JP2010129320A - Esd保護デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ESD特性の調整や安定化が容易であるESD保護デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ESD保護デバイス10は、(a)内部に空洞部13が形成され、空洞部13の内周面の少なくとも一部が、導電材料14kが分散されている補助電極部14により形成された、絶縁性基板12と、(b)補助電極部14に接し、かつ絶縁性基板12の内部において平面方向に延在する第一の放電電極16と、(c)補助電極部14に接し、かつ絶縁性基板12の内部において第一の放電電極16とは異なる平面に含まれ平面方向に延在する、第二の放電電極18と、(d)絶縁性基板12の表面に形成され、第一の放電電極16及び第二の放電電極18とそれぞれ接続された外部電極22,24とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ESD保護デバイス及びその製造方法に関し、詳しくは、絶縁性基板の空洞部内に放電電極が対向して配置されたESD保護デバイスについてESD特性及び信頼性を向上する技術に関する。
ESD(Electro-Static Discharge;静電気放電)とは、帯電した導電性の物体(人体等)が、他の導電性の物体(電子機器等)に接触、あるいは充分接近したときに、激しい放電が発生する現象である。ESDにより電子機器の損傷や誤作動などの問題が発生する。これを防ぐためには、放電時に発生する過大な電圧が電子機器の回路に加わらないようにする必要がある。このような用途に使用されるのがESD保護デバイスであり、サージ吸収素子やサージアブソーバとも呼ばれている。
ESD保護デバイスは、例えば回路の信号線路とグランド(接地)との間に配置する。ESD保護デバイスは、一対の放電電極を離間して対向させた構造であるので、通常の使用状態では高い抵抗を持っており、信号がグランド側に流れることはない。これに対し、例えば携帯電話等のアンテナから静電気が加わる場合のように、過大な電圧が加わると、ESD保護デバイスの放電電極間で放電が起こり、静電気をグランド側に導くことができる。これにより、ESDデバイスよりも後段の回路には、静電気による電圧が印加されず、回路を保護することができる。
例えば図12の分解斜視図及び図13の断面図に示すESD保護デバイスは、絶縁性セラミックシート2が積層されるセラミック多層基板7内に空洞部5が形成され、外部電極1と導通した放電電極6が空洞部5内に対向配置され、空洞部5に放電ガスが閉じ込められている。放電電極6間で絶縁破壊を起こす電圧が印加されると、空洞部5内において放電電極6間で放電が起こり、その放電により過剰な電圧をグランドへ導き、後段の回路を保護することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−43954号公報
しかし、このようなESD保護デバイスでは、次のような問題点がある。
放電電極間の間隔のばらつきによって、ESD応答性が変動し易い。また、放電電極が対向する領域の面積によってESD応答性を調整する必要があるが、その調整には製品サイズ等による制限のため、所望とするESD応答性を実現しにくい場合がある。
本発明は、かかる実情に鑑み、ESD特性の調整や安定化が容易であるESD保護デバイス及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したESD保護デバイスを提供する。
ESD保護デバイスは、(a)内部に空洞部が形成され、該空洞部の内周面の少なくとも一部が、導電材料が分散されている補助電極部により形成された、絶縁性基板と、(b)前記補助電極部に接し、かつ前記絶縁性基板の内部において平面方向に延在する第一の放電電極と、(c)前記補助電極部に接し、かつ前記絶縁性基板の内部において前記第一の放電電極とは異なる平面に含まれ平面方向に延在する、第二の放電電極と、(d)前記絶縁性基板の表面に形成され、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極とを有する。
上記構成によれば、外部電極間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、放電電極間で放電が発生する。この放電は、主に空洞部の内周面に沿って発生する。このような沿面放電が発生する空洞部の内周面の少なくとも一部が、導電材料を含む補助電極部で形成されているため、電子の移動が起こりやすくなり、より効率的に放電現象を生じさせることができる。
補助電極部の寸法・形状、補助電極部に含まれる導電材料の量や種類、分布等より、放電開始電圧等のESD特性の調整が可能となる。そのため、ESD特性の調整が容易になる。また、補助電極部によってもESD特性の調整が可能となるため、放電電極間の間隔のみでESD特性を調整する場合と比べ、ESD特性のバラツキを小さくすることができ、ESD特性の安定化を図ることができる。
また、同一平面内に含まれる放電電極間で放電を発生させる場合と比べると、放電電流が流れる放電領域の幅(放電電流が流れる方向に直角方向の寸法)を大きくすることができるため、放電開始電圧等のESD特性の調整がより容易である。
好ましくは、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極の少なくとも一方は、前記空洞部の内底面から離れて形成されている。
