JP2017073257A - 静電気放電保護デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

静電気放電保護デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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央光 本郷
Hisamitsu Hongo
央光 本郷
鷲見 高弘
Takahiro Washimi
高弘 鷲見
武 三木
Takeshi Miki
武 三木
足立 淳
Atsushi Adachi
淳 足立
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Abstract

【課題】良好な初期絶縁性を有し、2kVの比較的低い放電電圧において良好な動作率を有し、かつ高い信頼性を有する静電気放電保護デバイスを提供する。
【解決手段】絶縁性基材と、これに接するように配置される第1及び第2の放電電極と、絶縁性基材の外表面に設けられる第1及び第2の外部電極と、第1及び第2の放電電極が互いに対向している領域において、第1の放電電極と第2の放電電極とにまたがって存在する放電補助電極とを含む、ESD保護デバイスであって、放電補助電極は少なくとも半導体粒子及び金属粒子を含み、金属粒子の平均粒径が0.1μm以上0.3μm未満であり、放電補助電極の断面における金属粒子が占める面積の比率が15%以上40%以下である、ESD保護デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器を静電気放電による破壊から保護する静電気放電保護デバイスおよびその製造方法に関する。
静電気放電(ESD:electro-static discharge)による電子機器の破壊、誤作動等を防止するために、静電気放電保護デバイス(ESD保護デバイス)が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、セラミック多層基板と、セラミック多層基板の内部に形成された空洞部と、空洞部の内に間隔を設けて先端同士が対向するように配置された対向部を有する、少なくとも1対の放電電極と、セラミック多層基板の表面に形成され、放電電極と接続される外部電極と、を有するESD保護デバイスが開示されている。特許文献1に記載のESD保護デバイスにおいて、セラミック多層基板は、放電電極の設けられた表面近傍であって、少なくとも放電電極の対向部及び対向部間の部分に隣接して配置される、金属材料とセラミック材料とを含む混合部を備えており、混合部は、金属材料の含有率が10vol%以上、50vol%以下である。
特許文献2には、互いに対向するように配置された第1および第2の放電電極と、第1および第2の放電電極間に跨るように形成された放電補助電極と、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極を保持する絶縁体基材と、を備えるESD保護デバイスが開示されている。特許文献2に記載のESD保護デバイスにおいて、放電補助電極は、第1の金属を主成分とするコア部と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子の集合体から構成されている。
特許文献3には、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に接続され、且つ非導体粉末と、金属導体粉末と、粘着剤とを含む過電圧保護素子の材料を用いて焼成処理して生成された多孔構造とを含む過電圧保護素子が開示されている。
国際公開第2008/146514号 国際公開第2013/011821号 特開2008−85284号公報
近年、電子機器の高性能化に伴い、静電気放電による電子機器の破壊、誤作動等をより確実に防止するために、ESD保護デバイスの放電開始電圧をより一層低くすることが求められている。一方で、通常の使用状態においては、ショート不良の発生を抑制するために、ESD保護デバイスが十分に高い絶縁性(初期絶縁性)を有することが求められている。更に、抵抗値の低下が抑制され、高い信頼性を有することも求められる。
本発明は、良好な初期絶縁性を有し、2kVの比較的低い放電電圧において良好な動作率を有し、かつ高い信頼性を有する静電気放電保護デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、ESD保護デバイスにおいて、互いに対向し且つ離隔して配置される2つの放電電極間にまたがって存在する放電補助電極の組成に着目して研究を重ねてきた。その結果、本発明者らは、半導体粒子および金属粒子を含む放電補助電極を使用し、放電補助電極中の金属粒子の平均粒径と、放電補助電極の断面における金属粒子が占める面積の比率とを特定の数値範囲内に設定することにより、良好な初期絶縁性および2kVにおける良好な動作率を達成することができ、更に抵抗値の低下が抑制され、高い信頼性を有し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の要旨によれば、絶縁性基材と、
絶縁性基材に接するように配置される第1および第2の放電電極であって、第1および第2の放電電極は互いに対向し且つ離隔して配置される、放電電極と、
絶縁性基材の外表面に設けられる第1および第2の外部電極であって、第1の外部電極は第1の放電電極と電気的に接続され、第2の外部電極は第2の放電電極と電気的に接続される、外部電極と、
第1および第2の放電電極が互いに対向している領域において、第1の放電電極と第2の放電電極とにまたがって存在する放電補助電極と
を含む、静電気放電保護デバイスであって、
放電補助電極は、少なくとも半導体粒子および金属粒子を含み、金属粒子の平均粒径が0.1μm以上0.3μm未満であり、放電補助電極の断面における金属粒子が占める面積の比率が15%以上40%以下である、静電気放電保護デバイスが提供される。
本発明の第2の要旨によれば、(a)第1のセラミックグリーンシートの一方の主面上に、平均粒径が0.03μm以上0.1μm未満の金属粒子と、半導体粒子と、有機ビヒクルとを含み、かつ金属粒子および半導体粒子を含む非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が15体積%以上40体積%以下である放電補助電極ペーストを適用することにより未焼成の放電補助電極を形成する工程;
(b)放電補助電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、放電電極ペーストを適用することにより第1および第2の未焼成の放電電極を形成する工程であって、第1および第2の未焼成の放電電極は各々、少なくとも一部が未焼成の放電補助電極の上に配置され、かつ未焼成の放電補助電極の上において互いに対向し且つ離隔して配置される、工程;
(c)放電補助電極ペーストおよび放電電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、空洞部形成ペーストを適用する工程であって、空洞部形成ペーストは、第1および第2の未焼成の放電電極が互いに対向している領域を少なくとも覆うように適用される、工程;
(d)放電補助電極ペースト、放電電極ペーストおよび空洞部形成ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、第2のセラミックグリーンシートを積層し、所定の寸法に成型することにより、未焼成の積層体を形成する工程;
(e)未焼成の積層体を焼成することにより、セラミック基材と、第1および第2の放電電極と、放電補助電極と、空洞部とを含む積層体を得る工程;
(f)焼成された積層体の外表面に外部電極ペーストを適用することにより、第1および第2の未焼成の外部電極を形成する工程であって、第1の未焼成の外部電極は第1の放電電極と接するように形成され、第2の未焼成の外部電極は第2の放電電極と接するように形成される、工程;ならびに
(g)未焼成の第1および第2の外部電極を焼き付け処理に付すことにより第1および第2の外部電極を形成する工程
を含む、静電気放電保護デバイスの製造方法が提供される。
本発明に係る静電気放電保護デバイスは、上記構成を有することにより、良好な初期絶縁性および2kVの比較的低い放電電圧における良好な動作率を有し、更に、抵抗値の低下が抑制され、高い信頼性を有する。また、本発明に係る静電気放電保護デバイスの製造方法は、上記構成を有することにより、良好な初期絶縁性および2kVの比較的低い放電電圧における良好な動作率を有し、かつ抵抗値の低下が抑制され、高い信頼性を有する静電気放電保護デバイスをもたらすことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るESD保護デバイスの構成を示す概略断面図である。 図2は、第1の実施形態に係るESD保護デバイスにおける放電電極の配置を示す模式的平面図である。 図3は、第1の実施形態に係るESD保護デバイスにおける放電電極の配置の第1の変形例を示す模式的平面図である。 図4は、第1の実施形態に係るESD保護デバイスにおける放電電極の配置の第2の変形例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスの構成を示す概略断面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスの構成の第1の変形例を示す概略断面図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスの構成の第2の変形例を示す概略断面図である。 図8は、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスの構成の第3の変形例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は例示を目的とするものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下に説明する構成要素の寸法、材質、形状、相対的配置等は、特定的な記載がない限りは本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。また、各図面が示す構成要素の大きさ、形状、位置関係等は説明を明確にするため誇張していることがある。
