JPH08168628A - 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット - Google Patents

多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット

Info

Publication number
JPH08168628A
JPH08168628A JP6319267A JP31926794A JPH08168628A JP H08168628 A JPH08168628 A JP H08168628A JP 6319267 A JP6319267 A JP 6319267A JP 31926794 A JP31926794 A JP 31926794A JP H08168628 A JPH08168628 A JP H08168628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
filter
filter element
air filter
pleated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6319267A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Muraoka
久志 村岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PIYUARETSUKUSU KK
Toshiba Corp
Original Assignee
PIYUARETSUKUSU KK
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PIYUARETSUKUSU KK, Toshiba Corp filed Critical PIYUARETSUKUSU KK
Priority to JP6319267A priority Critical patent/JPH08168628A/ja
Publication of JPH08168628A publication Critical patent/JPH08168628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】空気中の化学汚染物質を半導体工業用プロセス
装置等に要求される非常に低い濃度レベルまで除去する
ことが可能な多機能エアフィルタ及びフィルタが組み込
まれた空気循環式クリーンユニットを提供する。 【構成】本発明の多機能エアフィルターは、エア導入側
開口部1とエア排出側開口部2を有するフィルターケー
ス3、フィルターケースの内部にリークの無いように周
縁が固定されたプリーツ状エアフィルターエレメント4
とから成り、該エアフィルターエレメントの折り畳みに
よって形成されているエア導入側溝内には、化学物質吸
収性繊維で織られた少なくとも1枚のフィルターエレメ
ント布5が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中の化学汚染物質
を半導体工業用プロセス装置等に要求される非常に低い
濃度レべルまで除去することが可能な多機能エアフィル
ター及び該フィルターが組み込まれた空気循環式クリー
ンユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中の化学汚染物質、即ち有機
物、HF,HClのような酸性ガス、NH3 やアミンの
ようなアルカリ性ガス、NOx,SOx等を除去する為
のエアフィルターは通常ケミカルフィルターと呼ばれ、
そのフィルターエレメントを構成する吸収剤としては活
性炭、活性炭に吸着性物質を添着したもの、イオン交換
樹脂等が使われている。このようなフィルターは一定の
汚染物除去能を示す所定流量での圧力損失が少なく、か
つ軽いことが望ましい。この為に、該フィルターとして
は、微粒子除去用のHEPA(high efficiency partic
ulate air )フィルターと同構造のものが使われてい
る。即ち、フィルターエレメントを構成するシートを平
らなままでエア流に横断する形で配置すると濾過面積が
小さく、エレメント内のエア滞留時間が短い。そこで、
このシートをプリーツ状に折りたたんで濾過面積を拡大
し、エレメント単位面積あたりの流量を下げることによ
ってエア滞留時間を長くするようにしている。
【0003】半導体工業用プロセス装置等に用いるクリ
ーンべンチは通常はHEPAフィルターだけが装備され
ているが、化学汚染物質も十分に除く必要のある場合
は、上記のプリーツ型のケミカルフィルターはHEPA
フィルターの風上側に装備することが行われている。
【0004】市販されている代表的なプリーツ型ケミカ
ルフィルターは、活性炭微粒子または吸着性物質添着活
性炭微粒子を含有させた厚さ約5mmのポリエステル繊維
のシートをプリーツとしたDPCC(dry processed ca
rbon composite)と呼ばれるEXTRACTION SYSTEMS INC.
