JP2010004994A - バリカン刃及び電動バリカン - Google Patents

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誠 福谷
Toshio Ikuta
利夫 生田
Jiro Inaba
二郎 稲葉
Kazuhiro Morisugi
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Abstract

【課題】可動刃の刃体間に導入した毛髪の逃げ出しを抑制する刃体の形状を採用しつつも該刃体間への毛髪の導入性を向上させることができるバリカン刃を提供する。
【解決手段】可動刃15の刃体は、両側に切刃部20a,21aが形成され先端側には先端側に向かうほど並設方向に次第に広がる幅広刃部24,25が形成された線対称形状をなす第1刃体20及び第2刃体21で構成される。第1刃体20及び第2刃体21は、その第2刃体21が第1刃体20より並設方向と直交する直交方向の長さが相対的に短く形成され交互に配置される。
【選択図】図4

Description

本発明は、固定刃及び可動刃を備えてなるバリカン刃、及びそのバリカン刃を備えた電動バリカンに関するものである。
従来、刃体を複数並設してなる櫛状の固定刃及び可動刃を重ね、可動刃を固定刃に対して往復摺動させることで、可動刃の刃体間に導入された毛髪を可動刃及び固定刃とで挟みこんで切断する電動バリカンがある。
例えば、特許文献1に開示された電動バリカンでは、可動刃の刃体の長手方向(刃体の並設方向と直交する直交方向)位置によって可動刃の各刃体の並設方向の間隙が異なるようになっている。具体的には、可動刃の刃体の長手方向における先端側に並設方向に広がるように形成される幅広刃部が設けられており、各刃体の先端側における並設方向の間隙が比較的狭くなっている。そのため、可動刃の刃体間に導入された毛髪が刃体間に留まり易く、刃体間の先端側から毛髪が逃げ出ることを抑制している。
特開2008−80111号公報
しかしながら、上記の電動バリカンでは、幅広刃部が設けられ可動刃の刃体間の先端側における並設方向の間隙が狭くなるように刃体が形成されているため、毛髪を導入する際にその毛髪が可動刃の刃体の先端側である幅広刃部と接触し、導入すべき毛髪が刃体間に導入されにくくなるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、可動刃の刃体間に導入した毛髪の逃げ出しを抑制する刃体の形状を採用しつつも該刃体間への毛髪の導入性を向上させることができるバリカン刃及び電動バリカンを提供することにある。
上記課題を解決するために、刃体を複数並設してなる櫛状の固定刃と、刃体を複数並設し前記固定刃に対して並設方向に往復摺動可能に構成される櫛状の可動刃とを備え、前記固定刃の刃体と前記可動刃の刃体とで毛髪をその摺動方向に挟んで切断するように構成されたバリカン刃であって、前記可動刃の刃体は、両側に切刃部が形成され少なくとも先端側には先端側に向かうほど前記並設方向に次第に広がる幅広刃部が形成された線対称形状をなす第1及び第2刃体で構成され、前記第1及び第2刃体は、その第2刃体が前記第1刃体より前記並設方向と直交する直交方向の長さが相対的に短く形成され交互に配置されたことをその要旨とする。
この発明では、可動刃の刃体は、両側に切刃部が形成され少なくとも先端側には先端側に向かうほど並設方向に次第に広がる幅広刃部が形成された線対称形状をなす第1及び第2刃体で構成されるため、刃体間に導入された毛髪が幅広刃部により刃体間に留まり易く、毛髪の逃げ出しを抑制することができる。そして、第1及び第2刃体は、その第2刃体が第1刃体より並設方向と直交する直交方向の長さが相対的に短く形成され交互に配置されるため、例えば可動刃の全ての刃体において直交方向の長さを同一長さとした場合と比較して、第1刃体及び第2刃体の幅広刃部の先端側における間隙を広くすることができ、毛髪の導入性を向上させることができる。更に、第2刃体は、第1刃体より直交方向の長さが短いため、毛髪が第2刃体の先端位置まで導入され、その後第1刃体の側面(切刃部)に当たって刃体間に導入され易くなり、毛髪の導入性向上に寄与することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバリカン刃において、前記第2刃体は、その先端角部が前記第1刃体の先端角部における前記切刃部の垂線よりも先端側に位置する長さに設定されたことをその要旨とする。
