JP2010121070A - 光硬化性樹脂及びそれを用いた分散剤 - Google Patents

光硬化性樹脂及びそれを用いた分散剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高い分散性を持ち、塗膜時の光硬化性及び基材への密着性の高い分散剤を提供すること。
【解決手段】分散剤として、ジイソシアネート化合物(A)に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)及び同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)を付加させた後、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)をマイケル付加させることによって得られる光硬化性樹脂を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する新規な光硬化性樹脂及びそれを用いた分散剤に関する。
従来より、塗料、インキ等の分野において、顔料の分散性を向上させ、塗料等の貯蔵安定性や塗膜の光沢をあげるために各種分散剤が用いられている。例えば、特許文献1には、少なくとも一個の環窒素含有塩基性基を有する化合物に由来する分散剤が開示されており、特許文献2には、ポリイソシアネ−ト、アクリレ−ト化合物又はエポキシド化合物及び環状化合物との反応で得られる反応生成物からなる分散剤が開示されており、特許文献3には、分散剤として特定の分散樹脂を用いたカラーフィルター用レジスト組成物が開示されている。
また近年、分散剤自身に光硬化性を付与し、光硬化性バインダーとの相溶性、塗膜時の光硬化性、基材への密着性等を向上させる試みがなされている。特許文献4には、ポリウレタン樹脂系光硬化性被覆剤が開示されており、特許文献5には、(メタ)アクリレート化合物とモノアミン化合物とを反応させて得られる顔料分散剤が開示されているが、該被覆剤又は分散剤は、光硬化性又は密着性が十分ではなかった。
特開平4−210220号公報 特表2000−506436号公報 特開平10−300919号公報 特開平11−80665号公報 特開2007−711号公報
本発明は、高い分散性を持ち、塗膜時の光硬化性及び基材への密着性の高い分散剤を提供することを目的とする。
本発明は、ジイソシアネート化合物(A)に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)及び同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)を付加させた後、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)をマイケル付加させることによって得られる光硬化性樹脂を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記光硬化性樹脂に、さらに多塩基酸酸無水物(E)をエステル化させて得られる光硬化性樹脂を提供するものである。
また、本発明は、上記光硬化性樹脂を有効成分とする分散剤を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の光硬化性樹脂は、優れた光硬化性を有しているため、該光硬化性樹脂を有効成分とする分散剤は、塗膜時の光硬化性及び光硬化後の基材への密着性が高い。
以下、本発明の光硬化性樹脂及びそれを用いた分散剤について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の光硬化性樹脂は、ジイソシアネート化合物(A)に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)及び同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)を付加させた後、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)をマイケル付加させ、更に必要に応じ、多塩基酸酸無水物(E)をエステル化させることによって得られる。
本発明の光硬化性樹脂を得るために使用されるジイソシアネート化合物(A)としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4,−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、ω,ω′−ジイソシアナートジプロピルエーテル等の脂肪族ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,2−ジイソシアナート−1−メチル−シクロヘキサン、−2,6−ジイソシアナート−1−メチル−シクロヘキサン、イソホロジイソシアネート、2,5−ビス−(イソシアナートメチル)−8−メチル−1,4−メタノ−デカヒドロナフタレン、3,5−ビス−(イソシアナートメチル)−8−メチル−1,4−メタノ−デカヒドロナフタレン、1,5−ビス(イソシアナートメチル)−4,7−メタノ−ヘキサヒドロインダン、2,5−ビス(イソシアナートメチル)−4,7−メタノ−ヘキサヒドロインダン、1,6−ビス(イソシアナートメチル)−4,7−メタノ−ヘキサヒドロインダン、2,6−ビス(イソシアナートメチル)−4,7−メタノ−ヘキサヒドロインダン、1,5−、2,5−、1,6−及び2,6−ビス(イソシアナート)−4,7−メタノ−ヘキサヒドロインダン、ジシクロヘキシル−2,4′−及び4,4′−ジイソシアネート、2,4−及び2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、パーヒドロ−2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、パーヒドロ−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジ(イソシアナートシクロヘキシル)−メタン、3−イソシアナート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート;ω,ω′−ジイソシアナート−1,4−ジエチル−ベンゼン、1,3−フエニレンジイソシアネート、1,4−フエニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアナート−ジフェニル、4,4′−ジイソシアナート−3,3′−ジクロロジフェニル、4,4′−ジイソシアナート−3,3′−ジメトキシ−ジフェニル、4,4′−ジイソシアナート−3,3′−ジメチル−ジフェニル、4,4′−ジイソシアナート−3,3′−ジフェニル−ジフェニル、2,4′−及び4,4′−ジイソシアナート−ジフェニルメタン、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン−ジイソシアネート、N,N′−(4,4−ジメチル−3,3′−ジイソシアナートジフェニル)−ウレトジオン、m−キシリレン−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4,4′−トリイソシアナート−ジフェニルエーテル、4,4′,4″−トリイソシアナートトリフェニルメタン、トリス(4−イソシアナートフェニル)−チオホスェート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物(A)は、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
上記ジイソシアネート化合物(A)としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが、得られる光硬化性樹脂の顔料への吸着性が高いので好ましい。
本発明の光硬化性樹脂を得るために使用される、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)としては、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、ポリエステルポリカーボネートジオール類、ポリカーボネートジオール類、ポリオレフィンジオール類、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素原数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの等が挙げられ、これらは混合して使用されてもよい。
上記ポリエーテルジオール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレンオキサイド付加物;低分子ポリオールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記ポリエステルジオール類としては、低分子ジオール類と、その化学量論量より少ない量の二価カルボン酸又はそのエステル、無水物、ハライド等のエステル形成性誘導体及び/又はラクトン類又はその加水分解開環して得られるヒドロキシカルボン酸との直接エステル化反応及び/又はエステル交換反応により得られるものが挙げられる。
上記低分子ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコールが挙げられる。
