JP2010121706A - 高圧燃料用電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型の電磁コイルであっても確実な開弁作動が可能であり、しかも、メインバルブのチャタリングの発生を未然に防止することのできる高圧燃料用電磁弁を提供する。
【解決手段】バルブ収容部17の内壁とメインバルブ11の間に、メインバルブ11の進退作動を許容しつつ燃料ガスの流通を遮断するOリング23を設ける。メインバルブ11に、中間室40と第2通路14を連通させるパイロット通路24と、中間室40と導通室39を連通させるオリフィス通路41を設ける。オリフィス通路41の開口面積をパイロット通路24の開口面積よりも小さく設定する。メインバルブ11に対し、導通室39の圧力を開弁方向の押圧力として作用させ、中間室40の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる。メインバルブ11の振動をOリング23によって減衰する。
【選択図】図2
【解決手段】バルブ収容部17の内壁とメインバルブ11の間に、メインバルブ11の進退作動を許容しつつ燃料ガスの流通を遮断するOリング23を設ける。メインバルブ11に、中間室40と第2通路14を連通させるパイロット通路24と、中間室40と導通室39を連通させるオリフィス通路41を設ける。オリフィス通路41の開口面積をパイロット通路24の開口面積よりも小さく設定する。メインバルブ11に対し、導通室39の圧力を開弁方向の押圧力として作用させ、中間室40の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる。メインバルブ11の振動をOリング23によって減衰する。
【選択図】図2
Description
この発明は、燃料ガスの供給通路を開閉する高圧燃料用電磁弁に関するものである。
燃料ガス(例えば、水素ガス)と酸化剤ガス(例えば、酸素を含む空気)を供給して発電を行う燃料電池においては、貯蔵タンクから供給される燃料ガスが圧力制御弁で減圧されてアノード極に供給される。
この種の燃料電池においては、貯蔵タンクの取り出し口に電磁弁が取り付けられ、燃料電池の停止中に電磁弁によって供給通路を遮断する。電磁弁はスプリングの付勢力によって供給通路を閉じ、電磁コイルの電磁力によって供給通路を開く基本構造であるが、貯蔵タンク内は通常高圧に維持されているため、開弁初期には弁体の前後の圧力差が大きくなり、大型の電磁コイルを用いなければ開弁作動が難しくなる。
この種の燃料電池においては、貯蔵タンクの取り出し口に電磁弁が取り付けられ、燃料電池の停止中に電磁弁によって供給通路を遮断する。電磁弁はスプリングの付勢力によって供給通路を閉じ、電磁コイルの電磁力によって供給通路を開く基本構造であるが、貯蔵タンク内は通常高圧に維持されているため、開弁初期には弁体の前後の圧力差が大きくなり、大型の電磁コイルを用いなければ開弁作動が難しくなる。
このため、小型の電磁コイルであっても確実な開弁作動が可能な高圧燃料用電磁弁として、所謂パイロット式の電磁弁が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この高圧燃料用電磁弁は、貯蔵タンクの取り出し口に取り付けられるバルブボディに、貯蔵タンクの内部と導通する第1通路と、貯蔵タンクの外部と導通する第2通路と、第1通路と第2通路の間にあって外側の第2通路を開閉するメインバルブと、メインバルブの上流側と下流側をバイパスして接続するパイロット通路と、パイロット通路を開閉するパイロットバルブと、を備え、メインバルブとパイロットバルブが閉弁方向にスプリングによって付勢されるとともに、電磁コイルによって開弁方向に操作されるようになっている。貯蔵タンクから燃料ガスを供給する場合には、電磁バルブによって先にパイロットバルブを開くことでメインバルブの前後の圧力差を低減し、その状態でメインバルブを開くようになっている。
特開平11−36989号公報
特開平7−301359号公報
