JP2014043566A - ポリ乳酸系樹脂微粒子およびそれを用いてなる分散液、ならびにポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂微粒子およびそれを用いてなる分散液、ならびにポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】数平均粒子径が1μm未満のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法と、小粒子径で生分解性が高く、化粧品用途に好適なポリ乳酸系樹脂微粒子と、このようなポリ乳酸系樹脂微粒子からなる分散液とを提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を質量比(A/B)0.8以下でエーテル系有機溶媒(C)に溶解させ、撹拌動力0.01kW/m以上で撹拌してエマルションを形成した後、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を短時間接触させることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。この製造方法により、数平均粒子径が1μm以下のポリ乳酸系樹脂微粒子を提供することができる。また、本発明は、このようなポリ乳酸系樹脂微粒子を分散させてなる分散液も提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂微粒子およびそれを用いてなる分散液、ならびにポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法に関し、より詳しくは、数平均粒子径が1μm未満であるポリ乳酸系樹脂微粒子に関する。
ポリマー微粒子は、フィルム、繊維、射出成形品、押出成形品などのポリマー成形品とは異なり、比表面積が大きい点や、微粒子の構造を利用することで、各種材料の改質、改良に用いられている。主要用途としては、化粧品の改質剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への添加剤などが挙げられる。
一方、近年の環境問題への関心が高まるなか、環境負荷の低減の目的のため、非石油原料由来の材料を使用することが求められるようになっており、化粧品、塗料などポリマー微粒子が使用される分野も例外ではない。これら非石油原料由来ポリマーの代表的なものとしては、ポリ乳酸が挙げられる。
これまでポリ乳酸系樹脂微粒子または粉末の製造方法としては、凍結粉砕などに代表される粉砕法(特許文献1、2)、高温下の溶媒に溶解し、冷却して析出させたり、溶媒に溶解した後に貧溶媒を加えることにより析出させたりする溶媒溶解析出法(特許文献3、4)、2軸押出機等の混合機内でポリ乳酸系樹脂と非相溶の樹脂とを混合し、ポリ乳酸系樹脂を分散相に、ポリ乳酸系樹脂と非相溶の樹脂を連続相にもつ、樹脂組成物を形成させた後に、非相溶の樹脂を除去することによりポリ乳酸系樹脂微粒子を得る溶融混練法(特許文献5、6)などが知られている。
しかし、これら製法で作られるポリ乳酸系樹脂微粒子は、得られる粒子が真球形状ではない、粒子径が細かくならない、粒度分布が広い、場合によっては繊維状のものを含むなど球状を保つことができないなどの課題を抱えており、特に触感、質感を重視する化粧品分野、レオロジー制御が重要になる塗料などの分野では、現状のままでは、微粒子添加による効果は十分ではなかった。
一方、ポリマー微粒子の製造方法としては、エマルションを利用した方法として、特許文献7に記載の方法が知られている。また、特許文献8には、ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法が記載されている。しかしながら、これらの文献には、数平均粒子径が1μm未満のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造例は記載されていない。
特開2000−007789号公報 特開2001−288273号公報 特開2005−002302号公報 特開2009−242728号公報 特開2004−269865号公報 特開2005−200663号公報 国際公開2009/142231号 国際公開2012/105140号
本発明は、数平均粒子径が1μm未満のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法、及び化粧品用途等に好適な、平均粒子径が小さく、真球形状で粒子径分布の狭いポリ乳酸系樹脂微粒子の提供を課題とする。
上記課題を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、下記発明に到達した。
即ち、本発明に係るポリ乳酸系樹脂微粒子およびそれを用いてなる分散液、ならびにポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法は、以下の構成を有するものからなる。
[1]数平均粒子径が10nm以上1μm未満であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子。
[2]粒子径分布指数が1〜2である、上記[1]のポリ乳酸系樹脂微粒子。
[3]真球度が90以上である、上記[1]または[2]のポリ乳酸系樹脂微粒子。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかのポリ乳酸系樹脂微粒子を分散させてなる分散液。
[5]ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に溶解し、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系を形成する溶解工程と、相分離する系を撹拌してエマルションを形成するエマルション形成工程と、ポリ乳酸系樹脂(A)の溶解度がエーテル系有機溶媒(C)よりも小さいポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)をエマルションに接触させることによってポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる粒子析出工程とを有するポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法であって、粒子析出工程は、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)のエマルションへの添加またはエマルションのポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)への添加によりポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とエマルションとを接触させる添加工程と、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とエマルションの接触状態を維持することによりポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる接触工程とを含んでおり、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の質量比(A/B)が0.8以下であり、エマルション形成時の撹拌動力が0.01kW/m以上であり、添加工程の所要時間が10分以上90分以内であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
[6]エーテル系有機溶媒(C)の沸点が100℃以上である、上記[5]のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
[7]エーテル系有機溶媒(C)がジエチレングリコールジメチルエーテルである、上記[6]のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
[8]ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)がヒドロキシプロピルセルロースである、上記[5]から[7]のいずれかのポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
[9]ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)が水である、上記[5]から[8]のいずれかのポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
本発明に係るポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法によれば、簡便に1μm未満のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造することが可能となり、より効果的な生分解性を得ることができる。さらには、滑り性の良好な真球形状のポリ乳酸系樹脂微粒子など、用途に応じた所望の形態のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造することが可能となる。また、本発明により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子は、ファンデーション、口紅、男性化粧品用スクラブ剤などの化粧品用材料、フラッシュ成形用材料、ラピッドプロトタイピング・ラピッドマニュファクチャリング用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒およびその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどに好適に使用することができる。