この場合、第一の放電電極及び第二の放電電極の少なくとも一方は空洞部内に露出しないため、第一の放電電極と第二の放電電極とは空洞部を介して重ならない。そのため、第一の放電電極と第二の放電電極とが空洞部を介して重なって不要な容量が発生することを防止できる。
好ましくは、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極は、前記空洞部内に露出している。
この場合、第一の放電電極と第二の放電電極とが空洞部を介して対向しているため、第一の放電電極と第二の放電電極との間で、沿面放電だけでなく、空洞部内での空中放電も発生させることができる。これによって、よりESDに対する応答特性を向上させることができる。
好ましくは、前記補助電極部は、前記導電材料とともに絶縁材料が分散されてなる。
この場合、導電材料同士の接触が防止される。また、補助電極部と基板本体との密着性が向上する。
好ましくは、前記補助電極部は、前記導電材料の含有率が10vol%以上、50vol%以下である。
補助電極部の導電材料の含有率が10vol%以上であると、導電材料が空洞部の内周面に露出する面積が大きくなり、沿面放電を促進させることができる。補助電極部の導電材料の含有率が50vol%以下であると、導電材料同士の接触率が低下し、補助電極部自体の絶縁性を保つことができる。
好ましくは、前記絶縁性基板は、(a)貫通孔が形成された少なくとも1層の第一の絶縁層と、(b)前記第一の絶縁層の両側にそれぞれ積層された、少なくとも1層の第二の絶縁層及び少なくとも1層の第三の絶縁層と、(c)前記第一の絶縁層の前記貫通孔に形成された前記補助電極部とを含む多層基板である。
この場合、ESD保護デバイスの作製が容易である。
好ましくは、前記絶縁性基板はセラミック基板である。
この場合、ESD保護デバイスの作製が容易である。
また、本発明は、以下のように構成したESD保護デバイスの製造方法を提供する。
ESD保護デバイスの製造方法は、(i)第一の絶縁層に貫通孔を形成する、第1の工程と、(ii)第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面の少なくとも一部に、導電材料を含む補助電極部形成用材料を付着させる、第2の工程と、(iii)第二の絶縁層及び第三の絶縁層の一方主面にそれぞれ、第一の放電電極及び第二の放電電極を形成する、第3の工程と、(iv)前記第一の絶縁層の一方主面及び前記第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に付着させられた前記補助電極部形成用材料に前記第一の放電電極が接するように前記第二の絶縁層を積層するとともに、前記第一の絶縁層の他方主面及び第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に付着させられた前記補助電極部形成用材料に前記第二の放電電極が接するように前記第三の絶縁層を積層する、第4の工程と、(v)前記第4の工程により得られた積層体に、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極を形成する、第5の工程とを備える。
この場合、ESD保護デバイスの作製が容易である。
好ましくは、前記第1の工程において、前記第一の絶縁層の両主面に形成された前記貫通孔の開口の大きさが異なる。
この場合、第1の絶縁層の貫通孔がテーパ状になるため、補助電極部形成用材料を貫通孔の内周面に付着させやすい。
好ましくは、前記第2の工程において、前記第一の絶縁層の前記貫通孔の大きい側の前記開口から、スクリーン印刷法、電子写真法又はインクジェット法のいずれかの方法により、前記補助電極部形成用材料を、前記貫通孔の内周面に付着させる。
この場合、第一の絶縁層の貫通孔の内周面に、補助電極部形成用材料を付着させるのが容易である。
好ましくは、前記第2の工程と前記第3の工程との間に、前記第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に前記補助電極部形成用材料が付着させられた状態を保ちつつ、前記第一の絶縁層の前記貫通孔内に空洞部形成用材料を充填する工程をさらに備える。前記第4の工程と前記第5の工程の間、又は前記第5の工程の後に、前記空洞部形成用材料を消失させる工程をさらに備える。
この場合、空洞部形成用材料で補助電極部形成用材料の剥離を防ぎ、確実に補助電極部を形成できる。補助電極部形成用材料は、例えば、第4の工程により得られた積層体の焼成時に消失する樹脂ペーストやカーボンペーストなどである。
また、本発明は、以下のように構成したESD保護デバイスの製造方法を提供する。
ESD保護デバイスの製造方法は、(i)貫通孔を有し、かつ導電材料と絶縁性材料とを含む補助電極部形成層を用意する、第1の工程と、(ii)第二の絶縁層及び第三の絶縁層の一方主面に、それぞれ、第一の放電電極及び第二の放電電極を形成する、第2の工程と、(iii)前記第二の絶縁層と前記第三の絶縁層との間に前記補助電極部形成層が挟持され、前記補助電極部形成層の一方主面に前記第一の放電電極が接し、前記補助電極部形成層の他方主面に前記第二の放電電極が接するように、前記補助電極部形成層の両側に第二の絶縁層及び第三の絶縁層をそれぞれ積層する、第3の工程と、(iv)前記第3の工程により得られた積層体に、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極を形成する、第4の工程とを備える。
