JP2019171619A - 補強金属部材及びその製造方法 - Google Patents

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村 雅 則 中
Masanori Nakamura
村 雅 則 中
田 泰 詩 中
Taishi Nakata
田 泰 詩 中
鳥 政 宏 飛
Masahiro Asuka
鳥 政 宏 飛
剛 高比良
Takeshi Takahira
剛 高比良
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Abstract

【課題】高い生産性で製造できるとともに高強度で軽量化された補強金属部材を提供する。【解決手段】補強金属部材10は、一方向d3に対向する一対の内面21a,21bを有し且つ一対の内面21a,21bの間に空間Sを画成する金属製部材20と、炭素繊維30a及び熱可塑性樹脂30bを含む繊維強化樹脂複合材30と、を有している。繊維強化樹脂複合材30は、湾曲又は屈曲による折り返し部35を含み、空間Sに配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、金属製部材の内面を繊維強化樹脂複合材にて補強した補強金属部材に関する。より詳しくは金属製部材を、特定の構造を持つ炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材によって補強した補強金属部材に関する。また、本発明は、補強金属部材の製造方法に関する。
従来、頑強で比較的に軽量な材料として、H型材、C型材(チャンネル材)、筒状部材といった内部空間(中空部)を含む金属製部材が知られている。具体的には自転車、自動車等のフレーム部材用パイプ部材、高速車両、飛行機等の車体用部材、織機部材、ロボットハンド部材等において、高強度の鋼鉄製部材が用いられていた。このような金属製部材は、内部空間を有することで、当該金属製部材の軽量化を図りながら形状的に剛性を改善することができる。
昨今では、エネルギー効率化のために、従来の強度を確保しつつ、鋼鉄からアルミニウム又はアルミニウム合金に材料を置き換えること、すなわち、更なる軽量化および比強度の改善が検討されている。
例えば、押出成形による単なる筒状部材ではなく、筒状部材の内部空間を縦2分割や縦横4分割した異型断面を有する筒状部材(中仕切りが設けられた筒状部材)等も提案されている。しかしながら、単に形状を変更するだけで従来の鋼鉄製部材と同様の強度を付与しようとすると、かえって重量が増加し、十分な軽量効果が得られないという問題があった。
そこで近年では、アルミニウム合金製部材を、軽量かつ高強度の炭素繊維で補強することが検討されている。例えば特許文献1には、金属製中空部材の外側表面(外面)にフィラメントワインディング法により強化繊維を巻付ける方法が記載されている。特許文献2には、樹脂を前もって含浸した強化繊維(プリプレグ)を、ゴムチューブ等で内部から金属中空部材内面に押し付けて接着、その後加熱硬化させる方法が開示されている。
特開2006−322590号公報 特開平10−314354号公報
しかしながら、特許文献1のように外面を補強する方法では、十分な強度が得られないばかりが金属製部材のその後の加工性を悪化させる問題があった。また、特許文献2のように内面を熱硬化性樹脂で補強する方法では、補強された製品を連続的に製造することが出来ず、生産性が不十分であるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、金属製部材を炭素繊維強化樹脂複合材で補強してなる補強金属部材を高生産性で製造する製造方法を提供すること、並びに、高い生産性で製造できるとともに高強度で軽量化された補強金属部材を提供することを目的とする。
本件発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果として、屈曲又は湾曲による折り返し部を有する繊維強化樹脂複合材を金属製部材の内部空間に配置した後に、金属製部材を加熱することによって、繊維強化複合材が金属製部材の内面に接着して当該金属製部材を有効に補強し得ること、すなわち、高強度かつ軽量な補強金属部材を高い生産性で生産できることを見いだした。
即ち本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 一方向に対向する一対の内面を有し、前記一対の内面の間に空間を画成する、金属製部材と、
炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂複合材と、を備え、
前記繊維強化樹脂複合材は、湾曲又は屈曲による折り返し部を含み、前記空間に配置されている、補強金属部材。
[2] 前記繊維強化樹脂複合材は、前記一方向で交互に逆向きに折り返しながら、前記一方向に直交する方向へ延びている、[1]に記載の補強金属部材。
[3] 前記繊維強化樹脂複合材は、前記折り返し部において、前記金属製部材に接触している、[1]又は[2]に記載の補強金属部材。
[4] 前記繊維強化樹脂複合材は、前記折り返し部において、前記金属製部材に接着している、[1]〜[3]のいずれかに記載の補強金属部材。
[5] 前記繊維強化樹脂複合材は、少なくとも一部の前記折り返し部において、炭素繊維を含んでいない、[1]〜[4]のいずれかに記載の補強金属部材。
[6] 前記繊維強化樹脂複合材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層に積層され且つ前記炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグと、を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の補強金属部材。
