JP2010121617A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の吸気バルブ間の開弁特性の相違を原因として燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合にエミッションの悪化を抑制できる燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】同一気筒2に対して設けられた吸気ポート6A、6Bと、吸気バルブ7A、7B間の開弁特性を相違させて各吸気バルブ7A、7Bを駆動できる吸気側動弁機構15とを備えた内燃機関1に適用されるとともに、吸気ポート6A、6B毎に設けられた燃料噴射弁11A、11Bを備え、吸気ポート6A、6B間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合に吹き戻し量が多い側の吸気ポート6Aに対する燃料噴射量が吹き戻し量が少ない側の吸気ポート6Bに比べて多くなるように燃料噴射弁11A、11Bを制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、同一気筒に対して複数の吸気ポートが設けられた内燃機関に適用される燃料噴射装置に関する。
吸気ポート毎に燃料噴射弁を設けるとともに、吸気バルブのリフト量が所定値よりも小さくなった場合にその吸気バルブが設けられた側の燃料噴射弁による燃料噴射を停止させる燃料噴射装置が知られている(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献2〜5が存在する。
特開2007−292058号公報 特開平10−26026号公報 特開2006−226163号公報 特開2004−353463号公報 特開2007−291978号公報
特許文献1の燃料噴射装置は、所定値よりも吸気バルブのリフト量が小さくなった場合にその吸気ポートへの燃料噴射を停止させてポート内に留まる液滴燃料を低減するものである。吸気バルブのリフト量が小さい側の吸気ポートは、リフト量が大きい側の吸気ポートに比べて燃焼ガスの吹き戻し量が少なくなるため吸気バルブ近辺の温度が上昇し難くなる。そのため、特許文献1の燃料噴射装置において、吸気ポート間にリフト量差があるが燃料噴射が停止されない運転領域では、リフト量が小さい側の吸気ポートにおける燃料の気化が不十分となりエミッションが悪化する可能性がある。また、吸気ポート間に排気バルブとのオーバーラップ期間に差が存在する場合も同様に、オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートでの燃料の気化が不十分になる。
そこで、本発明は、複数の吸気バルブ間の開弁特性の相違を原因として燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合にエミッションの悪化を抑制できる燃料噴射装置を提供することを目的とする。また、本発明は、同一気筒に設けられた2つの吸気ポートのうち、オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートにおいて燃料が気化するのに必要な時間を確保することによってエミッションの悪化を抑制できる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の燃料噴射装置は、同一気筒に対して設けられた複数の吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブ間の開弁特性を相違させて各吸気バルブを駆動できる動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、前記吸気バルブ間の開弁特性の相違を原因として前記吸気ポート間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合に前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射量が前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに比べて多くなるように、前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えるものである(請求項1)。
この燃料噴射装置によれば、吸気ポート間に燃料ガスの吹き戻し量に差が生じている場合には吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射量が吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに比べて多くなる。そのため、吸気バルブ近辺で温度上昇し易い吸気ポート、即ち吹き戻し量が多い側の吸気ポートを積極的に活用することによって燃料の気化を促進できる。これにより、燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合でもエミッションの悪化を抑制することができる。なお、第1の燃料噴射装置において、吹き戻し量が少ないとは、比較対象となる吸気ポートに比べて吹き戻し量が少ないという意味であり、吹き戻し量が0の場合も含まれる。
第1の燃料噴射装置の一態様において、前記燃料噴射制御手段は、前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射が許容され、かつ前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに対する燃料噴射が中止されるように、前記燃料噴射弁を制御してもよい(請求項2)。この場合には、燃料噴射量の全量が吹き戻し量が多い側に配分されるため、燃料気化の促進効果を最大化できる。この態様においては、前記燃料噴射制御手段は、前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射が当該吸気ポートに設けられた吸気バルブの開弁前に完了するように、前記燃料噴射弁を制御してもよい(請求項3)。この場合には、吸気ポート内に噴射された全燃料を、その吸気ポートに吹き戻された燃焼ガスに曝すことができるため燃料気化の促進効果が更に向上する。
第1の燃料噴射装置の一態様において、前記動弁機構は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブの閉弁時期が圧縮行程中に設定されるように前記各吸気バルブを駆動してもよい(請求項4)。この場合には、吸気バルブの遅閉じが実現されて吸気バルブの開弁期間が圧縮行程に及ぶため、いわゆるアトキンソンサイクルによる運転が可能になる。その一方で、吹き戻し量が多い側の吸気ポートの活用によって燃料の気化を促進できる。これにより、吸気バルブの遅閉じによる気化悪化を回避しつつアトキンソンサイクルの利点であるポンプ損失の低減を図ることができる。この態様において、前記動弁機構は、前記吸気バルブ間で最大リフト量及び作用角が共に同じで位相差が存在し、かつ前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに設けられた吸気バルブのみに排気バルブとのオーバーラップ期間が設定されるように前記各吸気バルブを駆動してもよい(請求項5)。この場合は、各吸気バルブの作用角を適正に維持しつつ確実にオーバーラップ期間を確保できる。
動弁機構にて与えられる吸気バルブ間の開弁特性の相違としては、吸気バルブ間で最大リフト量が相違する場合、吸気バルブ間で最大リフト量が同じであるが作用角が相違する場合のいずれの場合も含まれる。これらの場合においては、排気弁とのオーバーラップ期間が吸気バルブ間で同じでも異なっていてもよい。また、吸気バルブ間で最大リフト量及び作用角が共に同じで位相差が存在する場合も、オーバーラップ期間が吸気バルブ間で相違して吸気ポート間で吹き戻し量に差が生じるため、本発明に係る開弁特性の相違に含まれる。
第1の燃料噴射装置の一態様において、前記内燃機関は、前記複数の吸気ポートとして2つの吸気ポートを備えるとともに、前記2つの吸気ポートを互いに結ぶ連通路と、前記連通路を開閉する連通バルブと、前記動弁機構による前記各吸気バルブの駆動状態に応じて前記連通バルブを制御する連通バルブ制御手段とを更に備えてもよい(請求項6)。この態様によれば、連通バルブの開閉と各吸気バルブの駆動状態とを組み合わせることにより、運転状態に応じて気筒内の気流強化と吸入空気量の確保とを適正にバランスさせることができる。この態様において、前記動弁機構は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブを閉弁状態で維持できるように構成されており、前記連通バルブ制御手段は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブが閉弁状態に維持されている間、前記連通路が閉鎖されるように前記連通バルブを制御してもよい(請求項7)。この場合には、一方の吸気バルブが閉弁状態に維持されているときに連通路が閉鎖されるので、他方の吸気バルブが設けられた吸気ポートから効率良く気筒内に空気を取り込んで気流を強化することができる。また、吹き戻し量が多い側の吸気ポートに噴射された燃料が連通路を通じて吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに回り込むことが防止できるので、その吸気ポートにおいて燃料が付着してデポジットが生成されることを抑制できる。
