JP2010134111A - クリーニングブレード部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クリーニング性を維持しつつ、使用温度領域における耐摩耗性に優れ、カケを防止した高耐久性のクリーニングブレード部材を提供する。
【解決手段】 ポリオール、イソシアネート化合物を少なくとも含むポリウレタン組成部を硬化・成形してなる注型タイプのポリウレタン部材からなるものであり、前記ポリウレタン部材は、外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つ、ハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クリーニングブレード部材に関し、特に、電子写真法において感光体や転写ベルトなど、トナー像が形成され且つその後当該トナー像を被転写材に転写するトナー像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレード部材に関する。
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体あるいは転写ベルト等を繰り返し使用するために、トナーを除去するクリーニングブレードが用いられる。クリーニングブレードは、長期間に亘って感光体に当接させるものであるため、耐摩耗性が良好であることが求められている。さらに、近年、ユニットのロングライフ化が進むにつれて感光体が高耐久品となっており、それに伴ってクリーニングブレードにも高耐久性が求められている。
ここで、ポリウレタンからなるクリーニングブレードとして、例えば、50℃における引張強度が12MPa以上、tanδのピーク温度が15℃以下、硬度が80°以下の硬化体からなるクリーニングブレードが開発されている(特許文献1参照)。従来、この特許文献1のように、温度依存性を改良するために、tanδのピーク温度やその強度が規定されてきた。しかしながら、tanδのピーク温度とその強度を制御しただけでは、高温多湿環境(HH環境)下では耐摩耗性が悪い場合があった。
一方、結晶化したポリウレタン部材からなるクリーニングブレードは、カケやすく、耐久性が劣るという問題があった。
また、ポリイソシアネートと、ポリオールと、ジアミノ化合物(2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)とを含有するポリウレタン組成物を硬化反応させることで高温時の耐摩耗性や耐欠け性を向上させることを目的としたクリーニングブレードがある(特許文献2参照)。しかしながら、このクリーニングブレードに用いられるジアミノ化合物(2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)は、反応速度が速いため、シートが成形できないという問題があった。
このため、温度依存性が小さく、使用温度領域(特に高温側)での耐摩耗性に満足が得られるブレードが望まれている。
特開2001−265190号公報 特許第3666331号
本発明はこのような事情に鑑み、クリーニング性を維持しつつ、使用温度領域における耐摩耗性に優れ、カケを防止した高耐久性のクリーニングブレード部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ポリオール、イソシアネート化合物を少なくとも含むポリウレタン組成物を硬化・成形してなる注型タイプのポリウレタン部材からなるものであり、前記ポリウレタン部材は、外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であることを特徴とするクリーニングブレード部材にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のクリーニングブレード部材において、前記ポリウレタン部材は、損失正接(tan δ)のピーク温度が−50℃〜40℃であり且つ−50℃の貯蔵弾性率を(G’−50)Paとし、40℃の貯蔵弾性率を(G’40)Paとしたとき、(G’−50)/(G’40)が120以下であることを特徴とするクリーニングブレード部材にある。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載のクリーニングブレード部材において、前記(G’40)は1.6×10Paより大きいことを特徴とするクリーニングブレード部材にある。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様に記載のクリーニングブレード部材において、前記イソシアネート化合物が1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)であることを特徴とするクリーニングブレード部材にある。
本発明によると、所定のハードセグメント凝集体を所定の割合で含むポリウレタン部材からなることにより、クリーニング性を維持しつつ、温度依存性が小さく、耐摩耗性に優れた高耐久性のクリーニングブレード部材を提供することができる。
本発明のクリーニングブレード部材を構成するポリウレタン部材は、ポリオール、イソシアネート化合物を少なくとも含むポリウレタン組成物を硬化・成形してなる注型タイプのものである。かかるポリウレタン部材は、所定の大きさのハードセグメント凝集体を所定の割合で含むようにして成形したものである。
かかるクリーニングブレード部材は、長鎖ポリオールからなるソフトセグメントと、短鎖ポリオールやアミン系化合物などの架橋剤とイソシアネート化合物とからなるハードセグメントとから構成される注型タイプのポリウレタン部材からなり、このハードセグメントを所定の大きさのハードセグメント凝集体となるようにして、分子配列をある程度並べたものである。これにより、クリーニング性を維持しつつ、耐摩耗性が優れたものとなる。また、カケが防止された高耐久性のものとなる。
ここで、ハードセグメント凝集体とは、主に短いポリマー同士が反応して形成されたハードセグメントを主体とした凝集体であり、これらの一部にソフトセグメントが含まれる場合もある。すなわち、ハードセグメント凝集体とは、イソシアネート化合物が自己付加反応したもの、架橋剤が自己付加反応したもの、及びイソシアネート化合物と架橋剤とが反応したものを中心とするものであり、一部に長鎖ポリオールが含まれる場合もある。
