像ユニット5は、現像剤を貯留する現像槽と、現像ローラ13と、攪拌スクリュー18と、トナーカートリッジ(図示せず)と、トナー濃度センサ27(トナー濃度検出手段)とを有することができる。現像剤は、例えば、トナー及び磁性キャリアを含む2成分現像剤である。磁性キャリアは、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属の粒子、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物の粒子である。これらの粒子は、樹脂層でコーティングされていてもよい。また、トナーは、バインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、外添剤を含むことができる。
各トナー像形成部11a~11dの現像ユニット5は、異なる色のトナーを感光体2の表面に供給するように設けられる。
攪拌スクリュー18は、現像槽中の現像剤を攪拌するように設けられる。現像剤を攪拌することにより現像剤に含まれるトナーがマイナスに摩擦帯電する。
現像ローラ13は、磁石部を有し、この磁石部により発生する磁場により現像ローラ13の表面に現像剤が付着し、現像剤から構成される磁気ブラシが形成される。また、現像ローラ13は、静電潜像が形成された感光体2の表面に磁気ブラシが接触又は近接するように設けられる。また、制御部9は、現像ローラ13に現像電圧を印加するように設けることができる。この現像電圧により磁気ブラシに含まれるトナーの電位が制御され、トナーの感光体2の表面への付着が制御される。また、感光体2がアース又はグラウンドに接続している場合、制御部9は、アース又はグラウンドと現像ローラ13との間に現像電圧を印加することができる。
感光体2の表面のうち露光ユニット4により光が照射されていない部分は、マイナスに帯電しているため、磁気ブラシに含まれるマイナスに帯電したトナーは付着することができない。感光体2の表面のうち露光ユニット4により光が照射された部分は、光照射により電位が変化しているため、磁気ブラシに含まれるマイナスに帯電したトナーが付着することができる。従って、感光体2の静電潜像を可視化したトナー像を感光体2の表面に形成することができる。また、現像剤に含まれるトナーは、トナー像を形成するために消費される。
トナー濃度検出手段10は、現像ユニット5中の現像剤のトナー濃度を検出する部分である。トナー濃度検出手段10は、トナー濃度センサ27を含むことができる。トナー濃度センサ27は、例えば、透磁率センサである。現像剤はトナー及び磁性キャリアを含むため、トナーと磁性キャリアとの割合が変化すると現像剤の透磁率も変化する。従って、透磁率センサの出力は現像剤のトナー濃度に応じて変化する。
トナーカートリッジは、トナーカートリッジに含まれるトナーを現像槽中の現像剤に供給するように設けることができる。また、制御部9は、透磁率センサの出力に基づき、現像槽中の現像剤へのトナー供給量を調節するように設けられる。このことにより、トナー像を形成するために消費された分のトナーを現像剤に供給することができ、現像剤のトナー濃度を安定させることができる。この結果、印刷品質を安定化することができる。
透磁率センサの出力は、プロセス速度(感光体2、現像ローラ13及び攪拌スクリュー18の回転速度)などによっても変化する。従って、現像剤のトナー濃度を安定化するためには、補正値を用いて透磁率センサの出力を補正する必要がある。この補正値は、画像形成装置40の初期調整(画像形成装置40の組立後出荷前の調整)において測定及び算出することができる。例えば、複数の異なるプロセス速度で感光体2、現像ローラ13及び攪拌スクリュー18を回転させ、透磁率センサの出力の変化を測定することができる。そして制御部9は、測定結果に基づき補正値を算出することができる。この補正値を透磁率センサに入力することにより透磁率センサにおいて出力を補正してもよい。また、制御部9が、透磁率センサの出力を補正してもよい。
転写手段6(転写部26)は、感光体2の表面のトナー像を転写媒体7に転写するように設けられた部分である。転写媒体7は、中間転写ベルト22であってもよく、記録媒体である印刷用紙であってもよい。
画像形成装置40がトナー像形成部11a~11dを有する場合、トナー像形成部11aの感光体2の表面に形成したトナー像が中間転写ベルト22に転写され、この転写されたトナー像の上に、トナー像形成部11bの感光体2の表面に形成したトナー像が転写される。さらに、転写されたトナー像の上に、トナー像形成部11cの感光体2の表面に形成したトナー像が転写され、この転写されたトナー像の上に、トナー像形成部11dの感光体2の表面に形成したトナー像が転写される。このようにしてトナー像形成部11a~11dにより形成された4色のトナー像が中間転写ベルト22上で重ねられ、カラー画像が形成される。このカラー画像が紙搬送経路を通過する紙に転写され、この紙が定着ユニット25を通過することにより、カラー画像が紙に印刷される。
定着ユニット25は、例えば、加熱ローラと加圧ローラとが圧接状態で対向配置された構造を有することができる。加熱ローラと加圧ローラとの圧接位置に搬入される用紙に所定の圧接力を付与した状態で用紙を定着温度まで加熱することで、用紙に転写されているトナーを溶融すると共に、溶融されたトナーを紙面に定着させることができる。トナーの定着性能は定着温度に左右される。例えば、定着温度が低ければ用紙との定着性が弱く、逆に高ければ溶け過ぎて加熱ローラ面に付着した溶融トナーが次回転で用紙に2 度書きのように転写される。
クリーニングユニット8は、転写後の感光体2の表面をクリーニングするように設けられた部分である。クリーニングユニット8は、感光体2上に残留したトナーを除去して、感光体2の表面を新たな静電潜像が形成できる状態に戻す部分である。クリーニングユニット8により残留トナーが除去された後の感光体2の表面は、帯電器3により帯電される。
