JP2010133601A - 冷媒漏洩検知装置及びそれを備えた冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍装置の冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めて、冷媒漏洩の検知ができるようにする。
【解決手段】冷媒漏洩検知装置8は、センサ11と端末側コイル88とを有している。センサ11は、冷媒回路10の冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサ本体81と、センサ側コイル82と、センサ本体81及びセンサ側コイル82を覆う筐体83とを有している。端末側コイル88は、電源回路86及び受信回路87に接続されており、センサ側コイル82との電磁結合によって、電源回路86からセンサ11に電力を供給するとともにセンサ11から冷媒回路10の冷媒漏洩に関する情報を受信回路87に取得させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒漏洩検知装置及びそれを備えた冷凍装置、特に、冷媒回路の冷媒漏洩を検知するための冷媒漏洩検知装置及びそれを備えた冷凍装置に関する。
冷凍装置の冷媒回路の冷媒漏洩を検知する手法として、冷媒回路内に封入された冷媒量を各種運転状態量から演算し、この演算された冷媒量から冷媒漏洩を検知するものがある(特許文献1参照。)。
特開2007−163099号公報
しかし、上述の手法では、冷媒漏洩が生じている場所まで特定することは困難である。
また、冷媒漏洩を検知した場合には、冷媒漏洩に対する適切な処置を行うために、冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかを特定したいという要求もある。
本発明の課題は、冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めて、冷媒漏洩の検知ができるようにすることにある。
第1の発明にかかる冷媒漏洩検知装置は、センサと端末側コイルとを備えている。センサは、冷媒回路の冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサ本体と、センサ側コイルと、センサ本体及びセンサ側コイルを覆う筐体とを有している。端末側コイルは、電源回路及び受信回路に接続されており、センサ側コイルとの電磁結合によって、電源回路からセンサに電力を供給するとともにセンサから冷媒回路の冷媒漏洩に関する情報を受信回路に取得させる。
上記課題に対して、冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサを冷媒回路の各所に設けることで、このセンサの静電容量の変化によって、冷凍装置の冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めた冷媒漏洩の検知を行うことが考えられる。
しかし、このようなセンサを用いる手法では、センサから冷媒漏洩に関する情報を取得したり、センサへの電力供給を行うために、リード線をセンサの筐体内から外部に引き出す必要があり、また、筐体内にバッテリを設けることで電力供給を行う場合には、筐体内にバッテリを設けるスペースを確保する必要がある。
そこで、この冷媒漏洩検知装置では、冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサ本体とともにセンサ側コイルを筐体によって覆った構成を有するセンサを設け、電源回路及び受信回路に接続された端末側コイルとの電磁結合によって、センサへの電力供給及びセンサからの冷媒漏洩に関する情報の取得を行うようにしている。
これにより、センサから冷媒漏洩に関する情報を取得したり、センサへの電力供給を行うために、リード線をセンサの筐体内から外部に引き出す必要がなくなり、これによって、筐体の密閉性が高まり、センサ本体が冷媒漏洩に起因する流体以外の影響を受けにくくなり、冷媒漏洩の検知精度の向上に寄与する。また、筐体内にバッテリを設けるスペースを確保する必要がなくなるため、センサの小型化や長寿命化が可能になる。
第2の発明にかかる冷媒漏洩検知装置は、第1の発明にかかる冷媒漏洩検知装置において、センサ本体とセンサ側コイルとは、LC共振回路を構成しており、受信回路は、冷媒回路の冷媒漏洩の有無に関する情報としてのLC共振回路の共振周波数を得る共振周波数検出回路である。そして、冷媒漏洩検知装置は、共振周波数検出回路によって得られた共振周波数に基づいて冷媒回路の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路をさらに備えている。