この発明では、第2刃体は、その先端角部が第1刃体の先端角部における切刃部の垂線よりも先端側に位置する長さに設定される。これにより、例えば、可動刃の並設方向への往復摺動によって第1刃体の側面の切刃部にて毛髪が切断されずに弾かれる場合、その毛髪はその切刃部の垂直方向への力を受けて弾かれるため、第1刃体の先端角部における切刃部の垂線よりも先端側に位置する長さに設定された第2刃体側へと毛髪が弾かれ易くなる。そのため、弾かれた毛髪を固定刃の刃体と第2刃体とで毛髪を挟みこんで切断することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバリカン刃において、前記第1及び第2刃体は、基端から中間部にかけて前記切刃部先端を前記刃体の幅方向中心線に向けて直線状に傾斜させ、前記中間部から先端側の前記幅広刃部では前記切刃部先端を前記刃体の幅方向中心線から離れるように直線状に傾斜するように形成されたことをその要旨とする。
この発明では、第1及び第2刃体は、基端から中間部にかけて切刃部先端を刃体の幅方向中心線に向けて直線状に傾斜させ、中間部から先端側の幅広刃部では切刃部先端を刃体の幅方向中心線から離れるように直線状に傾斜するように形成される。この場合、固定刃の刃体の切刃部も直線状とすることで、第1刃体及び第2刃体の切刃部と固定刃の刃体の切刃部とがなすはさみ角を適切な角度で常に一定にすることが容易にできる。そのため、容易に切断能力の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリカン刃と、該バリカン刃の可動刃を可動させる駆動源とを備えたことをその要旨とする。
この発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリカン刃と、該バリカン刃の可動刃を可動させる駆動源とが備えられたことにより、請求項1〜4のいずれか1項に記載の効果と同様の効果を奏することができる電動バリカンを提供することができる。
本発明によれば、可動刃の刃体間に導入した毛髪の逃げ出しを抑制する刃体の形状を採用しつつも該刃体間への毛髪の導入性を向上させることができるバリカン刃及び電動バリカンを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)及び図2に示すように、本実施形態の電動バリカン10は、基端側(図1(a)(b)において下側)略半分が把持部11をなすハウジング12を有し、該ハウジング12内の略中央部には駆動源としての電動モータ13が収容されて固定されている。電動モータ13の駆動力を伝達する駆動軸13aは、ハウジング12の先端部に装着される刃ブロック14まで延び、該刃ブロック14の可動刃15と駆動連結されている。
ハウジング12内における電動モータ13の基端側には、該モータ13に電源供給を行う充電式のバッテリ17が備えられ、該バッテリ17近傍には制御回路18が備えられている。また、ハウジング12の把持部11近傍の外周面には使用者が操作可能な操作スイッチ19が備えられており、制御回路18は、その操作スイッチ19の操作に基づいてモータ13の制御(例えばオン・オフ制御など)やバッテリ17の充電制御を行っている。
そして、操作スイッチ19の操作に基づいてモータ13が駆動されると、該モータ13の駆動力は駆動軸13aを介して刃ブロック14の可動刃15に伝達され、これにより刃ブロック14では可動刃15が固定刃16に対して往復摺動し、可動刃15と固定刃16による毛髪の切断が行われるようになっている。尚、本実施形態では可動刃15及び固定刃16とでバリカン刃が構成されている。
図3及び図4に示すように、刃ブロック14において、刃体16aを複数並設して櫛状に構成された固定刃16と、刃体20,21を複数並設して櫛状に構成され固定刃16に対して刃体20,21の並設方向に往復摺動可能に設けられる可動刃15とが備えられている。因みに、可動刃15は、ハウジング12(図1参照)の外周面に設けられたダイヤル部材22を回動させることで、固定刃16の刃体16aの延びる方向に沿って進退可能に設けられ、これにより毛髪の刈り高さを調整することができるようになっている。
