JP2010125426A - 積層フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス除去フィルタ用濾材をフィルタ枠に収納してなる構成のケミカルフィルタである有機系ガス除去フィルタ11、アルカリ性ガス除去フィルタ12、酸性ガス除去フィルタ13からなる一群から選ばれるひとつの種類のケミカルフィルタを複数個実質的に隙間なく多段に積層し、もしくは前記一群から異なる種類のものを選定して複数個実質的に隙間なく多段に積層した多段フィルタ14を、フィルタ固定枠30に収納した。
【選択図】図2
Description
また、フィルタ3台分とその間隔を含めてかなり広くとる必要があり、設置スペースが広くなってしまい、コンパクトでないという問題がある。
さらには、実施例1によれば305×305×290mmのため厚手フィルタとなっていて、このため構造抵抗が大きくなり圧力損失が大きくなるという問題がある。
また、フィルタの厚さは不明であるがハニカム構造であるため所定効率を得るには圧力損失が大きくなるという問題がある。
また、ケミカルフィルタの濾材を1回で交換できるよう低圧損シートをケミカルフィルタと塵埃除去フィルタの間に介在させていて、これにより、フィルタ交換時には、そのシートを持ち上げると記載しているが、そのような構造を採用すると、必然的に、濾材とフィルタ枠の間はシール剤で気密化できないという問題がある。
上記構成によれば、各ケミカルフィルタは、それぞれフィルタ用の濾材がフィルタ枠に収納されているので、それぞれが単独のフィルタとしてのシール性能を備えており、これを多段にしても、濾材自体を多段にしたものに見られるように、途中でエアーが漏れることがない。複数のケミカルフィルタを多段にして使用できるので、コンパクトで省スペースである。
そして、ひとつの種類のケミカルフィルタを多段にした場合には、特定の対象についてその分高い除去性能と寿命を得られる。また、異なる種類のケミカルフィルタを多段にした場合には、複合した除去性能が得られる。
ここで、多段フィルタはフィルタ固定枠に収納されて積層フィルタとされている。これにより、空気浄化設備においては、積層フィルタ単位でフィルタ交換することができ、フィルタ交換がきわめて容易である。
上記構成によれば、限られた体積中に収容した濾材の基材である不織布を折り畳んで、有効濾過面積を大きくしつつ、該濾材の単位面積当たりの吸着性粒子の保持量を多くするとともに、均一な分散をはかることができる。
上記構成によれば、ひだ折りされた濾材の折部の間隔を安定して維持させることで、軽く低圧損で薄型のフィルタを実現でき、該フィルタ形状を適切に保持することができる。
上記構成によれば、ガスだけでなく、微細なチリや埃を除去できる積層フィルタを得ることができる。
上記構成によれば、多段フィルタをまとめて保持する固定フィルタを形成するにあたり、板材のつなぎ目が少なく、多段フィルタの側面を確実にシールでき、軽量で、しかも丈夫な構造であるとともに、エアの通気を損なわない適切な構造を得ることができる。
上記構成によれば、板材のつなぎ目は多少増えるが、多段フィルタをまとめて保持する固定フィルタを形成するにあたり、多段フィルタの側面をほぼ確実にシールでき、軽量で、しかも丈夫な構造であるとともに、エアの通気を損なわない適切な構造を得ることができる。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態にかかる積層フィルタの概略斜視図、図2は図1のA−A線概略断面図である。
図1において、積層フィルタ10は、後述するように形成されるフィルタ固定枠30内に、図2に示すように複数のケミカルフィルタを隙間なく積層した多段フィルタ14を収容して構成されている。
すなわち、フィルタ固定枠30内に収容されている多段フィルタ14を構成するケミカルフィルタは、図2で矢印で示す浄化ないし除去対象空気の流れに関して、その上流側から、有機系ガス除去フィルタ11と、アルカリ性ガス除去フィルタ12と、酸性ガス除去フィルタ13が順番に、しかも実質的に隙間なく積層されている。
