JP2010132244A - ボルト締結部の非常時外力に対する抵抗力を高めた構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体に非常時の大きな外力が作用したときボルトの剪断抗力により得られる荷重担持能力を高める。
【解決手段】非常時に該構造体に作用すると予想される外力により複数のボルトに作用するせん断力が外力による2つの構造部材の少なくとも一方の変形により不均一になることを防止するようボルト孔の各々のボルトに対する遊びを定める。
【選択図】図1
【解決手段】非常時に該構造体に作用すると予想される外力により複数のボルトに作用するせん断力が外力による2つの構造部材の少なくとも一方の変形により不均一になることを防止するようボルト孔の各々のボルトに対する遊びを定める。
【選択図】図1
Description
本発明は、2つの構造部材がボルトにより締結されている構造体のボルト締結部に於ける強度を改善することに係る。
自動車等の車輌のボディーに於いて、両側のサイドフレーム間にクロス部材を架け渡すことは、例えば下記の特許文献1にトランスミッションの出力部を車体より支持する構造として示されている。またこの例では、万一の衝突時にトランスミッションやそれと連結されたエンジンがフロアパネル側へ突き上げられることなく後方へ移動できるよう、前記クロス部材の両端部を同一直線上にない3点に配置されたボルトによりサイドフレームに取付け、且つボルト孔を長孔とすることが記載されている。また下記の特許文献2には、車輌ボディーの床部に横方向に延在するフロアクロスを車体の前後方向に配設されたフロントサイドメンバに締結する部分を両者間にフロアパネルを挟んでボルト締めとする構造が記載されている。
特許第3936799号公報
特開2005-212503
自動車等の車輌のボディーは、外観に曝される外表面部が美的要求を満たす構造でなければならないという制約の下で、万一の衝突事故に備えて外表面部の内側に補強部材を配しておかなければならないことから、組み付けが便利で荷重担持能力の高い構造体として、2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体が組み込まれている。かかるボルト締結型の構造体は、自動車に於いては、例えばボディーの左右のサイドフレームの下部の間に架け渡されたフロアクロス或いはボディーの左右のサイドフレームの上部の間に架け渡されたルーフクロスに於いて見られる。
車輌の通常の運行時に於けるかかる構造体のボルト締結部の荷重担持能力ないし強度は、ボルトの締め付け力により2つの構造部材の肉厚部の重ね合わせ部の間に作用する摩擦力により賄われており、ボルトにせん断力が作用することは殆どないが、車輌が衝突事故に遭い、上記の構造体に上記の摩擦保持力を超える非常時の大きな外力が作用すると、2つの構造部材の肉厚部の重ね合わせ部の間に滑りが生じ、外力はボルトのせん断に対する抗力によって受けられるようになる。このとき2つの構造部材の肉厚部の重ね合わせ部が複数のボルトにより締結されていれば、複数のボルトが互いに時間的にずれて順次せん断を受けるのと複数のボルトが同時にせん断を受けるのとでは、外力に対する荷重担持能力に大きな差が出る。
本発明は、上記の差に着目し、2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体の非常時に作用する大きな外力に対する荷重担持能力を高めることを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体にして、非常時に該構造体に作用すると予想される外力により前記複数のボルトに作用するせん断力が前記外力による前記2つの構造部材の少なくとも一方の変形により不均一になることを防止するよう前記ボルト孔の各々のボルトに対する遊びが定められていることを特徴とする構造体を提案するものである。
前記構造体は車輌のボディーに組み込まれた構造体であり、前記非常時を車輌の衝突時として前記外力が予想されていてよい。
前記構造体は自動車のボディーの左右のサイドフレームの下部の間に架け渡されたフロアクロスであり、前記2つの構造部材は該フロアクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであってよい。
前記構造体は自動車のボディーの左右のサイドフレームの上部の間に架け渡されたルーフクロスであり、前記2つの構造部材は該ルーフクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであってもよい。
前記外力は車輌の側面衝突により自動車のボディーに外から作用する力であるとし、前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていてよい。
前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることは、前記中央部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差が前記側部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差より大きくされることによりなされていてよい。
前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることは、前記中央部に開けられたボルト孔が長孔とされることによりなされていてもよい。