実施例1で製造したポリ乳酸系樹脂微粒子の、走査型電子顕微鏡による観察図である。 実施例5で製造したポリ乳酸系樹脂微粒子の、走査型電子顕微鏡による観察図である。 比較例5で製造したポリ乳酸系樹脂微粒子の、走査型電子顕微鏡による観察図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法は、ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に溶解し、ポリ乳酸系樹脂を主成分とする溶液相とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーBを主成分とする溶液相の2相に相分離する系を形成する溶解工程と、相分離する系を撹拌してエマルションを形成させるエマルション形成工程と、エマルションとポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とを接触させることにより、ポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる粒子析出工程とを有する。
上記ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法は、使用する有機溶媒がエーテル系有機溶媒(C)であることを特徴とする。エーテル系有機溶媒(C)を使用することで、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を接触させた際に発生するポリ乳酸系樹脂微粒子同士の融着を防ぐことができる。エーテル系有機溶媒(C)以外の有機溶媒、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジオキソランなどのアセタール系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、トリメチルリン酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等のカルボン酸系溶媒を使用した場合は、ポリ乳酸系樹脂を良く溶解するため、ポリ乳酸系樹脂の析出能が十分でなく、粒子形成がしにくく、またポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を接触した際に、析出したポリ乳酸系樹脂微粒子内部に溶媒が残存し、ポリ乳酸系樹脂微粒子同士が融着しやすくなり、粒子形状、粒度分布に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
上記エーテル系有機溶媒(C)としては、具体的には、脂肪族鎖状エーテルであるジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ジイソアミルエーテル、tert−アミルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、1−メトキシエタン(モノグライム)、1−エトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールジエチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジエチルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、脂肪族環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルヒドロフラン、2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロピラン、3−メチルテトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、芳香族エーテルである、アニソール、フェネトール(エチルフェノール)、ジフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン、p−トリルエーテル、1,3−ジフェノキシベンゼン、1,2−ジフェノキシエタン等が挙げられる。中でも、工業的な利用しやすさの観点から、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1−エトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールジエチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソールが好ましい。
さらに、本発明のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造する際、固液分離工程でポリ乳酸系樹脂微粒子から分離されたエーテル系有機溶媒(C)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)及びポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)から、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を除去し、エーテル系有機溶媒(C)を回収する工程が簡便になる観点から、エーテル系有機溶媒(C)は、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)より沸点が高い方が好ましい。例えば、貧溶媒が水の場合、エーテル系有機溶媒の沸点は100℃以上であることが好ましく、このような溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。これらのエーテル系有機溶媒は、単独、または混合して使用しても良いが、エーテル系有機溶媒(C)を回収する工程が簡便になる観点から、単独での使用が好ましい。
また、エーテル系有機溶媒(C)には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機溶媒を加えてもよい。なお、エーテル系有機溶媒(C)の量を100質量部とした場合、他の有機溶媒の添加量は、通常100質量部未満であり、好ましくは75質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下、最も好ましくは10質量部以下である。他の有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジオキソランなどのアセタール系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、トリメチルリン酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等のカルボン酸系溶媒などが挙げられる。これらの他の有機溶媒は、単独、または混合して使用しても良い。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂(A)は、L−乳酸およびD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーである。
なお、L−乳酸およびD−乳酸が主たる構成成分であるとは、ポリ乳酸系樹脂(A)中の共重合体を構成するモノマー単位のうち、L−乳酸およびD−乳酸モノマー単位の合計が、モル比率で50モル%以上であることを意味する。上記モル比率は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。上限としては通常100モル%である。
ここで、LまたはDとは、乳酸の光学異性体の種類を表しており、天然型の立体配置を持つものをL−乳酸あるいはL体乳酸、非天然型の立体配置を持つものをD−乳酸あるいはD体乳酸と表記する。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂(A)を構成するL−乳酸およびD−乳酸の共重合比率(L/D)は、特に限定されないが、上限は100/0であり、下限は50/50である。なお、D,Lなどの光学活性体は、その分子構造が鏡像関係にある物質であり、物理的特性が全く変わらないことから、上記L/DをD/Lと書き換えても良い。
上記ポリ乳酸系樹脂(A)において、その乳酸モノマー単位の配列様式に特に限定はなく、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良い。
さらに、ポリ乳酸系樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などから生成する単位が挙げられる。このような共重合成分単位の含有量は、全単量体単位を100モル%としたときに、30モル%以下とするのが好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましく、5モル%以下が最も好ましい。
ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量や分子量分布は、実質的にエーテル系有機溶媒(C)に溶解可能であれば、特に限定されないが、粒子構造を維持しやすく、耐加水分解性が向上するという点では、重量平均分子量の下限として、好ましくは1万以上、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、特に好ましくは20万以上である。上限は特に制限されないが、通常は100万以下である。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
ポリ乳酸系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の重合方法を用いることができ、たとえば乳酸からの直接重合法およびラクチドを介する開環重合法などを用いることができる。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられるが、エーテル系有機溶媒(C)に溶解しやすいという観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
