JP2010124869A - バリカン - Google Patents
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Abstract
【課題】バリカンにおいて、毛髪を刃溝奥へ均一な密度で且つスムーズに導入して切断負荷を少なくし、切れ味を向上させスムーズに毛髪を切断可能にする。
【解決手段】バリカンは、櫛状の固定刃12及び可動刃13を重ねて、可動刃13を固定刃12に対して往復摺動して、固定刃12の刃溝に導入した毛髪を切断する。固定刃12において、長櫛刃12aの刃長Laは整毛櫛刃12bの刃長Lbより長く、短櫛刃12cは整毛櫛刃12bより刃長Lcが短い。また、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cは、長櫛刃12aのピッチPaが整毛櫛刃12bのピッチPbと同等になり、且つ、短櫛刃12cのピッチPcが整毛櫛刃12bのピッチPbよりも短くなるように配設されている。毛髪は、長櫛刃12a間に導入されて整毛され、さらに整毛櫛刃12bにより整毛されることにより、密度が均一化されたうえで短櫛刃12c間の刃溝奥に導入される。
【選択図】図5
【解決手段】バリカンは、櫛状の固定刃12及び可動刃13を重ねて、可動刃13を固定刃12に対して往復摺動して、固定刃12の刃溝に導入した毛髪を切断する。固定刃12において、長櫛刃12aの刃長Laは整毛櫛刃12bの刃長Lbより長く、短櫛刃12cは整毛櫛刃12bより刃長Lcが短い。また、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cは、長櫛刃12aのピッチPaが整毛櫛刃12bのピッチPbと同等になり、且つ、短櫛刃12cのピッチPcが整毛櫛刃12bのピッチPbよりも短くなるように配設されている。毛髪は、長櫛刃12a間に導入されて整毛され、さらに整毛櫛刃12bにより整毛されることにより、密度が均一化されたうえで短櫛刃12c間の刃溝奥に導入される。
【選択図】図5
Description
本発明は、櫛状の可動刃を櫛状の固定刃に対して往復摺動させて毛髪を切断するバリカンに関する。
従来より、櫛状の固定刃及び可動刃を重ね、可動刃を固定刃に対して櫛刃の並設方向に往復摺動させて毛髪を切断するバリカンが知られている(例えば、特許文献1参照)。図9は、このようなバリカンのバリカン刃に設けられている固定刃82を示す。固定刃82は、互いに交互に並ぶように配設された、刃長が長い櫛刃82aと櫛刃82aより刃長が短い櫛刃82cの2種類の櫛刃82a,82cを有し、スキップ歯刃状に形成されている。可動刃(図示せず)は、固定刃82に押し付けられており、バリカン本体(図示せず)のモータ等の駆動力により、櫛刃82a,82cの並設方向に往復摺動する。バリカンは、毛髪を、固定刃82の櫛刃82a間の刃溝と可動刃の櫛刃間の刃溝に導入し、固定刃82と可動刃とで挟み、切断する。このバリカンは、毛髪を、刃長が長い櫛刃82a間の刃溝毎の束に分割して整え(整毛)、その後、その毛髪を、櫛刃82aと櫛刃82cとの間のより幅が狭い刃溝に容易に梳き寄せることができるように構成されている。
また、安全性を高める目的で、固定刃に、櫛刃よりも長い別の櫛刃を設けたバリカン刃の構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。図10は、このようなバリカン刃に設けられている固定刃92を示す。固定刃92は、刃長が短い櫛刃92aと、櫛刃92aが2つ並ぶ毎に設けられた刃長が長い安全刃部92eとを有している。櫛刃92a間の刃溝への肌の突出が安全刃部92eにより制限されるため、安全性が向上する。
特開平10−76079号公報
特開平11−197372号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているようなバリカン刃では、切断対象となる毛髪の密集度合いすなわち密度が不均一であるときに、切断能力が低下することがある。図9の矢印は、刃溝に導入される際の毛髪の動きを示す。固定刃82は櫛刃82a間の間隔が比較的狭いスキップ歯刃状であるので、毛髪の密度が不均一であると、櫛刃82a間の刃溝に導入した毛髪の束の密度も異なりやすくなる。密度が高い束や密度が低い束の毛髪がそれぞれ櫛刃82aと櫛刃82cとの間の刃溝に分かれて導入されると、導入された毛髪の刃溝内での密度が、刃溝毎に不均一になる。各刃溝に導入された毛髪の切断タイミングは互いにずれているので、刃溝毎に毛髪の密度が異なると、切断時に可動刃に加わる負担が大きくなり、バリカン本体のモータ等の負荷が増大し、スムーズに毛髪を切断することができなくなる。また、毛髪が、高い密度で櫛刃82a間の刃溝に導入されると、その毛髪のうち櫛刃82aと櫛刃82cとの間の刃溝に導入できないものが多くなるので、当該部分の毛髪を適正に切断するために必要なバリカンの操作量が多くなる。