前記センター部および前記ガゼットは横断面がハット型をした側縁リブ付溝型部にて互いに重ね合わされており、両者の重ね合わせ部に於いては、前記側縁リブ付溝型部の溝部の中央と側縁リブ部に前記ボルト孔が開けられており、前記溝部の中央に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が前記側縁リブ部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていてよい。
上記の如く、2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体に於いて、非常時に該構造体に作用すると予想される外力により前記複数のボルトに作用するせん断力が前記外力による前記2つの構造部材の少なくとも一方の変形により不均一になることを防止するよう前記ボルト孔の各々のボルトに対する遊びが定められていれば、非常時に構造体に大きな外力が作用し、ボルトにて締め合わされた2つの構造部材の肉厚部の重ね合わせ部に於いて摩擦係合による両者の締結が外力に耐えなくなり、両者間に滑りが生じてボルトにせん断力が作用する場合にも、複数のボルトに同時にせん断力が作用するようにし、これによって各一個のボルトに一時に作用するせん断力の大きさを低減してボルトがせん断されるに至るまでのボルト締結部の荷重担持能力を高めることができる。
前記構造体が車輌のボディーに組み込まれた構造体であり、前記非常時を車輌の衝突時として前記外力が予想されれば、車輌が万一の事故により側方から衝撃を受けた場合のボディーの対衝撃強度を高めることができる。
前記構造体が自動車のボディーの左右のサイドフレームの下部の間に架け渡されたフロアクロスであり、前記2つの構造部材が該フロアクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであれば、ボディーの側方からの衝撃に対する強度をボディーの底部に於いてフロアクロスにより補強する効果を高めることができる。
前記構造体が自動車のボディーの左右のサイドフレームの上部の間に架け渡されたルーフクロスであり、前記2つの構造部材が該ルーフクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであれば、ボディーの側方からの衝撃に対する強度をボディーの頂部に於いてルーフクロスにより補強する効果を高めることができる。
前記外力が車輌の側面衝突により自動車のボディーに外から作用する力であるとし、前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていれば、フロアクロスやルーフクロスがセンター部をその両端部にてガゼットによりボディーのサイドフレームに取り付けた構造に於いて、車輌が側方より衝撃を受けたとき、フロアクロスやルーフクロスのセンター部およびガゼットがその延在方向に沿って収縮し、その際、センター部およびガゼット、特に長さに於いてガゼットより長いセンター部は、その幅方向の側部の方が中央部より延在方向に圧縮されやすいので、この圧縮変形によりボルトとボルト孔の間の相対変位を逃しやすい。そのため、ボルトとボルト孔の間の相対変位を部材の圧縮変形によって逃しにくい幅方向の中央部に於いては、ボルトにかかるせん断力が側部のボルトにかかるせん断力に比して大きくなろうとするが、これに対処して、中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくしておけば、全てのボルトに作用するせん断力を均一化することができる。
前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることが、前記中央部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差が前記側部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差より大きくされることにより行われれば、前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることが、中央部に開けられるボルト孔と側部に開けられるボルト孔の直径の適当な選定により容易に達成される。
前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることが、前記中央部に開けられたボルト孔が長孔とされることにより行われれば、前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることが、中央部に開けられるボルト孔の片側を円弧状に削り取ることにより容易に達成される。
前記センター部および前記ガゼットが、横断面がハット型をした側縁リブ付溝型部にて互いに重ね合わされており、両者の重ね合わせ部に於いては、前記側縁リブ付溝型部の溝部の中央と側縁リブ部に前記ボルト孔が開けられており、前記溝部の中央に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が前記側縁リブ部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていれば、フロアクロスやルーフクロスをその延在方向に沿って作用する圧縮力に対し高い耐性を有する側縁リブ付溝型部材としたとき、そのセンター部とガゼットのボルト接合部に於ける対衝撃強度を高めることができる。