これらケミカルフィルタの濾材16は、不織布間に、吸着性粒子として活性炭粒子やイオン交換樹脂の粒状物を挟み込んで形成したが使用されている。例えば、有機系ガス除去フィルタ11は、例えば、その濾材が、プリーツ折り(ジグザグ折り)構造の活性炭素繊維で形成されている。アルカリ性ガス除去フィルタ12は、濾材が、例えば、プリーツ折り構造の強酸性カチオン交換繊維から、酸性ガス除去フィルタ13は、濾材が、例えば、同じくプリーツ折り構造の弱塩基性アニオン交換繊維で形成されている。
このように積層された多段フィルタ14は、シール剤19によりその側面を気密にシールされた状態で、例えば、鋼板により、矩形の枠状に形成されたフィルタ固定枠30内に収容されている。
そして、フィルタ固定枠30の下端には、枠状に形成したガスケット17を固定している。
そして、種類の異なる複数のケミカルフィルタを多段にして使用できるので、コンパクトで省スペースである。
そして、ひとつの種類のケミカルフィルタを多段にした場合には、特定の対象についてその分高い除去性能と寿命を得られる。また、異なる種類のケミカルフィルタを多段にした場合には、複合した除去性能が得られる。
ここで、多段フィルタ14はフィルタ固定枠30に収納されて積層フィルタ10とされている。これにより、空気浄化設備においては、積層フィルタ10単位でフィルタ交換することができ、フィルタ交換がきわめて容易である。
すなわち、ケミカルフィルタの最下流に酸性ガス除去フィルタ13を配置するようにしているのである。
これは、有機系ガス除去フィルタ13に活性炭を用いた場合、活性炭は大気中の窒素酸化物を吸着した際に窒素イオンを放出する可能性があるために、それより下流に酸性ガス除去フィルタを配置することが望ましいからである。
また、アルカリ性ガス除去フィルタ12は、エステル類が環境中に存在した場合に加水分解反応にカルボン酸とアルコールを放出する可能性があるので、それより下流に酸性ガス除去フィルタを配置することが望ましいのである。
なお、濾材にイオン交換樹脂用いた場合はこの限りでない。
(ケミカルフィルタの製造方法)
次に、図3、図4を参照して、積層フィルタ10のフィルタ固定枠30に収容されるケミカルフィルタの製造方法を説明する。以下の説明では、有機系ガス除去フィルタ13の製造方法を代表させて説明するが、他の種類のケミカルフィルタも同様の方法で製造することができる。
次に、フィルタ枠15の一部を作成する。まず、長尺の帯状板の幅方向の両端部を、該帯状板の長手方向と直交する同じ方向にそれぞれ折り曲げることで、B−B線切断端面図である図3(b)に示すように、断面コ字上のチャンネル状とする。
さらに、該チャンネル状とした部材の長手方向の両側部を、同じ寸法に所定長さだけそれぞれ曲げることにより、結合された3辺と開放部とを有する枠板15−1とする。
尚、部材15−2の長手方向の両端部は、リベットにより固定するためのリベット挿入口を備えた折曲部が形成されており、このリベット挿入口から図示しないリベットを挿入してフィルタ枠板15−1に固定される。
最後に、前記フィルタパック1から螺旋状間隔保持部材4a,4b,4c,4dを外して、図4(b)に示すようなケミカルフィルタ11とする。
尚、図示した例では、フィルタ枠15は一枚の帯状平板から加工して三辺枠とし残りの一辺を組み合せる構造としたが、これに限定されることなく、四辺共に一枚の帯状平板から加工する構造としてもよいし、四辺共に別々の帯状平板から加工する構造としてもよい。
また、フィルタ枠15の枠部材15−1と部材15−2との接合は、鋼板のためリベットを用いて接合したが、これに限定されることなく、溶接或いはボルト・ナットによる締め付けでもよい。枠材質が樹脂或いは紙等であれば、接着剤を用いてもよい。
また、フィルタ枠15は、鋼板製としたが、ステンレス等の金属、P P 、P E T等の合成樹脂など中性能、高性能フィルタに使用できるものであれば使用できる。