この高圧燃料用電磁弁は、貯蔵タンクの取り出し口に取り付けられるバルブボディに、貯蔵タンクの内部と導通する第1通路と、貯蔵タンクの外部と導通する第2通路と、第1通路と第2通路の間にあって外側の第2通路を開閉するメインバルブと、メインバルブの上流側と下流側をバイパスして接続するパイロット通路と、パイロット通路を開閉するパイロットバルブと、を備え、メインバルブとパイロットバルブが閉弁方向にスプリングによって付勢されるとともに、電磁コイルによって開弁方向に操作されるようになっている。貯蔵タンクから燃料ガスを供給する場合には、電磁バルブによって先にパイロットバルブを開くことでメインバルブの前後の圧力差を低減し、その状態でメインバルブを開くようになっている。
しかし、この高圧燃料用電磁弁の場合、メインバルブとパイロットバルブには常時スプリングの閉弁方向の付勢力が作用しているため、空になった貯蔵タンクに外側通路を通して外部から燃料ガスを充填する際には、メインバルブを押し開く燃料ガスのガス圧力とスプリングの付勢力が拮抗するとメインバルブのチャタリングが発生し易くなる。
そこで、この発明は、小型の電磁コイルであっても確実な開弁作動が可能であり、しかも、メインバルブのチャタリングの発生を未然に防止することのできる高圧燃料用電磁弁を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、燃料ガスの貯蔵タンク(例えば、後述の実施形態における貯蔵タンク10)と連通する第1通路(例えば、後述の実施形態における第1通路13)と、燃料ガスを消費する機器と連通する第2通路(例えば、後述の実施形態における第2通路14)と、前記第1通路と第2通路の間に設けられ、前記第2通路の端部を開閉するメインバルブ(例えば、後述の実施形態におけるメインバルブ19)と、このメインバルブの前後の空間部を導通させるパイロット通路(例えば、後述の実施形態におけるパイロット通路24)と、このパイロット通路を開閉するパイロットバルブ(例えば、後述の実施形態におけるパイロットバルブ26)と、このパイロットバルブと前記メインバルブに閉弁方向の付勢力を付与する付勢手段(例えば、後述の実施形態におけるスプリング35)と、前記パイロットバルブとメインバルブに前記付勢手段に抗した開弁方向の操作力を付与する電磁コイル(例えば、後述の実施形態における電磁コイル31)と、を備え、前記貯蔵タンクからの燃料ガスの供給時には、前記メインバルブの開弁に先立って前記パイロットバルブを開弁することによって前記メインバルブの開弁作動を助勢し、前記貯蔵タンクへの燃料ガスの充填時には、前記第2通路から導入される燃料ガスの圧力によって前記メインバルブを前記付勢手段の力に抗して開弁する高圧燃料用電磁弁において、前記メインバルブを進退自在に収容するバルブ収容部(例えば、後述の実施形態におけるバルブ収容部17)を設け、このバルブ収容部の内壁と前記メインバルブの間に、前記メインバルブの進退作動を許容しつつ燃料ガスの流通を遮断するシール部材(例えば、後述の実施形態におけるOリング23)を設け、前記バルブ収容部の内部を、前記メインバルブによって前記第1通路に導通する導通室(例えば、後述の実施形態における導通室39)と、その導通室と逆側の中間室(例えば、後述の実施形態における中間室40)とに隔成し、前記メインバルブに、前記中間室と前記第2通路を連通させるように前記パイロット通路を設けるとともに、前記中間室と前記導通室を連通させるオリフィス通路(例えば、後述の実施形態におけるオリフィス通路41)を設け、前記オリフィス通路の開口面積を前記パイロット通路の開口面積よりも小さく設定し、前記メインバルブに対し、前記導通室の圧力を開弁方向の押圧力として作用させ、前記中間室の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させることを特徴とする。
貯蔵タンクから消費機器に燃料ガスを供給する場合には、最初に電磁コイルの励磁によってパイロットバルブを開弁すると、中間室内のガス圧力がパイロット通路を通して第2通路に排出される。このとき、中間室と導通室は、パイロット通路よりも開口面積の小さいのオリフィス通路を介して連通しているため、中間室内の圧力は導通室の圧力よりも小さくなる。このため、メインバルブは導通室と中間室の圧力差によって開弁方向の助勢力を受け、第2通路を開くようになる。
また、第2通路を通して貯蔵タンク内に燃料ガスを充填する場合には、第2通路から高圧の燃料ガスが導入されると、その燃料ガスの圧力によってメインバルブが開き、燃料ガスが第1通路を通して貯蔵タンク内に充填されるようになる。このとき、メインバルブに作用する燃料ガスの圧力と付勢手段の力が拮抗してくるとメインバルブが振動を始めようとするが、その振動はメインバルブと凹部の間に介装されたシール部材の摩擦抵抗によって低減される。