上記二価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類が挙げられ、上記エステル形成性誘導体としては、これらの二価カルボン酸の酸無水物、該二価カルボン酸クロライド等のハライド;該二価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等の低級脂肪族エステルが挙げられ、これらは混合して使用されてもよい。
上記ラクトン類としては、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
上記ポリエステルポリカーボネートジオール類としては、ジオール、二価カルボン酸及びジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物を同時に反応させて得られたもの、あらかじめ合成したポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールをカーボネート化合物と反応させて得られたもの、或いはあらかじめ合成したポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールをポリオール及びポリカルボン酸と反応させて得られたもの等を挙げることができる。
上記ポリカーボネートジオール類としては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
上記ポリオレフィンジオール類としては、ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
上記同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物(B)としては、特にポリエーテルジオール類及び/又はポリエステルジオール類が、溶媒との親和性がよく、光硬化性樹脂の分散性が向上するため好ましい。同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は300〜5000、好ましくは500〜3000である。
本発明の光硬化性樹脂を得るために使用される、同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)としては、例えば、二官能エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の付加物が挙げられる。
上記二官能エポキシ化合物としては、例えば、二価アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のジグリシジルエーテル、二塩基酸のジグリシジルエステル、シクロヘキセン環若しくはシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキシド、又はシクロペンテンオキシド含有化合物等を用いることができ、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
すなわち、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂等のビスフェノールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;該ビスフェノールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を水添して得られる水添ビスフェノール型ジグリシジルエーテル;エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,2−プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等の脂肪族二価アルコールのグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、イソプロピリデンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのニ塩基酸のグリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物、トリフェニルメタン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 2010121070
(式中、Mは直接結合、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO又は下記[化2]で表される群から選ばれる置換基を表し、上記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、R1及びR2は、連結して環構造を形成していてもよく、nは0又は1〜10の整数である。)
Figure 2010121070
(式中、Q及びBは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Z及びEは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、A及びDは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜20の複素環基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基中のメチレン基は、不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、A及びDは、A同士、D同士又はAとDで環を形成していてもよく、その環は芳香環でもよく、R3は水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、pは0〜5の数を表し、kは0〜5の数を表し、aは0〜4の数を表し、dは0〜4の数を表す。)
上記一般式(I)において、Mで表わされる炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等が挙げられ、脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルカン基や、シクロプロペニル、シクロブテニル、、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等のシクロアルケン基が挙げられる。
1及びR2で表わされる炭素原子数1〜5のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル等が挙げられ、炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、イソプロピルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等が挙げられ、炭素原子数2〜5のアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。R1及びR2が連結して形成していてもよい環構造としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、ピペリジン環、モルホリン環、ラクトン環、ラクタム環等の5〜7員環及びナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、アセナフテン環、インダン環、テトラリン環等の縮合環が挙げられる。
上記[化2]で表される群から選ばれる置換基において、Q及びBで表わされるフェニル基を置換していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられ、Q及びBで表わされるフェニル基を置換していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、R1及びR2で表わされる炭素原子数1〜8のアルコキシ基として例示したものと同様の基の他、ノニルオキシ、デシルオキシ等が挙げられ、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。
Z及びEで表わされる炭素原子数1〜10のアルキル基としては、Q及びBで表わされるフェニル基を置換していてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基として例示したものと同様の基が挙げられ、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、Q及びBで表わされるフェニル基を置換していてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基として例示したものと同様の基が挙げられ、炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、Q及びBで表わされる炭素原子数2〜5のアルケニル基として例示したものと同様の基の他に、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネリル、デセニル等が挙げられ、ハロゲン原子としては、Q及びBで表わされるハロゲン原子として例示したものと同様の基が挙げられる。
