JP2010133785A - 荷重検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 曲げモーメントに起因する誤差成分を正確に補償する。
【解決手段】 本発明に係るロードセル10は、概略円柱状の起歪体12を備えている。この起歪体12に荷重Wが印加されると、当該起歪体12の起歪部18に歪が発生する。この歪は、ストレインゲージ24,24,…および26,26,…によって検出される。そして、この検出結果に基づいて、荷重Wの推定値である荷重検出値が求められる。なお、起歪体12が傾斜すると、当該起歪体12に曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントによって、荷重検出値に誤差成分が含まれるようになる。この曲げモーメントは、起歪体12の傾斜角度θと傾斜方向(傾斜方向角α)と荷重Wとに強く相関する。そこで、起歪体12の傾斜角度θと傾斜方向とが、傾斜センサ32によって検出され、この検出結果と荷重Wの推定値である荷重検出値とに基づいて、誤差成分が補償される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、荷重検出装置に関し、特に、荷重が印加される柱型の起歪体と、この起歪体に取り付けられており荷重の印加によって当該起歪体に発生する歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、を具備する、荷重検出装置に関する。
この種の荷重検出装置においては、起歪体が正規姿勢であること、つまり起歪体が荷重の印加方向に沿って延伸していること、が前提とされる。この正規姿勢から起歪体が傾斜すると、起歪体に取り付けられた荷重検出手段が生成する荷重検出信号に誤差が生じる。例えば、特許文献1には、起歪体が傾斜すると、当該起歪体には荷重の分力が印加されることになるので、測定荷重が本来の荷重よりも少なくなることが、開示されている。これを補償するために、特許文献1に開示された従来技術(以下、第1の従来技術と言う。)では、起歪体の正規姿勢からの傾斜角度を検出する傾斜角検出手段が設けられており、この傾斜角検出手段によって検出された傾斜角度に応じた値で測定荷重が除算される。これにより、実際の荷重値が求められ、言わば起歪体に荷重分力が印加されることによる誤差が補償される。
また、起歪体が傾斜すると、当該起歪体に曲げモーメントが作用する。すると、起歪体が湾曲して、当該起歪体に曲げモーメントの大きさと作用方向とに応じた曲げ歪が発生する。特許文献2には、この曲げ歪の大きさと方向とによって、荷重検出信号(重量測定信号)に誤差が生じることが、開示されている。この曲げ歪(曲げモーメント)の大きさと方向とに起因する誤差を補償するために、特許文献2に開示された従来技術(以下、第2の従来技術と言う。)では、当該曲げ歪の大きさと方向とを検出する曲げ歪検出手段が、荷重検出手段(重量測定手段)とは別に、起歪体に設けられている。そして、この曲げ歪検出手段が出力する曲げ歪測定信号に基づいて、曲げ歪の大きさと方向とに起因する誤差が求められ、この誤差が荷重検出信号から除去されることで、当該誤差が補償される。
なお、第1の従来技術で補償対象とされているところの起歪体に荷重分力が印加されることによる誤差に比べて、第2の従来技術で補償対象とされているところの曲げ歪に起因する誤差の方が、遙かに大きい。加えて、第1の従来技術では、曲げ歪に起因する誤差を積極的に補償することができず、まして、当該曲げ歪の方向が誤差に影響することに注目してもいない。従って、第1の従来技術に比べると、第2の従来技術の方が、より高精度に荷重を検出できることが期待される。
特開2001−255216号公報 特開2007−33127号公報
ところで、起歪体に発生する曲げ歪の態様(生じ方)は、起歪体の部分ごとに異なり、例えば起歪体の中央部分と端部に近い部分とで異なる。また、起歪体の長さ寸法や断面積(径)によっても、当該曲げ歪の態様は異なる。従って、特に、第2の従来技術において、この曲げ歪に起因する誤差を正確に補償するには、荷重検出手段が設けられている位置での曲げ歪を正確に検出する必要がある。しかしながら、第2の従来技術では、荷重検出手段が設けられている位置とは別の位置に曲げ歪検出手段が設けられているため、この曲げ歪検出手段によって検出された曲げ歪と、荷重検出手段が設けられている位置での実際の曲げ歪と、の間に、差異が生じることがある。そうなると、荷重検出手段が設けられている位置での曲げ歪に起因する誤差を、これとは相関の小さい曲げ歪に関する情報に基づいて補償することになるので、正確な誤差補償を実現することができず、荷重検出精度が低下する。なお、第1の従来技術では、上述の如く曲げ歪に起因する誤差を積極的に補償することができず、しかも曲げ歪の方向が誤差に影響することに注目すらしていないため、論外である。
そこで、本発明は、起歪体が傾斜することに起因する誤差を従来よりも正確に補償することができる荷重検出装置を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明の荷重検出装置は、荷重が印加される柱型の起歪体と、この起歪体に取り付けられており荷重の印加によって当該起歪体に発生する歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、を具備する。ここで、荷重測定信号は、起歪体が正規姿勢から傾斜することに起因する誤差を含む。この誤差の影響を排除するべく、本発明の荷重検出装置は、起歪体の正規姿勢からの傾斜方向を検出する傾斜方向検出手段と、当該傾斜方向における起歪体の正規姿勢からの傾斜量を検出する傾斜量検出手段と、これら傾斜方向と傾斜量と上述の荷重検出信号とに基づいて誤差を補償する誤差補償手段と、をさらに具備する。