本発明の第2の燃料噴射装置は、同一気筒に対して設けられた複数の吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブ間に排気バルブとのオーバーラップ期間の差を設けた状態で各吸気バルブを駆動できる動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、前記オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートに対する燃料噴射量が前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに比べて多くなるように、前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えるものである(請求項8)。
この燃料噴射装置によれば、オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートは短い側の吸気ポートに比べて燃焼ガスの吹き戻し量が多いため、オーバーラップ期間が長い側の吸気バルブ近辺の温度が上昇し易い状態になる。こうした温度上昇がし易い吸気ポートに対して燃料噴射量が多く配分されるため燃料の気化を促進できる。これにより、オーバーラップ期間が相違する結果として燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合でもエミッションの悪化を抑制することができる。なお、第2の燃料噴射装置において、オーバーラップ期間が短いとは比較対象となる吸気ポートのオーバーラップ期間に比べて短いという意味であり、オーバーラップ期間が0の場合も含まれる。
第2の燃料噴射装置の一態様において、前記動弁機構は、前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに設けられた吸気バルブの閉弁時期が圧縮行程中に設定されるように前記各吸気バルブを駆動してもよい(請求項9)。この場合には、吸気バルブの遅閉じが実現されて吸気バルブの開弁期間が圧縮行程に及ぶため、いわゆるアトキンソンサイクルによる運転が可能になる。その一方で、オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートの活用によって燃料の気化を促進できる。これにより、吸気バルブの遅閉じに伴う気化悪化を回避しつつポンプ損失の低減を図ることができる。
この態様において、前記動弁機構は、前記吸気バルブ間で最大リフト量及び作用角が共に同じで位相差が存在する状態で前記各吸気バルブを駆動してもよい(請求項10)。この場合は、各吸気バルブの作用角を適正に維持しつつ確実にオーバーラップ期間を確保できる。また、前記燃料噴射制御手段は、前記オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートに対する燃料噴射が許容され、かつ前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに対する燃料噴射が中止されるように、前記燃料噴射弁を制御してもよい(請求項11)。この場合には、燃料噴射量の全量が吹き戻し量が多い側に配分されるため、燃料気化の促進効果を最大化できる。
本発明の第3の燃料噴射装置は、同一気筒に対して設けられた2つ吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブの一方の吸気バルブが排気バルブとのオーバーラップ期間が形成される時期に開弁され、かつ他方の吸気バルブが圧縮行程中に閉弁されるように各吸気バルブを駆動できる吸気側動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、今回のサイクルの燃焼に必要な燃料が前記気筒内に供給されるように、前記オーバーラップ期間が形成される側の吸気ポートに設けられた燃料噴射弁に対して、前回のサイクルの吸気バルブ閉じ後からでかつ前記オーバーラップ期間の開始前から燃料を噴射させるとともに、圧縮行程中に閉弁される側の吸気ポートに設けられた燃料噴射弁に対して、前回のサイクルの圧縮行程で吸気が吹き返されている時に燃料を噴射させる、燃料噴射制御手段と、を備えるものである(請求項12)。
第3の燃料噴射装置によれば、今回のサイクルの燃焼で必要な燃料が、前回のサイクルの吸気バルブ閉じ後からでかつ前記オーバーラップ期間の開始前から噴射された燃料と、前回のサイクルの圧縮行程で吸気が吹き返されている時に噴射された燃料とによって賄われる。オーバーラップ期間の開始前から噴射された燃料は燃焼ガスの吹き戻しにより温度が上昇する吸気ポートによって気化が促進される。また、前回のサイクルの圧縮工程で噴射された燃料は、吸気の吹き返しにより吸気ポートに戻されて、その燃料が次のサイクルである今回のサイクルで吸気バルブが開弁するまで吸気ポート内に留まるため、その燃料が気化する時間を確保できる。従って、今回のサイクルの燃焼で必要な燃料が気化した状態で2つの吸気ポートから供給される。これにより、良好な燃焼を得ることができるので、エミッションの悪化を抑制できる。なお、オーバーラップ期間の開始前から燃料が噴射された場合、その噴射の終了がオーバーラップ期間前に到来する場合と、その噴射の終了がオーバーラップ期間中に到来する場合との2つの場合があり得るが、いずれの場合でも噴射された燃料の気化を促進することができる。
第3の燃料噴射装置の一態様において、前記吸気側動弁機構は、圧縮行程中に閉弁される前記他方の吸気バルブが前記排気バルブとのオーバーラップ期間が形成されない時期に開弁されるように各吸気バルブを駆動してもよい(請求項13)。この態様によれば、今回のサイクルにおける吸気行程で2つの吸気バルブの開弁時期がずれることによって、気筒内に偏流を発生させることができるので、気筒内の気流が強化される。そのため、気筒内の燃料混合気の攪拌が活発化して燃料混合気の均質度が高まる。これにより、更に良好な燃焼が得られるので、エミッションの悪化を更に抑制することができる。
第3の燃料噴射装置の一態様において、前記気筒に対して2つの排気ポートが設けられ、かつ前記排気バルブが前記排気ポート毎に設けられており、前記排気ポート毎に設けられた排気バルブ間の開弁特性として、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが一方が他方に対して遅れ又は進む開弁特性が与えられるように各排気バルブを駆動できる排気側動弁機構を更に備え、前記排気側動弁機構は、前記内燃機関の暖機完了前の期間において、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが進む側の排気バルブが、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の排気バルブに比べて作用角及びリフト量の少なくとも一つが小さくなるように、各排気バルブを駆動してもよい(請求項14)。この態様によれば、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが進む側の排気バルブの作用角及びリフト量の少なくとも一つが小さくなることによって、排気抵抗が増大するので、残留ガス量(内部EGR量)が増加する。そのため、暖機完了前の期間において気筒内の温度を上昇させることができるので内燃機関の暖機を促進できる。
この態様においては、前記2つの吸気ポートの各開口部の並び方向と同方向に、前記2つの排気ポートの各開口部が前記気筒の中心を挟んで反対側に並んでおり、前記排気側動弁機構は、前記オーバーラップ期間が形成される側の吸気ポートの対角上に位置する排気ポートに設けられた前記排気バルブが、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の前記排気バルブに相当するように、各排気バルブを駆動してもよい(請求項15)。この場合は、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の排気ポートからの吹き返しを対角上のオーバーラップ期間が形成される側の吸気ポートに集中させることができる。また、互いに対角上に位置する吸気ポート及び排気ポートがそれぞれ開通した状態で吸気行程が開始する。そのため、吸気行程の開始時に気筒内を横方向に旋回するスワール流の発生を誘起させる気流分布が気筒内に形成されてから本格的な吸気が続くので、気筒内の気流を更に強化することができる。
以上説明したように、本発明によれば、吸気バルブ近辺で温度上昇し易い吸気ポート、即ち吹き戻し量が多い側又はオーバーラップ期間が長い側の吸気ポートを積極的に活用することによって燃料の気化を促進できる。これにより、燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合でもエミッションの悪化を抑制することができる。また、本発明によれば、今回のサイクルの燃焼で必要な燃料が、今回のサイクルにおけるオーバーラップ期間中に噴射された燃料と、前回のサイクルの圧縮行程で吸気が吹き返されている時に噴射された燃料とによって賄われるので良好な燃焼を得ることができ、エミッションの悪化を抑制できる。
