JP2010132728A - ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

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豪志 武井
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Abstract

【課題】抜き出し性、濾過性に優れたポリマースラリーが得られるポリマー粒子の製造方
法を提供すること。
【解決手段】本発明のポリマー粒子の製造方法は、示差走査熱量計で測定される結晶融解ピークの最高温度が30〜70℃であるポリマーを該ポリマーに対する良溶媒に溶解した溶液Xと、ポリマーに対する貧溶媒Yとを、体積比が0.5≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦1となるように攪拌下で混合して混合液Zを得る第1混合工程と、混合液Zを15分以上攪拌する第1攪拌工程と、貧溶媒Yを、体積比が(貧溶媒Y)/(溶液X)≧1.5となるように混合液Zに攪拌下でさらに混合する第2混合工程とをこの順で含み、第1混合工程と第2混合工程とは、ポリマーの結晶融解ピークの最高温度より15℃以上低い温度条件下で行ない、攪拌工程は、その温度条件が第1混合工程における温度条件と同一であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー粒子の製造方法に関する。
ポリマーの有機溶媒溶液から該ポリマーの粒子を製造する方法として、これまで種々提案されている。例えば、ポリマー溶液に、該ポリマーの貧溶媒を該ポリマーの溶解度限界の直近まで添加したあと、該ポリマー溶液を貧溶媒中へ添加し、ポリマー粒子を析出させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリマー溶液に、該ポリマーの貧溶媒をポリマーが析出しない程度添加したあと、該ポリマー溶液を溶媒の沸点以上にして溶媒を蒸発させることにより、ポリマー粒子を析出させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来のように貧溶媒を用いた方法では、低融点のポリマーの粒子を製造する場合、低融点のポリマーは製造条件の温度範囲において融着性があるため、析出工程において、ポリマー粒子が析出した溶液(ポリマースラリー)をポリマー析出槽から抜き出す際に、閉塞や濾過性が悪くなるという問題があった。また、得られたポリマースラリーをポリマー粒子と溶液とに濾別するのに時間がかかることがあった。
また、ポリマー溶液とポリマーに対する貧溶媒との体積比率を(貧溶媒)/(ポリマー溶液)≧0.5とした状態でポリマー粒子を析出させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−256529号公報 特開平7−48456号公報 特開2004−292544号公報
しかしながら、上記特許文献3に提案された方法では、ポリマー溶液と貧溶媒との混合用液の温度を低く保つ必要があり、多量のポリマー粒子の製造工程においては冷却にかかるコスト等の観点から改善が望まれている。
かかる状況のもと、本発明は、抜き出し性、濾過性に優れ、製造効率の向上したポリマー粒子の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、示差走査熱量計で測定される結晶融解ピークの最高温度が30〜70℃であるポリマーを該ポリマーに対する良溶媒に溶解した溶液Xと、ポリマーに対する貧溶媒Yとを、体積比で0.5≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦1となるように攪拌下で混合して混合液Zを得る第1混合工程と、混合液Zを15分以上攪拌する第1攪拌工程と、貧溶媒Yを、体積比が(貧溶媒Y)/(溶液X)≧1.5となるように混合液Zに攪拌下でさらに混合する第2混合工程とをこの順で含み、第1混合工程と第2混合工程とは、ポリマーの結晶融解ピークの最高温度より15℃以上低い温度条件下で行ない、第1攪拌工程は、その温度条件が第1混合工程における温度条件と同一であるポリマー粒子の製造方法に関する。
上記第2混合工程の後に、上記第2混合工程における温度条件と同一の条件で15分以上攪拌する第2攪拌工程をさらに含むことが好ましい。
第1混合工程と第2混合工程とにおける攪拌動力が0.1〜1.5kW/m3であることが好ましい。
