JP2010126573A - ハニカムコアの製造方法 - Google Patents

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Momoe Nanba
百江 難波
Koji Kiuchi
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Abstract

【課題】高い機械的強度を有するハニカムコアの、生産効率に優れた製造方法を提供すること。
【解決手段】強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る工程(1)、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合してプリプレグを製造する工程(2)、及び得られたプリプレグを積層して架橋する工程(3)を有するハニカムコアの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハニカムコアの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、高い機械的強度を有するハニカムコアの、生産効率に優れた製造方法に関する。
ハニカムコアは、様々な形状の中空セルが外周方向へ隣り合わせに連続的に形成されてなり、軽量で、機械的強度に優れているため、自動車や航空機等の乗物用構造体用途から、一般産業用途まで様々な分野で幅広く用いられている。このようなハニカムコアの基材としては、アルミニウム箔やクラフト紙等が一般に使用されている。しかし、アルミニウム箔からなるハニカムコアは高強度であるが、航空機の部材等への使用に対しては、さらに高度な軽量化が求められている。また、クラフト紙からなるハニカムコアは、軽量かつ安価であるが、機械的強度の不足や湿度による大きな収縮などの問題がある。これに対して、軽量かつ機械的強度に優れるという2つの特性を満たすハニカムコアとして、近年マトリックス樹脂と強化繊維とからなるFRPハニカムコアが提案されている。
例えば、特許文献1には、アラミドのフィブリッドとアラミド繊維とからなる合成紙を、エポキシ樹脂接着剤を介して多数枚積層し、展開してハニカム状に賦形した後に、フェノール樹脂のメチルエチルケトン溶液を含浸させて加熱乾燥、及び硬化する工程(含浸−加熱乾燥−硬化の工程)を繰り返して得られるハニカムコアが記載されている。また、特許文献2には、炭素繊維等の繊維基材を所望の形状にプリフォームした後、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物を真空下で含浸させ、硬化してなる繊維強化複合材料が記載されている。
特開平5−278154号公報 特開2004−269705号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1により得られるアラミドハニカムは耐水性が低く、高湿下で使用した場合に機械的強度が低下するという問題が認められた。また、含浸−加熱乾燥−硬化の工程を複数回繰り返す必要があり、生産効率が低いという問題があった。一方、特許文献2の繊維強化複合材料では、繊維基材への樹脂組成物の含浸性が悪く、気泡を多く含んだ成形体しか得られず、機械的強度が不充分になるという問題が認められた。
本発明の目的は、高い機械的強度を有するハニカムコアの、生産効率に優れた製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、予めコルゲート状に賦形した強化繊維に含浸させて、硬化することにより、高い機械的強度を有するハニカムコアを生産効率良く製造できることを見出した。また、強化繊維として繊維割合が高い一方向材を用いることにより、ハニカムコアの機械的強度をさらに向上できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る工程(1)、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合してプリプレグを製造する工程(2)、及び得られたプリプレグを積層して架橋する工程(3)を有するハニカムコアの製造方法、
〔2〕前記重合性組成物が、架橋剤をさらに含むものである前記〔1〕記載のハニカムコアの製造方法、
〔3〕前記重合性組成物が、連鎖移動剤をさらに含むものである前記〔1〕又は〔2〕記載のハニカムコアの製造方法、
〔4〕前記重合性組成物が、架橋助剤をさらに含むものである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載のハニカムコアの製造方法、
〔5〕前記シクロオレフィンモノマーが、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーを含むものである前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載のハニカムコアの製造方法、並びに
〔6〕前記強化繊維が、一方向に引き揃えられた強化繊維である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載のハニカムコアの製造方法、
が提供される。
本発明によれば、高い機械的強度を有するハニカムコアを生産効率良く製造することができる。得られるハニカムコアは、自動車や航空機などの乗物用部材として、また、スポーツ、土木及び建築などの分野において種々の部材として、好適に使用することができる。
本発明のハニカムコアの製造方法は、強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る工程(1)、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合してプリプレグを製造する工程(2)、及び得られたプリプレグを積層して架橋する工程(3)を有する。
1.強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る工程(1)
(強化繊維)
本発明に使用される強化繊維としては、格別な制限はないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維などの無機繊維;などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。特に、炭素繊維は、シクロオレフィンモノマーを含む重合性組成物との相溶性に優れており、該重合性組成物を均一に含浸させることで、得られるハニカムコアの機械的強度、靭性、及び耐熱性を高度に向上させることができ、好適である。炭素繊維の種類としては、格別な限定はなく、例えば、従来公知の方法で製造される、アクリル系、ピッチ系、及びレーヨン系等の各種の炭素繊維を使用できる。中でも、アクリル繊維(ポリアクリロニトリル繊維)を原料として製造されるアクリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)は重合阻害を起こさず、しかも得られるハニカムコアの機械的強度、靭性、及び耐熱性等の特性を向上でき、好適である。