具体的には、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってもよい)、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体であってもよい)、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレンラウリン脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレングリコールモノ脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレンアルキルフェニルエーテル)、ポリ(オキシアルキルエーテル)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジニウムクロライド、ポリ(スチレン−マレイン酸)共重合体、アミノポリ(アクリルアミド)、ポリ(パラビニルフェノール)、ポリアリルアミン、ポリビニルエーテル、ポリビニルホルマール、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(オキシエチレンアミン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピリジン)、ポリアミノスルホン、ポリエチレンイミン等の合成樹脂、マルトース、セルビオース、ラクトース、スクロースなどの二糖類、セルロース、キトサン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、アミロースおよびその誘導体、デンプンおよびその誘導体、デキストリン、シクロデキストリン、アルギン酸ナトリウムおよびその誘導体等の多糖類またはその誘導体、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、フィブロイン、ケラチン、フィブリン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、アラビアゴム、寒天、たんぱく質等が挙げられ、粒子径分布が狭くなることから、好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってもよい)、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレンアルキルフェニルエーテル)、ポリ(オキシアルキルエーテル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、より好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、特に好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ヒドロキシプロピルセルロースである。
ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の分子量の範囲は、好ましくは、重量平均分子量で、1,000〜100,000,000、より好ましくは1,000〜10,000,000、さらに好ましくは5,000〜1,000,000、特に好ましくは10,000〜500,000、最も好ましくは10,000〜100,000である。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒として水を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリエチレングリコールで換算した重量平均分子量を指す。
なお、水で測定できない場合においては、溶媒としてジメチルホルムアミドを用い、それでも測定できない場合においては、テトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合においては、ヘキサフルオロイソプロパノールを用いるものとする。
上述の製造方法における「ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系」とは、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)とをエーテル系有機溶媒(C)に溶解させた溶液からなる系であって、これらを混合したときに、ポリ乳酸系樹脂(A)を主として含む溶液相と、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主として含む溶液相の2相に分かれる系をいう。このような系を、相分離する条件下で撹拌して乳化させることにより、エマルションが形成される。
なお、上記において、ポリマーが溶解するかどうかについては、溶解工程を実施する温度、即ちポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に溶解させる際の温度において、エーテル系有機溶媒(C)に対し、ポリ乳酸系樹脂(A)及びポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)が1質量%以上溶解するかどうかで判別する。
上記エマルションにおいては、ポリ乳酸系樹脂溶液相が分散相に、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーB溶液相が連続相になる。そして、このエマルションに対し、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を接触させることにより、エマルション中のポリ乳酸系樹脂溶液相から、ポリ乳酸系樹脂微粒子が析出し、ポリ乳酸系樹脂(A)で構成されるポリマー微粒子を得ることが出来る。
ここで、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とは、ポリ乳酸系樹脂(A)の溶解度が上述のエーテル系有機溶媒(C)よりも小さく、ポリ乳酸系樹脂(A)をほとんど溶解させない溶媒のことをいい、具体的には、ポリ乳酸系樹脂(A)の溶解度が1質量%以下のものである。なお、溶解度の上限は、より好ましくは、0.5質量%以下であり、さらに好ましくは、0.1質量%以下である。
上述の製造方法において用いるポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)としては、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒であり、かつ、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を溶解する溶媒であることが好ましい。これにより、ポリ乳酸系樹脂(A)で構成されるポリ乳酸系樹脂微粒子を効率よく析出させることができる。また、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)は、ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を溶解させる溶媒と均一に混合する溶媒であることが好ましい。
ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)としては、用いるポリ乳酸系樹脂(A)の種類、望ましくは用いるポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)両方の種類に応じて適宜選択すればよいが、具体的に例示するならば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ノナノール等のアルコール系溶媒及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種類の溶媒などが挙げられる。
なお、ポリ乳酸系樹脂(A)を効率的に粒子化させる観点からは、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)として好ましくは、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、水であり、より好ましいのは、アルコール系溶媒、水であり、最も好ましくは、水である。
このように、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)、これらを溶解するエーテル系有機溶媒(C)およびポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を適切に選択して組み合わせることにより、効率的にポリ乳酸系樹脂を析出させてポリマー微粒子を得ることが出来る。
ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に混合溶解させた液は、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離することが必要である。この際、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相のエーテル系有機溶媒(C)と、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主成分とするエーテル系有機溶媒(C)とは、同一でも異なっていても良いが、実質的に同じ溶媒であることが好ましい。
2相分離の状態を生成する条件は、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の種類、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の分子量、エーテル系有機溶媒(C)の種類、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の濃度、溶解工程を実施する際の温度、圧力などによって異なってくる。
そこで、相分離状態になりやすい条件を得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の溶解度パラメーター(以下、SP値と称することもある)の差が離れていた方が好ましい。
この際、SP値の差の下限としては、好ましくは1(J/cm1/2以上、より好ましくは2(J/cm1/2以上、さらに好ましくは3(J/cm1/2以上、特に好ましくは5(J/cm1/2以上、最も好ましくは8(J/cm1/2以上である。SP値がこの範囲内であれば、容易に相分離しやすくなり、また相分離がしやすくなることから、よりポリ乳酸系樹脂成分の含有率の高いポリ乳酸系樹脂微粒子を得ることができる。ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の両者がエーテル系有機溶媒(C)に溶けるのであれば、特に制限はないが、SP値の差の上限として好ましくは20(J/cm1/2以下、より好ましくは、15(J/cm1/2以下であり、さらに好ましくは10(J/cm1/2以下である。