この場合、ESD保護デバイスの作製が容易である。
好ましくは、前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記補助電極部形成層の前記貫通孔に空洞部形成用材料を充填する工程をさらに備える。前記第3の工程と前記第4の工程の間、又は前記第4の工程の後に、前記空洞部形成用材料を消失させる工程をさらに備える。
この場合、空洞部形成用材料で補助電極部形成層の剥離を防ぎ、確実に補助電極部を形成できる。空洞部形成用材料は、例えば、第4の工程により得られた積層の焼成時に消失する樹脂ペーストやカーボンペーストなどである。
本発明によれば、ESDデバイスのESD特性の調整や安定化が容易である。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図11を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1のESD保護デバイス10について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1(a)は、ESD保護デバイス10の断面図である。図1(b)は、ESD保護デバイス10の要部斜視図である。
図1(a)に示すように、ESD保護デバイス10は、複数の絶縁層が積層されたセラミック多層基板の基板本体12の内部に、空洞部13が形成されている。空洞部13内には、互いに異なる面に含まれる一対の放電電極16,18の一部16s,18sが露出し、空洞部13を介して互いに対向している。放電電極16,18は、空洞部13から基板本体12の表面まで互いに逆向きに平面方向に延在し、それぞれ、基板本体12の表面に形成された外部電極22,24に接続されている。外部電極22,24は、ESD保護デバイス10を実装するために用いる。
空洞部13は、図1(b)に示すように略筒形状に形成されている。図1(a)に模式的に示すように、空洞部13の内周面に沿って、絶縁材料中に導電材料14kが分散されている補助電極部14が形成され、補助電極部14によって、空洞部13の内周面の少なくとも一部が形成されている。補助電極部14中の導電材料14kは分散した状態で分布しているので、補助電極部14自体は絶縁性を有する。補助電極部14が導電材料14kとともに絶縁材料が分散されてなる場合には、導電材料14k同士の接触が防止される。また、補助電極部14と基板本体12との密着性が向上する。
放電電極16,18間は、通常は導通しないが、外部電極22,24間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、空洞部13内において放電が発生し、放電電流が流れる。このとき、主として空洞部13と基板本体12との界面、すなわち空洞部13の内周面に沿って沿面放電が発生する。この空洞部13の内周面に沿って、導電材料14kを含む補助電極部14が形成されているので、導電材料14kによって電子の移動が起こりやすくなる。その結果、補助電極部を設けない場合よりも効率的に放電現象を生じさせることができる。
補助電極部14の寸法・形状や、補助電極部14に含まれる導電材料14kの量や種類、分布等より、放電開始電圧等のESD特性の調整が可能となる。そのため、ESD特性の調整が容易になる。また、補助電極部14によってもESD特性の調整が可能となるため、放電電極間の間隔のみによってESD特性を調整する場合と比べ、ESD特性のバラツキを小さくすることができ、ESD特性の安定化を図ることができる。
さらには、放電電極16,18の一部16s,18sが空洞部13を介して対向しているため、放電電極16,18間で、沿面放電だけでなく、空洞部13内での空中放電も発生させることができる。これによって、ESDに対する応答特性をさらに向上させることができる。
次に、ESD保護デバイス10の製造方法について、図2〜図5を参照しながら説明する。
(1)材料の作製
まず、基板本体12、放電電極16,18、空洞部13を形成するため材料を作製する。
基板本体12のセラミック材料には、Ba、Al、Siを中心とした組成からなる材料(BAS材)を用いる。各素材を所定の組成になるよう調合、混合し、800℃〜1000℃で仮焼して得られた仮焼粉末を、ジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミック粉末を得る。このBAS材仮焼後セラミック粉末に、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合する。さらにバインダー、可塑剤を加え混合し、スラリーを得る。このようにして得られたスラリーを、ドクターブレード法によりPETフィルム上へ成形し、任意の厚み(10μm〜50μm)のセラミックグリーンシートを得る。
放電電極16,18を形成するために、電極ペーストを作製する。平均粒径約2μmのCu粉80wt%とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂に溶剤を添加し、攪拌、混合することで、電極ペーストを得る。
空洞部13を形成するために、樹脂と溶剤のみからなる樹脂ペーストを、電極ペーストと同様の方法にて作製する。樹脂材料には、例えば、PET、ポリプロピレン、エチルセルロース、アクリル樹脂など、焼成時に燃焼、分解、溶融、気化などにより消失する樹脂を用いる。
(2)補助電極部形成