螺旋状間隔保持部材4としては、コイルバネを採用することが好ましい。線状の部材を旋回させたコイルバネは、その湾曲部が挿入片3として機能し、濾材2のひだ5とは湾曲部で接するため濾材2への負荷を軽減できるからである。また、ステンレス鋼線、ピアノ線、オイルテンパ線、銅合金線、金属被覆線、クラッドワイヤなどの金属、PTFE樹脂等の合成樹脂から一体成型できるからである。尚、コイルバネは、金属やPTFE等から形成することが好ましい。発ガスを抑えることができるからである。
また、濾材2の厚さに応じて、コイルバネのピッチP,ピッチ角α,コイル径Dを調整することで、ひだ5の間隔保持のための強さ、濾材2からの螺旋状間隔保持部材(コイルバネ)4の脱落性を調整できる。
また、コイルバネ4のコイル径Dを、ひだ折りされたフィルタパック1の気流通過方向の厚みTの1/2以上とし、且つ、(フィルタパックの厚みT)−(濾材の厚みt)+(コイルバネの線径d)以下とすることにより、コイルバネ4が濾材2のひだ5に接触することがないので、フィルタパック1の気流通過方向の厚みTを薄くしても、破損等のおそれがないエアフィルタとすることができる。
更に、コイルバネのコイル数を、ひだの数と同数にし、且つ、強度が保てる範囲でコイルバネの線径を細くするほうが、取り付け作業性に優れ、簡単に外れることも防げる。
また、前記コイルバネ4を、前記フィルタパック1の上流側と下流側の両方に設ける場合には、両側からのコイルバネ4によりひだ5の間隔を保持することができるので、コイル径D(高さ)を、フィルタパック1の厚みの1/2以下としてもよい。
また、螺旋状間隔保持部材4は、濾材2の表裏面のそれぞれに設けることが好ましい。濾材2を表裏面から挟みこむため、位置ずれが生じにくく、容易に外れることがなく、更に、復元力も強くなるからである。
なお、ケミカルフィルタは、上記した螺旋状間隔保持部材4a,4b,4c,4dを全て外して、次段の工程であるフィルタ固定枠への収納をしてもよいし、図4(a)における螺旋状間隔保持部材4c,4dを残して、フィルタ枠15を横切る2本のステー(図示せず)を設けてもよい。すなわち、該2本のステーを、収容したケミカルフィルタの螺旋状間隔保持部材4c,4dが隠れる位置に設けるようにして、補強構造としてもよい。
続いて、上述のように製造したケミカルフィルタを用いて、図1で説明した積層フィルタ10を作成する。
図6は、フィルタ固定枠30の概略分解斜視図、図7は積層フィルタ10の概略斜視図、図8はフィルタ固定枠30を示し、(a)正面図、(b)背面図、(c)厚み方向の部分断面図である。これらを参照しながら、積層フィルタの製造方法を簡単に説明する。
次に、フィルタ固定枠30の一部を作成する。
まず、長尺の帯状板の幅方向の両端部を、該帯状板の長手方向と直交する同じ方向にそれぞれ折り曲げることで、断面コ字上のチャンネル状とする。
さらに、該チャンネル状とした部材の長手方向の両側部を、同じ寸法に所定長さだけそれぞれ曲げることにより、結合された3辺と開放部とを有する枠板を作る。
つまり、ここまでの手法は、材料寸法の相違だけで、図3等で説明したフィルタ枠15の作り方と同じである。
枠板30−1の対向する辺間には、フィルタ固定枠30の変形を防止するためのステー31,32を懸架して固定する。ここでは、ステー31としては、断面がコ字状の部材を使用し、ステー32としては、断面が略L字状の部材を対向させた部材を使用し、これらのいずれも、枠板30−1の側面に図示しないリベット等により固定される。
このようにして、3辺が形成された枠板30−1の開放辺側から、図1で説明した有機系ガス除去フィルタ11、アルカリ性ガス除去フィルタ12、酸性ガス除去フィルタ13を挿入する。そして、帯状の鋼板を、長手方向に向かって両側部を立ち上げて断面コ字状に形成した部材を、残りの1辺の部材30−2として、枠板30−1の開放辺側から被せるようにする。これにより、有機系ガス除去フィルタ11、アルカリ性ガス除去フィルタ12、酸性ガス除去フィルタ13の外周をフィルタ固定枠30により囲繞する。