[7] 前記プリプレグは、前記熱可塑性樹脂層上に断続的に設けられている、[6]に記載の補強金属部材。
[8] 前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂である、[1]〜[7]のいずれかに記載の補強金属部材。
[9] 前記金属製部材は、アルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材である、[1]〜[8]のいずれかに記載の補強金属部材。
[10] 前記繊維強化樹脂複合材の伸長状態での長さは、前記一方向に直交する方向に沿った前記空間の長さよりも長い、[1]〜[9]のいずれかに記載の補強金属部材。
[11] 一方向に対向する一対の内面を有し且つ前記一対の内面の間に空間を画成する金属製部材の前記空間に、炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂複合材を配置し、前記空間内で、前記繊維強化樹脂複合材が、前記内面に接触した湾曲又は屈曲による折り返し部を含むようにする工程と、
前記金属製部材を加熱し、前記金属製部材と接触した前記折り返し部において、前記繊維強化樹脂複合材の前記熱可塑性樹脂を前記金属製部材と溶着させる工程と、を含む、補強金属部材の製造方法。
[12] 前記繊維強化樹脂複合材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂層に積層され前記炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグと、を含む、[11]に記載の補強金属部材の製造方法。
[13] 前記プリプレグは、前記熱可塑性樹脂層上に断続的に設けられており、
前記繊維強化樹脂複合材は、前記プリプレグが設けられていない領域において、折り返し部を形成する、[12]に記載の補強金属部材の製造方法。
[14] 前記金属製部材は、アルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材である、[11]〜[13]のいずれかに記載の補強金属部材の製造方法。
[15] 前記繊維強化樹脂複合材を配置する工程において、前記空間に配置された前記繊維強化樹脂複合材を前記一方向に直交する方向に圧縮することで、前記内面に接触した前記折り返し部を前記繊維強化樹脂複合材に形成する、[11]〜[14]のいずれかに記載の補強金属部材の製造方法。
[16] 前記繊維強化樹脂複合材は、前記空間に配置される前に、前記一方向に直交する方向に沿った前記空間の長さよりも長い全長を有している、[11]〜[15]のいずれかに記載の補強金属部材の製造方法。
本発明の補強金属部材は、軽量かつ高強度であるため、本材を用いた製品の効率化や安全性の向上に寄与することが出来る。
また、本発明に用いる繊維強化樹脂複合材は、一例として、押出成形等によって得られた長軸材に、適切な間隔で掘削部を設けた後、中空部材の内面に押し込むことで弾性力を利用して容易に作成することができる。
また、金属製部材側から(典型的には、外部から)の加熱工程によって、繊維強化樹脂複合材が熱によって可塑化し、金属製部材の内面と接着される。この加熱工程は金属部材への焼き付け塗装工程の温度を利用することもでき、この場合、金属製部品と繊維強化複合材を接着するためだけの工程が不要となり、低コストで生産性良く補強金属中空部材を製造することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、補強金属部材の一例を示す斜視図である。 図2は、図1の補強金属部材を示す側面図である。 図3は、図2の部分拡大図である。 図4は、図1の補強金属部材を示す正面図である。 図5は、図1に対応する図であって、補強金属部材の他の例を示す斜視図である。 図6は、図5の補強金属部材を示す正面図である。 図7は、図1の補強金属部材の製造方法の一例を説明するための図であって、図2と同様の視野を示している。 図8は、図1の補強金属部材の製造方法の一例を説明するための図であって、図2と同様の視野を示している。 図9は、図1の補強金属部材の製造方法の一例を説明するための図であって、図2と同様の視野を示している。 図10は、図1の補強金属部材の製造方法の一例を説明するための図であって、図2と同様の視野を示している。 図11は、繊維強化樹脂複合材の一例を、折り返し部を形成する前の状態で、示す斜視図である。 図12は、繊維強化樹脂複合材の他の例を、折り返し部を形成する前の状態で、示す斜視図である。 図13は、繊維強化樹脂複合材の更に他の例を、折り返し部を形成する前の状態で、示す斜視図である。 図14は、図2に対応する図であって、補強金属部材の一変形例を説明するための側面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態及びその変形例について説明する。図1〜図14は、本発明による一実施の形態及びその変形例を説明するための図である。このうち、図1〜図4は、それぞれ、補強金属部材の一例を示す斜視図、側面図、部分拡大側面図、又は、正面図である。図5及び図6は、それぞれ、補強金属部材の他の例を示す斜視図又は正面図である。