図1に、本発明の一の実施形態に係る静電気放電(ESD)保護デバイス1の構成を示す概略断面図を示す。図1に示すESD保護デバイス1は、絶縁性基材10と、絶縁性基材10に接するように配置される第1の放電電極41および第2の放電電極42(まとめて放電電極40とよぶことがある)と、絶縁性基材10の外表面に設けられる第1の外部電極21および第2の外部電極22(まとめて外部電極20とよぶことがある)と、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とにまたがって存在する放電補助電極50とを含む。
本発明に係るESD保護デバイスにおいて、良好な初期絶縁性および比較的低い放電電圧(例えば2kV)での良好な動作率を達成することができるメカニズムは、いかなる理論にも拘束されるものではないが、凡そ以下の通りであると考えられる。図1に示すESD保護デバイス1に放電開始電圧を超える過大な電圧が加わると、放電電極の対向する部分において気中放電および沿面放電が生じる。放電補助電極50は、沿面放電を促進する機能を有する。通常、沿面放電による放電開始電圧は、気中放電による放電開始電圧より低い傾向にある。そのため、放電補助電極50を設けることにより、放電開始電圧を低くすることができる。
本発明に係るESD保護デバイスにおいて、放電補助電極は、金属粒子に加えて半導体粒子を含むことにより、全体として絶縁性を有する。そのため、金属粒子同士が接触することに起因するショートの発生を抑制することができ、良好な初期絶縁性を達成することができる。
更に、放電補助電極中の金属粒子が小さいほど、放電電極の端部と放電補助電極中の金属粒子との間に電界が集中しやすくなり、発生する電界が大きくなる傾向にある。本発明における放電補助電極に含まれる金属粒子は、平均粒径が0.1μm以上0.3μm未満の微細な粒子であるので、発生する電界を大きくすることができる。また、放電補助電極に含まれる金属粒子の量が多いほど、電界が発生するポイント(電界点)を多くすることができる。本発明における放電補助電極は、断面における金属粒子が占める面積の比率が15%以上40%以下であり、多数の金属粒子を含んでいるので、多数の電界点を発生させることができる。本実施形態においては、上述の電界集中に起因して、一方の放電電極(例えば第1の放電電極)の端部においてリーダ・ストリーマ(電子雪崩)が発生し得ると考えられる。本発明における放電補助電極は多数の金属粒子を含んでいるので、リーダ・ストリーマを大量に発生させることができ、リーダ・ストリーマを失速することなく他方の放電電極(例えば第2の放電電極)まで進行させることができる。その結果、本発明に係るESD保護デバイスは、放電電極間の沿面放電を効果的に発生させることができるので、比較的低い放電電圧(例えば2kV)における良好な動作率を達成することができる。
一方、本発明に係るESD保護デバイスが高い信頼性を達成することができるメカニズムは、いかなる理論にも拘束されるものではないが、凡そ以下の通りであると考えられる。放電補助電極の内部において、金属粒子同士が近接する箇所が絶縁性低下の起点となっていると考えられる。金属粒子のサイズが大きいと、放電補助電極内部において局所的に金属粒子同士が近接する部分が生じやすく、絶縁性の低下に起因する信頼性の低下がおこるおそれがあり得る。これに対し、金属粒子のサイズが小さいと、放電補助電極内部において金属粒子が比較的均一に分布し得、金属粒子同士が局所的に近接しにくくなるので、絶縁性の低下に起因する信頼性の低下がおこりにくくなると考えられる。本発明における放電補助電極に含まれる金属粒子は、平均粒径が0.1μm以上0.3μm未満の微細な粒子であるので、絶縁性の低下を効果的に抑制することができ、高い信頼性を達成することができる。
加えて、放電電極間の領域に存在する気体が希ガス等の電離しやすい気体である場合、気体分子の電離が発生しやすくなり、大量の気体イオンを発生させることができる。その結果、放電電極間の沿面放電をより一層効果的に発生させることができ、比較的低い放電電圧(例えば2kV)における動作率をより一層向上させることができる。
[第1の実施形態に係るESD保護デバイス]
図1に、本発明の第1の実施形態に係る静電気放電保護デバイス(ESD保護デバイス)の概略断面図を示す。図1に示すESD保護デバイス1は、絶縁性基材10と、絶縁性基材10に接するように配置される第1の放電電極41および第2の放電電極42と、絶縁性基材10の外表面に設けられる第1の外部電極21および第2の外部電極22と、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とにまたがって存在する放電補助電極50とを含む。本実施形態に係るESD保護デバイス1は、空洞部30を更に含む。なお、本明細書において、図1に示すように、第1および第2の放電電極が略延在している方向に対して平行な方向を長さ方向(L方向)、水平面内において長さ方向に対して垂直な方向を幅方向(W方向)、長さ方向および幅方向に対して垂直な方向を厚さ方向(T方向)とよぶ。また、L方向に対して垂直な面をWT面、W方向に対して垂直な面をLT面、T方向に対して垂直な面をLW面とよぶことがある。
(絶縁性基材)
絶縁性基材10は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばセラミック基材であってよい。絶縁性基材10がセラミック基材である場合、セラミック基材として常套的なセラミック材料を適宜用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、絶縁性基材(セラミック基材)10として、Ba、Al、Siを主成分として含むセラミック材料(BAS材)、およびガラスセラミックス等の低温焼結セラミックス(LTCC:Low Temperature Cofirable Ceramics)、磁性体セラミック等を用いることができる。本実施形態において、絶縁性基材10は、空洞部30の上側の基材と、空洞部30の下側の基材とで構成される。空洞部30の上側の基材および下側の基材はそれぞれ、単一の層で構成されてよく、あるいは複数の層で構成されてよい。空洞部30の上側の基材および/または下側の基材が複数の層で構成される場合、それぞれの層は同じ組成を有してよく、または異なる組成を有してもよい。また、本実施形態において、絶縁性基材10としてセラミック基材の代わりに樹脂等の絶縁性基材(樹脂基材)を用いてもよい。
(放電電極)
第1の放電電極41および第2の放電電極42は、絶縁性基材10に接するように配置される。本実施形態において、第1の放電電極41および第2の放電電極42は、絶縁性基材10の内部に配置される。第1の放電電極41と第2の放電電極42とは、互いに対向し且つ離隔して配置される。本実施形態において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とは、絶縁性基材10の内部に設けられる空洞部30内において、互いに対向し且つ離隔して配置される。図1に記載のESD保護デバイス1において、第1の放電電極41および第2の放電電極42の互いに対向している側の端部は、空洞部30の内側に沿って配置されている。なお、本明細書においては、第1の放電電極41と第2の放電電極42とで構成される一対の放電電極40を含むEDS保護デバイス1を例として説明するが、本実施形態に係るESD保護デバイスは2対以上の放電電極を含んでもよい。本実施形態に係るESD保護デバイスが2対以上の放電電極を含む場合、各々の放電電極の対に対応する追加の空洞部および放電補助電極を適宜設けることができる。
図2は、図1に示すESD保護デバイス1のA−A線断面図であり、ESD保護デバイスにおける放電電極の配置の一例を模式的に示している。図2に示す配置において、第1の放電電極41の一方の端面と、第2の放電電極42の一方の端面とが、互いに対向し且つ離隔して配置される。本明細書において、「放電電極間距離」は、放電電極と放電補助電極とが接する面における、第1の放電電極と第2の放電電極との最短距離を意味する。図2に示す配置において、放電電極間距離43は、第1の放電電極41および第2の放電電極42の、互いに対向している端面間の距離を意味する。尤も、本実施形態に係るEDS保護デバイスにおいて、放電電極の配置は、図1および図2に示す配置に限定されるものではなく、用途に応じて適宜変更することができる。
本実施形態に係るESD保護デバイスにおける放電電極の配置の第1の変形例を図3に示す。図3は、図2と同様に、厚さ方向に対して垂直な断面(LW面)における放電電極の配置を模式的に示すものである。図3に示す配置において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とは、LW面上で互いに平行に配置され、第1の放電電極41の一方の側面の一部と、第2の放電電極42の一方の側面の一部とが、互いに対向し且つ離隔して配置されている。図3に示す配置において、放電電極間距離43は、第1の放電電極41および第2の放電電極42の、互いに対向している側面間の距離を意味する。
本実施形態に係るESD保護デバイスにおける放電電極の配置の第2の変形例を図4に示す。図4は、図1と同様に、幅方向に対して垂直な断面(LT面)における放電電極の配置を模式的に示すものである。図4に示す配置において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とは、LT面上で互いに平行に配置され、第1の放電電極41の上面の一部と第2の放電電極42の下面の一部とが、互いに対向し且つ離隔して配置されている。図4に示す配置において、放電電極間距離43は、放電電極が互いに対向している部分における、第1の放電電極41の上面と第2の放電電極42の下面との間の距離を意味する。