社製のもので、シート自体に適度な剛性がある為、プリ
ーツを支える支持具を必要としない。他には、シート状
エレメントとして厚さ1〜4mmの活性炭繊維によるフェ
ルト状織布あるいはイオン交換樹脂繊維によるフェルト
状織布を用い、HEPAフィルターのように波型支持具
でプリーツ状に固定したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】プロセス装置が特
定の1種の化学汚染物質のみの除去を対象とした清浄環
境を必要とする場合は、上述のような1種のケミカルフ
ィルターとHEPAフィルターの直列2段配置方式で良
い。しかし、プロセス装置が有機物,酸性ガス,アルカ
リ性ガス,NOx,SOxなどの空気中の化学汚染物質
のすベてについて十分な低濃度レべルまで除去された環
境(以下、「超清浄環境」と呼ぶ)を必要とする場合
は、ケミカルフィルターは1種だけではこれを実現する
ことはできない。例えばNOx,SOxの除去が可能な
プリーツ型フィルターとしては、現在のところ吸着性物
質添着活性炭微粒子を含有させたDPCCしか市販され
ていないが、これは酸性ガスは除去できるがNH3 のよ
うなアルカリ性ガスやある種の有機物には除去能力が弱
い。従ってアルカリ性ガス又はその有機物を除去するこ
とがができる別のケミカルフィルターと組み合わせた、
ケミカルフィルターの2段以上の配置が必要となる。
【0006】ところが、プリーツ型フィルターは本質的
に厚みが大きく、通常の市販プリーツ型フィルターは1
5〜30cm程度の厚さがあるので、半導体用のクリーン
ルームのように天井の高さに制限のある所では、HEP
Aを含めて3段以上フィルターを配置したクリーンべン
チは背が高くなり過ぎ、実用性に欠ける。たとえ3段以
上設置したとしてもケミカルフィルターはHEPAフィ
ルターよりも寿命がかなり短いのでケミカルフィルター
のみ先に交換する必要が生じるが、そのような交換は手
間がかかる。また、従来のプリーツ型ケミカルフィルタ
ーは使用後産業廃棄物として処分が容易でないという問
題があった。
【0007】従って本発明の課題は、1個だけで超清浄
環境の為の化学汚染物質の除去を可能にし、かつ交換が
容易であるプリーツ型のケミカルフィルターを提供する
ことにある。本発明の他の課題は、上記のフィルターを
用いた空気循環式クリーンユニットを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エア導
入側開口部とエア排出側開口部を有するフィルターケー
ス、該フィルターケースの内部に前記エア導入側開口部
から前記エア排出側開口部へのエア流を横断する形で配
置され、周縁が前記ケースに隙間なく固定されているプ
リーツ状エアフィルターエレメントとから成り、該エア
フィルターエレメントのプリーツ状折り畳みによって形
成されているエア導入側溝内には、化学物質吸収性繊維
で織られた少なくとも1枚のフィルターエレメント布が
配置されている多機能エアフィルターが提供される。
【0009】本発明によれば更に、外部環境から内部を
隔離する容器と;該容器内に設けられ、エア入口とエア
出口とを有し内部にプロセス装置を収納するための室
と;前記エア出口から排出されたエアを前記エア入口へ
再循環させるエア流路と;前記室内の、前記のプロセス
装置収納室の前の位置に、エア流路を横断する形で配置
された1又は2以上のエアフィルターと、を有してなる
空気循環式クリーンユニットにおいて、前記エアフィル
ターが前記の多機能エアフィルターを備えていることを
特徴とするクリーンユニットが提供される。
【0010】本発明を、以下、添付図面に示す具体例に
基づいて詳細に説明する。多機能エアフィルター 図1において、本発明の多機能エアフィルターは、エア
導入側(風上側)開口部1とエア排出側(風下側)開口
部2を有するフィルターケース3と、該フィルターケー
ス内に収容されたプリーツ状エアフィルターエレメント
4及び化学物質吸収性繊維で織られたフィルターエレメ
ント布5とから成っている。フィルターケース3は前壁
3a、後壁3b、2つの側壁3c,3dで構成され、前
壁3aは説明の便宜上一部切欠いた状態で示されてい
る。
【0011】プリーツ状のフィルターエレメント4は、
隙間なく周囲の壁3a,3b,3c,3dに固定されて
いる。該エレメント4としては、活性炭微粒子または吸
着性物質添着活性炭微粒子を含有させたポリエステル繊
維シートよりなるDPCCの比較的剛性を有するプリー
ツが最も好適である。例えば後述する実施例1で使用さ
れている EXTRACTION SYSTEMS INC.社製の DPCC 1073 K
(商品名)は、NO2,S02 等を酸性ガスに変える物