A及びDで表わされる、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基としては、Q及びBで表わされる炭素原子数1〜10のアルキル基として例示したものと同様の基の他、ハロゲン原子で置換されたものとして、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、パーフルオロブチル等が挙げられ、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、1−フェナントリル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、3−フルオレニル、9−フルオレニル、1−テトラヒドロナフチル、2−テトラヒドロナフチル、1−アセナフテニル、1−インダニル、2−インダニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル、2,5−ジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル、2,5−ジ−t−アミルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−トリクロロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、パーフルオロフェニル等が挙げられ、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル、4−クロロフェニルメチル、ベンジルオキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、1−アントリルメトキシ等が挙げられ、ハロゲン原子で置換されていてもよい複素環基としては、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられ、ハロゲン原子としては、Q及びBで表わされるハロゲン原子として例示したものと同様の基が挙げられる。
3で表わされる炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基及びハロゲン原子としては、上記一般式(I)の説明で例示した基がそれぞれ挙げられる。
A同士、D同士又はAとDで形成していてもよい環構造としては、上記一般式(I)の説明で例示した基が挙げられる。
上記二官能エポキシ化合物としては市販のものを用いることもでき、例えば、NC−3000、AK−601、GAN、GOT(日本化薬社製)、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4003S、アデカレジンEP−4080、アデカレジンEP−4085、アデカレジンEP−4088、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4900、アデカレジンED−505、アデカレジンED−506、アデカレジンKRM−2110、アデカレジンKRM−2199、アデカレジンKRM−2720(ADEKA社製)、R−508、R−531、R−710(三井化学社製)、エピコート190P、エピコート191P、エピコート604、エピコート801、エピコート828、エピコート871、エピコート872、エピコート1031、エピコートRXE15、エピコートYX−4000、エピコートYDE−205、エピコートYDE−305(ジャパンエポキシレジン社製)、スミエポキシELM−120、スミエポキシELM−434(住友化学社製)、デナコールEM−150、デナコールEX−201、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−322、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−614、デナコールEX−711、デナコールEX−721、デナコールEX−731、デナコールEX−811、デナコールEX−821、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−911、(ナガセケムテックス社製)、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト3002、エポライト4000、エポライトFR−1500、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L(共栄社化学社製)、SB−20(岡村製油社製)、エピクロン720(大日本インキ化学社製)、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6200、UVR−6228(ユニオン・カーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド3000、エポリードHD300、EHPE−3150、ETHB、エポブレンド(ダイセル化学社製)、PY−306、0163、DY−022(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サントートST0000、エポトートYD−011、エポトートYD−115、エポトートYD−127、エポトートYD−134、エポトートYD−172、エポトートYD−6020、エポトートYD−716、エポトートYD−7011R、エポトートYD−901、エポトートYDPN−638、エポトートYH−300、ネオトートPG−202、ネオトートPG−207(東都化成社製)、エピオールE−100、エピオールE−400、エピオールE−1000、エピオールNPG−100(日油社製)、フルオレン系エポキシ化合物BPF−G、BCF−G、BPEF−G(大阪ガス社製)等が挙げられる。
上記二官能エポキシ化合物としては、上記一般式(I)で表わされる化合物が好ましく、上記一般式(I)において、Mが上記[化2]で表されるもの、特に下記一般式(II)、(III)若しくは(IV)で表わされるもの、下記一般式(V)で表わされるもの、又はフルオレン系エポキシ化合物BPF−G、BCF−G、BPEF−G(大阪ガス社製)が、得られる光硬化性樹脂の分散性が向上するのでより好ましい。
Figure 2010121070
(式中、R1、R2、Q、Z、n及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2010121070
(式中、R1、R2及びnは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2010121070
(式中、R1、R2、A、D、a、d及びnは、上記一般式(I)と同じである。)
Figure 2010121070
(式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、R4及びR5は、連結して環構造を形成していてもよく、nは、上記一般式(I)と同じである。)
上記一般式(V)において、R4及びR5で表わされる炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基及びハロゲン原子としては、上記一般式(I)の説明で例示した基がそれぞれ挙げられる。
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート又は1個のカルボキシル基と2個の(メタ)アクリロイル基を有する二官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記1個のカルボキシル基と2個の(メタ)アクリロイル基を有する二官能(メタ)アクリレートは、例えば1分子中に1個のヒドロキシル基と2個の(メタ)アクリロイル基を有する二官能(メタ)アクリレートと二塩基酸無水物又はカルボン酸を反応させることによって得ることができる。
上記1個のカルボキシル基と2個の(メタ)アクリロイル基を有する二官能(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物No.1又はNo.2を挙げることができる。
Figure 2010121070
Figure 2010121070
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸が入手しやすいため好ましい。
上記の同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)としては、例えば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;ホモピペラジン、ピペラジン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2・2・1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミン)等の脂環族ジアミン;ジフェニルメタンジアミン、ジクロロジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、ベンジジン、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン;N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−オクチルピペラジン等の脂環族アミン;ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等のN含有ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の窒素含有ヘテロ6員環と一級アミノ基を有する化合物が挙げられ、N−メチルピペラジンあるいはN−エチルピペラジンが、得られる光硬化性樹脂の顔料への吸着性が高くなるので好ましい。