厚さ10μmのセラミックグリーンシートにレーザー加工にて貫通孔を形成する。貫通孔の内周面に、スクリーン印刷法、電子写真法、又はインクジェット法により、補助電極部を形成する。
(a)スクリーン印刷法による補助電極部形成方法
スクリーン印刷法による場合は、補助電極部形成用材料としてペーストを作製し、作製したペーストを用いて補助電極部を形成する。
補助電極部形成用のペーストは、次のいずれかの方法によって作製する。
[ペースト作製法(1)−1]
図2(a)の概略図に示すように、ペースト50は、平均粒径約3μmのCu粉60を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤70を添加し攪拌、混合することで得る。樹脂と溶剤を70wt%とし、残りの30wt%をCu粉とする。ペースト50は、通常の電極ペースト(80Pa・s)よりも低粘度(30Pa・s)の状態にする。このペースト50は、Cu粉60の含有率が低いため、焼成後も絶縁性を保つ。
[ペースト作製法(1)−2]
図2(b)の概略図に示すように、ペースト52は、Cu粉61がAl被覆層62で被覆された平均粒径約3μmのAlコートCu粉64を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤72を添加し攪拌、混合することで得る。樹脂と溶剤72を50wt%とし、残りの50wt%をAlコートCu粉64とする。ペースト52は、通常の電極ペースト(80Pa・s)よりも低粘度(30Pa・s)の状態にする。このペースト52は、AlコートCu粉64を用いているため、焼成後も絶縁性を保つ。
[ペースト作製法(2)−1]
図2(c)の概略図に示すように、ペースト54は、平均粒径約3μmのCu粉60とBAS材仮焼後セラミック粉66を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤74を添加し、攪拌、混合することで得る。樹脂と溶剤74を40wt%とし、Cu粉60を40wt%、セラミック粉66を20wt%とした。ペースト54は、通常の電極ペースト(80Pa・s)よりも低粘度(30Pa・s)の状態にする。このペースト54は、Cu粉60以外にセラミック粉66を含むため、焼成後も絶縁性を保つ。
[ペースト作製法(2)−2]
図2(d)の概略図に示すように、ペースト56は、平均粒径約3μmのAlコートCu粉64とBAS材仮焼後セラミック粉66を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤76を添加し、攪拌、混合することで得る。樹脂と溶剤76を40wt%とし、AlコートCu粉64を50wt%、セラミック粉66を10wt%とする。ペースト56は、通常の電極ペースト(80Pa・s)よりも低粘度(30Pa・s)の状態にする。ペースト56は、AlコートCu粉65とセラミック粉67とを用いており、焼成後も絶縁性を保つ。
[補助電極部形成]
補助電極部は、セラミックグリーンシートの貫通孔の内周面に、作製した補助電極部形成用ペーストを付着させることにより形成する。
具体的には、例えば図3の要部拡大断面図に示すように、PETフィルム上にセラミックグリーンシート15が形成されている状態で、PETフィルム側からレーザー加工機にて、φ90μmの貫通孔(ビア)11を形成した後、PETフィルム側から貫通孔11内に補助電極部形成用のペースト50,54を充填する。
充填されたペースト50,54は、ペースト粘度が低い上、セラミックグリーンシート15が薄いことから、貫通孔11の内周面11sにのみ付着した状態になる。
また、レーザー加工の際に、貫通孔11の開口11a,11bの大きさが異なるように、貫通孔11を例えば円錐台形状に形成し、貫通孔11の断面をテーパ形状に形成することで、ペースト50,54をより付着させやすくする。
なお、ペースト50,54により形成される補助電極部自体は、Cu粉60が分散した状態で配置されるため、焼成後も絶縁性を保った状態である。また、他のペースト52,56を充填してもよい。
(b)電子写真法による補助電極部形成
電子写真法により補助電極部を形成する場合は、まず、補助電極部形成用材料として、導電性粉末のトナーに加工し、作製したトナーを用いて補助電極部を形成する。
[トナー作製]
トナーは次のように作製する。
1.Cu粉(平均粒径3μm)と樹脂を混合し、表面処理機を用いてCu粉の表面に樹脂を被覆する。
2.上記1.のサンプルを分級し、微粉と粗粉を除去する。
3.上記2.の操作によって得られたカプセルCu紛と外添剤を混合し、表面処理機にてカプセルCu紛表面に外添剤を均一に付着させる。
4.上記3.の操作によって得られたカプセルCu紛とキャリアを混合し、現像剤となるトナーを得る。
[補助電極部形成]
補助電極部は次のように形成する。
1.PETフィルム上にセラミックグリーンシートが形成された状態で、セラミックグリーンシート側からレーザー加工機にてφ90μmの貫通孔(ビア)を形成する。
2.感光体を一様に帯電させる。
3.LEDにて帯電した感光体に、補助電極部の形状に光を照射し、潜像を形成する。
4.現像バイアスをかけ、感光体上にトナーを現像する。トナーの塗布量は、現像バイアスの大きさによって制御することができる。
5.補助電極部のパターンが現像された感光体とセラミックグリーンシートを重ね、トナーをセラミックグリーンシートの貫通孔の内周面に転写する。