また、特許文献2に開示されているようなバリカン刃でも、上述と同様に、毛髪が不均一に密集しているときに切断能力が低下することがある。図10の矢印は、刃溝に導入される際の毛髪の動きを示す。固定刃92の刃長が長い安全刃部92eは、毛髪を刃溝に導入しやすくする役割を担うものではなく、安全刃部92e同士の間隔は広くなっている。そのため、特に安全刃部92eから離れた位置の毛髪は、安全刃部92eによる整毛効果を受けないまま、櫛刃92a間の刃溝に導入されやすい。従って、導入対象となる毛髪の密度が不均一であると、櫛刃92a間の刃溝に導入された毛髪の密度が刃溝毎に異なりやすくなり、可動刃に加わる負担が大きくなる。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、毛髪を刃溝奥へ均一な密度で且つスムーズに導入することができ、切断負荷が少なく、切れ味が優れスムーズに毛髪を切断可能なバリカンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、櫛状の固定刃及び可動刃を重ねて、前記可動刃を前記固定刃に対して櫛刃の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、前記固定刃は、その基端部から先端部までの刃長が互いに異なる2種類の第1及び第2の櫛刃を有し、前記櫛刃のうち、刃長が長い第1の櫛刃の最小ピッチが、刃長が短い第2の櫛刃の最小ピッチより長いか、又は同等とされ、さらに、前記固定刃は、互いに隣り合う前記第1の櫛刃の間に、少なくとも1つ以上の整毛櫛刃を有し、前記整毛櫛刃は、その刃長が前記第1の櫛刃よりも短く、前記第2の櫛刃よりも長く、かつ、その最小ピッチが前記第1の櫛刃のそれと同等か、又は短く、また、前記第2の櫛刃のそれと同等か、又は長いものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記櫛刃の幅寸法を、刃長の長いものほど大きくしたものである。
請求項1の発明によれば、密度が不均一である毛髪を、第1櫛刃により刃溝毎の束に分割した後、整毛櫛刃によりさらに小さい束に分割して整えたうえで、第2櫛刃間の刃溝奥に導入することができる。毛髪の整毛を多段階に行うことにより、第2櫛刃間の刃溝に導入する前の各束毎の毛髪の密度を均一化することができ、毛髪を各刃溝奥に均一な密度でスムーズに導入することができるので、毛髪切断時の可動刃の負担を低減して切れ味を向上させスムーズに毛髪を切断することができる。
請求項2の発明によれば、刃長が長い櫛刃の剛性及び強度を向上させることができるので、固定刃の破損を防止し、且つ、毛髪の切れ味をより良くすることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るバリカンの構成について、図面を参照して説明する。図1(a)、(b)、(c)は、本実施形態に係るバリカン1の一例を示す。このバリカン1は、把持部を兼ねた細長形状の本体部2の長手方向先端部(図1(a)では上端)に、固定刃12と可動刃13等を有する刃ブロック10を装着して構成されている。バリカン1は、動作時に、本体部2内に配してあるモータ6を駆動源として、刃ブロック10の可動刃13を、固定刃12に対して本体部2の短手方向(図1(b)では左右方向)に往復摺動させる。このとき、固定刃12の先端の刃溝内に毛髪が導入されると、その毛髪を固定刃12と可動刃13との間で挟み込み、切断する(挟み切り)。