上記第1混合工程において、貧溶媒Yに溶液Xを添加することが好ましく、溶液Xは、毎分あたりの添加量Vxが、次式(1)
x=a×Vy …(1)
(式(1)中、Vxは溶液Xの毎分あたりの添加量(L)、Vyは第1混合工程における貧溶媒Yの体積(L)を示し、aは係数、0.002≦a≦0.02である)を満たすことが好ましい。
本発明により、移送性、抜き出し性、濾過性に優れたポリマースラリーが得られるポリマー粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法に用いられるポリマー(以下、ポリマーAという)は、示差走査熱量計(DSC)で測定される結晶融解ピークの最高温度(温度が最大である融解ピーク温度であり、以下、最高融点ということがある)が30〜70℃であるポリマーであれば特に制限はない。なお、最高融点が70℃を超えるポリマーであっても本発明の製造方法によりポリマー粒子を製造することは可能であるが、最高融点が上記温度範囲のポリマーの場合に本願発明の効果が著しく発現する。
本発明に用いられるポリマーAとしては、例えば、オレフィンの繰り返し単位を含有するオレフィン系ポリマーなどがあげられ、該オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。オレフィン系ポリマーは、オレフィン以外の単量体の繰り返し単位を含有していてもよく、該単量体としては、ノルボルネン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン等があげられる。
上記オレフィン系ポリマーとしては、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、プロピレン−ノルボルネン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体、プロピレン−ビニルシクロヘキサン共重合体などをあげることができる。
本発明の製造方法は、上記ポリマーAに対する良溶媒に溶解した溶液Xと、ポリマーAに対する貧溶媒Yとを、体積比で0.5≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦1となるように攪拌下で混合して混合液Zを得る第1混合工程を含む。
上記溶液Xとは、上記ポリマーAに対する良溶媒に溶解した溶液である。該溶液XにおけるポリマーAの濃度は、ポリマーAが均一に溶解する程度であることが好ましく、例えば5〜40質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。溶液XにおけるポリマーAの濃度が低すぎると、多量の貧溶媒が必要となるため、生産性が悪くなる傾向がある。また、上記濃度が高すぎると、ポリマースラリーの抜き出し性が劣ることがある。なお、溶液XにおけるポリマーAの濃度は、ポリマーAの質量と上記良溶媒の質量の合計を100質量%とした質量パーセントである。
上記溶液Xと、ポリマーAに対する貧溶媒Yとの混合割合は、第1混合工程においては体積比で0.5≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦1である。溶液Xと貧溶媒Yとの混合割合を上記範囲内として、貧溶媒Yの比率を低くし、後述の温度条件とすることで、ひも状で嵩高いポリマーの析出効率を良好なものとすることができる。上記体積比は、より好ましくは、0.7≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦0.8であり、この場合は、濾過に最適な粒形状のポリマーを得ることができる。
上記第1混合工程は、ポリマーAの結晶融解ピークの最高温度(最高融点)より15℃以上低い温度条件下、すなわち溶液Xと貧溶媒Yとの混合液Zの液温がポリマーAの最高融点より15℃以上低い温度で行なう。好ましくは、ポリマーAの結晶融解ピークよりも20℃以上低い温度条件下である。上記混合液Zの液温が高すぎると、ポリマースラリーの抜き出し性が劣ることがある。また、該混合溶液の温度は、経済的観点から、ポリマーAの最高融点よりも100℃低い温度までを下限とすることが好ましい。
本発明におけるポリマーAに対する良溶媒および貧溶媒を構成する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物;ヘキサンやヘプタン等の脂肪族系化合物;アセトンやメタノール等の含酸素有機化合物;塩化メチレン、クロロホルム等の含塩素有機化合物等が挙げられ、良溶媒および貧溶媒としては、これらを単独または2種以上混合したものを用いることができる。