質とKOHが添着された活性炭が基材になっており、こ
れら分子の他、酸性ガスを除去する。さらに有機物やO
3 に対してもかなり有効な除去作用がある。図2は本発
明の多機能エアフィルターの別の実施態様を示し、図1
における部材に対応する部材には同一の図番を付してあ
る。図2の例では、可とう性のフェルト状繊維エレメン
ト4が使用されている。この場合には、プリーツ形状を
維持するために、屋根部6を有する支持体7をプリーツ
の各山部を支えるように配することにより、エレメント
4を支持する。支持体7としては、波型の非金属素材、
例えばプラスチック製のものが好適である。さらに、エ
アフィルターエレメント4としては、微粒子除去用のフ
ィルター、例えばHEPAフィルターに使用されている
ガラス繊維シート等も使用することができる。
【0012】図1及び2においては、化学物質吸収性繊
維で織られたフィルターエレメント布5としてシート状
のものが使用されており、プリーツ状のエアフィルター
エレメント4の風上側の溝内に敷き込まれている。この
ようにすると、該布5が劣化した時容易に交換を行うこ
とができる。フィルターエレメント布5は図1,2に示
すように溝の途中まで埋め込んでもよいし、溝の底まで
埋め込んでもよい。勿論、フィルターエレメント布5の
裁断片を上記の溝内に埋め込むこともできる。本発明の
多機能エアフィルターの長寿命を期待する場合は、裁断
片の埋め込みを行えば良い。
【0013】上記のエレメント布5としては、市販の活
性炭繊維織布、該織布に対してKOHやKMnO4 のよ
うな化学汚染物吸着性物質を添着したもの、陽イオン交
換樹脂繊維織布、陰イオン交換樹脂繊維織布及び両繊維
の混紡織布等、いずれも市販のものが利用可能である。
これらは、目的とする化学汚染物質の除去機能に応じ
て、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0014】例えば、フェルト状の活性炭繊維織布は、
NH3 やアミンのようなアルカリ性ガス、有機物及びO
3 を有効に除去する。フェルト状陰イオン交換樹脂繊維
織布等は、酸性ガスを除去するのに有効である。
【0015】ー般にフィルターは圧力損失があり、リー
クがあると除去性能が極端に落ちるため、フィルター構
成の土台となっているプリーツ状エレメント4は、リー
クの無いようケースの壁3a,3b,3c,3dに隙間
なく接着固定されている。例えばDPCCフィルターの
場合平均風速0.5m/秒で圧力損失は2.0mmH2
である。この溝に敷き込むフェルト状活性炭繊維織布や
イオン交換樹脂繊維織布は厚さ2mm以下では圧力損失は
概ねこの値よりかなり小さい。従って図1のように敷き
込まれたエレメント布5は、その周縁において壁に固定
されていないので、周縁部において明らかにリーク状態
である。しかし、その周縁部においてエレメント布5を
通らずに通過する空気はわずかであり、ほとんどの空気
がこのエレメント布5の繊維の間を通過する。したがっ
て、エアが循環処理されるうちに、エレメント布5の繊
維は空気中の化学汚染物質に十分に作用し、除去する。
フィルターエレメント布裁断片をプリーツ溝に埋め込ん
だ場合も同様である。本発明の多機能エアフィルターで
は、ケース3に固定したプリーツ状フィルターエレメン
ト4の織布を厚くすると急激に圧力損失が増すので、該
フィルターエレメント4の溝内のエレメント布5も一層
通過空気に接触し作用する。
【0016】本発明の多機能エアフィルターの除去対象
である化学汚染物質、即ち半導体プロセス上有害な空気
中の化学汚染物質はHF,HCl,H2 SO4 のような
酸性ガス、NH3 やアミンのようなアルカリ性ガス、大
気汚染が主のNO2 ,SO2等或いはO3 のような無機
分子、べアシリコン表面に吸着しやすい有機物分子であ
る。これらの除去には、後述する実施例で示すように少
なくとも2種のケミカルフィルターエレメントが必要で
ある。
【0017】これらのケミカルフィルターエレメントは
それ自身の除去性能が70%程度までに低下しても、例
えば空気循環式クリーンユニットの中で使用する限り、
汚染の累乗的減少効果が利いて、ユニット内プロセス装
置が必要とする非常に低い化学汚染物質濃度レべルが達
成される。
【0018】空気循環式クリーンユニット 本発明の空気循環式クリーンユニットを示す図3及び図
4において、このクリーンユニットは、容器10内に仕
切り壁11が垂直に設けられ、該仕切り壁11は容器1
0内の上面壁12にも底面壁13にも到達していない
が、2つの側壁14,15に隙間なく固定されている。
該仕切壁11、容器10の前面壁16及び2つの側壁1
4,15により、プロセス装置17を収納する室18が
形成されている。前面壁16の一部は開閉自在なドア2