固定刃16は、先細形状をなす同一形状の刃体16aを複数並設して櫛状に構成されており、各刃体16aの並設方向両側には切刃部16bが形成されている。
可動刃15は、前記固定刃16の刃体16aよりも短く第1刃体20と第2刃体21とを交互に並設して櫛状に構成されている。各刃体20,21は、幅方向(並設方向)中心線L1に対して対称形状をなし、並設方向両側には切刃部20a,21aが形成されている。切刃部20a,21aは、可動刃15の摺動方向に対して鋭角に傾斜したすくい面を有している。
また、第1刃体20は、基端から中間部Aまでが幅狭刃部23、中間部Aから先端側が幅広刃部24で構成されている。幅狭刃部23は、刃体20の基端から中間部Aにかけて刃体20の幅方向中心線L1に向けて直線状に傾斜させ、基端から中間部Aにかけて徐々に幅が狭く形成されている。幅広刃部24は、刃体20の中間部Aから先端にかけて刃体20の幅方向中心線L1から離れるように直線状に傾斜させ、中間部Aから先端にかけて徐々に幅が広く形成されている。
第2刃体21は、基端から中間部Aまでが第1刃体20と同形状の幅狭刃部23、中間部Aから先端側が幅広刃部25で構成されている。この第2刃体21の幅広刃部25は、第1刃体20の幅広刃部24と比較して、並設方向と直交する直交方向の長さが並設方向において長さX分だけの段差を有するように短く形成されており、これにより第2刃体21は第1刃体20より直交方向の長さが短く形成されている。この場合、第2刃体21は、その側面である切刃部21aの垂直方向先端に形成される先端角部21bが、第1刃体20の側面である切刃部20aの垂直方向先端に形成される先端角部20bの直線状の切刃部20aに対して垂直な垂線L2よりも直交方向先端側に位置する長さに形成されている。
因みに、第1刃体20及び第2刃体21の各切刃部20a,21aは、固定刃16の切刃部16bに対して傾斜してなるはさみ角αが毛髪を挟みこんで切断するのに好適な角度(例えば0度〜40度の範囲で、特に20度近傍)となるように形成されている。尚、図4では、第2刃体21の幅狭刃部23及び幅広刃部25の切刃部21aについてのみ、はさみ角αを図示している。
そして、モータ13の駆動により可動刃15が固定刃16に対して往復摺動されると、毛髪が可動刃15の刃体20,21間に導入され、刃体20,21と固定刃16の刃体16aとで挟みこんでその毛髪が切断される。この時、可動刃15の刃体20,21間に導入された毛髪は幅広刃部24,25により刃体20,21間に留まりやすく、毛髪の逃げ出しが抑制される。更に、毛髪導入時においては、第2刃体21が第1刃体20より長さX分だけの段差を有するように直交方向において短く形成されているため、幅広刃部24,25の先端側における間隙が比較的広くなり、導入性の向上を図っている。これに加え、毛髪が第2刃体21(幅広刃部25)の先端位置まで導入され、その後第1刃体20側へと流れて第1刃体20の側面である切刃部20aに当たり、刃体20,21間に導入され易くなり、毛髪の導入性向上に寄与することができる。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)可動刃15の刃体は、両側に切刃部20a,21aが形成され先端側には先端側に向かうほど並設方向に次第に広がる幅広刃部24,25が形成された線対称形状をなす第1刃体20及び第2刃体21で構成されるため、刃体20,21間に導入された毛髪が幅広刃部24,25により刃体20,21間に留まり易く、毛髪の逃げ出しを抑制することができる。そして、第1刃体20及び第2刃体21は、その第2刃体21が第1刃体20より並設方向と直交する直交方向の長さが相対的に短く形成され交互に配置されるため、例えば可動刃15の全ての刃体において直交方向の長さを同一長さとした場合と比較して、第1刃体20及び第2刃体21の幅広刃部24,25の先端側における間隙を広くすることができ、毛髪の導入性を向上させることができる。更に、第2刃体21は、第1刃体20より直交方向の長さが短いため、毛髪が第2刃体21の先端位置まで導入され、その後第1刃体20の側面である切刃部20aに当たって刃体20,21間に導入され易くなり、毛髪の導入性向上に寄与することができる。
