JP2010125772A - 合成樹脂成形品の製造方法および成形金型 - Google Patents

合成樹脂成形品の製造方法および成形金型 Download PDF

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裕也 千葉
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Abstract

【課題】
インモールド成形法による合成樹脂成型品において、成型品の側面(立ち上がり部分)に相当する部分や、合成樹脂成型品に設けられた窓の端部に相当する部分において、合成樹脂シートの端部が表面にむき出しにならないようにすることによって、合成樹脂成型品の外観品質を向上させる。
【解決手段】
合成樹脂シートの位置決め手段を利用して第一の金型の所定位置に合成樹脂シートをセットした後、合成樹脂シートを合成樹脂シート保持手段により、金型と合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ保持し、位置決め手段を所定距離移動させることにより、合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させ、合成樹脂シートと金型によって画成される空間に溶融合成樹脂を射出し、合成樹脂シートと一体化した合成樹脂成形品を成形する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、意匠面を有する合成樹脂成形品の製造方法およびその製造方法において使用する成形金型に係るものである。更に詳細には、インモールド成形法を利用した、合成樹脂成形品の意匠面の外観品質を向上させることができる合成樹脂成形品の製造方法並びに成形金型を提供するものである。
近年、自動車の内装品や家電製品など、直接ユーザーの目に触れ、あるいはユーザーが直接手に触れる合成樹脂成形品においては、装飾性や触感を向上させるために、合成樹脂表面に平滑な面を持った意匠面を設けるようになってきている。
合成樹脂成形品の装飾性を高めるために、これまでは射出成形等によって成形された合成樹脂成形品の外表面に後から印刷、塗装を施して仕上げるのが一般的であった。しかし、合成樹脂成形品の外表面を印刷により加飾する場合には、種々の問題が生じる。
例えば、合成樹脂成形品に印刷を施す場合、合成樹脂成形品を固定して位置決めするためのセットアップ治具が必要になるが、このようなセットアップ治具は、一般的に複雑な形状になるため製作に費用がかかりすぎるという問題がある。また、合成樹脂成形品の製造バラツキによって高品質の印刷面が得られにくく、その結果製品歩留まりが低下するという問題もある。
更に、多色刷り印刷を行う場合には、合成樹脂製品の表面に付着した塵埃を取り除く必要が生じ、これを取り除く洗浄作業において、合成樹脂成形品の角の部分が欠けたり、あるいは出っ張り部分が欠け落ちたりすることがあった。
また、合成樹脂成形品が単曲面あるいは複曲面を有するような場合、パッド印刷という特殊な印刷方法を採用せざるを得なくなる。このパッド印刷は、パッド上に一旦インクを転写させた上で、パッドを合成樹脂成形品の外表面に押し当て、インクを合成樹脂成形品の外表面に転写するという方法をとっているため、印刷層が薄くなったり、印刷ムラが生じたりするため、例えば、自動車の計器盤や空調用パネルあるいはオーディオ製品等のバックライティングを行う場所等に使用すると、バックライティングによって浮き立たせるようにした絵柄や文字にピンホールが現れたり、地色の部分(例えば、黒地の部分)に夜空の星のごとく漏光が生じてしまい、外観品質を大きく低下させてしまうという問題があった。
そして、最も重要なことであるが、合成樹脂成形品の外表面に一つ一つ印刷を行うと、多大な人手がかかり、大幅なコスト増加につながるという問題があった。
このような問題を解決するために、意匠面をなす印刷層を備えた合成樹脂シートを表皮材として成形金型の内側面に予め配置し、その合成樹脂シートの裏面側に溶融した合成樹脂を射出し、この合成樹脂シートと溶融合成樹脂を融着一体化させることにより、綺麗な意匠面を有する合成樹脂成形品を製造するインモールド成形法という製造方法が採用されてきている。
インモールド成形法は、意匠の自由度が高く、また意匠の位置精度を高く維持することが可能である。また、透過意匠(バックライティングとも言い、成形品の後方あるいは横方向から光を当て、これを前面から見た場合に、印刷された絵柄や文字が明るく浮かびあがって見える意匠部分のことを言う)を設けることも可能である。(特許文献1参照)更に、絵柄や文字の印刷状態を制御することにより透過意匠部の光の透過の程度を調節することも可能になるなどの長所を有している。また、インモールド成形法の製造条件を改良することによっては、合成樹脂成形品に生じるウェルドラインやゲートマークを外観上見えなくなるようにすることも可能となる。
