JP2006298304A - 車体上部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の重量増加を抑制し、かつ車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量を効果的に抑制するとことができる車体上部構造を得る。
【解決手段】左右一対のルーフサイドレール14の間には車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバ30が配設されている。ルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30A側にはサンルーフ32のガイドレール34が配設されており、ガイドレール34とルーフサイドレール14とがブラケット36を介して連結されている。ブラケット36にはピンジョイント部(狭幅部52)が設定されており、側方荷重が入力されると、ブラケット36を車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転変位させ、ルーフパネル10に曲げモーメントが入るのを抑制し、荷重伝達部材56を介してルーフクロスメンバ30に軸力を作用させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両前後方向に沿って延在する左右一対のルーフサイドレール間に車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバが配置され、当該ルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとの間にエネルギー吸収及び荷重伝達用のブラケットが介在された車体上部構造に関する。
下記特許文献1には、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合に車体の変形(特にはルーフの曲げ変形)を抑制するための技術が開示されている。
簡単に説明すると、ルーフパネルにおけるセンタピラー配設位置付近にはルーフボウが車両幅方向に沿って配設されており、更にルーフボウの長手方向の端部とルーフサイドレールのインナパネルとは補強部材によって相互に連結されている。補強部材はキャビンの空間をなるべく犠牲にしないように車両上方側へ緩やかに湾曲する形状を成している。従って、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力されると、補強部材がその中心部付近で折れ曲がり、センタピラーが車室内側へ変位する可能性がある。
そこで、上記先行技術では、補強部材の車両上方側に車両下方側へ凸湾曲形状とされた変形抑制部材をルーフボウの長手方向の端部とルーフサイドレールのインナパネルとの間に掛け渡し、補強部材と対向させることで、補強部材が上凸に変形しようとした場合には、逆に変形抑制部材で押し戻すことにより、結果的にセンタピラーの車室内側への変位を抑制すると共にルーフの曲げ変形を抑制しようとするものである。
特開平10−16816号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、変形抑制部材により補強部材の変形を抑制するようになっているが、補強部材自体は本来的には剛性が高く、かかる補強部材が折れる等しないのであるから、車体側部への荷重入力時にルーフパネルに作用する曲げモーメントは大きくなる。従って、この曲げモーメントに耐え得るだけの強度を補強部材の周辺部材、例えば、ルーフボウ、ルーフサイドレール等に付与しなければならず、これらの周辺部材の板厚増加は避けられず、車両重量の増加を招く不利がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の重量増加を抑制し、かつ車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量を効果的に抑制するとことができる車体上部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車体上部構造は、ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置された左右一対のルーフサイドレールと、左右のルーフサイドレール間において車両幅方向に沿って配置されたルーフクロスメンバと、このルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとの間に介在されたエネルギー吸収及び荷重伝達用のブラケットと、を含んで構成された車体上部構造であって、前記ブラケットにおけるルーフクロスメンバとの結合部位よりも車両幅方向外側となる近傍部位に、車両側方から所定値以上の荷重が入力されることによりブラケットを車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転させてルーフクロスメンバに作用すべき曲げモーメントを軸力に変換して伝