JP2011039127A - 電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材 - Google Patents

電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材 Download PDF

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【課題】耐摩耗性、低摩擦性、及び保持部材たるホルダとの接着性に優れ、低温低湿環境下で使用した際にも長期間に亘って良好な画像を得ることが可能な電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を提供すること。
【解決手段】感光体の外周面に摺接せしめられて、該感光体の外周面に残留するトナーを除去するブレードゴムと、該ブレードゴムを保持する金属製のホルダとを有する電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材において、前記ブレードゴムを、平均粒子径が2〜53μmであり、且つ表面エネルギーが40〜70dyn/cmである、樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合してなる材料を用いて、形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材に係り、特に、電子写真式画像形成装置において、紙等の被転写体に転写されることなく感光体の外周面に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードとして、有利に用いられる電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材に関するものである。
従来より、複写機やプリンタ、ファクシミリ、及びそれらの複合機等の電子写真式画像形成装置には、クリーニングブレードが取り付けられている。かかるクリーニングブレードは、一般に、感光体の外周面に摺接せしめられる弾性体からなるブレードと、かかるブレードを保持して、電子写真式画像形成装置内のクリーニング装置等にブレードを組み付けるための金属板等からなるホルダ(保持部材)とを有して、構成されている。そして、クリーニングブレードを構成するブレードのエッジ部が感光体の外周面に摺接せしめられることによって、トナー像の転写後に感光体の外周面に残留するトナーが掻き取られて、除去されるようになっている。
ここで、感光体の外周面に残留するトナーを確実に除去するためには、粒径が数μm〜数十μm程度である微細なトナーがブレードをすり抜けないように、ブレードに対しては、感光体への高い押し付け力を確保し得ることが求められると共に、感光体からの押し付け抗力に対する強度、具体的には、ホルダ(保持部材)に対する高い接着性が求められている。
また、上述せる如きクリーニングブレードのブレードを構成する材料としては、従来より、耐摩耗性等の特性に優れたポリウレタンゴム材料が広く用いられているが、ポリウレタンゴム材料は、一般に、低温で樹脂化(高硬度化して弾性悪化)する一方、高温ではゴム化(低硬度化して過剰弾性)する傾向が強く、使用する温度環境によってトナー掻き取り性が大きく変化するという問題がある。近年、電子写真式画像形成装置の使用環境が多様化してきていることに伴い、低温(10℃程度)から高温(32℃程度)までの広い温度領域において良好なトナー掻き取り性を発揮するブレードが、望まれている。
さらに、昨今、クリーニングブレードや感光体等が一体的に組み付けられてなるカートリッジに対して、高寿命化及び低コスト化が要求されているところ、特にクリーニングブレードのブレードにおける耐摩耗性及び低摩擦性が重要になってきている。
上述の如き、クリーニングブレードに要求される様々な特性を発揮させるべく、例えば、耐摩耗性の向上を目的として、ブレードに要求される様々な特性のバランスを考慮しつつ新規なポリウレタンゴム材料の開発が行なわれているのであり、また、ブレードの低摩擦化についても様々な試みが為されている。
具体的には、ブレードにおけるトナー掻き取り性の向上、及び高寿命化を図るべく、ブレードを構成する弾性体の硬度を高める対策が施されている。しかしながら、ブレード(弾性体)全体の硬度を高め過ぎると、ブレードと感光体との摺接によって、異音(鳴き)が発生したり、感光体の外周面に傷がつくといった問題があり、クリーニングブレード及び感光体等が組み付けられてなるカートリッジとしての耐久性は十分なものとは言い難く、高寿命化の要求を満足するには至っていなかった。尚、一般に、ポリウレタンゴム材料からなるブレードを高硬度化することに伴い、若干の低摩擦化が図られ、ブレードと摺接する際の異音の発生は抑えられると考えられるが、感光体への高い押し付け力に起因して異音が発生する。