図3は本発明が適用される自動車のボディー於けるフロアクロスおよびルーフクロスの一例をボディーのサイドフレームに取付けられたその一端部にて示す斜視図である。図に於いて、10はサイドフレームであり、12はそのセンターピラーの部分である。14がフロアクロスであり、フロアクロスはその両端部にて左右一対のセンターピラー12(但し図3では左右の一方のみ図示)の下端部に取り付けられている。また16がルーフクロスであり、ルーフクロスはその一端部にてセンターピラー12の上端部に取り付けられている。
フロアクロス14はその中央部を構成するセンター部18とその両端部を構成するガゼット20よりなっており、図に示されているガゼット20はその一端部のガゼットである。同様にルーフクロス16はその中央部を構成するセンター部22とその両端部を構成するガゼット24よりなっており、図に示されているガゼット24はその一端部のガゼットである。フロアクロス14およびルーフクロス16は、いずれも横断面がハット型をした側縁リブ付溝型の構造体に作られており、フロアクロス14およびルーフクロス16のそれぞれに於いて、センター部18およびガゼット20、並びにセンター部22およびガゼット24もまた、横断面がハット型をした側縁リブ付溝型の部材である。そしてかかる側縁リブ付溝型のセンター部およびガゼットがそれらの一端部にある肉厚部にて互いに重ね合わされ、両者の重ね合わせ部に於いて、溝部の中央に開けられたボルト孔26、28と側縁リブ部に開けられたボルト孔30,32に通されたボルトにより互いに締結されてフロアクロス14およびルーフクロス16を構成している。但し、図に於いては、ボルトは図示の便宜のため省略されている。ボルトは通常のヘッド付きボルトであってよく、これらの孔26〜32に通された他端部に通常のナットが取り付けられることにより、センター部およびガゼットの肉厚重ね合わせ部がボルト締めされるようになっている。
また図示の例では、フロアクロスのガゼット20およびルーフクロスのガゼット24のセンターピラー12に当接する端部は、そこに形成されたフランジ部34
、36にて、これらのフランジ部とそれが重ね合わされたセンターピラーの下端部および上端部に開けられたボルト孔38、40に通されたボルトによりサイドフレームのセンターピラーに取り付けられている。ここでもボルトは図示の便宜のため省略されている。
、36にて、これらのフランジ部とそれが重ね合わされたセンターピラーの下端部および上端部に開けられたボルト孔38、40に通されたボルトによりサイドフレームのセンターピラーに取り付けられている。ここでもボルトは図示の便宜のため省略されている。
図1の図Aおよび図Bは、図3に示すフロアクロス14を例にとって、そこに形成されたボルト孔26と30の構成に関する2つの実施の形態を示す、フロアクロスのセンター部18とガゼット20の肉厚重ね合わせ部の部分平面図である。42はボルトであり、その軸部が断面にて示されている。図示の例では、ボルト孔26および30に通されるボルトはすべて同径とされている。
図1の図Aおよび図Bに示す通り、側縁リブ部に開けられたボルト孔30は、ボルト42を丁度貫通させるに適したボルトと同一ゲージの孔とされている。一方、図Aに示す実施の形態に於いては、溝部の中央に開けられたボルト孔26は、ガゼット20に開けられた孔がボルト42のゲージより大きいゲージの孔とされており、センター部18に開けられた孔はボルトと同一ゲージの孔とされている。ボルトの締め付けに当っては、ボルトはガゼット20に開けられたボルト孔26に対し図示の如く偏心して配置される。ボルト孔26がボルト42のゲージに対し大きくされる度合については以下に図2を参照して説明する。尚、ボルト孔26は、センター部18に開けられた孔がボルト42のゲージより大きいゲージの孔とされ、ガゼット20に開けられる孔がボルトと同一ゲージの孔とされてもよい。その場合には、センター部18に開けられる孔は、図にて点線にて示されている位置にくる。またボルト孔26に於いて孔をボルトのゲージより大きくすることは、ガゼット20に開けられる孔とセンター部18に開けられる孔とに分担して行われてもよい。
図1の図Bに示す実施の形態の於いては、溝部の中央に開けられたボルト孔26は、ガゼット20に開けられた孔が図示の方向に長くされた長孔とされており、センター部18に開けられた孔はボルトと同一ゲージの孔とされている。長孔の幅方向の寸法はボルトのゲージに対応する大きさであってよい。この場合にも、ボルトの締め付けに当っては、ボルトはガゼット20に開けられたボルト孔26に対し図示の如く偏心して配置される。長孔であるボルト孔26がボルト42のゲージに対し長手方向に長くされる度合については以下に図2を参照して説明する。この場合にも、ボルト孔26は、センター部18に開けられた孔が長孔とされ、ガゼット20に開けられる孔がボルトと同一ゲージの孔とされてもよい。その場合には、センター部18に開けられる長孔は、図にて点線にて示されている位置にくる。またボルト孔26に於いて孔を長孔とすることは、ガゼット20に開けられる孔とセンター部18に開けられる孔とに分担して行われてもよい。
図2の図Aおよび図Bは、それぞれ図1の図Aおよび図Bに示すフロアクロスに車輌の側面衝突等により異常な衝撃力が長手方向に作用した場合のセンター部とガゼットの接合部に於ける変形を示す図1の図Aおよび図Bと同様の図である。フロアクロスにその長手方向に沿って圧縮力が作用すると、センター部に於いてもガゼットに於いても長手方向の圧縮が生ずるが、縁部の方が中央部より圧縮され易く、特に横断面がハット型の側縁リブ付溝型の如く中央部の圧縮に対する剛性が両側縁部の圧縮に対する剛性に比して高い度合が大きい場合には、縁部と中央部の間に生ずる差は顕著となる。また図示の例では、センター部の方がガゼットより長いので、ガゼットとセンター部の接合部での縁部と中央部の圧縮量の差はセンター部の方が大きくなる。図2の図Aおよび図Bに於いては、そのような中央部と両側縁部の圧縮に対する剛性の違いによる端部の変形がセンター部の端部に於いて誇張して示されている。