なお、ここでいうSP値とは、Fedorの推算法に基づき計算されるものであり、具体的には、凝集エネルギー密度とモル分子量を基に計算される(山本秀樹著、「SP値 基礎・応用と計算方法」株式会社情報機構、平成17年3月31日発行)。また、この方法で計算できない場合においては、既知の溶媒に対し溶解するか否かの判定に基づきSP値を算出し、それを代用する(ジェー・ブランド(J.Brand)著、「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook Fourth Edition)」 ワイリー(Wiley)社、1998年発行)。
相分離状態になる条件は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)およびこれらを溶解するエーテル系有機溶媒(C)の3成分の相図で判別することができ、この3成分相図は、各成分の比率を変化させた状態の観察による簡単な予備実験で作成することができる。具体的には、まず、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)およびエーテル系有機溶媒(C)を任意の割合で混合溶解させ、一定時間静置した後に、界面が生じるか否かの判定を行う。そして、この判定を少なくとも3点以上、好ましくは5点以上、より好ましくは10点以上の点で実施し、それらの判定結果に基づいて相図を作成する。この相図を用いて2相に分離する領域および1相になる領域を峻別することにより、相分離状態になる条件を見極めることが出来る。
相分離状態であるかどうかを判定するためには、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)およびエーテル系有機溶媒(C)を任意の比に調整した後に、溶解工程と同一の温度、圧力条件下で、ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に完全に溶解させ、十分な撹拌を行う。そして、3日間静置した後、巨視的に相分離をするかどうかを確認する。しかし、十分に安定なエマルションが生成する場合においては、3日間静置しても巨視的な相分離をしない場合がある。そのような場合は、光学顕微鏡・位相差顕微鏡などを用い、微視的に相分離しているかどうかで、相分離の有無を判別する。
相分離状態は、エーテル系有機溶媒(C)中でポリ乳酸系樹脂(A)を主とするポリ乳酸系樹脂溶液相と、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主とするポリマーB溶液相に分離することによって形成される。ここで、ポリ乳酸系樹脂溶液相は、ポリ乳酸系樹脂(A)が主として分配された相であり、ポリマーB溶液相は、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)が主として分配された相である。この際、ポリ乳酸系樹脂溶液相とポリマーB溶液相は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の種類と使用量に応じた体積比を有すると推定される。
相分離の状態が得られ、かつ工業的に実施可能であるという観点からすると、数平均粒子径が1μm以下のポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させるために必要な条件の一つとして、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の質量比(A/B)は0.8以下である。質量比(A/B)の範囲は、好ましくは0.5以上0.8以下、さらに好ましくは0.5以上0.7以下である。質量比(A/B)がこれより大きいと数平均粒子径が1μm以上になり、質量比(A/B)が小さいと経済性が悪化する。
また、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の総質量濃度(A+B質量濃度)は、5〜15%が好ましく、さらに好ましくは5〜10%である。ポリマーの総質量濃度が高いとエマルション形成時の粘度が高くなって撹拌時の負荷が増大するおそれがあり、ポリマーの総質量濃度が低いと経済性が悪化する。
上記ポリ乳酸系樹脂溶液相およびポリマーB溶液相は両相とも有機溶媒であるため、2相間の界面張力は小さくなる。そして、この界面張力の微小さゆえに、生成するエマルションが安定的に維持され、粒子径分布が小さくなると推定される。
上述の通り、2相間の界面張力は微小であるため、溶液に異種の溶液を加えて測定する懸滴法などの通常用いられる方法では直接測定することは出来ないが、各相の空気との表面張力から推算することにより、界面張力の大きさを見積もることが出来る。各相の空気との表面張力をr、rとすると、2相間の界面張力r1/2は、r1/2=|r−r|(r−rの絶対値)で推算することができる。
粒子径分布を小さくするという観点から、このr1/2の上限は、好ましくは10mN/mであり、より好ましくは5mN/mであり、さらに好ましくは3mN/mであり、特に好ましくは2mN/mである。また、その下限は0mN/m超である。
また、2相間の粘度比は、平均粒子径および粒子径分布に影響を与え、粘度比が小さい方が、粒子径分布が小さくなる傾向にある。
2相間の粘度比の下限としては0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.5以上であり、著しく好ましいのは0.8以上である。またその上限としては10以下が好ましく、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは3以下であり、特に好ましくは1.5以下であり、著しく好ましくは1.2以下である。なお、ここでいう2相間の粘度比は、溶解工程と同一の温度条件下における、「ポリ乳酸系樹脂溶液相の粘度/ポリマーB溶液相の粘度」と定義することとする。
本発明では、このようにして得られた相分離する系を撹拌してエマルション化するエマルション形成工程と、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)をエマルションに接触させ、ポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる粒子析出工程より、ポリ乳酸系樹脂を微粒子化する。なお、エマルション形成工程は、上記溶解工程と同時に実施してもよい。
上記の微粒子化においては、通常の反応槽が使用可能である。エマルション形成工程および粒子析出工程の実施温度は、ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)が溶解し相分離する温度であって、所望の微粒子が得られるならば特に制限はないが、工業的な経済性の観点から、実施温度の下限としては通常0℃以上であり、好ましくは10℃以上であり、より好ましくは20℃以上である。また、実施温度の上限としては、好ましくは300℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下であり、より好ましくは160℃以下であり、特に好ましくは140℃以下であり、著しく好ましくは100℃以下である。
上記工程を実施する際の圧力は、工業的な経済性の観点から、通常は30気圧以下であり、例えば、1気圧未満であってもよい。好ましい圧力の範囲は、1気圧以上10気圧以下であり、より好ましくは1気圧以上5気圧以下であり、さらに好ましくは1気圧以上3気圧以下であり、最も好ましくは1気圧以上2気圧以下である。
また、反応槽は不活性ガス雰囲気下で使用することが好ましい。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素であり、好ましくは、窒素、アルゴンである。
このような条件下にて、相分離する系を撹拌することにより、エマルションを形成させる。すなわち上記で得られた相分離する系に、剪断力を加えることにより、エマルションを生成させる。
本発明に係る製造方法で得られる微粒子は、粒子径分布の小さい微粒子になるが、これは、エマルション形成の段階において、非常に均一なエマルションが得られるからである。この傾向は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の両方を溶解する単一溶媒を用いる際に、とくに顕著である。
エマルションを形成させるに十分な剪断力を得るためには、従前公知の方法による撹拌を用いれば十分であり、撹拌羽による液相撹拌法、連続2軸混合機による撹拌法、ホモジナイザーによる混合法、超音波照射等公知の方法で撹拌することが出来る。
撹拌速度は、反応槽の大きさ、撹拌羽の形状などに応じて最適な条件を選択すればよい。例えば、撹拌羽による撹拌の場合、とくに、反応槽が1Lスケールで、撹拌羽としてパドル型を用いた場合、撹拌速度は、好ましくは150rpm〜1,100rpmであり、より好ましくは200rpm〜800rpmであり、さらに好ましくは250rpm〜600rpmである。
撹拌羽としては、具体的には、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、タービン型、ダブルコーン型、シングルコーン型、シングルリボン型、ダブルリボン型、スクリュー型、ヘリカルリボン型などが挙げられるが、系に対して十分に剪断力をかけられるものであれば、これらに特に限定されるものではない。また、効率的な撹拌を行うために、槽内に邪魔板等を設置してもよい。
また、エマルションを発生させるためには、必ずしも、撹拌機だけでなく、乳化機、分散機など広く一般に知られている装置を用いてもよい。具体的に例示するならば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、超音波ホモジナイザー、スタティックミキサーなどが挙げられる。
エマルション形成工程においては、単位容積当たりの撹拌動力(Pv)(以下、撹拌動力(Pv)と記載)が特に重要であり、撹拌動力(Pv)は、0.01kW/m以上が必要である。撹拌動力の範囲としては、好ましくは0.01〜2.0kW/m、より好ましくは0.02〜1.0kW/mである。撹拌動力がこれより小さいと、エマルション形成時に十分な撹拌効果が得られず、数平均粒子径が1μm以上の粒子ができる。なお、ここでいう撹拌動力(Pv)は、下記式にて求められる。
Figure 2014043566
なお、Pv:撹拌動力(kW/m)、P:撹拌所用動力(kW)、V:液容量(m)とする。
ここでいう撹拌所用動力(P)は、下記式にて求められる。
Figure 2014043566
なお、P:撹拌所用動力(kW)、Np:撹拌における動力数(−)、ρ:液密度(kg/m)、n:回転数(rps)、d:撹拌翼径(m)とする。また、単位が(−)で表されているものは無次元数である。