即ち、本発明によれば、起歪体の正規姿勢からの傾斜方向と、この傾斜方向における起歪体の正規姿勢からの傾斜量と、荷重検出手段が生成する荷重測定信号と、をパラメータとして、起歪体が傾斜することに起因する誤差、特に曲げ歪に起因する誤差、が補償される。これは、曲げ歪が、起歪体の正規姿勢からの傾斜方向と、この傾斜方向における起歪体の正規姿勢からの傾斜量と、起歪体に印加される荷重と、に強く相関することを、根拠とする。この相関は、例えば、上述した第2の従来技術における曲げ歪検出手段によって検出された曲げ歪と実際の曲げ歪との相関よりも、強い。従って、本発明によれば、第2の従来技術よりも、曲げ歪に起因する誤差を正確に補償することができる。また、厳密に言えば、起歪体が正規姿勢から傾斜することによって、第1の従来技術におけるのと同様の誤差、つまり起歪体に荷重分力が印加されることによる誤差、も生じる。この荷重分力が印加されることによる誤差は、起歪体の傾斜量に依存するが、本発明によれば、この傾斜量がパラメータに含まれているので、結果的に、当該荷重分力が印加されることによる誤差も併せて補償される。
なお、本発明における正規姿勢とは、詳しくは、起歪体の中心軸が、荷重の印加方向に沿う所定の基準軸と一致する状態にあるときの当該起歪体の姿勢のことを言う。そして、傾斜方向は、基準軸と直交する第1の平面において予め定められた基準方向と当該傾斜方向とが成す角度によって特定されるものとし、傾斜量は、当該傾斜方向に沿いかつ基準軸を含む第2の平面において当該基準軸と起歪体の中心軸とが成す角度によって特定されるものとする。また、傾斜量は、第2の平面において起歪体の中心軸と第1の平面とが成す角度によって特定されるものとしてもよい。
さらに、本発明では、起歪体の傾斜方向および傾斜量に関する情報を出力する情報出力手段を、さらに備えてもよい。このようにすれば、本発明の荷重検出装置を取り扱う作業者は、当該情報出力手段から出力される情報を参照することで、起歪体の傾斜方向および傾斜量を直観的に認識することができる。言い換えれば、起歪体が正規姿勢であるかどうかを認識することができる。これは、起歪体を含む荷重検出装置の設置作業時等に、極めて有用である。
上述したように、本発明によれば、第1の従来技術におけるのと同様の起歪体に荷重分力が印加されることによる誤差を補償することができる。加えて、第2の従来技術よりも曲げ歪に起因する誤差を正確に補償することができる。つまり、本発明によれば、起歪体が傾斜することによる誤差を総合的に補償することができるので、従来よりもさらに正確な誤差補償を実現することができる。
本発明の一実施形態について、図1〜図11を参照して、説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る荷重検出装置としてのロードセル10は、概略円柱状の起歪体12を備えたいわゆる円柱(コラム)型と呼ばれるものであり、通常、当該起歪体12を直立させた状態、つまり起歪体12の中心軸100を垂直方向に延伸させた状態で、設置される。このとき、起歪体12の下端面14は、図示しない設置台の設置面に当接される。そして、起歪体12の上端面14に、その上方から真下に向かう荷重Wが印加される。なお、起歪体12の下端面14は、下方に向かって比較的に大きな曲率で突出した曲面形状とされている。また、起歪体12の上端面16も、下端面14と同程度の曲率で上方に向かって突出した曲面形状とされている。
起歪体12の中心軸100に沿う方向における中程の部分18は、当該起歪体12の両端部分20および22よりも径の小さい起歪部である。この起歪部18は、荷重Wが印加されたときに、当該荷重Wに応じた歪を生じ、詳しくは、垂直方向に圧縮されると共に、水平方向に伸張される。この垂直方向の圧縮歪と水平方向の伸張歪とのそれぞれを検出するために、起歪部18の側面には、圧縮歪検出用の荷重検出手段、例えば互いに同一規格である4つの概略長方形状のストレインゲージ24,24,…と、伸張歪検出用の荷重検出手段、例えば当該圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24,…と同一規格である4つのストレインゲージ26,26,…とが、取り付けられている。
このうち、圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24,…は、それぞれの長手方向が中心軸100の延伸方向に沿い、かつ、それぞれの上方側または下方側の端縁(短辺)同士が中心軸100と直交する同一平面上に位置し、さらに、中心軸100を中心とする円の円周方向に沿って等間隔(つまり90度置き)に配置されるように、例えば接着剤によって貼り付けられている。一方、伸張歪検出用のストレインゲージ26,26,…は、圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24,…の下方に設けられており、それぞれの長手方向が中心軸100を中心とする円の円周方向に沿い、かつ、それぞれの上方側または下方側の側縁(長辺)同士が中心軸100と直交する同一平面上に位置し、さらに、当該中心軸100を中心とする円の円周方向に沿って等間隔に配置されるように、やはり接着剤によって貼り付けられている。
これらのストレインゲージ24,24,…および26,26,…は、後述するホイートストンブリッジ回路200を構成しており、当該ホイートストンブリッジ回路200は、直流の電源電圧Vsの供給を受けて、起歪部18の歪に応じた電圧値、言い換えれば荷重Wに応じた電圧値、のアナログ荷重検出信号Vwを生成する。従って、この荷重検出信号Vwから荷重Wを求めることができ、厳密には当該荷重Wの推定値である荷重検出値W’を求めることができる。