本発明の一形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を示した図。 図1の内燃機関を上方から模式的に示した平面図。 同一気筒に設けられた複数の吸気バルブのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図であって、第1駆動モードを示した図。 同一気筒に設けられた複数の吸気バルブのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図であって、第2駆動モードを示した図。 同一気筒に設けられた複数の吸気バルブのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図であって、第3駆動モードを示した図。 同一気筒に設けられた複数の吸気バルブのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図であって、第4駆動モードを示した図。 同一気筒に設けられた複数の吸気バルブのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図であって、第5駆動モードを示した図。 軽負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 中負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 高負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 第1の形態に係る制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 第1の形態に係る駆動モード設定マップの一例を示した図。 第2の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図。 第2の形態に係る軽中負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 第2の形態に係る高負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 第3の形態に係る駆動モード設定マップの一例を示した図。 第4の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図。 第2駆動モードが選択された場合における各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 圧縮行程中における気筒内の気流の状態を説明する説明図。 第5の形態に係る軽中負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 第6の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図。 第6の形態に係る軽中負荷領域での各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、各燃料噴射弁の燃料噴射期間とを示した説明図。 第6の形態の作用を説明する説明図。 第6の形態に係る制御ルーチンの一例を示したフローチャート。 第1の参考例に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図。 第1の参考例に係る各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、燃料噴射弁102の燃料噴射期間とを示した説明図。 第2の参考例に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図。 第2の参考例に係る各吸気バルブ及び各排気バルブのリフトカーブと、燃料噴射弁106の燃料噴射期間とを示した説明図。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を示しており、図2は図1の内燃機関を上方から模式的に示した平面図である。内燃機関1は一方向に並ぶ4つ(図では1つのみを示した。)の気筒2を有した直列4気筒型の多気筒内燃機関として構成されている。各気筒2にはピストン3が往復動自在に挿入されており、ピストン3の往復運動はコネクティングロッド4を介して不図示のクランクシャフトに伝達される。
各気筒2には吸気通路5が接続されている。吸気通路5は同一の気筒2に対して2つずつ設けられた吸気ポート6A、6Bを有しており、これらの吸気ポート6A、6Bは不図示の吸気マニホルドに接続されている。各吸気ポート6A、6Bを開閉するため、吸気ポート6Aには吸気バルブ7Aが、吸気ポート6Bには吸気バルブ7Bがそれぞれ設けられている。また、各気筒2には排気通路8が接続されていて、排気通路8は同一の気筒2に対して2つずつ設けられた排気ポート9A、9Bを有している。排気ポート9Aには排気バルブ10Aが、排気ポート9Bには排気バルブ10Bがそれぞれ設けられていて、これらの排気バルブ10A、10Bにて各排気ポート9A、9Bは開閉される。
図2に示したように、吸気ポート6Aには燃料噴射弁11Aが、吸気ポート6Bには燃料噴射弁11Bがそれぞれ設けられている。各燃料噴射弁11A、11Bはその先端を吸気ポート内に臨ませた状態で燃料の噴射方向が吸気ポートの下流側となるようにして設けられている。各燃料噴射弁11A、11Bは互いに同一の構造を持っており、構成上の相違はない。
各吸気バルブ7A、7Bは動弁機構としての吸気側動弁機構15にて開閉駆動される。図1に示すように、吸気側動弁機構15は、各吸気バルブ7A、7Bの開弁期間を進角側及び遅角側に変更可能な位相変更部16と、最大リフト量を作用角とともに変更可能なリフト量変更部17とを備えている。位相変更部16はいわゆる可変バルブタイミング機構(VVT機構)と呼ばれる周知の機構であり、クランクシャフトに対するカムシャフト18の回転位置を油圧を利用してシフトすることにより位相変更を実現する。リフト量変更部17はいわゆるバルブマチック機構と呼ばれる周知の機構である。構造の詳細は省略するが、リフト量変更部17は、カムシャフト18に形成されたカム19とローラーロッカーアーム20との間に介在しており、リフト量変更部17は制御シャフト21を軸方向に移動させることによりカム19との接触範囲を変更させ、これによりローラーロッカーアーム20の押し下げ量を変化できるように構成されている。なお、各排気バルブ10A、10Bは排気側動弁機構25にて所定タイミングで開閉駆動される。
吸気側動弁機構15は位相変更部16及びリフト量変更部17が協調制御されることにより同一気筒2に設けられた吸気バルブ7A、7Bの開弁期間の位相、作用角及びリフト量等の開弁特性を別々に設定することにより複数の駆動モードを選択的に実現することが可能である。図3A〜図3Eは、同一気筒に設けられた吸気バルブ7A、7Bのリフトカーブを例示した駆動モードの説明図である。図3Aに示すように、吸気側動弁機構15は2つの吸気バルブ7A、7Bのうち、一方の吸気バルブ7Bのみが閉弁状態に維持されるような開弁特性を各吸気バルブ7A、7Bに与える第1駆動モードを実現できる。また、図3Bに示すように、吸気側動弁機構15は2つの吸気バルブ7A、7Bの最大リフト量が得られる時期が等しく、かつ一方の吸気バルブ7Bのリフト量が作用角とともに小さくなるような開弁特性を各吸気バルブ7A、7Bに与える第2駆動モードを実現できる。更に、図3Cに示すように、吸気側動弁機構15は2つの吸気バルブ7A、7B間に位相差が与えられた状態で一方の吸気バルブ7Bのリフト量が作用角とともに小さくなるような開弁特性を各吸気バルブ7A、7Bに与える第3駆動モードを実現できる。また、図3Dに示すように、吸気側動弁機構15は2つの吸気バルブ7A、7Bのリフト量及び作用角が等しいままで開弁期間の位相のみが相違するような開弁特性、つまり各吸気バルブ7A、7Bの位相のみをシフトする開弁特性を各吸気バルブ7A、7Bに与える第4駆動モードを実現することも可能である。更に、図3Eに示すように、吸気側動弁機構15は、一般的な内燃機関と同様に2つの吸気バルブ7A、7Bの開弁特性を一致させる第5駆動モードを実現することもできる。
図2に示すように、吸気側動弁機構15は内燃機関1の運転状態に応じた駆動モードが実施されるようにエンジンコントロールユニット(ECU)30にて制御されている。ECU30はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成されており、各種センサからの出力信号を参照して燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等の運転パラメータを演算し、その演算結果に基づいて燃料噴射弁11A、11B等の制御対象の動作を制御するものである。本発明に関連するセンサとしては、内燃機関1の機関回転数(回転速度)に応じた信号を出力するクランク角センサ31と、内燃機関1の負荷に相関する吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータ32とが設けられている。
ECU30は、内燃機関1の運転状態を軽負荷領域、中負荷領域及び高負荷領域の3つの領域に分けるとともに、各領域に適した駆動モードが実現されるように吸気側動弁機構15を制御している。そして、ECU30は、各吸気バルブ7A、7Bの駆動モードに合わせた燃料噴射が実現されるように各燃料噴射弁11A、11Bを制御している。
図4は軽負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。軽負荷領域では図3Aに示した第1駆動モードが選択される。即ち軽負荷領域では一方の吸気バルブ7Aがバルブオーバーラップ期間OLを確保しつつ他方の吸気バルブ7Bが閉弁状態で維持されるように吸気側動弁機構15が制御される。これにより、吸気ポート7Aのみから気筒2内に混合気が吸入されるため、気筒2内に偏流が発生して主流が強化される。そのため、圧縮行程後半の乱れが強化されるため燃料改善効果を得ることができる。