7である。この容器10の上部には通気性の仕切り1
9、例えば格子からなるもの、が設けられ、該室18の
下端(エア出口)にも通気性の仕切り20が設けられ、
プロセス装置17を置けるようになっている。仕切り壁
11、後面壁21及び2つの側壁14,15によりエア
再循環路(ダクト)22が形成されている。通気性仕切
り20と底13との間の空間22a、及び通気性仕切り
19と上面壁12との間の空間22bは、エア再循環路
22の一部をなす。エアフィルター23及び26を通過
後室18から通気性仕切り20を介して空間22aに排
出されたエアはダクト22及び空間22b、さらに通気
性仕切り19を通って室18に再循環される。図4にお
いて矢印28はエアの流れを示す。容器10の上部には
本発明の多機能エアフィルター23が設けられている。
【0019】前記プロセス装置収納室18は、容器10
の壁によって外部環境から隔離されており、その内部に
はプロセス装置17が収容されている。仕切り19の直
後には、ユニット内空気を循環させる為の送風機24が
組み込まれている。送風機はダクト22内に設けてもよ
い。さらに、ユニット内プロセス装置17の清掃時、保
守時、緊急時における急速排気等の為にダクト22の1
部にシャッターを伴う排気口25が通常設けられる。多
機能エアフィルター23の風下側には、HEPAフィル
ター26が設置されている。
【0020】即ち、送風機24によりフィルター23を
通過した化学汚染物質が低減された空気は、HEPAフ
ィルター26で除塵され、プロセス装置17の収納室1
8を通って、格子20から排出され、ダクト22を経て
ダクト22bからフィルタ─23に戻される。この空気
の流れが繰り返される。
【0021】超清浄環境を得るためには、原則として多
機能エアフィルター23とHEPAフィルター26との
2段積み重ね構造が採用される。しかし、HEPAフィ
ルターは必須ではない。多機能エアフィルター23にお
けるプリーツ状フィルターエレメント4として、HEP
Aフィルターのガラス繊維シートを使用し、そのひだの
間隔を通常のものより広げて、即ちエレメント面積を犠
牲にして図2に示す構造の多機能エアフィルター8を使
用した場合には、HEPAフィルター26を使用せず
に、十分に超清浄環境を得ることができる。
【0022】本発明において、図1のようにエレメント
布5を敷き込むとその周縁部ではリークがあり、エアの
一部がエレメント布5を通過せずにフィルターを通過す
る。したがって、エアを一回だけ本発明の多機能エアフ
ィルターに通しただけでは、汚染物除去性能は満足でき
るものではない。しかし、この多機能エアフィルターを
本発明の空気循環式クリーンユニットの中に組み込む
と、そのなかのプロセス装置収納室は確実に超清浄環境
となり得る。例えば、このユニットを通常プロセス装置
が必要とする0.5m/秒程度の風速で稼働させると、
換気回数は10回/秒以上になる。フィルター23内を
同一空気がこのように高頻度で通過するので、フィルタ
ーにエアを一回通した場合の除去性能は低くてもこの空
気中の汚染物の量は累乗的に減少する。従ってユニット
稼動開始後短時間で清浄度が向上するのである。勿論、
化学物質吸収性繊維からなるフィルターエレメント布5
を配するためにフィルターエレメント4がひだの間隔を
広げると、多機能エアーフィルタの除塵効率は低下する
が、上記クリーンユニット内に組込まれた状態では十分
な除塵効果を与える。
【0023】
【実施例】実施例1 ケミカルフィルター DPCC 1073K (商品名、EXTRACTION
SYSTEMS INC. 製)のプリーツ状エレメント4の溝に、
厚さ2mmのフェルト状活性炭繊維織布(商品名アドー
ル)5を図1のように溝の幅一杯にかつ補助具を使って
溝の深さのほぼ半分程度敷き込んで多機能エアフィルタ
ーを作成し、図3及び図4に示すフィルター23として
クリーンユニットに組み込んだ。プロセス装置17とし
て、紫外線とそれによって空気から生じるO3 でシリコ
ンウェーハを処理するドライ洗浄装置を置いた。装置の
横に石英ガラス製インピンジャーを置いて、まずクリー
ンユニットだけを2時間稼働させ、その間インピンジャ
ー中の超純水に吸着させた空気中の無機ガスをイオンク
ロマトグラフで、有機物はTOC(Total organic carb
on)測定器で分析した。
【0024】その結果、HClやH2 SO4 のような酸
性ガスも、またNO2 等も、いずれも0.1ppb未満であっ
た。さらにTOC測定器による有機物濃度も、測定器検
出限界の0.3μg/ m3 未満であった。そこで、RC
A洗浄後標準的なHF処理で仕上げた6”ウェーハにつ
いて、O3 発生の為の空気は装置収納室18からそのま