第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域における放電電極間距離43は、10〜50μmであることが好ましい。放電電極間距離43が10μm以上であると、後述するようにスクリーン印刷によって放電電極ペーストを適用する場合、放電電極ペーストの適用を好適に行うことができる。放電電極間距離43が50μm以下であると、2kVにおける放電率をより一層向上させることができる。このように、放電電極間距離が上記範囲内であると、良好なESD保護特性を有するESD保護素子を得ることができる。
第1の放電電極41および第2の放電電極42の組成は特に限定されるものではなく、例えば、Cu、Ni、Ag、Pdおよびこれらの合金ならびに上述のいずれかの組み合わせを含んでよい。
(空洞部)
絶縁性基材10の内部に空洞部30が設けられる。空洞部30の寸法および形状は、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが空洞部30内で互いに対向し且つ離隔して配置されるようなものであれは特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、空洞部の上部が曲面になっている形状の他、矩形、円柱形等の形状を適宜選択することができる。
空洞部30は、Ne、Ar等の希ガスを含むことが好ましい。希ガスは電離しやすいので、より多くの気体イオンを発生させることができる。その結果、沿面放電がより一層効果的に発生し、比較的低い放電電圧(例えば2kV)における動作率をより一層高くすることができる。空洞部30は、希ガスとしてArを含むことがより好ましい。Arは、希ガスの中でも比較的電離しやすく、且つ比較的安価であるため、良好なESD保護特性を有するESD保護デバイスを低コストで得ることができる。空洞部30における希ガスの存在量は、沿面放電を効果的に促進し得る程度に適宜調節することができる。
(外部電極)
第1の外部電極21および第2の外部電極22は、絶縁性基材10の外表面に設けられる。第1の外部電極21は第1の放電電極41と電気的に接続され、第2の外部電極22は第2の放電電極42と電気的に接続される。第1の外部電極21および第2の外部電極22の組成は特に限定されるものではないが、例えば、Cu、Ag、Pd、Ni等およびこれらの合金、ならびに上述のいずれかを組み合わせたものが挙げられる。金属材料は粒子状であってよく、例えば球状、扁平状等またはこれらの組み合わせであってよい。第1の外部電極21および第2の外部電極22には、金属材料に加えてガラス材料が添加されていてよい。ガラス材料としては、1種類を単独で用いてよく、軟化点が異なるガラス材料を組み合わせて用いてもよい。
(放電補助電極)
放電補助電極50は、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とにまたがって存在する。放電補助電極50は、少なくとも半導体粒子および金属粒子を含む。放電補助電極50において、金属粒子および半導体粒子は各々分散して存在しており、放電補助電極50全体として絶縁性を有する。図1に示す実施形態において、放電補助電極50は、空洞部30の内面に沿って配置され、第1の放電電極41および第2の放電電極42の一部と接している。
放電補助電極50に含まれる金属粒子の平均粒径は0.1μm以上0.3μm未満である。後述するように、原料の金属粒子の平均粒径は0.03μm以上であるとハンドリングが容易になるので好ましい。原料の金属粒子として平均粒径が0.03μm以上の金属粒子を用いる場合、条件にもよるが、得られるESD保護デバイスにおいて、金属粒子の平均粒径は通常、0.1μm以上になり得る。平均粒径が0.3μm未満であると、良好な初期絶縁性、比較的低電圧(例えば2kV)における良好な動作率および高信頼性を達成することができる。放電補助電極50中に含まれる金属粒子の平均粒径は、例えば、放電補助電極の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)像(反射電子像)を撮影し、得られた画像内に写っている金属粒子の内、粒子全体が画像内に含まれているものについて、その長辺の長さを測定し、測定した長辺の長さの平均値を計算することによって求めることができる。
放電補助電極50の断面において金属粒子が占める面積の比率(以下、単に「面積比率」とも称する)は、15%以上40%以下である。存在密度が15%以上であると、比較的低電圧(例えば2kV)における良好な動作率を達成することができる。金属粒子の面積比率が高いほど、得られるESD保護デバイスの特性が向上する傾向にあるが、良好な初期絶縁性および2kVにおける良好な動作率を達成するためには、金属粒子が40%以下の面積比率で存在すれば十分である。また、金属粒子の面積比率が40%以下であると、ESD保護デバイスの信頼性を向上させることができる。本明細書において、放電補助電極50の断面において金属粒子が占める面積の比率は、例えば、放電補助電極50の断面について、波長分散型X線分光分析(WDX)による元素分析を行なうことにより求めることができる。WDXによる元素分析は、放電補助電極50の断面における任意の領域(例えば、面積50μmの領域)において行ってよい。但し、金属粒子の面積比率を測定する領域の面積は50μmに限定されず、面積比率の測定は、放電補助電極の任意の断面における任意の面積の領域において行ってよい。放電補助電極の断面において金属粒子が占める面積の比率は、放電補助電極のいずれの断面においても実質的に同じであるとみなして差し支えない。
放電補助電極50に含まれる金属粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、Cu、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W、Moからなる群から選択される少なくとも1種類の金属および/またはこれらの合金を含む粒子であってよい。放電補助電極50において、1種類の金属粒子を単独で用いてよく、複数の種類の金属粒子を組み合わせて用いてもよい。金属粒子は、Cu粒子であることが好ましい。Cuは安価であり、また、仕事関数が小さいので沿面放電を効果的に発生させることができる。そのため、金属粒子としてCu粒子を用いることにより、ESD保護特性に優れたESD保護デバイスを低コストで得ることができる。なお、本明細書において、金属粒子が例えば「Cu粒子である」とは、その金属粒子の主成分がCuであることを意味し、例えば、金属粒子の90重量%以上がCuであることを意味する。金属粒子の構成成分は、例えば、TEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)により定量することができる。
放電補助電極50に含まれる半導体粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、Si、Ge等の金属半導体、SiC、TiC、ZrC、MoC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、CrN、VN、TaN等の窒化物、TiSi、ZrSi、WSi、MoSi、CrSi等のケイ化物、TiB、ZrB、CrB、LaB、MoB、WB等のホウ化物、ZnO、SrTiO等の酸化物からなる群から選択される少なくとも1種類を含む粒子であってよい。放電補助電極50において、1種類の半導体粒子を単独で用いてよく、複数の種類の半導体粒子を組み合わせて用いてもよい。半導体粒子は、SiC粒子であることが好ましい。SiCは安価であり且つ高温安定性に優れている。そのため、半導体粒子としてSiC粒子を用いることにより、ESD印加時のショート耐性に優れたESD保護デバイスを低コストで得ることができる。また、半導体粒子としてSiC粒子を用いた場合、SiC粒子は電子の受容体や供与体として作用し得るため、沿面放電による放電開始電圧をより一層低くすることができる。その結果、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより一層向上したESD保護デバイスを得ることができる。なお、本明細書において、半導体粒子が例えば「SiC粒子である」とは、その半導体粒子の主成分がSiCであることを意味し、例えば、半導体粒子の90重量%以上がSiCであることを意味する。半導体粒子の構成成分は、例えば、TEM-EDXにより定量することができる。
放電補助電極50は、絶縁性粒子を更に含むことが好ましい。放電補助電極50が絶縁性粒子を有する場合、焼成時における金属粒子の焼結を抑制することができるので、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより高いESD保護デバイスを得ることができる。また、放電補助電極50が絶縁性粒子を有する場合、焼成時における半導体粒子同士の焼結を抑制することができ、かつESD印加時における半導体粒子同士の焼結を抑制することができるので、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより高く、かつESD印加時のショート耐性に優れたESD保護デバイスを得ることができる。