尚、部材30−2の長手方向の両端部は、リベットにより固定するためのリベット挿入口を備えた折曲部が形成されており、このリベット挿入口から図8(a)に示すように、リベットを挿入して枠板30−1に対して固定される。
なお、ステー31,32は省略することができる。
なお、図示した例では、フィルタ固定枠30の略中心線近傍にステー31,32を2本配置したが、本数や設ける位置については特に制限するものではない。
また、フィルタ固定枠30は一枚の帯状平板から加工して三辺枠とし残りの一辺を組み合せる構造としたが、これに限定されることなく、四辺共に一枚の帯状平板から加工する構造としてもよいし、四辺共に別々の帯状平板から加工する構造としてもよい。
また、フィルタ固定枠30の辺同士、或いは、ステー31,32とフィルタ固定枠30の接合は、鋼板のためリベットを用いて接合したが、これに限定されることなく、溶接或いはボルト・ナットによる締め付けでもよい。枠材質が樹脂或いは紙等であれば、接着剤を用いてもよい。
また、ステー31,32およびフィルタ固定枠30は、鋼板製としたが、ステンレス等の金属、PP、PET等の合成樹脂など中性能、高性能フィルタに使用できるものであれば使用できる。
次に、積層フィルタの第2の実施形態について説明する。
以下の説明において、第1の実施形態の図面で用いた符号と同一のものを付した箇所は、共通する構成であるから、重複する説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第1の実施形態では、ケミカルフィルタだけを用いて積層フィルタを形成したが、本実施形態では、ケミカルフィルタと塵埃除去フィルタを組み合わせて積層フィルタを形成した点が異なる。
図9において、積層フィルタ50は、後述するように形成されるフィルタ固定枠40内に、図10に示すように複数のケミカルフィルタ11,12,13と、塵埃除去フィルタ45とを隙間なく積層した多段フィルタ46収容して構成されている。
すなわち、フィルタ固定枠40内に収容されている多段フィルタ46を構成するケミカルフィルタは、図10で矢印で示す浄化ないし除去対象空気の流れに関して、その上流側から、有機系ガス除去フィルタ11と、アルカリ性ガス除去フィルタ12と、酸性ガス除去フィルタ13と、塵埃除去フィルタ45が実質的に隙間なく積層されている。
このように積層された多段フィルタ46は、シール剤19によりその側面を気密にシールされた状態で、例えば、鋼板により、矩形の枠状に形成されたフィルタ固定枠40内に収容されている。
そして、フィルタ固定枠40の下端には、矩形の枠状に形成したガスケット17を固定している。
特に、ボロン、有機ガス等の発生が少ない低発ガスのという観点からするとPTFE膜濾材のフィルタが好ましい。
特に、図12に示すように、単に、枠W内に有機系ガス除去フィルタ11と、アルカリ性ガス除去フィルタ12と、酸性ガス除去フィルタ13と、塵埃除去フィルタ45を、これらの間に図13に示すような矩形の枠状のパッキンもしくはガスケット18を介在させて収納しただけでは、矢印Aに示すように、浄化対象の空気が側面から漏れてしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、それぞれの濾材16がフィルタ枠15に収納されていて、それぞれのフィルタが単独のフィルタとしてのシール性能を備え、しかもシール材17により気密にされているので、図12に示すように、途中でエアーが漏れることがない。
次に、本発明の積層フィルタ50の製造方法の一例を図13を参照して説明する。
図13は、本実施形態の積層フィルタ50の組み立て状態の斜視図であって、図中46は、図10で説明した多段フィルタを示しており、濾材をジグザグ状に(プリーツ状に)折り込み、この折り曲げ空間にセパレータを配して折り曲げ空間の間隔保持を行うようにしたものである。