さらに、起歪体12の起歪部18と両端部分20および22との各境界には、それぞれ概略鍔状のフランジ28および30が設けられている。そして、下方のフランジ28の近傍、例えばその上面に、環状の静電容量式の傾斜センサ32が、起歪部18の下方端部34の側面を取り囲むように設けられている。なお、この傾斜センサ32については、後で詳しく説明する。
さて、このように構成されたロードセル10は、例えばトラックスケールに用いられる。図には示さないが、トラックスケールにおいては、一般に、被計量物としてのトラックが載置される概略方形板状の計量台が設けられており、この計量台の下方の4隅に当該ロードセル10が1台ずつ、つまり合計4台、配置される。そして、これら4台のロードセル10から得られる4つの荷重検出値W’に基づいて、トラックの重量が求められる。
ここで、例えば、それぞれのロードセル10の起歪体12が上述の如く直立した状態にある、とする。この直立状態にあるときは、起歪体12の下端面14の中心Cbが、設置台の設置面と接触(点接触)する。そして、起歪体12の上端面16の中心Cuに、計量台の下面(裏面)が接触する。従って、計量台を含む負荷の荷重Wは、起歪体12の上端面16の中心Cuに印加され、起歪体12の下端面14の中心Cbには、設置台の設置面からの当該荷重Wの反力が印加される。
ところが、トラックの重量が大きい等の何らかの原因によって計量台が撓むと、例えば図2に誇張して示すように、起歪体12が傾斜する。詳しくは、起歪体12の中心軸100が垂直方向、つまり荷重Wの印加方向、に対して或る角度θを成すようになる。すると、起歪体12の上端面16と計量台の下面との接触点、つまり荷重Wの印加点が、当該上端面16の中心Cuから別の点Cu’に変位する。そして、起歪体12の下端面14と設置面との接触点、つまり荷重Wの反力の印加点もまた、当該下端面14の中心Cbから別の点Cb’に変位する。この結果、起歪体12に対して、その延伸方向を横切る方向の外力が作用し、いわゆる曲げモーメントが作用する。そして、この曲げモーメントによって、起歪体12に曲げ歪が発生し、この曲げ歪によって、上述した荷重検出信号Vwに誤差が生じ、ひいては荷重検出値W’に誤差成分Eが含まれるようになる。
この誤差成分Eを補償するべく、本実施形態では、次のような工夫が成されている。
即ち、誤差成分Eの要因となる起歪体12の曲げ歪は、当該起歪体12の傾斜角θに強く相関する。厳密には、当該曲げ歪は、荷重Wの印加点Cu’と当該荷重Wの反力の印加点Cb’とを通る直線110が荷重Wの印加方向(垂直方向)に対して成す角度φに相関する。ただし、傾斜角θが比較的に小さいとき、詳しくは最大許容傾斜角θmax以下(θ≦θmax)であるときは、この曲げ歪に相関する角度φは、当該傾斜角θに比例する。ゆえに、曲げ歪は、傾斜角θに強く相関することになる。
また、曲げ歪は、起歪体12の傾斜方向にも相関する。つまり、起歪体12の傾斜角θが同じであっても、当該起歪体12の傾斜方向が違えば、曲げ歪も違ってくる。例えば、起歪体12の下端面14の中心Cbを、原点Oとし、この原点Oを通る垂直軸を、Z軸とし、さらに、図3に示すように、原点Oにおいて互いに直交する2つの水平軸を、それぞれX軸およびY軸とする。そして、X軸およびY軸を含むX−Y平面(水平面)において、起歪体12の中心軸100がX軸に対して成す角度、詳しくは当該中心軸100の投影線120がX軸に対して成す角度αを、起歪体12の傾斜方向を表す傾斜方向角とする。この定義において、曲げ歪は、傾斜方向角αによって変わり、つまり傾斜方向角αに相関する。
そして、当然ながら、曲げ歪は、荷重Wにも相関する。詳しくは、荷重Wが大きいほど、曲げ歪は大きく、荷重Wが小さいほど、曲げ歪は小さい。
このように、曲げ歪は、起歪体12の傾斜角θと傾斜方向角αと当該起歪体12に印加される荷重Wとに強く相関する。このことから、曲げ歪に起因する上述の誤差成分Eは、これら傾斜角θと傾斜方向角αと荷重Wとを変数とする次の式1で表される。
《式1》
E=f(θ,α,W)
ゆえに、この式1において変数である傾斜角θと傾斜方向角αと荷重Wとが判明すれば、誤差成分Eを求めることができ、ひいては当該誤差成分Eを補償することができる。ただし、荷重Wについては未知であるので、実際には、この荷重Wに代えて(誤差成分Eを含む)荷重検出値W’が適用された次の式2によって、誤差成分Eが表される。
《式2》
E≒f(θ,α,W’)
この式2における傾斜角θと傾斜方向角αとを求めるために、上述した傾斜センサ32が設けられている。
傾斜センサ32は、図4に示すように、環状の胴体36を有しており、この胴体36の上面側に、4つの湾曲状の溝40,50,60,70が形成されている。これらの溝40,50,60,70は、互いに同じ大きさであり、胴体36が成す円の円周方向に沿って等間隔(90度置き)に形成されている。このうちの1つの溝40に注目すると、当該溝40の内面、詳しくは胴体36の中心に近い側の湾曲状の内面に、湾曲状の電極42が貼着されている。そして、この電極42と対向するように、溝40の反対側の内面に、別の湾曲状の電極44が貼着されている。さらに、溝40の中には、それぞれの電極42および44の一部が浸る程度に、所定の誘電率を有する液体46が注入されている。なお、他の溝50,60,70についても同様に、それぞれの内面に1対の円弧状の電極52および54,62および64,72および74が貼着されると共に、それぞれの中に液体56,66,76が注入されている。