(2)第2刃体21は、その先端角部21bが第1刃体20の先端角部20bにおける切刃部20aの垂線L2よりも先端側に位置する長さに設定される。これにより、例えば、可動刃15の並設方向への往復摺動によって第1刃体20の側面の切刃部20aにて毛髪が切断されずに弾かれる場合、その毛髪はその切刃部20aの垂直方向への力を受けて弾かれるため、第1刃体20の先端角部20bにおける切刃部20aの垂線L2よりも先端側に位置する長さに設定された第2刃体21側へと毛髪が弾かれ易くなる。そのため、弾かれた毛髪を固定刃16の刃体16aと第2刃体21とで毛髪を挟みこんで切断することが可能となる。
(3)第1刃体20及び第2刃体21は、基端から中間部Aにかけて切刃部20a,21a先端を刃体20,21の幅方向中心線L1に向けて直線状に傾斜させ、中間部Aから先端側の幅広刃部24,25では切刃部20a,21a先端を刃体の幅方向中心線L1から離れるように直線状に傾斜するように形成される。この場合、固定刃16の刃体16aの切刃部16bも直線状とすることで、第1刃体20及び第2刃体21の切刃部20a,21aと固定刃16の刃体16aの切刃部16bとがなすはさみ角αを適切な角度(20度近傍)で常に一定にすることが容易にできる。そのため、容易に切断能力の向上を図ることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、可動刃15の各刃体20,21の切刃部20a,21aを2つの直線にて形成したが、これに限らず、例えば1つ若しくは3つ以上の直線にて形成してもよく、また図5に示すように、湾曲形状に形成してもよい。
・上記実施形態では、第2刃体21の先端角部21bを第1刃体20の先端角部20bにおける切刃部20aの垂線L2よりも先端側に位置するように第2刃体21の長さを設定したが、これに限らず、垂線L2よりも短い長さに設定してもよい。
(a)(b)は、本実施形態における電動バリカンの外観図である。 同上における電動バリカンの断面図である。 同上における刃ブロックの全体斜視図である。 同上における可動刃の形状について説明するための説明図である。 別例における可動刃の形状について説明するための説明図である。
符号の説明
10…電動バリカン、13…電動モータ(駆動源)、15…可動刃、16…固定刃、16a…刃体、20…第1刃体、21…第2刃体、20a…切刃部、20b…先端角部、21a…切刃部、21b…先端角部、24,25…幅広刃部、A…中間部、L1…幅方向中心線、L2…垂線。

Claims (4)

  1. 刃体を複数並設してなる櫛状の固定刃と、刃体を複数並設し前記固定刃に対して並設方向に往復摺動可能に構成される櫛状の可動刃とを備え、前記固定刃の刃体と前記可動刃の刃体とで毛髪をその摺動方向に挟んで切断するように構成されたバリカン刃であって、
    前記可動刃の刃体は、両側に切刃部が形成され少なくとも先端側には先端側に向かうほど前記並設方向に次第に広がる幅広刃部が形成された線対称形状をなす第1及び第2刃体で構成され、
    前記第1及び第2刃体は、その第2刃体が前記第1刃体より前記並設方向と直交する直交方向の長さが相対的に短く形成され交互に配置されたことを特徴とするバリカン刃。
  2. 請求項1に記載のバリカン刃において、
    前記第2刃体は、その先端角部が前記第1刃体の先端角部における前記切刃部の垂線よりも先端側に位置する長さに設定されたことを特徴とするバリカン刃。
  3. 請求項1又は2に記載のバリカン刃において、
    前記第1及び第2刃体は、基端から中間部にかけて前記切刃部先端を前記刃体の幅方向中心線に向けて直線状に傾斜させ、前記中間部から先端側の前記幅広刃部では前記切刃部先端を前記刃体の幅方向中心線から離れるように直線状に傾斜するように形成されたことを特徴とするバリカン刃。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリカン刃と、該バリカン刃の可動刃を可動させる駆動源とを備えたことを特徴とする電動バリカン。
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