また、特許文献1(特開2003−195711号公報)においては、高温/高湿環境下に長期放置した場合でも、複写画像にブレード跡が発生せず、安定したクリーニング性能を発揮できるクリーニングブレードとして、ポリウレタンゴムの母材100質量部中に、個数平均粒径が0.01〜30μmでビニル系樹脂、フッ素系樹脂或いはポリエステル系樹脂等縮合重合体からなる樹脂微粒子を0.1〜50質量部分散させてなるものが、提案されている。しかしながら、かかる特許文献1に記載のクリーニングブレードにあっては、耐摩耗性、低摩擦性、及びホルダ(保持部材)との接着性においては未だ十分なものではなく、更なる改善の余地を有するものであった。
特開2003−195711号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、ブレードゴムが、耐摩耗性、低摩擦性、及び保持部材たるホルダとの接着性に優れ、また、低温低湿環境下で使用した際にも長期間に亘って良好な画像を得ることが可能な電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を提供することにある。
そして、本発明は、そのような課題を解決するために、感光体の外周面に摺接せしめられて、該感光体の外周面に残留するトナーを除去するブレードゴムと、該ブレードゴムを保持する金属製のホルダとを有する電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材において、前記ブレードゴムが、平均粒子径が2〜53μmであり、且つ表面エネルギーが40〜70dyn/cmである、樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合してなる材料を用いて形成されていることを特徴とする電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材においては、好ましくは、前記ブレードゴムが、プライマー及び接着剤の何れをも介在せしめることなく、前記ホルダに直接に固着している。
また、かかる本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材においては、有利には、前記粒子がポリエチレン樹脂粒子又は炭化チタン粒子である。
このように、本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材にあっては、感光体の外周面へ摺接せしめられるブレードゴムが、平均粒子径が2〜53μmであり、且つ表面エネルギーが40〜70dyn/cmである、樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合してなる材料を用いて形成されているのである。このような特徴的な材料にてブレードゴムを形成せしめたことにより、本発明に係るウレタンブレード部材は、以下のような優れた特性を発揮するのである。
すなわち、本発明に係るウレタンブレード部材のブレードゴムは、優れた耐摩耗性を発揮し、感光体の外周面に摺接されるエッジ部の摩耗量が有利に低減せしめられる。また、本発明のウレタンブレード部材におけるブレードゴムは、優れた低摩擦性をも発揮することから、感光体の外周面と摺接する際の異音の発生が効果的に抑制されることとなる。更に、ブレードゴムを形成する際に用いられる材料は、保持部材たる金属製のホルダとの接着性に優れていることから、ホルダとブレードゴムとを一体成形する前に、ホルダ表面にプライマーや接着剤を塗布していない場合であっても、得られるウレタンブレード部材において、ホルダとブレードゴムとは十分な接着力にて一体となり、耐久性に優れたものとなる。加えて、特徴的な材料にてブレードゴムが形成されてなる本発明のウレタンブレード部材にあっては、低温低湿環境下で使用した際にも長期間に亘って良好な画像を得ることが可能ならしめられるのである。
また、上述の如き効果は、ポリウレタンゴム原料に対して配合される粒子として、ポリエチレン樹脂粒子又は炭化チタン粒子を用いた場合に、特に有利に享受することが可能である。
本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材の一例を示す断面説明図である。 図1に示す電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を感光体に摺接せしめた状態を示す断面説明図である。 実施例において摩擦係数を測定する際に用いた装置の概略図である。