図4の場合には、一方の吸気バルブ7Aにバルブオーバーラップ期間OLが存在し、他方の吸気バルブ7Bにバルブオーバーラップ期間OLが存在しないため、2つの吸気ポート6A、6B間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる。即ち、図2に示すように、オーバーラップ期間においては、2つの排気ポート9A、9Bから逆流した燃焼ガスは矢印Xのように一方の吸気ポート6Aに集められる。そのため、一方の吸気ポート6Aは、他方の吸気ポート6Bに比べて吸気バルブ近辺の温度が上昇し易くなる。そこで、吸気ポート6Aの温度を活用して燃料の気化を促進させるため、ECU30は吸気ポート6Aに設けられた燃料噴射弁11Aのみで燃料噴射を行わせ、他方の燃料噴射弁11Bでの燃料噴射を中止させている。このように、一方の吸気ポート6Aでの燃料の気化が促進される結果として、不完全燃焼による未燃HCや粒子状物質(PM)の発生を抑制することができる。また、吸気バルブ7Bが閉弁状態に維持されているときには燃料噴射弁11Bでの燃料噴射が中止されるため、吸気ポート6B内での燃料の付着が防止されてデポジットの生成が抑制される。また、図4に示すように、燃料噴射弁11Aによる燃料噴射期間TAは吸気バルブ7Aの開弁前に終了するように設定されている。つまり、ECU30は、吸気ポート6Aに対する燃料噴射が吸気バルブ7Aの開弁前に完了するように燃料噴射弁11Aを制御している。そのため、吸気ポート6A内に噴射された全燃料を、その吸気ポート6Aに吹き戻された燃焼ガスに曝すことができるため燃料気化の促進効果が更に向上する。
図5は中負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。中負荷領域では図3Bに示した第2駆動モードが選択される。即ち中負荷領域では一方の吸気バルブ7Aがバルブオーバーラップ期間OLを確保しつつ他方の吸気バルブ7Bがリフト量及び作用角のそれぞれが一方の吸気バルブ7Aよりも小さくなるように吸気側動弁機構15が制御される。図示の例では最大リフト量が得られるタイミングは2つの吸気バルブ7A、7B間で同一である。つまり位相差が存在しない。図5の場合は、図4の場合とは異なり他方の吸気バルブ7Bが閉じられたままではないため、気筒2内の主流の強化を図りつつ図4の場合よりも多くの吸入空気量を確保することが可能である。これにより負荷に見合った出力性能を確保しつつ排気エミッションの悪化を防止できる。
また、図4の場合と同様に2つの吸気バルブ7A、7B間でバルブオーバーラップ期間OLに差が生じるため、図2に示したように燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる。図5の場合にも、ECU30は吸気ポート6Aに設けられた燃料噴射弁11Aのみで燃料噴射を行わせる一方で、他方の燃料噴射弁11Bでの燃料噴射を中止させている。これにより、燃料の気化を促進させつつデポジットの生成を抑制できる。また、図4の場合と同様に燃料噴射弁11Aによる燃料噴射期間TAは吸気バルブ7Aの開弁前に完了するように設定されている。但し、図5の場合において、演算された燃料噴射量の全量を一方の燃料噴射弁11Aのみで噴射できない場合は、噴射可能な最大量を一方の燃料噴射弁11Aで噴射し、残りを他方の燃料噴射弁11Bにより燃料噴射期間TB内に噴射するように制御される。これにより、適正量の燃料を噴射できるため出力低下を防止できる。
図6は高負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。高負荷領域では図3Eに示した第5駆動モードが選択される。即ち高負荷領域では各吸気バルブ7A、7Bの開弁特性が一致するように吸気側動弁機構15が制御される。図示の例では、2つの吸気バルブ7A、7Bのそれぞれでバルブオーバーラップ期間OLが確保される。また、各燃料噴射弁11A、11Bは、各吸気バルブ7A、7Bの開弁期間と燃料噴射期間TA、TBとが同期するように、つまり各吸気バルブ7A、7Bが開弁しているときに燃料が噴射されるようにECU30にて制御される。このため、燃料の気化潜熱により吸入空気が冷却されるから充填効率を高めることができるため高負荷時の出力向上を図ることができる。
以上の制御は、ECU30が図7に示す制御ルーチンを実行することにより実現される。図7は第1の形態に係る制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンのプログラムはECU30のROMに予め保持されており、適時に読み出されて所定のクランク角毎に繰り返し実行される。
ステップS1では、ECU30は各種の運転パラメータを取得する。ここでは、クランク角センサ31の出力信号に基づいて機関回転数を取得するとともに、エアフローメータ32の出力信号に基づいて負荷を取得する。
ステップS2では、ステップS1で取得した機関回転数及び負荷に基づいて燃料噴射量を算出する。燃料噴射量は、これらのパラメータを変数としたマップ(不図示)を検索することにより基本噴射量を算出し、その基本噴射量を不図示のO2センサ等の出力に基づいてフィードバック補正することにより算出される。
ステップS3では、吸気バルブ7A、7Bの駆動モードを設定する。この設定は、ECU30が図8に示した駆動モード設定マップを検索し、そのマップで特定された軽負荷領域、中負荷領域及び高負荷領域のそれぞれに対応付けられた駆動モードを選択することにより行われる。これらの領域と駆動モードとの対応関係は上述した通りである。即ち、ECU30は、軽負荷領域R1の場合は図3A及び図4に示した第1駆動モードを、中負荷領域R2の場合は図3B及び図5に示した第2駆動モードを、高負荷領域R3の場合は図3E及び図6に示した第5駆動モードをそれぞれ設定する。また、駆動モードの設定の際には、最大リフト量、作用角、開弁時期等の具体的な数値も併せて演算される。なお、図5に示す第2駆動モードが選択された場合、演算された数値によっては、破線の曲線で示すように吸気バルブ7Bにオーバーラップ期間が存在し、かつそのオーバーラップ期間が吸気バルブ7Aのオーバーラップ期間よりも短い場合もある。
ステップS4では、ステップS3で設定された駆動モードに応じて2つの燃料噴射弁11A、11Bに対する燃料噴射量の配分を決定する。軽負荷領域の場合は、図4の第1駆動モードが設定され、かつ燃料噴射弁11Bによる燃料噴射が中止されるため、燃料噴射量はその全量が燃料噴射弁11Aに配分される。また、中負荷領域の場合も同様に、燃料噴射量の全量が燃料噴射弁11Aに配分される。即ち、吸気バルブ7A、7B間における開弁特性の相違によって吸気ポート6A、6B間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合には、吹き戻し量が多い側の吸気ポート6Aに対する燃料噴射量が吹き戻し量が少ない側の吸気ポート6Bに比べて多く配分される。換言すれば、オーバーラップ期間が長い側の吸気ポート6Aに対する燃料噴射量はオーバーラップ期間の短い側の吸気ポート6Bに比べて多く配分される。もっとも、上述したように燃料噴射量の全量を一方の燃料噴射弁11Aで噴射できない場合には、噴射可能な最大量が燃料噴射弁11Aに配分される一方、その残りは他方の燃料噴射弁11Bに配分される。また、高負荷領域の場合は、図6の第5駆動モードが設定されるため、燃料噴射量は燃料噴射弁11A、11Bに対して均等に配分される。
ステップS5では、ステップS4で設定された配分に従って燃料噴射が行われるように各燃料噴射弁11A、11Bが制御される。これにより、図4〜図6に示した形態の燃料噴射が駆動モードに応じて実現される。続くステップS6では、ステップS3で設定された駆動モードが実現されるように吸気側動弁機構15が制御される。その後、今回のルーチンを終了する。ECU30は、図7のステップS4及びステップS5を実行することにより、本発明に係る燃料噴射制御手段として機能する。
第1の形態によれば、燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合でも、吹き戻し量が多い側の吸気ポート6Aを積極的に活用することによって燃料の気化を促進できる。これにより、エミッションの悪化を抑制することができる。
(第2の形態)
次に本発明の第2の形態を図9を参照して説明する。本形態の基本構成は第1の形態と共通するため、第1の形態と同一の構成は図9に同一の符号を付してその説明を省略する。図9は、本発明の第2の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。図9に示すように、本形態には吸気ポート6Aと吸気ポート6Bとを互いに結ぶ連通路40と、その連通路40を開閉する連通バルブ41とが設けられている。連通バルブ41の開閉動作は吸気側動弁機構15と協調するようにしてECU30にて制御される。
具体的には、各吸気バルブ7A、7Bが図4の第1駆動モードにて駆動される場合において、気筒2内の気流の強化を最大化したいときには連通路40が閉鎖されるように連通バルブ41が制御される。これにより、吸気バルブ7Bが閉弁状態に維持されているときに連通路40が閉鎖されるので、吸気ポート6Aから効率良く気筒2内に空気を取り込んで気流を強化できる。また、各吸気バルブ7A、7Bが図4の第1駆動モードにて駆動されている場合において気流の強化を上記よりも緩和したいときには連通路40が開通するように連通バルブ41を制御する。これにより、連通路40が閉鎖されている場合に比べて気流の強化を弱めることができる。つまり、第1の形態の制御に連通バルブ41の開閉制御を組み合わせることによりきめ細かな気流の強化を行うことができる。
更に、各吸気バルブ7A、7Bが図5の第2駆動モードにて駆動される条件で、連通バルブ41が開状態と閉状態との間で切り替えられる。連通バルブ41が開かれている場合、各吸気バルブ7A、7Bのリフト量差が同じであっても一方吸気ポート6Aに導かれた空気が連通路40を通じて他方の吸気ポート6Bに回り込むため、気筒2内の気流を強化しつつ吸入空気量を増加させることができる。