しかしながら、このようなインモールド成形法を採用した場合、印刷層を備えた合成樹脂シートを表皮材として成形金型の内側面に予め配置しておく必要があるが、これを金型内に配置する際に、合成樹脂シートを金型に対して位置決めしておく必要が生じる。このような位置決めの方法として、合成樹脂シートの端面を金型の角部に突き当てる、即ち、合成樹脂シートの外形寸法を金型の外形寸法に合わせるか、あるいは、合成樹脂シートに開けられた孔(窓部)に寸法を合わせた金型側突起を差し込むことによって位置決めすることが一般に行われていた。しかし、このような方法によって、合成樹脂シートの位置決めを行った場合、金型の角部、即ち、合成樹脂成型品の側面(立ち上がり部分)に相当する部分や、合成樹脂成型品に設けられた窓の端部に相当する部分には、溶融合成樹脂を回すことができず、合成樹脂シートの端部がこれらの部位において表面にむき出しになってしまうことになる。従って、このような方法で成形された合成樹脂成型品の立ち上がり部分や、合成樹脂成型品に設けた窓の端部を斜め方向から見ると、合成樹脂シートの端面が直接視認することができるようになるため、この合成樹脂シートの端面に存在する切断傷等が目立ち、合成樹脂成型品の外観品質を大きく損なってしまうという問題があった。
また、このように合成樹脂シートの端部が合成樹脂成型品の側面(立ち上がり部分)に相当する部分や、合成樹脂成型品に設けられた窓の端部に相当する部分において表面にむき出しになってしまうため、これらの端部では、合成樹脂シートと溶融合成樹脂との間に剥離が生じることもあり、外観品質を更に低下させてしまうという問題もあった。
特開2002-178362号公報
本発明はかかる問題を解決するためになされたものである。即ち、意匠面をなす印刷層を備えた合成樹脂シートを表皮材として使用するインモールド成形法を使用して製造する合成樹脂成型品であって、合成樹脂成型品の側面(立ち上がり部分)に相当する部分や、合成樹脂成型品に設けられた窓の端部に相当する部分において、合成樹脂シートの端部が表面にむき出しにならないようにすることによって、合成樹脂成型品の外観品質を向上させることを課題とするものである。
上述したような課題を解決するために、請求項1に記載された発明においては、第一の金型と第二の金型からなる合成樹脂成形用金型を準備するステップと、合成樹脂シートの位置決め手段を第一の金型の所定位置にセットするステップと、当該位置決め手段に合わせて所定の形状に切断加工された合成樹脂シートを第一の金型内面に沿わせて設置するステップと、当該第一の金型に第二の金型を接近させ型締めするステップと、当該第一の金型内に設置された当該合成樹脂シートを合成樹脂シート保持手段により、当該第一の金型と当該合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ保持するステップと、当該位置決め手段を所定距離移動させることにより、合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させるステップと、当該合成樹脂シート、当該第一の金型、及び当該第二の金型によって画成される空間に溶融合成樹脂を射出し、当該合成樹脂シートと一体化した合成樹脂成形品を成形するステップと、からなる合成樹脂成形品を製造するための方法であって、合成樹脂シートの端面周辺に形成された当該空隙部分に、溶融合成樹脂を流入させ固化する構成としている。
また、請求項2に記載された発明においては、請求項1に記載された合成樹脂成形品の製造方法において、位置決め手段が第一の金型と第二の金型の合わせ面方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなる構成としている。
また、請求項3に記載された発明においては、請求項1に記載された合成樹脂成形品の製造方法において、位置決め手段が第一の金型と第二の金型の合わせ面と垂直方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなる構成としている。
更に、請求項4に記載された発明においては、請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法において、合成樹脂シート保持手段は、第二の金型に設けられた突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成る構成としている。
また、請求項5に記載された発明においては、請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法において、合成樹脂シート保持手段は、第二の金型に設けられた押し切り用突起部から成る構成としている。
また、請求項6に記載された発明においては、請求項5に記載された合成樹脂成形品の製造方法において、合成樹脂シート保持手段は、押し切り用突起部に設けられた、突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成る構成としている。
また、請求項7に記載された発明においては、請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法において、合成樹脂シート保持手段は、第一の金型に設けられた吸引ポートと当該吸引ポートに連通する負圧源から成る構成としている。