達するピンジョイント部を設けた、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1記載の発明において、前記ブラケットの内側の端部とルーフクロスメンバの長手方向の端部との間には空間部が存在しており、この空間部を車両幅方向に埋める荷重伝達部材を当該空間部に設定した、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ルーフクロスメンバは、車体側部の前後方向中間部に略車両上下方向を長手方向として配置されたセンタピラーと平面視でオーバーラップする位置に設定されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、ルーフの両サイドには左右一対のルーフが車両前後方向に沿って配置されていると共に、これらのルーフサイドレール間にルーフクロスメンバが車両幅方向に沿って配置されており、更にルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとの間にはエネルギー吸収及び荷重伝達用のブラケットが介在されているため、車両側方から所定値以上の荷重が入力されると、ルーフサイドレールからブラケットへ当該荷重が伝達された後、ルーフクロスメンバに伝達される。
ここで、本発明では、ブラケットにおけるルーフクロスメンバとの結合部位よりも車両幅方向外側となる近傍部位にピンジョイント部を設けたので、車両側方から所定値以上の荷重が入力されると、ブラケットが車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転される。このため、本来であればブラケットを介してルーフクロスメンバひいてはルーフパネルに作用すべき車両上方側に凸となる方向の曲げモーメントの発生を大幅に抑制することができ(曲げモーメントMが減少し)、その代わりにルーフクロスメンバにはブラケットを介して軸力が作用する。すなわち、ブラケットからルーフクロスメンバに作用すべき曲げモーメントを軸力に変換して伝達することができる。従って、ルーフクロスメンバの板厚を厚くする等して剛性を高めなくても(即ち、ルーフクロスメンバに特別な補強を施さなくても)、ルーフクロスメンバ(ひいてはルーフパネル)がその長手方向の中間部付近で車両上方側へ変形するのを防止又は抑制することができる。
請求項2記載の本発明によれば、ブラケットの内側の端部とルーフクロスメンバの長手方向の端部との間には空間部が存在している。このような車種においては、ブラケットがピンジョイント部を中心として車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転しようとした場合に、ブラケットが当該空間部を空走することが可能となる。この場合、空間部を空走することにより、ブラケットがルーフクロスメンバの長手方向の端部をその軸方向へ押圧する成分が減少することになる。
しかし、本発明では、上記空間部に当該空間部を車両幅方向に埋める荷重伝達部材を設定したので、空間部が存在する場合でもブラケットが空間部を空走するのを防止又は抑制することができ、ブラケットによってルーフクロスメンバをその長手方向へ押圧させることができる。
請求項3記載の本発明によれば、ルーフクロスメンバは、車体側部の前後方向中間部に略車両上下方向を長手方向として配置されたセンタピラーと平面視でオーバーラップする位置に設定されているため、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力されると、当該荷重はセンタピラーからルーフサイドレールへ伝達された後、ブラケットからルーフクロスメンバへダイレクトに伝達される。従って、ブラケットをピンジョイント部を中心として車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転変位可能に構成しておくことにより、センタピラー及びルーフサイドレールの車室内方向への侵入を抑制することができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車体上部構造は、ルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとの間に介在されたエネルギー吸収及び荷重伝達用のブラケットにおけるルーフクロスメンバとの結合部位よりも車両幅方向外側となる近傍部位に、車両側方から所定値以上の荷重が入力されることによりブラケットを車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転させてルーフクロスメンバに作用すべき曲げモーメントを軸力に変換して伝達するピンジョイント部を設けたので、特別な補強をすることなく、ルーフクロスメンバに作用する曲げモーメントを下げることができ、その結果、車両の重量増加を抑制し、かつ車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量を効果的に抑制するとことができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1記載の発明において、ブラケットの内側の端部とルーフクロスメンバの長手方向の端部との間には空間部が存在しており、 