このように、第2の形態では、連通バルブ41の開閉と各吸気バルブ7A、7Bの駆動状態とが適宜組み合わされるため、内燃機関1の運転状態に応じて気筒内の気流強化と吸入空気量の確保とを適正にバランスさせることができる。ECU30が各吸気バルブ7A、7Bの駆動状態に応じて連通バルブ41の開閉制御を行うことにより、ECU30は本発明に係る連通バルブ制御手段として機能する。
(第3の形態)
次に、本発明の第3の形態を図10〜図12を参照して説明する。第3の形態は制御内容を除いて第1の形態と共通する。従って、第1の形態と共通する内燃機関等の物理的構成に関しては図1及び図2が適宜参照される。
ECU30は、内燃機関1の運転状態を軽中負荷領域及び高負荷領域の2つの領域に分けるとともに、各領域に適した各吸気バルブ7A、7Bの駆動モードが実現されるように吸気側動弁機構15を制御している。
図10は軽中負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。軽中負荷領域では図3Dに示した第4駆動モードが選択される。即ち軽中負荷領域では2つの吸気バルブ7A、7Bのリフト量及び作用角が等しいままで吸気バルブ7Bの位相が吸気バルブ7Aに対して遅れるように吸気側動弁機構15が制御される。詳しくは、吸気バルブ7Bの閉弁時期Tcが圧縮TDC前約90度(約90BTDC)となるように2つの吸気バルブ7A、7B間に位相差Δが設定される。
この場合には、吸気バルブ7Bの遅閉じにより吸気バルブ7Bの開弁期間が圧縮行程に及ぶためアトキンソンサイクルによる運転が行われる。また、一方の吸気バルブ7Aにバルブオーバーラップ期間OLが存在し、他方の吸気バルブ7Bにバルブオーバーラップ期間OLが存在しないため、第1の形態と同様に2つの吸気ポート6A、6B間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じ、吹き戻し量が多い吸気ポート6Aは、吹き戻し量が少ない吸気ポート6Bに比べて吸気バルブ近辺の温度が上昇し易くなる。
そこで、第1の形態と同様に、吸気ポート6Aの温度を活用して燃料の気化を促進させるため、ECU30は吸気ポート6Aに設けられた燃料噴射弁11Aのみで燃料噴射を行わせ、他方の燃料噴射弁11Bでの燃料噴射を中止させている。即ち、吸気バルブ7A、7B間における開弁特性の相違を原因として吸気ポート6A、6B間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合には、吹き戻し量が多い側の吸気ポート6Aに対する燃料噴射量が吹き戻し量が少ない側の吸気ポート6Bに比べて多く配分される。換言すれば、オーバーラップ期間が長い側の吸気ポート6Aに対する燃料噴射量はオーバーラップ期間の短い側の吸気ポート6Bに比べて多く配分される。これにより、吸気ポート6Aでの燃料の気化が促進される。
また、ECU30は、吸気ポート6Aに対する燃料噴射が吸気バルブ7Aの開弁前に完了するように燃料噴射弁11Aを制御している。このため、吸気ポート6A内に噴射された全燃料を、その吸気ポート6Aに吹き戻された燃焼ガスに曝すことができるため燃料気化の促進効果が更に向上する。なお、演算された燃料噴射量の全量を一方の燃料噴射弁11Aのみで噴射できない場合は、噴射可能な最大量を一方の燃料噴射弁11Aで噴射し、残りを他方の燃料噴射弁11Bにより燃料噴射期間TB内に噴射するように制御される。これにより、適正量の燃料を噴射できるため出力低下を防止できる。
一般に、2つの吸気バルブ7A、7Bを一緒に遅閉じしてアトキンソンサイクルを実施する場合にはバルブオーバーラップ期間が減少又は不存在となるため燃料の気化悪化を避けることができない。本形態は、一方の吸気バルブ7Bのみを遅閉じし、他方の吸気バルブ7Aでバルブオーバーラップ期間を確保し、かつ吸気ポート6A側に燃料噴射を集中させているため、こうした気化悪化を回避しつつアトキンソンサイクルの利点であるポンプ損失の低減を図ることができる。
図11は高負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。高負荷領域では、第1の形態と同様に図3Eの第5駆動モードが選択される。即ち高負荷領域では各吸気バルブ7A、7Bの開弁特性が一致するように吸気側動弁機構15が制御されて、2つの吸気バルブ7A、7Bのそれぞれでバルブオーバーラップ期間OLが確保される。また、各燃料噴射弁11A、11Bは、各吸気バルブ7A、7Bの開弁期間と燃料噴射期間TA、TBとが同期するようにECU30にて制御される。このため、燃料の気化潜熱により吸入空気が冷却されるから充填効率を高めることができるため、高負荷時の出力向上を図ることができる。
以上の制御を実現するためにECU30が実施する制御ルーチンは第1の形態の制御ルーチン(図7)と同様である。従って、ECU30が図7と同様の制御ルーチンを実行することにより、ECU30は本発明に係る燃料噴射制御手段として機能する。但し、図7のステップS3においては、ECU30は図12に示した駆動モード設定マップを検索し、そのマップで特定された軽中負荷領域及び高負荷領域のそれぞれに対応付けられた駆動モードを選択することにより行われる。これらの領域と駆動モードとの対応関係は上述した通りである。即ち、ECU30は、軽中負荷領域R4の場合は図3D及び図10に示した第4駆動モードを、高負荷領域R3の場合は図3E及び図11に示した第5駆動モードをそれぞれ設定する。また、駆動モードの設定の際には、最大リフト量、作用角、開弁時期等の具体的な数値も併せて演算される。そして、各駆動モードに合わせて燃料噴射量が配分され、これらが実現されるようにECU30にて各燃料噴射弁11A、11B及び吸気側動弁機構15が制御される(ステップS4〜S6)。
(第4の形態)
次に、本発明の第4の形態を図13〜図15を参照して説明する。なお、以下の説明において上記各形態と共通の構成については同一の参照符号を与えて説明を省略することとする。図13は本発明の第4の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。内燃機関50は一方向に並ぶ4つ(図では1つのみを示した。)の気筒2を有した直列4気筒型の多気筒内燃機関として構成されており各気筒2は5つのバルブで開閉される。即ち、吸気通路51は同一気筒2に対して設けられた3つの吸気ポート52A、52B、52Cを有しており、これらの吸気ポートには吸気バルブ53A、53B、53Cが設けられている。一方、排気通路54には同一気筒2に対して設けられた2つの排気ポート55A、55Bを有しており、これらの排気ポートには排気バルブ56A、56Bが設けられている。
また、吸気ポート52Aには燃料噴射弁57Aが、吸気ポート52Bには燃料噴射弁57Bが、吸気ポート52Cには燃料噴射弁57Cがそれぞれ設けられている。各燃料噴射弁57A〜57Cはその先端を吸気ポート内に臨ませた状態で燃料の噴射方向が吸気ポートの下流側となるようにして設けられている。各燃料噴射弁57A〜57Cは互いに同一の構造を持っており構成上の相違はない。
各吸気バルブ53A〜53Cは動弁機構としての吸気側動弁機構60にて開閉駆動される。吸気側動弁機構60は、中央に位置する吸気バルブ53Bと、その両側に位置する吸気バルブ53A、53Cとの間に位相差を設けることができるように構成されている。その位相差の付与は油圧を利用して作動する不図示のVVT機構にて行われる。なお、各排気バルブ56A、56Bは排気側動弁機構25にて所定タイミングで開閉駆動される。
吸気側動弁機構60は、3つの吸気バルブ53A〜53Cの開弁特性を一致させた状態で駆動する第1駆動モードと、各吸気バルブ53A〜53Cのリフト量及び作用角を一定に維持しつつ中央に位置する吸気バルブ53Bと、その両側に位置する吸気バルブ53A、53Cとの間に位相差を与える第2駆動モードとを選択的に実行できる。吸気側動弁機構60は内燃機関50の運転状態に応じた駆動モードが実施されるようにECU30にて制御される。具体的には、軽中負荷時に第2駆動モードが選択され、高負荷時に第1駆動モードが選択される。高負荷時には図6及び図11の場合と同様に、3つの吸気バルブ53A〜53Cの開弁期間に同期するように、3つの燃料噴射弁57A〜57Cによって均等に燃料噴射が行われる。
図14は第2駆動モードが選択された場合における各吸気バルブ53A〜53C及び各排気バルブ56A、56Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁57A〜57Cの燃料噴射期間とを示した説明図である。図示の場合、吸気側動弁機構60は両側の吸気バルブ53A、53Cの開弁期間を中央の吸気バルブ53Bに対して遅らせて、それらの閉弁時期Tcが圧縮TDC前約90度(約90BTDC)となるように各吸気バルブ53A〜53Cを駆動する。この場合には、両側の吸気バルブ53A、53Cの遅閉じによりこれらの開弁期間が圧縮行程に及ぶためアトキンソンサイクルによる運転が行われる。また、中央の吸気バルブ53Bにバルブオーバーラップ期間OLが存在し、両側の吸気バルブ53A、53Cにバルブオーバーラップ期間OLが存在しない。このため、図13に示すように、バルブオーバーラップ期間において各排気ポート55A、55Bを逆流した燃焼ガスは矢印Xのように中央の吸気ポート52Bに集中的に吹き戻される。それにより、中央の吸気ポート52Bとその両側の吸気ポート52A、52Cとの間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じ、吹き戻し量が多い吸気ポート52Bは吹き戻し量が少ない吸気ポート52A、52Cに比べて吸気バルブ近辺の温度が上昇し易くなる。