以下、図面を適宜、参酌しながら、本発明を具体的に説明する。
先ず、図1には、本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材の一実施形態として、電子写真複写機において用いられるクリーニングブレードが、断面形態において概略的に示されている。かかる図1からも明らかなように、本実施形態のクリーニングブレード10は、従来品と同様に、電子写真複写機内の感光体の外周面に摺接せしめられて、そこに残留するトナー等を掻き落とす役割を果たすブレードゴム12と、かかるブレードゴム12を保持する保持部材としてのホルダ14とを有して構成されている。
より具体的には、クリーニングブレード10を構成するブレードゴム12は、全体として、所定の厚さと比較的狭い幅とを備えた長手の帯板状形態を呈している。そして、このようなブレードゴム12の幅方向(図1において左右方向)の一端側のエッジ部16(図1において、ホルダ14が突出していない左下側のエッジ部)が、図2に示されるように、感光体20の外周面22に摺接する摺接部18とされているのである。
一方、ホルダ14は、所定の厚さと所定の幅とを有する略長手矩形形状の金属平板をL字状に屈曲してなる構造とされている。そして、ホルダ14におけるL字状の長手部分の先端部が、ブレードゴム12の幅方向における摺接部18側とは反対側の端面からブレードゴム12内部に挿入された状態で、一体的に形成されることによって、ブレードゴム12を保持し得るようになっている。また、このようなホルダ14の長さ方向(図1において、紙面に垂直な方向)の両端部には、所定のビスが挿通せしめられるビス孔(図示せず)が設けられており、ホルダ14が、電子写真複写機におけるクリーニング装置の所定部位にビス止めされることによって、ブレードゴム12のエッジ部16が電子写真複写機内の感光体20の外周面22に摺接せしめられる位置において、ホルダ14がクリーニング装置に取り付けられ、以て、転写後に感光体20の外周面22上に残留するトナー等を、ブレードゴム12のエッジ部16(摺接部18)にて掻き落とし得るようになっているのである。
そして、本発明に従うクリーニングブレード10にあっては、そのブレードゴム12が、平均粒子径が2〜53μmであり、且つ表面エネルギーが40〜70dyn/cmである、樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合してなる材料を用いて形成されているところに、大きな特徴が存するのである。このように、ブレードゴム12の作製に当たり、所定の物性を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料に対して所定の割合において配合してなる材料を用いることにより、本発明に係るクリーニングブレード10は、以下に述べるように、様々な優れた特性を発揮するのである。
具体的には、ブレードゴム12は優れた耐摩耗性を発揮することから、感光体20の外周面に摺接されるエッジ部16(摺接部18)の摩耗量が効果的に低減せしめられ、クリーニングブレード10の高寿命化に大きく寄与する。また、ブレードゴム12は優れた低摩擦性をも発揮することから、感光体20の外周面と摺接する際の異音の発生が効果的に抑制される。更に、ブレードゴム12を作製する際に用いられる、所定の物性を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子がポリウレタンゴム原料に対して配合されてなる材料は、金属製のホルダ14との接着性に優れていることから、ブレードゴム12とホルダ14とを一体成形する前に、予めホルダ14の表面にプライマーや接着剤等を塗布していない場合であっても、得られるクリーニングブレード10において、ブレードゴム12とホルダ14とは十分な接着力にて一体となり、以て、クリーニングブレード10は耐久性に優れ、換言すれば、長期間に亘る使用によってもブレードゴム12がホルダ14から脱離し難く、高寿命化が有利に図られる。 加えて、本発明に係るクリーニングブレード10にあっては、低温低湿環境下で使用した際にも長期間に亘って良好な画像を得ることが可能ならしめられるのである。
本発明において、ポリウレタンゴム原料に配合せしめられる樹脂製又は無機化合物製の粒子としては、平均粒子径が2〜53μmのものが用いられる。平均粒子径が2μm未満の粒子は製造し難く、一方、平均粒子径が53μmを超える粒子を用いると、ブレードゴム(12)のトナー掻き取り性が悪化する恐れがあるからである。ここで、本願明細書及び特許請求の範囲において、「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)にて測定されたものを意味するものである。
