JP2010129250A - 電源装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

電源装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁誘導加熱を行う場合において、当該電磁誘導加熱を行う加熱手段に対する入力電圧に変動があっても、その変動による悪影響が生じないようにする。
【解決手段】電磁誘導加熱を行う加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路11と、前記検出回路11が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路13と、前記差分回路13が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路17とを備えて、前記加熱手段に対する電源供給を行う電源装置を構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電源装置、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置では、被記録媒体上に形成された未定着像(すなわち、未定着トナー像。)を当該被記録媒体上に定着させる定着装置を備えているが、その定着装置で使用される加熱手段として電磁誘導加熱方式を利用することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2003−007438号公報 特開2005−174777号公報
電磁誘導加熱を行う場合において、当該電磁誘導加熱を行う加熱手段に対する入力電圧に変動があっても、その変動による悪影響が生じないようにする。
請求項1に係る発明は、電磁誘導加熱を行う加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路とを備えることを特徴とする電源装置である。
請求項2に係る発明は、被記録媒体上の未定着像を当該被記録媒体上に定着させるための電磁誘導加熱を行う加熱手段と、前記加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路とを備えることを特徴とする定着装置である。
請求項3に係る発明は、被記録媒体上に未定着像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段が形成した被記録媒体上の未定着像を当該被記録媒体上に定着させるための電磁誘導加熱を行う加熱手段と、前記加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1〜3に係る発明によれば、加熱手段に対する入力電圧が変動しても、例えば当該入力電圧の振幅の最小点に、加熱手段の駆動素子の動作開始時点を合わせることができる。したがって、当該駆動素子を動作させる際の短絡電流を最小電流に抑制することが可能になる。また、短絡電流を抑制できるので、駆動素子の温度上昇が少なくなり、当該駆動素子に対する放熱手段の簡素化が図れる。さらには、入力電圧の変動に対する許容範囲が広がる。そして、これらのことを通じて、電磁誘導加熱についての信頼性向上が図れ、また駆動素子や放熱手段等についての低価格化が実現容易となる。
以下、図面に基づき本発明に係る電源装置、定着装置および画像形成装置について説明する。
〔画像形成装置の概要〕
先ず、画像形成装置について簡単に説明する。
画像形成装置は、電子写真方式を用いて印刷用紙等の被記録媒体上への画像形成を行うものである。そのために、画像形成装置は、被記録媒体上に未定着トナー像を形成する画像形成手段と、その画像形成手段が形成した被記録媒体上の未定着トナー像を当該被記録媒体上に定着させる定着装置と、を備えている。このような画像形成装置としては、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置等が広く知られている。
なお、電子写真方式による画像形成の手順および当該画像形成を行う画像形成装置の詳細な構成については、周知技術であるため、ここではその説明を省略する。
〔定着装置の概要〕
次に、画像形成装置を構成する定着装置について説明する。
定着装置は、被記録媒体上の未定着トナー像に対する加熱を行って、当該未定着トナー像を被記録媒体上に定着させるものである。ただし、ここで説明する定着装置は、電磁誘導加熱を行うようになっている。
図1は、電磁誘導加熱を行うための回路構成の一具体例を示す説明図である。
定着装置は、図例のような電磁誘導加熱(induction heating)を行うための回路(以下「IH回路」という。)を備えている。