先ず、本体部2の構成について説明する。図1(a)に示すように、本体部2は、片手で把持し得る側面視略S字状の外殻を成す本体ハウジング3により覆われている。図1(b)に示すように、本体ハウジング3には、操作スイッチ4aと、刈り高さ調整用のダイヤル4bとが、本体ハウジング3の外部に露出しユーザにより操作可能に設けられている。刈り高さ調整用のダイヤル4bは、回動自在に配設されている。図1(c)に示すように、本体ハウジング3の内部には、充電池5と、充電池5により電力を供給されて往復駆動されるモータ6と、モータ6の駆動力を図中上端側に伝達する動力伝達機構6aと、動力伝達機構6aにより往復駆動される出力軸6bと、操作スイッチ4aの押込み操作に応じたモータ6への電力供給等を制御する制御部7と、ダイヤル4bに連動する伝達機構8等が収納されている。出力軸6bは、後述するように刃ブロック10に設けられている案内板15と連動するように、本体ハウジング3の先端部(図中上方)から突出するように配設されている。伝達機構8は、後述するように刃ブロック10に設けられている切替レバー17を起倒操作するように、ダイヤル4bの正逆回転に連動して本体ハウジング3の前後方向(図中上下方向)に変位可能に配設されている。
次に、刃ブロック10の構成について説明する。図2乃至図4は、刃ブロック10を示す。刃ブロック10は、後述するように3種類の櫛刃12a,12b,12cを多数並設して成る櫛状の固定刃12と、固定刃12に摺接する櫛刃(以下、可動刃櫛刃と称する)13aを多数並設して成る櫛状の可動刃13を有している。また、刃ブロック10は、固定刃12を保持する固定板14及び可動刃13を保持する案内板15と、可動刃13を固定刃12に押し付けるための押付ばね16と、押付ばね16を保持する切替レバー17等を有している。刃ブロック10は、固定板14が本体部2に保持されて本体部2に取り付けられている。なお、図2及び図4(a)において、矢印Xは、固定刃12の櫛刃12a,12b,12c及び可動刃櫛刃13aの並設方向、すなわちバリカン1の駆動時における可動刃13の往復移動方向を示す。また、図2及び図4(b)において、矢印Yは、後述の刈り高さ調整機能による可動刃13の変位方向を示す。
図3に示すように、固定刃12の先端部には、上面両側部が切れ刃となる先細状の3種類の櫛刃12a,12b,12cが、多数並設されている。また、可動刃13の先端部には、下面両側部が切れ刃となる多数の可動刃櫛刃13aが、固定刃12の櫛刃12a,12b,12cの並設間隔とは異なる所定の間隔で並設されている。固定板14は、固定刃12に係合させるためのフック14aを有しており、該フック14aにより固定刃12を固定する。また、固定板14は、切替レバー17を支持するための半円溝部14bと、押付ばね16の一部を支持するためのばね受け部14cを有している。案内板15は、本体部2側の出力軸6bの先端部を挟むように形成された挟持部15aと、可動刃13に係合させるためのフック15bを有している。案内板15は、例えば、フック15bが可動刃13に係合するようにして、ヒートシール(図示せず)等を介して固定することにより、該可動刃13を保持している。
押付ばね16は、例えば、ダブルトーション形のねじりコイルばねであり、略同軸に並ぶ2つのコイル16aが、切替レバー17に嵌合支持されて配置されている。押付ばね16は、比較的長い両端の腕部16bそれぞれが案内板15及び可動刃13に接続され、中央部の腕部16cが固定板14のばね受け部14cに支持されて配置されている。押付ばね16は、押付ばね16の復元力により案内板15及び可動刃13を固定刃12に向けて押し付けるように弾性変形状態で配置されている。モータ6が駆動されると、出力軸6bの往復駆動の駆動力が挟持部15aを介して案内板15に伝達される。これにより、可動刃13は、案内板15と共に、押付ばね16により固定刃12の摺動面に押し付けられた状態で、押付ばね16の両端の腕部16bをコイル16aに対し変位させながら、固定刃12に対し往復摺動する。押付ばね16の付勢力により、毛髪切断時に可動刃13に対して力が加わっても、可動刃13が固定刃12から浮き上がることがなく、安定して毛髪を切断することができる。
切替レバー17は、下部両側端に形成された略円柱形状の回動軸17aと、両側部から上方に突出し本体部2の伝達機構8に当接するように形成された突起部17bを有している。切替レバー17は、回動軸17aが固定板14の半円溝部14bに支えられ、回動軸17aを中心に回動し、固定板14に対して起倒可能に配されている。切替レバー17には、押付ばね16のコイル16aが嵌合されており、切替レバー17は、押付ばね16により、固定板14に対する姿勢が倒伏姿勢になるような向きに付勢されている。押付ばね16の付勢力に抗して、切替レバー17を起立姿勢側に回動操作すると、可動刃13が固定刃12に押圧されたまま、可動刃13及び案内板15が、固定刃12の櫛刃12a,12b,12cや可動刃櫛刃13aの突出方向(矢印Y方向)に向けてスライドする。なお、図4(a),(b)は、切替レバー17が倒伏姿勢であるときの固定刃12に対する可動刃13の位置を示す。