上記窒素含有ヘテロ5員環と一級アミノ基を有する化合物としては、例えば、イミダゾール環と一級アミノ基を有する化合物として、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられ、トリアゾール環と一級アミノ基を有する化合物として、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。
上記の同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)の導入量は、得られる光硬化性樹脂のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましく、5〜95mgKOH/gの範囲に制御するのがより好ましい。アミン価が上記範囲外であると、分散能力が低下する傾向がある。
本発明の光硬化性樹脂を得るために必要に応じ使用される、多塩基酸無水物(E)としては、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,2’−3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。これらの中でも、コハク酸無水物、トリメリット酸無水物及びヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
本発明の光硬化性樹脂は、ジイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基1個に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)の水酸基を0.02〜0.5個及び同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基2個を有する化合物(C)の水酸基を0.5〜0.98個の比率で付加させた後、同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基2個を有する化合物(C)のエチレン性不飽和基1個に対し、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)の活性水素を0.01〜0.4個の比率でマイケル付加させることによって得られる。但し、反応に寄与する化合物(B)の水酸基及び化合物(C)の水酸基の合計は、化合物(A)のイソシアネート基と同じである。また、更に、残存する水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(E)の無水物構造が0.1〜1.0個の比率でエステル化させることもできる。
本発明の光硬化性樹脂において、SEC(Size Exclusion Chromatgraphy)で測定されるポリスチレン換算の質量平均分子量は1000〜50000である。質量平均分子量が1000以下では分散性及び分散安定性が得られず、50000以上では溶解性が低下し、分散性が劣ると同時に反応の制御が困難となる。
本発明の光硬化性樹脂を得る反応には、触媒として通常のウレタン化反応触媒を用いることができる。該ウレタン化反応触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン,ペンタメチルジプロピレントリアミン,テトラメチルグアニジン等の3級アミン系、トリエチレンジアミン,ジメチルピペラジン,メチルエチルピペラジン,メチルモルホリン,ジメチルアミノエチルモルホリン,ジメチルイミダゾール等の環状アミン系等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂を得る反応には、必要に応じて適宜溶媒を用いることができる。該溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール、アセトンアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールメチルアセテート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明の光硬化性樹脂は、例えば、下記[化9]の反応式で示される方法によって製造することができる。
先ず、(A)成分であるジイソシアネート化合物(1)に、(B)成分である、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物(2)及び(C)成分である、同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(3)を付加させる。(A)成分への(B)成分及び(C)成分の付加反応は、常法に従って行なうことができるが、好ましくは、60〜90℃で1〜10時間反応させる。
次に、(D)成分である、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物、例えばアミン(4)をマイケル付加させる。(D)成分のマイケル付加反応は、常法に従って行なうことができるが、好ましくは、20〜50℃で1〜10時間反応させる。
続いて、(E)成分である、多塩基酸無水物(5)をエステル化反応させて、光硬化性樹脂である化合物(6)を得る。(E)成分のエステル化反応は、常法に従って行なうことができるが、好ましくは、20〜50℃で1〜10時間反応を行なう。
Figure 2010121070
(式中、Xは二官能エポキシ化合物の残基を表し、Yはジイソシアネート化合物の残基を表し、R11は水素原子又はメチル基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、Rc及びRdは連結して環構造を形成していてもよく、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、Ra及びRbは連結して環構造を形成していてもよく、s及びtは、それぞれ0〜1000の数であり、s+tの和は2以上である。)
以上説明した本発明の光硬化性樹脂は、オフセットインキ、グラビアインキ、インクジェットインキ等の各種インキ、塗料、化粧品、接着剤、導電性付与剤、導電紙、樹脂の顔料、電子写真材料、充填剤、補強剤、コーティング材料、電池材料、電極材料、電子材料、静電気防止材料、電磁波シールド材料、ケーブル半導電体、面状発熱体、吸着剤、触媒、プラスチック又はゴムの改質剤、潤滑剤、非線形光学材料、繊維、カーボンナノチューブ、メッキ、各種記録媒体、封止剤等の広範な用途に使用することができる。

次に、本発明の光硬化性樹脂を分散剤として用いた顔料組成物について説明する。
本発明の光硬化性樹脂は、分散剤として、顔料及びバインダー樹脂と共に溶媒に分散して、顔料組成物として用いることができる。顔料組成物において、分散剤としての光硬化性樹脂の含有量は、顔料組成物に占める全固形分中、30〜90質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
上記顔料としては、例えば、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、過酸化物、ジ過酸化物、キサンテン化合物、キノリン化合物、アントラキノン化合物、クマリン化合物、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、キナクリドン化合物、アンタンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、ジケトピロロピロール化合物、チオインジゴ化合物、ジオキサジン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノフタロン化合物、ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;疎水性樹脂;酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化カリウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物;層状粘土鉱物、ミロリブルー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、コバルト系、マンガン系、タルク、カオリン、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫化物、セレン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン等の有機又は無機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、あるいは複数を混合して用いることができる。
上記顔料組成物において、顔料の含有量は、顔料組成物に占める全固形分中、10〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