図例のIH回路では、商用電源から得られる商用交流電圧(例えば、AC100Vまたは200V、50/60Hz。)を、整流・平滑回路が直流電圧に変換して、加熱手段として機能する加熱コイルが接続されたインバータ回路に供給する。そして、平滑された直流電圧を、インバータ回路が備える加熱コイルの駆動素子(ただし不図示。)によりスイッチングして、当該加熱コイルに高周波電流(例えば、20.5kHz〜100kHz。)を供給する。高周波電流が供給されると、加熱コイルは、近接して設置される負荷(ただし不図示。)に渦電流を発生させ、これにより当該負荷を加熱することになる。このとき、高周波電流を供給するためのスイッチングを行う駆動素子としては、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor、以下「IGBT」と略す。)を用いることが考えられる。このIGBTは、その駆動(例えば、オン状態とオフ状態の切り換え)がドライブ回路によって制御される。また、インバータ回路およびドライブ回路についての動作制御は、インバータ制御回路によって行われる。さらに、そのインバータ制御回路については、インバータオン/オフやパワー設定等が制御回路によって制御されるようになっている。
〔電源装置の概要〕
このようなIH回路に使用する電源装置には、「電圧共振方式」と「電流共振方式」がある。
図2は、IH回路に使用する電源装置の回路構成の具体例を示す説明図であり、(a)は電圧共振方式のもの、(b)は電流共振方式のものを、それぞれ示している。
図例のように、電圧共振方式と電流共振方式とのいずれの場合においても、インバータ回路の外部接続された過熱コイルと内部に接続された共振用コンデンサを有し、過熱コイルのインダクタンスのL値と共振コンデンサCとの共振条件および出力設定条件(導通時間)により高周波電流を構成し供給している。このような構成の電源装置を使用することで、IH回路では、負荷が重くなると動作周波数が低くなり、負荷が軽くなると動作周波数は高くなる。
ところで、高周波電流を供給する電源装置については、要求される条件として、(イ)負荷変動に対して安定であること(すなわち、色々な材料の負荷に対して電力供給できること。)、(ロ)広範囲な電力可変が可能であること(すなわち、小電力から定格電力まで調整できること。)、(ハ)高い電力変換効率を有すること(電力変換効率が低いと、装置が大型になり冷却装置を必要とするため。)、(ニ)小型・軽量であること、(ホ)低コストであること、が挙げられる。このことから、インバータ回路には、コスト面で有利で、かつ、スイッチング損失の少ない、共振一石式が主として実用化されてきた。
図3は電圧型一石式インバータ回路を含む回路構成の一具体例を示す説明図であり、図4はその回路構成における処理動作の一具体例を示す説明図である。
電圧型一石式インバータ回路は、以下に述べるような動作を行う。電圧型インバータの動作は、IGBTがオンし(すなわち、導通状態になり)、加熱コイルLに一定の電流変化率di/dtを持った電流が流れ、予め定められた電流(または時間)になると、IGBTがオフし、コイルLに蓄積されたエネルギーによって共振コンデンサCの両端の電圧が上昇する。そして、コイルLのエネルギーが共振コンデンサCに移り、共振コンデンサCの両端の電圧がピークを迎えると、共振コンデンサCが放電し始め、放電し終わると、電圧はゼロになる。その後、再びIGBTがオンし、加熱コイルLに一定の電流を流し始める。このような動作を繰り返す。
IGBTのコレクタ−エミッタ間のピーク電圧Vcepは、以下の(1)、(2)式によって求まる。
Figure 2010129250
Figure 2010129250
コンデンサCの充電時間twは、以下の(3)、(4)式によって求まる。すなわち、共振周波数fの条件が以下の(3)によって特定されるとともに、共振の周期Tは共振周波数fの逆数なので、充電時間twは、1周期の1/2から、以下の(4)式によって求まる。
Figure 2010129250
Figure 2010129250
コンデンサCの充放電特性の電圧変化率dv/dtは、以下の(5)〜(7)式によって求まる。
Figure 2010129250
Figure 2010129250
Figure 2010129250
これらのことから、電圧共振は、IGBTの耐圧が高い、電流が大きい、動作周波数が高い等の条件を満たす必要がある。
以上のようなインバータ回路を含む電源装置については、例えば家電製品に搭載して用いる場合であれば、電圧変動範囲が85V〜110Vまたは170V〜220Vの範囲にある。家電製品は、定格電圧100V入力または200V入力に対して、下限で−15%、上限で+10%の範囲で変動するからである。そのため、軽負荷時の高い電圧のときのIGBTの短絡電流Isや定格出力時の高い電圧のときのIGBT耐圧Vce等は、設計上問題になることがない。