ま使用して、上記のドライ洗浄装置によるドライ洗浄を
施した。洗浄後のウェーハ表面吸着物を50ml超純水に
溶出させ、上記と同様の分析を試みたが、通常RCA洗
浄後は必ず検出限界以上である酸イオン濃度及びTOC
による有機物濃度の測定結果は、何れも検出限界未満で
あった。また発生したO3 は、そのままユニットの中を
流れたが、処理終了後1分以内に戸9を開けてもO3
まったく臭わなかった。
【0025】実施例2 ケミカルフィルター DPCC 1073K のプリーツ状エレメン
トを用いた時、空気中のNO2 ,SO2 等に対し、HC
l,HF等の酸性ガスが比較的少ない場合、NO2 ,S
2 等にKOHが優先的に作用して酸性ガスの除去率が
悪くなることがある。このような恐れのある場合は、本
実施例のように3種のケミカルフィルターエレメントで
対応する。プリーツ状フィルターエレメント4としてH
EPAフィルターに用いられるガラス繊維シートを使用
し、ひだの間隔を通常のものより広げ、図2の構造の多
機能エアフィルターを作成した。尚、フィルターエレメ
ント4の風上側の溝に敷き込んだフェルト状化学物質吸
収性繊維織布としては、風上側から活性炭繊維織布、陽
イオン交換樹脂・陰イオン交換樹脂繊維の混紡織布、N
2 ,SO2 等を酸性ガスに変える物質とKOHを添着
した活性炭繊維織布の順に、3枚を重ねて用いた。即
ち、フェルト状活性炭繊維織布で有機物及びO3 を除
く。次のフェルト状陽イオン交換樹脂・陰イオン交換樹
脂繊維の混紡織布が酸性ガス及びアルカリ性ガスを除去
する。最後のフェルト状活性炭繊維織布がNO2 ,SO
2 等を主に除去する。この多機能エアフィルターを図3
のフィルター23として使用し、HEPAフィルター2
6を取り外した以外は、実施例1と同様にして空気循環
式クリーンユニットを組み立てた。
【0026】ここでユニットを5分間稼働させて、装置
収納室18のダストカウントを行ったところ、ASTM
に規定のクラス10以下であった。その後、実施例1と
同様の清浄度評価実験を行ったところ、まったく同様の
実験結果を得た。
【0027】実施例3 本発明の多機能エアフィルターの効果をシミュレーショ
ンにより測定するために、図5に示すように、厚さ2mm
のフェルト状活性炭繊維織布( 商品名アドール) にKO
Hを1.5mg/cm2 添着した、直径4cmの円板状ケミカ
ルフィルターエレメント31,32を2枚重ね、これを
更に酸性ガス吸着用の円板状DPCC1073Kエレメ
ント1枚(33)に重ね3枚重ねフィルターとした。D
PCC1073Kエレメント33はホルダー35内に環
状に設けられた溝34に隙間なくしっかりと保持されて
いる。フィルターエレメント31と32はその周縁部に
わずかな隙間を残している。このように3枚のフィルタ
ーが設けられたパイプ状ホルダー35に、アドール側か
ら矢印36で示すように1cm2 当り100〜200ml/
分の流速で、放射性同位元素36Clで標識した塩酸10
0ppbを含む空気を流した。この流速は、クリーンル
ームやクリーンベンチでの通常条件である。100時間
後、夫々のフィルターエレメントが捕捉した36Cl量を
イメージングプレートを利用して測定したところ、3枚
のフィルターエレメントの捕捉総量に対して、空気流入
側のアドールフィルターエレメントによる捕捉量は71
%、2枚目のアドールフィルターエレメントは14%、
DPCC1073Kフィルターエレメントは15%であ
った。この結果から、空気流入側の最初のフェルトエレ
メント布が除去対象のガスのかなりの部分を吸着するこ
とがわかる。したがって、エアをこのように積層したフ
ィルターエレメントに本発明のクリーンユニットにおけ
るように循環し、通過させれば、エアは累乗的に洗浄化
されることが理解される。また、最初のフェルトエレメ
ント布に寿命が来たら、これのみを新品に交換すること
でフィルターとしての塩酸除去能を回復させることがで
きることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明の多機能エアフィルターは、ケミ
カルフィルターとしての半導体工場内の空間を占有する
容積を大巾に低減できるので、設置に融通性が出、ケミ
カルフィルターの通用範囲が広まる。しかもその多機能
化は、例えばフェルト状のフィルターエレメント布の取
付けだけで、実施が容易である。従って、劣化時の交換
も容易であり、変換は数分で行うことができ、しかもほ
こりっぽくない。多くの場合、劣化したフィルターエレ
メントは再生に使用することができる。この多機能エア
フィルターは、複数個のケミカルフィルターを用いた場
合に比し、空気が1回通過したところで使用される場合
は清浄化能力が劣るが、空気循環式クリーンユニットに