切替レバー17の起倒操作は、ダイヤル4bを回転させ、伝達機構8の位置を変更することにより行うことができる。すなわち、ダイヤル4bの回転位置を所定の正方向に移動させると、伝達機構8により突起部17bが可動刃櫛刃13aの突出方向に押し込まれ、切替レバー17が起立姿勢に向けて回動する。これにより、可動刃13は、その可動刃櫛刃13aの先端部が固定刃12の櫛刃12a,12b,12cの先端部に接近するようにスライドする。また、ダイヤル4bの回転位置を上記正方向に対し逆方向に移動させると、伝達機構8による突起部17bの押し込み量が少なくなるため、切替レバー17は押付ばね16の付勢力により倒伏姿勢に向けて回動する。これにより、可動刃13は、その可動刃櫛刃13aの先端部が固定刃12の櫛刃12a,12b,12cの先端部から離れる方向にスライドする。ダイヤル4b及び伝達機構8は、伝達機構8の位置を複数段変更可能に構成されており、固定刃12に対する可動刃13の位置は、固定刃12の櫛刃12a,12b,12cや可動刃櫛刃13aの突出方向に複数段設定された所定の位置に変更可能である。固定刃12の櫛刃12a,12b,12cは、先端部から基端部に近づく程、肉厚すなわち固定刃12の可動刃13との摺接面から下端部までの寸法が次第に大きくなるような側面視尖鋭形状に形成されている。従って、固定刃12に対する可動刃13の位置を変更することにより、毛髪の刈り高さを調整可能である。
ここで、固定刃12について、図5(a)、(b)を参照して詳細に説明する。図5(a)に示すように、固定刃12の3種類の櫛刃12a,12b,12cは、互いに基端部から先端部までの刃長が互いに異なるものである。本実施形態において、3種類の櫛刃12a,12b,12cのうち、長櫛刃(第1の櫛刃)12aは、その刃長Laが最も長いものである。また、短櫛刃(第2の櫛刃)12cは、その刃長Lcが最も短いものである。整毛櫛刃12bは、その刃長Lbが長櫛刃12aより短く、短櫛刃12cより長いものである。すなわち、La>Lb>Lcの関係が成り立っている。図5(b)に示すように、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b、短櫛刃12cは、側方から見て、それぞれの下端部の稜線が互いに一致するように、すなわち上記のように長櫛刃12aの側面視尖鋭形状の一部分に一致するように形成されている。従って、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b、短櫛刃12cは、それらの下端部が同一面上に位置し、また、それらの上端部が同一の可動刃13の摺接面上に位置し、上面視で基端部から先端部に向く方向にのみ凹凸するように配設されている。
長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cは、それぞれ、各長櫛刃12aの両隣に短櫛刃12cが位置するように、且つ、各短櫛刃12cが長櫛刃12aと整毛櫛刃12bに隣接するように配設されている。長櫛刃12aは、長櫛刃12a同士の並設方向の間隔(ピッチ)がPaとなるように均等な間隔で配設されている。整毛櫛刃12bは、整毛櫛刃12b同士のピッチがPbとなるように均等な間隔で配設されている。短櫛刃12cは、短櫛刃12c同士のピッチがPcとなるように均等な間隔で配設されている。本実施形態において、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cは、長櫛刃12aのピッチPaが整毛櫛刃12bのピッチPbと同等になり、且つ、短櫛刃12cのピッチPcが整毛櫛刃12bのピッチPbよりも短くなるように配設されている。すなわち、Pa=Pb>Pbの関係が成り立っている。なお、各櫛刃12a,12b,12cは、隣り合うもの同士の基端部の中央部の間隔が略一定となるように、所定のピッチで並設されている。