撹拌における動力数(Np)は、永田の式に従い下記式で計算した値を用いた。
Figure 2014043566
なお、Re:撹拌レイノルズ数(−)、d:撹拌翼径(m)、H:液深さ(m)、D:槽径(m)、b:撹拌翼幅(m)、θ:撹拌翼の角度(rad)とする。
撹拌レイノルズ数(Re)は下記式で計算することができ、邪魔板の有無によって計算式が異なる。
Figure 2014043566
なお、Re:邪魔板無し撹拌レイノルズ数(−)、d:撹拌翼径(m)、ρ:液密度(kg/m)、n:回転数(rps)、μ:液粘度(Pa・s)、Rc:邪魔板付き撹拌レイノルズ数(−)、b:撹拌翼幅(m)、D:槽径(m)とする。
ただし、邪魔板付き撹拌レイノルズ数(Rc)は、そのレイノルズ数が一定値となる最小の撹拌レイノルズ数であるため、Rc>Reとなる場合、邪魔板付きであっても邪魔板無しの撹拌レイノルズ数(Re)を用いた。
このようにして得られたエマルションは、引き続き、粒子析出工程に供する。具体的には、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を、エマルション生成工程で製造したエマルションに接触させる添加工程と、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とエマルションとの接触状態を維持する接触工程により、エマルション径に応じた径で、微粒子を析出させる。
添加工程における貧溶媒とエマルションの接触方法に制限はなく、貧溶媒にエマルションを添加する方法でも良いし、エマルションに貧溶媒を添加する方法でも良いが、エマルションに貧溶媒を添加する方法が好ましい。
貧溶媒またはエマルションを添加する方法としては、所望のポリマー微粒子が得られる限り特に制限はなく、連続添加法、分割添加法、一括添加法のいずれでも良いが、添加時にエマルションが凝集・融着・合一し、粒子径分布が大きくなったり、1000μmを超える塊状物が生成しやすくならないようにするために、好ましくは連続添加法、分割添加法であり、中でも滴下法が好ましい。工業的に効率的に実施するために、最も好ましいのは、連続滴下法である。
ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)をエマルションに接触させる際の温度は、ポリ乳酸系樹脂微粒子が析出する範囲であれば特に制限はないが、温度が低すぎると、貧溶媒が固化し使用できなくなるため、温度の下限としては0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。また、温度が高すぎると、ポリ乳酸系樹脂(A)やポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)などの熱劣化が進行しやすくなるため、温度の上限としては300℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下がもっとも好ましい。
数平均粒子径が1μm以下のポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させるために、上記添加工程の所要時間としては、10分以上90分以内であり、より好ましくは20分以上80分以内であり、さらに好ましくは30分以上70分以内であり、もっとも好ましくは30分以上60分以内である。
この範囲よりも長い時間または短い時間で実施すると、エマルションの凝集・融着・合一に伴い、粒子径分布が大きくなったり、粒子径1μm以上のポリ乳酸系樹脂微粒子が生成したりする場合がある。
この時間の範囲内で行うことにより、エマルションからポリマー微粒子に転換する際に、粒子間の凝集を抑制することができ、粒子径が1μmより小さく、かつ粒子径分布が狭いポリマー微粒子を得ることができる。
添加工程において用いる貧溶媒の量は、エマルションの状態にもよるが、好ましくは、エマルション総重量1質量部に対して、0.1質量部から10質量部、より好ましくは0.1質量部から5質量部、さらに好ましくは0.2質量部から3質量部であり、特に好ましくは0.2質量部から2質量部であり、最も好ましくは0.2質量部から1.0質量部である。
添加工程後の接触工程における貧溶媒とエマルションとの接触時間は、微粒子が析出するのに十分な時間であればよいが、十分な析出を引き起こしかつ効率的な生産性を得るためには、接触時間の範囲は貧溶媒添加終了後5分から50時間であり、より好ましくは5分以上10時間以内であり、さらに好ましくは10分以上5時間以内であり、特に好ましくは20分以上4時間以内であり、最も好ましくは30分以上3時間以内である。
このようにして得られたポリマー微粒子分散液を、ろ過、減圧濾過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過、スプレードライ等の公知の方法で固液分離することにより、微粒子粉体を回収することが出来る。
また、この固液分離工程で回収したポリマー微粒子については、必要に応じて、溶媒等で洗浄を行うことにより、付着または含有している不純物等の除去を行い、精製を行う。
本発明の製造方法においては、微粒子粉体を得る際に行った固液分離工程で分離されたエーテル系有機溶媒(C)及びポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を、再度原料として活用するリサイクル化を行うことが可能である。
固液分離工程で得た溶媒は、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)、エーテル系有機溶媒(C)およびポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)の混合物である。この混合物から、貧溶媒を除去し、ポリ乳酸系樹脂(A)を添加することでエマルション形成に再利用することが出来る。貧溶媒を除去する方法としては、公知の方法を用いれば十分であり、具体的には、単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、抽出、膜分離などが挙げられるが、好ましくは単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留による方法である。
蒸留操作を行う際は、ポリマー微粒子製造時と同様、系に熱がかかり、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)やエーテル系有機溶媒(C)の熱分解を促進する可能性があることから、極力酸素のない状態で行うことが好ましく、より好ましくは、不活性雰囲気下で行う。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などによる不活性条件下で実施することが好ましい。また、酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤としてはフェノール系化合物が好ましい。また、不活性雰囲気下で、酸化防止剤を併用しても良い。
ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をリサイクルする際、貧溶媒は、極力除くことが好ましい。具体的には、貧溶媒の残存量が、リサイクルするエーテル系有機溶媒(C)及びポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の合計量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。貧溶媒の残存量がこの範囲を超える場合には、微粒子の粒子径分布が大きくなったり、粒子が凝集したりするおそれがある。
リサイクルで使用する溶媒中の貧溶媒の量は、公知の方法で測定でき、ガスクロマトグラフィー法、カールフィッシャー法などで測定できる。
貧溶媒を除去する操作において、現実的には、エーテル系有機溶媒(C)、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)などをロスすることもあるので、適宜、初期の組成比に調整し直すのが好ましい。
以下、本発明のポリ乳酸系樹脂微粒子について詳細に説明する。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂微粒子の数平均粒子径は、通常10nm以上1μm以下である。その上限としては、好ましくは1μm未満であり、より好ましくは800nm以下であり、さらに好ましくは600nm以下であり、特に好ましくは500nmであり、著しく好ましくは400nm以下であり、極めて好ましくは350nm以下である。また、その下限としては、好ましくは30nm以上であり、より好ましくは50nmであり、さらに好ましくは80nmであり、特に好ましくは100nm以上であり、著しく好ましくは120nm以上であり、極めて好ましくは150nm以上である。
ポリ乳酸系樹脂微粒子は、粒度分布が狭いことに特徴を有し、その粒子径分布を示す粒子径分布指数としては、通常2以下であり、好ましい態様によれば1.5以下であり、より好ましい態様によれば1.3以下であり、最も好ましい態様によれば1.2以下である。またその下限値は、理論上1である。
なお、ここでいうポリ乳酸系樹脂微粒子の数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡写真を用いて無作為の100個の粒子について直径を測定し、その算術平均を求めることにより算出することが出来る。なお、上記顕微鏡写真において、粒子の形状が真円状でない場合、即ち楕円状のような場合は、粒子の最大径をその粒子径とする。粒子径を正確に測定するためには、少なくとも20,000倍以上、好ましくは25,000倍以上の倍率で測定する。
また、粒子径分布指数は、上記測定方法で得られた粒子直径の測定値を、下記数値変換式に代入して算出する。
Figure 2014043566
なお、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数(=100)、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂微粒子の形状は、どのようなものでも良く、例えば、真球状、楕円球状、扁平状、岩状および金平糖状などが挙げられる。中でも、球状、楕円球状のものが好ましく、特に好ましくは、球状である。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂微粒子の球状度をあらわす真球度は、通常90以上であり、好ましい態様によれば92以上であり、より好ましい態様によれば95以上である。またその上限値は100である。なお、真球度は、走査型電子顕微鏡にて粒子を観察し、無作為に選ばれた30個の粒子について短径と長径を測定し、測定値を下記数式代入して算出する。