この冷媒漏洩検知装置では、センサ本体とセンサ側コイルとによってLC共振回路を構成することで、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によってLC共振回路を励起するとともに、LC共振回路の励起によって生じる共振周波数に基づいて冷媒漏洩を検知することができる。
第3の発明にかかる冷媒漏洩検知装置は、第1の発明にかかる冷媒漏洩検知装置において、センサは、センサ本体の静電容量を算出する静電容量算出回路と、センサ側コイルを通じて供給される電力を静電容量算出回路に供給する電力供給回路と、センサ側コイルを通じて冷媒回路の冷媒漏洩に関する情報としての静電容量算出回路によって算出されたセンサ本体の静電容量を受信回路に送る送信回路とをさらに有している。そして、冷媒漏洩検知装置は、受信回路に送られたセンサ本体の静電容量に基づいて冷媒回路の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路をさらに備えている。
この冷媒漏洩検知装置では、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によって静電容量算出回路を駆動することで、センサ本体の静電容量を算出し、静電容量算出回路によって算出されたセンサ本体の静電容量を送信回路によってセンサ側コイル及び端末側コイルを介して受信回路に送り、受信回路に送られた静電容量に基づいて冷媒漏洩を検知することができる。
第4の発明にかかる冷媒漏洩検知装置は、第1の発明にかかる冷媒漏洩検知装置において、センサは、センサ本体の静電容量を算出する静電容量算出回路と、静電容量算出回路によって算出されたセンサ本体の静電容量に基づいて冷媒回路の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路と、センサ側コイルを通じて供給される電力を静電容量算出回路及び漏洩検知回路に供給する電力供給回路と、センサ側コイルを通じて冷媒回路の冷媒漏洩に関する情報としての漏洩検知回路によって得られた検知結果を受信回路に送る送信回路とをさらに有している。
この冷媒漏洩検知装置では、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によって静電容量算出回路及び漏洩検知回路を駆動することで、センサ本体の静電容量の算出及び静電容量に基づく冷媒漏洩の検知結果を得て、漏洩検知回路によって得られた冷媒漏洩の検知結果を送信回路によってセンサ側コイル及び端末側コイルを介して受信回路に送ることができる。
第5の発明にかかる冷凍装置は、冷媒回路と、第1〜第4の発明のいずれかにかかる冷媒漏洩検知装置とを備えている。
この冷媒漏洩検知装置では、第1〜第4の発明のいずれかにかかる冷媒漏洩検知装置によって、冷媒回路における冷媒漏洩の検知が行われる。これにより、第1〜第4の発明と同様の効果を得ることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、冷凍装置の冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めた冷媒漏洩の検知ができるようになる。しかも、筐体の密閉性が高まり、センサ本体が冷媒漏洩に起因する流体以外の影響を受けにくくなり、冷媒漏洩の検知精度の向上に寄与する。また、センサの小型化や長寿命化が可能になる。
第2の発明では、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によってLC共振回路を励起するとともに、LC共振回路の励起によって生じる共振周波数に基づいて冷媒漏洩を検知することができる。
第3の発明では、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によって静電容量算出回路を駆動することで、センサ本体の静電容量を算出し、静電容量算出回路によって算出されたセンサ本体の静電容量を送信回路によってセンサ側コイル及び端末側コイルを介して受信回路に送り、受信回路に送られた静電容量に基づいて冷媒漏洩を検知することができる。
第4の発明では、端末側コイルとセンサ側コイルとの電磁結合による電源回路からセンサへの電力供給によって静電容量算出回路及び漏洩検知回路を駆動することで、センサ本体の静電容量の算出及び静電容量に基づく冷媒漏洩の検知結果を得て、漏洩検知回路によって得られた冷媒漏洩の検知結果を送信回路によってセンサ側コイル及び端末側コイルを介して受信回路に送ることができる。