貯蔵タンクから消費機器に燃料ガスを供給する場合には、最初に電磁コイルの励磁によってパイロットバルブを開弁すると、中間室内のガス圧力がパイロット通路を通して第2通路に排出される。このとき、中間室と導通室は、パイロット通路よりも開口面積の小さいのオリフィス通路を介して連通しているため、中間室内の圧力は導通室の圧力よりも小さくなる。このため、メインバルブは導通室と中間室の圧力差によって開弁方向の助勢力を受け、第2通路を開くようになる。
また、第2通路を通して貯蔵タンク内に燃料ガスを充填する場合には、第2通路から高圧の燃料ガスが導入されると、その燃料ガスの圧力によってメインバルブが開き、燃料ガスが第1通路を通して貯蔵タンク内に充填されるようになる。このとき、メインバルブに作用する燃料ガスの圧力と付勢手段の力が拮抗してくるとメインバルブが振動を始めようとするが、その振動はメインバルブと凹部の間に介装されたシール部材の摩擦抵抗によって低減される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高圧燃料用電磁弁において、前記シール部材をリング状のゴム弾性部材によって構成したことを特徴とする。
これにより、メインバルブの周域がリング状のゴム弾性部材によって均一にシールされるとともに、メインバルブの進退作動時には、リング状のゴム弾性部材の内部摩擦による安定した摩擦抵抗が得られるようになる。
これにより、メインバルブの周域がリング状のゴム弾性部材によって均一にシールされるとともに、メインバルブの進退作動時には、リング状のゴム弾性部材の内部摩擦による安定した摩擦抵抗が得られるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の高圧燃料用電磁弁において、前記パイロット通路を、前記付勢手段、前記パイロットバルブ、前記パイロットバルブの着座部と同軸に配置したことを特徴とする。
これにより、パイロット通路がパイロットバルブによって閉じられるときには、付勢手段による閉弁力が、パイロットバルブと着座部の軸線に沿う直線上に作用するようになる。
これにより、パイロット通路がパイロットバルブによって閉じられるときには、付勢手段による閉弁力が、パイロットバルブと着座部の軸線に沿う直線上に作用するようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の高圧燃料用電磁弁において、前記オリフィス通路を、前記パイロット通路の軸心部からずれた位置に配置したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、貯蔵タンクからのガス供給時には、パイロットバルブの開弁によって導通室と中間室との間に圧力差が生じ、その圧力差によってメインバルブの開弁が助勢されるため、小型の電磁コイルであってもメインバルブの確実な開弁作動を得ることができ、しかも、貯蔵タンクへの燃料ガスの充填時には、シール部材の摩擦抵抗によってメインバルブの振動が低減されるため、メインバルブのチャタリングの発生を未然に防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、凹部とメインバルブの間に介在させるシール部材をリング状のゴム弾性部材によって構成したため、メインバルブの周域のシールの均一化を図ることができるとともに、メインバルブのチャタリング防止時には、ゴム弾性部材の内部摩擦によって安定した減衰効果とメインバルブの安定挙動を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、パイロット通路を、付勢手段、パイロットバルブ、パイロットバルブの着座部と同軸に配置したことから、付勢手段による閉弁力を、パイロットバルブとその着座部の軸線に沿う直線上に作用させることができるため、パイロットバルブの閉弁をより安定させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、パイロット通路に対して開口面積の小さいオリフィス通路を、パイロット通路の軸心部からずれた位置に配置したため、燃料ガスが流通する通路が軸心部からずれることによるメインバルブの作動への影響を最小限に抑えることができる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、水素ガス等の燃料ガスを貯蔵するための貯蔵タンク10に高圧燃料用電磁弁1(以下、「電磁弁1」と呼ぶ)が取り付けられた状態を示す断面図である。この実施形態の貯蔵タンク10は、車両用の燃料電池システムにおいて、燃料電池のアノード極で消費する水素ガスを高圧状態で貯蔵するものである。