補強金属部材10は、元材となる金属製部材20と、金属製部材20を補強するための繊維強化樹脂複合材30と、を含んでいる。すなわち、補強金属部材10は、繊維強化樹脂複合材30によって補強された金属製部材20のことである。以下に説明する一実施の形態の補強金属部材10は、高い生産性で製造され得るとともに、軽量且つ高強度といった特長を有している。この補強金属部材10の用途は、特に限定されず、住居、集合住宅、公共施設、競技場等の構造物や、飛行機、船舶、鉄道車両、車等の移動体に用いられ得る。とりわけ、以下に説明する補強金属部材10は、長手方向を有する部材としても製造され得る。したがって、構造体や移動体における骨組み材としても好適である。
以下、補強金属部材10を構成する金属製部材20及び繊維強化樹脂複合材30について順に説明する。なお、以下で参照する図面には、共通するx軸方向、y軸方向、z軸方向を規定している。図示された例において、補強金属部材10の長手方向に一致する第1方向d1は、x軸方向と平行になっている。補強金属部材10の幅方向に一致する第2方向d2は、y軸方向と平行になっている。補強金属部材10の高さ方向に一致する第3方向d3は、z軸方向と平行になっている。
まず、金属製部材20について説明する。金属製部材20は、繊維強化樹脂複合材30による補強対象となる部材である。金属製部材20は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、鋼鉄、ステンレスチール等の金属を用いて作製された部材である。
図1及び図5に示すように、金属製部材20は、一方向(第3方向d3)に対向する一対の内面21a,21bを有し、内面21a,21bの間に空間Sを形成している。金属製部材20は、空間Sを有することで、軽量化を図りながら、形状的にその剛性、例えば曲げ剛性を向上させることができる。すなわち、金属製部材20は、空間Sを形成する形状を付与されることで、重量に対する強度の割合として表される比強度を改善されている。
図1〜図4に示された例において、金属製部材20は、所謂チャンネル材として形成されている。金属製部材20は、角ばったC字状の断面形状を有しており、開放された内部空間Sを画成している。一方、図5及び図6に示された例において、金属製部材20は、筒状の部材として形成されている。より具体的には、図5及び図6の金属製部材20は、角パイプとなっている。図1及び図5に示された補強金属部材10は、いずれも、第1方向d1に沿った任意の位置で、一定の断面形状を有する。このような補強金属部材10は、例えば押し出し成型によって、高生産性で安価に製造することが可能となる。
なお、金属製部材20は、空間Sを画成する形状であれば、特に限定されない。例えば、金属製部材20は、H字状の断面形状を有していてもよい。H字状の金属製部材20は、その外輪郭が占有する空間内に、二つの空間Sを外輪郭が占有する空間内に含むようになる。その他の例として、金属製部材20は、三角筒状の形状や、その他の多角形筒状の形状を有するようにしてもよいし、更に、円筒状や楕円筒状の形状を有するようにしてもよい。
次に、繊維強化樹脂複合材30について説明する。繊維強化樹脂複合材30は、まず、炭素繊維30a及び熱可塑性樹脂30bを含んだ部材である。繊維強化樹脂複合材30は、樹脂材料からなる部材を炭素繊維30aで補強した部材といえる。すなわち、繊維強化樹脂複合材30は、いわゆる炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)材料を用いて作製された部材である。したがって、繊維強化樹脂複合材30は、軽量かつ強度の高い、つまり比強度が大きいといった特長を有している。なお、繊維強化樹脂複合材30に用いられる材料や層構成等については後述する。
図1〜図6に示すように、繊維強化樹脂複合材30は、金属製部材20の空間Sに配置されている。とりわけ図示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、金属製部材20の空間S内に完全に収容され、空間S内のみに位置している。したがって、図示された例において、補強金属部材10の外輪郭は、空間S内を除き、金属製部材20の外輪郭によって形成されている。従来、用いられてきた寸法や形状の金属製部材を繊維強化樹脂複合材30で補強してなる補強金属部材10は、金属製部材が採用されてきた従来の用途に対して、重量増加を有効に抑制しながら、強度を著しく上昇させることができる。
また、所謂素材としてのCFRPは、シート状に形成されている。本実施の形態において、繊維強化樹脂複合材30は、空間S内において、湾曲又は屈曲による折り返し部35を含んでいる。折り返し部35を有する繊維強化樹脂複合材30は、形状的に高剛性を有するようになり、金属製部材20を効果的に補強することができる。
図示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、シート状(プレート状)の部材となっている。このシート状の繊維強化樹脂複合材30は、第3方向d3で交互に逆向きに折り返しながら、金属製部材20の長手方向となる第1方向d1に延びている。すなわち、繊維強化樹脂複合材30は、蛇行しながら第1方向d1に延びている。さらに言い換えると、繊維強化樹脂複合材30は、ジグザグ状に形成されている。このように第1方向d1に沿って複数の折り返し部35が分散して設けられることで、金属製部材20の強度を長手方向(第1方向)d1における各位置で一様に補強することができる。図1〜図6に示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、屈曲による折り返し部35を形成している。すなわち、繊維強化樹脂複合材30は、複数の屈曲部35aを有している。