第5の発明では、第1〜第4の発明と同様の効果を得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる冷媒漏洩検知装置及びそれを備えた冷凍装置の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、いわゆるセパレートタイプの空気調和装置であり、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、熱源ユニット2と利用ユニット4とを接続する冷媒連絡管5、6とを備えており、蒸気圧縮式の冷媒回路10を構成している。尚、冷媒回路10内には、R12等のCFC系冷媒、R22等のHCFC系冷媒、R410A等のHFC系冷媒、プロパン等のHC系冷媒、二酸化炭素、又は、アンモニア等が封入されている。
<利用ユニット>
利用ユニット4は、例えば、空調室の天井裏や天井面、壁面等に設置されており、冷媒回路10の一部を構成する利用側冷媒回路10aを有している。この利用側冷媒回路10aは、主として、利用側熱交換器41を有している。
利用側熱交換器41は、冷房運転時には冷媒の加熱器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の冷却器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。利用側熱交換器41の一端は第1冷媒連絡管5に接続されており、利用側熱交換器41の他端は第2冷媒連絡管6に接続されている。利用側熱交換器41としては、例えば、内部を冷媒が流れる伝熱管と多数のフィンとにより構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器等が使用される。
本実施形態において、利用ユニット4は、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に室内に供給するための利用側ファン42を有しており、室内空気と利用側熱交換器41を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。この利用側ファン42は、利用側ファンモータ43によって駆動されるようになっている。
また、利用ユニット4は、利用ユニット4を構成する各部の動作を制御する利用側制御部44を有している。そして、利用側制御部44は、利用ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、利用ユニット4を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、例えば、空調室外に設置されており、冷媒回路10の一部を構成する熱源側冷媒回路10bを備えている。この熱源側冷媒回路10bは、主として、圧縮機21と、四路切換弁23と、熱源側熱交換器24と、膨張機構25と、第1及び第2閉鎖弁26、27とを有している。
圧縮機21は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する機能を有する圧縮機である。本実施形態において、圧縮機21は、ハウジング内に圧縮機モータ22が内蔵された密閉式圧縮機である。また、冷媒回路10内には、圧縮機21内の潤滑のために冷凍機油も封入されている。
四路切換弁23は、冷媒の流れの方向を切り換える切換機構として機能する弁であり、冷房運転時には、熱源側熱交換器24を圧縮機21において圧縮された冷媒の冷却器として、かつ、利用側熱交換器41を熱源側熱交換器24において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器24の一端とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と第2冷媒連絡管6側(すなわち、第2閉鎖弁27)とを接続し(図1の四路切換弁23の実線を参照)、暖房運転時には、利用側熱交換器41を圧縮機21において圧縮された冷媒の冷却器として、かつ、熱源側熱交換器24を利用側熱交換器41において冷却された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と第2冷媒連絡管6側(すなわち、第2閉鎖弁27)とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器24の一端とを接続することが可能である(図1の四路切換弁23の破線を参照)。