長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cは、それぞれ先端部付近の幅寸法が互いに略等しく、先端部から基端部に近づくにつれ上面視で幅寸法が大きくなるように形成されている。すなわち、各櫛刃12a,12b,12cの基端部の幅寸法は、刃長が最も長い長櫛刃12aが最も大きく、2番目に長い整毛櫛刃12bが次いで大きく、刃長が最も短い短櫛刃12cが最も小さくなっている。これにより、櫛刃12a,12b,12cの剛性及び強度は高くなるため、刃長が長くても破損しにくく、且つ、良好な毛髪の切れ味を得ることができる。
以下に、バリカン1により行われる毛髪の切断について説明する。バリカン1は、固定刃12の下端部が毛髪が生えている表皮に沿うようにして、バリカン1を前方(固定刃12の先端部方向)に移動させて用いられる。毛髪は、バリカン1の移動に伴い、固定刃12の櫛刃12a,12b,12c間の刃溝に導入される。図6は、固定刃12の刃溝に導入される際の毛髪の動きを示す。図の矢印は、導入される毛髪の位置の移り変わりを示す。毛髪は、先ず、長櫛刃12aにより刃溝毎の束に分割されて第1段階の整毛が行われ、長櫛刃12a間の刃溝に導入される。さらにバリカン1が移動すると、この長櫛刃12aにより整毛されたそれぞれの毛髪の束が、整毛櫛刃12bにより2分割されて第2段階の整毛が行われ、長櫛刃12aと整毛櫛刃12bとの間の2つの刃溝に導入される。その後、バリカン1の移動に伴い、整毛櫛刃12bで整毛されたそれぞれの毛髪の束が、短櫛刃12cにより2分割されて、長櫛刃12aと短櫛刃12cとの間の刃溝と、短櫛刃12cと整毛櫛刃12bとの間の刃溝に導入される。
ここで、切断対象となる毛髪の密度(毛髪が密集する度合い)が不均一である場合について説明する。図7は、刃溝に導入される際の毛髪Hの動きの一例を示す。図において、円形は毛髪Hを示す。毛髪Hの密度が、櫛刃12a,12b,12cの並設方向に沿って不均一であり、例えば、図の左側よりも右側のほうが密度が高くなっているとする(図にP1で示す)。このとき、先ず、毛髪Hは、長櫛刃12aによる第1段階の整毛を経ると、毛髪Hのうち密度が高い部分で毛髪Hがより密集するため、若干量だけ毛髪Hが密度が高い部位から低い部位に移動する(図にP2で示す)。次に、毛髪Hが、整毛櫛刃12bによる第2段階の整毛を経ると、密度が高い部分の毛髪Hが密度の低い部分に若干量だけ移動する(図にP3で示す)。第1段階の整毛及び第2段階の整毛を経ることにより、毛髪Hの刃溝毎の密度が徐々に均一化される。その後、各刃溝の毛髪Hは、短櫛刃12cにより2分割されて、刃溝奥に導入される(図にP4で示す)。
このように、本実施形態によれば、毛髪を長櫛刃12aにより刃溝毎の束に分割した後、整毛櫛刃12bによりさらに小さい束に分割して整えたうえで短櫛刃12c間の刃溝奥に導入する。従って、切断対象となる毛髪の密度が不均一であったり、高密度の毛髪を刃溝に導入する場合でも、短櫛刃12cにより分割されるより前に毛髪の整毛を2段階に行うことにより、各束毎の毛髪の密度を均一にすることができる。これにより、毛髪Hを、均一な密度で各刃溝奥にスムーズに導入することができ、刃溝毎の切断負荷のばらつきを少なくし、毛髪切断時の可動刃13の負担を低減して切れ味を向上させ、スムーズに毛髪Hを切断することができる。
なお、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cの並び順は上記に限られない。すなわち、整毛櫛刃12bが、互いに隣り合う長櫛刃12aの間に少なくとも1つ以上設けられており、且つ、長櫛刃12aの最小ピッチPaと、整毛櫛刃12bの最小ピッチPbと、短櫛刃12cの最小ピッチPcとが、Pa≧Pb≧Pcの関係を満たせばよい。このように櫛刃12a,12b,12cを配設することにより、上述と同様に、毛髪の整毛を多段階に行い、毛髪を各刃溝奥に均一な密度で導入することが可能になる。
図8は、本実施形態の一変形例に係る固定刃22を示す。固定刃22は、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cの並設態様が、上述の固定刃12と相違するものである。固定刃22において、長櫛刃12aは2つ設けられており、整毛櫛刃12bは、長櫛刃12a間と、固定刃22の側端部と各長櫛刃12aとの間に、それぞれ2つずつ配設されている。また、短櫛刃12cは、整毛櫛刃12b間、及び整毛櫛刃12bと長櫛刃12aとの間に、それぞれ2つずつ配設されている。従って、図に示すように、固定刃22は、長櫛刃12a、整毛櫛刃12b及び短櫛刃12cのそれぞれの最小ピッチPa,Pb,Pcが、Pa>Pb>Pcの関係を満たしている。