6.補助電極部のパターンが転写されたセラミックグリーンシートをオーブンに入れ、トナーを定着させ、図4の要部拡大断面図に示すように、貫通孔11の内周面11sにトナー80が付着し、補助電極部のパターンが形成されたセラミックグリーンシート15を得る。
なお、焼成後も補助電極部自体は絶縁性を保った状態である。
(c)インクジェット法による補助電極部形成
インクジェット法による場合は、次のように補助電極部を形成する。
PETフィルム上にセラミックグリーンシートが形成された状態で、セラミックグリーンシート側からレーザー加工機にてφ90μmの貫通孔(ビア)を形成する。次いで、Cu粒を含有するインク、すなわち補助電極部形成用材料を、インクジェット法にて貫通孔の内周面に塗布する。
なお、焼成後も補助電極部自体は絶縁性を保った状態である。
(3)貫通孔への樹脂ペースト充填、スクリーン印刷による放電電極塗布
補助電極部が形成された貫通孔に樹脂ペーストを充填する。放電電極は、補助電極部と異なるセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法にて形成する。放電電極の幅は、100μmとする。
(4)積層、圧着
図5の断面図に示すように、放電電極16,18が形成されたセラミックグリーンシート15a,15cの間に、補助電極部が形成されたセラミックグリーンシート15bが挟まれるように、セラミックグリーンシート15a,15b,15cを、通常の多層部品と同様に積層し、圧着して、積層体を形成する。このとき、放電電極16,18が、中間層のセラミックグリーンシート15bに形成されている補助電極部に接するように、セラミックグリーンシート15a,15b,15cを積層する。ここでは、積層体の厚みが0.35mmとなり、その厚み方向の中央に放電電極と空洞部が配置されるように、セラミックグリーンシート15a,15b,15cを積層する。
(5)カット、端面電極塗布
ESD保護デバイスの複数個分を含むように積層体を形成する場合には、積層体を、LCフィルタのようなチップタイプの部品と同様に金型を用いて切断して、各チップの個片に分割する。ここでは1.0mm×0.5mmになるように切断する。その後、各チップの端面に電極ペーストを塗布し、外部電極を形成する。
(6)焼成
外部電極を形成したチップを、通常の多層部品と同様に、N雰囲気中で焼成する。貫通孔に充填された樹脂ペーストは焼成時に消失し、これによって空洞部13が形成される。ESDに対する応答電圧を下げるため空洞部13にAr、Neなどの希ガスを導入する場合には、セラミック材料の収縮、焼結が行われる温度領域をAr、Neなどの希ガス雰囲気で焼成すればよい。酸化しない電極材料(Agなど)の場合には、大気雰囲気でもかまわない。
(7)めっき
焼成後のチップの外部電極上に、LCフィルタのようなチップタイプの部品と同様に、電解Ni、Snメッキを行う。
以上により、ESD保護デバイスが完成する。
基板本体12のセラミック材料は、特に上記した材料に限定されるものでなく、絶縁性のものであればよいため、フォルステライトにガラスを加えたものや、CaZrOにガラスを加えたものなど、他のものを用いてもよい。
放電電極16,18の電極材料もCuだけでなく、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、Wやこれらの組み合わせでもよい。
補助電極部14に用いる導電性粉末は、Cuだけでなく、Ni、Co、Ag、Pd、Rh、Ru、Au、Pt、Ir等の遷移金属群より選ばれた少なくとも1種類の金属とすることが望ましい。また、これら金属を単体で用いてもよいが、合金として用いることも可能である。さらに、これらの金属の酸化物を用いてもよい。又は、SiCのような半導体材料でもよい。
また、これらの金属にAlO、ZrO、SiOなどの無機材料や、BASのような混合仮焼材料をコートしたものを用いてもよい。もしくは、樹脂などの有機材料をコートしたものを用いてもよい。これらのコート粉を用いることで導電性粉末同士の接触を阻害し、ショート耐性を向上させる。
補助電極部の導電材料の平均粒子径は、0.05μm〜10μmの範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は、0.1μm〜5μmである。粒径が小さいほど空洞部に露出される導電材料の表面積が大きくなり、放電開始電圧の低下とESDに対する応答特性向上及び劣化の低減を得られる。
補助電極部が導電材料と絶縁材料からなる場合、補助電極部の導電材料の含有率は、10vol%以上、50vol%以下が好ましい。補助電極部の導電材料の含有率が10vol%以上であると、導電材料が空洞部の内周面に露出する面積が大きくなり、沿面放電を促進させることができる。補助電極部の導電材料の含有率が50vol%以下であると、導電材料同士の接触率が低下し、補助電極部自体の絶縁性を保つことができる。ただし、補助電極部の導電材料の含有率は上記範囲に限定されるものではない。導電材料の粒径等その他の条件を適宜調整することによって、上記と同様の効果を奏することができる。
空洞部13を形成するために樹脂ペーストを用いたが、樹脂でなくともカーボンなど、焼成で消失するものならばよい。
<比較例> 比較例のESD保護デバイス10xについて、図6を参照しながら説明する。