熱源側熱交換器24は、冷房運転時には室外空気を熱源とする冷媒の冷却器として機能し、暖房運転時には室外空気を熱源とする冷媒の加熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器24の一端は四路切換弁23に接続され、熱源側熱交換器24の他端は膨張機構25に接続されている。熱源側熱交換器24としては、例えば、内部を冷媒が流れる伝熱管と多数のフィンとにより構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器等が使用される。
膨張機構25は、高圧の冷媒を減圧する機構であり、本実施形態において、冷房運転時及び暖房運転時に高圧の冷媒を減圧する電動膨張弁である。
第1及び第2閉鎖弁26、27は、外部の機器・配管(具体的には、第1及び第2冷媒連絡管5、6)との接続口に設けられた弁である。第1閉鎖弁26は、膨張機構25に接続されている。第2閉鎖弁27は、四路切換弁23に接続されている。
本実施形態において、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に室外に排出するための熱源側ファン28を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。この熱源側ファン28は、熱源側ファンモータ29によって駆動されるようになっている。
また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部30を有している。そして、熱源側制御部30は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、利用ユニット4の利用側制御部44との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。このように、熱源側制御部30と利用側制御部44との両方によって、空気調和装置1の各部の動作を制御する制御部7が構成されている。
(2)冷媒漏洩検知装置の構成
上述の冷媒回路10においては、冷媒回路10を構成する各種機器や管又は管継手から冷媒回路10の外部に冷媒が漏洩するおそれがある。そして、冷媒漏洩が生じた際には、冷媒漏洩に対する適切な処置を行う上で、冷媒回路10のどの場所から冷媒漏洩が生じているかを特定することが望ましい。
これに対して、冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサを冷媒回路の各所に設けることで、このセンサの静電容量の変化によって、冷媒回路10のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めた冷媒漏洩の検知を行うことが考えられる。
しかし、このようなセンサを用いる手法では、センサから冷媒漏洩に関する情報を取得したりセンサへの電力供給を行うために、リード線をセンサの筐体内から外部に引き出す必要があり、また、筐体内にバッテリを設けることで電力供給を行う場合には、筐体内にバッテリを設けるスペースを確保する必要がある。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサ本体81とともにセンサ側コイル82を筐体83によって覆った構成を有するセンサ11を設け、電源回路86及び受信回路(ここでは、共振周波数検出回路87)に接続された端末側コイル88との電磁結合によって、センサ11への電力供給及びセンサ11からの冷媒漏洩に関する情報の取得を行う冷媒漏洩検知装置8を設けるようにしている。ここで、冷媒漏洩が生じるおそれが高い部分としては、例えば、冷媒回路10の各所に存在するろう付け箇所やフレアナット接続箇所等のように、冷媒回路10を構成する配管同士の接続部分や各種機器と冷媒管との接続部分が挙げられる。本実施形態では、図1に示すように、冷媒漏洩検知装置8(より具体的には、センサ11)が、第1閉鎖弁26と第1冷媒連絡管5とを接続する各管継手またはその付近、第2閉鎖弁27と第2冷媒連絡管6とを接続する各管継手またはその付近、利用ユニット4と第1冷媒連絡管5とを接続する管継手またはその付近、及び利用ユニット4と第2冷媒連絡管6とを接続する管継手またはその付近にそれぞれ配置されている。尚、冷媒回路10上に配置された各冷媒漏洩検知装置8は、それぞれ同じ構成を有しているため、図1では、同じ符号を付している。また、冷媒漏洩検知装置8が空気調和装置1に設けられるタイミングとしては、空気調和装置1が新設のものである場合には、空気調和装置1の工場出荷時から予め設けておいたり、空気調和装置1の現地据え付け時に設けることができる。さらに、空気調和装置1が、冷媒漏洩検知装置8を有していない既設のものである場合には、冷媒漏洩検知装置8をメンテナンス時等の冷媒漏洩の検知を行う際に後付けすることができる。さらに、冷媒漏洩検知装置8を冷媒回路10に設ける際において、端末機器12は必ずしも常時設置しておく必要はなく、センサ11のみを冷媒回路10に設けておき、冷媒漏洩の検知を行う時に、サービスマン等がセンサ11に端末機器12を近づける作業を行うようにしてもよい。