一般的なポリウレタン部材では、ハードセグメントはほとんど凝集することなく、あるいは、ほとんど観察できないほどの大きさで凝集しているのに対し、本発明にかかるポリウレタン部材は、所定の大きさのハードセグメント凝集体が存在するものである。かかるハードセグメント凝集体は、マイクロスコープ等により観察できるものであり、外径が0.5μm以上12μm未満、好ましくは外径が1〜10μmである。外径が0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含むように成形したポリウレタン部材は、カケの防止と、耐摩耗性とを両立させたものとなる。なお、外径が0.5μm以上のハードセグメント凝集体を含まないポリウレタン部材は、耐摩耗性が十分に得られない。また、外径が12μm以上のハードセグメント凝集体を含むクリーニングブレード部材は、個々のハードセグメント凝集体にかかる応力が大きくなることによりカケが発生しやすくなる。複写機で一般的に使用されているトナーの外径は10μm以下であり、トナーの大きさよりも大きいカケが発生すると、トナーがすり抜けてクリーニング不良が発生するという問題がある。
また、本発明のクリーニングブレード部材を構成するポリウレタン部材は、ハードセグメント凝集体の外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満である。1000μmあたりのa×bが70未満ではカケの防止及び耐摩耗性の効果が十分に得られなくなり、1050以上ではカケが発生したり、ハードセグメント凝集体の割合が多くなり永久伸びが大きくなったりしてしまう。
上述したハードセグメント凝集体を含むポリウレタン部材は、環境依存性の小さいものである。ポリウレタン部材は、好ましくは、損失正接(tan δ)のピーク温度が−50℃〜40℃であり且つ−50℃の貯蔵弾性率を(G’−50)Paとし、40℃の貯蔵弾性率を(G’40)Paとしたとき、(G’−50)/(G’40)が120以下である。損失正接のピーク温度が−50℃〜40℃となることにより、使用温度領域、特に低温低湿環境においてもゴム性を維持でき、欠けの発生しにくいクリーニングブレード部材となる。なお、損失正接のピーク温度がこの範囲よりも高くなると、低温低湿環境でゴム性を失ってしまい、非常に欠け易くなり、環境の変動が大きいクリーニングブレード部材となってしまう虞がある。また、本発明にかかるポリウレタン部材は、従来のポリウレタン部材のように、40℃における貯蔵弾性率が著しく低下することがないため、(G’−50)/(G’40)が120以下となる。すなわち、−50℃から40℃という使用領域における貯蔵弾性率の変化が小さく、環境が変化しても十分に安定したクリーニング性を維持することができる。
また、本発明のクリーニングブレード部材は、ポリウレタン組成物が所定の外径のハードセグメント凝集体を所定の割合で含むことにより、従来のポリウレタン部材に比べて貯蔵弾性率が上昇したものとなり、例えば、40℃における貯蔵弾性率(G’40)が1.6×107Pa以上となる。なお、貯蔵弾性率は、クリーニングブレード部材の振動能力の指標とすることができるものであり、貯蔵弾性率が高いポリウレタン部材はウレタン結合から伝わる振動を減衰する能力が高い。この条件を満たすポリウレタン部材は、異音対策やトナーや外添剤のフィルミング防止に優れたものとなる。
ポリウレタン組成物は、ポリオールとイソシアネート化合物に、架橋剤等を配合させたものである。ポリオールとしては、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、カプロラクトン系のポリオール、ポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
ポリオールと反応させるイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができ、これらのイソシアネート化合物を用い、所定の成形条件で硬化・成形することにより、適当な大きさのハードセグメント凝集体を含むポリウレタン部材とする。所定の大きさのハードセグメント凝集体の形成しやすさという点では、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)が好ましく、特に1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)が好ましい。なお、これらのイソシアネート化合物は、併用してもよい。イソシアネート化合物の配合割合は、ポリウレタン組成物中に30〜80重量%であることが好ましい。30重量%未満では所望の硬度が得られなかったり、引張強さが不十分になったりする場合があるからであり、80重量%より多いと永久伸びが大きくなりすぎる場合があるためである。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらは勿論、併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。
ジオールは特に限定されないが、例えば、プロパンジオール(PD)、ブタンジオール(BD)が挙げられる。また、トリオールも特に限定されないが、分子量が120〜2500のトリオールが好ましく、さらに好ましくは120〜1000のトリオールである。具体的には、トリメチロールエタン(TME)、トリメチロールプロパン(TMP)等の短鎖トリオールや、分子量がそれらよりも大きい下記式(1)で表されるカプロラクトン系トリオール(εカプロラクトンから合成されるトリオール)等を挙げることができる。なお、トリオールを添加すると、クリープや応力緩和などの特性を改良することができる。
Figure 2010134111
架橋剤の配合割合は特に限定されないが、架橋剤中の3官能架橋剤の割合が0〜70%であることが好ましく、より好ましくは5〜40%である。なお、2官能架橋剤も3官能架橋剤もそれぞれ二種以上混合して用いてもよい。
また、ポリウレタン部材は、いずれもα値が0.7〜1.0であることが好ましく、特に0.90〜0.98であることが好ましい。α値とは、下記式で表される値である。α値が、1.0より大きいと架橋剤の官能基(水酸基やアミノ基等)が残存するため当接する感光体等を汚染してしまいう場合があり、0.7未満では、ハードセグメントの量が不十分で強度不足となり摩擦係数が高くなってしまう場合がある。
Figure 2010134111