絶縁性粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、Al、TiO、ZrO、SiO等からなる群から選択される少なくとも1種類を含む粒子であってよい。放電補助電極50において、1種類の絶縁性粒子を単独で用いてよく、複数の種類の絶縁性粒子を組み合わせて用いてもよい。絶縁性粒子は、例えばAl粒子であってよい。Alは安価であるため、ESD保護デバイスを低コストで得ることができる。また、半導体粒子がSiC粒子であり且つ金属粒子がCu粒子である場合、Cu成分がSiC粒子表面に存在するSiO被膜に拡散することにより、SiO被膜の粘度が低下し、その結果、焼成時にCu粒子および/またはSiC粒子が焼結しやすくなる。これに対し、放電補助電極50が絶縁性粒子としてAl粒子を含む場合、Cu成分がSiC粒子表面に存在するSiO被膜に拡散するのを抑制することができ、SiO被膜の粘度の低下が防止できる。その結果、半導体粒子(SiC粒子)および/または金属粒子(Cu粒子)の焼結を効果的に抑制することができ、ESD保護特性の優れたESD保護デバイスを得ることができる。なお、本明細書において、絶縁性粒子が例えば「Al粒子である」とは、その絶縁性粒子の主成分がAlであることを意味し、例えば、絶縁性粒子の90重量%以上がAlであることを意味する。絶縁性粒子の構成成分は、例えば、TEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)により定量することができる。
放電補助電極の構成成分は、例えば、マイクロフォーカスX線解析により同定することができる。
[第2の実施形態に係るESD保護デバイス]
次に、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスについて、図5を参照して以下に説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイス1の構成を示す概略断面図である。図5に示すESD保護デバイス1は、絶縁性基材10と、絶縁性基材10に接するように配置される第1の放電電極41および第2の放電電極42と、絶縁性基材10の外表面に設けられる第1の外部電極21および第2の外部電極22と、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域において、第1の放電電極41と第2の放電電極42とにまたがって存在する放電補助電極50とを含む。本実施形態に係るESD保護デバイス1において、第1の放電電極41および第2の放電電極42は、絶縁性基材10の外表面に配置される。以下、第2の実施形態について第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、特に説明のない限り第1の実施形態と同様の説明が当て嵌まるものとする。
(放電電極)
本実施形態において、放電電極40は、絶縁性基材10の外表面に沿って配置される。図5に示すESD保護デバイス1において、第1の放電電極41および第2の放電電極42は、第1の実施形態において説明した図2に示す配置と同様に、第1の放電電極41の一方の端面と、第2の放電電極42の一方の端面とが互いに対向し且つ離隔するように配置される。尤も、本実施形態に係るEDS保護デバイスにおいて、放電電極の配置は、このような配置に限定されるものではなく、用途に応じて適宜変更することができる。例えば、第1の放電電極41および第2の放電電極42は、第1の実施形態において説明した図3に示す配置と同様に、第1の放電電極41と第2の放電電極42とがLW面上で互いに平行になるように、かつ第1の放電電極41の一方の側面の一部と、第2の放電電極42の一方の側面の一部とが互いに対向し且つ離隔するように配置されてよい。なお、本明細書においては、第1の放電電極41と第2の放電電極42とで構成される一対の放電電極40を含むEDS保護デバイス1を例として説明するが、本実施形態に係るESD保護デバイスは、2対以上の放電電極を含んでもよい。本実施形態に係るESD保護デバイスが2対以上の放電電極を含む場合、各々の放電電極の対に対応する追加の放電補助電極を適宜設けることができる。更に、本発明に係るESD保護デバイスは、絶縁性基材の内部に配置される少なくとも1対の放電電極と、絶縁性基材の外表面に配置される少なくとも一対の放電電極とを組み合わせた構成を有することもできる。
本実施形態に係るESD保護デバイスの第1の変形例を図6に示す。図6に示すように、ESD保護デバイス1は、第1の放電電極41、第2の放電電極42および放電補助電極50の上に配置される樹脂層60を更に含んでよい。樹脂層60は、周囲環境の影響による放電電極40および/または放電補助電極50の酸化等の劣化を防止し、ESD保護デバイス1の信頼性を向上させる機能を有する。
樹脂層60は、図6に示すように単一の層で構成されてよいが、異なる2以上の層で構成されてもよい。図7は、本実施形態に係るESD保護デバイスの第2の変形例を示す。この変形例において、樹脂層60は、第1の樹脂層61および第2の樹脂層62で構成される。第1の樹脂層61は、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが互いに対向している領域に配置され、第2の樹脂層62は、第1の樹脂層61の上に配置される。
図8に、本実施形態に係るESD保護デバイスの第3の変形例を示す。図8に示すESD保護デバイス1は、第1の放電電極41および第2の放電電極42の上に配置される樹脂層60と、樹脂層60内に形成される空洞部30とを更に含み、第1の放電電極41と第2の放電電極42とは、空洞部30内において互いに対向し且つ離隔して配置されている。空洞部30の寸法および形状は、第1の放電電極41と第2の放電電極42とが空洞部30内で互いに対向し且つ離隔して配置されるようなものであれは特に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、空洞部の上部が曲面になっている形状の他、矩形、円柱形等の形状を適宜選択することができる。空洞部30は、Ne、Ar等の希ガスを含むことが好ましい。希ガスは電離しやすいので、より多くの気体イオンを発生させることができる。その結果、沿面放電がより一層効果的に発生し、比較的低い放電電圧(例えば2kV)における動作率をより一層高くすることができる。空洞部30は、希ガスとしてArを含むことがより好ましい。Arは、希ガスの中でも比較的電離しやすく、且つ比較的安価であるため、良好なESD保護特性を有するESD保護デバイスを低コストで得ることができる。
[第1の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法]
以下に、本発明の第1の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法の一例について説明するが、本発明は、以下に示す方法に限定されるものではない。本実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法は、以下に説明する工程(a)〜(g)を少なくとも含む。
[工程(a)]
工程(a)は、第1のセラミックグリーンシートの一方の主面上に、金属粒子と、半導体粒子と、有機ビヒクルとを含む放電補助電極ペーストを適用することにより未焼成の放電補助電極を形成する工程である。
(セラミックグリーンシートの調製)
セラミック基材を形成するためのセラミックグリーンシートは、以下の手順で調製することができる。セラミック材料と、トルエン、エキネン等の有機溶媒とを混合し、この混合物にバインダー、可塑剤等を加えて更に混合してスラリーを得る。このスラリーをドクターブレード法等により成形し、所定の厚さのセラミックグリーンシートを得る。セラミック材料としては、例えば、Ba、AlおよびSiを主成分として含有するセラミック材料(BAS材)を用いることができる。
(放電補助電極ペーストの調製)
放電補助電極を形成するための放電補助電極ペーストは、下記の手順で調製することができる。半導体粒子と、金属粒子と、ターピネオール等の有機溶媒中にエチルセルロース等のバインダーを溶解して得られる有機ビヒクルと、場合により半導体粒子や金属粒子の分散剤とを所定の割合で調合し、三本ロール等を用いて混合することにより、放電補助電極ペーストを調製する。
放電補助電極ペーストにおいて用いられる金属粒子(「原料の金属粒子」ともよぶ)の平均粒径は0.03μm以上0.1μm未満である。平均粒径が0.03μm以上であると、ハンドリングが容易であり、また、金属粒子の望ましくない酸化を抑制することができる。平均粒径が0.1μm未満であると、得られるESD保護デバイスの放電補助電極に含まれる金属粒子の平均粒径および面積比率を上述の適切な数値範囲内にすることができ、優れたESD保護特性を有するESD保護デバイスを得ることができる。なお、原料の金属元素の平均粒径が大きいほど、得られるESD保護デバイスの放電補助電極に含まれる金属粒子の平均粒径は大きくなる傾向にある。原料の金属粒子の平均粒径は、例えば、金属粒子のSEM像を撮像し、得られた画像の頂点から1本の対角線を引き、対角線と交わった全ての金属粒子に関して長辺の長さを測定し、測定した長辺の長さの平均値を計算することにより求めることができる。
放電補助電極ペースト中に含まれる非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率は、15〜40体積%である。本明細書において、「非燃焼性成分」とは、放電補助電極ペーストに含まれる成分のうち、工程(e)の焼成において揮発、燃焼等によりガスとして失われず、得られるESD保護デバイスにおいて放電補助電極を構成する成分を意味する。例えば、放電補助電極ペーストが金属粒子、半導体粒子および有機ビヒクルのみを含む場合、「非燃焼性成分」とは、金属粒子および半導体粒子を意味する。放電補助電極ペーストが金属粒子、半導体粒子および有機ビヒクルに加えて後述の絶縁性粒子を含む場合、「非燃焼性成分」とは、金属粒子、半導体粒子および絶縁性粒子を意味する。非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が15体積%以上であると、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率に優れたESD保護デバイスを得ることができる。非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が40体積%以下であると、工程(e)における金属粒子同士の焼結を抑制することができ、ESD保護特性に優れたESD保護デバイスを得ることができる。非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率は、好ましくは30〜40体積%である。体積分率が30体積%以上であると、比較的低電圧(例えば2kV)におけるESD保護デバイスの動作率をより一層向上させることができる。