図6(a)の断面図に示すように、比較例のESD保護デバイス10xは、基板本体12xの内部に形成された空洞部13xに、同一平面内に含まれるように配置されている放電電極16x,18xの先端16k,18k側が露出している。放電電極16x,18x間及び放電電極16x,18xと基板本体12xとの界面とに沿って、導電材料14kを含む補助電極部14xが形成されている。外部電極22,24間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、空洞部13x内において放電電極16x,18xで放電が発生する。
図6(b)の要部拡大斜視図に示すように、放電電極16xの幅をLとすると、放電電流が流れる放電領域の幅(放電電流の方向に対して直角方向の寸法)は、略Lとなる。
これに対して、実施例1では、図1(b)に示すように空洞部13の直径をDとすると、放電領域の幅は略πDとなり、πD>Lとすることができる。つまり、実施例1の構成は、比較例の構成よりも放電領域の幅を大きくすることができる。
放電電極の幅が大きいほど放電開始電圧が下がり、ESDに対する応答が早くなるので、実施例1の構成は、比較例の構成と比べると、ESD保護デバイスのサイズ等に制限があっても、所望のESD特性を実現することが容易である。
<作製例>
比較例の構成のESD保護デバイスと実施例1の構成のESD保護デバイスを作製して、ESD放電特性を比較した。
放電電極間のESDに対する放電応答性を、それぞれ100個の試料にて評価した。ESDに対する放電応答性はIECの規格、IEC61000−4−2に定められている、静電気放電イミュニティ試験によって行った。接触放電にて2kV〜8kVを印加して、試料の放電電極間で放電が生じるかどうかを調べた。
比較結果を、次の表1に示す。
Figure 2010129320
ここで、「放電幅」は、比較例のサンプルA、Bについては図6(b)中のLの寸法、実施例1のサンプルについては図1(b)中のDの寸法である。
表1から、実施例1の構成は、比較例の構成よりもESD放電応答性が向上することが分かる。
比較例のように同一平面内に含まれる一対の放電電極を、空洞部を介して横方向に対向して配置する構造から、実施例1のように異なる平面内にそれぞれ含まれる一対の放電電極を、空洞部を介して縦方向に対向するように配置した構造にすることで、放電電極が空洞部内において対向する放電領域を拡大でき、その結果、放電現象をより促し、さらなる放電開始電圧の低下とESDに対する応答特性向上を得られる。
<実施例2> 次に、実施例2のESD保護デバイスについて、図7〜図9を参照しながら説明する。
実施例2のESD保護デバイスでは、補助電極部を、ペーストもしくはシートにて形成する。実施例2のESD保護デバイスは、次の方法で作製する。
(1)補助電極部作製
補助電極部をペーストで形成する場合、次のように補助電極部を作製する。
補助電極部用のペーストは、実施例1の[ペースト作製法(2)−1]又は[ペースト作製法(2)−2]と同様に作製する。例えば、平均粒径約3μmのAlコートCu粉と、仮焼後セラミック粉末(BAS材)を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し、攪拌、混合することで得る。樹脂と溶剤を40wt%とし、残りの60wt%については、Cu粉(40wt%)とセラミック粉(20wt%)とする。
作製したペーストをPETフィルム上ヘスクリーン印刷し、レーザーにて貫通孔を形成する。その後、貫通孔に樹脂ペーストを充填する。
なお、焼成後も補助電極部用のペースト自体は絶縁性を保った状態である。
補助電極部をシートで形成する場合は、次のように補助電極部を作製する。
平均粒径約3μmのAlコートCu粉と仮焼後セラミック粉末(BAS材)を所定の組成になるよう調合し、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合する。さらにバインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得る。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法によりPETフィルム上へ成形し、任意の厚み(10μm〜50μm)の補助電極部用のシートを得る。補助電極部用のシート17は、図7の断面図に示すように、BAS材68中に、Cu粉60aが分散した状態で配置されている。
次いで、補助電極部用のシート17の不要部分を取り除き、レーザー加工により、図8の断面図に示すように、貫通孔17aを形成する。その後、貫通孔17aに樹脂ペーストを充填する。
なお、焼成後も補助電極部用のシート17自体は絶縁性を保った状態である。
(2)積層、圧着
図9の断面図に示すように、実施例1と同じ方法で放電電極16,18が形成されたセラミックグリーンシート15p,15qの間に、補助電極部用のペースト又はシート17が挟まれるように、通常の多層部品と同様に積層し、圧着する。このとき、放電電極16,18が補助電極部用のペースト又はシート17に接するように積層し、圧着する。
その後の工程も実施例1と同じであり、焼成、分割、外部電極形成を経て、ESD保護デバイスが完成する。
実施例2の方法で作製したESD保護デバイスは、実施例1のESD保護デバイスと同様に、ESD特性の調整と安定化が容易になる。
<実施例3> 実施例3のESD保護デバイスについて、図10の断面図を参照しながら説明する。
実施例3のESD保護デバイスの構成は、実施例1と略同じ構成である。ただし、基板材料が樹脂基板である点が、実施例1と異なる。
実施例3のESD保護デバイスは、図10の断面図に示すように、プリプレグを用いて形成した各層15x,15y,15zを積層することにより、作製する。以下、実施例1との相違点を中心に、作製方法を説明する。