上記顔料としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロ−1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブル−15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、特に制限されず、インキ、塗料、コーティング材料、ソルダーレジスト等に通常用いられるバインダーを用いることができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、本発明の光硬化性樹脂以外の光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、アルカリ可溶性樹脂、アクリル樹脂、可溶性ナイロン及び高分子ラテックス、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、石油樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、環状(脂環式又は芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタン、ゼラチン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、アルギン酸等の天然高分子材料、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル等を用いることができる。
上記顔料組成物において、上記バインダー樹脂の含有量は、顔料組成物に占める全固形分中、1〜70質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
上記溶媒としては、通常、上記の各成分を分散し得る溶媒であれば特に制限はないが、例えば、上記光硬化性樹脂を得る反応における溶媒として例示したものを用いることができ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。
上記顔料組成物において、上記溶媒の含有量は、顔料組成物に占める全固形分が0.1〜30質量%であるように調製するとよい。
上記顔料組成物には、光重合開始剤を用いることができる。
上記光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4'−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4'−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4'−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9'−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2'−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、チオキサントン/アミン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、並びに特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2005−97141号公報、特表2006−516246号公報、特許第3860170号公報、特許第3798008号公報、WO2006/018973号公報に記載の化合物等が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(a)又は(c)で表される化合物が好ましい。
Figure 2010121070
(式中、R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、R、OR、COR、SR、CONRR’又はCNを表し、R及びR’は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は複素環基を表し、これらはハロゲン原子及び/又は複素環基で置換されていてもよく、これらのうちアルキル基及びアリールアルキル基のアルキレン部分は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合により中断されていてもよく、また、R及びR’は一緒になって環を形成していてもよく、R74は、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R75は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又は下記一般式(b)で表される置換基を表し、gは0〜4の整数であり、gが2以上の時、複数のR74は異なる基でもよい。)
Figure 2010121070
(式中、環Mはシクロアルカン環、芳香環又は複素環を表し、R76はハロゲン原子又はアルキル基を表し、Y71は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Z71は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、hは0〜4の整数であり、hが2以上の時、複数のX73は異なる基でもよい。)
Figure 2010121070
(式中、R6及びR7は、それぞれ独立して、R21、OR21、COR21、SR21、CONR2223又はCNを表し、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環基の水素原子は、更にOR31、COR31、SR31、NR3233、CONR3233、−NR32−OR33、−NCOR32−OCOR33、−C(=N−OR31)−R32、−C(=N−OCOR31)−R32、CN、ハロゲン原子、−CR31=CR3233、−CO−CR31=CR3233、カルボキシル基又はエポキシ基で置換されていてもよく、R31、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、上記R21、R22、R23、R31、R32及びR33で表される置換基のアルキレン部分のメチレン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合又はウレタン結合により1〜5回中断されていてもよく、上記置換基のアルキル部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、上記置換基のアルキル末端は不飽和結合であってもよく、また、R22とR23及びR32とR33は、それぞれ一緒になって環を形成していてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立して、R21、OR21、SR21、COR21、CONR2223、NR22COR21、OCOR21、COOR21、SCOR21、OCSR21、COSR21、CSOR21、CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、a及びbは、それぞれ独立して、0〜4である。X1は、直接結合又はCOを表し、X2は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR4142、CO、NR43又はPR44を表し、R41、R42、R43及びR44は、それぞれ独立して、R21、OR21、COR21、SR21、CONR2223又はCNを表し、R8は、−X2−を介して隣接するベンゼン環の炭素原子の1つと結合して環構造を形成していてもよく、あるいはR8とR9が一緒になって環を形成していてもよく、R41、R43及びR44は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよい。)
上記顔料組成物には、さらにエチレン性不飽和モノマー、連鎖移動剤、界面活性剤等を併用することができる。
上記エチレン性不飽和結合モノマーとしては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸N−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸亜鉛、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物が挙げられる。
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
上記顔料組成物には、さらに熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、ポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル等が挙げられる。
上記顔料組成物には、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、表面張力調整剤、増粘剤、チクソ性付与剤、レベリング剤、消泡剤、密着性付与剤、アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤、触媒、滑剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、シランカップリング剤、キレート剤、保湿剤、浸透剤、防黴剤、防錆剤、防腐剤、乾燥防止剤、速乾剤、定着剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、アンチブロッキング剤、電解質、触媒、他の分散剤等を併用することができる。