また、K値(ポリウレタン配合材料中のNCO基数/長鎖ポリオールのOH基数)は、2.0〜6.0であるのが好ましく、より好ましくは2.0〜3.9であるのが好ましい。K値が2.0未満となるとハードセグメントの量が少なすぎるために柔軟性が高くなりすぎてポリウレタンの強度が低下し、摩擦係数が高くなってしまうことがあり、6.0より大きくなるとハードセグメントの量が多すぎるために柔軟性が得られなくなり摩擦係数が低くなってしまうことがあるためである。
かかるポリウレタン部材は、上述したポリオールに、イソシアネート化合物及び架橋剤等を配合して、分子配列が均一となる成形条件で成形する。具体的には、ポリウレタン組成物を調整する際にポリオールやプレポリマーの温度を低くしたり、硬化・成形の温度を低くしたりすることにより、加硫の進行が遅くなるように調整する。ただし、これらの温度(ポリオールやプレポリマーの温度、硬化・成形の温度)を低く設定しすぎると、ハードセグメント凝集体の外径が12μm以上となる虞があるので、所望のハードセグメント凝集体が得られるように温度は適宜調整する。これにより、ポリウレタン組成物に含まれる分子が並んだ状態となり、適当な大きさの外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であるポリウレタン部材が成形される。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、及び架橋剤の重量部、架橋剤の比率等は適宜調整する。
また、ポリウレタン部材の製造では、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法を用いることができる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本発明には好適であるが、製法により制限されるものではない。
上述した構成からなるポリウレタン部材を用いることで、本発明のクリーニングブレード部材は、温度依存性が小さく、低温においても安定した性能を発揮できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(比較例1)
1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量2000の1,9−NDアジペート40重量部、1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量1000の1,9−NDアジペート60重量部に、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)を39重量部配合した所定の温度のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を4.4重量部、トリメチロールプロパン(TMP)をα値:0.95、K値:2.3、3官能基比率:0.5となるように配合し、所定の温度で反応・硬化させてポリウレタンとした。このポリウレタンを切断して、比較例1のテストサンプル、厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例2)
分子量2000のカプロラクトン(PCL)100重量部、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)を26重量部配合した所定の温度のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を3.2重量部、トリメチロールプロパン(TMP)をα値:0.95、K値:2.5、3官能基比率:0.5となるように配合し、所定の温度で反応させてポリウレタンとした。このポリウレタンを切断して比較例2のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例3)
1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量2000の1,9−NDアジペート100重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を48重量部配合した所定の温度のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を9.6重量部、トリメチロールプロパン(TMP)をα値:0.95、K値:3.8、3官能基比率:0.2となるように配合し、所定の温度で反応させてポリウレタンとした。このポリウレタンを切断して比較例3のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例4)
分子量2000のカプロラクトン(PCL)100重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を43重量部配合した所定の温度のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を8.7重量部、トリメチロールプロパン(TMP)をα値:0.95、K値:3.4、3官能基比率:0.15となるように配合し、所定の温度で反応させてポリウレタンとした。このポリウレタンを切断して比較例4のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(実施例1)
成形温度を40℃低くして反応させた以外は、比較例1と同様にして実施例1のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(実施例2)
成形温度を40℃低くして反応させた以外は、比較例2と同様にして実施例2のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(実施例3)
成形温度を40℃低くして反応させた以外は、比較例3と同様にして実施例3のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(実施例4)
成形温度を40℃低くして反応させた以外は、比較例4と同様にして実施例4のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(実施例5)