本発明に使用される強化繊維の強度特性としては、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択すればよい。引張強度としては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張強度で、通常、0.5〜50GPa、好ましくは1〜10GPa、より好ましくは2〜8GPaの範囲である。引張弾性率としては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張弾性率で、通常、100〜1,000GPa、好ましくは200〜800GPa、より好ましくは300〜700GPaの範囲である。伸びとしては、JIS R7601に従って測定されるストランド引張伸びで、通常、0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、より好ましくは1〜3%の範囲である。強化繊維の強度特性がこれらの範囲にあれば、得られるハニカムコアの機械的強度と靭性の各特性が高度にバランスされ、好適である。
前記強化繊維の断面形状は、格別な限定はないが、実質的に円形であるのが好ましい。断面形状が円形であると、重合性組成物を含浸させる際、フィラメントの再配列が起こりやすくなり、繊維間への重合性組成物の浸み込みが容易になるからである。さらに、繊維束の厚さを薄くすることが可能となるため、ドレープ性に優れたプリプレグを得やすい利点がある。なお、断面形状が実質的に円形であるとは、その断面の外接円半径Rと内接円半径rとの比(R/r)を変形度として定義した場合に、この変形度が1〜1.1であることを意味する。
また、前記強化繊維の長さは、格別な限定なく、使用目的に応じて適宜選択すればよい。短繊維及び長繊維のいずれも用いることができるが、より高い機械的強度と靭性を有するハニカムコアを得たい場合は、繊維の長さが1cm以上、好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、もっとも好ましくは3cmを超える連続繊維を用いるのがよい。
前記強化繊維の形態は、特に限定されず、強化繊維が一方向に引き揃えられてなる一方向材(一方向ストランド)、織物、不織布、マット、ニット、組み紐、ロービング、及びチョップド等から適宜選択できる。中でも、靭性と耐衝撃性とに非常に優れたハニカムコアを得る観点から、一方向ストランド、織物、及びロービング等の連続繊維の形態であるのが好ましく、一方向ストランドの形態であるのがより好ましい。一方向ストランドは、重合性組成物の含浸性を高度に向上でき、また、繊維の割合が高いため、得られるハニカムコアの機械的強度を高度に向上させることができ、好適である。
前記織物の形態としては、従来公知のものが利用でき、例えば、平織、繻子織、綾織、3軸織物などの、繊維が交錯する織り構造の全てが利用できる。また、織物の形態としては、2次元だけでなく、織物の厚さ方向に繊維が補強されている、ステッチ織物、及び3次元織物等も利用できる。
前記強化繊維は、織物等の形態で使用する場合、通常、繊維束糸条として利用する。その場合の繊維束糸条1本中のフィラメント数は、格別な限定はないが、好ましくは1,000〜200,000本、より好ましくは10,000〜150,000本の範囲である。
これらの強化繊維は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その使用量は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、得られるプリプレグ中の強化繊維含有量としては、通常、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲である。強化繊維含有量がこの範囲にあれば、得られるハニカムコアの機械的強度と靭性の各特性が高度にバランスされ好適である。
(強化繊維のコルゲート状への賦形)
前記強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る。ここで「強化繊維をコルゲート状に賦形」するとは、平面状の強化繊維を、その断面形状が波状、凹凸状、及びV字状などの形状となるように成形することをいう。得られるコルゲート状強化繊維の代表例として、波状の断面形状を有する強化繊維を図1に示す。図1(a)は該強化繊維の断面形状を示す図であり、図1(b)は該強化繊維全体の斜視図である。
前記強化繊維をコルゲート状に賦形するには、例えば、特開平5−008313号公報、特開2006−123402号公報、及び特開2006−123404号公報に記載される方法を好適に利用することができる。
例えば、所定の大きさを有する平面状の強化繊維を、波型の成形型を準備し、その上に配置する。当該強化繊維は、1枚とする他、2枚以上を重ねてもよい。強化繊維の厚さとしては、特に限定はないが、通常、50μm以上、好ましくは100μm以上であり、上限としては、通常、1cmである。次いで、成形型上、配置した強化繊維の全体を覆うようにして、例えば、ナイロン製フィルムを被せ、シーラントテープ等を利用して該フィルムを成形型に接着し、フィルムと成形型とで構成される空間を密閉空間とする。当該空間を、例えば、真空ポンプを用いて真空にすることにより、大気圧を利用してフィルムにより強化繊維を成形型に押し当てる。続いて、フィルム上より加熱し、強化繊維の表面温度が所定温度(通常、90℃)に到達したことを確認して、例えば、1〜90分間その状態を保持した後、加熱を停止する。その後、成形型を任意の方法で冷却するなどして、強化繊維の表面温度が所定温度(通常、30℃)に到達したことを確認した後、フィルムを剥がし取り、次いで強化繊維を脱型することで、コルゲート状強化繊維を得る。
上記方法では、強化繊維を成形型に押し当てるのに大気圧を利用しているが、その他波形ロールを利用したり、後述の実施例に記載するようにプレス機を利用してもよい。それらの場合も、前記方法に準じて、強化繊維を成形型に押し当てた状態で加熱保持し、次いで冷却することで、コルゲート状に賦形された強化繊維を同様に得ることができる。加熱時や冷却時の強化繊維表面の温度条件や、加熱時の保持時間は前記と同様とすればよい。また、加圧時の圧力としては、通常、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPaである。
なお、強化繊維として一方向ストランドを使用する場合、得られるハニカムコアの機械的強度を向上させる観点から、図2のように、得られるハニカムコアの開口端面と直交するように基準線を設定して、強化繊維の方向と、該基準線とのなす角度θが可能な限り0°となるようにして、コルゲート状強化繊維を調製するのが好ましい。