本発明の光硬化性樹脂を分散剤として用い、上記顔料を分散または粉砕する方法としては、乳鉢、ビーズミル、プラストミル、ボールミル、振動ボールミル、ローラーミル、ロッドミル、チューブミル、コニカルミル、ハイスイングボールミル、ピン型ミル、ハンマーミル、ナイフハンマーミル、アトリションミル、ジェットミル、カウンタージェットミル、スパイラルジェットミル、ジェットマイザー、マイクロナイザー、ナノマイザー、マジャックミル、マイクロアトマイザー、ミクロンミル、ロータリーカッター、衝撃粉砕型ミル、圧縮せん断型ミル、ヘンシェルミキサー等を用いる方法が挙げられる。
上記顔料樹脂組成物は、スピンコーター、スリットコーター、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明の光硬化性樹脂は、塗料や接着剤、成型材等として使用することもできる。塗料や接着剤として使用する場合、基材に光硬化性樹脂を含む組成物を塗布した後、光を照射して硬化させる。また成型材として使用する場合、光硬化性樹脂を空間部を有する型に流し込み、その後光を照射して硬化させる。硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長240〜410nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀灯、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。活性光の照射量及び照射時間等の照射条件は、使用する光硬化性樹脂及び用途に応じて、適宜設定することができる。
以下、実施例及び評価例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に制限されるものではない。
[実施例1]光硬化性樹脂No.1の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した1L四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物としてビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量231)75.0g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸23.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.273g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.585g及び、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート65.9gを仕込み、90℃で1時間、100℃で1時間、110℃で1時間及び120℃で14時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販の数平均分子量1000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日油社製ユニオックスM−1000)55.6g、(A)成分として2,4−トリレンジイソシアナート28.6g、ジブチルスズジラウレート0.182g及び、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート206gを加えて、70℃で2時間撹拌した。さらに、室温まで冷却し、(D)成分としてジエチルアミン3.57gを加えて室温で2時間撹拌し、(E)成分として無水コハク酸1.63gを加えて40℃で5時間撹拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.1を得た(Mw=11500、Mn=5300,アミン価(固形分)15mgKOH/g,酸価(固形分)5mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.1は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.17個及び(C)成分の水酸基を0.83個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.15個の比率でマイケル付加させ、更に、残存する水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(E)の酸無水物構造が0.1個の比率でエステル化させた構造を有している。
[実施例2]光硬化性樹脂No.2の製造
<ステップ1>1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)インダンの合成
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した2L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で1−インダノン200g及びフェノール855gを仕込み、硫酸59.4g、続いて3−メルカプトプロピオン酸16.1gを40℃以下でゆっくり滴下した。滴下後55℃で20時間撹拌し、酢酸エチル300g及び48質量%水酸化ナトリウム水溶液50.4gを加えて中和し、析出した結晶をろ過して粗生成物224gを得た。この粗生成物を酢酸エチル1450gに溶解し、5質量%酢酸アンモニウム水溶液500gで有機層がpH4〜5になるまで洗浄し、分液した有機層に無水硫酸マグネシウム50gを加えて乾燥した。溶媒を留去し、トルエン400gを加えて晶析した。得られた結晶をトルエンで分散洗浄後40℃で真空乾燥し、135gの1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)インダンを白色結晶として得た(収率29.5%)。
<ステップ2>1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンの合成
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した2L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下でステップ1で得られた1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)インダン29.2g及びエピクロルヒドリン142gを仕込み、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.412gを加えて74℃で14時間撹拌した。続いて60℃まで降温し、13000Paの減圧下で48質量%水酸化ナトリウム水溶液16.1gを滴下し、水と共沸してくるエピクロロヒドリンを系内に戻しながら2.5時間撹拌した。水の共沸が無くなった時点で徐々に昇温しながら減圧していき、120℃で2時間エピクロロヒドリンの留去を行った。常圧に戻し、トルエン205gを加えて3回水洗した。油水分離した有機層に48質量%水酸化ナトリウム水溶液3.99g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.412g及び水0.870gを加え、80℃で2.5時間撹拌した。室温まで冷却し、10質量%リン酸二水素ナトリウム水溶液0.692gを加えて中和し、3回水洗を行った。油水分離して得られた有機層をセライトでろ過し、溶媒を留去して、36.6gの1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンを淡黄色粘調物として得た(収率92%、エポキシ当量212)。
<ステップ3>光硬化性樹脂No.2の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した500mL四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物としてステップ2で得られた1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダン30.0g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸10.4g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.120g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.256g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート26.9gを仕込み、90℃で1時間、105℃で1時間及び120℃で17時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販の数平均分子量1000のポリプロピレングリコールモノメチルエーテル22.9g、(A)成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート12.0g、ジブチルスズジラウレート0.076g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート65.3gを加えて、70℃で2時間撹拌した。さらに室温まで冷却し、(D)成分としてジエタノールアミン2.83gを加えて、室温で2時間撹拌し、(E)成分として無水コハク酸5.39gを加えて40℃で5時間撹拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.2を得た(Mw=5400、Mn=3100,アミン価(固形分)20mgKOH/g,酸価(固形分)40mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.2は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.24個及び(C)成分の水酸基を0.76個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.19個の比率でマイケル付加させ、更に、残存する水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(E)の酸無水物構造が0.81個の比率でエステル化させた構造を有している。