また、繊維強化樹脂複合材30は、折り返し部35において、金属製部材20に接触している。図示された例において、複数の折り返し部35は、第3方向d3に対向する一対の内面21a,21bに、順に接触している。このような、繊維強化樹脂複合材30は、金属製部材20の空間S内において、ラーメン構造またはトラス構造として機能し得る。したがって、この繊維強化樹脂複合材30によれば、金属製部材20を効果的に補強して、補強金属部材10に高剛性を付与することができる。
加えて、図1〜図4に示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、第2方向d2における一方の側縁36aにおいて、金属製部材20の第1及び第2内面21a,21bを連結する第3内面21cに接触している。同様に、図5及び図6に示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、第2方向d2における一方の側縁36aにおいて、金属製部材20の第1及び第2内面21a,21bを連結する第3内面21cに接触し、第2方向d2における他方の側縁36bにおいて、金属製部材20の第1及び第2内面21a,21bを連結する第4内面21dに接触している。繊維強化樹脂複合材30の第3面21c及び第4面21dは、折れ線状に延びる連続した接触領域を形成している。繊維強化樹脂複合材30の側縁36における金属製部材20への接触も、繊維強化樹脂複合材30のラーメン構造またはトラス構造としての機能を強化する。
また、繊維強化樹脂複合材30は、折り返し部35において、金属製部材20に接着している。図示された繊維強化樹脂複合材30は、複数の折り返し部35において、第3方向d3に対向する金属製部材20の一対の内面21a,21bに、順に接着している。この接着は、繊維強化樹脂複合材30が、金属製部材20の空間S内において、ラーメン構造として機能することを促進する。そして、折り返し部35における繊維強化樹脂複合材30の金属製部材20への接着は、金属製部材20を極めて効果的に補強し、補強金属部材10の剛性を著しく向上させる。
なお、図示された例においては、繊維強化樹脂複合材30の側縁36も金属製部材20に接触しているが、この接触領域において、繊維強化樹脂複合材30の側縁36が金属製部材20に接着されていてもよい。側縁36における繊維強化樹脂複合材30の金属製部材20への接着は、金属製部材20を極めて効果的に補強し、補強金属部材10の剛性を著しく向上させる。
繊維強化樹脂複合材30と金属製部材20との接着は、接着材の供給により実現するようにしてもよい。また別の方法として、詳しくは後述するように、繊維強化樹脂複合材30に含まれる熱可塑性樹脂30bの溶着により、繊維強化樹脂複合材30と金属製部材20とが接着していてもよい。繊維強化樹脂複合材30が金属製部材20に接触している場合、金属製部材20を加熱することにより、繊維強化樹脂複合材30のうちの金属製部材20と接触している部分が局所的に加熱される。この結果、繊維強化樹脂複合材30は、この接触部分において、金属製部材20と溶着することができる。
なお、繊維強化樹脂複合材30に含まれる熱可塑性樹脂30bの溶着を利用する場合には、金属製部材20との接着領域となる繊維強化樹脂複合材30の部分が、炭素繊維30aを含まないようにしてもよい。例えば、図示された例においては、繊維強化樹脂複合材30のうちの折り返し部35をなす領域に、炭素繊維30aが含まれないようにしてもよい。
次に、繊維強化樹脂複合材30をなす材料について更に詳述する。繊維強化樹脂複合材30は、炭素繊維30aと、炭素繊維30aに含浸させた熱可塑性樹脂30bと、を含むシート状又はパネル状の複合材として形成される。繊維強化樹脂複合材30は、必要な強度を有するとともに、軽量化を実現することができるよう設計される。
繊維強化樹脂複合材30として、炭素繊維基材に合成樹脂を含浸させてなる部材、いわゆるプリプレグを用いることができる。プリプレグを単独で繊維強化樹脂複合材30としてもよいが、複数のプリプレグを積層して互いに接合(接着、溶着)したものを繊維強化樹脂複合材30としてもよい。炭素繊維基材は、炭素繊維を配列してなる基材である。炭素繊維基材として、炭素繊維で作製した織物、編物及び不織布等を用いることがでる。炭素繊維の織物、編物及び不織布等を用いた繊維強化樹脂複合材30では、互いに異なる二方向に延びる炭素繊維、例えば直交する二方向に延びる炭素繊維30aを含むようになる。
また、図1に示すように、炭素繊維が一定の方向を向くように配列された炭素繊維基材を用いることもできる。図1に示された例において、繊維強化樹脂複合材30に含まれる炭素繊維は、第2方向d2と直交する方向に延びている。そして、繊維強化樹脂複合材30に含まれる炭素繊維は、隣り合う二つの折り返し部35の間を結ぶ方向に延びている。
繊維強化樹脂複合材30は、炭素繊維30aに長手方向に強い引張強度を有するようになる。したがって、補強金属部材10の使用環境等を考慮して、炭素繊維30aの長手方向を種々の方向に設定すればよく、図1に示された例に限定されるものでない。なお、図1に示された例では、第2方向d2と平行な軸線を中心とする曲げ変形や第3方向d3と平行な軸線を中心とする曲げ変形に対して、繊維強化樹脂複合材30の炭素繊維30aが補強金属部材10の強度を有効に補強することができる。
繊維強化樹脂複合材30に含まれる炭素繊維30aとして、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維等を用いることができる。炭素繊維基材に含浸させている熱可塑性樹脂30bとして、例えば、オレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂などが好ましい。
ここで、図3は、繊維強化樹脂複合材30中の熱可塑性樹脂を金属製部材20の内面21と接着させることに適した繊維強化樹脂複合材30の構成を示している。図3に示された例において、繊維強化樹脂複合材30は、炭素繊維30aを含まず熱可塑性樹脂30bを含む熱可塑性樹脂層33と、熱可塑性樹脂30bに積層され且つ炭素繊維30aと熱可塑性樹脂30bとを含むプリプレグ31,32と、を含んでいる。とりわけ、図示された例では、繊維強化樹脂複合材30は、熱可塑性樹脂層33と、熱可塑性樹脂層33の両側にそれぞれ積層された第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32と、を含んでいる。そして、この繊維強化樹脂複合材30の折り返し部35では、山折りの外側となるプリプレグが除去されている。したがって、折り返し部35の頂部として、繊維強化樹脂複合材30の熱可塑性樹脂層33が露出して、熱可塑性樹脂層33が金属製部材20の内面21に接触および接着している。
次に、以上のような構成からなる補強金属部材10を製造する製造方法について説明する。以下に説明する製造方法は、主として、金属製部材20の空間Sに繊維強化樹脂複合材30を挿入し、空間S内で繊維強化樹脂複合材30が内面21に接触した折り返し部35を含むようにする工程と、金属製部材を加熱し、前記金属製部材と接触した前記折り返し部において、前記繊維強化樹脂複合材の前記熱可塑性樹脂を前記金属製部材と溶着させる工程と、を含む。
まず、図7に示すように、金属製部材20と、繊維強化樹脂複合材30をなすようになる材料40を準備する。金属製部材20は、例えばアルミミニウム合金を押し出し成型することで、作製され得る。一方、例えば図3に示された繊維強化樹脂複合材30を製造するための材料40として、図11や図12に示された材料40が準備される。図11や図12に示された材料40は、準に積層された第1プリプレグ31、熱可塑性樹脂層33及び第2プリプレグ32を含んでいる。このような積層体は、第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32を押し出し成型しながら、熱可塑性樹脂層33に積層していくことで作製され得る。或いは、この積層体は、枚葉状に作製された第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32を、熱可塑性樹脂層33上に熱プレス加工により積層することによっても作製され得る。
なお、図11や図12に示された材料40(繊維強化樹脂複合材30)では、折り返し部35において熱可塑性樹脂層33を露出させるため、熱可塑性樹脂層33の一方の面上に、複数の第1プリプレグ31が、熱可塑性樹脂層33の長手方向に沿って断続的に、すなわち、熱可塑性樹脂層33の長手方向に隙間41を空けて、配列されている。同様に、熱可塑性樹脂層33の他方の面上に、複数の第2プリプレグ32が、熱可塑性樹脂層33の長手方向に沿って断続的に、すなわち、熱可塑性樹脂層33の長手方向に隙間41を空けて、配列されている。
図11に示された例では、繊維強化樹脂複合材30の折り返し部35をなすようになる部分において、第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32を例えば切削加工によって除去することで、第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32の隙間41を形成することできる。なお、図11に示された例では、熱可塑性樹脂層33の隙間41に対面する部分の一部も、切削加工によって除去されている。一方、図12に示された材料40は、押し出し成型で作製される第1プリプレグ31及び第2プリプレグ32を、熱可塑性樹脂層33上に断続的に積層していくことで、作製され得る。
その後、図8に示すように、準備された繊維強化樹脂複合材30を、金属製部材20の空間S内に配置する。なお、図8から明らかであるように、繊維強化樹脂複合材30(材料40)の伸長状態での長さLxは、第1方向d1に沿った空間Sの長さ(第1方向d1に沿った金属製部材20の長さ)Lyよりも長くなっている。なお、繊維強化樹脂複合材30(材料40)の伸長状態での長さ(全長)Lxは、折り返し部35を形成された後での第1方向d1及び第3方向d3の両方に平行な断面における、繊維強化樹脂複合材30の面に沿った長さに相当する。
次に、図9に示すように、空間Sに挿入された材料40を第1方向d1に圧縮する。言い換えると、第1方向d1に沿った長さが短くなるように、第1方向d1における両側から材料40を押し込む。この結果、繊維強化樹脂複合材30の内面21a,21bに接触する折り返し部35を材料40に形成することができる。とりわけ、図11や図12に示された例のように、隙間41が形成された材料40を用いた場合、隙間41が形成された位置への折り返し部35の形成が促進される。このようにして、折り返し部35を有した繊維強化樹脂複合材30を、金属製部材20の空間Sに配置することができる。そして、全長の長かった材料40を、すべて、金属製部材20の空間S内に収容することができる。
次に図10に示すように、金属製部材20を加熱する。加熱の方式は特に限定されず、加熱に用いられる加熱手段45として、加熱炉、誘導加熱装置等を採用することができる。また、金属製部材20への焼き付け塗装工程の温度で、金属製部材20を加熱するようにしてもよい。金属製部材20が、繊維強化樹脂複合材30に含まれる熱可塑性樹脂30bのガラス転移温度又は結晶融点(例えば、100°以上230°以下)以上に昇温すると、繊維強化樹脂複合材30の金属製部材20に接触する部分において、繊維強化樹脂複合材30の熱可塑性樹脂30bが溶融する。その後、金属製部材20の温度が低下することにともなって、熱可塑性樹脂30bが固化し、金属製部材20と繊維強化樹脂複合材30が、熱可塑性樹脂30bの溶着によって、接着される。