2.シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合してプリプレグを製造する工程(2)
(シクロオレフィンモノマー)
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(開環重合)可能な炭素−炭素二重結合をいう。開環重合には、イオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、メタセス開環重合をいう。
シクロオレフィンモノマーの環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環及びこれらの組み合わせ多環などが挙げられる。各環構造を構成する炭素数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
シクロオレフィンモノマーは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基又は酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよい。
シクロオレフィンモノマーとしては、単環のシクロオレフィンモノマーと多環のシクロオレフィンモノマーのいずれをも用いることができる。得られるハニカムコアの機械的強度と耐熱性とを高度にバランスさせる観点から、多環のシクロオレフィンモノマーが好ましい。多環のシクロオレフィンモノマーとしては、特にノルボルネン系モノマーが好ましい。「ノルボルネン系モノマー」とは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。
シクロオレフィンモノマーは、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないものと、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものとに分けられる。本明細書において「架橋性の炭素−炭素不飽和結合」とは、開環重合には関与せず、架橋反応に関与可能な炭素−炭素不飽和結合をいう。架橋反応とは橋架け構造を形成する反応であり、縮合反応、付加反応、ラジカル反応、メタセシス反応など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、ラジカル架橋反応又はメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合としては、芳香族炭素−炭素不飽和結合を除く炭素−炭素不飽和結合、すなわち、脂肪族炭素−炭素二重結合又は三重結合が挙げられ、本発明においては、通常、脂肪族炭素−炭素二重結合をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー中、不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で形成される環構造内の他、該環構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテンなどの単環シクロオレフィンモノマー;ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、1−メチル−2−ノルボルネン、7−メチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、1,4−メタノ−1.4.4a.9aテトラヒドロフルオレン(MTF)、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジカルボキシル−2−ノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノ−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーである。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンモノマー;5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーである。
これらのシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の所望の効果の発現を阻害しない範囲であれば、シクロオレフィンモノマーと共重合可能な任意のモノマーをさらに用いることができる。
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーとしては、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーを含むものを使用するのが、得られるハニカムコアにおいて機械的強度が向上し、好適である。
本発明に使用する重合性組成物に配合するシクロオレフィンモノマー中、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーと架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとの配合割合は所望により適宜選択されるが、重量比(架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマー/架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマー)で、通常、5/95〜100/0、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは15/85〜70/30の範囲である。当該配合割合がかかる範囲にあれば、得られるハニカムコアにおいて、機械的強度、耐熱性、及び耐水性の各特性が高度にバランスされ、好適である。
(重合触媒)
本発明に使用される重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーを重合できるものであれば特に限定はないが、本発明に使用する重合性組成物は、後述のプリプレグの製造において、直接塊状重合に供して用いるのが好適であり、通常、メタセシス重合触媒を用いるのが好ましい。