また、平均粒子径が2〜53μmである樹脂製等の粒子の中でも、本発明においては、表面エネルギーが40〜70dyn/cmのものが用いられる。表面エネルギーが40dyn/cm未満の粒子では、ブレードゴム(12)の耐摩耗性やホルダ(14)との接着性が効果的に向上され得ない恐れがあり、その一方、表面エネルギーが70dyn/cmを超える粒子では、一般的な成形方法に従ってブレードゴム(12)を作製すると、所望とする形状は得られるものの、ブレードゴム(12)内において粒子が部分的に凝集し、クリーニングブレードとして使用できない恐れがあるからである。ここで、本願明細書及び特許請求の範囲における「表面エネルギー」とは、以下のようにして算出されたものを意味する。即ち、先ず、一般的な錠剤成型機等を用いて粒子を押し固めてなる錠剤状の試料に対して、液適法に従い、試料の表面に評価溶媒の液滴を付着させ、試料上の液滴と試料表面との角度(接触角)を測定する。そして、3種類の評価溶媒について測定された各々の接触角を用いて、Owens−Wendt法により算出されたものが、本願明細書及び特許請求の範囲における「表面エネルギー」である。
上述の如き所定の物性(平均粒子径及び表面エネルギー)を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子は、後述するポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部となるような割合において、ポリウレタンゴム原料に配合される。粒子の配合量が少な過ぎると、耐摩耗性の向上を始めとする本発明の効果を享受することが出来ない恐れがあり、逆に配合量が多過ぎると、ブレードゴム(12)において、温度依存性や耐ヘタリ性等の特性が悪化する恐れがあるからである。
また、本発明においては、上記した特性を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子が用いられるが、上述の如き特性を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子であれば、従来より公知の如何なるものをも用いることが可能である。また、粒子の表面エネルギーが上記した範囲:40〜70dyn/cmとなるように、親水化処理等の所定の処理を施した粒子であっても、本発明において用いることは可能である。本発明にて用いられる粒子を構成する樹脂及び無機化合物としては、具体的には、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、炭化チタン、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム、チタン酸カリウム等の無機化合物を、例示することが出来る。それらの樹脂又は無機化合物からなる粒子の中でも、特にポリエチレン樹脂粒子又は炭化チタン粒子が、より有利に用いられる。
上述してきた所定の物性を有する樹脂製又は無機化合物製の粒子が、ポリウレタンゴム原料に配合される。ここで、ポリウレタンゴム原料とは、従来よりポリウレタンゴムを製造するために用いられるものと同様に、通常、ポリイソシアネート、ポリオール、硬化剤及び触媒を用いて、調製される。以下、ポリウレタンゴム原料を調製する際の各成分について説明する。
ポリイソシアネートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等を、挙げることが出来る。これらのポリイソシアネートは、単独で、若しくは二種以上のものが併せて用いられる。上述したポリイソシアネートの中でも、耐摩耗性の観点から、MDIが好ましい。
また、ポリオールにあっても、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート等のポリエステルポリオールや、ポリカプロラクトン、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール等を、挙げることが出来る。これらは単独で、若しくは二種以上のものが併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性に優れる点で、ポリブチレンアジペート(PBA)が有利に用いられる。
さらに、硬化剤としては、1,4−ブタンジオール(14BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量が300以下であるポリオールを挙げることが出来る。これらは単独で用いられ得ることは勿論のこと、二種以上のものを併せて用いることも可能である。