とりわけ、図11や図12に示された材料40を繊維強化樹脂複合材30としても用いた場合、繊維強化樹脂複合材30のうちの折り返し部35において金属製部材20に接触する部分では、第1プリプレグ31や第2プリプレグ32が存在せずに、熱可塑性樹脂層33が露出している。このため、折り返し部35において、熱可塑性樹脂層33が、金属製部材20の内面21から熱を供給され、金属製部材20に溶着する。
さらに、図1〜図4に示された例では、繊維強化樹脂複合材30の第2方向d2における一方の側縁36aが、金属製部材20の第3内面21cに接触している。この一方の側縁36aでは、熱可塑性樹脂層33の端面が露出している。したがって、繊維強化樹脂複合材30は、一方の側縁36aにおいても、金属製部材20に溶着することができる。
同様に、図5及び図6に示された例では、繊維強化樹脂複合材30の第2方向d2における一方の側縁36a及び他方の側縁36bの両方が、金属製部材20の第3内面21cまたは第4内面21dに接触している。一方の側縁36aでは、熱可塑性樹脂層33の端面が露出し、他方の側縁36bでも、熱可塑性樹脂層33の端面が露出している。したがって、繊維強化樹脂複合材30は、一方の側縁36a及び他方の側縁36bにおいても、金属製部材20に溶着することができる。
このように、熱可塑性樹脂層33を介して繊維強化樹脂複合材30が金属製部材20に接着することを期待する場合には、熱可塑性樹脂層33は、少なくとも第1プリプレグ31や第2プリプレグ32よりも低い含有量(例えば、含有重量)または含有割合(じゅうりょう割合)でしか炭素繊維30aを含んでいないことが好ましく、、炭素繊維30aを極力含んでいないことがより好ましく、炭素繊維30aを全く含んでいないことが更に好ましい。
以上のようにして、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を補強してなる補強金属部材10を作製することができる。
上述した一実施の形態において、補強金属部材10は、一方向(第3方向d3)に対向する一対の内面21を有し且つ一対の内面21の間に空間Sを画成する金属製部材20と、炭素繊維30a及び熱可塑性樹脂30bを含む繊維強化樹脂複合材30と、を有している。繊維強化樹脂複合材30は、湾曲又は屈曲による折り返し部35を含み、空間Sに配置されている。繊維強化樹脂複合材30は、押し出し成型やプレス成型によって高い生産性で製造することができ、さらに、軽量かつ高強度である。とりわけ、繊維強化樹脂複合材30は、金属製部材20の空間S内において湾曲又は屈曲による折り返し部35を含んでおり、剛性を有する形状となっている。このような繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20が補強されることで、高い生産性で製造され得る補強金属部材10に優れた機械強度を付与することができるとともに、この補強金属部材10を軽量化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30は、一方向(第3方向d3)に直交する方向(第2方向d2)において、前記一方向で交互に逆向きに折り返している。繊維強化樹脂複合材30が、交互に逆向きとなる複数の折り返し部35を含むことで、補強金属部材10の機械強度を効果的に改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30は、折り返し部35において、金属製部材20に接触している。したがって、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれが規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20が有効に補強されることになる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30は、折り返し部35において、金属製部材20に接着している。したがって、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれ、並びに、繊維強化樹脂複合材30の変形が規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を有効に補強することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30は、少なくとも一部の折り返し部35において、炭素繊維30aを含んでいない。繊維強化樹脂複合材30は、炭素繊維30aを含んでいない位置において、熱可塑性樹脂30bを介して金属製部材20に溶着することが可能となる。この場合、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれ、並びに、繊維強化樹脂複合材30の変形が規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を有効に補強することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30は、炭素繊維30aを含まず熱可塑性樹脂30bを含む熱可塑性樹脂層33と、熱可塑性樹脂層33に積層され且つ炭素繊維30aと熱可塑性樹脂30bとを含むプリプレグ31,32と、を含んでいる。繊維強化樹脂複合材30は、プリプレグ31,32や熱可塑性樹脂層33に含まれる熱可塑性樹脂30bを利用して、金属製部材20に接着することが可能となる。