この空間部を車両幅方向に埋める荷重伝達部材を当該空間部に設定したので、ブラケットが空間部を空走するのを防止又は抑制することができ、その結果、ルーフ系の変形抑制効果をより一層確実なものにすることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車体上部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、車体側部の前後方向中間部に略車両上下方向を長手方向として配置されたセンタピラーと平面視でオーバーラップする位置にルーフクロスメンバを設定したので、センタピラー及びルーフサイドレールの車室内方向への侵入を抑制することができ、その結果、車体側部への所定値以上の荷重作用時に車体の変形を最小限に抑えることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図11を用いて、本発明に係る車体上部構造の幾つかの実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
図4には、車両のセンタピラー位置での縦断面構造を概略的に示した背面図が示されている。この図に示されるように、車両のボディーは、車体天井を構成するルーフパネル10と、車体フロアを構成するフロアパネル12と、ルーフパネル10の両サイドに車両前後方向に沿って配置された左右一対のルーフサイドレール14と、フロアパネル12の両サイドに車両前後方向に沿って配置された左右一対のロッカ16と、ルーフサイドレール14とロッカ16とを上下に繋ぐセンタピラー(Bピラー)18と、を含んで構成されている。なお、センタピラー18の前方側には図示しないフロントピラー(Aピラー)が配置されており、又センタピラー18の後方側には図示しないリヤピラー(Cピラー)が配置されている。
図3には、センタピラー18とルーフサイドレール14とが交差する上部付近の概略構造が斜視図にて示されている。また、図1及び図2には、当該センタピラー18の上部付近の縦断面構造が線図化して示されている。なお、図5及び図6は、参考までに当該センタピラー18の上部付近の縦断面構造を、板厚を付ける等してより具体化した実施形態を描いたものである。
これらの図に示されるように、上記ルーフサイドレール14は、車室外側に配置されるルーフサイドレールアウタパネル20と、車室内側に配置されてルーフサイドレールインナパネル22とによって構成されている。ルーフサイドレールアウタパネル20の上端部20A及び下端部20Bは、ルーフサイドレールインナパネル22の上端部22A及び下端部22Bと合わせられて閉断面を構成している。
また、ルーフサイドレールアウタパネル20の外側には、サイドアウタパネル24が配置されている。サイドアウタパネル24の上端部24Aはルーフサイドレールアウタパネル20の上端部20Aに重合されており、更にサイドアウタパネル24の上端部24Aにはルーフパネル10の外側の端部10Aが重ねられている。、
また、ルーフサイドレール14の下方側に配置されたセンタピラー18は、車室外側に配置されるセンタピラーアウタパネル26と車室内側に配置されるセンタピラーインナパネル28とを含んで構成されている。センタピラーインナパネル28の上端部28Aはルーフサイドレールインナパネル22の下端部22Bに重合されており、又センタピラーアウタパネル26の上端部26Aはルーフサイドレールアウタパネル20の外側面に結合されている。
なお、上記骨格部材の結合位置等は車種に応じて適宜変更される。また、骨格部材を構成するパネルの枚数もリインフォースメントの設置の有無等により適宜変更される。
上述した左右のルーフサイドレール14の間には、車両幅方向に沿ってルーフクロスメンバ(ルーフセンタフレーム)30が配設されている。ルーフクロスメンバ30は断面ハット形状とされており、通常はルーフパネル10の下面に結合されている。本実施形態に係る車体上部構造ではサンルーフ32が設置されているため、サンルーフ32のガイドレール34の底壁部34Aにルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30Aが結合されている(ルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30Aはルーフサイドレール14自体には直接結合されていない)。
なお、本実施形態では、断面ハット形状のルーフクロスメンバ30を用いているが、他の断面形状のルーフクロスメンバを使用してもよく、パイプを潰した形状のルーフクロスメンバを設置したものでもよい。どのような構成のルーフクロスメンバを用いるかは、車種やそれに伴う車体上部構造との関係で適宜選択すればよい。