電磁弁1は、バルブボディ11が貯蔵タンク10の取り出し口12に封止プラグを兼ねて取り付けられている。バルブボディ11には、貯蔵タンク10の内部と導通する第1通路13と、貯蔵タンク10の外部の燃料電池(図示せず)と導通する第2通路14が形成されている。なお、図中15は、バルブボディ11と貯蔵タンク10のねじ固定部であり、16は、バルブボディ11と貯蔵タンク10の間を封止するシールリングである。
図1は、水素ガス等の燃料ガスを貯蔵するための貯蔵タンク10に高圧燃料用電磁弁1(以下、「電磁弁1」と呼ぶ)が取り付けられた状態を示す断面図である。この実施形態の貯蔵タンク10は、車両用の燃料電池システムにおいて、燃料電池のアノード極で消費する水素ガスを高圧状態で貯蔵するものである。
電磁弁1は、バルブボディ11が貯蔵タンク10の取り出し口12に封止プラグを兼ねて取り付けられている。バルブボディ11には、貯蔵タンク10の内部と導通する第1通路13と、貯蔵タンク10の外部の燃料電池(図示せず)と導通する第2通路14が形成されている。なお、図中15は、バルブボディ11と貯蔵タンク10のねじ固定部であり、16は、バルブボディ11と貯蔵タンク10の間を封止するシールリングである。
図2は、閉弁状態にある電磁弁1を拡大して示した断面図である。
同図に示すように、バルブボディ11には第1通路13と第2通路14を連通させるように略円柱状のバルブ収容部17が設けられている。バルブ収容部17の軸方向の一端(図中上端)の壁の中央には、外側の第2通路14と導通する円筒状のメイン弁座18が突出して設けられている。また、第1通路13の端部は、バルブ収容部17の軸方向の一端寄りのメイン弁座18の側面に臨む位置に開口している。
同図に示すように、バルブボディ11には第1通路13と第2通路14を連通させるように略円柱状のバルブ収容部17が設けられている。バルブ収容部17の軸方向の一端(図中上端)の壁の中央には、外側の第2通路14と導通する円筒状のメイン弁座18が突出して設けられている。また、第1通路13の端部は、バルブ収容部17の軸方向の一端寄りのメイン弁座18の側面に臨む位置に開口している。
バルブ収容部17には、メイン弁座18と当接・離反することで第2通路14を開閉するメインバルブ19が進退自在に収容されている。メインバルブ19は、厚肉円板状の弁頭部20と、弁頭部20に同軸に連設されたガイド筒部21とを備え、弁頭部20がバルブ収容部17の周壁に摺動自在に嵌合されている。弁頭部20の外周面には環状溝22が形成され、その環状溝22に、リング状のゴム弾性部材であるOリング23(シール部材)が嵌合固定されている。Oリング23は、バルブ収容部17の周壁との摺動と自身の弾性変形により、メインバルブ19の進退作動を許容しつつ、弁頭部20とバルブ収容部17の間の燃料ガスの流通を遮断する。
また、弁頭部20の軸心位置には弁頭部20を軸方向に貫通するパイロット通路24が設けられている。パイロット通路24はバルブ収容部17のメイン弁座18(着座部)と同軸になるように形成されている。ここで、弁頭部20とガイド筒部21の主要部分は金属材料によって一体に形成されているが、弁頭部20のパイロット通路24の周域部分は別体のゴム状弾性部材25によって形成されている。このゴム状弾性部材25のメイン弁座18側の端面はメインバルブ19の閉弁時にメイン弁座18に密接する。
一方、ガイド筒部21の内側には、略円柱状のパイロットバルブ26が進退作動可能に収容されている。このパイロットバルブ26の弁頭部20側の端面には弁突起27が設けられ、この弁突起27がゴム状弾性部材25の端面のパイロット通路24の孔縁(パイロット弁座28)に対して当接・離反可能とされている。