次に、冷媒漏洩検知装置8の構成について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図2は、冷媒漏洩検知装置8の概略構成図であり、図3は、センサ11を冷媒回路10のうち冷媒漏洩の検知を行う部分に設け、かつ、端末側コイル88をセンサ11に近接させた状態を示す図であり、図4は、センサ11の概略の内部構造を示す断面図である。
冷媒漏洩検知装置8は、主として、センサ11と、端末側コイル88と、電源回路86と、受信回路としての共振周波数検出回路87と漏洩検知回路89とを有しており、本実施形態において、端末機器12は、端末側コイル88と、電源回路86と、共振周波数検出回路87と、漏洩検知回路89とを有している。尚、端末機器12は、少なくとも端末側コイル88を有するものであればよく、端末側コイル88、電源回路86、共振周波数検出回路87、及び漏洩検知回路89については、端末機器12に含まれていてもよいし、また、制御部7に含まれていてもよい。
<センサ>
本実施形態において、センサ11は、主として、センサ本体81と、センサ側コイル82と、筐体83とを有しており、その外観形状が略平板状である。尚、センサ11の形状は、略平板状に限らず、略円弧状等の他の形状であってもよい。
センサ本体81は、一対の電極91、92と、電極91、92間に挟まれており冷媒漏洩に起因する流体(ここでは、冷凍機油)を吸着する流体吸着体93とを有している。電極91、92は、それぞれ、導電性素材からなる部材であり、例えば、銅、鉄やアルミニウム等の金属製の薄板等を使用することができる。流体吸着体93は、冷媒漏洩に起因する流体としての冷凍機油を吸着する親油性の高い部材であり、例えば、シリコン紙を使用することができる。尚、本実施形態において、センサ本体81は、電極91、92間に流体吸着体93が挟まれたものを1組だけ有するものであるが、複数の電極及び流体吸着体の組を有するものであってもよい。これにより、センサ本体81は、冷媒漏洩に起因する流体としての冷凍機油の吸着が作用することで静電容量が変化するコンデンサを構成している。また、流体吸着体93は、その一部が筐体83の外側に突出した流体誘導部93aとなっており、これにより、センサ本体81に冷凍機油を積極的に吸着させるようにしている。
センサ側コイル82は、コイルであり、その一端が電極91に接続され、他端が電極92に接続されている。これにより、センサ本体81とセンサ側コイル82とは、LC共振回路84を構成している。
筐体83は、センサ本体81及びセンサ側コイル82を覆う部材である。筐体83は、流体誘導部93aを外側へ突出させるための開口を除き、センサ本体81及びセンサ側コイル82を密閉的に収容した構造を有している。本実施形態において、筐体83は、樹脂製の部材である。
<端末側コイル等>
端末側コイル88は、電源回路86及び共振周波数検出回路87に接続されたコイルである。端末側コイル88は、センサ側コイル82との電磁結合によって、電源回路86からセンサ11に電力を供給するとともにセンサ11から冷媒回路10の冷媒漏洩に関する情報(ここでは、LC共振回路84の共振周波数)を共振周波数検出回路87に取得させる機能を有している。
電源回路86は、センサ11(ここでは、LC共振回路84)に周波数可変の交流電流による電力供給を行う電気回路である。
共振周波数検出回路87は、LC共振回路84の共振周波数を検出する電気回路である。
漏洩検知回路89は、共振周波数検出回路87によって得られたLC共振回路84の共振周波数に基づいて冷媒回路10の冷媒漏洩を検知する電気回路である。