さらにまた、触媒としては、第三級アミン等のアミン系化合物や、有機錫化合物等の有機金属化合物等を、例示することが出来る。
なお、ポリウレタンゴム原料を調製するに際しては、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、従来より広く用いられている各種添加剤、例えば、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤や離型剤等を、それぞれの添加目的に応じて適宜、配合することも可能である。
本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材は、上述した樹脂製又は無機化合物製の粒子と、ポリウレタンゴム原料とを用いて、従来より公知の各種手法に従って製造することが可能である。図1に示す如きクリーニングブレード10を製造するに際しては、例えば、以下の手法に従って製造される。
先ず、ポリイソシアネート及びポリオールを、それぞれ所定の割合にて配合し、所定の条件下で反応せしめて、ウレタンプレポリマーを含有する主剤液を調製する。他方、ポリオール、硬化剤及び触媒を、それぞれ所定の割合にて配合し、所定の条件下で混合することにより、硬化剤液を調製する。これら主剤液及び硬化剤液が、本願明細書及び特許請求の範囲におけるポリウレタンゴム原料である。
次いで、主剤液、硬化剤液、及び所定の樹脂製又は無機化合物製の粒子を、それぞれ所定の割合にて配合し、混合することによって、液状のブレードゴム形成材料が調製される。上述したように、所定の粒子は、ポリウレタンゴム原料(主剤液及び硬化剤液の合計量)の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合される。なお、主剤液等の配合の順番は適宜に決定されるが、通常、先ず硬化剤液中に粒子を配合し、次いで、かかる粒子が配合された硬化剤液中に主剤を配合することによって、ブレードゴム形成材料は調製される。また、各成分を混合するに際しては、必要に応じて脱泡処理を施すことも可能である。
他方、ブレードゴム12を成形するための成形金型と、金属製の保持部材たるホルダ14とが準備される。ここで、本発明に係る電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を成形する際には、従来より公知の様々な成形金型を用いることが可能である。そのような成形金型としては、例えば、上型と下型とを有し、それら上型と下型とが型閉じした状態下において、目的とするクリーニングブレード10の二個取りが可能なように、ブレードゴム12を与える成形キャビティが、かかるブレードゴム12の二つ分の大きさを有して形成されていると共に、成形キャビティの互いに対向する幅方向の両側には、ホルダ14が挿入されるホルダ挿入部が、それぞれ長手方向に延びるように形成されてなるものを、挙げることが出来る。
上述の如き成形金型を用いる場合には、上型と下型とを型閉じした状態にて、それら金型の幅方向の両側に設けられたホルダ挿入部の各々に、プレス加工等によって断面L字状に成形された金属平板からなるホルダ14を、そのL字状の長手部分の先端部が成形キャビティ内に位置するように挿入して、セットする。なお、従来の電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材を成形する際には、ブレードゴム12とホルダ14との接着性を確保すべく、成形キャビティ内にセットされる前のホルダ14の表面に、プライマーや接着剤等を塗布していたが、上述したように、本発明において用いられるブレードゴム形成材料は、金属製のホルダ14との間において優れた接着性を発揮し得るところから、本発明に係るクリーニングブレード10を製造するに際しては、従来より一般的に実施されている、ホルダ表面に対するプライマー等の塗布は不要である。
次いで、二つのホルダ14が成形キャビティ内に挿入された状態で、成形金型の成形キャビティ内に、注入口を通じてブレードゴム形成材料を注入し、かかる成形キャビティ内でブレードゴム形成材料を反応させて、硬化させる。この際、ブレードゴム形成材料の加熱温度や加熱時間として、従来と同様の温度及び時間が採用され得るのであり、一般的に、加熱温度は110〜150℃程度、加熱時間は3〜20分程度とされる。
かくして、ブレードゴム形成材料を硬化せしめることによって、成形キャビティ内で、ブレードゴム12の二つ分の大きさを有するポリウレタンゴムのブロック体が形成されると共に、かかるポリウレタンゴムのブロック体と二つのホルダ14とが強固に固着して、一体化せしめられる。