一方、ガイド筒部21の内側には、略円柱状のパイロットバルブ26が進退作動可能に収容されている。このパイロットバルブ26の弁頭部20側の端面には弁突起27が設けられ、この弁突起27がゴム状弾性部材25の端面のパイロット通路24の孔縁(パイロット弁座28)に対して当接・離反可能とされている。
また、バルブボディ11には、メインバルブ19やパイロットバルブ26を開閉操作するための電磁式の駆動ユニット30が一体に組み込まれている。この駆動ユニット30は、電磁コイル31を収容するケーシング32の軸心位置に凹部33が設けられ、この凹部33内に磁性材料から成るプランジャ34が摺動自在に収容されている。凹部33は、バルブ収容部17側に開口し、かつバルブ収容部17と同軸に形成されている。凹部33とプランジャ34の間には、付勢手段であるスプリング35が介装され、プランジャ34がこのスプリング35によって常時バルブ収容部17側に付勢されるようになっている。なお、スプリング35はプランジャ34と同軸に配置されている。
プランジャ34のバルブ収容部17側の端面には凹部36が形成され、その凹部36にメインバルブ19のガイド筒部21が挿入されている。プランジャ34には、軸直角方向に凹部36を横切るように連結ピン37が取り付けられ、この連結ピン37によってメインバルブ19のガイド筒部21と、その内側のパイロットバルブ26がプランジャ34に対して連結されている。ただし、連結ピン37は、パイロットバルブ26に対してはほぼ隙間なく嵌合固定されているが、メインバルブ19に対してはガイド筒部21に設けられた長孔38内に僅かな遊びを持たせて連結されている。したがって、プランジャ34が電磁コイル31の磁力を受けてスプリング35の力に抗して操作されるときには、最初にパイロットバルブ26がプランジャ34と一体に変位し、パイロットバルブ26が所定量変位したところでプランジャ34からメインバルブ19に操作力が伝達される。
なお、凹部36はプランジャ34の軸心位置に配置されており、この凹部36に支持されるパイロットバルブ19にはスプリング35の付勢力が軸心に沿うように入力される。
なお、凹部36はプランジャ34の軸心位置に配置されており、この凹部36に支持されるパイロットバルブ19にはスプリング35の付勢力が軸心に沿うように入力される。
ここで、前述のようにバルブ収容部17に収容されたメインバルブ19は、バルブ収容部17内を、常時第1通路13と導通する導通室39と、プランジャ34側に臨む中間室40とに隔成している。そして、メインバルブ19のパイロット通路24(軸心)から離間した外周縁部には、導通室39と中間室40を連通するオリフィス通路41が形成されている。このオリフィス通路41の開口面積はパイロット通路24の開口面積よりも小さく設定されている。
導通室39のガス圧力は、スプリング35の付勢力に抗する押圧力(開弁方向の押圧力)としてメインバルブ19に作用し、中間室40のガス圧力は、スプリング35の付勢力と同方向の押圧力(閉弁方向の押圧力)としてメインバルブ19に作用する。また、メインバルブ19の導通室39側の受圧面積と、中間室40側の受圧面積とはほぼ同面積になるように設定されている。したがって、導通室39と中間室40に圧力差があるときには、その圧力差に応じた押圧力がメインバルブ19に作用する。
なお、図中48,49は、バルブボディ11と駆動ユニット30の間を密封するシールリングである。
導通室39のガス圧力は、スプリング35の付勢力に抗する押圧力(開弁方向の押圧力)としてメインバルブ19に作用し、中間室40のガス圧力は、スプリング35の付勢力と同方向の押圧力(閉弁方向の押圧力)としてメインバルブ19に作用する。また、メインバルブ19の導通室39側の受圧面積と、中間室40側の受圧面積とはほぼ同面積になるように設定されている。したがって、導通室39と中間室40に圧力差があるときには、その圧力差に応じた押圧力がメインバルブ19に作用する。
なお、図中48,49は、バルブボディ11と駆動ユニット30の間を密封するシールリングである。
図3,図4は、貯蔵タンク10内の燃料ガスを、第2通路14を通して燃料電池に供給するときの電磁弁1の作動状態を示すものである。以下、燃料ガスを燃料電池に供給するときにおける電磁弁1の作動を図2〜図4を参照して説明する。