メタセシス重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合可能である、通常、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン、及び化合物などが結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、第5族、第6族及び第8族(長周期型周期表による。以下、同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、第5族の原子としては、例えば、タンタルが挙げられ、第6族の原子としては、例えば、モリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、例えば、ルテニウムやオスミウムが挙げられる。遷移金属原子としては、中でも、第8族のルテニウムやオスミウムが好ましい。すなわち、本発明に使用されるメタセシス重合触媒としては、ルテニウム又はオスミウムを中心原子とする錯体が好ましく、ルテニウムを中心原子とする錯体がより好ましい。ルテニウムを中心原子とする錯体としては、カルベン化合物がルテニウムに配位してなるルテニウムカルベン錯体が好ましい。ここで、「カルベン化合物」とは、メチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子(カルベン炭素)を持つ化合物をいう。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、本発明に使用する重合性組成物を塊状重合に供してプリプレグを得る場合、得られるプリプレグには未反応のモノマーに由来する臭気が少なく、生産性良く良質なプリプレグが得られる。また、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも使用可能である。
前記ルテニウムカルベン錯体としては、得られるハニカムコアの機械的強度と耐衝撃性とが高度にバランスされ得ることから、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として少なくとも1つ有するものが好ましい。ヘテロ環構造を構成するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子等が挙げられ、好ましくは窒素原子である。また、ヘテロ環構造としては、イミダゾリン環構造又はイミダゾリジン環構造が好ましい。かかるヘテロ環構造を有する化合物の具体例としては、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
本発明においてメタセシス重合触媒として使用される、好適なルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどの、配位子として、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物と、その他の中性電子供与体とを有するルテニウムカルベン錯体が挙げられる。ここで「中性電子供与体」とは、中心金属原子から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子をいう。
前記メタセシス重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。メタセシス重合触媒の使用量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)で、通常、1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は所望により、少量の不活性溶媒に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、テトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂環と芳香環とを有する炭化水素の使用が好ましい。
(重合性組成物)
本発明の重合性組成物には、上記する、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを必須成分として、所望により、架橋剤、架橋助剤、連鎖移動剤、重合調整剤、重合反応遅延剤、エラストマー材料、老化防止剤、充填剤、及びその他の配合剤を配合することができる。
架橋剤は、本発明に使用する重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体において架橋反応を誘起する目的で使用される。前記重合性組成物に架橋剤を配合することで、得られるハニカムコアの機械的強度や耐熱性などが高度に改善され得る。本発明において架橋剤としては、通常、ラジカル発生剤が好適に用いられる。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、及び非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、好ましくは有機過酸化物、及び非極性ラジカル発生剤である。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサンなどの環状パーオキサイド類;が挙げられる。中でも、重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、及び環状パーオキサイド類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
ラジカル発生剤を架橋剤として使用する場合、1分間半減期温度は、硬化(本発明に使用する重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体の架橋)の条件により適宜選択されるが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃の範囲である。ここで1分間半減期温度は、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、例えば、各ラジカル発生剤メーカー(例えば、日本油脂株式会社)のカタログやホームページを参照すればよい。
前記ラジカル発生剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に使用する重合性組成物へのラジカル発生剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
架橋助剤の配合は、得られるハニカムコアの機械的強度、耐熱性、及び耐クラック性等の特性を高度に改善でき好適である。架橋助剤としては、開環重合に関与せず、架橋剤により誘起される架橋反応に関与可能な架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する多官能性化合物が好適に用いられる。かかる架橋性の炭素−炭素不飽和結合は、架橋助剤を構成する化合物中、例えば、末端ビニリデン基として、中でも、イソプロペニル基やメタクリル基として、特にメタクリル基として存在するのが好ましい。