ここで、図1に示されるように、上述したルーフサイドレールインナパネル22とガイドレール34の側壁部34Bとの間には、エネルギー吸収機能及び荷重伝達機能を併有するブラケット36が配設されており、以下に詳細に説明する。
図7には、ブラケット36の単体の斜視図が示されている。この図に示されるように、ブラケット36は、矩形平板状の基部36Aを備えている。基部36Aの外側の端部36Bはルーフサイドレールインナパネル22の傾斜角度に合致するように折り曲げられており、前後一対のボルト挿通孔38が形成されている。また、基部36Aの内側の端部36Cは基部36Aと同一平面状に延出されており、外側の端部36Bと同様に前後一対のボルト挿通孔40が形成されている。
また、ブラケット36は、基部36Aの両側部から車両下方側へ折り曲げられて車両前後方向に対向する一対の両側部36Dを備えている。両側部36Dの周縁部は互いに離反す方向(車両前後方向)へ折り返されており、外側に位置する第1傾斜部36D1、基部36Aと平行な水平部36D2、第1傾斜部36D1とで逆ハの字状を成す第2傾斜部36D3、第2傾斜部36D3から立ち上がる垂直部36D4を備えている。
組付に際しては、図5に示されるように、ブラケット36の外側の端部36Bがルーフサイドレールインナパネル22の一般面22Cに当接され、この状態でボルト42がウエルドナット44に螺合されることにより、ブラケット36の外側の端部36Bがルーフサイドレール14に固定されている。また、ブラケット36の内側の端部36Cはサンルーフ32のガイドレール34の張り出し部34Cの下面に当接状態で配置され、この状態で図示しないボルトがウエルドナットに螺合されることにより、ブラケット36の内側の端部36Cがガイドレール34ひいてはルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30Aに固定されている。なお、ウエルドナット44にするか通常のナットを使うかは任意であり、又締結具を使わずに溶接で取り付けるようにしてもよい。
さらに、図7に戻り、上記ブラケット36における内側の端部36Cの根元の両サイドには、平面視で略半円形状の切欠50がそれぞれ形成されている。これにより、ブラケット36は、一対の切欠50を結んだ部分の幅が他の部分に比べて短くなっており(低剛性化又は弱体化されており)、かかる狭幅部52がピンジョイント部を構成している。
なお、上述したブラケット36は、鋼鈑のプレス成形又はアルミニウム合金の鋳造によって構成されている。
また、上述したブラケット36が組付けられた状態では、ブラケット36の両側部36Dの垂直部36D4とガイドレール34の側壁部34Bとの間に空間部54が形成されている。この空間部54には略直方体形状又はブロック形状の荷重伝達部材56が配設されており、これにより空間部54が埋められている。
なお、荷重伝達部材56は硬質樹脂材、アルミニウム合金、鋼鈑等によって構成されている。
補足すると、図5に示される構成では、ガイドレール36の張り出し部34Cと荷重伝達部材56との間にブラケット36の内側の端部36Cが挿入可能なスリット58が形成されており、かかるスリット58に内側の端部36Cが差し込まれている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示される状態が、車体側部に車両側方から荷重が入力される前の状態(変形前の状態)である。この状態から、図4に示されるように、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重F(例えば、相手車両P等)が入力されると、当該荷重Fはセンタピラー18からルーフサイドレール14へ伝達された後、当該ルーフサイドレール14と結合されたブラケット36、更にはルーフクロスメンバ30に入力される。
このとき、仮に相手車両Pが車体側部に衝突してきた場合には、ロッカ16付近に衝突荷重が入力される。つまり、ルーフパネル10とは遠い位置に衝突荷重が入力されるため、ルーフサイドレール14とルーフクロスメンバ30が剛結されている限り、ルーフパネル10には常に曲げモーメントMが入力されることになる。
ここで、本実施形態に係る車体上部構造では、ルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30Aが結合されるガイドレール34の張り出し部34Cにブラケット36の内側の端部36Cを結合させ、当該内側の端部36Cの根元に設けた一対の切欠50によってピンジョイント部としての狭幅部52を設定したので、ルーフサイドレール14へ車両側方からの荷重が入力されると、狭幅部52を中心としてブラケット36が車両下方側かつ車両幅方向外側(図2の矢印A方向)へと回転変位しようとする。
ブラケット36の両側部36Dとガイドレール34の側壁部34Bとの間には空間部54が形成されているが、この空間部54には荷重伝達部材56が配置されて当該隙間を車両幅方向に埋めているので、前記の如くブラケット36が狭幅部52を中心として矢印A方向へ回転すると、ブラケット36の両側部36Dが荷重伝達部材56を車両幅方向内側へ押圧する。これにより、サンルーフ32のガイドレール34が車両幅方向内側へ押圧され、ルーフクロスメンバ30の長手方向の端部30Aを軸方向に押圧する。