[実施例3]光硬化性樹脂No.3の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した500mL四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物として1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニル〕−1−(4−ビフェニリル)−1−シクロヘキシルメタン(エポキシ当量279)33.0g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸6.22g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.082g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.153g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート10.5gを仕込み、90℃で1時間、100℃で1時間、110℃で1時間及び120℃で17時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販の数平均分子量1000のエチレングリコール/プロピレングリコール共重合物のモノメチルエーテル16.9g、(A)成分としてイソホロンジイソシアナート8.34g、ジブチルスズジラウレート0.055g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート62.9gを加え、70℃で2時間撹拌した。さらに室温まで冷却し、(D)成分としてN−メチルピペラジン0.986gを加えて室温で2時間撹拌し、(E)成分として無水テトラヒドロフタル酸1.50gを加えて、40℃で5時間撹拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.3を得た(Mw=13400、Mn=6500,アミン価(固形分)20mgKOH/g,酸価(固形分)10mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.3は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.23個及び(C)成分の水酸基を0.77個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.08個の比率でマイケル付加させ、更に、残存する水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(E)の酸無水物構造が0.16個の比率でエステル化させた構造を有している。
[実施例4]光硬化性樹脂No.4の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した1L四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量186)75.0g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸29.6、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.321g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.728g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート69.8gを仕込み、120℃で16時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販の数平均分子量2000のエチレングリコール/プロピレングリコール共重合物のモノメチルエーテル69.7g、(A)成分として2,4−トリレンジイソシアナート26.0g、ジブチルスズジラウレート0.201g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート231gを加え、70℃で2時間撹拌した。さらに室温まで冷却し、(D)成分としてN−メチルピペラジン3.59gを加えて室温で2時間撹拌し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.4を得た(Mw=9500、Mn=5200,アミン価(固形分)20mgKOH/g,酸価(固形分)0mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.4は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.12個及び(C)成分の水酸基を0.88個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.09個の比率でマイケル付加させた構造を有している。
[実施例5]光硬化性樹脂No.5の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した500mL四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物としてテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量194)50g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸18.9g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.209g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.465g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート46.0gを仕込み、90℃で1時間、100℃で1時間、110℃で1時間及び120℃で17時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販のアクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン5mol付加物32.7g、(A)成分として2,4−トリレンジイソシアナート15.7g、ジブチルスズジラウレート0.118g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート130gを加え、70℃で2時間撹拌した。さらに室温まで冷却し、(D)成分としてN−メチルピペラジン6.30gを加えて室温で2時間撹拌し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.5を得た(Mw=4700、Mn=2700,アミン価(固形分)60mgKOH/g,酸価(固形分)0mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.5は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.27個及び(C)成分の水酸基を0.73個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.24個の比率でマイケル付加させた構造を有している。
[実施例6]光硬化性樹脂No.6の製造
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却管及び温度計を付した1L四つ口フラスコに、二官能エポキシ化合物としてビナフトール型エポキシ樹脂(エポキシ当量199)30.0g、不飽和一塩基酸としてアクリル酸11.1g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.124g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.272g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート27.4gを仕込み、120℃で16時間撹拌して(C)成分を製造した。室温まで冷却し、(B)成分として市販の数平均分子量1000のエチレングリコール/プロピレングリコール共重合物のモノメチルエーテル19.6g、(A)成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート17.6g、ジブチルスズジラウレート0.078g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート118gを加え、70℃で2時間撹拌した。さらに室温まで冷却し、(D)成分としてジブチルアミン3.62gを加えて室温で2時間撹拌し、(E)成分として無水ヘキサヒドロフタル酸2.10gを加えて40℃で5時間撹拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である光硬化性樹脂No.6を得た(Mw=22000、Mn=8200,アミン価(固形分)20mgKOH/g,酸価(固形分)10mgKOH/g)。