架橋助剤の具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの、イソプロペニル基を2以上有する多官能性化合物;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を2以上有する多官能性化合物などを挙げることができる。中でも、架橋助剤としては、メタクリル基を2以上有する多官能性化合物が好ましい。メタクリル基を2以上有する多官能性化合物の中では、特に、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を3つ有する多官能性化合物がより好適である。
前記架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に使用する重合性組成物への架橋助剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
また、連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体を高粘度でありながら、流動性に優れたものとすることができる。当該重合体を含んでなる、後述のプリプレグは熱可塑性を発現し得、例えば、当該プリプレグ同士の溶融積層が可能となる。得られるハニカムコアにあっては、ハニカムコアを構成する各コルゲート状成形物(コルゲート状プリプレグを構成する重合体が架橋され硬化してなる成形物)間の密着性や、耐クラック性等の特性が向上し得る。
連鎖移動剤は、開環重合に関与でき、本発明に使用する重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体の末端に結合可能な脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。当該二重結合の例としては、末端ビニル基が挙げられる。連鎖移動剤は、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有していてもよい。
かかる連鎖移動剤の具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、アリルアミン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たない連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸ウンデセニル、アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレートなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有する連鎖移動剤;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシランなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する連鎖移動剤などが挙げられる。これらの中でも、得られるハニカムコアにおいて、耐クラック性や耐加水分解性等の信頼性を高度に向上させる観点から、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものが好ましく、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有するものがより好ましい。かかる連鎖移動剤の中でも、ビニル基とメタクリル基とを1つずつ有する連鎖移動剤が好ましく、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、メタクリル酸ウンデセニルなどが特に好ましい。
これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に使用する重合性組成物への連鎖移動剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
重合調整剤は、重合活性を抑制したり、向上させたりする目的で配合される。例えば、メタセシス重合活性に対する重合調整剤としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが例示される。本発明に使用する重合性組成物が重合調整剤を含有していると、例えば、該組成物の粘度増加を抑制でき、該組成物を容易に強化繊維に均一に含浸させることができ、好適である。上記重合調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合調整剤の配合量は、例えば、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合調整剤)で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
また、本発明に使用される重合性組成物に重合反応遅延剤を配合することで、その粘度増加を抑制することができ、該組成物を容易に強化繊維に均一に含浸させることができるので、好ましい。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等を用いることができる。
これらの重合反応遅延剤の中でも、室温以下での重合反応の進行を抑制する効果が大きいことから、ホスフィン化合物が好ましく、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン及びビニルジフェニルホスフィンがより好ましい。これらの重合反応遅延剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、所望により適宜調整すればよい。
本発明に使用される重合性組成物にエラストマー材料を加えることにより、得られるハニカムコアの靭性を向上させることができ、好適である。エラストマー材料としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらのエラストマー材料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部の範囲である。
また、老化防止剤としては、特に限定はないが、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の老化防止剤を配合することは、架橋反応を阻害しないで、得られるハニカムコアの耐酸化劣化性を高度に向上させることができ、好適である。これらの中でも、フェノール系老化防止剤とアミン系老化防止剤が好ましく、フェノール系老化防止剤がより好ましい。
フェノール系老化防止剤としては、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
アミン系老化防止剤としては、例えば、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