原料の金属粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、Cu、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W、Moからなる群から選択される少なくとも1種類の金属および/またはこれらの合金を含む粒子であってよい。原料の金属粒子として、1種類の金属粒子を単独で用いてよく、複数の種類の金属粒子を組み合わせて用いてもよい。原料の金属粒子は、Cu粒子であることが好ましい。原料の金属粒子がCu粒子であると、ESD保護特性に優れたESD保護デバイスを低コストで得ることができる。なお、本明細書において、例えば「原料の金属粒子がCu粒子である」とは、原料の金属粒子の主成分がCuであることを意味し、具体的には、原料の金属粒子の90重量%以上がCuであることを意味する。原料の金属粒子の組成は、例えば、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分析)法および酸素・窒素分析装置を用いた不活性ガス融解法により同定することができる。
放電補助電極ペーストにおいて用いられる半導体粒子(「原料の半導体粒子」ともよぶ)の比表面積は、3m/g以上であることが好ましい。比表面積が3m/g以上であると、得られたESD保護デバイスにおいて沿面放電をより一層効果的に発生させることができ、比較的低電圧(例えば2kV)におけるESD保護デバイスの動作率を向上させることができる。原料の半導体粒子の比表面積は、より好ましくは7〜15m/gである。比表面積が7m/g以上であると、ESD保護特性のバラツキを小さくすることができる。比表面積が15m/g以下であると、放電補助電極ペースト中に原料の半導体粒子を均一に分散させることが容易であり、ESD保護特性のばらつきをより効果的に抑制することができる。半導体粒子の比表面積は、例えば、窒素ガスによるBET1点法で測定することができる。
原料の半導体粒子は、粉砕品であることが好ましい。半導体粒子が粉砕品である場合、半導体粒子は不定形の形状を有し、粒子表面が部分的に尖った形状を有する。半導体粒子が不定形であると、半導体粒子の表面から電子が放出されやすくなり、沿面放電をより効果的に発生させることができる。従って、半導体粒子が粉砕品であると、比較的低い放電電圧(例えば2kV)における動作率がより一層向上したESD保護デバイスを得ることができる。
原料の半導体粒子は、特に限定されるものではなく、例えば、Si、Ge等の金属半導体、SiC、TiC、ZrC、MoC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、CrN、VN、TaN等の窒化物、TiSi、ZrSi、WSi、MoSi、CrSi等のケイ化物、TiB、ZrB、CrB、LaB、MoB、WB等のホウ化物、ZnO、SrTiO等の酸化物からなる群から選択される少なくとも1種類を含む粒子であってよい。原料の半導体粒子として、1種類の半導体粒子を単独で用いてよく、複数の種類の半導体粒子を組み合わせて用いてもよい。原料の半導体粒子は、SiC粒子であることが好ましい。半導体粒子としてSiC粒子を用いることにより、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより一層向上し、ESD印加時のショート耐性に優れたESD保護デバイスを低コストで得ることができる。なお、本明細書において、例えば「原料の半導体粒子がSiC粒子である」とは、原料の半導体粒子の主成分がSiCであることを意味し、具体的には、原料の半導体粒子の90重量%以上がSiCであることを意味する。原料の半導体粒子の組成は、例えば、XRD(X線回折装置)による定性分析と、ICP−AES法および炭素・硫黄分析装置を用いた酸素気流中燃焼高周波加熱炉方式赤外線吸収法とを組み合わせることにより同定することができる。
放電補助電極ペーストは、絶縁性粒子(「原料の絶縁性粒子」ともよぶ)を更に含むことが好ましい。放電補助電極ペーストが絶縁性粒子を含む場合、工程(e)の焼成時における金属粒子の焼結を抑制することができるので、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより高いESD保護デバイスを得ることができる。また、放電補助電極ペーストが絶縁性粒子を含む場合、工程(e)の焼成時における半導体粒子同士の焼結を抑制することができ、かつ得られたESD保護デバイスにおいて、ESD印加時における半導体粒子同士の焼結を抑制することができる。そのため、放電補助電極ペーストが絶縁性粒子を含む場合、比較的低電圧(例えば2kV)における動作率がより高く、かつESD印加時のショート耐性に優れたESD保護デバイスを得ることができる。なお、放電補助電極ペーストが絶縁性粒子を更に含む場合であっても、金属粒子、半導体粒子および絶縁性粒子を含む非燃焼性成分全体に対する前記金属粒子の体積分率は、15〜40体積%であることが好ましい。
原料の絶縁性粒子の比表面積は、20m/g以上であることが好ましい。比表面積が20m/g以上であると、金属粒子および半導体粒子の焼結を抑制する効果が高く、絶縁性粒子の添加量が少ない場合であっても、焼結抑制効果を発揮することができる。原料の絶縁性粒子の比表面積は、より好ましくは30〜60m/gである。比表面積が30m/g以上であると、少量の添加によって金属粒子および半導体粒子の焼結をより一層抑制することができる。比表面積が60m/g以下であると、放電補助電極ペースト中に原料の絶縁性粒子を均一に分散させることが容易であり、ESD保護特性のばらつきをより効果的に抑制することができる。絶縁性粒子の比表面積は、例えば、窒素ガスによるBET1点法で測定することができる。
原料の絶縁性粒子は、Al、TiO、ZrO、SiO等からなる群から選択される少なくとも1種類を含む粒子であってよい。原料の絶縁性粒子として、1種類の絶縁性粒子を単独で用いてよく、複数の種類の絶縁性粒子を組み合わせて用いてもよい。原料の絶縁性粒子は、Al粒子であることが好ましい。原料の絶縁性粒子がAl粒子であると、ESD保護特性の優れたESD保護デバイスを低コストで得ることができる。なお、本明細書において、例えば「原料の絶縁性粒子がAl粒子である」とは、原料の絶縁性粒子の主成分がAlであることを意味し、具体的には、原料の絶縁性粒子の90重量%以上がAlであることを意味する。原料の絶縁性粒子の組成は、例えば、XRDによる定性分析と、ICP−AES法とを組み合わせることにより同定することができる。
(放電補助電極ペーストの適用)
第1のセラミックグリーンシートの一方の主面上に、放電補助電極ペーストを所定のパターンで適用する。放電補助電極ペーストの適用方法は特に限定されるものではなく、スクリーン印刷等の方法を適宜選択することができる。以下、セラミックグリーンシートに適用された放電補助電極ペーストを「未焼成の放電補助電極」ともよぶ。
[工程(b)]
工程(b)は、放電補助電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、放電電極ペーストを適用することにより第1および第2の未焼成の放電電極を形成する工程である。
(放電電極ペーストの調製)
放電電極を形成するための放電電極ペーストは、以下の手順で調製することができる。所定の平均粒径の金属粒子および/または合金粒子と、ターピネオール等の有機溶媒中にエチルセルロース等のバインダーを溶解して得られる有機ビヒクルとを所定の割合で調合し、三本ロール等を用いて混合することにより放電電極ペーストを調製する。金属粒子および/または合金粒子としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pdおよびこれらの合金ならびに上述のいずれかの組み合わせを用いてよいが、これに限定されるものではない。
(放電電極ペーストの適用)
放電補助電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、放電電極ペーストを所定のパターンで適用する。以下、セラミックグリーンシートに適用された放電電極ペーストを「未焼成の放電電極」、あるいは「第1の未焼成の放電電極」および「第2の未焼成の放電電極」ともよぶ。第1および第2の未焼成の放電電極は各々、少なくとも一部が未焼成の放電補助電極の上に配置され、かつ未焼成の放電補助電極の上において互いに対向し且つ離隔して配置される。このとき、第1の未焼成の放電電極と第2の未焼成の放電電極との間隔は、得られるEDS保護デバイスにおける放電電極間距離が所望の値となるように、適宜調節することができる。放電電極ペーストの適用方法は特に限定されるものではなく、スクリーン印刷等の方法を適宜選択することができる。
[工程(c)]
工程(c)は、放電補助電極ペーストおよび放電電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、空洞部形成ペーストを適用する工程である。
(空洞部形成ペーストの調製)
空洞部を形成するための空洞部形成ペーストを調製する。空洞部形成ペーストとしては、焼成時に分解して消失する樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン、エチルセルロース、アクリル樹脂等を用いることができる。具体的には、一例として、所定の平均粒径の架橋アクリル樹脂ビーズと、ターピネオール等の有機溶媒中にエチルセルロース等のバインダーを溶解して得られる有機ビヒクルとを所定の割合で調合し、三本ロール等を用いて混合することにより空洞部形成ペーストを調製することができる。
(空洞部形成ペーストの適用)
放電補助電極ペーストおよび放電電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、空洞部形成ペーストを所定のパターンで適用する。空洞部形成ペーストは、第1および第2の未焼成の放電電極が互いに対向している領域を少なくとも覆うように適用される。空洞部形成ペーストの適用方法は特に限定されるものではなく、スクリーン印刷等の方法を適宜選択することができる。