すなわち、多段フィルタ46に含まれる有機系ガス除去フィルタ11、アルカリ性ガス除去フィルタ12、酸性ガス除去フィルタ13、塵埃除去フィルタ45の多段フィルタ(パック)を、上下枠板44,41と左右側板42,43とで囲繞して、該多段フィルタ46と前記上下枠板44,41の間に、注入ガン21−1を用いてシール剤21を充填するようにしたものである。
そして、前記上下枠板44,41および左右側板42,43をアルミ枠材で構成し、上下枠板44,41の気流方向の流入側および流出側に設けられたに舟52,52は上下枠板44,41と一体に形成したものとしたが、上下枠板44,41と別体に構成したアルミ部材として、上下枠板44,41にビス止め等で固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ガイド板53,53を合成樹脂板で構成し、上下枠板44,41にビス54止め固定するようにしたが、アルミ板で構成してもよく、また、上下枠板44,41への固定手段も気密性を確保できるものであれば任意である。前記上下枠板44,41と左右側板42,43との接合は、上下枠板44,41に設けたビス孔と、左右側板42,43に設けたビスホールとを介して、ビス55止めするようにした。
また、本実施形態では、多段フィルタ(フィルタパック)46のジグザグ状に折り込んだ濾材2の折り曲げ空間にセパレータ3を配してこの折り曲げ空間の間隔保持を行うようにしたが、濾材に設けたリボン材を配してこの折り曲げ空間の間隔保持を行うようにしてもよい。
塵埃除去フィルタは、後述する図15で示すようなミニプリーツ形としてもよいのである。
先ず、多段フィルタ46を左右側板42,43で挟み込み、この状態で左右側板44,41の端面42a,43aに設けたガイド溝42b,43bを下枠板41のガイド板53,53に嵌入させ、下枠体41に取り付ける。
同様に、左右側板42,43の端面42a,43aに設けたガイド溝42b,43bを上枠板44のガイド板53,53に嵌入させ、上枠板44に取り付けて、仮り組みを行うものである。
仮り組み後の上下枠板44,41と左右側板42,43とはテープで止めるだけでよい。このように、上下枠板44,41に設けたガイド板53,53と、左右側板42,43に設けたガイド溝42b,43bを利用することにより、特殊なジグを用いることなく仮り組みを簡単に行うことができる。
次に、組み立て状態のフィルタをひっくり返し、左右の側板42,43で挟み込んだ状態で下枠板41と固定された多段フィルタ46を上枠板44から外し、注入ガン21−1を用いてシール剤21を上枠板44の舟52,52とガイド板53,53で囲まれる部分に注入し、再び左右側板42,43に挟み込まれた多段フィルタ46を上枠板44に接合する。この状態で左右側板42,43と上枠板44とをビス止めする。
尚、上下枠板と左右側板とを外す際、上下枠板44,41に設けたガイド板53,53と、左右側板42,43に設けたガイド溝42b,43bとを部分的に嵌入状態にしておくことにより、仮り組みからの外し、再組み立てを非常に簡単に行うことができる。
以上により、積層フィルタ50が完成する。
次に、積層フィルタの第3の実施形態について説明する。
以下の説明において、第1の実施形態および第2の実施形態についての図面で用いた符号と同一のものを付した箇所は、共通する構成であるから、重複する説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第2の実施形態では、ケミカルフィルタと塵埃除去フィルタとを共通のフィルタ固定枠に収容したが、この実施形態では、複数個のケミカルフィルタを第1のフィルタ固定枠に収容し、それと塵埃除去フィルタとを組み合わせて第2のフィルタ固定枠に収容して積層フィルタを形成した点が異なる。
図14において、大きな第2のフィルタ固定枠30−2の内側において、その高さ方向の寸法の中間部よりやや下の位置に、リブ状、もしくは狭い段部状に形成した係止部61が形成されている。