そして、起歪体12が直立した状態、言わば正規姿勢の状態、にあるとき、傾斜センサ32は、上述したZ軸が胴体36の中心を通り、かつ、X軸を含む垂直面が溝40内の電極42および44の表面と直交するように、設けられる。このとき、X軸を含む垂直面は、溝40と対向する別の溝60内の電極62および64の表面とも直交する。また、Y軸を含む垂直面は、溝50内の電極52および54の表面と直交すると共に、当該溝50と対向する別の溝70内の電極72および74の表面とも直交する。
なお、図4においては省略しているが、傾斜センサ32の胴体36の上面には、当該上面を全体的に覆うように、蓋が設けられている。また、傾斜センサ32は、起歪体12の起歪部18の下方端部34への着脱を可能とするために、2つの半円状センサ80,90を、それぞれの端面82および84,92および94において結合させたものである。
このように構成された傾斜センサ32によれば、起歪体12の傾き方によって、それぞれの溝40,50,60,70内の電極42および44,52および54,62および64,72および74と液体46,56,66,76との接触状態(接触面積)が変わり、これに伴い、当該電極42および44,52および54,62および64,72および74それぞれの相互間の静電容量Cx1,Cy1,Cx2,Cy2が変わる。従って、これらの静電容量Cx1,Cy1,Cx2,Cy2から、起歪体12の傾斜角θおよび傾斜方向角αを求めることができる。
例えば、X軸方向に沿って配置された2組の電極42および44,62および64それぞれの相互間の静電容量Cx1,Cx2に基づいて、X軸方向傾斜信号Sxが生成される。このX軸方向傾斜信号Sxは、傾斜角θが大きいほど電圧値が高く、かつ、傾斜方向角αが小さいほど電圧値が高い信号である。そして、Y軸方向に沿って配置された別の2組の電極52および54間,72および74間それぞれの静電容量Cy1,Cy2に基づいて、Y軸方向傾斜信号Syが生成される。このY軸方向傾斜信号Syは、傾斜角θが大きいほど電圧値が高く、かつ、上述したX−Y平面に投影された起歪体12の中心軸100がY軸に対して成す角度が小さいほど電圧値が高い信号である。
このようなX軸方向傾斜信号SxとY軸方向傾斜信号Syとから、傾斜角θは、次の式3のように表される。なお、この式3におけるK,kxおよびkyは、いずれも係数である。
《式3》
θ=K・{(kx・Sx)+(ky・Sy)1/2
そして、傾斜方向角αは、式4のように表される。
《式4》
α=tan−1{(ky・Sy)/(kx・Sx)}
これらを念頭に置いて、次の手順により事前の調整作業が行われる。
まず、起歪体12の基準方向となるX軸方向が定められ、例えば当該基準方向に所定のマークが付される。そして、起歪体12に対して或る傾斜角θoと或る傾斜方向角αoとが与えられ、このときに得られるX軸方向傾斜信号SxとY軸方向傾斜信号Syとが式3および式4に代入される。そして、式3から求められる傾斜角θが実際の傾斜角θoと等価(θ=θo)になり、かつ、式4から求められる傾斜方向角αが実際の傾斜方向角αoと等価(α=αo)になるように、各係数K,kxおよびkyが定められる。
続いて、起歪体12を含むロードセル10が、図示しない荷重試験装置に装着される。ここで、起歪体12が正規姿勢とされ、つまり傾斜角θがθ=0°とされる。この状態で、起歪体12にサンプル荷重W1が印加される。なお、サンプル荷重W1としては、例えば定格荷重Wmの1/2の値(W1=Wm/2)が採用される。そして、このときに得られる荷重検出値W’がサンプル荷重W1と等価(W’=W1)になるように、ゼロ調整(オフセット調整)やスパン調整等が行われる。この調整後の荷重検出値W’(=W1)は、誤差成分Eを含まない基準の荷重検出値Ws1とされる。
さらに、起歪体12が正規姿勢であるときに、当該起歪体12に別のサンプル、言わば第2サンプル荷重W2(≠W1)が、印加される。この第2サンプル荷重W2としては、例えば定格荷重Wmと等価な値(W2=Wm)が採用される。この第2サンプル荷重W2が印加されたときに得られる荷重検出値W’は、基本的に当該第2サンプル荷重W2と等価(W’=W2)になる。そして、この第2のサンプル荷重W2と等価な荷重検出値W’(=W2)は、第2の基準荷重検出値Ws2とされる。
このようにして第1の基準荷重検出値Ws1と第2の基準荷重検出値Ws2とが取得された後、傾斜方向角αがα=0°となる方向に向けて、傾斜角θが或る角度、例えばθ=0.5°となるように、起歪体12が傾けられる。この状態で、起歪体12に第1サンプル荷重W1(=Wm/2)が印加され、このときに得られる荷重検出値W’の第1基準荷重検出値Ws1(=W1)に対する誤差E110(=W’−Ws1)が求められる。
次いで、傾斜方向角αがα=90°となる方向に向けて、傾斜角θがθ=0.5°となるように、起歪体12が傾けられる。この状態で、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加され、このときに得られる荷重検出値W’の第1基準荷重検出値Ws1に対する誤差E210が求められる。
さらに、傾斜方向角αがα=180°とされ、傾斜角θがθ=0.5°とされる。この状態で、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加され、このときに得られる荷重検出値W’の第1基準荷重検出値Ws1に対する誤差E310が求められる。
そして、傾斜方向角αがα=270°とされ、傾斜角θがθ=0.5°とされる。この状態で、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加され、このときに得られる荷重検出値W’の第1基準荷重検出値Ws1に対する誤差E410が求められる。