クリーニングユニット8は、クリーニングブレード21及びブラシローラを備えることができる。また、クリーニングユニット8は、ブラシローラにより感光体2の表面のトナーを散らし、クリーニングブレード21でこのトナーを掻き取るように設けることができる。クリーニングブレード21の材料は、ウレタンゴムなどのゴムとすることができる。また、クリーニングブレード21は、クリーニングブレード21の自由端が感光体2の表面に当接するように設けられる。感光体2の外周曲面の接線とクリーニングブレード21との成す当接角度は、例えば、10度以上40度以下とすることができる。また、クリーニングブレード21は、感光体2の表面(外周曲面)に対する線圧が0.1N/cm以上0.5N/cm以下となるように設けることができる。
潜像を形成せずに行う画像形成装置40の調整は、例えば、画像形成装置40の初期調整である。画像形成装置40の初期調整は、画像形成装置40の組み立て後、画像形成装置40の本格的稼働の前に行う画像形成装置40の調整である。また、画像形成装置40の初期調整は、画像形成装置40の組み立て後出荷前に行う調整であってもよい。画像形成装置40の初期調整は、例えば、トナー濃度検出手段10の初期調整である。具体的には、透磁率センサの出力の測定及び補正値の算出である。
トナー濃度検出手段10の初期調整は、感光体2、現像ローラ13及び攪拌スクリュー18を回転させながら行われる。また、この初期調整は、トナーの感光体2への付着を抑制するために、帯電器3により感光体2の表面を帯電させながら行われる(静電潜像は形成しない)。なお、感光体2の表面電位の絶対値が小さいと、トナーが感光体2に付着し、飛散するおそれがある。
また、この初期調整では、感光体2の表面に付着したトナーが少ないため、感光体2の表面とクリーニングブレード21とが接触することにより生じる摩擦力が上昇しやすく、クリーニングブレード21が反転しやすい。
このトナー濃度検出手段10の初期調整の際、帯電器3及び制御部9(帯電電圧回路)は、直流電圧により感光体2の表面を帯電させることができる(交流電圧を重畳しない)。このことにより、感光体2の表面が酸化されることを抑制することができ、感光体2の表面の摩擦係数が上昇することを抑制することができる。この結果、感光体2の表面とクリーニングブレード21とが接触することにより生じる摩擦力が上昇することを抑制することができ、クリーニングブレード21が反転することを抑制することができる。例えば、図2(a)に示したフローチャートのように帯電電圧及び現像電圧を調整することができる。また、この場合、帯電器3に印加する直流電圧は、印刷時に帯電器3に印加する直流電圧よりも大きくすることができる。このことにより、感光体2の表面電位の絶対値が小さくなりすぎることを抑制することができる。
トナー濃度検出手段10の初期調整の際の現像バイアスは、算出した感光体2の表面電位に基づき調整することができる。また、感光体2の表面電位の絶対値が印刷時よりも小さくなるように制御部15が帯電器3に帯電電圧を印加する場合、それに連動させて、制御部15は、現像ローラ13に印加する現像電圧を小さくすることができる。このことにより電力消費量を少なくすることができる。また、トナーが飛散することを抑制することができる。
また、トナー濃度検出手段10の初期調整では描画を伴わないため、直流電圧を印加した帯電器3を用いて感光体2を帯電させても問題は生じない。
また、トナー濃度検出手段10の初期調整の際、帯電器3及び制御部9(帯電電圧回路)は、印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により感光体2の表面を帯電させることができる。例えば、トナー濃度検出手段10の初期調整の際の帯電器3へ印加する交流電圧を、印刷時の帯電器3へ印加する交流電圧の0.8倍以下とすることができる。このことにより、感光体2の表面が酸化されることを抑制することができ、感光体2の表面の摩擦係数が上昇することを抑制することができる。この結果、感光体2の表面とクリーニングブレード21とが接触することにより生じる摩擦力が上昇することを抑制することができ、クリーニングブレード21が反転することを抑制することができる。例えば、図2(b)に示したフローチャートのように制御部9は帯電電圧及び現像電圧を調整することができる。
また、トナー濃度検出手段10の初期調整では描画を伴わないため、帯電器3に印加する交流電圧を小さくして感光体2を帯電させても問題は生じない。
また、トナー濃度検出手段10の初期調整は、テスト印刷の後に行ってもよい。この場合、例えば、図3に示したフローチャートのように制御部9は帯電電圧及び現像電圧を調整することができる。
ここでは、トナー濃度検出手段10の初期調整における帯電電圧及び現像電圧の印加方法について説明したが、トナー濃度検出手段10の初期調整以外の画像形成装置の初期調整(静電潜像を形成せずに感光体2を回転させて行う調整)においても、上記のように帯電電圧及び現像電圧を印加することができる。
潜像を形成せずに行う画像形成装置40の調整は、初期調整以外の潜像を形成せずに行う画像形成装置40の各種調整であってもよい。この調整には、例えば、定着温度調整が含まれる。定着温度調整は、画像形成装置40の電源をONにした際や、画像形成装置40を長時間放置した後の復帰の際に行われる。