電磁コイル31がOFFの状態では、図2に示すようにメインバルブ19とパイロットバルブ26がスプリング35の付勢力によってメイン弁座18とパイロット弁座28に押し当てられ、閉弁状態に維持されている。このとき、貯蔵タンク10内の燃料ガスの圧力は、第1通路13を介して導通室39に作用するとともに、さらにオリフィス通路41を介して中間室40に作用している。したがって、このとき導通室39の圧力と中間室40の圧力はほぼ同圧となっている。また、導通室39と中間室40の圧力は燃料電池側の第2通路14の圧力に対して高圧となっている。
電磁コイル31がOFFの状態では、図2に示すようにメインバルブ19とパイロットバルブ26がスプリング35の付勢力によってメイン弁座18とパイロット弁座28に押し当てられ、閉弁状態に維持されている。このとき、貯蔵タンク10内の燃料ガスの圧力は、第1通路13を介して導通室39に作用するとともに、さらにオリフィス通路41を介して中間室40に作用している。したがって、このとき導通室39の圧力と中間室40の圧力はほぼ同圧となっている。また、導通室39と中間室40の圧力は燃料電池側の第2通路14の圧力に対して高圧となっている。
この状態から電磁コイル31がONにされると、電磁コイル31の磁力によってプランジャ34が吸引され、図3に示すように、着座面積の小さいパイロットバルブ26がメインバルブ19上のパイロット弁座28から離反する(開弁する)。これにより、パイロット通路24が開き、中間室40内の燃料ガスがパイロット通路24を通って第2通路14に供給される。また、このとき導通室39から中間室40にはオリフィス通路41を通して燃料ガスが流入するが、オリフィス通路41の開口面積はパイロット通路24の開口面積よりも小さく設定されているため、中間室40の圧力は導通室39の圧力よりも低くなる。したがって、パイロットバルブ26が開弁した直後には、導通室39と中間室40の差圧に応じた押圧力がメインバルブ19に開弁方向の助勢力として作用し、この助勢力が電磁コイル31による吸引力と相俟って、図4に示すように、メインバルブ19をメイン弁座18から離反させることになる。こうして、メインバルブ19が開弁すると、貯蔵タンク10内の燃料ガスが第1通路13から第2通路14を通って燃料電池に供給される。
図5は、空になった貯蔵タンク10に、外部から燃料ガスを充填するときの電磁弁1の作動状態を示すものである。
貯蔵タンク10に燃料ガスを充填する場合には、第2通路14に外部の図示しないガス供給装置を接続し、第2通路14に高圧の燃料ガスを導入する。こうしてガス供給装置から第2通路14に高圧の燃料ガスが導入されると、燃料ガスのガス圧力がスプリング35の閉弁力に抗してメインバルブ19を押し開き、このとき燃料ガスが第2通路14から第1通路13を通って貯蔵タンク10内に導入されるようになる。
貯蔵タンク10に燃料ガスを充填する場合には、第2通路14に外部の図示しないガス供給装置を接続し、第2通路14に高圧の燃料ガスを導入する。こうしてガス供給装置から第2通路14に高圧の燃料ガスが導入されると、燃料ガスのガス圧力がスプリング35の閉弁力に抗してメインバルブ19を押し開き、このとき燃料ガスが第2通路14から第1通路13を通って貯蔵タンク10内に導入されるようになる。
このとき、メインバルブ19を開弁方向に押圧する燃料ガスの圧力とスプリング35の付勢力が拮抗してくると、両者の間の微妙な圧力バランスの崩れによってメインバルブ19に進退方向の振動が生じ易くなる。しかし、この電磁弁1では、メインバルブ19の振動(急激な変動)はバルブ収容部17とメインバルブ19の間に介装されたOリング23の摩擦抵抗(内部摩擦、及び、接触摩擦)によって減衰され、チャタリングの発生は抑制される。
また、メインバルブ19によって隔成された中間室40は導通室39に対して通路開口面積の小さいパイロット通路24とオリフィス通路41を介して連通しているため、メインバルブ19に大きな起振力が生じた場合には、これらの通路24,41を通過するガスの流通抵抗も振動を抑制する減衰力として寄与することになる。
また、メインバルブ19によって隔成された中間室40は導通室39に対して通路開口面積の小さいパイロット通路24とオリフィス通路41を介して連通しているため、メインバルブ19に大きな起振力が生じた場合には、これらの通路24,41を通過するガスの流通抵抗も振動を抑制する減衰力として寄与することになる。