このように傾斜角θがθ=0.5°とされ、傾斜方向角αがα=0°,90°,180°および270°というように順次変更され、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたときの各誤差E110,E210,E310およびE410が求められた後、次に、傾斜角θがθ=1.0°とされる。そして、同様に、傾斜方向角αがα=0°,90°,180°および270°と順次変更され、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたときの各誤差E120,E220,E320およびE420が求められる。
さらに、傾斜角θがθ=1.5°とされる。そして、同様に、傾斜方向角αがα=0°,90°,180°および270°と順次変更され、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたときの各誤差E130,E230,E330およびE430が求められる。
そしてさらに、傾斜角θがθ=2.0°とされる。このθ=2.0°という傾斜角θは、上述した最大許容傾斜角θmaxである。つまり、本実施形態における起歪体12は、その傾斜角θがθ=2.0°という最大許容傾斜角θmaxに至るまで傾斜可能とされている。そして、この最大許容傾斜角θmaxにおいても、同様に、傾斜方向角αがα=0°,90°,180°および270°というように順次変更され、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたときの各誤差E140,E240,E340およびE440が求められる。
このように、傾斜角θが0.5°という適当な間隔で段階的に変更され、併せて、傾斜方向角αが90°という適当な間隔で段階的に変更され、この状態で、起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたときの各誤差E110〜E440が、求められる。そして、これらの誤差E110〜E440は、図5に示すようにテーブル(一覧)に纏められる。なお、このテーブルに纏められた各傾斜角θ(=0.5°,1.0°,1.5°および2.0°)と、各傾斜方向角α(=0°,90°,180°および270°)と、各誤差E110〜E440と、の関係をグラフで表すと、例えば図6に示すようになる。
これと同じ要領で、傾斜角θがθ=0.5°,1.0°,1.5°および2.0°というように順次変更され、併せて、傾斜方向角αがα=0°,90°,180°および270°というように順次変更され、この状態で、起歪体12に第2サンプル荷重W2(=Wm)が印加されたときに得られる荷重検出値W’の第2基準荷重検出値Ws2(=W2)に対する各誤差E111〜E441(=W’−Ws2)が求められる。そして、これらの誤差E111〜E441もまた、図7に示すようにテーブルに纏められる。
これらのテーブルの作成をもって、調整作業が終了する。そして、この調整作業の終了後、実際にロードセル10が設置され、運用される。この運用時においては、次のようにして誤差補償が行われる。
即ち、今、上述したトラックが計量台に載置されることによって、ロードセル10(起歪体12)に或る荷重Wが印加された、とする。そして、このときの傾斜角θが式3から判明し、併せて、傾斜方向角αが式4から判明した、とする。
すると、まず、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αとにある起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加される状況が、仮定される。そして、この仮定に従う誤差成分Eとしての仮想誤差e1が求められる。
例えば、現在の傾斜角θが0.5°よりも大きくかつ1.0°よりも小さい(0.5°<θ<1.0)、とする。併せて、現在の傾斜方向角αが0°よりも大きくかつ90°よりも小さい(0°<α<90°)、とする。この場合、図5に示した第1サンプル荷重W1印加時のテーブルにおいて、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αとに近い条件、つまり傾斜角θがθ=0.5°またはθ=1.0°であり、かつ傾斜方向角αがα=0°またはα=90°である、という条件、に対応する4つの誤差E110,E210,E120およびE220が特定される。そして、図8に示すように、傾斜角θがθ=0.5°であり、併せて、傾斜方向角αが0°よりも大きくかつ90°よりも小さいときには、傾斜方向角αの変化に応じて誤差成分Eが比例する、という前提の下、現在の傾斜方向角αに対応する第1の仮想誤差e11が求められる。つまり、次の式5に基づいて、第1の仮想誤差e11が求められる。
《式5》
e11=(α/90°)・(E210−E110)+E110
これと同様に、傾斜角θがθ=1.0°であり、併せて、傾斜方向角αが0°よりも大きくかつ90°よりも小さいときには、傾斜方向角αの変化に応じて誤差成分Eが比例する、という前提の下、次の式6に基づいて、現在の傾斜方向角αに対応する第2の仮想誤差e12が求められる。
《式6》
e12=(α/90°)・(E220−E120)+E120
さらに、現在の傾斜方向角αにおいて、傾斜角θが0.5°よりも大きくかつ1.0°よりも小さいときには、傾斜角θの変化に応じて誤差成分Eが比例する、という前提の下、第1の仮想誤差e11と第2の仮想誤差e12とを含む次の式7に基づいて、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αとにある起歪体12に第1サンプル荷重W1が印加されたと仮定したときの仮想誤差e1が求められる。
《式7》
(θ−0.5°)/(1.0°−0.5)=(e1−e11)/(e12−e11)
∴e1=[{(θ−0.5°)・(e12−e11)}/0.5]+e11