しかしながら、例えば画像形成装置のような産業機器は、入力電圧範囲が100V仕様、110V仕様または127V仕様といったように、仕向け国別に異なる場合がある。そのため、電圧の変動範囲は、下は85Vから上は140Vまでの仕様となる。その場合に、各仕様について個別に電源装置を設計したのでは、設計工数、評価工数、電圧別の製造上の管理、市場における誤交換防止等の点で難がある。
したがって、画像形成装置の定着装置に用いられるIH回路における電源装置は、各仕様について個別に設計するのではなく、例えば85Vから140Vまでの電圧変動範囲について対応し得ることが要求される。その場合、軽負荷時/高入力電圧時の短絡電流Isおよび定格負荷時/高入力電圧時のIGBT耐圧Vce等の点で問題になるおそれがある。
具体的には、以下に述べる点で問題になるおそれがある。
図5は、入力電圧が変動した場合における処理動作の具体例を示す説明図であり、(a)は変動前の具体例、(b)は変動後の具体例を、それぞれ示している。
図例のように、入力電圧Vinが変化すると、過熱コイルL、共振コンデンサCおよび負荷抵抗Rが一定であって、かつ、電圧共振の電圧振幅Vrが同じであっても、入力電圧Vinの変動により、検出電圧Vdが変化する。そのため、IGBTをオンするタイミングを制御するための遅れ時間tdが一定であると、必ずしも共振電圧Vrの最小点電位Vr(min)で、IGBTをオン状態にし得るとは限らない。
特に、図5(b)に示すように、図5(a)の場合に比べて入力電圧Vinが上昇すると、検出電圧Vdが最小点電位Vr(min)近傍で検出されるので、遅れ時間tdによって特定されるタイミングは最小点電位Vr(min)を過ぎてしまい、振動電圧Vrが上昇し始めたところで、IGBTをオンさせることになってしまう。このため、IGBTは共振電圧Vrの高い電位で導通することになるので、図5(a)の場合に比べて短絡電流Isが大きくなる。その結果、(i)短絡電流Isの増大に対応すべく、IGBTの電流耐量(電流容量)の大きなものを必要とする。また、(ii)IGBTに過大な電流が流れるので、温度上昇が大きくなり、放熱量の大きな放熱手段(例えば、放熱フィンやヒートシンク)を必要とする。また、(iii)入力電圧を上昇させると、IGBTにマージンがなくなるので、入力電圧の上限に制約が生じ制御範囲が狭くなる。また、(iv)短絡電流Isにより端子雑音電圧や放射雑音電界等が悪化する。
これら(i)〜(iv)の事態が生じるのを回避するためには、共振電圧Vrの最小点Vr(min)で、IGBTをオンさせるようにすればよい。そのためには、検出電圧Vdが入力電圧Vinの入力変動に対して変化しなければよい。すなわち、入力電圧Vinの変動分を補正する(検出電圧Vdから入力電圧Vinを差し引く。)ように制御すれば、常に共振電圧Vrの最小点Vr(min)でIGBTをオンさせられるようになる。
〔電源装置の特徴的な構成〕
以上のことから、本実施形態で説明する電源装置は、以下に述べるような特徴的な構成を備えている。
図6は、本発明に係る電源装置の特徴的な構成例を示す機能ブロック図である。
図例の電源装置は、AC検出回路11と、基準電圧回路12と、第1差分回路13と、検出設定回路14と、加算回路15と、第2差分回路16と、遅れ時間設定回路17と、を備えている。これらの各回路11〜17は、いずれも、IH回路(例えば、図1参照。)におけるインバータ制御回路の一部を構成するものとして設けることが考えられる。なお、整流回路、平滑フィルタ、加熱コイル、共振コンデンサ、ドライブ回路等といった他の構成は、既に説明した構成(例えば、図1または図3参照。)の場合と同様である。
図7は、本発明に係る電源装置の特徴的な他の構成例を示す機能ブロック図である。
図例の電源装置は、AC検出回路11が、整流回路の前段ではなく、当該整流回路の後段かつ平滑フィルタの前段に接続されている点で、図6に示した構成例とは異なる。他は、図6に示した構成例と全く同じである。
ここで、図6または図7に示した電源装置における各回路11〜17について、その具体的な構成例を順に説明する。
図8は、AC検出回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
AC検出回路11は、商用電源から得られる商用交流電圧の電圧値を検出する。すなわち、電磁誘導加熱を行う加熱コイルに対するAC入力電圧を検出する検出回路として機能する。
そのために、AC検出回路11は、図例のような回路構成を備えている。具体的には、制限抵抗R1、整流ダイオードD、平滑コンデンサC1、検出電圧を任意に設定するための分圧抵抗R2,R3、および、ノイズ(サージ)吸収用コンデンサC2等を備えて構成されている。そして、このような回路構成を備えることで、AC入力電圧を半波整流し平滑して任意のAC検出用電圧を構成するようになっている。
なお、図例の回路構成は、AC検出回路11の一具体例に過ぎず、AC入力電圧を検出し得るものであれば、例えばトランスを利用するといったように、他の回路構成によるものであっても構わない。