請求項8に記載された発明においては、合成樹脂シートを予め金型内面に沿って配置し、金型と合成樹脂シートによって画成される空間に溶融合成樹脂を射出し、当該合成樹脂シートと一体化した合成樹脂成形品を成形するための金型において、第一の金型と第二の金型からなる合成樹脂成形用金型と、第一の金型の所定位置に合成樹脂シートを位置決めしつつセットするための合成樹脂シート位置決め手段と、当該第一の金型と当該合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ、当該合成樹脂シートを保持するための合成樹脂シート保持手段とから成り、合成樹脂シート位置決め手段は、所定距離移動可能となっており、当該合成樹脂シートを位置決めするために当該合成樹脂シートの端面に当接する位置と、当該合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させることができる位置の両位置の間を移動可能となっており、合成樹脂シートの端面周辺に形成された当該空隙部分に、溶融合成樹脂が流入し固化することができるような構成としている。
また、請求項9に記載された発明においては、請求項8に記載された合成樹脂成形用金型において、位置決め手段が第一の金型と第二の金型の合わせ面方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなる構成としている。
また、請求項10に記載された発明においては、請求項8に記載された合成樹脂成形用金型において、位置決め手段が第一の金型と第二の金型の合わせ面と垂直方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなる構成としている。
更に、請求項11に記載された発明においては、請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型において、合成樹脂シート保持手段は、第二の金型に設けられた突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成る構成としている。
また、請求項12に記載された発明においては、請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型において、合成樹脂シート保持手段は、第二の金型に設けられた押し切り用突起部から成る構成としている。
また、請求項13に記載された発明においては、請求項12に記載された合成樹脂成形用金型において、合成樹脂シート保持手段は、押し切り用突起部に設けられた、突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成る構成としている。
また、請求項14に記載された発明においては、請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型において、合成樹脂シート保持手段は、第一の金型に設けられた吸引ポートと当該吸引ポートに連通する負圧源から成る構成としている。
上述したような構成の発明とすることによって、意匠面をなす印刷層を備えた合成樹脂シートを表皮材として使用するインモールド成形法を使用して製造する合成樹脂成型品において、合成樹脂成型品の側面(立ち上がり部分)に相当する部分や、合成樹脂成型品に設けられた窓の端部に相当する部分のすべての領域において、溶融合成樹脂を配置することが可能となり、合成樹脂シートの端部が表面にむき出しにならないようにすることが可能となった。その結果、合成樹脂シートの端面に存在する切断傷等が視認することができなくなり、合成樹脂成型品の外観品質を大幅に向上させることが可能となった。また、合成樹脂シートの端部において、合成樹脂シートと溶融合成樹脂との間に剥離が生じることもなく、外観品質の低下を防止することも可能となった。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態を模式的に表したものである。この合成樹脂成形用金型は二つの割型を組み合わせることによって型内部にキャビティを形成し、このキャビティの中で合成樹脂シートに溶融合成樹脂を融着させ、硬化させることにより合成樹脂成形品を製造するものである。
本発明にかかる合成樹脂成形用金型は、内部にキャビティ30を形成するための掘り込みを備えた第一の金型11と、合成樹脂シート1の位置決めをするための位置決め手段と、スプルー25を備えた第二の金型21と、第二の金型21に取り付けられた押し切り用突起部22と、押し切り用突起部22に設けられた合成樹脂シート保持手段とから構成されている。
本実施例における第一の金型11及び第二の金型21は、射出成形用金型として使用されている金型と変わる所ははなく、ここでは詳細な説明は省略するが、成形時の温度維持のための金型温度を制御するための装置(図示せず)を備えている。
押し切り用突起部22は、合成樹脂シート1の背面に溶融合成樹脂を配しない部分を設けたり、合成樹脂成形品に孔や窓を配置したりする際に使用するものである。 従って、合成樹脂シート1の背面に溶融合成樹脂を配しない部分を設けず、合成樹脂成形品に孔や窓を配置しない場合には押し切り用突起部22は必要ない。 押し切り用突起部22は、第一の金型11と第二の金型21とを型締めした際に、合成樹脂シート1の背面、又は、第一の金型内面に接触するように設定されているものである。(例えば、図4参照)押し切り用突起部22は第二の金型21に一体的に設けるようにしても良いし、あるいは入れ子として設けるようにしても良い。