そして、これと同じ要領で、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αとにある起歪体12に第2サンプル荷重W2が印加されたと仮定したときの仮想誤差e2が求められる。つまり、図7に示した第2のサンプル荷重W2印加時のテーブルにおいて、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αとに近い条件に対応する4つの誤差E111,E211,E121およびE221が特定される。そして、このうちの傾斜角θがθ=0.5°であるときの誤差E111およびE211に基づいて、現在の傾斜方向角αに対応する第1の仮想誤差e21が求められる。併せて、傾斜角θがθ=1.0°であるときの誤差E121およびE221に基づいて、現在の傾斜方向角αに対応する第2の仮想誤差e22が求められる。さらに、これら第1の仮想誤差e21と第2の仮想誤差e22とに基づいて、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αと第2サンプル荷重W2とに対応する仮想誤差e2が求められる。
このように、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αと第1サンプル荷重W1とに対応する仮想誤差e1と、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αと第2サンプル荷重W2とに対応する仮想誤差e2と、が求められた後、これらの仮想誤差e1およびe2と各サンプル荷重W1およびW2との関係に基づいて、現在の傾斜角θと現在の傾斜方向角αと実際の荷重Wとに対応する誤差成分Eが求められる。具体的には、誤差成分Eがpという符号で表されると共に、当該誤差成分pが荷重Wのみを変数とする次の式8のような2次関数で表される。
《式8》
p=f(W)=a・W・(W−b)=a・W−a・b・W
この式8において、aおよびbは、いずれも係数である。そして、この式8によって表される誤差成分pと荷重Wとの関係は、例えば図9のようになる。従って、この式8における誤差成分pと荷重Wとに、上述の仮想誤差e1と第1サンプル荷重W1とが代入された第1の式と、仮想誤差e2と第2サンプル荷重W2とが代入された第2の式と、の連立方程式を解くことで、当該式8における各係数aおよびb、特にaおよびa・bを、求めることができる。例えば、係数aは、次の式9のように求められ、係数a・bは、式10のように求められる。
《式9》
a=(W1・e2−W2/e1)/{W1・W2・(W2−W1)
《式10》
a・b=(W1・e2−W2/e1)/{W1・W2・(W2−W1)
ゆえに、これらの係数aおよびa・bが式8に代入されると共に、実際の荷重Wが当該式8に代入されることで、実際の荷重Wに対応する誤差成分pが求められる。ただし、上述したように実際の荷重Wは未知であるので、これに代えて、(誤差成分Eを含む)荷重検出値W’が適用された次の式11によって、誤差成分pが求められる。
《式11》
p≒f(q’)=a・q’−a・b・q’
そして、この式11に基づいて求められた誤差成分pがEという元の符号で表されると共に、この誤差成分Eが荷重検出値W’から差し引かれることによって、つまり次の式12によって、当該誤差成分Eが補償された正確な荷重検出値W”が求められる。
《式12》
W”=W’−E
この誤差補償を実現するために、本実施形態のロードセル12は、電気的には図10に示すように構成されている。
即ち、圧縮歪検出用の4つのストレインゲージ24,24,…と、伸張歪検出用の4つのストレインゲージ26,26,…とによって、上述したホイートストンブリッジ回路200が構成されている。具体的には、図1(b)に示した構成と図4(a)に示した構成とから分かるように、圧縮歪検出用の4つのストレインゲージ24,24,…のうちの2つは、X軸を含む垂直面と直交し、他の2つは、Y軸を含む垂直面と直交する。伸張歪検出用の4つのストレインゲージ26,26,…についても同様に、このうちの2つは、X軸を含む垂直面と直交し、他の2つは、Y軸を含む垂直面と直交する。
そして、X軸方向に沿って配置された2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24が互いに直列接続されると共に、当該X軸方向に沿って配置された2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26が互いに直列接続され、さらに、これら2つの直列回路が互いに直列接続される。これと同様に、Y軸方向に沿って配置された2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24が互いに直列接続されると共に、当該Y軸方向に沿って配置された2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26が互いに直列接続され、さらに、これら2つの直列回路が互いに直列接続される。
そして、X軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路とY軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路とが対辺を成し、かつ、X軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路とY軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路とが互いに対向する対辺を成すように、これらの直列回路がブリッジ接続される。これにより、ホイートストンブリッジ回路200が構成される。