リン系老化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、などが挙げられる。
イオウ系老化防止剤は、例えば、ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げられる。
これらの老化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤の配合量は、所望により適宜選択されるが、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
充填剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば格別な限定はなく、無機充填剤及び有機充填剤のいずれも用いることができる。中でも、充填剤としては無機充填剤の使用が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子;窒化アルミニウム;炭化ケイ素粒子;及びウィスカー等が挙げられる。
有機充填剤としては、例えば、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、塩化ビニル、廃プラスチック等の化合物粒子が挙げられる。
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜350重量部の範囲である。充填剤がこの範囲にあれば、得られるハニカムコアの機械的強度、耐熱性、耐薬品性等の特性が格段に向上し、好適である。
本発明に使用する重合性組成物には、その他の配合剤をさらに配合することができる。その他の配合剤としては、難燃剤、着色剤、光安定剤、顔料、発泡剤、高分子改質剤などが挙げられる。難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物などが挙げられる。着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。これらのその他の配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択される。
本発明に使用する重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(触媒液)を調製し、別にシクロオレフィンモノマーと共に、所望により、架橋剤、連鎖移動剤、及び架橋助剤などやその他の配合剤を配合した液(モノマー液)を調製し、該モノマー液に該触媒液を添加し、攪拌することによって調製することができる。
(プリプレグ)
本発明に使用されるプリプレグは、前記重合性組成物を、前記のようにして得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合して調製される。
コルゲート状強化繊維への重合性組成物の含浸は、例えば、所定量の重合性組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、及びスリットコート法等の公知の方法により該強化繊維に塗布して行うことができる。重合性組成物を強化繊維に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱して重合性組成物を重合することにより、所望のプリプレグが得られる。
含浸を型内で行う場合は、型内にコルゲート状強化繊維を設置し、該型内に重合性組成物を注ぎ込んで行う。用いる型は、コルゲート状強化繊維が収納できるものが好適である。当該型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造、すなわち、コア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とするプリプレグの形状にあった空隙部を形成するように作製される。成形型の材質や大きさなどは特に制限されない。
本発明に使用する重合性組成物は従来のエポキシ樹脂等の重合体ワニスと比較して低粘度であり、強化繊維に対する含浸性に優れるので、得られるプリプレグは、重合で得られる樹脂がコルゲート状強化繊維に均一に含浸したものとなる。前記樹脂を構成する重合体は、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶である。当該重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
重合方法は、特に限定されないが、塊状重合が好ましい。塊状重合を行う場合、重合性組成物は重合反応に関与しない溶媒を実質的に含まないので、強化繊維に重合性組成物を含浸させた後に溶媒を除去するなどの工程が不要であり、生産性に優れ、また、残存溶媒による臭気やフクレ等も生じないので、好適である。
本発明に使用する重合性組成物は、通常、メタセシス重合触媒を含んでなるが、上記いずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、通常、50〜250℃、好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜150℃の範囲である。重合性組成物に架橋剤、例えば、ラジカル発生剤を配合している場合、通常、前記加熱温度範囲、かつラジカル発生剤の1分間半減期温度以下、好ましくは1分間半減期温度の10℃以下、より好ましくは1分間半減期温度の20℃以下である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から60分間、好ましくは20分間以内である。重合性組成物をかかる条件で加熱することにより未反応モノマーの少ないプリプレグが得られるので好適である。
本発明に使用するプリプレグの厚さは、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常、0.001〜10mm、好ましくは0.005〜1mm、より好ましくは0.01〜0.5mmの範囲である。この範囲にあれば、ハニカムコアを作製する際の積層時の賦形性や、硬化して得られるハニカムコアの機械的強度や靭性などの特性が充分に発揮され好適である。
本発明に使用するプリプレグの揮発成分量は、200℃で1時間加熱したときに揮発する量で、通常、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。プリプレグの揮発成分量がかかる範囲にあれば、得られるハニカムコアは耐熱性に優れる。一方、プリプレグの揮発成分量が過度に多いと、プリプレグのベタつきが発生し操作性及び保存安定性が不良化する傾向があり、また、得られるハニカムコアにボイドが発生し機械的強度が低下したり、ブリードや耐熱性の低下が発生するなどの問題が生じるおそれがある。
3.得られたプリプレグを積層して架橋する工程(3)