合成樹脂シート1の位置決め手段は、第一の金型11の内部に合成樹脂シート1を配置する際に第一の金型11に対する合成樹脂シート1の位置を精度よく決定するための手段である。図1に示す実施例では、第一の金型11と第二の金型21との合わせ面(パーティング面)に沿って摺動するスライドコア12によって位置決め手段を構成するようにしている。このような位置決め手段は、1個または2個以上のスライドコア12で構成しても良い。このスライドコア12は、第一の金型11の側壁から所定距離「a」(図1参照)だけ摺動することが出来るようになっており、通常この所定距離「a」は0.5mm〜1.0mm程度に設定されている。そして、第一の金型11の側壁から所定距離「a」だけ突起したスライドコア12の先端面に合わせて合成樹脂シート1が配置されるようになっている (図2参照)。
ここまで、合成樹脂シート1の位置決め手段としては、第一の金型11と第二の金型21との合わせ面に沿って摺動するスライドコア12によって構成されるものとして説明してきたが、これに限定されるものではない。スライドコア12を第一の金型11と第二の金型21との合わせ面に垂直方向に摺動させるようにすることもできる。(図示せず)この場合、スライドコア12の側面が第一の金型11の側壁から所定距離「a」だけ突起するように配置され、スライドコア12の側面に合わせて合成樹脂シート1が配置されるようになる。
合成樹脂シート保持手段は、前述した位置決め手段によって合成樹脂シートを第一の金型11の内部で精度良く位置決めした後、第一の金型11と合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ、この合成樹脂シートを保持するものである。図1に示す実施例においては、合成樹脂シート保持手段は、突起部23とこの突起部23を弾性支持するスプリング部材24とで構成されている。この突起部23はスプリング部材24によって弾性支持されつつ、第一の金型11と第二の金型21との合わせ面に垂直方向へ摺動可能となっている。合成樹脂シート1を第一の金型11内へ位置決め配置した後、第一の金型11と第二の金型21を型締めすると、突起部23の先端面は合成樹脂シート1の背面に当接し、スプリング部材24の付勢力により合成樹脂シート1を第一の金型に押し付けるようになっている。
図1に示す実施例では、合成樹脂シート保持手段である突起部23とスプリング部材24は、押し切り用突起部22の中に配置されているが、押し切り用突起部22を使用せず、第二の金型に直接取り付けるようにすることもできる。
また、図5、6、および7に示すように合成樹脂シート保持手段として、突起部23とスプリング部材24を使用せず、押し切り用突起部22を合成樹脂シート保持手段として機能させるようにすることもできる。この場合、押し切り用突起部22の端面を合成樹脂シートの背面に当接させることによって合成樹脂シートを保持するものである。
図5、6、および7に示す押し切り用突起部22には付勢力を与えるスプリングは表示されていないが、押し切り用突起部22を入れ子状にし、これをスプリング(図示せず)によって保持させ、もって押し切り用突起部22に付勢力を与えるようにすることもできる。
更に、図8、9、および10に示すように合成樹脂シート保持手段として、突起部23とスプリング部材24を使用せず、第一の金型に設けた吸引ポート13と、この吸引ポートに連通する負圧源(図示せず)から構成するようにしても良い。吸引ポートに負圧を作用させることによって、第一の金型11に合成樹脂シート1を吸着させ第一の金型11に対する合成樹脂シート1の位置を維持しつつ保持することが可能となる。第一の金型に設けた吸引ポート13の数は合成樹脂成形品の大きさや形状に合わせて、1又は2以上の数に設定することができる。
本発明に使用される合成樹脂シート1としては、特に限定されるものではないが、板厚0.1mm程度から2.0mm程度の範囲の熱可塑性合成樹脂シート1が望ましい。また、一般的には、合成樹脂シート1にはスクリーン印刷等の方法により予め加飾印刷が施されている。合成樹脂シート1を第一の金型11内に配置する際、印刷面は、第一の金型11に接する側あるいは、第一の金型11に接しない背面側(即ち、溶融樹脂側)のいずれに配置することもできる。
次に、ここで説明してきた成形金型を使用した、合成樹脂成形品の製造方法について説明する。
まず、第一の金型11と第二の金型21からなる合成樹脂成形用金型を準備する。このとき、第一の金型11と第二の金型12は金型温度を制御するための装置(図示せず)によって所定温度に保持されている。
次に、合成樹脂シート1の位置決め手段を第一の金型11の所定位置にセットする。例えば、図1に示す実施例では、位置決め手段であるスライドコア12の先端端面を第一の金型11の側壁から所定距離「a」だけ突起した位置まで摺動移動させる。
次に、位置決め手段(図1に示す実施例では、スライドコア12の先端端面位置)に合わせて所定の形状に切断加工された合成樹脂シート1を第一の金型11内面に沿わせて設置する (図2、5、及び8参照)。
この段階において、第一の金型11に第二の金型21を接近させ型締めする (図3、6、及び9参照)。
次に第一の金型11内に設置された合成樹脂シート1を合成樹脂シート保持手段により、第一の金型11と合成樹脂シート1の位置関係を維持しつつ保持する (図3、6、及び9参照)。