なお、上述の放電補助電極ペースト、放電電極ペーストおよび空洞部形成ペーストの各々の適用厚さが大きい場合、第1のセラミックグリーンシートに予め設けた凹部に各ペーストを順次充填するようにして、各ペーストの適用を行ってもよい。
[工程(d)]
工程(d)は、放電補助電極ペースト、放電電極ペーストおよび空洞部形成ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、第2のセラミックグリーンシートを積層し、所定の寸法に成型することにより、未焼成の積層体を形成する工程である。第1のセラミックグリーンシートおよび第2のセラミックグリーンシートは、同じ種類であってよく、異なる種類であってもよい。このように積層された第1および第2のセラミックグリーンシートの上下に、別のセラミックグリーンシートを1以上積層してもよい。この場合、積層されたセラミックグリーンシートはそれぞれ、同じ種類であってよいが、異なる2以上の種類のセラミックグリーンシートを適宜組み合わせることもできる。このようにして得られた積層体(マザー積層体ともよぶ)を、全体の厚さが所定の厚さとなるように圧着する。圧着したマザー積層体を、マイクロカッタ等を用いて所定の寸法に切断することにより、未焼成の積層体が得られる。
[工程(e)]
工程(e)は、未焼成の積層体を焼成することにより、セラミック基材である絶縁性基材と、第1および第2の放電電極と、放電補助電極と、空洞部とを含む積層体を得る工程である。未焼成の積層体を、所定の雰囲気の下で900〜1000℃にて90分間程度焼成する。焼成により、空洞部形成ペーストは分解して揮発し、空洞部が形成される。また、焼成により、セラミックグリーンシートおよび各ペースト中に存在する有機溶媒およびバインダーも分解して揮発する。工程(e)の少なくとも一部は、Ne、Ar等の希ガスを含む雰囲気において行うことが好ましい。希ガスを含む雰囲気の下で工程(e)の少なくとも一部を行うことにより、空洞部内に希ガスが存在するESD保護デバイスを得ることができる。Arは、希ガスの中でも比較的電離しやすく、且つ比較的安価であるため、希ガスとしてArを用いることが好ましい。
更に、工程(e)は、希ガスに加えてHおよびHOを含む雰囲気の下で、酸素分圧PO2をC(炭素)の平衡酸素分圧以上、かつ放電電極ペーストおよび放電補助電極ペーストに含まれる金属粒子の平衡酸素分圧以下に保持しながら行うことが好ましい。このように焼成時の雰囲気を調節することにより、放電電極ペーストおよび放電補助電極ペーストに含まれる金属粒子の酸化を抑制しつつ、セラミックグリーンシートおよび各ペースト中に存在する有機成分の燃焼を促進することができる。
[工程(f)]
工程(f)は、焼成された積層体(チップ)の外表面に外部電極ペーストを適用することにより、第1および第2の未焼成の外部電極を形成する工程である。
(外部電極ペーストの調製)
外部電極を形成するための外部電極ペーストは、以下の手順で調製することができる。所定の平均粒径のCu粉末と、所定の転移点、軟化点および平均粒径を有するホウケイ酸アルカリ系ガラスフリットと、ターピネオール等の有機溶媒中にエチルセルロース等のバインダーを溶解して得られる有機ビヒクルとを所定の割合で調合し、三本ロール等を用いて混合することにより、外部電極ペーストを調製する。
(外部電極ペーストの適用)
外部電極ペーストを、塗布等によりチップの両端部に適用する。チップに適用された外部電極ペーストを「未焼成の外部電極」、あるいは「第1の未焼成の外部電極」および「第2の未焼成の外部電極」ともよぶ。第1の未焼成の外部電極は第1の放電電極と接するように形成され、第2の未焼成の外部電極は第2の放電電極と接するように形成される。このように外部電極ペーストを適用することにより、得られるESD保護デバイスにおいて、第1の外部電極を第1の放電電極と電気的に接続し、第2の外部電極を第2の放電電極と電気的に接続することができる。
[工程(g)]
工程(g)は、未焼成の第1および第2の外部電極を焼き付け処理に付すことにより第1および第2の外部電極を形成する工程である。焼き付け条件は、外部電極ペーストの組成等に応じて適宜調節することができる。形成された外部電極の表面に電解Ni−Snめっき等のめっきを施してもよい。
このようにして得られるESD保護デバイスは、良好な初期絶縁性を有し、かつ2kVの比較的低い放電電圧において良好な動作率を有する。
[第2の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法]
次に、本発明の第2の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法について説明する。以下、第1の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法と異なる点を中心に説明し、特に説明のない限り、第1の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法と同様の説明が当て嵌まるものとする。
第1の実施形態に係るESD保護デバイスの製造方法における工程(a)および(b)と同様の手順で、第1のセラミックグリーンシートの上に放電補助電極ペーストおよび放電電極ペーストを適用する。第1のセラミックグリーンシートは単一の層で構成されてよく、複数の層で構成されてもよい。第1のセラミックグリーンシートが複数の層で構成される場合、各々の層は同じ組成を有してよく、異なる組成を有してもよい。このようにして得られる積層体(マザー積層体)を、全体の厚さが所定の厚さとなるように圧着する。圧着したマザー積層体を、マイクロカッタ等を用いて所定の寸法に切断することにより、未焼成の積層体が得られる。この未焼成の積層体を、焼成することにより、セラミック基材である絶縁性基材と、第1および第2の放電電極と、放電補助電極とを含む積層体を得る。この積層体(チップ)の外表面に、上述の工程(f)および(g)と同様の手順で外部電極を形成する。その後、公知の方法により、積層体の上を樹脂層で覆ってよい。
以上、1対の放電電極(第1および第2の放電電極)を含むESD保護デバイスの製造方法について説明したが、2対以上の放電電極を含むESD保護デバイスについても、上述した製造方法に基づいて、適宜製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係るESD保護デバイスに関連して、例1〜19のESD保護デバイスを下記の手順で作製した。
(セラミックグリーンシートの調製)
Ba、AlおよびSiを主成分として含有するセラミック材料(BAS材)の粉末に、トルエンおよびエキネン(登録商標)を加えて混合した。この混合物にバインダー樹脂および可塑剤を更に加えて混合し、セラミックスラリーを得た。このセラミックスラリーをドクターブレード法により成形して、厚さ50μmのセラミックグリーンシートを得た。
(放電補助電極ペーストの調製)
下記の表1に示す金属粒子、半導体粒子、絶縁粒子および有機ビヒクルを用意した。
Figure 2017073257
金属粒子の組成は、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分析)法および酸素・窒素分析装置(堀場製作所)を用いた不活性ガス融解法により分析し、Cuの含有量が90重量%以上である、即ち金属粒子の主成分がCuであることを確認した。
金属粒子(Cu粒子)の平均粒径を以下の手順で求めた。まず、金属粒子のSEM像(10000倍)を撮像し、得られた画像の頂点から1本の対角線を引き、対角線と交わった全ての金属粒子に関して長辺の長さを測定した。この操作を、異なる領域において撮像した5枚のSEM画像に対して行い、測定した金属粒子の長辺の長さの平均値を算出した。このようにして求めた平均値を、金属粒子の平均粒径とした。
半導体粒子の組成は、XRD(X線回折装置)による定性分析によってSiC結晶を含むことを確認した後、ICP−AES法および炭素・硫黄分析装置(堀場製作所)を用いた酸素気流中燃焼高周波加熱炉方式赤外線吸収法により分析し、SiCの含有量が90重量%以上であることを確認した。
絶縁性粒子の組成は、XRDによる定性分析によってAl結晶を含むことを確認した後、ICP−AES法により分析し、Alの含有量が90重量%以上であることを確認した。
半導体粒子(SiC粒子)および絶縁性粒子(Al粒子)の比表面積は、窒素ガスによるBET1点法で測定した。
表1に記載の金属粒子、半導体粒子、絶縁性粒子および有機ビヒクルを下記の表2に示す割合で含む混合物をそれぞれ、三本ロールで分散させて混合し、P−1〜P−15の放電補助電極ペーストを得た。
Figure 2017073257
(放電電極ペーストの調製)
平均粒径1μmのCu粉末40重量%と、平均粒径3μmのCu粉末40重量%と、有機ビヒクル20重量%とを混合することにより、放電電極ペーストを調製した。なお、放電電極ペーストの調製に用いた有機ビヒクルは、エチルセルロースをターピネオールに溶解することにより調製したものであり、有機ビヒクル中のエチルセルロースの含有量は20重量%であった。
(空洞部形成ペーストの調製)
平均粒径1μmの架橋アクリル樹脂ビーズ38重量%と、ターピネオール中にエトセル樹脂を10重量%溶解した有機ビヒクル62重量%とを調合し、混合することにより、空洞部形成ペーストを調製した。
(外部電極ペーストの調製)
平均粒径1μmのCu粉末80重量%と、転移点が620℃、軟化点が720℃であり、平均粒径が1μmのホウケイ酸アルカリ系ガラスフリット5重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して得た有機ビヒクル15重量%とを調合し、混練することにより、外部電極ペーストを調製した。有機ビヒクル中のエチルセルロースの含有量は20重量%であった。
