JP2010126911A - 笠木用エンドキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木質材からなる板状笠木4の長手方向端部4aに覆うように取付けられる笠木用エンドキャップ1であって、前記笠木の前記長手方向端部に固定部材5で固着されるベースプレート3と、該ベースプレートに形成された孔部30に掛止される掛止片20が裏面2bに突出して形成されたカバー部材2とを備え、前記固定部材で前記長手方向端部に固着された前記ベースプレートに前記カバー部材を覆い被せて押圧することにより前記孔部に前記掛止片が掛止され、前記ベースプレートと前記カバー部材が一体となって前記長手方向端部に取付けられることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
下記特許文献1には、従来例として笠木の端部に嵌合する嵌合部と、笠木の端部から露出するフランジ部とを備えたエンドキャップが開示されている(下記特許文献、図11、図13参照)。このエンドキャップは、嵌合部の周囲に両面接着テープを巻付け、嵌合部を笠木に嵌め入れることで、両面接着テープの接着性によりエンドキャップを笠木に固着するようになっている。
また下記特許文献1には、枠部材と端板とからなるエンドキャップが開示されており、エンドキャップを構成する枠部材及び端板は、リベット或いは螺子などの固定具を用いてそれぞれが笠木の端部に直接固着されるものが記載されている。
下記特許文献2には、笠木の端部を塞ぐ小口蓋と、保持手段とからなるエンドキャップが開示されており、保持手段の内側に小口蓋を保持し、保持手段に形成された支持片によって小口蓋を支持する構造とし、保持手段自体はビス、リベットなどで笠木の端部に固着されるものが記載されている。
またエンドキャップは笠木の端部を覆うものであるため目に付きやすく、建物内に用いられる笠木は木質系からなる場合が多い。よって安全性はもちろん木質系の笠木に合わせた外観をすっきり構成できるものが望ましい。
しかしながらこの場合は、取付け後、年数が経つにつれて接着剤が劣化し、エンドキャップが自然に外れてしまうおそれがある点、また特許文献1の従来例のような構造の場合は、笠木の端部にぴったりとエンドキャップが嵌入されるように高レベルの寸法精度が求められる点が問題となる。
エンドキャップは一旦取付けられたら、再度外す必要が生じることがなく、長年強固な取付状態が維持できるものが望ましい。
これによれば、笠木の長手方向端面の上端を目印にベースプレートの取付け位置の位置合わせを行えば、カバー部材を取付けの際には位置合わせをしなくても、笠木の長手方向端部に精度よく取付けることができる。
これによれば、カバー部材の長手方向の内寸は、笠木の長手方向端面の長手方向より大に形成されているので、カバー部材によって笠木の長手方向に寸法誤差があっても笠木の長手方向端面(木口面)をカバー部材で隠すことができる。よってベースプレートを長手方向端部に固着する際に用いられる固定部材が見えない状態とすることができるので、見栄えがよい。またカバー部材の掛止片が掛止される孔部が長手方向に長い方形状に形成されているので、ベースプレートの固定部材による固着状態に左右方向のずれがあっても、後に取付けられるカバー部材はベースプレートに取付けられた状態で左右方向に動かして取付位置を調整することができる。
これによれば、複数形成された掛止片は、ベースプレートの孔縁段部に掛止されるとき、向かい合う孔縁段部のそれぞれに掛止されるように設けられているので、ベースプレートの上下両方向がカバー部材の掛止片で掛止された状態となる。よっていずれか一方向に力をかけて掛止を外そうとしても、他方の掛止が強まり、一旦ベースプレートにカバー部材を取付けると取外せない構造とすることができる。
また掛止片は孔部の角部には接しないように形成されるので、ベースプレートが笠木の長手方向端面に取付けられた際、左右方向にずれがあったりなどした場合でも、掛止片が孔部に掛止された状態で左右方向の取付位置の位置合わせをすることができる。
これによれば、固定部材の挿通孔が幅方向に長い長円形状に形成されているので、ベースプレートを固着位置に固定した状態とし、螺入しやすい場所に固定部材を螺入することができるので、施工性がよいものとすることができる。
これによれば、カバー部材をベースプレートに被せて押圧して取付ける際に、ベースプレート或いはカバー部材の上下方向に多少の寸法誤差があっても、カバー部材の下縁部が位置あわせ突部に沿ってスムーズにベースプレートに嵌め入れられ、互いを容易に嵌合状態とすることができる。