Figure 2014043566
なお、n:測定数(=30)とする。
以下、本発明のポリ乳酸系樹脂微粒子分散液について説明する。
本発明のポリ乳酸系樹脂微粒子分散液とは、前記ポリ乳酸系樹脂微粒子を分散媒に分散させた分散液である。
分散媒は、具体的に例示するならば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ノナノール等のアルコール系溶媒及び水の中から選ばれる少なくとも1種類などから挙げられる。
また、ポリ乳酸系樹脂微粒子を分散媒に効率的に分散させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、塩化アルキルメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルピリジニウム等のカチオン系界面活性剤、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、モノアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム、脂肪酸エステルスルホン酸ナトリウム、脂肪酸エステル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルキロースアミド硫酸エステルナトリム、脂肪酸アミドスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、アルキルアミノカルボン酸塩、カルボキシベタイン、アルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン等の両性イオン界面活性剤、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってもよい)、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレンアルキルフェニルエーテル)、ポリ(オキシアルキルエーテル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、より好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール−エチレン)共重合体)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、特に好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。ここでいうアルキルとは、例示するならば炭素数2〜30までの直鎖型飽和炭化水素基、直鎖型不飽和炭化水素基または分岐型飽和炭化水素基、分岐型不飽和炭化水素基が挙げられる。
これらの界面活性剤の添加量は、ポリ乳酸系樹脂微粒子100質量部に対して0.01〜100質量部であり、その上限として、好ましくは80質量部であり、より好ましくは60質量部であり、さらに好ましくは50質量部であり、特に好ましくは30質量部である。また、その下限としては、好ましくは0.5質量部であり、より好ましくは1質量部であり、さらに好ましくは2質量部であり、特に好ましくは4質量部である。
この範囲の量の高分子界面活性剤を用いることにより、機械的分散によって得られたポリ乳酸系樹脂微粒子を非常に効率よく分散媒に均一に分散させることができる。
機械的分散に供するポリ乳酸系樹脂微粒子分散液におけるポリ乳酸系樹脂微粒子の含有量は、分散媒100質量部に対して好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは1〜30質量部である。
機械的分散装置として、市販の機械的分散装置を挙げることができる。特に好適な機械的分散装置として、超音波分散装置、ボールミル装置、ビーズミル装置、サンドミル装置、コロイドミル装置、湿式微粒化装置(例えば、スギノマシン製、アルティマイザー)が挙げられるが、なかでも超音波分散装置、ビーズミル装置、コロイドミル装置、湿式微粒化装置から選択される装置が好ましい。機械的分散の際の分散の力は一般に大きくなるほど、また分散時間が長くなるほど得られる微粒子の平均粒径は、小さくなる方向にあるが、これらが過度になると再凝集が生じやすくなるので、適切な範囲に制御される。例えばビーズミルではビーズ径やビーズ量の選択、周速の調整で、その制御が可能であり、超音波分散装置では、超音波周波数の選択、超音波出力の調整で、その制御が可能である。
ポリ乳酸系樹脂微粒子分散液において、場合によっては粗粒や沈殿物を含む場合もある。その際には、粗粒や沈殿物と分散部を分離して利用してもよい。分散液のみを得る場合には、粗粒や沈殿物と分散部の分離を行えばよく、デカンテーション、ろ過、遠心分離などを行い粗粒や沈殿部分を除去すればよい。
また、ポリ乳酸系樹脂微粒子を固液分離することなく分散液とする方法としては、ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)とエーテル系有機溶媒(C)を使用してポリ乳酸系樹脂微粒子を作成した後に、系から貧溶媒(α)を除去することでエーテル系有機溶媒(C)のポリ乳酸系樹脂微粒子分散液を、または系からエーテル系有機溶媒(C)を除去することで貧溶媒(α)のポリ乳酸系樹脂微粒子分散液を作成する方法がある。有機溶媒または貧溶媒を除去する方法としては、分離ができればどのような方法でもよく、蒸留、抽出、膜分離等の分離操作が挙げられる。中でも蒸留による分離が簡便で好ましい。ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)よりも低沸点のエーテル系有機溶媒(C)を使用すれば、ポリ乳酸系樹脂微粒子を作成した後に、エーテル系有機溶媒(C)を除去することで貧溶媒(α)のポリ乳酸系樹脂微粒子分散液を作成できる。
例えば、エーテル系有機溶媒(C)にテトラヒドロフランを、貧溶媒(α)に水を使用してポリ乳酸系樹脂微粒子を作成した後、テトラヒドロフランを蒸留除去することで、ポリ乳酸系樹脂微粒子水分散液が作成できる。
上記によりポリ乳酸系樹脂微粒子が微細に分散したポリ乳酸系樹脂微粒子の分散液を得ることができる。
このように、本発明に係るポリ乳酸系樹脂微粒子は、従来のエマルションを利用したポリ乳酸系樹脂微粒子よりも粒子径が小さくなったことから、より生分解性の効果を得やすくなった。小粒子径、真球形状で粒子径分布が狭いポリ乳酸系樹脂微粒子は、産業上、各種用途で、極めて有用かつ実用的に利用することが可能である。具体的には、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほおべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒およびその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどに用いることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂微粒子は、非石化原料由来の原料であり、環境低負荷な材料としての特性を有することから、従来使用されていたポリマー微粒子を代替する可能性があり、上記の樹脂成形体、フィルム、繊維などの具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、各種端子板、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなどの映像機器関連部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなどの情報機器関連部品、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、タッチパネル用導光フィルム、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、エンジンオイルフィルターおよび点火装置ケースなどが挙げられ、これら各種の用途にとって極めて有効である。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)重量平均分子量の測定方法
(i)ポリ乳酸系樹脂の分子量測定方法
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)による校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:ウォーターズ社製 LCシステム
カラム:昭和電工株式会社製 HFIP−806M×2本
移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム10mmol/L ヘキサフルオロイソプロパノール溶液
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:30℃
(ii)ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーの分子量測定方法
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:株式会社島津製作所製 LC−10Aシリーズ
カラム:昭和電工株式会社製 GF−7MHQ ×2本
移動相:10mmol/L 臭化リチウム水溶液
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:40℃
(2)数平均粒子径および粒子径分布指数の測定方法
微粒子の粒子径については、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6700F)にて、微粒子を30,000倍で観察し、直径を測長した。なお、粒子の形状が真円でない場合は、長径をその粒子径として測定した。また、目視により、多孔質か平滑表面かを確認した。
また、数平均粒子径については、無作為に選ばれた100個の粒子について、上記の方法で粒子径を測長し、その算術平均を求めることにより算出した。