そこで、中央の吸気ポート52Bの温度を活用して燃料の気化を促進させるため、ECU30は中央の吸気ポート52Bに設けられた燃料噴射弁57Bのみで燃料噴射を行わせ、残りの燃料噴射弁57A、57Cでの燃料噴射を中止させている。即ち、吸気バルブ53A〜53C間における開弁特性の相違によって吸気ポート52A〜52C間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合には、吹き戻し量が多い吸気ポート52Bに対する燃料噴射量が吹き戻し量が少ない吸気ポート52A、52Cに比べて多く配分される。換言すれば、オーバーラップ期間が長い側の吸気ポート52Bに対する燃料噴射量はオーバーラップ期間の短い側の吸気ポート52A、52Cに比べて多く配分される。これにより、吸気ポート52Bでの燃料の気化が促進される。
また、ECU30は、吸気ポート52Bに対する燃料噴射が吸気バルブ53Bの開弁前に完了するように、換言すれば燃料噴射期間TBが吸気バルブ53Bの開弁前に設定されるように燃料噴射弁57Bを制御している。このため、吸気ポート53B内に噴射された全燃料を、その吸気ポート52Bに吹き戻された燃焼ガスに曝すことができるため燃料気化の促進効果が更に向上する。なお、演算された燃料噴射量の全量を中央の燃料噴射弁57Bのみで噴射できない場合は、噴射可能な最大量を中央の燃料噴射弁57Bで噴射し、残りを両側の燃料噴射弁57A、57Cにより燃料噴射期間TA、TB内に噴射するように制御される。これにより、適正量の燃料を噴射できるため出力低下を防止できる。
また、中央の吸気バルブ53Bの閉弁時期が吸気BDC付近に設定されていて、両側の吸気バルブ53A、53Cの閉弁時期に比べて比較的早いため、圧縮行程中のタンブル流の保持に貢献できる。図15は圧縮行程中における気筒内の気流の状態を説明する説明図である。圧縮行程の中期までは両側の吸気バルブ53A、53Cが開弁しているため図示するように気筒2の両側の気流Fa、Fcが両側の吸気ポート52A、52Cから抜けてしまう。しかし、中央の吸気ポート52Bは閉鎖されているため気筒2の中央を旋回するタンブル流Fbが吸気ポート52Bから抜けることが防止される。従って、アトキンソンサイクルの実施に伴うタンブル流の劣化を抑えることができる。
以上の制御を実現するためにECU30が実施する制御ルーチンは第1の形態の制御ルーチン(図7)と同様である。従って、ECU30が図7と同様の制御ルーチンを実行することにより、ECU30は本発明に係る燃料噴射制御手段として機能する。但し、図7のルーチンにおける処理内容の詳細は適宜変更されている。例えば、駆動モードの設定では図12と同様の駆動モード設定マップを検索することにより運転状態に応じた駆動モードを選択し、その駆動モードに応じた燃料噴射量の配分が決定される。そして、選択された駆動モード及び決定された燃料噴射量の配分に従ってECU30により各燃料噴射弁57A〜57B及び吸気側動弁機構60が制御される。
(第5の形態)
次に、本発明の第5の形態を図16を参照しながら説明する。第5の形態は制御内容を除いて第1の形態と共通する。従って、第1の形態と共通する内燃機関等の物理的構成に関しては図1及び図2が適宜参照される。
図16はである。軽中負荷領域では図3Dに示した第4駆動モードが選択される。即ち軽中負荷領域では2つの吸気バルブ7A、7Bのリフト量及び作用角が等しいままで吸気バルブ7Bの位相が吸気バルブ7Aに対して遅れるように吸気側動弁機構15が制御される。詳しくは、吸気バルブ7Bの閉弁時期Tcが圧縮行程中に設定されるように2つの吸気バルブ7A、7B間に位相差Δが設定される。なお、高負荷領域における制御は第3の形態と同様である。
図示の場合には、吸気バルブ7Bの遅閉じにより吸気バルブ7Bの開弁期間が圧縮行程に及ぶためアトキンソンサイクルによる運転が行われる。また、一方の吸気バルブ7Aにバルブオーバーラップ期間OLが形成されるが、他方の吸気バルブ7Bにバルブオーバーラップ期間OLが形成されていない。そのため、吸気ポート6Aに対してのみ燃焼ガスの吹き戻しが生じるので、吸気ポート6Bに比べて吸気バルブ近辺の温度が上昇し易い。
本形態の特徴は今回のサイクルnの燃焼で必要な燃料を、互いに噴射時期を相違させた2つの吸気ポート6A、6Bから供給する点にある。ECU30は、サイクルnの燃焼で必要な燃料が気筒2内に供給されるように2つの燃料噴射弁11A、11Bのそれぞれから燃料を噴射させる。各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射量の配分は気筒2内に吸入される燃料混合気の空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)となるように適宜設定される。図示の場合では各燃料噴射弁11A、11Bによる燃料噴射量の配分は約1:1に設定される(噴射期間TA、TBを参照)。
図16の噴射期間TAで示したように、吸気ポート6Aに対する燃料噴射は、前回のサイクルn−1の吸気バルブ7Aの閉じ後からで、かつオーバーラップ期間OLの開始前から燃料噴射弁11Aによって行われ、その噴射はオーバーラップ期間OLの開始前に終了する。より具体的な例としては、前回のサイクルn−1の排気行程中でかつオーバーラップ期間OLの開始前から吸気ポート6Aに対する燃料噴射が行われる。つまり、ECU30は吸気バルブ7Aの開弁前に燃料噴射を完了させている。そのため、吸気ポート6A内に噴射された全燃料を、その吸気ポート6Aに吹き戻された燃焼ガスに曝すことができるため燃料気化の促進効果が向上する。もっとも、吸気ポート6Aに対する燃料噴射の終了時期をオーバーラップ期間OL中に設定することも可能である。この場合でも燃料の気化促進効果を得ることができる。
一方、吸気ポート6Bに対する燃料噴射は、前回のサイクルn−1の圧縮行程で吸気が吹き返されている期間Txに行われる。その期間Txは、吸気行程で気筒2内に混合気が吸入されている期間Twが終了してピストンの上昇開始後に始まり、吸気バルブ7Bの閉弁時期Tcに終了する。吸気ポート6Bに対する燃料噴射がこのようなタイミングで行われるから、噴射された燃料が吸気の吹き返しにより吸気ポート6Bに戻される。吸気ポート6Bに戻された燃料は、サイクルn−1に続くサイクルnで吸気バルブ7Bが開弁するまでの期間Ty中に吸気ポート6B内に留まる。そのため、その期間Tyを吸気ポート6B内で燃料を気化させるための時間として利用できる。
このように各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射時期が設定されることによって各吸気ポート6A、6Bで燃料を気化できる。従って、サイクルnの燃焼で必要な燃料が気化した状態で2つの吸気ポート6A、6Bから供給されるので、良好な燃焼が得られる。更に、サイクルnにおける吸気行程で2つの吸気バルブ7A、6Bの開弁時期が、一方にオーバーラップ期間が存在し、他方にオーバーラップ期間が存在しないようにずれることによって、気筒2内に偏流を発生させることができ、気筒2内の気流が強化される。そのため、気筒2内の燃料混合気の攪拌が活発化して燃料混合気の均質度が高まるので更に燃焼が改善される。これによりエミッションの悪化を抑制することができる。しかも、以上の効果が得られた場合であっても、アトキンソンサイクルの利点であるポンプ損失の低減効果を損なうことがない。
以上の制御を実現するためにECU30が実施する制御ルーチンは第1の形態の制御ルーチン(図7)と同様である。従って、ECU30が図7と同様の制御ルーチンを実行することにより、ECU30は本発明に係る燃料噴射制御手段として機能する。但し、図7のステップS3においては、ECU30は図12に示した駆動モード設定マップを検索し、そのマップで特定された軽中負荷領域及び高負荷領域のそれぞれに対応付けられた駆動モードを選択することにより行われる。これらの領域と駆動モードとの対応関係は上述した通りである。即ち、ECU30は、軽中負荷領域R4の場合は図3D及び図10に示した第4駆動モードを、高負荷領域R3の場合は図3E及び図11に示した第5駆動モードをそれぞれ設定する。また、駆動モードの設定の際には、最大リフト量、作用角、開弁時期等の具体的な数値も併せて演算される。そして、各駆動モードに合わせて燃料噴射量が配分され、これらが実現されるようにECU30にて各燃料噴射弁11A、11B及び吸気側動弁機構15が制御される(ステップS4〜S6)。
(第6の形態)
次に、本発明の第6の形態を図17〜図19を参照しながら説明する。第6の形態の基本的な構成は第5の形態と共通するが、2つの排気バルブ10A、10Bの開弁特性を独立して変更できる排気側動弁機構を備えている点で、第6の形態の物理的構成が第5の形態(第1の形態)の物理的構成と相違している。図17は本発明の第6の形態に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。なお、以下の説明で上記各形態と共通する構成には同一の参照符号を図面に付して説明を省略する。本形態には、2つの排気バルブ10A、10Bの開弁特性を独立して変更しつつ各排気バルブ10A、10Bを駆動する排気側動弁機構70が設けられている。詳しい図示を略したが、排気側動弁機構70はその具体的な構造として吸気側動弁機構15と同様の構造を持っている。従って、排気側動弁機構70は吸気側動弁機構15と同様に、図3A〜図3Eに示した複数の駆動モードを選択的に実施することができる。排気側動弁機構70の動作は運転状態に応じてECU30にて制御される。なお、2つの排気ポート9A、9Bの各開口部は、2つの吸気ポート6A、6Bの各開口部の並び方向と同方向に、気筒2の中心を挟んで反対側に並んでいる。