以上のようにこの電磁弁1は、貯蔵タンク10から燃料電池へのガス供給時には、パイロットバルブ26の開弁によって導通室39と中間室40の間に圧力差が生じ、その圧力差に応じた開弁方向の助勢力がメインバルブ19に作用するため、磁力の強い大形の電磁コイルを用いることなく、メインバルブ19の確実な開弁作動を得ることができる。したがって、この電磁弁1を採用した場合には、電磁コイル31の小型化と消費電力の低減を図ることができる。
また、この電磁弁1では、さらに貯蔵タンク10への燃料ガスの充填時には、バルブ収容部17の内壁とメインバルブ19の間に介装されたOリング23の摩擦抵抗によってメインバルブ19の振動を減衰することができるため、メインバルブ19のチャタリングの発生を未然に防止することができる。
特に、この実施形態の電磁弁1においては、バルブ収容部17の内壁とメインバルブ19の間に介装するシール部材としてリング状のゴム弾性部材であるOリング23が採用されているため、メインバルブ19の周域のシールの均一化を図ることができるうえ、メインバルブ19の振動抑制時には、ゴム弾性部材の内部摩擦によって安定した減衰効果とメインバルブ19の安定挙動を得ることができる。
また、この電磁弁1の場合、メインバルブ19に設けられるパイロット通路24が、スプリング35とパイロットバルブ26とパイロット弁座28の三者と同軸となるように形成されているため、スプリング35の閉弁方向の付勢力をパイロットバルブ26とパイロット弁座28の軸線方向に沿う直線上に作用させることができ、パイロット弁座28に対するパイロットバルブ26の着座をより安定させることができる、という利点がある。
さらに、この電磁弁1においては、パイロット通路24に対して開口面積の小さいオリフィス通路41が、メインバルブ19上のパイロット通路24の軸心部(メインバルブ19の軸心部)からずれた位置に配置されているため、燃料ガスが流通する通路が軸心部からずれることによるメインバルブ19の作動への影響(メインバルブ19の挙動の不安定化)を最小限に抑えることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、以上で説明した実施形態は、電磁弁1が燃料タンク10の取り出し口12に一体に取り付けらたものであるが、図6に示すように、電磁弁101を燃料タンク10の封止プラグと別に設け、電磁弁101のバルブボディ11内の第1通路13を配管によって燃料タンク10に接続しても良い。なお、図6に示す電磁弁101は、基本的な構造は前述した実施形態のものとほぼ同様であり、同一部分には同一符号を付してある。また、図6中50は、燃料電池である。
また、この発明に係る高圧燃料用電磁弁の用途は燃料電池に限るものではなく、高圧ガスを用いるものであれば、他の種々の装置やシステムにも同様に適用することができる。
例えば、以上で説明した実施形態は、電磁弁1が燃料タンク10の取り出し口12に一体に取り付けらたものであるが、図6に示すように、電磁弁101を燃料タンク10の封止プラグと別に設け、電磁弁101のバルブボディ11内の第1通路13を配管によって燃料タンク10に接続しても良い。なお、図6に示す電磁弁101は、基本的な構造は前述した実施形態のものとほぼ同様であり、同一部分には同一符号を付してある。また、図6中50は、燃料電池である。
また、この発明に係る高圧燃料用電磁弁の用途は燃料電池に限るものではなく、高圧ガスを用いるものであれば、他の種々の装置やシステムにも同様に適用することができる。
1…高圧燃料用電磁弁
10…貯蔵タンク
13…第1通路
14…第2通路
17…バルブ収容部
19…メインバルブ
23…Oリング(シール部材)
24…パイロット通路
26…パイロットバルブ
31…電磁コイル
35…スプリング(付勢手段)
39…導通室
40…中間室
41…オリフィス通路
10…貯蔵タンク
13…第1通路
14…第2通路
17…バルブ収容部
19…メインバルブ
23…Oリング(シール部材)
24…パイロット通路
26…パイロットバルブ
31…電磁コイル
35…スプリング(付勢手段)
39…導通室
40…中間室
41…オリフィス通路
Claims (4)
- 燃料ガスの貯蔵タンクと連通する第1通路と、
燃料ガスを消費する機器と連通する第2通路と、
前記第1通路と第2通路の間に設けられ、前記第2通路の端部を開閉するメインバルブと、