この場合、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれ、並びに、繊維強化樹脂複合材30の変形が規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を有効に補強することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、プリプレグ31,32は、熱可塑性樹脂層33の面上に断続的に設けられている。繊維強化樹脂複合材30の熱可塑性樹脂層33が、当該熱可塑性樹脂層33の一つの面上で隣り合うプリプレグ31,32の間から露出して、金属製部材20の内面21に接着しやすくなる。この場合、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれ、並びに、繊維強化樹脂複合材30の変形が規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を有効に補強することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30の伸長状態での長さLxは、一方向(第3方向d3)に直交する方向(第1方向d1)に沿った空間Sの長さLyよりも長くなっている。ここで、繊維強化樹脂複合材30の伸長状態での長さLxとは、繊維強化樹脂複合材30の屈曲部35aや湾曲部35bを平らに広げ、且つ、外力を加えていない状態(すなわち伸びを生じさせていない状態)での長さのことである。したがって、金属製部材20の空間S内に繊維強化樹脂複合材30の全体を収容した際には、当該繊維強化樹脂複合材30に湾曲や屈曲による折り返し部35が発生し、また、繊維強化樹脂複合材30は、当該折り返し部35において、金属製部材20の内面21に接触しやすくなる。
上述した一実施の形態において、補強金属部材の製造方法は、一方向(第3方向d3)に対向する一対の内面21を有し且つ一対の内面21の間に空間Sを画成する金属製部材20の空間Sに、炭素繊維30a及び熱可塑性樹脂30bを含む繊維強化樹脂複合材30を配置し、この空間S内で、繊維強化樹脂複合材30が、内面21に接触した湾曲又は屈曲による折り返し部35を含むようにする工程と、金属製部材20を加熱し、金属製部材20と接触した折り返し部35において、繊維強化樹脂複合材30の熱可塑性樹脂30bを金属製部材20と溶着させる工程と、を含でいる。軽量かつ高強度の繊維強化樹脂複合材30は、金属製部材20の空間S内において湾曲又は屈曲による折り返し部35を含んでおり、剛性を有する形状となっている。しかも、繊維強化樹脂複合材30は、押し出し成型やプレス成型によって高い生産性で製造することができる。さらに、金属製部材20と繊維強化樹脂複合材30の溶着は、金属製部材20の空間Sに繊維強化樹脂複合材30を配置した後に金属製部材20を加熱することによって実現され得る。とりわけ、金属製部材20の加熱は、金属製部材20の外方から加熱すれば良く、金属製部材の空間Sから加熱を行う必要がない。したがって、金属製部材20の加熱による溶着を容易かつ迅速に行うことができる。したがって、高剛性で軽量の補強金属部材を高い生産性で製造することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、プリプレグ31,32は、熱可塑性樹脂層33の面上に断続的に設けられており、繊維強化樹脂複合材30は、プリプレグ31,32が設けられていない領域において、折り返し部折り返し部35を形成する。繊維強化樹脂複合材30は、プリプレグ31,32が設けられていない領域で屈曲または湾曲しやすくなる。結果として、繊維強化樹脂複合材30の熱可塑性樹脂層33が、隣り合うプリプレグ31,32の間から露出して、金属製部材20の内面に接着しやすくなる。この場合、金属製部材20の空間S内での繊維強化樹脂複合材30の移動やずれ、並びに、繊維強化樹脂複合材30の変形が規制され、繊維強化樹脂複合材30によって金属製部材20を有効に補強することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30を配置する工程において、空間Sに挿入された繊維強化樹脂複合材30を一方向(第3方向d3)に直交する方向(第1方向d1)に圧縮することで、金属製部材20の内面21に接触した折り返し部35を繊維強化樹脂複合材30に形成する。一方向(第3方向d3)に対向する金属製部材20の一対の内面21の間において、一方向(第3方向d3)に直交する方向(第1方向d1)に繊維強化樹脂複合材30を圧縮することで、繊維強化樹脂複合材30に折り返し部35を容易且つ安定して形成することができる。補強金属部材10の生産性をさらに改善することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、繊維強化樹脂複合材30を配置する工程で空間Sに配置される繊維強化樹脂複合材30は、一方向(第3方向d3)に直交する方向(第1方向d1)に沿った空間Sの長さLyよりも長い全長Lxを有している。したがって、金属製部材20の空間S内に配置された繊維強化樹脂複合材30に湾曲や屈曲による折り返し部35が発生し、また、繊維強化樹脂複合材30は、当該折り返し部35において、金属製部材20の内面21に接触しやすくなる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