更に、位置決め手段を所定距離移動させることにより(図3、6、及び9に示す実施例では、スライドコア12の先端端面が第一の金型の側壁面と面一となる位置まで後退させることにより)、合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させる。
次に、合成樹脂シート1、第一の金型11、及び第二の金型12によって画成される空間にスプルー25を通じて溶融合成樹脂を射出し、合成樹脂シート1と一体化した合成樹脂成形品を成形する。
このような製造方法を採用することによって、合成樹脂シートの端面周辺に形成された空隙部分に、溶融合成樹脂を流入させ、固化させることができるため、合成樹脂シートの端部が表面にむき出しにならないようにすることが可能となる。その結果、合成樹脂シートの端面に存在する切断傷等が視認することができなくなり、合成樹脂成型品の外観品質を大幅に向上させることが可能となる。また、合成樹脂シートの端部において、合成樹脂シートと溶融合成樹脂との間に剥離が生じることもなく、外観品質の低下を防止することも可能となる。
図1は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、突起部とスプリング部材を使用したもの)を模式的に表したものである。 図2は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、突起部とスプリング部材を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段によって合成樹脂シートの位置決めを行った状態を示したものである。 図3は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、突起部とスプリング部材を使用したもの)を模式的に表したものであって、型締めした状態を示したものである。 図4は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、突起部とスプリング部材を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段を退避させた状態を示したものである。 図5は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、押し切り用突起部を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段によって合成樹脂シートの位置決めを行った状態を示したものである。 図6は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、押し切り用突起部を使用したもの)を模式的に表したものであって、型締めした状態を示したものである。 図7は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、押し切り用突起部を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段を退避させた状態を示したものである。 図8は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、吸引ポートと吸引ポートに連通する負圧源を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段によって合成樹脂シートの位置決めを行った状態を示したものである。 図9は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、吸引ポートと吸引ポートに連通する負圧源を使用したもの)を模式的に表したものであって、型締めした状態を示したものである。 図10は、本発明にかかる合成樹脂成形用金型の基本的な形態(合成樹脂シート保持手段として、吸引ポートと吸引ポートに連通する負圧源を使用したもの)を模式的に表したものであって、合成樹脂シート位置決め手段を退避させた状態を示したものである。
符号の説明
1 合成樹脂シート
11 第一の金型
12 スライドコア
13 吸引ポート
21 第二の金型
22 押し切り用突起部
23 突起部
24 スプリング部材
25 スプルー
30 キャビティー

Claims (14)

  1. (1) 第一の金型と第二の金型からなる合成樹脂成形用金型を準備するステップと、
    (2) 合成樹脂シートの位置決め手段を第一の金型の所定位置にセットするステップと、
    (3) 当該位置決め手段に合わせて所定の形状に切断加工された合成樹脂シートを第一の金型内面に沿わせて設置するステップと、
    (4) 当該第一の金型に第二の金型を接近させ型締めするステップと、
    (5) 当該第一の金型内に設置された当該合成樹脂シートを合成樹脂シート保持手段により、当該第一の金型と当該合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ保持するステップと、
    (6) 当該位置決め手段を所定距離移動させることにより、合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させるステップと、