ポリマーAに対する良溶媒とは、ポリマーAを溶解し得る溶媒のことをいい、溶液XにポリマーAが均一に溶解した状態で存在し得る溶媒をいう。例えば、ポリマーAがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体の場合の良溶媒としては、トルエン、ヘプタンなどが挙げられ、ポリカーボネートの場合の良溶媒としては、塩化メチレンなどが挙げられる。また、良溶媒としては、ポリマーAの原料となるモノマー(例えば、ジエン、スチレン、ノルボルネンなど)を用いることもできる。上記良溶媒を構成する各溶媒は単独または2種以上を混合して用いることができる。また、2種以上を混合して用いる場合の混合比率は特に限定されない。
ポリマーAに対する貧溶媒とは、上記溶液XからポリマーAを析出し得る溶媒をいい、上記溶媒は単独または2種以上用いられる。具体的には、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体の貧溶媒としては、メタノール、アセトン等が挙げられ、ポリカーボネートの貧溶媒としては、ヘプタン等が挙げられる。
なお、上記良溶媒および貧溶媒とは、本発明の製造方法における操作温度における分類とする。
第1混合工程における溶液Xと貧溶媒Yとの混合方法としては、溶液Xと貧溶媒Yとが均一に混合されるのであれば特に制限はなく、例えば、攪拌している溶液Xに貧溶媒Yを添加する方法、攪拌している貧溶媒Yに溶液Xを添加する方法、ミキサー等で攪拌している槽に溶液Xと貧溶媒Yを同時に供給する方法などがあげられる。好ましくは、貧溶媒Yに溶液Xを添加する方法である。貧溶媒Yに溶液Xを添加する場合は、ポリマーAの粒子の析出が良好となり、濾過性がより改善される。
上記混合方法として貧溶媒Yに溶液Xを添加する場合は、溶液Xの毎分あたりの添加量(体積)Vxが、次式(1)
x=a×Vy …(1)
(式(1)中、Vxは溶液Xの毎分あたりの添加量(L)、Vyは第1混合工程における貧溶媒Yの体積(L)を示し、aは係数、0.002≦a≦0.02である)を満たすことが好ましい。上記式(1)において、aは、より好ましくは、0.004≦a≦0.01である。溶液Xの毎分あたりの添加量が上記式(1)の条件を満たす場合は、ポリマーAの粒子の析出がより一層良好となり、濾過性も向上する。
上記混合における攪拌は、特に制限はないが、溶液Xと貧溶媒Yとの混合液が乱流状態となっていることが好ましい。このような乱流状態は、例えば、3枚後退攪拌翼を回転させることで発生させることができる。攪拌条件は特に限定されないが、1L程度の混合液を攪拌するのであれば、例えば翼径が5〜7cmの3枚後退攪拌翼を用いて、攪拌動力を0.1〜1.5kW/m3とすればよい。このような攪拌は図1に示す析出槽装置などを用いて行なえばよく、上記翼径とは、図1中dbで示される径をいう。
上記第1混合工程は、所望量の溶液Xおよび貧溶媒Yの添加が終了した時点で完了し、これらの混合液Zは、次いで第1攪拌工程に供される。
第1攪拌工程は、混合した溶液Xと貧溶媒Yとの混合液Zを15分以上攪拌する工程である。この第1攪拌工程において、ポリマーAは攪拌により剪断され、移送性および排出性の良好な粒子サイズにまで破断される。攪拌時間は、上記のように移送性および排出性の点から15分以上とするが、ポリマーAの種類や濃度、所望の粒子サイズ等の条件に応じて適宜調整すればよい。また、攪拌時間の上限は特に限定されず、製造効率の点から例えば60分とすればよい。
第1攪拌工程における温度条件は、上記第1混合工程における温度条件と同一とする。このような温度条件とすることにより、ポリマー粒子同士の相互融着(互着)を防止することができる。また、該工程は、上記第1混合工程で用いた容器と同一の容器内で行なうことが好ましい。
第1攪拌工程後、第2混合工程を行なう。第2混合工程は、上記体積比で(貧溶媒Y)/(溶液X)≧1.5となるように混合液Zに攪拌下でさらに上記貧溶媒Yを混合する工程である。上記第1攪拌工程で形成されるポリマー粒子の表面は、混合液中のポリマーAに対する良溶媒の存在のため軟質である。軟質とは、ポリマー粒子どうしが相互に融着し得る状態をいい、この場合、濾過時にポリマー粒子どうしが相互融着して、濾過性を十分に改善することができず、濾過器等からの排出が困難となる。そこで、第2混合工程において、貧溶媒Yをさらに添加することによって、ポリマー粒子表面をポリマー粒子どうしが相互に融着しない状態(固めた状態)とすることができる。その結果、濾過性の低下を防止することが可能になる。