図9は、基準電圧回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
基準電圧回路12は、予め設定されている基準電圧を特定するためのものである。
そのために、基準電圧回路12は、図例のような回路構成を備えている。具体的には、内部基準電圧Vrefに対して、使用入力電圧範囲の最低入力(例えば、85V。)の場合の電圧について、AC検出回路11による検出電圧ACと比較して、内部基準電圧Vrefより高い場合はVAなる電圧を出力する。比較器にはコンパレータを使用し、最低入力85V以上の場合、常に85Vに相当する基準電圧VAを出力するものとする。すなわち、85V以上の電圧が入力されたら、85Vに相当する電圧でコンパレータがオンするのである。
なお、基準電圧は、85Vに限定されることはなく、任意に設定して構わない。
図10は、第1差分回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
第1差分回路13は、入力電圧VBと基準電圧VAとの差分を算出する。すなわち、AC検出回路11が検出したAC入力電圧と基準電圧回路12が特定した基準電圧との差分を算出する差分回路として機能する。
そのために、第1差分回路13は、図例のような回路構成を備えている。具体的には、入力電圧VBについての出力と基準電圧VAについての出力とを、それぞれ減算回路に入力するように構成されている。そして、減算回路で非反転入力VAおよび反転入力VBとし、R101=R102=R103=R104とすれば、第1差分回路13からは、差分電圧V0=VA−VBが出力されることになる。
図11は、検出設定回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
検出設定回路14は、検出すべき電圧Vdを特定するためのものである。電圧Vdは、振動電圧の振動成分の起動ポイント電圧(例えば、10V。)である。
そのために、検出設定回路14は、図例のような回路構成を備えている。具体的には、設定電圧Vdを回路内部に構成し、非反転増幅で、検出電圧を任意に調整する。または、ボルテージフォロワー2段で構成してもよい。
図12は、加算回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
加算回路15は、差分電圧V0と設定電圧Vdとを加算する。すなわち、第1差分回路13からの差分電圧V0と検出設定回路14が特定した設定電圧Vdとを加算するのである。
そのために、加算回路15は、図例のような回路構成を備えている。具体的には、差分電圧V0は抵抗R201を通じて、また設定電圧Vdは抵抗R202を通じて、それぞれマイナス入力に接続している。このマイナス入力には、帰還抵抗R203を通じて、出力Vin′から負帰還が掛けられている。その結果、(V0/R203)=−{(V0/R201)+(Vd/R202)}となり出力が反転するので、バッファー回路によりさらに反転させている。このようにして、加算回路15からは、加算電圧VM=V0+Vdが出力されることになる。
図13は、第2差分回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
第2差分回路16は、差分電圧V0と加算電圧VMとの差分を算出する。すなわち、第1差分回路13が算出した差分電圧V0と加算回路15が算出した加算電圧VMとの差分を算出するのである。
そのための回路構成は、図例のように、第1差分回路13における回路構成と同様である。
第2差分回路16から出力される差分電圧VF=VM−Vdは、結局、AC入力電圧が85Vの場合でも、140Vの場合でも、常に共振電圧の振幅成分の最小値MINから10V(設定値)の電位に相当することになる。つまり、実際は、入力変動の入力電圧と共振電圧の振動成分の和の電位ではあるが、振幅の最小値から10Vの電位を検出していることになる。
図14は、遅れ時間設定回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
遅れ時間設定回路17は、第2差分回路16が算出した差分に基づき、加熱コイルの駆動素子であるIGBTの動作開始時点、すなわちIGBTをオン状態にするタイミングを補正する。さらに詳しくは、第2差分回路16から出力される差分電圧VFが入力されると、その差分電圧VFの大きさに一義的に対応する時間遅れを生じさせ、これによりIGBTの動作開始時点を補正した上で、当該IGBTをオンさせる。
そのために、遅れ時間設定回路17は、図例のように、タイマー回路により遅れ時間tdを作り、その遅れ時間Tdの経過後にIGBTのゲートをオンさせる回路構成を備えている。具体的には、遅れ時間設定回路17は、コンパレータを備えて構成されており、そのコンパレータのマイナス端子には設定電圧Vtが構成されている。一方、遅れ時間Tdは、抵抗R101とコンデンサCによる充放電によって特定されるようになっている。すなわち、トランジスタQ1に差分電圧VFが入力されると、トランジスタQ1が導通して、トランジスタQ2はオフして、コンデンサCはR101を通じて充電される。そして、コンデンサCの電位が設定電圧Vtに達する時間が遅れ時間Tdとなるようにすることにより、コンパレータはIGBTに信号を送ることになる。