またベースプレートの上にカバー部材を覆い被せて押圧することにより孔部に前記掛止片が掛止されるので、取付施工が非常に容易であり、ベースプレートを固定する固定部材はカバー部材で隠れるので意匠性に優れ、笠木の長手方向端部をすっきり構成できる。更に一旦取付けられれば外れにくく、また固定部材など引っ掛かるものがないので、安全性にも優れている。
図1は本発明に係る笠木用エンドキャップの取付け要領を説明するための分解斜視図、図2(a)は同笠木用エンドキャップのカバー部材の裏面側平面図、図2(b)は図2(a)に示すカバー部材のX―X線矢視断面図、図3(a)は同笠木用エンドキャップのベースプレートの裏面側平面図、図3(b)は図3(a)に示すベースプレートのY−Y線矢視断面図、図3(c)は図3(a)に示すベースプレートのY’−Y’線矢視断面図、図4(a)は同笠木用エンドキャップのベースプレートに対する嵌合状態を示す裏面側平面図、図4(b)は図4(a)のZ−Z線矢視断面図、図5は同笠木用エンドキャップが階段付近の低壁上部の笠木に取付けられた施工例を示す図である。
笠木4は、集成材などからなる基材41と、少なくとも基材41の上面及び側面を覆い、木目柄などが印刷された樹脂の化粧材40とからなり、低壁7の上部に取付けられたときに露出しているところが化粧材40で覆われた状態になるよう構成されている。
図1、図5に示すように笠木4の角部4cは面取りがなされており、このように角部4cを面取り形状とすることにより、安全性(角部4cにぶつかっても怪我をしにくい)及び意匠性を向上させることができる。
笠木4の長手方向端部4aはエンドキャップ1を取付けない状態では、図1に示すように木口面4dが見えてしまうため、エンドキャップ1が取付けることにより見栄えをよくすることができる。
カバー部材2の長手方向の内寸は、笠木4の木口面4dの長手方向よりひとまわり程度、やや大に形成され、幅方向は笠木4の木口面4dの幅方向と略同じ幅であればよい。
よって、笠木4の長手方向端部4aに取付けられた際には、少なくとも木口面4dの上端縁4b、角部4c、左右端縁4eはカバー部材2で覆われた状態となる。
上部覆い縁部24はベースプレート3に嵌合された際に、ベースプレート3の上端3aと上部覆い縁部24の内面側との間に隙間が構成されないよう形成される。
下縁部25は笠木4の木口面4dに取付けられた際に笠木4の下端縁4fに沿うように形成されているので、笠木4の上端縁4bを覆う上部覆い縁部24より突出部分が小に形成されている(図4(b)参照)。また下縁部25の内面は、後記するベースプレート3の位置合わせ突部35に沿って嵌め入れられるので、押圧がかかっても破損することがないよう覆い縁部24及び側部覆い縁部26より肉厚に形成されている。
側部覆い縁部26はカバー部材2の左右方向の位置合わせを可能とするために、ベースプレート3と嵌合された際に、ベースプレート3の左右端3dとの間にやや遊び空間(隙間)が構成されるように形成される。
上部覆い縁部24の先側24a及び側部覆い縁部26の先側26aは表面側から内面側に向かって傾斜して先細に形成されている。よって、笠木4の長手方向端部4aに取付けられた際に角ができないので、服や指などがひっかかることがない。側部覆い縁部26の断面図を示していないが断面は上部覆い縁部24と同様である。
カバー部材2の表面2a側の上方角部24bは、笠木4の面取りされた角部4cの形状に合わせて面取り形状となっており、カバー部材2の表面2aの色、柄を笠木4の化粧材40の色、柄とあわせたものとすればより意匠性の高いものとすることができる。
そして上述のようにカバー部材2の長手方向の内寸は、笠木4の木口面4dの長手方向よりやや大に形成されているので、笠木4の木口面4dを完全に隠すことができる。
4つの掛止片20の鍔部22の折曲方向は、後記するベースプレート3の孔部30の孔縁段部30aに掛止されるときにそれぞれ異なる方向になるよう形成されている。すなわち図例のものでは、4つのうち外方(両側)に位置するところに形成された2つの掛止片20は上部外方に向かって折曲形成された鍔部22を備えており、内方に位置するところに形成された2つの掛止片20は下部外方に向かって折曲形成された鍔部22を備えている。
このように異なる方向に形成された掛止片20を備えることにより、ベースプレート3の孔縁段部30aに掛止されるとき、向かい合う孔縁段部30aのそれぞれに掛止されるので、ベースプレート3の上下両方向がカバー部材2の掛止片20で掛止された状態となる。