固定刃22は、毛髪を刃溝に導入する際、長櫛刃12aによる第1段階の整毛を行った後、整毛櫛刃12bによる第2段階の整毛により、毛髪を3つの束に分割する。このように、上述と同様に、毛髪の整毛を2段に行うことにより、毛髪を各刃溝奥に均一な密度で導入し、可動刃13の負担を軽減し、良好な切れ味を得てスムーズに安定して毛髪を切断することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、バリカンは、刈り高さ調整機能を有さず、可動刃の固定刃に対する固定刃の櫛刃の突出方向の位置が略固定されているようなものであってもよい。また、整毛櫛刃の刃長は、長櫛刃や短櫛刃のそれに近くなるように、長櫛刃の刃長より短く短櫛刃の刃長より長く形成されていればよく、上述のように長櫛刃と短櫛刃の刃長の中間程度の刃長に限定されるものではない。さらに、整毛櫛刃として、例えば刃長の異なる2種類以上のものが、長櫛刃12aと短櫛刃12cと共に設けられていてもよい。この場合、刃長が長いものほど、その最小ピッチが長くなるように配設すればよい。整毛櫛刃の種類を増やすことにより、毛髪の整毛をさらに多段階に行うことができ、毛髪を各刃溝奥に均一な密度で導入させることができ、可動刃13の負担を軽減することができる。
1 バリカン
12,22 固定刃
12a 長櫛刃(第1の櫛刃)
12b 整毛櫛刃
12c 短櫛刃(第2の櫛刃)
13 可動刃
13a 可動刃櫛刃(可動刃の櫛刃)
H 毛髪
12,22 固定刃
12a 長櫛刃(第1の櫛刃)
12b 整毛櫛刃
12c 短櫛刃(第2の櫛刃)
13 可動刃
13a 可動刃櫛刃(可動刃の櫛刃)
H 毛髪
Claims (2)
- 櫛状の固定刃及び可動刃を重ねて、前記可動刃を前記固定刃に対して櫛刃の並設方向に往復摺動して毛髪を切断するバリカンにおいて、
前記固定刃は、その基端部から先端部までの刃長が互いに異なる2種類の第1及び第2の櫛刃を有し、
前記櫛刃のうち、刃長が長い第1の櫛刃の最小ピッチが、刃長が短い第2の櫛刃の最小ピッチより長いか、又は同等とされ、
さらに、前記固定刃は、互いに隣り合う前記第1の櫛刃の間に、少なくとも1つ以上の整毛櫛刃を有し、
前記整毛櫛刃は、その刃長が前記第1の櫛刃よりも短く、前記第2の櫛刃よりも長く、かつ、その最小ピッチが前記第1の櫛刃のそれと同等か、又は短く、また、前記第2の櫛刃のそれと同等か、又は長いことを特徴とするバリカン。 - 前記櫛刃の幅寸法を、刃長の長いものほど大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のバリカン。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108712947A (zh) * | 2016-03-08 | 2018-10-26 | 皇家飞利浦有限公司 | 刀片组制造方法、刀片组和毛发切割器具 |
CN110171022A (zh) * | 2018-02-20 | 2019-08-27 | 皇家飞利浦有限公司 | 用于理发推剪的梳子 |
JP2021515665A (ja) * | 2018-03-16 | 2021-06-24 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 毛切断装置 |
JP7448548B2 (ja) | 2019-01-15 | 2024-03-12 | ケアフュージョン 2200,インコーポレーテッド | パターン化されたリブアレイを含むブレードアセンブリを伴う電動式毛髪バリカン |
-
2008
- 2008-11-25 JP JP2008299463A patent/JP2010124869A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7221983B2 (ja) | 2018-03-16 | 2023-02-14 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 毛切断装置 |
JP7448548B2 (ja) | 2019-01-15 | 2024-03-12 | ケアフュージョン 2200,インコーポレーテッド | パターン化されたリブアレイを含むブレードアセンブリを伴う電動式毛髪バリカン |
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