なお、遅れ時間設定回路17は、コンパレータを備えて構成されたものではなく、マイクロコンピュータを利用したものであってもよい。すなわち、マイクロコンピュータのプログラムとして、差分電圧VFと遅れ時間Tdとの対応関係を予め設定しておき、その対応関係に基づき、入力された差分電圧VFに対応する遅れ時間Tdを特定し、特定した遅れ時間Tdの経過後にIGBTをオンさせるようにすることも考えられる。
〔電源装置の特徴的な処理動作〕
以上のように、本実施形態における電源装置は、AC入力電圧Vinを検出するAC検出回路11と、例えばAC85Vにおける共振電圧Vrを特定するための基準電圧回路12と、AC入力電圧Vinと共振電圧Vrとの差分電圧V0を算出する第1差分回路13と、設定電圧Vdを特定する検出設定回路14と、差分電圧V0と設定電圧Vdとを加算して加算電圧VMを得る加算回路15と、差分電圧V0と加算電圧VMとの差分を算出する第2差分回路16と、第2差分回路16が算出した差分を基に遅れ時間Tdを特定してIGBTの動作タイミングとする遅れ時間設定回路17と、を備えている。
このような特徴的な各回路11〜17を、整流回路、平滑フィルタ、加熱コイル、共振コンデンサ、ドライブ回路等に加えて備えることで、本実施形態における電源装置は、以下に述べるような処理動作を行う。
すなわち、電源装置では、商用電源からのAC入力電圧に対し、ノイズフィルタ(ただし不図示)を経由した後、整流回路により直流電圧に変換し、さらに平滑フィルタにて平滑して直流電圧を作り出す。また、加熱コイルと共振コンデンサとは、共振回路を構成している。この共振回路は、加熱コイルの駆動素子であるIGBTのコレクタに接続しており、そのIGBTのエミッタはグランド(GND)に接続される。
その一方で、AC入力電圧については、AC検出回路11で整流平滑して直流レベルに変換する。また、基準電圧Vrについては、加熱コイルLと共振コンデンサCと負荷抵抗Rとの共振電圧Vr(例えば、85V。)に実効値変換して基準電圧とする。そして、第1差分回路13が算出するAC入力電圧Vinと基準電圧Vrとの差分電圧V0を基準として、次段の加算回路15に入力し、その加算回路15のもう一方の入力に設定電圧Vdを任意に設定する。これら差分電圧V0と設定電圧Vdとを加算回路15が加算すると、例えば85V入力時には、Vd=10V設定で、ここから遅れ時間tdを遅れ時間設定回路17が発生させる。つまり、この遅れ時間設定回路17による遅れ時間tdの分だけ遅れたタイミングで、IGBTのゲートに当該IGBTをオンさせる旨の信号が入力される。
ここで、AC入力電圧が高くなった場合を考えると、例えば140VにAC入力電圧が上昇すれば、共振電圧Vrの振幅は変わらないで、その値がAC入力電圧の上昇分だけ0ラインから上昇する。具体的には、例えば140V−85V=55Vとなり、55V上昇する。共振電圧Vrは、検出電圧Vdがそこから10V上昇した電位から遅れ時間tdになれば、振動電圧Vr(min)になる。すなわち、55V+10V=65Vの電位で遅れ時間tdがトリガされ、同じ時間遅れでIGBTをオンさせることになる。
このように、本実施形態における電源装置は、特徴的な各回路11〜17を接続して機能的に動作させることにより、AC入力電圧の変動分に応じて、振動電圧の最小電圧からある任意の電圧値の電位を認識し、その電位から特定される遅れ時間tdの分だけ遅れたタイミングで、IGBTをオンさせる。そのため、例えばAC入力電圧が変動した場合であっても、その変動に応じた遅れ時間tdについての補正によって、当該AC入力電圧の振幅の最小点に、IGBTの動作開始時点、すなわち当該IGBTをオンさせるタイミングを合わせられるようになる。
したがって、本実施形態における電源装置によれば、共振電圧Vrの最小電圧点でIGBTをオンさせ得るので、AC入力電圧の変動に応じた遅れ時間tdについての補正を行わない場合に比べて、当該IGBTを動作させる際の短絡電流が最小電流に抑制されることになる。また、共振電圧Vrの最小電圧点でIGBTをオンさせ得るので、AC入力電圧の変動に応じた遅れ時間tdについての補正を行わない場合に比べて、AC入力電圧の可変範囲が広がる。さらには、短絡電流の抑制により、IGBTの温度上昇も抑制されることになる。しかも、スイッチング素子としての耐量を抑えられるので、IGBTが安価に構成されることになる。
なお、本実施形態では、本発明の好適な実施具体例について説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。特に、図8〜14に示した各回路11〜17についての構成例は、これに限定されるものではない。