また掛止片20は、孔部30に掛止されたときに孔部30の角部30c(図4(a)参照)には接しないように形成されている。
掛止片20の鍔部22は斜めに形成された傾斜面22aを備えており、これにより孔部30に掛止片20を掛止される際に傾斜面22aが後記するベースプレート3の誘導部30b上に誘導され大きな力をかけなくてもスムーズに掛止させることができる。すなわち、孔部30に掛止される際には後記する誘導部30bに傾斜面22aが当接して弾性変形し、孔縁段部30aに鍔部22が掛止された際には、鍔部22の弾性反力をして元の形状に戻り掛止片20が孔部30に掛止された状態となるのである。
なお、掛止片20の掛止状態については後にも詳述する。また掛止片20の数、形状、構成は図例に限定されるものではなく、エンドキャップ1の大きさなどによって適宜設けられるものである。
ベースプレート3の幅方向及び長手方向の寸法は、前記したカバー部材2の幅方向及び長手方向より小に形成されている(図3(a)の2点鎖線の関係参照)。
ベースプレート3は後記する孔部30、挿通孔31の孔が形成されるとともに強度を保つためのリブが複数形成された薄板体であり、笠木4の木口面4dに直接固定部材5によって固着される。ベースプレート3の角部3c及び四周端3a、3b、3d(左右端)の角部は面取り形状とされている。
ベースプレート3には少なくともカバー部材2の掛止片20が掛止される2つの孔部30と、固定部材5が挿通される3つの挿通孔31とを備えている。
孔部30はベースプレート3の長手方向に長い方形状(横長)に2つ形成されている。
孔部30の長手方向周縁にのみ、掛止片20が掛止されたときに鍔部22と当接し掛止状態とする孔縁段部30aが形成されている。またベースプレート3のカバー部材2の掛止片20が挿入される側(木口面4dに固着された状態における表面側)はスムーズに掛止片20が押圧によって孔部30に掛止されるよう球体面状に形成された誘導部30bを備えている(図1、図3(c)、図4(b)参照)。
挿通孔31は固定部材5の頭部(ねじであれば螺子頭)を受容する受孔縁段部31a(図1、図3(b)参照)が形成されている。
ベースプレート3の下端3bには位置合わせ突部32が形成されている。位置合わせ突部32は、図3(b)及び図3(c)からもわかるように丸みを帯びた半球体面状に形成されている。
これによれば、カバー部材2をベースプレート3に被せて押圧して取付ける際に、強い力をかけなくてもカバー部材2の下縁部25が位置あわせ突部32に沿ってスムーズに嵌め合わされる。
なお、孔部30及び挿通孔31の数、形状は図例に限定されるものではなく、ベースプレート3の大きさなどによって適宜設けられるものである。
図4(a)及び(b)に示すようにエンドキャップ1はカバー部材2の掛止片20がベースプレート3の孔部30に掛止されて嵌合一体となって、笠木4の木口面4dに取付けられており、カバー部材2はベースプレート3より大に形成されているので、ベースプレート3及び木口面4dを覆うことができる。
上述したようにカバー部材2に形成された掛止片20は、ベースプレート3の向かい合う孔縁段部30aのそれぞれに掛止されるよう複数設けられ、且つ孔部30の角部30cには接しないように形成されている。
図4(a)の例では、1つの孔部30に対して2つの掛止片30が掛止されており、掛止片20のそれぞれの鍔部22が孔縁段部30aに掛止された状態となる。すなわち、鍔部22の折曲方向はそれぞれが異なる方向に形成されている(図4(b)参照)。
これによれば、例えば一旦ベースプレート3に嵌め合わされたカバー部材2を外そうと上下のいずれか一方に力をかけ、鍔部22と孔縁段部30aの間に空間を作って掛止状態を緩めても、片側の鍔部22は孔縁段部30aとの間に隙間なく当接した状態となり掛止状態が強くなる。よって一旦ベースプレート3の孔部30に掛止片20が掛止されると掛止片20を基部21から折ってしまわない限りは簡単に取外せない構造となっているのである。
まずは笠木4の木口面4dの上端4bを目印にベースプレート3の上端3aを沿わせるように配置し、取付け位置の位置合わせを行う。このときに固定部材5の螺入位置を確認し下穴を開けておく。ここでは3つの挿通孔31を通じて3つの固定部材5が螺入されるので3つの下穴を準備形成しておく。ベースプレート3の挿通孔31は幅方向に長い長円形状に形成されているので、挿通孔31でカバーされている螺入しやすい場所に下穴を形成しておけば、固定部材5の螺入をスムーズに行うことができる。