尚、光硬化性樹脂No.6は、(A)成分のイソシアネート基1個に対し、(B)成分の水酸基を0.14個及び(C)成分の水酸基を0.86個の比率で付加させた後、(C)成分のエチレン性不飽和基1個に対し、(D)成分の活性水素を0.19個の比率でマイケル付加させ、更に、残存する水酸基1個に対し、多塩基酸無水物(E)の酸無水物構造が0.46個の比率でエステル化させた構造を有している。
[評価例1〜6]
実施例1〜6で得られた光硬化性樹脂No.1〜No.6の評価を以下のようにして行った。
<分散性評価>
[表1]に示す顔料10gに対し、上記実施例1〜6で得られた光硬化性樹脂No.1〜No.6(固形分換算)をそれぞれ7.5g加え、さらに32.5gのプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートを加えた。得られた分散液の質量は50gであった。撹拌機によりプレミキシングを行った後、遊星式撹拌装置により20〜45℃の範囲で15分間分散処理を行った。ビーズは0.1mmΦのジルコニアビーズを50g加えた。フィルターによりビーズと分散液を分離し、顔料組成物No.1〜No.6をそれぞれ得た。
分散性評価は、目視により分散性を観察することにより行なった。均一に分散してスラリー溶液を得たものを○、凝集がおこり沈降したものやゲル化したものを×とした。結果を[表1]に示す。
<光硬化性評価>
下記の配合により塗工液を調整し、得られた塗工液をアルミ基板にバーコーターで約1μmの厚さに塗布した。70℃で15分間乾燥した後、日本分光社製分光照射装置CT−25CPにより光源として超高圧水銀ランプを用いて露光し、ついでメチルエチルケトンに30秒浸漬後、キシレンによりリンスし、365nmにおける分光感度を測定した。感度は、365nmにおいて硬化に必要な最小の硬化エネルギーを、アルミ板上に残った硬化膜段数と365nmの射出光量より求めた。結果を[表1]に示す。
(配合)
顔料組成物No.1〜No.6 50.00部
ポリエーテルアクリレート(新中村化学工業社製「A−400」) 3.80部
ポリウレタンアクリレート(根上工業社製「UN−9000PEP」) 1.90部
光重合開始剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「Irg−907」)
1.10部
レベリング剤(ビックケミー社製「BYK−323」) 0.01部
プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート 43.19部
<密着性評価>
上記で調製した塗工液それぞれを、PETフィルム(東洋紡社製A4300)にバーコーターで約1μmの厚さに塗布した。70℃で15分間乾燥した後、コンベア型紫外線照射機を使用して180mJ/cmとなるよう紫外線を照射し塗工物を得た。密着性は、ニチバン社製セロハン粘着テープで貼って剥がし、剥がれの度合いを目視で観察し、塗膜の剥がれがほとんどなかったものを○、塗膜が一部剥がれたものを△、塗膜の大部分が剥がれたものを×とした。結果を[表1]に示す。
[比較評価例1〜3]
上記光硬化性樹脂No.1〜No.3を加えない以外は、上記評価例1〜3と同様の操作を行った。結果を[表1]に示す。
[比較評価例4〜7]
上記光硬化性樹脂No.4〜No.6に代えて[表1]に示す市販の分散剤を加えた以外は、上記評価例4〜6と同様の操作を行った。結果を[表1]に示す。
Figure 2010121070
[表1]の結果より、以下のことが明らかである。本発明の光硬化性樹脂を用いた顔料組成物は、市販の分散剤を用いた顔料組成物と同等の分散性を持つ。また、本発明の光硬化性樹脂を用いた顔料組成物から得られる塗工液は、市販の分散剤を用いた顔料組成物から得られる塗工液に比べて、塗膜時の光硬化性及び光硬化後の基材への密着性が高い。

Claims (10)

  1. ジイソシアネート化合物(A)に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜5000の化合物(B)及び同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)を付加させた後、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物(D)をマイケル付加させることによって得られる光硬化性樹脂。
  2. 上記同一分子内に水酸基を2個とエチレン性不飽和基を2個有する化合物(C)が、二官能エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の付加物である請求項1記載の光硬化性樹脂。
  3. 上記二官能エポキシ化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項2記載の光硬化性樹脂。
    Figure 2010121070
    (式中、Mは直接結合、炭素原子数1〜4のアルキリデン基、脂環式炭化水素基、O、S、SO2、SS、SO、CO、OCO又は下記[化2]で表される群から選ばれる置換基を表し、上記アルキリデン基はハロゲン原子で置換されていてもよく、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、R1及びR2は、連結して環構造を形成していてもよく、nは0又は1〜10の整数である。)
    Figure 2010121070
    (式中、Q及びBは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基若しくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Z及びEは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、A及びDは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜20の複素環基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基中のメチレン基は、不飽和結合、−O−又は−S−で中断されていてもよく、A及びDは、A同士、D同士又はAとDで環を形成していてもよく、その環は芳香環でもよく、R3は水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、pは0〜5の数を表し、kは0〜5の数を表し、aは0〜4の数を表し、dは0〜4の数を表す。)
  4. 上記二官能エポキシ化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である請求項2又は3記載の光硬化性樹脂。
    Figure 2010121070
    (式中、R1、R2、Q、Z、n及びpは、上記一般式(I)と同じである。)
  5. 上記二官能エポキシ化合物が、下記一般式(III)で表される化合物である請求項2又は3記載の光硬化性樹脂。
    Figure 2010121070
    (式中、R1、R2及びnは、上記一般式(I)と同じである。)
  6. 上記二官能エポキシ化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物である請求項2又は3記載の光硬化性樹脂。
    Figure 2010121070
    (式中、R1、R2、A、D、a、d及びnは、上記一般式(I)と同じである。)
  7. 上記二官能エポキシ化合物が、下記一般式(V)で表される化合物である請求項2記載の光硬化性樹脂。
    Figure 2010121070
    (式中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、R4及びR5は、連結して環構造を形成していてもよく、nは、上記一般式(I)と同じである。)
  8. SEC(Size Exclusion Chromatgraphy)で測定されるポリスチレン換算の質量平均分子量が1000〜50000である請求項1〜7の何れかに記載の光硬化性樹脂。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の光硬化性樹脂に、さらに多塩基酸酸無水物(E)をエステル化させて得られる光硬化性樹脂。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の光硬化性樹脂を有効成分とする分散剤。
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