従って、本来であればブラケット36を介してルーフクロスメンバ30ひいてはルーフパネル10に作用すべき車両上方側に凸となる方向の曲げモーメントM(図4参照)の発生を大幅に抑制することができ(曲げモーメントMが減少し)、その代わりにルーフクロスメンバ30にはブラケット36を介して軸力N(図2参照)が作用する。すなわち、ブラケット36からルーフクロスメンバ30に作用すべき曲げモーメントMを軸力Nに変換して伝達することができる。更に換言すると、ルーフクロスメンバ30を軸方向構造部材として効率的に活用することができる。従って、ルーフクロスメンバ30の板厚を厚くする等して剛性を高めなくても(即ち、ルーフクロスメンバ30に特別な補強を施さなくても)、ルーフクロスメンバ30(ひいてはルーフパネル10)がその長手方向の中間部付近で車両上方側へ変形するのを防止又は抑制することができる。
なお、ブラケット36が車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転変位して荷重伝達部材56を車両幅方向内側へ押圧する際にブラケット36は塑性変形等し、所定のエネルギー吸収作用をする。
以上より、本実施形態に係る車体上部構造によれば、ルーフクロスメンバ30等に特別な補強をすることなく、ルーフクロスメンバ30ひいてはルーフパネル10に作用する曲げモーメントMを下げることができる。その結果、車両の重量増加を抑制し、かつ車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力された場合における車体上部の変形量を効果的に抑制するとことができる。
しかも、従来ではルーフパネル10を補強しようとした場合、ルーフクロスメンバの断面形状を大きくするのが効果的であったが、この場合、乗員のヘッドクリアランスを確保することができない不利があったが、本実施形態によればルーフクロスメンバ30の断面形状を拡大する必要はないので、乗員のヘッドクリアランスを充分に確保することができる。
さらに、前記の如くルーフパネル10付近の質量アップを抑制することができるため、車両重心も下げることができる。従って、操縦安定性及び燃費の向上を図ることができるという利点もある。
加えて、ブラケット36の強度をチューニングすることにより、センタピラー18及びルーフサイドレール14の侵入量を任意にコントロールすることができる。
また、本実施形態に係る車体上部構造では、上述した如く、ブラケット36に隣接して荷重伝達部材56を並設したので、空間部54が存在する場合でもブラケット36が空間部54を空走するのを防止又は抑制することができる。その結果、本実施形態によれば、
ルーフ系の変形抑制効果をより一層確実なものにすることができる。
さらに、本実施形態に係る車体上部構造では、ルーフクロスメンバ30とセンタピラー18とが平面視でオーバーラップする位置に設定されているため、車体側部に車両側方から所定値以上の荷重が入力されると、当該荷重はセンタピラー18からルーフサイドレール14へ伝達された後、ブラケット36からルーフクロスメンバ30へダイレクトに伝達される。従って、ブラケット36を狭幅部52を中心として車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転変位可能に構成しておくことにより、センタピラー18及びルーフサイドレール14の車室内方向への侵入を抑制することができる。その結果、本実施形態によれば、車体側部への所定値以上の荷重作用時に車体の変形を最小限に抑えることができる。
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、サンルーフ32が設定されたルーフに対して本発明を適用したが、これに限らず、サンルーフが形成されていないノーマルルーフに対して本発明を適用してもよい。ノーマルルーフの場合はルーフクロスメンバがルーフパネルの下面に結合され、かつその長手方向の端部とルーフサイドレールとの間にブラケット及び荷重伝達部材が配設される構成を採ればよい。
また、上述した本実施形態では、内側の端部36Cの根元の両サイドに一対の切欠50が形成されたブラケット36を用いたが、これに限らず、ピンジョイント部としての機能が得られる構成であれば、すべて適用可能である。
すなわち、ブラケット36を例に採ると、ブラケット36の内側の端部36Cはガイドレール34の張り出し部34Cと荷重伝達部材56との間に挟み込まれているので(図5参照)、ブラケット36の他の部分に比して高強度となっている。従って、仮に一対の切欠50を形成しなくても、このように周辺部品との関係で狭幅部52が形成された部位が最弱部位となり、結果的にピンジョイント部としての機能が得られる。このように本発明のピンジョイント部には、ピンジョイント部としての形状を積極的に設定していなくても、結果的にその部位が最弱部となり、ピンジョイント部としての機能が発揮される場合も含まれる。