第6の形態の制御は、各吸気バルブ7A、7Bに対する第5の形態の制御と協調して行われるものに相当する。図18は軽中負荷領域での各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、各燃料噴射弁11A、11Bの燃料噴射期間とを示した説明図である。図示するように、本形態では、第5の形態と同様に各吸気バルブ7A、7Bに対する駆動モードとして図3Dに示された第4駆動モードが選択される。その一方で、各排気バルブ10A、10Bに対する駆動モードとしては、図3Dに示された第4駆動モード又は図3Cに示された第3駆動モードが内燃機関1の暖機状態に応じて選択される。図18においては、排気バルブ10Aのリフトカーブとして、暖機完了後のものが実線で、暖機完了前のものが破線でそれぞれ示されている。
暖機完了後の通常運転時においては、第5の形態と同様に、吸気バルブ7Bが吸気バルブ7Aに対して開弁期間が遅れるように位相差Δiが与えられ、かつ排気バルブ10Bが排気バルブ10Aに対して開弁期間が遅れるように位相差Δeが与えられる。そのため、排気バルブ10Bと吸気バルブ7Aとの間にオーバーラップ期間OLが形成される。これにより、燃焼ガスは図17の矢印Xに示すように排気ポート9Bからその対角上に位置する吸気ポート7Aに向かって集中的に吹き戻される。各燃料噴射弁11A、11Bに対する噴射制御は第5の形態と同様であり第6の形態は第5の形態と同等の効果を得ることができる。
図17及び図18から明らかなように、第6の形態は互いに対角上に位置する吸気ポート7A及び排気ポート9Bがそれぞれ開通した状態で吸気行程が開始する。そのため、図19に示すように、吸気行程の開始時に対角上に位置する吸気ポート7A及び排気ポート9BからガスG1、G2が気筒2内に流入し、スワール流Swの発生を誘起させる気流分布Fが気筒2内に形成される。その後、本格的な吸気が続くので気筒2内の気流を強化することができる。
また、図18に示すように、第6の形態では、始動時等の内燃機関1の暖機完了前に、開弁期間が先行する側の排気バルブ10Aの作用角及びリフト量の少なくとも一方を排気バルブ10Bに比べて小さくなるように制御する。つまり、排気バルブ10Aの開き時間面積を排気バルブ10Bよりも小さくしている。バルブ開き時間面積を変化させるには作用角及びリフト量の少なくともいずれか一方を変化させればよい。従って、第6の形態では、排気バルブ10Aの開弁特性として、例えば排気バルブ10Bに対して作用角が同じでリフト量を小さくするモードC1や作用角及びリフト量をともに小さくするモードC2等の開弁特性を与えることができる。これにより、内燃機関1の暖機完了前に、排気行程での排気抵抗が増大するので、残留ガス量(内部EGR量)が増加する。そのため、暖機完了前の期間において気筒2内の温度を上昇させることができるので内燃機関1の暖機を促進できる。
以上の制御は、ECU30が図20に示す制御ルーチンを実行することにより実現される。図20は第6の形態に係る制御ルーチンの一例を示したフローチャートである。このルーチンのプログラムはECU30のROMに予め保持されており、適時に読み出されて所定のクランク角毎に繰り返し実行される。このルーチンの基本構成は第1の形態と同様であるので、共通の処理については説明を省略ないし簡略化する。
ステップS11では、ECU30は各種の運転パラメータを取得し、続くステップS12ではステップS11で所得した運転パラメータに基づいて燃料噴射量を算出する。次に、ステップS13では内燃機関1が暖機完了前か否かを判定する。その判定は内燃機関1の冷却水温や潤滑油温等の機関温度に閾値を設定し、その閾値を超えたか否かに基づくことにより実施できる。暖機完了前でない場合、つまり暖機完了後の場合は、ステップ14に進み、暖機完了前の場合にはステップS15に進む。
ステップS14では、各吸気バルブ7A、7Bの駆動モードと、各排気バルブ10A、10Bの駆動モードとをそれぞれ設定する。ここでは暖機完了後における駆動モードの設定であるので上述したように、吸気側の駆動モードとして第4駆動モードが、排気側の駆動モードとして第4駆動モードがそれぞれ設定される(図18及び図3D参照)。一方、ステップS15では、暖機完了前における駆動モードの設定であるので上述したように、吸気側の駆動モードとして第4駆動モードが、排気側の駆動モードとして第3駆動モードがそれぞれ設定される(図18、図3D及び図3C参照)。なお、ステップS15において、排気バルブ10Aに与える開弁特性としては図18に示したモードC1、C2のいずれか一方だけを与えてもよいし、運転状態に応じてこれらのモードC1、C2を切り替えて与えることもできる。また、ステップS14及びステップS15の実施に当たり、運転状態が高負荷領域に該当する場合は暖機完了の有無を問わずに排気側及び吸気側のいずれの駆動モードも第5駆動モードに設定することができる。
ステップS16では、ステップS14及びステップS15で設定された駆動モードに応じて2つの燃料噴射弁11A、11Bに対する燃料噴射量の配分を決定する。続くステップS17では、ステップS16で設定された配分に従って燃料噴射が行われるように各燃料噴射弁11A、11Bが制御される。次に、ステップS18では、ステップS17で設定された駆動モードが実現されるように吸気側動弁機構15及び排気側動弁機構70がそれぞれ制御される。その後、今回のルーチンを終了する。ECU30は、図20のルーチンを実行することにより、本発明に係る燃料噴射制御手段として機能する。また、本形態において、排気バルブ10Aが本発明に係る開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが進む側の排気バルブに、排気バルブ10Bが本発明に係る開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の排気バルブに、それぞれ相当する。
本発明は上記各形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。上記各形態では、バルブオーバーラップ期間及び燃焼ガスの吹き戻しが存在する側の吸気ポートと、これらが存在しない側の吸気ポートとの間で燃料噴射量に差を設けているが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、バルブオーバーラップ期間が各吸気バルブに存在し、その長さに差が設けられている場合にも本発明を適用できる。つまり、バルブオーバラップ期間が長い側の燃料噴射量をその期間が短い側の燃料噴射量に比べて多くする形態で本発明を実施することもできる。
上記各形態の動弁機構は、同一気筒の吸気バルブ間で開弁特性を相違させる駆動モードと吸気バルブ間で開弁特性を一致させる駆動モードとを選択的に実行できるものであるが、本発明の適用対象たり得る内燃機関としては、こうした複数の駆動モードを任意に選択できる動弁機構を備えたものでなくてもよい。例えば、同一気筒に設けられた複数の吸気バルブ間でバルブオーバーラップ期間に差が設けられた状態で常時運転されるような内燃機関に対しても本発明を適用することができる。また、排気バルブに関してもこれと同様に、図18に示した状態で常時運転される内燃機関に対しても本発明を適用できる。
以下、本発明に関連する参考例を図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記各形態と共通の部材には同一の参照符号を図面に付して説明を省略ないし簡略化する。
(第1の参考例)
図21は第1の参考例に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。図示するように、内燃機関101には、各吸気ポート6A、6Bに共通の燃料噴射弁102が設けられている。燃料噴射弁102の動作はECU30にて行われる。図22は、各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、燃料噴射弁102の燃料噴射期間とを示した説明図である。この図から明らかなように、第1の参考例において、ECU30は今回のサイクルnの燃焼で必要な燃料が、前回のサイクルn−1の吸気が吹き返される期間Txに噴射された燃料で賄われるように燃料噴射弁102を制御する。この期間Txに噴射される燃料噴射量(燃料噴射期間TT)は、サイクルnで気筒2内に吸入される燃料混合気の空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)となるように決定される。
図22に示した期間Txにおいては、図21に示したように各吸気ポート6A、6Bに気流FA、FBが逆流する。このため、燃料噴射弁102が噴射する燃料fがポート壁面に付着することを抑制することができる。また、前回のサイクルn−1において噴射された燃料は、吸気の吹き返しにより各吸気ポート6A、6B内に期間Tyまで留まるため、その留まった燃料が気化する時間を確保することができる。よって、第1の参考例によれば、ポート壁面への燃料付着抑制とともに燃焼が改善するので、エミッションの悪化を抑制することができる。
(第2の参考例)