下穴を形成した後、再度ベースプレート3の上端3aを木口面4dの上端4bに沿わせて配置し、この状態で3つの固定部材5を順番に挿通孔31を通じて下穴の位置に螺入していく。このエンドキャップ1において、木口面4dに精度よく取付けるには、ベースプレート3の上端3aを木口面4dの上端4bにきっちり合わせて固着することが重要となる。逆にこの工程を着実に行えばあとは位置合わせの必要がなく、精度よく取付けることができるのである。
そしてカバー部材2の下縁部25内面側の上にベースプレート3の位置合わせ突部32が配された状態で押圧すれば、大きな力や治具を要することなく、孔部30に掛止片20が掛止され、ベースプレート3とカバー部材2が嵌合一体となる(図4(b)参照)。
このとき、ベースプレート3の固定部材5による固着状態に左右方向のずれがあっても、上述したように側部覆い縁部26がベースプレート3と嵌合された際に、ベースプレート3の左右端3dとの間にやや遊び空間(隙間)が構成されるように形成されている上、孔部30が長手方向に長い方形状に形成され、また掛止片20が孔部30の角部30cに接しないように形成されているので、カバー部材2は掛止された状態で左右方向に動かすことができ、嵌合一体とした後にカバー部材2の取付位置を調整することができる。またカバー部材2の上部覆い縁部24はベースプレート3の上端3a及び木口面4dの上端縁4bと上部覆い縁部24の先側24aとの間には隙間が形成されないよう取付けられる。
こうして笠木4の長手方向端部4aにエンドキャップ1が装着された状態となる(図5参照)。
このように、笠木4の木口面4dに固定部材5で固着されたベースプレート3にカバー部材2を覆い被せて押圧すれば簡単にエンドキャップ1を長手方向端部4aに取付けることができる。またベースプレート3とカバー部材2とは一旦嵌合状態になると外すことができない構造となっている(嵌め殺し状態となる)ため、エンドキャップ1を笠木4の長手方向端部4aに強固に取付けられた状態を長年に亘って維持できる。
2 カバー部材
2b 裏面
20 掛止片
22 鍔部
3 ベースプレート
30 孔部
31 挿通孔
4 笠木
4a 長手方向端部
4b 上端
4d 木口面(笠木の長手方向端面)
5 固定部材
Claims (6)
- 木質材からなる板状笠木の長手方向端部に覆うように取付けられる笠木用エンドキャップであって、
前記笠木の前記長手方向端部に固定部材で固着されるベースプレートと、該ベースプレートに形成された孔部に掛止される掛止片が裏面に突出して形成されたカバー部材とを備え、前記固定部材で前記長手方向端部に固着された前記ベースプレートに前記カバー部材を覆い被せて押圧することにより前記孔部に前記掛止片が掛止され、前記ベースプレートと前記カバー部材が一体となって前記長手方向端部に取付けられることを特徴とする笠木用エンドキャップ。 - 請求項1において、
前記ベースプレートの上端を前記笠木の長手方向端面の上端に沿わせて配置し、この状態で前記固定部材によって前記笠木の前記長手方向端部に前記ベースプレートを固着し、前記カバー部材を前記ベースプレートに取付けるようにしたことを特徴とする笠木用エンドキャップ。 - 請求項1又は請求項2において、
前記カバー部材の長手方向の内寸は、前記笠木の前記長手方向端面における長手方向の寸法より大に形成され、
前記ベースプレートの前記孔部は、前記ベースプレートの長手方向に長い方形状に形成されていることを特徴とする笠木用エンドキャップ。 - 請求項3において、
前記ベースプレートの前記孔部の長手方向周縁には、前記掛止片が掛止される孔縁段部が形成されており、
前記カバー部材の前記掛止片は、向かい合う孔縁段部のそれぞれに掛止されるよう複数設けられ、且つ前記孔部の角部には接しないように形成されていることを特徴とする笠木用エンドキャップ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、
前記ベースプレートには前記固定部材が挿通される挿通孔が形成されており、該挿通孔は前記ベースプレートの幅方向に長い長円形状であることを特徴とする笠木用エンドキャップ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項において、
前記ベースプレートの幅方向及び長手方向の寸法は、前記カバー部材の幅方向及び長手方向の寸法より小に形成され、
前記ベースプレートの下端部には位置合わせ突部が形成されていることを特徴とする笠木用エンドキャップ。
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