このメインバルブの前後の空間部を導通させるパイロット通路と、
このパイロット通路を開閉するパイロットバルブと、
このパイロットバルブと前記メインバルブに閉弁方向の付勢力を付与する付勢手段と、
前記パイロットバルブとメインバルブに前記付勢手段に抗した開弁方向の操作力を付与する電磁コイルと、を備え、
前記貯蔵タンクからの燃料ガスの供給時には、前記メインバルブの開弁に先立って前記パイロットバルブを開弁することによって前記メインバルブの開弁作動を助勢し、
前記貯蔵タンクへの燃料ガスの充填時には、前記第2通路から導入される燃料ガスの圧力によって前記メインバルブを前記付勢手段の力に抗して開弁する高圧燃料用電磁弁において、
前記メインバルブを進退自在に収容するバルブ収容部を設け、
このバルブ収容部の内壁と前記メインバルブの間に、前記メインバルブの進退作動を許容しつつ燃料ガスの流通を遮断するシール部材を設け、
前記バルブ収容部の内部を、前記メインバルブによって前記第1通路に導通する導通室と、その導通室と逆側の中間室とに隔成し、
前記メインバルブに、前記中間室と前記第2通路を連通させるように前記パイロット通路を設けるとともに、前記中間室と前記導通室を連通させるオリフィス通路を設け、
前記オリフィス通路の開口面積を前記パイロット通路の開口面積よりも小さく設定し、
前記メインバルブに対し、前記導通室の圧力を開弁方向の押圧力として作用させ、前記中間室の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させることを特徴とする高圧燃料用電磁弁。 - 前記シール部材をリング状のゴム弾性部材によって構成したことを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料用電磁弁。
- 前記パイロット通路を、前記付勢手段、前記パイロットバルブ、前記パイロットバルブの着座部と同軸に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の高圧燃料用電磁弁。
- 前記オリフィス通路を、前記パイロット通路の軸心部からずれた位置に配置したことを特徴とする請求項3に記載の高圧燃料用電磁弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008295817A JP2010121706A (ja) | 2008-11-19 | 2008-11-19 | 高圧燃料用電磁弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008295817A JP2010121706A (ja) | 2008-11-19 | 2008-11-19 | 高圧燃料用電磁弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010121706A true JP2010121706A (ja) | 2010-06-03 |
Family
ID=42323218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008295817A Pending JP2010121706A (ja) | 2008-11-19 | 2008-11-19 | 高圧燃料用電磁弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010121706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013105411A1 (ja) * | 2012-01-12 | 2013-07-18 | イーグル工業株式会社 | ソレノイドバルブ |
-
2008
- 2008-11-19 JP JP2008295817A patent/JP2010121706A/ja active Pending
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WO2013105411A1 (ja) * | 2012-01-12 | 2013-07-18 | イーグル工業株式会社 | ソレノイドバルブ |
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