第2混合工程における貧溶媒Yの添加量は、上記溶液Xと貧溶媒Yとが体積比で(貧溶媒Y)/(溶液X)≧1.5となる量であり、(貧溶媒Y)/(溶液X)≧2であることが好ましい。このような体積比を満たすことにより、ポリマー粒子どうしの融着を十分に防ぐことができる。体積比の上限は特に限定されないが、コスト面から、3以下とすることが好ましい。なお、上記体積比における貧溶媒Yの量は、第1混合工程と第2混合工程との合計量をいう。
第2混合工程においてさらに添加する貧溶媒は、上記第1混合工程における貧溶媒Yと必ずしも同種である必要はないが、溶媒の回収工程を単純化する点から、第1混合工程ど同種の貧溶媒Yを用いる。また、第2混合工程における上記貧溶媒Yの添加時間(添加速度)は特に限定されない。
第2混合工程における温度条件は、第1混合工程と同様に、混合液の液温がポリマーAの最高融点より15℃以上低い温度で行なう。好ましくは、ポリマーAの結晶融解ピークよりも20℃以上低い温度条件下である。上記混合液の液温が高すぎると、ポリマースラリーの抜き出し性が劣ることがある。また、該混合溶液の温度は、経済的観点から、ポリマーAの最高融点よりも100℃低い温度までを下限とすることが好ましい。なお、第2混合工程と上記第1混合工程とにおける混合液の温度が同一である必要はなく、ポリマーAの最高融点よりも15℃以上低い温度領域であれば同じであっても異なっていてもよい。
本発明の製造方法においては、上記第2混合工程までを行なうことによって、抜き出し性などに優れたポリマー粒子を製造することが可能であるが、上記第2混合工程の後に、上記第2混合工程における温度条件と同一の条件で15分以上攪拌する第2攪拌工程をさらに含むことが好ましい。第2攪拌工程の攪拌条件は、上記第1攪拌工程と同様とすればよい。第2攪拌工程を含むことによって、より効率よくポリマー粒子表面を固めた状態とすることができる。攪拌時間の上限は特に限定されず、例えば、60分とすればよい。
本発明の製造方法は、上記第2混合工程または第2攪拌工程を経て製造されたポリマー粒子を取り出すために、濾過工程およびリンス工程などを含んでもよい。濾過工程およびリンス工程は従来公知の方法により行なうことができる。例えば、濾過工程は、得られたポリマースラリーを濾布を用いて濾過し、リンス工程は、アセトンを用いて濾過工程により得られるウエットケーキを洗浄すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<ポリマー溶液の調製>
乾燥アルゴンガスで置換した500mlの攪拌槽中に、ビニルシクロヘキサン176g、脱水トルエン1501gを投入した。これらを47℃に昇温した後、水素ガスを0.015MPa、エチレンガスを0.6MPaとなるように上記攪拌槽中に仕込んだ。この攪拌槽は外部からのガス等の流入と断絶とが可能であり、攪拌翼を設けた反応装置である。続いて、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(東ソー・ファインケム(株)製、Al原子換算濃度 20.3wt%)2g、脱水トルエン9g、ジエチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド200μgを脱水トルエン3gに溶解した溶液、脱トルエン9g、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート6mgを脱水トルエン9gに溶解させた溶液を、この順で上記攪拌槽に投入して重合を開始させた。重合反応中、エチレンガスを、攪拌槽における分圧を0.6MPaに維持し続けるように補充した。また、重合反応中、攪拌槽内の温度を制御して45℃とした。この条件で6.5時間攪拌した後、エタノール4gを攪拌槽に仕込み、重合を停止させた。室温で重合反応液をトルエンで共洗いしながら抜出して、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体を6wt%溶解したトルエン溶液(溶液X)2634gを得た。
得られたエチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体(以下、ポリマーaという)の極限粘度[η]は0.5dl/g、融点は55℃、ビニルシクロヘキサン単量体単位は13mol%であった。なお、実施例において融点とは、JIS規格K7121にしたがい上記示差走査熱量測定装置を用いて測定した結晶融解ピーク最高温度である。各物性の測定は以下の方法による。
(極限粘度[η])
ウベローデ型粘度計を用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定した。
(最高融点およびガラス転移温度)
示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業社製 SSC−5200)を用いて、以下の条件で測定した。
状態調整:20℃から200℃まで10℃/分で昇温後、200℃で10分間保持し、次に、200℃から−100℃まで20℃/分で降温後、−100℃で10分間保持した。
融点およびガラス転移点測定:状態調整後、直ちに−50℃から200℃まで10℃/分で昇温した。
(ポリマー組成)
13C−NMR測定により、下記の条件で求めた。
13C−NMR装置:BRUKER社製 DRX600
測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4の4:1(容積比)混合液
測定温度:135℃
<ポリマー粒子の製造>
ポリマーaの粒子の製造は、図1に示す析出槽装置を用いて行なった。図1に示す析出槽装置は、槽径(直径)が11cmの1リットルのセパラブルフラスコ11と、該セパラブルフラスコ11の底に設けられた内容物を排出するための直径1cmの排出口12と、内容物(混合液17)を攪拌するための翼径6cm3枚後退翼13と、溶液や貧溶媒を滴下するための滴下ノズル18と、混合液17の温度を測定するための温度計16とを備える。上記3枚後退翼13の翼径は、図1中のdbで示される径をいい、槽径(直径)は、図1中のdcで示される径をいう。また、上記セパラブルフラスコ11の外側には、温度調節ジャケット14が設けられており、該温度調節ジャケット14は、図1の矢印で示す流れで冷媒または熱媒である媒体15が送られて攪拌している系の温度を調節することが可能である。
(第1混合工程)
この析出槽装置に、ポリマーaに対する貧溶媒であるアセトンを150g(190ml)(貧溶媒Y1)仕込み、液温を35℃に調整した。なお、本実施例において液温は、温度調節ジャケット14に媒体15として熱媒をとおして、以降の工程においても液温を35℃に維持するように調節した。この貧溶媒Y1を攪拌速度590rpm(攪拌動力:0.4kW/m3)で攪拌し始めると同時に、上記ポリマー溶液の調製で得られたポリマーaを溶解した溶液Xを、滴下ノズル18から添加速度90ml/hr(1.5ml/分で226g(260ml)添加した。表1に示すように、貧溶媒Y1と溶液Xの体積比(貧溶媒Y1)/(溶液X)は0.73であった。また、式(1)におけるaはおよそ0.0057となる。
(第1攪拌工程)
溶液Xの添加後、上記攪拌速度および温度条件を維持したまま15分間攪拌を行なった。
(第2混合工程)
15分経過後、上記攪拌速度で混合液を攪拌した状態で、ポリマーaに対する貧溶媒であるアセトンを280g(355ml)(貧溶媒Y2)を一度に添加して805mlの混合液を得た。このとき混合液は、懸濁状態であった。また、表1に示すように、貧溶媒Y1およびY2と溶液Xとの体積比(貧溶媒Y1+Y2)/(溶液X)は2.1であった。
(第2攪拌工程)
貧溶媒Y2の添加後、上記攪拌速度および温度条件を維持したまま15分間攪拌を行なった。以上の工程により混合液にポリマー粒子が生成し、ポリマースラリーを得た。
<ポリマー粒子の濾別>
得られたポリマースラリーについて抜き出し性、濾過性、濾過後のポリマー粒子の互着状態を下記評価方法により評価した。結果を表1に示す。
(抜き出し性(排出性))
析出槽装置の排出口からのポリマースラリーの抜き出し性を目視観察および得られたポリマー粒子の量からポリマー粒子の析出槽装置の残存量とから、下記の通り評価した。
○:排出時にポリマー粒子による閉塞がなく、析出槽装置内へのポリマー粒子の付着および残存量が添加した全ポリマー粒子の10wt%以下である。
×:排出時に排出口がポリマー粒子により閉塞した。
(濾過性)
得られたポリマースラリーの全量を、濾布テトロン(登録商標)を使用して、濾過圧力0.05kPaで濾過した。このときの濾過時間を測定し、下記評価を行なった。
○:濾過時間が10分以内である。
×:濾過時間が10分を超える。
−:抜き出し性不良のため評価せず。