組込めば、簡単に超清浄環境を作り出すことができる。
しかもこのユニットはコンパクトに作ることができ、ク
リーンべンチ型としても背がそれほど高くならないので
クリーンルーム内に支障なく設置できる。また、本発明
の多機能エアフィルターでは、化学物質吸収性フィルタ
ーエレメント布は、土台となっているプリーツ状のフィ
ルターエレメント布の溝内に単に置かれているだけなの
で、化学物質吸収能が低下して寿命が来たら容易に吸収
能のある新品に交換することができる。こうしてフィル
ターから除去した化学物質吸収性フィルターエレメント
布は、有害化学物質の吸収が添着剤による場合には該エ
レメント布を温水等に浸漬することで反応生成物を除去
した後、新たな添着を行うことで容易に再生することが
できる。また、有害化学物質の吸収がイオン交換樹脂繊
維による場合には、イオン交換樹脂再生の周知の技術で
吸収能を再生することができる。さらに、化学物質吸収
性フィルターエレメント布がもはや再生不可能となった
場合には、焼却により容易に処分することができ、産業
廃棄物を生じる問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多機能エアフィルターの一例を示す斜
視図であり、前面の壁3aが一部切欠かれて示されてい
る。
【図2】本発明の多機能エアフィルターの他の例を示す
斜視図であり、前面の壁3aが一部切欠かれて示されて
いる。
【図3】上記の多機能エアフィルターを用いた本発明の
空気循環式クリーンユニットのの構造の概略を示す縦断
面図。
【図4】図3のクリーンユニットのA−A線に沿う側面
の縦断面図である。
【図5】本発明のエアフィルターの効果をシミュレーシ
ョンにより測定するために,三枚のフィルターエレメン
トを内部に設置したパイプ状ホルダーの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 エア導入側開口部 2 エア排出側開口部 3 フィルターケース 4 プリーツ状エアフィルターエレメント 5 化学物質吸収性繊維で織られたフィルターエレメン
ト布 10 ケース 11 仕切り壁 17 プロセス装置 18 室 19 通気性の仕切り 20 通気性の仕切り 22 エア再循環路(ダクト) 24 送風機 26 HEPAフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/81 53/50 53/56 B01D 53/34 129 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エア導入側開口部とエア排出側開口部を
    有するフィルターケース、該フィルターケースの内部に
    前記エア導入側開口部から前記エア排出側開口部へのエ
    ア流を横断する形で配置され、周縁が前記ケースに隙間
    なく固定されているプリーツ状エアフィルターエレメン
    トとから成り、該エアフィルターエレメントのプリーツ
    状折り畳みによって形成されているエア導入側溝内に
    は、化学物質吸収性繊維で織られた少なくとも1枚のフ
    ィルターエレメント布が配置されている多機能エアフィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 前記フィルターケース内には、プリーツ
    状エアフィルターエレメントの形状を維持する為の屋根
    部を備えた支持具が複数個設けられている請求項1に記
    載の多機能エアフィルター。
  3. 【請求項3】 前記プリーツ状エアフィルターエレメン
    トが、微粒子除去用フィルターである請求項1に記載の
    多機能エアフィルター。
  4. 【請求項4】 前記溝内に設けられるフィルターエレメ
    ント布は、1枚のシートであり、該シートが屈曲して各
    溝内に入り込んでいる請求項1に記載の多機能エアフィ
    ルター。
  5. 【請求項5】 前記溝内に設けられるフィルターエレメ
    ント布は、裁断片の形で該溝内に埋め込まれている請求
    項1に記載の多機能エアフィルター。
  6. 【請求項6】 外部環境から内部を隔離する容器と;該
    容器内に設けられ、エア入口とエア出口とを有し、内部
    にプロセス装置を収納する室と;前記エア出口から排出
    されたエアを前記エア入口へ再循環させるエア流路と;
    前記室内の、前記のプロセス装置収納室の前の位置に、
    エア流路を横断する形で配置された1又は2個以上のエ
    アフィルターとを有してなる空気循環式クリーンユニッ
    トにおいて、 前記エアフィルターが請求項1に記載の多機能エアフィ