このようにして調製したセラミックグリーンシート、放電補助電極ペースト、放電電極ペースト、空洞部形成ペーストおよび外部電極ペーストを用いて、以下に説明する手順で例1〜19のESD保護デバイスを作製した。例1〜19のESD保護デバイスは、図1および図2に示す構造と同様の構造を有するものである。
[例1]
[工程(a)]
セラミックグリーンシートの上に、P−1の放電補助電極ペーストを放電補助電極に対応する形状に塗布した。
[工程(b)]
次に、放電電極ペーストを、一対の放電電極ペーストが放電補助電極ペースト上で長さ方向に対向するような形状に塗布した。対向する一対の放電電極ペースト(第1および第2の未焼成の放電電極)間の距離は24μmに設定した。
[工程(c)]
次に、空洞部形成ペーストを、放電電極ペーストの対向部分を覆うように塗布した。
[工程(d)]
このように放電補助電極ペースト、放電電極ペーストおよび空洞部形成ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートの上に新たなセラミックグリーンシートを積層し、その上下に更に新たなセラミックグリーンシートを複数枚積層し、圧着することにより、厚さが0.3mmのマザー積層体を得た。このマザー積層体を、寸法1.0mm×0.5mmの矩形平面形状を有するように厚さ方向に切断することにより、個々のESD保護デバイス単位のチップを得た。得られたチップ(未焼成の積層体)の寸法は、1.0mm(長さL)×0.5mm(幅W)×0.3mm(厚さT)であった。
[工程(e)]
工程(d)で得られたチップを、N/H/HO雰囲気下で、酸素分圧PO2をC(炭素)の平衡酸素分圧以上かつCuの平衡酸素分圧以下に保持しながら焼成した。
[工程(f)]
焼成したチップの両端部に外部電極ペーストを塗布した。外部電極ペーストはチップの両端部においてそれぞれ、チップ内の第1および第2の放電電極と接するように塗布した。
[工程(g)]
チップの両端部に塗布された外部電極ペーストを焼き付けることにより第1および第2の外部電極を形成した。このようにして、例1のESD保護デバイスを得た。
[例2〜15]
放電補助電極ペーストとして、P−1の代わりにP2〜15をそれぞれ用いた以外は例1と同様の手順で、例2〜15のESD保護デバイスを作製した。
[例16]
工程(e)をAr/H/HO雰囲気の下で行った以外は例3と同様の手順で、例16のESD保護デバイスを作製した。
[例17]
工程(e)をAr/H/HO雰囲気の下で行った以外は例9と同様の手順で、例17のESD保護デバイスを作製した。
[例18]
未焼成の放電電極間距離を12μmとした以外は例3と同様の手順で、例18のESD保護デバイスを作製した。
[例19]
未焼成の放電電極間距離を60μmとした以外は例3と同様の手順で、例19のESD保護デバイスを作製した。
例1〜19のESD保護デバイスの作製条件を下記の表3に示す。
Figure 2017073257
得られた例1〜19のESD保護デバイスに関して、以下に示す構造解析を行った。
[放電電極間距離]
ESD保護デバイスをLW面(厚さ方向に対して垂直な面)方向に研磨し、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極を露出させた。露出した第1の放電電極と第2の放電補助電極との間の距離を、顕微鏡を用いて測定した。この操作を各例につき10個のESD保護デバイスについて行い、測定した距離の平均値を求めた。この平均値を「放電電極間距離」とした。
[放電補助電極の構成成分]
ESD保護デバイスをLW面方向に研磨し、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極を露出させた。露出した放電補助電極をマイクロフォーカスX線解析し、得られたピークから放電補助電極の構成成分を同定した。
[放電補助電極中の金属粒子の平均粒径]
ESD保護デバイスをLT面(幅方向に対して垂直な面)方向に1/2W地点(ESD保護デバイスの幅寸法の半分の地点)まで研磨し、放電補助電極の断面を露出させた。露出した放電補助電極部のSEM像(反射電子像、10000倍)を撮影し、得られた画像内に写っている金属粒子の内、粒子全体が画像内に含まれているものについて、その長辺の長さを測定した。この操作を各例につき10個のESD保護デバイスについて行い、測定した長辺の長さの平均値を求めた。この平均値を、放電補助電極における「金属粒子の平均粒径」とした。
[放電補助電極中の金属粒子の面積比率]
ESD保護デバイスをLT面方向に1/2W地点まで研磨し、放電補助電極の断面を露出させた。次に、この断面に対してフラットミリング処理を行なった。さらに、カーボンコーティング処理後、WDX(波長分散型X線分光分析)測定装置(JEOL製 商品名JXA−8530F)を用いて元素分析を行なった。WDXの測定条件を表4に示す。
Figure 2017073257
WDX測定結果におけるCuの強度をアスキー変換し、Cuの強度値が600以上になった部位を金属粒子部と規定し、金属粒子の面積比率を求めた。この操作を各例につき10個のESD保護デバイスについて行い、その平均値を「金属粒子の面積比率」と定義した。
[空洞部内に存在するガスの主成分]
空洞部内に存在するガスの主成分を以下の手順で測定した。各例につきESD保護デバイスを20個用意した。これらのESD保護デバイスを真空中で破壊し、発生したガスに含まれる成分を、質量分析計(Mass Spectrometer、MS)を用いて分析し、空洞部内に存在するガスの主成分を同定した。
例1〜19のESD保護デバイスの構造解析結果を下記の表5に示す。
Figure 2017073257
例1〜5の比較により、放電補助電極ペーストに含まれる非燃焼性成分中の金属粒子の割合が大きいほど、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の面積比率が大きくなったことがわかる。このような傾向は、例13および14の比較からも確認することができる。例3および6〜8の比較により、放電補助電極ペーストに含まれる半導体粒子の比表面積が3〜15m/gである場合、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径および面積比率が同等の値になったことがわかる。
例3および9の比較により、放電補助電極ペーストに絶縁性粒子を添加すると、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径が小さくなったことがわかる。これは、放電補助電極ペーストに絶縁性粒子を添加したことにより、工程(e)における焼成中の金属粒子同士の焼結が抑制されたことに起因すると考えられる。このような傾向は、例14および15の比較からも確認することができる。更に、例9および10の比較により、絶縁性粒子の添加量が増加すると、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径が更に小さくなったことがわかる。
例2、11および13の比較により、放電補助電極ペーストに含まれる金属粒子の平均粒径が大きいほど、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径が大きくなったことがわかる。このような傾向は、例4、12および14の比較からも確認することができる。
例3、9、16および17の比較により、工程(e)における焼成中の雰囲気を変更した場合であっても、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径および面積比率が実質的に変化しなかったことがわかる。
例3、18および19の比較により、放電電極ペーストを塗布して形成される未焼成の放電電極間の距離を調節することにより、得られたESD保護デバイスにおける放電電極間距離を変更することができたことがわかる。
次に、例1〜19のESD保護デバイスについて、以下に示すESD保護特性の評価を行った。
[初期絶縁性]
ESD保護デバイスの外部電極間に15Vの電圧を印加し、外部電極間の抵抗値(IR)を測定した。この操作を各例につき100個のESD保護デバイスに対して行い、抵抗値の平均値を求めた。抵抗値の平均値がlogIR≧7であるものを、初期絶縁性が「良(○)」であると評価し、抵抗値の平均値がlogIR<7であるものを、初期絶縁性が「不良(×)」であると評価した。結果を表6に示す。初期絶縁性が「不良(×)」であると評価したESD保護デバイスは、実用に供し得ないので、後述の2kVの動作率の評価を行わなかった。
[2kVにおける動作率]
2kVにおける動作率は、国際電気標準会議(IEC)の定める規格IEC61000−4−2に基づいて、接触放電法により評価した。ESD保護デバイスの外部電極間に2kVの電圧を印加してピーク電圧値(Vpeak)を測定し、Vpeak≦500Vの場合、放電電極間で放電が開始した、即ちESD保護デバイスが動作したと判定した。この操作を、各例につき100個のESD保護デバイスに対して行い、100個のうち放電が開始したESD保護デバイスの割合を2kVにおける動作率(%)とした。2kVにおける動作率が90%より大きく100%以下であったのものを「非常に良好(◎)」、50%より大きく90%以下であったものを「良(○)」、10%より大きく50%以下であったものを「可(△)」、10%以下であったものを「不良(×)」と評価した。結果を表6に示す。なお、「×」と判定されたESD保護デバイスは、実用に供し得ないものであると考えられる。
[信頼性試験]
以下に説明する手順で信頼性試験を行った。125℃の温度条件の下で、ESD保護デバイスの外部電極間に12.6Vの電圧を65時間印加し、ESD保護デバイスの外部電極間の抵抗値IRを測定した。このIR測定をn=20個のESD保護デバイスに関して行い、その平均値がlogIR≧6であったものを信頼性に問題なしと評価し、表6において「○」で示した。平均値がlogIR<6であったものは、信頼性に問題ありと評価し、表6において「×」で示した。
Figure 2017073257