以上のように、本実施形態の冷媒漏洩検知装置8では、センサ本体81とセンサ側コイル82とによってLC共振回路84を構成することで、端末側コイル88とセンサ側コイル82との電磁結合による電源回路86からセンサ11への電力供給によってLC共振回路84を励起するとともに、LC共振回路84の励起によって生じる共振周波数に基づいて冷媒漏洩を検知することができるようになっている。例えば、図5に示されるように、冷媒回路10において冷媒漏洩が生じると、冷媒漏洩に起因する流体としての冷凍機油の吸着が作用することによってセンサ本体81の静電容量が変化するため、冷媒漏洩が生じていない場合に比べて、共振周波数が小さくなり、その結果、センサ本体81の静電容量を得ることができ、この静電容量の値から冷媒漏洩を検知することができる。
これにより、本実施形態の冷媒漏洩検知装置8では、センサ11から冷媒漏洩に関する情報(ここでは、LC共振回路84の共振周波数)を取得したり、センサ11への電力供給を行うために、リード線をセンサ11の筐体83内から外部に引き出す必要がなくなり、これによって、筐体83の密閉性が高まり、センサ本体81が冷媒漏洩に起因する流体(ここでは、冷凍機油)以外の影響を受けにくくなり、冷媒漏洩の検知精度の向上に寄与する。また、筐体83内にバッテリを設けるスペースを確保する必要がなくなるため、センサ11の小型化や長寿命化が可能になる。また、本実施形態の冷媒漏洩検知装置8では、流体吸着体93の一部である流体誘導部93aが筐体83の外側に突出しているため、冷媒漏洩に起因する流体としての冷凍機油を筐体83内に確実に導くことができる。
(3)変形例
上述の実施形態の冷媒漏洩検知装置8においては、センサ11を構成するセンサ本体81とセンサ側コイル82とによってLC共振回路84を構成し、この共振周波数に基づいて冷媒回路10の冷媒漏洩を検知する構成としているが、図6及び図7に示されるように、センサ11にセンサ本体81の静電容量を算出する静電容量算出回路95、センサ側コイル82を通じて供給される電力を静電容量算出回路95に供給する電力供給回路95、及び、センサ側コイル82を通じて冷媒回路10の冷媒漏洩に関する情報(ここでは、静電容量算出回路95によって算出されたセンサ本体81の静電容量)を受信回路87に送る送信回路96を設けた構成にしてもよい。
ここで、本変形例においては、静電容量算出回路95、電力供給回路96、及び送信回路97がセンサ11に組み込まれている点が、また、受信回路87が冷媒回路10の冷媒漏洩に関する情報としての静電容量算出回路95によって算出されたセンサ本体81の静電容量を取得する通信回路である点が、さらに、漏洩検知回路89が静電容量に基づいて冷媒漏洩の検知を行う点が、上述の実施形態の構成とは異なるが、その他の構成については、上述の実施形態の構成と同様である。
このような冷媒漏洩検知装置8では、端末側コイル88とセンサ側コイル82との電磁結合による電源回路86からセンサ11への電力供給によって静電容量算出回路95を駆動することで、センサ本体81の静電容量を算出し、静電容量算出回路95によって算出されたセンサ本体81の静電容量を送信回路87によってセンサ側コイル82及び端末側コイル88を介して受信回路87に送り、受信回路87に送られた静電容量に基づいて冷媒漏洩を検知することができる。
また、図6に示される構成では、漏洩検知回路89がセンサ11に組み込まれていないが、図8に示されるように、漏洩検知回路89をセンサ11に組み込むようにしてもよい。この場合には、電力供給回路96が静電容量算出回路95だけでなく漏洩検知回路89にも電力を供給する点が、また、送信回路97及び受信回路87が冷媒回路10の冷媒漏洩に関する情報としての漏洩検知回路89によって得られた検知結果を送受信する通信回路である点が、図6に示される構成とは異なるが、その他の構成については、図6に示される構成と同様である。
このような冷媒漏洩検知装置8では、端末側コイル88とセンサ側コイル82との電磁結合による電源回路86からセンサ11への電力供給によって静電容量算出回路95及び漏洩検知回路89を駆動することで、センサ本体81の静電容量の算出及び静電容量に基づく冷媒漏洩の検知結果を得て、漏洩検知回路89によって得られた冷媒漏洩の検知結果を送信回路97によってセンサ側コイル82及び端末側コイル88を介して受信回路87に送ることができる。
(4)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>上述の実施形態及びその変形例においては、1台の熱源ユニット2に1台の利用ユニット4が接続された、いわゆるペア型の空気調和装置1を例に挙げて、本発明を説明したが、1台の熱源ユニットに複数台の利用ユニットが接続された、いわゆるマルチ型の空気調和装置1に本発明を適用してもよい。この場合には、冷媒連絡管に利用ユニットの台数に応じた分岐部が形成されることになるため、これらの分岐部における管継手等にセンサを設けるようにしてもよい。