粒子径分布を示す粒子径分布指数については、上記の方法で得られた粒子径の測定値を、下記数値変換式に代入して算出した。
Figure 2014043566
なお、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数(=100)、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
(5)真球度の測定方法
真球度は、走査型電子顕微鏡にて粒子を観察し、無作為に選んだ30個の粒子について短径と長径を測定し、得られた測定値を下記数式に代入して算出する。
Figure 2014043566
なお、n:測定数(=30)とする。
(実施例1)
1Lのチタン製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)10.5g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)17.5g、エーテル系有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム、沸点162℃)322.0gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.29kW/m(上述の計算方法による計算値)、撹拌速度555rpmで60分撹拌および溶解を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.5g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.17μm、粒子径分布指数は1.13、真球度は96のポリ乳酸微粒子であった。得られたポリ乳酸系樹脂微粒子の走査型電子顕微鏡による観察図を図1に示す。
(実施例2)
1Lのチタン製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)10.5g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)17.5g、エーテル系有機溶媒としてジグライム322.0gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.026kW/m(撹拌速度250rpm)で60分撹拌および溶解を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.18μm、粒子径分布指数は1.09、真球度は95のポリ乳酸微粒子であった。
(実施例3)
10LのSUS−316製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)105g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)175g、エーテル系有機溶媒としてジグライム3220gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.88kW/m(撹拌速度450rpm)で60分撹拌を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として3500gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は、0.20μm、粒子径分布指数は1.06、真球度は96のポリ乳酸微粒子であった。
(実施例4)
10LのSUS−316製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)105g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)175g、エーテル系有機溶媒としてジグライム3220gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.88kW/m(撹拌速度450rpm)で60分撹拌を行った。系の温度および撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として3500gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.31μm、粒子径分布指数は1.43、真球度は95のポリ乳酸微粒子であった。
(実施例5)
10LのSUS−316製オートクレーブの中に、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)105g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)175g、エーテル系有機溶媒としてジグライム3220gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力を0.10kW/m(撹拌速度279rpm)で60分撹拌を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として3500gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.21μm、粒子径分布指数は1.10、真球度は96のポリ乳酸微粒子であった。得られたポリ乳酸系樹脂微粒子の走査型電子顕微鏡による観察図を図2に示す。
(実施例6)
10LのSUS−316製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)105g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)175g、エーテル系有機溶媒としてジグライム3220gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.88kW/m(撹拌速度450rpm)で30分撹拌を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として3500gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を100g採取し、遠心沈降し、イオン交換水50gで洗浄し、遠心沈降したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.24μm、粒子径分布指数は1.09、真球度は96のポリ乳酸微粒子であった。
(実施例7)
1Lのチタン製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)10.5g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)17.5g、エーテル系有機溶媒としてジグライム322.0gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.29kW/m(撹拌速度555rpm)で60分撹拌および溶解を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として350gのn−ノナノールを、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量のn−ノナノールを入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、その後100℃減圧下でジグライムを蒸留除去して、ポリ乳酸系樹脂微粒子のn−ノナノール分散液を作成した。
得られた微粒子を走査型顕微鏡で観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は0.38μm、粒子径分布指数は1.45、真球度は94のポリ乳酸微粒子であった。
(比較例1)
特許文献8(国際公開2012/105140号)の方法により、ポリ乳酸系樹脂微粒子を製造した。100mLの4口フラスコの中に、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)15万、SP値23.14(J/cm1/2)2.5g、ポリマーBとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)2.5g、エーテル系有機溶媒としてジグライム45.0gを加え、80℃に加熱し、撹拌動力9.47×10−6kW/m(撹拌速度450rpm)でポリマーが完全に溶解するまで撹拌を行った。系の温度を維持したまま、撹拌しながら、貧溶媒として50gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して、61分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を濾過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを80℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色個体を2.3g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、多孔質の微粒子形状であり、数平均粒子径は14.0μm、粒子径分布指数は1.25、真球度は93のポリ乳酸微粒子であった。
(比較例2)
特許文献8(国際公開2012/105140号)の方法により、ポリ乳酸系樹脂微粒子を製造した。100mLの4口フラスコの中に、ポリ乳酸(L/D=98.8/1.2、Mw(PMMA換算)16万)1.5g、ポリマーBとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)2.5g、有機溶媒としてジグライム46.0g加え、140℃に加熱し、撹拌動力9.47×10−6kW/m(撹拌速度450rpm)でポリマーが完全に溶解するまで撹拌を行った。系の温度を維持したまま、撹拌しながら、貧溶媒として50gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して、122分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を濾過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを80℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色個体を1.3g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は1.6μm、粒子径分布指数は1.40、真球度は95のポリ乳酸微粒子であった。