    (7) 当該合成樹脂シート、当該第一の金型、及び当該第二の金型によって画成される空間に溶融合成樹脂を射出し、当該合成樹脂シートと一体化した合成樹脂成形品を成形するステップと、
    からなる合成樹脂成形品を製造するための方法であって、合成樹脂シートの端面周辺に形成された当該空隙部分に、溶融合成樹脂が流入し固化していることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記位置決め手段が前記第一の金型と第二の金型の合わせ面方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  3. 請求項1に記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記位置決め手段が前記第一の金型と第二の金型の合わせ面と垂直方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第二の金型に設けられた突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成ることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第二の金型に設けられた押し切り用突起部から成ることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  6. 請求項5に記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記押し切り用突起部に設けられた、突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成ることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載された合成樹脂成形品の製造方法であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第一の金型に設けられた吸引ポートと当該吸引ポートに連通する負圧源から成ることを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  8. 合成樹脂シートを予め金型内面に沿って配置し、金型と合成樹脂シートによって画成される空間に溶融合成樹脂を射出し、当該合成樹脂シートと一体化した合成樹脂成形品を成形するための金型であって、
    (1) 第一の金型と第二の金型からなる合成樹脂成形用金型と、
    (2) 第一の金型の所定位置に合成樹脂シートを位置決めしつつセットするための合成樹脂シート位置決め手段と、
    (3) 当該第一の金型と当該合成樹脂シートの位置関係を維持しつつ、当該合成樹脂シートを保持するための合成樹脂シート保持手段とから成り、
    (4) 合成樹脂シート位置決め手段は、所定距離移動可能となっており、当該合成樹脂シートを位置決めするために当該合成樹脂シートの端面に当接する位置と、当該合成樹脂シートの端面周辺に所定の空隙部分を形成させることができる位置の両位置の間を移動可能となっており、
    (5) 合成樹脂シートの端面周辺に形成された当該空隙部分に、溶融合成樹脂が流入し固化することができるようになっていることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  9. 請求項8に記載された合成樹脂成形用金型であって、前記位置決め手段が前記第一の金型と第二の金型の合わせ面方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  10. 請求項8に記載された合成樹脂成形用金型であって、前記位置決め手段が前記第一の金型と第二の金型の合わせ面と垂直方向に摺動する1又は複数のスライドコアからなることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第二の金型に設けられた突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成ることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  12. 請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第二の金型に設けられた押し切り用突起部から成ることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  13. 請求項12に記載された合成樹脂成形用金型であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記押し切り用突起部に設けられた、突起部と当該突起部を弾性支持するためのスプリング部材から成ることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
  14. 請求項8乃至10のいずれかに記載された合成樹脂成形用金型であって、前記合成樹脂シート保持手段は、前記第一の金型に設けられた吸引ポートと当該吸引ポートに連通する負圧源から成ることを特徴とする合成樹脂成形用金型。
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