上記の如くセンター部のガゼットとの接合端部に縁部と中央部の間の圧縮量の差が生ずると、中央のボルト孔26と両側縁部のボルト孔30の間でフロアクロスの長手方向に相対偏倚が生じる。この場合に、もしボルト孔26および30のいずれもがボルトに対し同一ゲージで開けられていると、中央のボルト孔26に於いてボルトがセンター部のボルト孔とガゼットのボルト孔とに挟まれて受けるせん断力は、両側縁部のボルト孔30内のボルトがセンター部のボルト孔とガゼットのボルト孔とに挟まれて受けるせん断力に比して著しく高くなり、まず中央部のボルトがせん断され、それによってボルト数が3本から2本に減った状態で両側縁部のボルトにかかるせん断力が高くなって、これら2本のボルトも次々にせん断されるという事態が発生する。このような事態が発生すると、フロアクロスの対衝撃圧縮力は低い値に留まる。
これに対し中央のボルト孔26が、ガゼットの側またはセンター部の側または両方にてボルトのゲージに対して適度に径を大きくされるか長孔とされることにより、或る想定された衝撃圧縮荷重の作用時に、図2の図Aまたは図Bに示す如く中央および両側のボルトが同時にせん断作用を受けるようになっていれば、そのような衝撃圧縮荷重に対してフロアクロスまたはルーフクロスが呈する荷重担持能力を最大限に高めることができる。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態とその一部の変形例について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
10…サイドフレーム、12…センターピラー、14…フロアクロス、16…ルーフクロス、18…フロアクロスのセンター部、20…フロアクロスのガゼット、22…ルーフクロスのセンター部、24…ルーフクロスのガゼット、26,28,30,32…ボルト孔、34,36…フランジ部、38,40…ボルト孔、42…ボルト
Claims (9)
- 2つの構造部材がそれぞれの肉厚部の重ね合わせ部に開けられた複数のボルト孔の各々を貫通するボルトにて締め合わされることにより連結された構造体にして、非常時に該構造体に作用すると予想される外力により前記複数のボルトに作用するせん断力が前記外力による前記2つの構造部材の少なくとも一方の変形により不均一になることを防止するよう前記ボルト孔の各々のボルトに対する遊びが定められていることを特徴とする構造体。
- 前記構造体は車輌のボディーに組み込まれた構造体であり、前記非常時を車輌の衝突時として前記外力が予想されていることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
- 前記構造体は自動車のボディーの左右のサイドフレームの下部の間に架け渡されたフロアクロスであり、前記2つの構造部材は該フロアクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであることを特徴とする請求項2に記載の構造体。
- 前記構造体は自動車のボディーの左右のサイドフレームの上部の間に架け渡されたルーフクロスであり、前記2つの構造部材は該ルーフクロスのセンター部とその一端に接続されたガゼットであることを特徴とする請求項2に記載の構造体。
- 前記外力は車輌の側面衝突により自動車のボディーに外から作用する力であるとし、前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていることを特徴とする請求項3または4に記載の構造体。
- 前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることは、前記中央部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差が前記側部に開けられたボルト孔の直径とそこに通されるボルトの直径の差より大きくされることによりなされていることを特徴とする請求項5に記載の構造体。
- 前記センター部と前記ガゼットの幅方向の中央部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代を幅方向の側部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくすることは、前記中央部に開けられたボルト孔が長孔とされることによりなされていることを特徴とする請求項5に記載の構造体。
- 前記センター部および前記ガゼットは横断面がハット型をした側縁リブ付溝型部にて互いに重ね合わされており、両者の重ね合わせ部に於いては、前記側縁リブ付溝型部の溝部の中央と側縁リブ部に前記ボルト孔が開けられており、前記溝部の中央に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代が前記側縁リブ部に開けられたボルト孔のボルトに対する外力作用方向の遊び代より大きくされていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の構造体。
- 構造部材をボルトで締結する構造体であって、ボルト孔毎の遊び量を異ならせたことを特徴とする構造体。
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