そして、このホイートストンブリッジ回路200に、上述した直流の電源電圧Vsが供給される。詳しくは、X軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路と当該X軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路との相互接続点と、Y軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路と当該Y軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路との相互接続点と、の間に、当該電源電圧Vsの供給を受けて、ホイートストンブリッジ回路200は、荷重Wに応じた荷重検出信号Vwを出力する。詳しくは、X軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路とY軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路との相互接続点と、X軸方向に沿う2つの伸張歪検出用のストレインゲージ26,26の直列回路とY軸方向に沿う2つの圧縮歪検出用のストレインゲージ24,24の直列回路との相互接続点と、の間から、当該荷重検出信号Vwが出力される。
この荷重検出信号Vwは、荷重検出回路202に入力され、ここでアナログのフィルタリング処理や増幅処理を施される。そして、この処理後の荷重検出信号Vw’は、A/D変換回路204によってディジタル信号に変換された後、演算回路206に入力される。なお、荷重検出回路202は、ホイートストンブリッジ回路200への電源電圧Vsの供給をも担う。
併せて、傾斜センサ32の各電極42および44,52および54,62および64,72および74それぞれの相互間の静電容量Cx1,Cy1,Cx2,Cy2が、静電容量検出回路208によって検出される。この検出結果に基づいて、静電容量検出回路208は、上述したX軸方向傾斜信号SxおよびY軸方向傾斜信号Syを生成する。これらのX軸方向傾斜信号SxおよびY軸方向傾斜信号Syは、それぞれ別個のA/D変換回路210および212によってディジタル信号に変換された後、演算回路206に入力される。
演算回路206は、図示しないCPU(Central Processing
Unit)を有しており、A/D変換回路204から入力されるディジタル化された荷重検出信号Vx’に基づいて、荷重検出値W’を求める。また、A/D変換回路210および212からそれぞれ入力されるディジタル化されたX軸方向傾斜信号SxおよびY軸方向傾斜信号Syに基づいて、傾斜角θおよび傾斜方向角αを求める。そして、これら荷重検出値W’,傾斜角θおよび傾斜方向角αに基づいて、誤差成分Eが補償された正確な荷重検出値W”を上述した要領で求める。
この演算回路206によって求められた正確な荷重検出値W”に関するデータは、外部端子214に接続された信号ライン300を介して、図示しないデータプロセッサに送られる。データプロセッサは、このデータ(厳密には4台のロードセル10から得られる4つの荷重検出値W”)に基づいて、トラックの重量を求める。そして、求めたトラックの重量を、図示しないディスプレイに表示する。
さらに、演算回路206は、傾斜角θおよび傾斜方向角αに関するデータをも、信号ライン300を介して、データプロセッサに送る。データプロセッサは、このデータに基づいて、それぞれのロードセル10(起歪体12)の傾斜角θおよび傾斜方向角αをも、ディスプレイに表示する。従って、このロードセル10を含むトラックスケールを取り扱う作業者は、これら傾斜角θおよび傾斜方向角αを参照することで、当該ロードセル10の姿勢を確認することができ、言い換えればロードセル10が正規姿勢であるか否かを確認することができる。これは、ロードセル10の設置作業時等に、極めて有用である。
一方、データプロセッサからそれぞれのロードセル10に対して、信号ライン300とは別の電源ライン302を介して、当該ロードセル10を構成する各回路要素を駆動するための直流の電源電圧Vdが供給される。この電源電圧Vdは、まず、電源回路216に供給される。電源回路216は、この電源電圧Vdを基に、荷重検出回路202をはじめとする各回路を駆動するための複数種類の直流電圧Vd’,Vd”,…を生成する。そして、これらの直流電圧Vd’,Vd”,…が、各回路へ適宜に供給される。
なお、演算回路216は、図示しないメモリを有しており、このメモリには、当該演算回路216(CPU)の動作を制御するためのプログラムが記憶されている。また、演算回路216は、上述した調整作業時に必要な処理(演算)をも実行する。そして、この調整作業時に得られた上述の図5および図7に示した各テーブルもまた、メモリに記憶される。
以上のように、本実施形態によれば、曲げ歪に起因する誤差成分Eが、起歪体12の傾斜角θと傾斜方向角αと当該起歪体12に印加される荷重Wとに強く相関することを根拠として、当該誤差成分Eが、これら傾斜角θと傾斜方向αと荷重Wとを変数とする上述した式1で表される関数(E=f(θ,α,W))として取り扱われ、実際には、荷重Wに代えて荷重検出値W’を変数とする上述の式2で表される関数(E=f(θ,α,W’))として取り扱われる。ここで、この式2における各変数θ,αおよびW’と誤差成分Eとの相関は、例えば、上述の第2の従来技術における曲げ歪検出手段によって検出された曲げ歪と実際の曲げ歪との相関よりも、強い。従って、本実施形態によれば、第2の従来技術に比べて、曲げ歪に起因する誤差成分Eをより正確に補償することができる。