その後に、成形金型を型開きして、二つのホルダ14と一体となったポリウレタンゴムのブロック体を脱型する。なお、脱型された硬化(架橋)直後のポリウレタンゴムのブロック体にあっては、通常、その内部に未反応のイソシアネート基(NCO基)が残存し、未だ充分に硬化(架橋)していないことが多いことから、脱型後のポリウレタンゴムのブロック体は、室温環境下(温度:23℃前後、湿度:58%前後)に放置されて、養生が行なわれる。このように養生することによって、ブロック体中の未反応のNCO基が空気中の水分と反応して、硬化が進行し、ポリウレタンゴムのブロック体の硬度が、目的とする硬度にまで高められるのである。より具体的には、ブロック体中の未反応のNCO基が空気中の水分等と反応して、ウレタン結合よりも硬いウレア結合が形成されて、ブロック体の硬度が目的とする硬度にまで高められると推察される。
そして、そのようにして養生が行なわれたウレタンゴムのブロック体を、軸方向の中央部で二つに切断することにより、ポリウレタンゴム製のブレードゴム12が、ホルダ14に対して一体的に形成されてなる、目的とするクリーニングブレード10が、二つ同時に製造されるのである。
このようにして製造された、本発明の電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材たるクリーニングブレード10にあっては、そのブレードゴム12が、ポリウレタンゴム原料に対して所定の粒子が所定割合にて配合されてなるブレードゴム形成材料を用いて形成されているのである。従って、ブレードゴム12の耐摩耗性及び低摩擦性は優れたものとなり、また、ブレードゴム12とホルダ14との接着性に優れており、更には、そのようなクリーニングブレード10を電子写真式画像形成装置内に組み付けて、低温低湿環境下で長期間に亘って使用した場合にも、良好な画像を得ることが可能ならしめられるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上述の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
−ブレードゴム形成材料の調製−
ポリブチレンアジペート(商品名:N4010 、日本ポリウレタン工業株式会社製):44重量部と、MDI(商品名:ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業株式会社製):56重量部とを、80℃の窒素ガス雰囲気下で3時間撹拌し、主剤液を調製した。一方、ポリブチレンアジペート(商品名:N4010 、日本ポリウレタン工業株式会社製):87重量部と、低分子ポリオール(14BD/TMP=60/40):13重量部と、これら両者に対してトリエチレンジアミン(三共エアプロダクツ株式会社製):100ppmを、80℃、1.3kPa(絶対圧)の環境下で2時間撹拌し、OH価が210である硬化剤液を調製した。
そして、主剤液:50重量部と、硬化剤液:50重量部と、更には、下記表1及び表2に示す各粒子を、それぞれ表1又は表2に示す配合割合にて配合し(但し、比較例1に用いたブレードゴム形成材料には配合していない)、70℃(成形用金型の成形空間内に注入される際の温度)における粘度が170mPa・sである液状のブレード形成材料を12種類、調製した。なお、粘度は、粘度計(B型粘度計,東京計器社製)を用いて確認した。また、粒子の平均粒子径は、Micro−trac社製の粒度分布測定装置(商品名:MT3000)を用いて、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により測定した。更に、粒子の表面エネルギーについては、市橋精機株式会社製の簡易卓上錠剤成型機(商品名:HANTAB-Jr )を用いて、測定対象たる粒子の錠剤を成型し、先ず、かかる錠剤に対して、液適法に従い、試料の表面に評価溶媒の液滴を付着させ、試料上の液滴と試料表面との角度(接触角)を測定し、評価溶媒の種類を変えて計3回、接触角を測定した後、3種類の評価溶媒について測定された各々の接触角を用いて、Owens−Wendt法により算出した。
−クリーニングブレードの作製−
先ず、長手の平板を屈曲せしめることにより、L字形状とされた亜鉛メッキ鋼板からなるホルダを準備した。かかるホルダを二つ用いて、先に発明の実施の形態の欄において説明した手順に従い、所定の成型金型に二つのホルダをセットし、かかる状態で別途準備した液状のブレードゴム形成材料を成形キャビティ内に注入した後、成形金型を140℃で30分間、加熱することにより、加熱成形を行なった。かかる加熱成形の後、成形型よりブレードゴム形成材料の硬化物(ポリウレタンゴムのブロック体)を脱型し、かかる硬化物を二つに切断することにより、図1に示す如き形状を呈するクリーニングブレードを12種類、得た(実施例1〜6及び比較例1〜6)。