    ルターを含んでいることを特徴とするクリーンユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】 前記多機能エアフィルターの風下側には
    HEPAフィルターが設けられている請求項6の空気循
    環式クリーンユニット。
JP6319267A 1994-11-29 1994-11-29 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット Pending JPH08168628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6319267A JPH08168628A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6319267A JPH08168628A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08168628A true JPH08168628A (ja) 1996-07-02

Family

ID=18108303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6319267A Pending JPH08168628A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08168628A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10192623A (ja) * 1996-12-31 1998-07-28 Takuma Co Ltd ボロン除去用フィルタ及び汚染気体浄化方法
JPH11114340A (ja) * 1997-09-30 1999-04-27 Samsung Electron Co Ltd 半導体装備の空気流入装置及びこれを用いた化学物汚染除去方法
JPH11226338A (ja) * 1998-02-19 1999-08-24 Takuma Co Ltd イオン交換フィルタ及びその製造方法及びフィルタ装置
JP2001135697A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Sony Corp 基板移載装置および基板の搬送方法
JP2002058943A (ja) * 2000-08-14 2002-02-26 Bridgestone Corp フィルター及びその製造方法
JP2002523207A (ja) * 1998-08-20 2002-07-30 エクストラクシヨン・システムズ・インコーポレーテツド 多孔質の強酸性重合体を用いたフィルター
JP2005508724A (ja) * 2001-04-17 2005-04-07 フォスター−ミラー・インク 受動濾過装置
KR100693916B1 (ko) * 2005-09-30 2007-03-12 주식회사 신성이엔지 가스 불순물 제거장치의 수 비산방지구조
KR100893478B1 (ko) * 2007-05-29 2009-04-17 웅진코웨이주식회사 황사 또는 유해 먼지 제거 필터 모듈
JP2010125426A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Nippon Muki Co Ltd 積層フィルタ
US7922791B2 (en) 2006-07-13 2011-04-12 Entegris, Inc. Filtering system for a semiconductor processing tool
JP2015503447A (ja) * 2012-01-13 2015-02-02 マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エアフィルタエレメント及びエアフィルタ
JP6880338B1 (ja) * 2020-04-06 2021-06-02 三菱電機株式会社 フィルタ、空気調和機およびフィルタの製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10192623A (ja) * 1996-12-31 1998-07-28 Takuma Co Ltd ボロン除去用フィルタ及び汚染気体浄化方法
JPH11114340A (ja) * 1997-09-30 1999-04-27 Samsung Electron Co Ltd 半導体装備の空気流入装置及びこれを用いた化学物汚染除去方法
JPH11226338A (ja) * 1998-02-19 1999-08-24 Takuma Co Ltd イオン交換フィルタ及びその製造方法及びフィルタ装置