(濾過後のポリマー粒子の互着状態)
濾過により濾別し得られたウエットケーキを、アセトン35gで洗浄する工程を6回繰り返すリンス洗浄を行なった。洗浄したポリマー粒子を上記濾過機より取り出し平板にのせ、スパチュラでほぐしてウエットケーキの塊砕状況を目視により確認し、下記評価を行なった。
○:ウエットケーキの互着がない。
×:ウエットケーキの互着がある。
−:抜き出し性不良のため評価せず。
(実施例2)
実施例1のポリマー粒子の製造において、全工程において液温を40℃となるよう調整した以外は、実施例1と同様の方法によりポリマー粒子およびポリマースラリーを得た。得られたポリマースラリーの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のポリマー粒子の製造において、第2混合工程および第2攪拌工程を行なわなかった以外は、実施例1と同様の方法によりポリマー粒子およびポリマースラリーを得た。得られたポリマースラリーの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1のポリマー粒子の製造において、全工程において液温を45℃となるよう調整した以外は、実施例1と同様の方法によりポリマー粒子およびポリマースラリーを得た。得られたポリマースラリーの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2のポリマー粒子の製造において、溶液Xの添加量を500mlとした以外は、実施例1と同様の方法によりポリマー粒子およびポリマースラリーを得た。得られたポリマースラリーの評価結果を表1に示す。
Figure 2010132728
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施例で用いた析出槽装置を示す模式図である。
符号の説明
11 セパラブルフラスコ、12 排出口、13 3枚後退翼、14 温度調節ジャケット、15 媒体、16 温度計、17 混合液、18 滴下ノズル。

Claims (5)

  1. 示差走査熱量計で測定される結晶融解ピークの最高温度が30〜70℃であるポリマーを該ポリマーに対する良溶媒に溶解した溶液Xと、前記ポリマーに対する貧溶媒Yとを、体積比が0.5≦(貧溶媒Y)/(溶液X)≦1となるように攪拌下で混合して混合液Zを得る第1混合工程と、
    前記混合液を15分以上攪拌する第1攪拌工程と、
    前記貧溶媒Yを、前記体積比で(貧溶媒Y)/(溶液X)≧1.5となるように前記混合液Zに攪拌下でさらに混合する第2混合工程とをこの順で含み、
    前記第1混合工程と前記第2混合工程とは、前記ポリマーの前記結晶融解ピークの最高温度より15℃以上低い温度条件下で行ない、
    前記第1攪拌工程は、その温度条件が前記第1混合工程における温度条件と同一であるポリマー粒子の製造方法。
  2. 前記第2混合工程の後に、前記第2混合工程における温度条件と同一の条件で15分以上攪拌する第2攪拌工程をさらに含む請求項1に記載のポリマー粒子の製造方法。
  3. 前記第1混合工程と前記第2混合工程とにおける攪拌動力が0.1〜1.5kW/m3である請求項1または2に記載のポリマー粒子の製造方法。
  4. 前記第1混合工程において、前記貧溶媒Yに前記溶液Xを添加する請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
  5. 前記溶液Xは、毎分あたりの添加量Vxが、次式(1)
    x=a×Vy …(1)
    (式(1)中、Vxは前記溶液Xの毎分あたりの添加量(L)、Vyは第1混合工程における貧溶媒Yの体積(L)を示し、aは係数、0.002≦a≦0.02である)を満たす請求項4に記載のポリマー粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014043566A (ja) * 2012-07-31 2014-03-13 Toray Ind Inc ポリ乳酸系樹脂微粒子およびそれを用いてなる分散液、ならびにポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法
WO2021241433A1 (ja) * 2020-05-28 2021-12-02 住友化学株式会社 樹脂粒子およびフィルム

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