図23は第2の参考例に係る燃料噴射装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。図示するように、内燃機関105は筒内直接噴射式の内燃機関として構成されており、燃料噴射弁106は、その先端部が気筒2内に臨むようにして、各吸気ポート6A、6B間に配置されている。燃料噴射弁106は燃料fの噴射方向が吸気ポート6Aの側に傾くように設定されている。燃料噴射弁106の動作はECU30にて行われる。図23は、各吸気バルブ7A、7B及び各排気バルブ10A、10Bのリフトカーブと、燃料噴射弁106の燃料噴射期間とを示した説明図である。この図から明らかなように、ECU30は吸気側動弁機構15を操作して吸気バルブ7Bの開弁期間が遅れるように各吸気バルブ7A、7Bに位相差Δを与えるとともに吸気バルブ7Bの閉弁時期tcを圧縮行程中に設定する。これによりアトキンソンサイクルが実施される。また、ECU30は燃料噴射弁106の噴射期間TUがオーバーラップ期間OL内に設定されるように燃料噴射弁106を制御する。このオーバーラップ期間OLにおいては、図23に示したように燃焼ガスが矢印Xの方向に吸気ポート6Aに集中する。このため、この期間OL内に燃料が噴射されることにより、吸気ポート6Aの側に傾けられた噴射方向に向かう燃料fが燃焼ガスに曝される。従って、噴射された燃料fの気化が促進される。第2の参考例によれば、各吸気バルブ7A、7Bに与えた位相差により気筒2内に偏流を発生させて気流を強化することができ、しかもその効果を維持しつつ燃料fの気化が促進されるので燃焼が改善される。これにより、エミッションの悪化を抑制することができる。
1 内燃機関
2 気筒
6A、6B 吸気ポート
7A、7B 吸気バルブ
9A、9B 排気ポート
10A、10B 排気バルブ
15 吸気側動弁機構(動弁機構)
11A、11B 燃料噴射弁
30 ECU(燃料噴射制御手段、連通バルブ制御手段)
40 連通路
41 連通バルブ
50 内燃機関
52A、52B、52C 吸気ポート
53A、53B、53C 吸気バルブ
57A、57B、57C 燃料噴射弁
60 吸気側動弁機構(動弁機構)
70 排気側動弁機構
OL オーバーラップ期間

Claims (15)

  1. 同一気筒に対して設けられた複数の吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブ間の開弁特性を相違させて各吸気バルブを駆動できる動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、
    前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、前記吸気バルブ間の開弁特性の相違を原因として前記吸気ポート間に燃焼ガスの吹き戻し量に差が生じる場合に前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射量が前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに比べて多くなるように、前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記燃料噴射制御手段は、前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射が許容され、かつ前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに対する燃料噴射が中止されるように、前記燃料噴射弁を制御する請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記燃料噴射制御手段は、前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに対する燃料噴射が当該吸気ポートに設けられた吸気バルブの開弁前に完了するように、前記燃料噴射弁を制御する請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記動弁機構は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブの閉弁時期が圧縮行程中に設定されるように前記各吸気バルブを駆動できる請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記動弁機構は、前記吸気バルブ間で最大リフト量及び作用角が共に同じで位相差が存在し、かつ前記吹き戻し量が多い側の吸気ポートに設けられた吸気バルブのみに排気バルブとのオーバーラップ期間が設定されるように前記各吸気バルブを駆動できる請求項4に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記内燃機関は、前記複数の吸気ポートとして2つの吸気ポートを備えるとともに、前記2つの吸気ポートを互いに結ぶ連通路と、前記連通路を開閉する連通バルブと、前記動弁機構による前記各吸気バルブの駆動状態に応じて前記連通バルブを制御する連通バルブ制御手段とを更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記動弁機構は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブを閉弁状態で維持できるように構成されており、
    前記連通バルブ制御手段は、前記吹き戻し量が少ない側の吸気ポートに設けられた吸気バルブが閉弁状態に維持されている間、前記連通路が閉鎖されるように前記連通バルブを制御する請求項6に記載の燃料噴射装置。
  8. 同一気筒に対して設けられた複数の吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブ間に排気バルブとのオーバーラップ期間の差を設けた状態で各吸気バルブを駆動できる動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、
    前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、前記オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートに対する燃料噴射量が前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに比べて多くなるように、前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  9. 前記動弁機構は、前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに設けられた吸気バルブの閉弁時期が圧縮行程中に設定されるように前記各吸気バルブを駆動できる請求項8に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記動弁機構は、前記吸気バルブ間で最大リフト量及び作用角が共に同じで位相差が存在する状態で前記各吸気バルブを駆動できる請求項9に記載の燃料噴射装置。
  11. 前記燃料噴射制御手段は、前記オーバーラップ期間が長い側の吸気ポートに対する燃料噴射が許容され、かつ前記オーバーラップ期間が短い側の吸気ポートに対する燃料噴射が中止されるように、前記燃料噴射弁を制御する請求項10に記載の燃料噴射装置。
  12. 同一気筒に対して設けられた2つ吸気ポートと、前記吸気ポート毎に設けられた吸気バルブの一方の吸気バルブが排気バルブとのオーバーラップ期間が形成される時期に開弁され、かつ他方の吸気バルブが圧縮行程中に閉弁されるように各吸気バルブを駆動できる吸気側動弁機構とを備えた内燃機関に適用される燃料噴射装置において、
    前記吸気ポート毎に設けられた燃料噴射弁と、今回のサイクルの燃焼に必要な燃料が前記気筒内に供給されるように、前記オーバーラップ期間が形成される側の吸気ポートに設けられた燃料噴射弁に対して、前回のサイクルの吸気バルブ閉じ後からでかつ前記オーバーラップ期間の開始前から燃料を噴射させるとともに、圧縮行程中に閉弁される側の吸気ポートに設けられた燃料噴射弁に対して、前回のサイクルの圧縮行程で吸気が吹き返されている時に燃料を噴射させる、燃料噴射制御手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  13. 前記吸気側動弁機構は、圧縮行程中に閉弁される前記他方の吸気バルブが前記排気バルブとのオーバーラップ期間が形成されない時期に開弁されるように各吸気バルブを駆動する、請求項12に記載の燃料噴射装置。
  14. 前記気筒に対して2つの排気ポートが設けられ、かつ前記排気バルブが前記排気ポート毎に設けられており、
    前記排気ポート毎に設けられた排気バルブ間の開弁特性として、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが一方が他方に対して遅れ又は進む開弁特性が与えられるように各排気バルブを駆動できる排気側動弁機構を更に備え、
    前記排気側動弁機構は、前記内燃機関の暖機完了前の期間において、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが進む側の排気バルブが、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の排気バルブに比べて作用角及びリフト量の少なくとも一つが小さくなるように、各排気バルブを駆動する、請求項12又は13に記載の燃料噴射装置。
  15. 前記2つの吸気ポートの各開口部の並び方向と同方向に、前記2つの排気ポートの各開口部が前記気筒の中心を挟んで反対側に並んでおり、
    前記排気側動弁機構は、前記オーバーラップ期間が形成される側の吸気ポートの対角上に位置する排気ポートに設けられた前記排気バルブが、開弁時期及び閉弁時期のそれぞれが遅れる側の前記排気バルブに相当するように、各排気バルブを駆動する、請求項14に記載の燃料噴射装置。
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