また、厳密に言えば、誤差成分Eには、第1の従来技術におけるのと同様の誤差、つまり起歪体12に荷重Wの分力が印加されることによる誤差、が含まれている。この荷重Wの分力が印加されることによる誤差は、起歪体の傾斜角θに依存するが、本実施形態では、この傾斜角θが上述の式2に変数として含まれており、つまり誤差成分Eを求めるためのパラメータとして含まれている。従って、結果的に、本実施形態によれば、当該荷重Wの分力が印加されることによる誤差も補償されることになる。
即ち、本実施形態によれば、起歪体12が傾斜することに起因する誤差成分Eを、曲げ歪によるものおよび起歪体12に荷重Wの分力が印加されることによるものを含め、総合的に補償することができる。ゆえに、従来よりもさらに正確な誤差補償を実現することができる。
なお、本実施形態においては、ロードセル10の用途として、トラックスケールを例示したが、これに限定されないことは、言うまでもない。
また、起歪体12が直立した状態にあることを正規姿勢としたが、これに限らない。要するに、正規姿勢とは、起歪体12に対して曲げモーメントが作用しない状態のことを言う。ゆえに、起歪体12が非直立状態にあるときに正規姿勢であることもあり、このようなケースにも、本発明を適用することができる。
さらに、起歪体12として概略円柱状のものを採用したが、これに限らない。例えば、概略角柱状のもの等のように、当該円柱状以外の形状のものを、採用してもよい。
そして、傾斜角θを求めるための上述の式3において、係数Kを省略してもよい。即ち、式3における係数Kは、それ以外の要素({(kx・Sx)+(ky・Sy)1/2)を傾斜角θという角度に変換するための言わば変換係数であり、この係数K以外の要素によれば、傾斜角θに比例した傾斜量を求めることができる。従って、傾斜角θに代えて、この傾斜量(={(kx・Sx)+(ky・Sy)1/2)を用いることで、誤差成分Eを求め、ひいては誤差補償を行ってもよい。
また、図8を参照しながら説明した各仮想誤差e11,e12およびe1を求める際に、傾斜方向角αまたは傾斜角θの変化に応じて誤差成分Eが比例することを前提としたが、要するに直線近似法を用いたが、これに限らない。例えば、最小自乗法やニュートン近似法等の他の公知の手法を用いて、当該各仮想誤差e11,e12およびe1を求めてもよい。ただし、この場合、事前の調整作業において、より多くの(傾斜角θ,傾斜方向角αおよびサンプル荷重についての)データを採取する必要がある。このことは、他の仮想誤差e21,e22およびe2を求める際も、同様である。
さらに、図9に示したように、誤差成分p(=E)を荷重Wの2次関数として定義したが、これに限らない。例えば、図11に示すように、誤差成分pが荷重Wに比例するものとみなして、当該誤差成分pを荷重Wの1次関数として定義してもよい。この場合、事前の調整作業におけるサンプル荷重が1つのみ(例えば第1サンプル荷重W1および第2サンプル荷重W2のいずれか一方のみ)で足り、当該調整作業が簡素化される。
そして、本実施形態では、1つの傾斜センサ32によって、傾斜角度検出手段と傾斜方向検出手段との両方を構成したが、これに限らない。即ち、傾斜角度検出手段としての傾斜センサと、傾斜方向検出手段としての傾斜センサとを、それぞれ別個に設けてもよい。また、この傾斜センサ32として、図4に示した構成のものを採用したが、これ以外の構成のものを採用してもよい。また、静電容量式以外のものを採用してもよい。
本発明の一実施形態に係るロードセルの概略構成を示す図である。 同実施形態におけるロードセルが傾斜した状態を示す図解図である。 同実施形態におけるロードセルが傾斜した状態にあるときの傾斜角および傾斜方向角の定義を示す図解図である。 同実施形態における傾斜センサの構成を示す図である。 同実施形態における調整作業によって得られた傾斜角と傾斜方向角と誤差成分との関係が纏められたテーブルの内容を示す図解図である。 図5のテーブルの内容をグラフで示す図解図である。 図5とは異なる条件下で得られたテーブルの内容を示す図解図である。 同実施形態における誤差補償の手順を示す図解図である。 図8とは別の過程の手順を示す図解図である。 同実施形態におけるロードセルの電気的な構成を示すブロック図である。 図9の別例を示す図解図である。
符号の説明
10 ロードセル
12 起歪体
24,26 ストレインゲージ
32 傾斜センサ
206 演算回路

Claims (3)

  1. 荷重が印加される柱型の起歪体と、
    上記起歪体に取り付けられており上記荷重の印加によって該起歪体に発生する歪に応じた荷重検出信号を生成する荷重検出手段と、
    を具備する荷重検出装置において、
    上記荷重検出信号は上記起歪体が正規姿勢から傾斜することに起因する誤差を含み、
    上記起歪体の上記正規姿勢からの傾斜方向を検出する傾斜方向検出手段と、
    上記傾斜方向における上記起歪体の上記正規姿勢からの傾斜量を検出する傾斜量検出手段と、
    上記傾斜方向と上記傾斜量と上記荷重検出信号とに基づいて上記誤差を補償する誤差補償手段と、
    をさらに具備することを特徴とする、荷重検出装置。
  2. 上記正規姿勢は上記起歪体の中心軸が上記荷重の印加方向に沿う所定の基準軸と一致する状態にあるときの該起歪体の姿勢であり、
    上記傾斜方向は上記基準軸と直交する第1の平面において予め定められた基準方向と該傾斜方向とが成す角度によって特定され、
    上記傾斜量は上記傾斜方向に沿いかつ上記基準軸を含む第2の平面において該基準軸と上記起歪体の中心軸とが成す角度または上記第1の平面と該起歪体の中心軸とが成す角度によって特定される、
    請求項1に記載の荷重検出装置。
  3. 上記傾斜方向および上記傾斜量の一方または両方に関する情報を出力する情報出力手段をさらに備える、
    請求項1または2に記載の荷重検出装置。
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