本発明においてハニカムコアは、得られたプリプレグを積層して架橋することにより得られる。当該ハニカムコアは、例えば、前記工程(1)と(2)に従い、コルゲート状強化繊維に重合性組成物を含浸させ、重合して得られる、コルゲート状のプリプレグを、半ピッチ(セルピッチ1単位の半分)ずつずらし、それぞれのプリプレグの山の部分と谷の部分とを合せて該プリプレグを積層し、得られたプリプレグの積層体を架橋反応に供して、プリプレグを構成する重合体を架橋することにより得られる。図3にて、コルゲート状のプリプレグの断面形状により、山の部分と谷の部分とを示す。また、図4にて、2枚のコルゲート状のプリプレグを互いの谷の部分を合せて積層した場合の断面形状により、セルピッチ1単位を示す。
プリプレグの山の部分と谷の部分とは、得られるハニカムコアの機械的強度を向上させる観点から、(i)重合体を架橋する前に接合しておくか、又は(ii)重合体の架橋と同時に接合するのが好ましい。(i)は、例えば、プリプレグの山の部分と谷の部分とに公知の接着剤を塗布し、所望により加熱して、プリプレグを接合する方法により行うことができる。(ii)は、例えば、前記重合性組成物に連鎖移動剤を配合し、得られるプリプレグを構成する重合体を架橋時の加熱温度で充分に溶融可能なものとしておき、前記プリプレグの積層体を架橋反応に供して、プリプレグの山の部分と谷の部分との界面で溶融結合させ、かつ重合体での架橋を進行させて接合する方法により行うことができる。本発明においては、得られるハニカムコアの機械的強度を高度に向上させる観点から、前記(i)とするのが好ましい。前記(i)において使用する接着剤としては、特に限定はなく、公知の接着剤、例えば、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、アクリル系、及びゴム系などの接着剤を挙げることができる。
得られるハニカムコアを構成する重合体(シクロオレフィンポリマー)は、架橋構造を有しており、もはや溶媒に溶解しない。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。
シクロオレフィンポリマーを架橋させる方法としては、常法に従えばよく、上記成形型、オートクレーブ、熱プレス機、及びオーブンなどを用いることができる。加熱温度は、シクロオレフィンポリマーで架橋反応が進行する温度以上であれば特に限定されるものではないが、前記重合性組成物に架橋剤を配合している場合、架橋剤により架橋反応が誘起される温度以上であり、典型的には100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。架橋剤として、例えば、ラジカル発生剤を用いる場合は、該ラジカル発生剤の1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。加熱時間は、通常、0.1〜120分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは2〜20分間の範囲である。また、所望により、加熱と同時に加圧してもよく、圧力としては、通常、0.01〜1MPa、好ましくは0.05〜0.5MPaである。加熱加圧は、真空又は減圧雰囲気下で行ってもよい。架橋の条件が以上の範囲にあれば、ハニカムコアを構成する各コルゲート状成形物間の密着性が向上し、好適である。
かくして得られる本発明のハニカムコアは、軽量で機械的強度に優れるので、例えば、一般産業用の各種部材として好適に用いられる。かかる部材としては、例えば、OA機器、AV機器、及び家電機器用部材;電気・電子機器用部材;乗物用部材;スポーツ用品用部材;並びに建材;などが挙げられる。OA機器、AV機器、及び家電機器用部材としては、例えば、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、アイロン、ヘアドライヤー、炊飯器、電子レンジ、音響機器、掃除機、トイレタリー用品、レザーディスク、コンパクトディスク、照明、冷蔵庫、エアコン、タイプライター、ワードプロセッサーなどのための各種部材が挙げられる。電気・電子機器用部材としては、例えば、ディスプレイ、FDDキャリッジ、シャーシ、HDD、MO、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDA、ポータブルMD、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどのための各種部材が挙げられる。乗物用部材としては、例えば、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ドライブシャフト、ホイール、ホイールカバー、フェンダー、ドアミラー、ルームミラー、フェシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、トランクフード、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スピラー及び各種モジュールなどの自動車用部材;天井、腰壁、妻、仕切り、ドア、床板、遮音パネルなどの鉄道車両用部材;及びランディングギアポッド、ウイングレッド、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリングなどの航空機用部材などが挙げられる。スポーツ用品用部材としては、例えば、釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、テニスラケット、及びスキーストックなどのための各種部材が挙げられる。建材としては、例えば、各種パネル用部材が挙げられる。中でも、本発明により得られるハニカムコアは、乗物用部材として、特に自動車用部材及び航空機用部材として好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例における各特性は、以下の方法に従い測定し、評価する。
(1)重合性組成物の含浸性
コルゲート状プリプレグに内在する気泡(空洞)を、X線非破壊解析装置(松定プレシジョン社製)を用いて観察し、以下の基準で評価する。
○:空洞部が殆ど見られない
×:空洞部が僅かに見られる
(2)機械的強度
ハニカムコアを温度25℃で湿度55%に保たれた恒温恒湿槽内に24時間静置し、MIL−STD−401に基づき、静置後のハニカムコアについて図5のW方向に対して機械的強度を測定し、機械的強度2を得る。一方、静置前にも同様にしてハニカムコアの機械的強度を予め測定し、機械的強度1を得る。以下の式:

低下率(%)=〔(機械的強度1−機械的強度2)/機械的強度1〕×100

に従って、機械的強度1に対する機械的強度2の低下率を求め、以下の基準で評価する。
○:低下率20%未満
×:低下率20%以上
(3)生産効率
繊維への重合性組成物の含浸開始から、コルゲート状プリプレグを積層し、ハニカムコアを得るまでの成形サイクル時間を測定し、以下の基準で評価する。