<B>また、上述の実施形態及びその変形例においては、冷房と暖房とを切り換えて運転を行うことが可能な空気調和装置1を例に挙げて、本発明を説明したが、冷房専用機や冷暖同時機、蓄熱式空調機等の種々の空気調和装置に本発明を適用してもよい。また、本発明は、空気調和装置に限らず、ヒートポンプ式の給湯機等のように、冷媒回路を有しており冷媒漏洩のおそれがある冷凍装置であれば、適用可能である。
本発明を利用すれば、冷凍装置の冷媒回路のどの場所から冷媒漏洩が生じているかの特定を含めて、冷媒漏洩の検知ができるようになる。
本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置の概略構成図である。 冷媒漏洩検知装置の概略構成図である。 センサを冷媒回路のうち冷媒漏洩の検知を行う部分に設け、かつ、端末側コイルをセンサに近接させた状態を示す図である。 センサの概略の内部構造を示す断面図である。 冷媒漏洩が生じた場合及び冷媒漏洩が生じていない場合における共振周波数の違いを示す図である。 変形例にかかる冷媒漏洩検知装置の概略構成図である。 変形例にかかるセンサの概略の内部構造を示す断面図である。 変形例にかかる冷媒漏洩検知装置の概略構成図である。
符号の説明
1 空気調和装置(冷凍装置)
8 冷媒漏洩検知装置
10 冷媒回路
11 センサ
81 センサ本体
82 センサ側コイル
83 筐体
84 LC共振回路
86 電源回路
87 受信回路
88 端末側コイル
89 漏洩検知回路
95 静電容量算出回路
96 電力供給回路
97 送信回路

Claims (5)

  1. 冷媒回路(10)の冷媒漏洩に起因する流体の吸着が作用することで静電容量が変化するセンサ本体(81)と、センサ側コイル(82)と、前記センサ本体及び前記センサ側コイルを覆う筐体(83)とを有するセンサ(11)と、
    電源回路(86)及び受信回路(87)に接続されており、前記センサ側コイルとの電磁結合によって、前記電源回路から前記センサに電力を供給するとともに前記センサから前記冷媒回路の冷媒漏洩に関する情報を前記受信回路に取得させる端末側コイル(88)と、
    を備えた冷媒漏洩検知装置(8)。
  2. 前記センサ本体(81)と前記センサ側コイル(82)とは、LC共振回路(84)を構成しており、
    前記受信回路(87)は、前記冷媒回路(10)の冷媒漏洩の有無に関する情報としての前記LC共振回路の共振周波数を得る共振周波数検出回路であり、
    前記共振周波数検出回路によって得られた共振周波数に基づいて前記冷媒回路の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路(89)をさらに備えている、
    請求項1に記載の冷媒漏洩検知装置(1)。
  3. 前記センサ(11)は、前記センサ本体(81)の静電容量を算出する静電容量算出回路(95)と、前記センサ側コイル(82)を通じて供給される電力を前記静電容量算出回路に供給する電力供給回路(96)と、前記センサ側コイルを通じて前記冷媒回路(10)の冷媒漏洩に関する情報としての前記静電容量算出回路によって算出された前記センサ本体の静電容量を前記受信回路(87)に送る送信回路(97)とをさらに有しており、
    前記受信回路に送られた前記センサ本体の静電容量に基づいて前記冷媒回路の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路(89)をさらに備えている、
    請求項1に記載の冷媒漏洩検知装置(8)。
  4. 前記センサ(11)は、前記センサ本体(81)の静電容量を算出する静電容量算出回路(95)と、前記静電容量算出回路によって算出された前記センサ本体の静電容量に基づいて前記冷媒回路(10)の冷媒漏洩を検知する漏洩検知回路(89)と、前記センサ側コイル(82)を通じて供給される電力を前記静電容量算出回路及び前記漏洩検知回路に供給する電力供給回路(96)と、前記センサ側コイルを通じて前記冷媒回路の冷媒漏洩に関する情報としての前記漏洩検知回路によって得られた検知結果を前記受信回路87)に送る送信回路(97)とをさらに有している、
    請求項1に記載の冷媒漏洩検知装置(8)。
  5. 冷媒回路(10)と、
    請求項1〜4のいずれかに記載の冷媒漏洩検知装置(8)と、
    を備えた冷凍装置(1)。
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