1,9−ノナンジオールとアジピン酸とから得た分子量2000の1,9−NDアジペート100重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を50重量部配合した所定の温度のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を11.6重量部、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン(EC300)を1.5重量部、トリメチロールプロパン(TMP)をα値:0.95、K値:3.9、3官能基比率:0.2となるように配合し、比較例1よりも成形温度を40℃低くして反応させてポリウレタンとした。このポリウレタンを切断して実施例5のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例5)
プレポリマーの温度を20℃低くした以外は、実施例1と同様にして比較例5のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例6)
プレポリマーの温度を20℃低くした以外は、実施例3と同様にして比較例6のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレード部材を得た。
(比較例7)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を55重量部配合してK値:4.4とした以外は、実施例5と同様にして比較例7のテストサンプル及び厚さ2.0mmのクリーニングブレードを得た。
(試験例1)
各実施例及び各比較例のテストサンプルについて、25℃でのゴム硬度(JIS A)をJIS K6301に準拠して、300%伸張時の引張強度(300%M)をJIS K6251に準拠して、破断強度及び破断時の伸びをJIS K6251に準拠して、引裂き強度をJIS K6252に準拠して、ヤング率をJIS K6254で25%伸長により測定した。また、25℃での反発弾性(Rb)をJIS K6301に準拠したリュプケ式反発弾性試験装置により測定した。また、貯蔵弾性率及びピーク温度をEXSTAR6000(SII社製)により、1Hzにて測定した。結果を表1に示す。
(試験例2)
各実施例及び各比較例のテストサンプルの表面をマイクロスコープ(キーエンス社製、倍率:450倍)により観察し、ハードセグメント凝集体の外径を測定すると共に1000μm当たりのハードセグメント凝集体の個数をカウントした。なお、それぞれ3箇所において測定して平均値を求めた。結果を表1に示す。
(試験例3)
各実施例及び各比較例のクリーニングブレード部材を実機(リコー社製:imagioMF351に取り付け、トナー印字率5%のチャートによりHH環境(30℃×85%)下で、10枚完結で運転を60分間行った。その後、クリーニングブレードのエッジの摩耗状態をレーザー顕微鏡により観察・測定し、摩耗断面積を測定した。測定条件を以下に、結果を表1に示す。
<レーザー顕微鏡測定条件>
測定機:キーエンス VK−9500、倍率:10倍、
測定モード:カラー超深度、
測定箇所:クリーニングブレード1本内5点
(両端から20mm及び80mmの地点並びに中央)
Figure 2010134111
Figure 2010134111
(結果のまとめ)
比較例1〜4のテストサンプルは、ハードセグメント凝集体を含まないものであった。これに対し、低い成形温度で成形した実施例1〜5のテストサンプルは、外径が1.2〜8.0μmのハードセグメント凝集体を含むものであり、a×bが72〜1020であった。なお、ハードセグメント凝集体はいずれも12μm未満であった。また、さらにプレポリマー温度を低くして成形した比較例5及び比較例6のテストサンプルは、ハードセグメント凝集体を含むものであったが、ハードセグメント凝集体の外径が12.0〜13.8μmであり、a×bが36〜69であった。
実施例1〜5及び比較例1〜7は、いずれも硬度、反発弾性等の機械的特性に優れるものであった。
実施例1〜5のテストサンプルは、いずれも(G’−50)/(G’40)が115以下であり、摩耗断面積は小さかった。これより、環境依存性に優れ、耐摩耗性に優れたものであることがわかった。これに対し、比較例1〜4のテストサンプルは、いずれも(G’−50)/(G’40)は139以上であり、摩耗断面積が大きかった。すなわち、環境依存性が比較的高く、耐摩耗性の低いものであった。また、比較例5及び6のテストサンプルは、いずれも(G’−50)/(G’40)が101以下であったが、摩耗断面積が大きく、耐摩耗性に劣るものであることがわかった。
また、比較例7のテストサンプルは、外径が1.7μmのハードセグメント凝集体を含むものであったが、a×bが1350であり、摩耗断面積が大きく、耐摩耗性に劣るものであった。
これより、本願発明のクリーニングブレード部材は、外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つ、ハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であることにより、環境依存性が小さく、耐摩耗性に優れ、カケを防止したものであることがわかった。

Claims (4)

  1. ポリオール、イソシアネート化合物を少なくとも含むポリウレタン組成物を硬化・成形してなる注型タイプのポリウレタン部材からなるものであり、前記ポリウレタン部材は、外径0.5μm以上12μm未満のハードセグメント凝集体を含み、且つハードセグメントの外径をa(μm)とし、その個数をb(個)としたとき、1000μmあたりのa×bが70以上1050未満であることを特徴とするクリーニングブレード部材。
  2. 請求項1に記載のクリーニングブレード部材において、前記ポリウレタン部材は、損失正接(tan δ)のピーク温度が−50℃〜40℃であり且つ−50℃の貯蔵弾性率を(G’−50)Paとし、40℃の貯蔵弾性率を(G’40)Paとしたとき、(G’−50)/(G’40)が120以下であることを特徴とするクリーニングブレード部材。
  3. 請求項1又は2に記載のクリーニングブレード部材において、前記(G’40)は1.6×10Paより大きいことを特徴とするクリーニングブレード部材。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のクリーニングブレード部材において、前記イソシアネート化合物が1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)であることを特徴とするクリーニングブレード部材。
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