○:90分間以内
△:90分間超、180分間以内
×:180分間超
実施例1
ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、トリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製した。これとは別に、ジシクロペンタジエン(DCP)100部、連鎖移動剤としてアリルメタクリレート0.74部、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド(1分間半減期温度186℃)1.2部、フェノール系老化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール1部を混合してモノマー液を調製した。ここに上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.12mLの割合で加えて撹拌して重合性組成物を調製する。
次いで、凹凸状の金型内に炭素繊維織物(1m×1m)を配置して、金型を90℃に加熱し、1MPaの加圧下で3分間保持し、次いで金型を30℃まで冷却して、コルゲート状に賦形された炭素繊維織物を得る。
続いて、金型内を真空に減圧しながら前記重合性組成物を注入し、得られたコルゲート状炭素繊維織物に含浸させ、3MPaの加圧下で120℃にて15分間加熱重合することによりコルゲート状プリプレグを得る。次に、このコルゲート状プリプレグの山の部分と谷の部分とに接着剤デタナイト(ナガセケムテックス社製)を塗布する。これを一枚ごとに半ピッチずつずらし、それぞれのプリプレグの山の部分と谷の部分とを接合して計4枚のプリプレグを積層し、オートクレーブ内で0.1MPaの加圧下、200℃にて15分間加熱加圧して、ハニカムコアを得る。本実験例の評価結果を表1に示す。
実施例2
シクロオレフィンモノマーを、ジシクロペンタジエン70部及びテトラシクロドデセン30部に変える以外は実施例1と同様にしてハニカムコアを得る。評価結果を表1に示す。
比較例1
フェノール樹脂、アラミド繊維及びアラミドパルプを混合し、加熱し、成形してアラミドシート(1m×1m)を得る。次に、このシートを凹凸状の金型内に配置し、実施例1と同様にして、コルゲート状に賦形されたアラミドシートを得、フェノール樹脂を含浸させた後、3MPaの加圧下で180℃にて60分間加熱することによりコルゲート状プリプレグを得る。さらに、接着剤としてエポキシ樹脂系接着剤を用い、実施例1と同様にして計4枚のプリプレグを積層し、オートクレーブ内で0.1MPaの加圧下、140℃にて60分間加熱加圧して、ハニカムコアを得る。評価結果を表1に示す。
比較例2
エポキシモノマーとして、EP−630(グリシジルアミン型;ジャパンエポキシレジン社製)35部、EP−825(液状ビスフェノールA型;ジャパンエポキシレジン社製)10部、EP−806(液状ビスフェノールF型;ジャパンエポキシレジン社製)10部、AK−601(ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル;日本化薬製)20部、及びNC−3000(ビフェニルジメチレン型;日本化薬製)25部;並びに、架橋剤として、エピキュアW(芳香族ポリアミン;ジャパンエポキシレジン社製)20部、スミキュアS(芳香族ポリアミン;住友化学製)8部、3,3‘−DAS(芳香族ポリアミン;三井化学製)8部、及びt−ブチルカテコール(宇部興産製)1部を混合し、重合性組成物を得る。
次に、凹凸状の金型内に実施例1と同様の炭素繊維織物を配置し、実施例1と同様にして、コルゲート状に賦形された炭素繊維織物を得、前記重合性組成物を含浸させた後、130℃にて120分間加熱重合した後に脱型し、続いて180℃で120分間加熱架橋することによりコルゲート状プリプレグを得る。さらに、接着剤としてエポキシ樹脂系接着剤を用い、実施例1と同様にして計4枚のプリプレグを積層し、オートクレーブ内で0.1MPaの加圧下、180℃にて60分間加熱加圧して、ハニカムコアを得る。評価結果を表1に示す。
比較例3
コルゲート状に賦形された炭素繊維織物に重合性組成物を含浸させた後の重合及び架橋の工程を、重合後に脱型することなく、金型内で180℃にて120分間加熱することにより連続的に行ってコルゲート状プリプレグを得る以外は比較例2と同様にして、ハニカムコアを得る。評価結果を表1に示す。
Figure 2010126573
表1より、実施例1と2では、含浸性が良好で、機械的強度に優れたハニカムコアが短時間で生産効率よく得られることが分かる。これに対し、比較例1〜3では、実施例と異なる基材樹脂を使用しても、基材樹脂の選択や工程の簡略化により多少の生産効率の向上は望めるものの、得られるハニカムコアは含浸性が不良で、機械的強度の低いものとなることが分かる。
本発明に使用されるコルゲート状強化繊維の一例として、波状の断面形状を有する強化繊維を示す図である。(a)は該強化繊維の断面形状を示す図であり、(b)は該強化繊維全体の斜視図である。 本発明に使用されるコルゲート状強化繊維の構造と、得られるハニカムコアの開口端面と直交するように設定される基準線(θ=0°)との関係を示す図である。 本発明に使用されるコルゲート状プリプレグの断面形状により、山の部分と谷の部分とを示す図である。 本発明に使用されるコルゲート状プリプレグ2枚を互いの谷の部分を合せて積層した場合の断面形状により、セルピッチ1単位を示す図である。 本発明により得られるハニカムコアのW方向を示す図である。

Claims (6)

  1. 強化繊維をコルゲート状に賦形してコルゲート状強化繊維を得る工程(1)、シクロオレフィンモノマーと重合触媒とを含んでなる重合性組成物を、得られたコルゲート状強化繊維に含浸させた後、重合してプリプレグを製造する工程(2)、および得られたプリプレグを積層して架橋する工程(3)を有するハニカムコアの製造方法。
  2. 前記重合性組成物が、架橋剤をさらに含むものである請求項1記載のハニカムコアの製造方法。
  3. 前記重合性組成物が、連鎖移動剤をさらに含むものである請求項1または2記載のハニカムコアの製造方法。
  4. 前記重合性組成物が、架橋助剤をさらに含むものである請求項1〜3いずれか記載のハニカムコアの製造方法。
  5. 前記シクロオレフィンモノマーが、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するシクロオレフィンモノマーを含むものである請求項1〜4いずれか記載のハニカムコアの製造方法。
  6. 前記強化繊維が、一方向に引き揃えられた強化繊維である請求項1〜5いずれか記載のハニカムコアの製造方法。
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