係止部61には、第1のフィルタ固定枠30−1に、図1で説明した多段フィルタ14、すなわち、矢印で示す浄化ないし除去対象空気の流れに関して、その上流側から、有機系ガス除去フィルタ11と、アルカリ性ガス除去フィルタ12と、酸性ガス除去フィルタ13が順番に、しかも実質的に隙間なく積層されている。
この第2のフィルタ固定枠30−2は、その下部に、塵埃除去フィルタ45が枠板により囲繞されて、収容されている。
ここで、第2のフィルタ固定枠30−2は、図15に示すように、塵埃除去フィルタ、すなわちHAPAフィルタのフィルタ枠を拡大したものを利用している。すなわち、第2のフィルタ固定枠30−2は、図15の示すように、例えば、鋼板製の4枚の枠板65−1,65−2、65−3、65−4を矩形の枠状に組み合わせて、ビス止めする等により固定されている。
本発明は、使用材料に特徴があるわけではないので、記載していないものでも使用することができる。
ケミカルフィルタは上述した説明の構成のものが使用できるが、主として活性炭粒状、活性炭素繊維などの物理吸着による有機系ガス除去フィルタ、添着活性炭粒状、強酸性陽イオン交換樹脂の粒状、繊維状などの化学吸着による酸性ガス除去フィルタ、添着活性炭粒状、弱塩基性陰イオン交換樹脂の粒状、繊維状などの化学吸着によるアルカリガス除去フィルタの一種あるいはその複数を積層したり、平面分割したりした組合せで使用することができる。
特に、薄型低圧損という観点からすると、活性炭粒状あるいはイオン交換樹脂を不織布でサンドイッチした構造の濾材をジグザグ状(プリーツ状)に折り畳んだものが好ましい。
ガスケットは、クロロプレン樹脂、EPDM樹脂などを使用することができる。特に、発ガス性、耐薬品性などの観点からすると、EPDM樹脂が好ましい。
メディアガードは、アルミニウムなどのラス網を使用することができる。
Claims (6)
- ガス除去フィルタ用濾材をフィルタ枠に収納してなる構成のケミカルフィルタである有機系ガス除去フィルタ、アルカリ性ガス除去フィルタ、酸性ガス除去フィルタからなる一群から選ばれるひとつの種類のケミカルフィルタを複数個実質的に隙間なく多段に積層し、もしくは前記一群から異なる種類のものを選定して複数個実質的に隙間なく多段に積層した多段フィルタを、フィルタ固定枠に収納した
ことを特徴とする積層フィルタ。 - 前記ガス除去フィルタ用濾材が、吸着性粒子を不織布で挟持した濾材をジグザグ状に折り畳んだフィルタパックからなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルタ。
- 前記フィルタパックが、ひだ折りされた濾材の該ひだ間に挿入される互いに隣接した複数の挿入片を有し、かつ、これら挿入片間の間隔を保持できるように構成された螺旋状間隔保持部材を挿入したことを特徴とする請求項2に記載の積層フィルタ。
- 前記ケミカルフィルタの下流側に、フィルタ枠に収納した塵埃除去フィルタを積層したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層フィルタ。
- 前記フィルタ固定枠は、長尺の帯状板の幅方向の両端部を、該帯状板の長手方向と直交する同じ方向にそれぞれ折り曲げることで、断面コ字上のチャンネル状とし、さらに、該チャンネル状とした部材の長手方向の両側部を、同じ寸法に所定長さだけそれぞれ曲げることにより、結合された3辺と開放部とを有する枠板とし、該枠板に前記ケミカルフィルタを複数個、または前記ケミカルフィルタと前記塵埃除去フィルタとの両方を挿入し、前記開口部を他の枠板を固定具で固定する構成とした
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層フィルタ。 - 前記フィルタ固定枠は、上下枠板と左右側板を備えており、前記ケミカルフィルタを複数個、または前記ケミカルフィルタと前記塵埃除去フィルタとの両方を囲撓する構成としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層フィルタ。
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