定着ユニット25の定着温度を調整する際、定着ローラ(加熱ローラ及び加圧ローラ)を回転させながら定着温度を調整する。定着ローラを回転させる駆動源と、感光体2を回転させる駆動源とが同一である機種の場合、定着温度を調整するために定着ローラを回転させると、感光体2も同時に回転する。この際、印刷を行わないため、感光体2の表面には潜像を形成しない。この場合においても、帯電器3は、交流電圧を重畳していない直流電圧により感光体2の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により感光体2の表面を帯電させる。このことにより、定着温度を調整する際にクリーニングブレード21が反転することを抑制することができる。
実験
表1に示したような帯電電圧及び現像電圧で、デジタル複写機(シャープ株式会社製デジタル複写機(商品名:DX-20C20)に高電圧発生部及び高耐圧部を追加した装置)の初期調整(透磁率センサの初期調整)を行いその後印刷を行った。
比較例(従来の方法)では、初期調整時の帯電電圧及び現像電圧は、印刷時と同じにした。比較例の初期調整の際にクリーニングブレードが反転した。
Figure 2022172890000002
実施例1では、初期調整の際に直流電圧を帯電器に印加することにより感光体の表面を帯電させた。また、感光体の表面の電位が印刷時と実質的に同じになるように直流電圧を印刷時よりも大きくした。実施例1の初期調整の際にはクリーニングブレードは反転しなかった。
実施例2では、初期調整時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を帯電器に印加することにより感光体の表面を帯電させた。また、帯電器に印加する交流電圧の大きさを印刷時よりも小さくした。実施例2の初期調整の際にはクリーニングブレードは反転しなかった。
実施例3では、初期調整の際に直流電圧を帯電器に印加することにより感光体の表面を帯電させた。また、感光体の表面の電位の絶対値が印刷時より小さくなるように直流電圧を調整した。また、現像電圧を印刷時よりも小さくした。実施例3の初期調整の際にはクリーニングブレードは反転しなかった。
2:感光体 3:帯電器 4:露光ユニット 5:現像ユニット 6:転写手段 7:転写媒体 8:クリーニングユニット 9:制御部 10:トナー濃度検出手段 11、11a~11d:トナー像形成部 13:現像ローラ 18:攪拌スクリュー 21:クリーニングブレード 22:中間転写ベルト 23:紙搬送経路 25:定着ユニット 26:転写部 27:トナー濃度センサ 40:画像形成装置

Claims (6)

  1. 感光体と、前記感光体の表面を帯電させるように設けられた帯電器と、画像データに基づいて帯電した前記感光体の表面を露光することにより前記感光体の表面に潜像を形成するように設けられた露光ユニットと、前記感光体の表面にトナーを供給することにより前記潜像を可視化するように設けられた現像ユニットと、前記感光体の表面のトナー像を転写媒体に転写するように設けられた転写手段と、転写後の前記感光体の表面をクリーニングするように設けられたクリーニングユニットと、制御部とを備え、
    前記帯電器及び前記制御部は、印刷時に直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられ、かつ、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、交流電圧を重畳していない直流電圧により前記感光体の表面を帯電させる又は印刷時よりも小さい交流電圧を直流電圧に重畳した重畳電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像ユニットは、前記トナー及び磁性キャリアを含む現像剤と、前記現像剤中のトナー濃度を検出するように設けられたトナー濃度検出手段とを有し、
    前記画像形成装置の調整は、前記トナー濃度検出手段の初期調整である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層とを備え、
    前記導電性基体は、アース又はグラウンドに接続し、
    前記帯電器は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられた弾性層と、前記弾性層上に設けられた抵抗層とを備え、
    前記帯電器及び前記制御部は、アース又はグラウンドと前記導電性支持体との間に前記直流電圧又は前記重畳電圧を印加するように設けられた請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯電器及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に、印刷時よりも大きい直流電圧により前記感光体の表面を帯電させるように設けられた請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  5. 前記現像ユニットは、前記トナーを前記感光体の表面に供給するように設けられた現像ローラを有し、
    前記帯電器及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に前記感光体の表面の電位の絶対値が印刷時よりも小さくなるように前記感光体の表面を帯電させるように設けられ、
    前記現像ユニット及び前記制御部は、前記潜像を形成せずに行う画像形成装置の調整の際に前記現像ローラに印加する現像電圧を印刷時よりも小さくするように設けられた請求項1~4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層とを備え、
    前記導電性基体は、アース又はグラウンドに接続し、
    前記現像ユニット及び前記制御部は、アース又はグラウンドと前記現像ローラとの間に前記現像電圧を印加するように設けられた請求項5に記載の画像形成装置。
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