図11及び図12を参照して説明した繊維強化樹脂複合材30(材料40)において、折り返し部35の山側の頂部を形成するプリプレグ31,32に隙間41を形成する例を示した。しかしながら、図13に示す例のように、折り返し部35の山側の頂部に対応するプリプレグ31,32の部分に加え、折り返し部35の谷側の底部を対応するプリプレグ31,32の部分にも、隙間41を形成するようしてもよい。図13に示された例によれば、折り返し部35の谷側となる部分にも隙間41bが形成されているので、予定した位置に予定した向きに突出する折り返し部35を形成することがさらに促進される。
とりわけ図13に示した例においては、山側となることを期待された隙間41aの幅Wa(折り返し部35の長手方向d2に直交する方向d1での長さ)と、谷側となることを期待された隙間41bの幅Wb(折り返し部35の長手方向d2に直交する方向d1での長さ)とが異なっている。図示された例では、谷側となることを期待された隙間41bの幅Wbが、山側となることを期待された隙間41aの幅Waよりも広くなっている。したがって、予定した位置に予定した向きに突出する折り返し部35を形成することがさらに促進される。
また、上述した例において、折り返し部35が、繊維強化樹脂複合材30の屈曲部35aによって形成される例をしめした。しかしながら、この例に限られず、図14に示すように、折り返し部35が、繊維強化樹脂複合材30の湾曲部35bによって形成されるようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 補強金属部材
20 金属製部材
21 内面
21a 第1内面
21b 第2内面
21c 第3内面
21d 第4内面
30 繊維強化樹脂複合材
30a 炭素繊維
30b 熱可塑性樹脂
31 第1プリプレグ
32 第2プリプレグ
33 熱可塑性樹脂層
35 折り返し部
35a 屈曲部
35b 湾曲部
36 側縁
36a 一方の側縁
36b 他方の側縁
40 材料
41 隙間
41a 隙間
41b 隙間
45 加熱手段
d1 第1方向
d2 第2方向
d3 第3方向
S 空間

Claims (14)

  1. 一方向に対向する一対の内面を有し、前記一対の内面の間に空間を画成する、金属製部材と、
    炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂複合材と、を備え、
    前記繊維強化樹脂複合材は、湾曲又は屈曲による折り返し部を含み、前記空間に配置されている、補強金属部材。
  2. 前記繊維強化樹脂複合材は、前記一方向で交互に逆向きに折り返しながら、前記一方向に直交する方向へ延びている、請求項1に記載の補強金属部材。
  3. 前記繊維強化樹脂複合材は、前記折り返し部において、前記金属製部材に接触している、請求項1又は2に記載の補強金属部材。
  4. 前記繊維強化樹脂複合材は、前記折り返し部において、前記金属製部材に接着している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  5. 前記繊維強化樹脂複合材は、少なくとも一部の前記折り返し部において、炭素繊維を含んでいない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  6. 前記繊維強化樹脂複合材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層に積層され且つ前記炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグと、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  7. 前記プリプレグは、前記熱可塑性樹脂層上に断続的に設けられている、請求項6に記載の補強金属部材。
  8. 前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  9. 前記金属製部材は、アルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  10. 前記繊維強化樹脂複合材の伸長状態での長さは、前記一方向に直交する方向に沿った前記空間の長さよりも長い、請求項1〜9のいずれか一項に記載の補強金属部材。
  11. 一方向に対向する一対の内面を有し且つ前記一対の内面の間に空間を画成する金属製部材の前記空間に、炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂複合材を配置し、前記空間内で、前記繊維強化樹脂複合材が、前記内面に接触した湾曲又は屈曲による折り返し部を含むようにする工程と、
    前記金属製部材を加熱し、前記金属製部材と接触した前記折り返し部において、前記繊維強化樹脂複合材の前記熱可塑性樹脂を前記金属製部材と溶着させる工程と、を含む、補強金属部材の製造方法。
  12. 前記繊維強化樹脂複合材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂層に積層され前記炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグと、を含む、請求項11に記載の補強金属部材の製造方法。
  13. 前記金属製部材は、アルミニウム製の部材またはアルミニウム合金製の部材である、請求項11または12に記載の補強金属部材の製造方法。
  14. 前記繊維強化樹脂複合材を配置する工程において、前記空間に配置された前記繊維強化樹脂複合材を前記一方向に直交する方向に圧縮することで、前記内面に接触した前記折り返し部を前記繊維強化樹脂複合材に形成する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の補強金属部材の製造方法。
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