(1)放電電極層作製
プリプレグ15x,15z上にCu箔をラミネートし、フォトリソグラフィ法によってCu箔をパターニングして、放電電極16,18を形成する。
(2)補助電極部層作製
プリプレグ15yにレーザーにて貫通孔11x形成する。電子写真法、インクジェット法、ペースト塗布法によって、貫通孔11xの内周面にCu粉などの導電材料の導電性粉末60xを配置する。このとき、貫通孔11xの両側の開口11y,11zの大きさが異なるように、貫通孔11xが断面テーパ形状、例えば円錐台形状に形成されると、導電性粉末60xを貫通孔11xの内周面に配置しやすい。
(3)各層の合体
半硬化体の各層15x,15y,15zを積み重ね、積層した状態で硬化することにより各層15x,15y,15zを接着する。各層15x,15y,15zを完全硬化させた後、接着剤で重ね合わせてもよい。
(4)外部電極塗布
積層された基板の端面に焼き付け電極又は導電性樹脂電極を形成し、メッキ処理を施し外部電極とする。
以上により、ESD保護デバイスが完成する。
実施例3においても、実施例1と同様に、ESD特性の調整と安定化が容易になる。
<実施例4> 実施例4のESD保護デバイス10aについて、図11を参照しながら説明する。
図11の断面図に示すように、実施例4のESD保護デバイス10aは、実施例1のESD保護デバイス10と略同様に構成されている。以下では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例と同じ構成には同じ符号を用いる。
実施例4のESD保護デバイス10aは、実施例1と同様に空洞部13が形成されているが、実施例1と異なり、一方の放電電極18のみが空洞部13内に露出し、他方の放電電極16は、空洞部13の内底面13tから離れて延在しており、補助電極部14aに接するだけで、空洞部13内には露出しない。なお、一方の放電電極18についても、補助電極部14aには接するが空洞部13には露出しない構成としてもよい。
補助電極部14aは、少なくとも放電電極16a,18を最短距離で結ぶ領域に形成され、空洞部13の内底面13tの一部を形成している。
ESD保護デバイス10aは、外部電極22,24間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、放電電極16a,18間で放電が発生し、少なくとも補助電極部14aに沿って沿面放電が発生する。そのため、実施例1と同様に、ESD特性の調整や安定化を図ることができる。
さらに、放電電極16a,18は空洞部13を介して対向していないため、放電電極16a,18が空洞部13を介して不要な容量を発生することがない。
<まとめ> 以上に説明したように、基板本体内の空洞部の内周面の少なくとも一部が、絶縁材料中に導電材料14kが分散されている補助電極部により形成され、異なる平面に含まれる一対の放射電極が補助電極部に接するように配置されることにより、空洞部内での放電を促進し、ESD特性の調整や安定化を図ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
ESD保護デバイスの(a)断面図、(b)要部拡大斜視図である。(実施例1) ペーストの概略図である。(実施例1) セラミックグリーンシートの要部拡大断面図である。(実施例1) セラミックグリーンシートの要部拡大断面図である。(実施例1) 積層工程を示す断面図である。(実施例1) ESD保護デバイスの(a)断面図、(b)要部拡大斜視図である。(比較) 補助電極部を形成するシートの断面図である。(実施例2) 補助電極部を形成するシートの断面図である。(実施例2) 積層工程を示す断面図である。(実施例2) 積層工程を示す断面図である。(実施例3) ESD保護デバイスの断面図である。(実施例4) ESD保護デバイスの分解斜視図である。(従来例) ESD保護デバイスの断面図である。(従来例)
符号の説明
10,10a,10x ESD保護デバイス
11 貫通孔
11a,11b 開口
11s 内周面
11x 貫通孔
11y,11z 開口
12,12a,12x 基板本体(絶縁性基板)
13,13a,13x 空洞部
14,14a,14x 補助電極部
14k 導電材料
15,15b セラミックグリーンシート(第一の絶縁層)
15a,15c セラミックグリーンシート(第二の絶縁層、第三の絶縁層)
15p,15q セラミックグリーンシート(第二の絶縁層、第三の絶縁層)
15x,15x プリプレグ(第二の絶縁層、第三の絶縁層)
15y プリプレグ(第一の絶縁層)
16,16a,16x 放電電極
17 シート(第一の絶縁層)
17a 貫通孔
18,18a,18x 放電電極
60,60a,61 Cu粉(導電材料)
60x 導電性粉末(導電材料)
62 被覆層
64 粉体

Claims (13)

  1. 内部に空洞部が形成され、該空洞部の内周面の少なくとも一部が、導電材料が分散されている補助電極部により形成された、絶縁性基板と、
    前記補助電極部に接し、かつ前記絶縁性基板の内部において平面方向に延在する第一の放電電極と、
    前記補助電極部に接し、かつ前記絶縁性基板の内部において前記第一の放電電極とは異なる平面に含まれ平面方向に延在する、第二の放電電極と、
    前記絶縁性基板の表面に形成され、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極と、