JP2002523207A (ja) * 1998-08-20 2002-07-30 エクストラクシヨン・システムズ・インコーポレーテツド 多孔質の強酸性重合体を用いたフィルター
JP2001135697A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Sony Corp 基板移載装置および基板の搬送方法
JP2002058943A (ja) * 2000-08-14 2002-02-26 Bridgestone Corp フィルター及びその製造方法
JP2005508724A (ja) * 2001-04-17 2005-04-07 フォスター−ミラー・インク 受動濾過装置
KR100693916B1 (ko) * 2005-09-30 2007-03-12 주식회사 신성이엔지 가스 불순물 제거장치의 수 비산방지구조
US7922791B2 (en) 2006-07-13 2011-04-12 Entegris, Inc. Filtering system for a semiconductor processing tool
KR100893478B1 (ko) * 2007-05-29 2009-04-17 웅진코웨이주식회사 황사 또는 유해 먼지 제거 필터 모듈
JP2010125426A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Nippon Muki Co Ltd 積層フィルタ
JP2015503447A (ja) * 2012-01-13 2015-02-02 マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング エアフィルタエレメント及びエアフィルタ
JP6880338B1 (ja) * 2020-04-06 2021-06-02 三菱電機株式会社 フィルタ、空気調和機およびフィルタの製造方法
WO2021205500A1 (ja) * 2020-04-06 2021-10-14 三菱電機株式会社 フィルタ、空気調和機およびフィルタの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5772738A (en) Multifunctional air filter and air-circulating clean unit with the same incorporated therein
CN106861291B (zh) 可再生折叠过滤介质
US7291205B2 (en) Air cleaner
US7101419B2 (en) Air filter assembly for low temperature catalytic processes
JPH08168628A (ja) 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット
JP3489891B2 (ja) 多機能エアフィルター及び該フィルターが組込まれた空気循環式クリーンユニット
JPH0824534A (ja) 再生可能な空気清浄用イオン交換フィルタユニット及びそれを用いる空気清浄方法
JP3426077B2 (ja) 空気浄化装置
JP2003062055A (ja) 空気浄化装置
KR100350000B1 (ko) 다기능공기필터와이곳내에합체되는공기필터를가진공기순환청소유닛
JP2002170874A (ja) 基板搬送容器
JP2000157810A (ja) 化学物質除去用エアフィルター及び該フィルターが組込まれたクリーンユニット
KR101177860B1 (ko) 요오드 타입 편광 필름의 제조를 위한 클린룸의 공조 시스템
CN212039625U (zh) 一种用于中央吸尘废气活性炭过滤装置
US11878266B2 (en) Regenerable air filter
JP5153979B2 (ja) 光触媒ユニット
JPH11123316A (ja) 超清浄空気製造装置
JP3552140B2 (ja) 気体の清浄化方法及びその装置
JP2003111825A (ja) 空気清浄装置並びに光触媒ユニット
JP2000000417A (ja) 空気清浄化装置および空気清浄化方法
JP3240318B2 (ja) 雰囲気中有害化学物質除去装置
CN202410407U (zh) 安装有空气过滤器的空气净化设备
JP2003164717A (ja) 空気浄化装置
JP2003038622A6 (ja) 空気清浄装置並びに光触媒ユニット
KR20040107953A (ko) 공기 여과 장치