表6に示すように、例1〜4および6〜19のESD保護デバイスは、良好な初期絶縁性を示した。これに対し、例5のESD保護デバイスは、実用に供し得ない初期絶縁性を示した。例1〜4と例5との比較により、放電補助電極ペースト中の非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が40体積%を超えると、得られたEDS保護デバイスにおいて、放電補助電極における金属粒子の面積比率が40%よりも大きくなり、その結果、初期絶縁性が低下したことがわかる。これは、非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が45体積%と高過ぎたため、焼成過程においてCu粒子が著しく焼結してしまったからであると考えられる。
表6に示すように、例2〜4および6〜19のESD保護デバイスは、2kVにおいて実用に供し得る動作率を示した。これに対し、例1のESD保護デバイスは、2kVにおいて実用に供し得ない動作率を示した。例1と例2〜4との比較より、放電補助電極ペースト中の非燃焼性成分全体に対する金属粒子の体積分率が15体積%より小さいと、得られたEDS保護デバイスにおける放電補助電極中に存在する金属粒子の面積比率が15%より小さくなり、その結果、2kVにおける動作率が低下したことがわかる。
例3および6〜8の比較により、放電補助電極ペーストに含まれる半導体粒子の比表面積が3〜15m/gである場合、2kVにおいて同等の動作率を示したことがわかる。
例9および10の比較より、放電補助電極ペーストに添加した絶縁性粒子の量が増加すると、2kVにおけるESD保護デバイスの動作率が向上したことがわかる。
例2および11の比較により、放電補助電極ペーストに含まれる金属粒子の平均粒子を小さくしたことにより、得られたESD保護デバイスにおける放電補助電極中の金属粒子の平均粒径がより一層小さくなり、その結果、2kVにおいて非常に良好な動作率を達成したことがわかる。
例9と例17との比較により、空洞部がArガスを主成分として含むESD保護デバイスは、空洞部がNガスを主成分として含むESD保護デバイスと比較して、2kVにおける動作率がより一層向上したことがわかる。
例3、18、19より、放電電極間距離を変更した場合であっても、同等の初期絶縁性および2kVにおける動作率を示したことがわかる。
表6に示すように、例1〜4、6〜12および16〜19のESD保護デバイスは、高い信頼性を示した。これに対し、例5および13〜15のESD保護デバイスはlogIRが6より小さく、信頼性が低下した。例5のESD保護デバイスにおいては、放電補助電極中に存在する金属粒子の面積比率が40%より大きかったので、放電補助電極の絶縁性が低下してしまったと考えられる。例13〜15のESD保護デバイスにおいては、放電補助電極中に存在する金属粒子の平均粒径が0.3μmよりも大きかったので、放電補助電極の絶縁性が低下してしまったと考えられる。
本発明に係るESD保護デバイスは良好なESD保護特性を示し、高い信頼性を有するので、ESDに起因する電子機器の損傷および誤作動等を効果的に防止することができる。
1 静電気放電(ESD)保護デバイス
10 絶縁性基材
20 外部電極
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
30 空洞部
40 放電電極
41 第1の放電電極
42 第2の放電電極
43 放電電極間距離
50 放電補助電極
60 樹脂層
61 第1の樹脂層
62 第2の樹脂層

Claims (22)

  1. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材に接するように配置される第1および第2の放電電極であって、前記第1および第2の放電電極は互いに対向し且つ離隔して配置される、放電電極と、
    前記絶縁性基材の外表面に設けられる第1および第2の外部電極であって、前記第1の外部電極は前記第1の放電電極と電気的に接続され、前記第2の外部電極は前記第2の放電電極と電気的に接続される、外部電極と、
    前記第1および第2の放電電極が互いに対向している領域において、前記第1の放電電極と前記第2の放電電極とにまたがって存在する放電補助電極と
    を含む、静電気放電保護デバイスであって、
    前記放電補助電極は、少なくとも半導体粒子および金属粒子を含み、前記金属粒子の平均粒径が0.1μm以上0.3μm未満であり、前記放電補助電極の断面における前記金属粒子が占める面積の比率が15%以上40%以下である、静電気放電保護デバイス。
  2. 前記絶縁性基材がセラミック基材である、請求項1に記載の静電気放電保護デバイス。
  3. 前記絶縁性基材が樹脂基材である、請求項1に記載の静電気放電保護デバイス。
  4. 前記半導体粒子がSiC粒子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  5. 前記金属粒子がCu粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  6. 前記放電補助電極が絶縁性粒子を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  7. 前記絶縁性粒子がAl粒子である、請求項6に記載の静電気放電保護デバイス。
  8. 前記第1および第2の放電電極が互いに対向している領域における放電電極間距離が10μm以上50μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  9. 前記第1および第2の放電電極が前記絶縁性基材の内部に配置され、該第1および第2の放電電極は、前記絶縁性基材の内部に設けられる空洞部内において互いに対向し且つ離隔して配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  10. 前記第1および第2の放電電極が、前記絶縁性基材の外表面に配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電気放電保護デバイス。
  11. 前記空洞部が希ガスを含む、請求項9に記載の静電気放電保護デバイス。
  12. 前記希ガスがArである、請求項11に記載の静電気放電保護デバイス。
  13. (a)第1のセラミックグリーンシートの一方の主面上に、平均粒径が0.03μm以上0.1μm未満の金属粒子と、半導体粒子と、有機ビヒクルとを含み、かつ前記金属粒子および前記半導体粒子を含む非燃焼性成分全体に対する前記金属粒子の体積分率が15体積%以上40体積%以下である放電補助電極ペーストを適用することにより未焼成の放電補助電極を形成する工程;
    (b)前記放電補助電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、放電電極ペーストを適用することにより第1および第2の未焼成の放電電極を形成する工程であって、該第1および第2の未焼成の放電電極は各々、少なくとも一部が前記未焼成の放電補助電極の上に配置され、かつ前記未焼成の放電補助電極の上において互いに対向し且つ離隔して配置される、工程;
    (c)前記放電補助電極ペーストおよび前記放電電極ペーストが適用された第1のセラミックグリーンシートの上に、空洞部形成ペーストを適用する工程であって、該空洞部形成ペーストは、前記第1および第2の未焼成の放電電極が互いに対向している領域を少なくとも覆うように適用される、工程;
    (d)前記放電補助電極ペースト、前記放電電極ペーストおよび前記空洞部形成ペーストが適用された前記第1のセラミックグリーンシートの上に、第2のセラミックグリーンシートを積層し、所定の寸法に成型することにより、未焼成の積層体を形成する工程;
    (e)前記未焼成の積層体を焼成することにより、セラミック基材と、第1および第2の放電電極と、放電補助電極と、空洞部とを含む積層体を得る工程;
    (f)焼成された前記積層体の外表面に外部電極ペーストを適用することにより、第1および第2の未焼成の外部電極を形成する工程であって、前記第1の未焼成の外部電極は前記第1の放電電極と接するように形成され、前記第2の未焼成の外部電極は前記第2の放電電極と接するように形成される、工程;ならびに
    (g)前記未焼成の第1および第2の外部電極を焼き付け処理に付すことにより第1および第2の外部電極を形成する工程
    を含む、静電気放電保護デバイスの製造方法。
  14. 前記半導体粒子の比表面積が3m/g以上である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記半導体粒子が粉砕品である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記半導体粒子がSiC粒子である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記金属粒子がCu粒子である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記放電補助電極ペーストが絶縁性粒子を更に含み、前記放電補助電極ペーストにおいて、前記金属粒子、前記半導体粒子および前記絶縁性粒子を含む非燃焼性成分全体に対する前記金属粒子の体積分率が15体積%以上40体積%以下である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記絶縁性粒子の比表面積が20m/g以上である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記絶縁性粒子がAl粒子である、請求項18または19に記載の方法。
  21. 工程(e)の少なくとも一部を、希ガスを含む雰囲気において行う、請求項13〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記希ガスがArである、請求項21に記載の方法。
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