    を有することを特徴とする、ESD保護デバイス。
  2. 前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極の少なくとも一方は、前記空洞部の内底面から離れて形成されていることを特徴とする、請求頂1に記載のESD保護デバイス。
  3. 前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極は、前記空洞部内に露出していることを特徴とする、請求項1に記載のESD保護デバイス。
  4. 前記補助電極部は、前記導電材料とともに絶縁材料が分散されてなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のESD保護デバイス。
  5. 前記補助電極部は、前記導電材料の含有率が10vol%以上、50vol%以下であることを特徴とする、請求項4に記載のESD保護デバイス。
  6. 前記絶縁性基板は、
    貫通孔が形成された少なくとも1層の第一の絶縁層と、
    前記第一の絶縁層の両側にそれぞれ積層された、少なくとも1層の第二の絶縁層及び少なくとも1層の第三の絶縁層と、
    前記第一の絶縁層の前記貫通孔に形成された前記補助電極部と、
    を含む多層基板であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のESD保護デバイス。
  7. 前記絶縁性基板はセラミック基板であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載のESD保護デバイス。
  8. 第一の絶縁層に貫通孔を形成する、第1の工程と、
    第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面の少なくとも一部に、導電材料を含む補助電極部形成用材料を付着させる、第2の工程と、
    第二の絶縁層及び第三の絶縁層の一方主面にそれぞれ、第一の放電電極及び第二の放電電極を形成する、第3の工程と、
    前記第一の絶縁層の一方主面及び前記第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に付着させられた前記補助電極部形成用材料に前記第一の放電電極が接するように前記第二の絶縁層を積層するとともに、前記第一の絶縁層の他方主面及び第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に付着させられた前記補助電極部形成用材料に前記第二の放電電極が接するように前記第三の絶縁層を積層する、第4の工程と、
    前記第4の工程により得られた積層体に、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極を形成する、第5の工程と、
    を備えたことを特徴とする、ESD保護デバイスの製造方法。
  9. 前記第1の工程において、前記第一の絶縁層の両主面に形成された前記貫通孔の開口の大きさが異なることを特徴とする、請求項8に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記第一の絶縁層の前記貫通孔の大きい側の前記開口から、スクリーン印刷法、電子写真法又はインクジェット法のいずれかの方法により、前記補助電極部形成用材料を、前記貫通孔の内周面に付着させることを特徴とする、請求項9に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  11. 前記第2の工程と前記第3の工程との間に、
    前記第一の絶縁層の前記貫通孔の内周面に前記補助電極部形成用材料が付着させられた状態を保ちつつ、前記第一の絶縁層の前記貫通孔内に空洞部形成用材料を充填する工程をさらに備え、
    前記第4の工程と前記第5の工程の間、又は前記第5の工程の後に、
    前記空洞部形成用材料を消失させる工程をさらに備えることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一つに記載の、ESD保護デバイスの製造方法。
  12. 貫通孔を有し、かつ導電材料と絶縁性材料とを含む補助電極部形成層を用意する、第1の工程と、
    第二の絶縁層及び第三の絶縁層の一方主面に、それぞれ、第一の放電電極及び第二の放電電極を形成する、第2の工程と、
    前記第二の絶縁層と前記第三の絶縁層との間に前記補助電極部形成層が挟持され、前記補助電極部形成層の一方主面に前記第一の放電電極が接し、前記補助電極部形成層の他方主面に前記第二の放電電極が接するように、前記補助電極部形成層の両側に第二の絶縁層及び第三の絶縁層をそれぞれ積層する、第3の工程と、
    前記第3の工程により得られた積層体に、前記第一の放電電極及び前記第二の放電電極とそれぞれ接続された外部電極を形成する、第4工程と、
    を備えたことを特徴とする、ESD保護デバイスの製造方法。
  13. 前記第1の工程と前記第2の工程との間に、
    前記補助電極部形成層の前記貫通孔に空洞部形成用材料を充填する工程をさらに備え、
    前記第3の工程と前記第4の工程の間、又は前記第4の工程の後に、
    前記空洞部形成用材料を消失させる工程をさらに備えたことを特徴とする、請求項12に記載の、ESD保護デバイスの製造方法。
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