得られた12種類のクリーニングブレードの内、比較例4に係るもの以外については、以下に示す手法に従って摩耗量(μm2 )、摩擦係数、及び接着力(N/cm)を測定し、また、画像評価を行なった。各クリーニングブレードについての測定結果及び評価結果を、下記表1及び表2に示す。尚、比較例4に係るクリーニングブレードは、そのブレードゴムにおいて、粒子(炭化チタン粒子)が凝集していることが目視で認められたため、摩耗量等の測定及び画像評価は行なわなかった。
−摩耗量の測定−
クリーニングブレードを、市販のレーザープリンタ(ヒューレット・パッカード社製、商品名:Color Laser Jet 5550dn)に組み込み、テストパターンを3万枚、出力した。その後、レーザープリンタよりクリーニングブレードを取り外し、感光体との摺接部を電子顕微鏡で観察し、最も摩耗した部分の断面積をもって摩耗量(μm2 )とした。なお、この摩耗量が小さいほど、耐摩耗性に優れていると言うことが出来る。
−摩擦係数の測定−
図3に概略的に示されている装置を用いて、測定した。具体的には、先ず、得られたクリーニングブレードの先端部を試料片24として切り出し(厚さ:2mm×長手方向:10mm×幅方向:10mm)、かかる試料片24を、エッジ部(16)が下向きとなるように治具26に固定した。そして、試料片24のエッジ部(16)が、移動台28に固定された平滑なポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)30の表面に圧接されるように、治具26の上方から荷重(100g)32をかけた後、治具26に固定した試料片24を矢印方向に2.5mm/sの速度で移動させ、かかる移動の際に生ずる摩擦係数を測定した。なお、試料片24とPETフィルム30との間の角度:αは、30°に設定した。
−接着力の測定−
クリーニングブレードにおけるブレードゴム及びホルダを、それぞれ異なる治具にて固定し、引張速度:20mm/minにて引張試験を行ない、かかる試験において得られた引張強度を接着力(N/cm)とした。
−画像評価−
クリーニングブレードを、市販のレーザープリンタ(ヒューレット・パッカード社製、商品名:Color Laser Jet 5550dn)に組み込み、15℃×10%RHの環境下において、テストパターンを3万枚、出力した。画像を出力している間に、定期的に出力画像を観察し、以下に示す基準に従って評価した。
○:出力された画像に、画像スジが認められない。
×:出力された画像に、画像スジが認められる。
Figure 2011039127
Figure 2011039127
かかる表1及び表2からも明らかなように、本発明に従う電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材たるクリーニングブレード(実施例1〜6)にあっては、耐摩耗性及び低摩擦性に優れており、ホルダとの接着性に優れており、更には、電子写真式画像形成装置内に組み付けて、低温低湿環境下で長期間に亘って使用した場合にも、良好な画像を得ることが可能ならしめられることが、確認されたのである。
10 クリーニングブレード 12 ブレードゴム
14 ホルダ 16 エッジ部
18 摺接部 20 感光体
22 外周面 24 試料片
26 治具 28 移動台
30 PETフィルム 32 荷重

Claims (3)

  1. 感光体の外周面に摺接せしめられて、該感光体の外周面に残留するトナーを除去するブレードゴムと、該ブレードゴムを保持する金属製のホルダとを有する電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材において、
    前記ブレードゴムが、平均粒子径が2〜53μmであり、且つ表面エネルギーが40〜70dyn/cmである、樹脂製又は無機化合物製の粒子を、ポリウレタンゴム原料の100重量部に対して、0.5〜20重量部の割合において配合してなる材料を用いて形成されていることを特徴とする電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材。
  2. 前記ブレードゴムが、プライマー及び接着剤の何れをも介在せしめることなく、前記ホルダに直接に固着している請求項1に記載の電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材。
  3. 前記粒子がポリエチレン樹脂粒子又は炭化チタン粒子である請求項1又は請求項2に記載の電子写真式画像形成装置用ウレタンブレード部材。
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