(比較例3)
特許文献8(国際公開2012/105140号)の方法により、ポリ乳酸系樹脂微粒子を製造した。100mLの4口フラスコの中に、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)16万)1.5g、ポリマーBとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)2.5g、有機溶媒としてジグライム46.0g加え、60℃に加熱し、撹拌動力9.47×10−6kW/m(撹拌速度450rpm)でポリマーが完全に溶解するまで撹拌を行った。系の温度を維持したまま、撹拌しながら、貧溶媒として50gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して、122分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を濾過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを80℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色個体を1.3g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は1.8μm、粒子径分布指数は1.82、真球度は97のポリ乳酸微粒子であった。
(比較例4)
特許文献8(国際公開2012/105140号)の方法により、ポリ乳酸系樹脂微粒子を製造した。100mLの4口フラスコの中に、ポリ乳酸(L/D=88/12、Mw(PMMA換算)16万)2.5g、ポリマーBとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)2.5g、有機溶媒としてジグライム45.0g加え、80℃に加熱し、撹拌動力9.47×10−6kW/m(撹拌速度450rpm)でポリマーが完全に溶解するまで撹拌を行った。系の温度を維持したまま、スターラーで撹拌しながら、貧溶媒として50gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して、61分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液を濾過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを80℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色個体を1.3g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は10.2μm、粒子径分布指数は1.32、真球度は94のポリ乳酸微粒子であった。
(比較例5)
1Lのチタン製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)17.5g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)17.5g、エーテル系有機溶媒としてジグライム315.0gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.29kW/m(撹拌速度555rpm)で60分撹拌を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して60分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液100gを、ろ過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを、60℃で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を2.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、多孔質な微粒子形状であり、数平均粒子径は1.9μm、粒子径分布指数は1.36、真球度は88のポリ乳酸微粒子であった。得られたポリ乳酸系樹脂微粒子の走査型電子顕微鏡による観察図を図3に示す。
(比較例6)
10LのSUS−316製オートクレーブの中に邪魔板を設置し、ポリ乳酸(L/D=96/4、Mw(PMMA換算)20万、SP値23.14(J/cm1/2)105g、ポリ乳酸とは異なるポリマーとしてヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量118,000 、SP値29.0(J/cm1/2)175g、エーテル系有機溶媒としてジグライム3220gを加え、120℃に加熱し、撹拌動力0.88kW/m(撹拌速度450rpm)で60分撹拌を行った。系の温度を60℃に下げ、撹拌速度を維持しながら、貧溶媒として3500gのイオン交換水を、滴下ポンプを使用して120分かけて滴下した。全量の水を入れ終わった後に、さらに30分間撹拌し、得られた懸濁液100gを、ろ過し、イオン交換水50gで洗浄し、濾別したものを、60℃ で10時間真空乾燥を行い、粉体状の白色固体を1.4g得た。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、平滑表面な微粒子形状であり、数平均粒子径は2.6μm、粒子径分布指数は1.19、真球度は96のポリ乳酸微粒子であった。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
Figure 2014043566

本発明によれば、1μm以下の小粒子径で、真球形状で粒子径分布が狭いポリ乳酸系樹脂微粒子を得ることができる。このようなポリ乳酸系樹脂微粒子は、産業上、各種用途で、極めて有用かつ実用的に利用することが可能である。具体的には、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほおべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒およびその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどに用いることができる。

Claims (9)

  1. 数平均粒子径が10nm以上1μm未満であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子。
  2. 粒子径分布指数が1〜2である、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子。
  3. 真球度が90以上である、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子を分散させてなる分散液。
  5. ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)をエーテル系有機溶媒(C)に溶解し、前記ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と前記ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系を形成する溶解工程と、前記相分離する系を撹拌してエマルションを形成するエマルション形成工程と、前記ポリ乳酸系樹脂(A)の溶解度が前記エーテル系有機溶媒(C)よりも小さいポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)を前記エマルションに接触させることによってポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる粒子析出工程とを有するポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法であって、前記粒子析出工程は、前記ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)の前記エマルションへの添加または前記エマルションの前記ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)への添加により前記ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)と前記エマルションとを接触させる添加工程と、前記ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)と前記エマルションの接触状態を維持することによりポリ乳酸系樹脂微粒子を析出させる接触工程とを含んでおり、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)の質量比(A/B)が0.8以下であり、前記エマルション形成時の撹拌動力が0.01kW/m以上であり、前記添加工程の所要時間が10分以上90分以内であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  6. 前記エーテル系有機溶媒(C)の沸点が100℃以上である、請求項5に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  7. 前記エーテル系有機溶媒(C)がジエチレングリコールジメチルエーテルである、請求項6に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  8. 前記ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマー(B)がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項5〜7のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  9. 前記ポリ乳酸系樹脂の貧溶媒(α)が水である、請求項5〜8のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
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