その一方で、下記のように他の構成によって積極的なピンジョイント部を設定することも可能である。
例えば、図8に示されるブラケット60では、切欠50に替えて一対の貫通孔62が形成されている。これにより、一対の貫通孔62を結んだ部位に肉の欠損部が形成されて実質的な狭幅部63が形成され、ピンジョイント部が構成される。また、図9に示されるブラケット64では、車両上方側へ凸状となる直線的なビード66を形成している。この場合、ビード66自体がピンジョイント部として機能する。さらに、図10に示されるブラケット68では、ピンジョイント部として完全なヒンジ70を設定している。
これらのピンジョイント部であっても、上述した本実施形態と同様の作用・効果が得られる。ちなみに、切欠50や貫通孔62を形成して弱化部又は脆弱部を形成するタイプの場合は、ブラケット36、60をプレス成形で製作する場合に、成形と同時に切欠50、貫通孔62を形成することができるので、コスト削減を図ることができる。
また、図7〜図10に示されるピンジョイント部を適宜組み合わせて使用してもよい。
さらに、上述した本実施形態では、図11(A)に示されるように、ガイドレール34とは別個独立に荷重伝達部材56を設けたが、これに限らず、図11(B)に示されるように、ガイドレール72の側壁部72Aに一体に荷重伝達部材に相当する荷重伝達部74を設定する構成を採ってもよい。この場合、部品点数が減少するので、組付工数も減り、コスト削減を図ることができる。
なお、荷重伝達部材は必須の要素ではなく、仮に設けなくても本発明の効果は得られる。荷重伝達部材を設けると、より効果が上がるという意味である。
また、上述した本実施形態では、センタピラー18とルーフクロスメンバ30とが平面視で車両幅方向にオーバーラップする配置関係を採っているが、請求項1及び請求項2記載の発明には両者が車両幅方向にオーバーラップしていない配置関係、つまり車両前後方向にずれているものも含まれる。
本実施形態に係る車体上部構造の全体構成を線図で示す縦断面図(図3の1‐1線断面図)である。 図1に示される車体上部構造が採用された車両の側部に側方からの高荷重が作用して変形した状態を線図で示す図1に対応する縦断面図である。 ルーフサイドレールとセンタピラーとが交差する上部付近の構造を概略的に示す斜視図である。 車両のセンタピラー位置での縦断面構造を概略的に示した背面図である。 図1に示される車体上部構造の全体構成を具体的に描いた縦断面図である。 図2に示される車体上部構造の全体構成を具体的に描いた縦断面図である。 図5に示されるブラケットの拡大斜視図である。 ブラケットの第1の変形例を示す拡大斜視図である。 ブラケットの第2の変形例を示す拡大斜視図である。 ブラケットの第3の変形例を示す拡大斜視図である。 図1に示される荷重伝達部材の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10 ルーフパネル
14 ルーフサイドレール
18 センタピラー
30 ルーフクロスメンバ
30A 長手方向の端部
36 ブラケット
50 切欠
52 狭幅部(ピンジョイント部)
54 空間部
56 荷重伝達部材
60 ブラケット
62 貫通孔
63 狭幅部(ピンジョイント部)
64 ブラケット
66 ビード(ピンジョイント部)
68 ブラケット
70 ヒンジ(ピンジョイント部)
74 荷重伝達部(荷重伝達部材)

Claims (3)

  1. ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置された左右一対のルーフサイドレールと、
    左右のルーフサイドレール間において車両幅方向に沿って配置されたルーフクロスメンバと、
    このルーフクロスメンバの長手方向の端部とルーフサイドレールとの間に介在されたエネルギー吸収及び荷重伝達用のブラケットと、
    を含んで構成された車体上部構造であって、
    前記ブラケットにおけるルーフクロスメンバとの結合部位よりも車両幅方向外側となる近傍部位に、車両側方から所定値以上の荷重が入力されることによりブラケットを車両下方側かつ車両幅方向内側へ回転させてルーフクロスメンバに作用すべき曲げモーメントを軸力に変換して伝達するピンジョイント部を設けた、
    ことを特徴とする車体上部構造。
  2. 前記ブラケットの内側の端部とルーフクロスメンバの長手方向の端部との間には空間部が存在しており、
    この空間部を車両幅方向に埋める荷重伝達部材を当該空間部に設定した、
    ことを特徴とする請求項1記載の車体上部構造。
  3. 前記ルーフクロスメンバは、車体側部の前後方向中間部に略車両上下方向を長手方向として配置されたセンタピラーと平面視でオーバーラップする位置に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体上部構造。
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