例えば、AC検出回路11については、既に述べたように、整流による平均または実行値でなく、トランス結合によるものであってもよい。また、基準電圧回路12、第1差分回路13、検出設定回路14、加算回路15、第2差分回路16等におけるコンパレータ(比較器)に関しては、演算増幅器ではなくトランジスタ回路による構成であってもよい。また、遅れ時間設定回路17におけるタイマー回路は、トランジスタ回路およびCR回路による構成であってもよい。さらに、マイクロコンピュータを利用したプログラム制御によっても、上述した各回路11〜17による処理動作が実現され得る。
このように、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
電磁誘導加熱を行うための回路構成の一具体例を示す説明図である。 IH回路に使用する電源装置の回路構成の具体例を示す説明図である。 電圧型一石式インバータ回路を含む回路構成の一具体例を示す説明図である。 電圧型一石式インバータ回路を含む回路構成における処理動作の一具体例を示す説明図である。 電圧型一石式インバータ回路を含む回路構成において、入力電圧が変動した場合における処理動作の具体例を示す説明図である。 本発明に係る電源装置の特徴的な構成例を示す機能ブロック図である。 本発明に係る電源装置の特徴的な他の構成例を示す機能ブロック図である。 AC検出回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 基準電圧回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 第1差分回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 検出設定回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 加算回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 第2差分回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。 遅れ時間設定回路の回路構成の一具体例を示す説明図である。
符号の説明
11…AC検出回路、12…基準電圧回路、13…第1差分回路、14…検出設定回路、15…加算回路、16…第2差分回路、17…遅れ時間設定回路17

Claims (3)

  1. 電磁誘導加熱を行う加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、
    前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、
    前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路と
    を備えることを特徴とする電源装置。
  2. 被記録媒体上の未定着像を当該被記録媒体上に定着させるための電磁誘導加熱を行う加熱手段と、
    前記加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、
    前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、
    前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路と
    を備えることを特徴とする定着装置。
  3. 被記録媒体上に未定着像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段が形成した被記録媒体上の未定着像を当該被記録媒体上に定着させるための電磁誘導加熱を行う加熱手段と、
    前記加熱手段に対する入力電圧を検出する検出回路と、
    前記検出回路が検出した入力電圧と予め設定されている基準電圧との差分を算出する差分回路と、
    前記差分回路が算出した差分に基づき前記加熱手段の駆動素子の動作開始時点を補正する遅れ時間設定回路と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016085286A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 株式会社沖データ 画像形成装置
CN111385924A (zh) * 2018-12-29 2020-07-07 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 电磁加热器具及其控制方法、装置

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