JP2010119907A - 除湿ロータの外周シール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度なシール性能を有すると同時に、シール材と除湿ロータとの摩擦力を大幅に低減し、シール材の摩耗に伴う除湿効率の低下や処理空気の汚染、シール能力の劣化を抑制した除湿ロータの外周シール構造とする。
【解決手段】除湿ロータ2の端面に設けられたロータフランジ10と、前記外枠3に固設されるとともに、前記ロータフランジ10の外側端面に対して面接触する平行配置部11aを備える第1外周シール部材11と、前記ロータフランジ10及び第1外周シール部材11の平行配置部11aが共に嵌合される凹部13aを有するとともに、前記ロータフランジ10の背面に固定部を有する第2外周シール部材13とから構成され、前記凹部13a内で前記ロータフランジ10、第1外周シール部材11及び第2外周シール部材13は、相互に押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の流路に跨って配設された回転式の除湿ロータの端面外周部におけるシール構造に関する。
従来より、外部から室内への給気路と室内から外部への排気路とを隣接配置するとともに、少なくとも前記給気路と排気路とに跨るようにして、吸着材を内蔵した回転式の除湿ロータを配設し、外気が前記除湿ロータを通過して空気調整された後室内に供給され、室内空気が前記除湿ロータを通過して空気調整された後外部に排気されるように構成された除湿装置が知られている。
前記除湿ロータは、通常、略円筒形状に形成された本体部の円周方向に、前記給気路に介在し導入空気に含まれる水分量を除湿する処理領域と、前記排気路に介在し吸着材が吸着した水分を高温空気により再生する再生領域と、前記再生領域の前段であって再生領域と処理領域との間で除湿効率を高めるためのパージ領域とに画成され、本体部の中心部を流路方向に沿って設けられた回転軸が駆動モータによって回転可能とされることで、連続的な空気の処理を行っている。
前記除湿ロータの端面には、各流路同士を区分するため除湿ロータの端面に仕切シールが設けられるとともに、除湿ロータの外部と内部を区分するため外周シールが設けられている。
前記外周シールとしては、従来より、図4に示されるように、外枠51の内部に配設され、中心部を流路方向に沿って設けられた回転軸53によって回転可能に支持されるとともに吸着材54を内蔵した除湿ロータ52の外周部において、前記外枠51の端面から内側に延在する延在部に、断面L字形の接続部材55が固定手段56によって固定され、この接続部材55の先端に、耐熱性を有するゴム材などからなり、前記除湿ロータ52の端面外周部に当接されるシール材57が接着固定されたシール構造50が知られている。
また、下記特許文献1では、図5に示されるように、シール材61とケーシング62に固定された連結部63との間にロッド部材64を囲繞するスプリング65を介装してシール材61をロータ66の端面に向けて弾性偏倚しているシール装置60が開示されている。これにより、前記スプリング65の弾性力及び復元力を利用してロータ66の端面の凹凸に沿ってシール材61が追従できるようになるなどの効果が記載されている。
下記特許文献2では、図6に示されるように、シール部材71の先端部72が除湿ロータ73の端面に弾性変形して圧接可能としてあるシール装置70が開示されている。これにより、シール部材71は、支持部材から周方向に均一な押圧力を受けるため、先端部72が除湿ロータ73に対し周方向に均一な力で圧接することができるようになるなどの効果が記載されている。
さらに、下記特許文献3では、図7に示されるように、シール材81がボルト82及びL金具83を介してケーシング84に取り付けられるとともに、スプリング85によってハニカム状ロータ86に対して弾圧されており、スプリング85に抗する力を受けると上に上がる構成としてあるシール装置80が開示されている。
特許第3570621号公報 特開2004−100940号公報 特開2004−130189号公報
しかしながら、図4に示される従来のシール構造50では、シール材を除湿ロータに当接させた状態で除湿ロータを回転駆動しているため、シール材と除湿ロータとの接触による摩擦力が発生する。さらに、上記特許文献1〜3記載のシール装置60、70、80はいずれも、シール材を弾性支持して、除湿ロータに押し付けることにより除湿ロータとの接触を維持しようとするものであるため、この弾性力に比例した摩擦力が余分に発生する。このため、従来のシール構造では、長時間の運転によりシール材の摩耗が進行しやすく、摩耗したシール材の粒子が飛散して除湿ロータの流路に付着することで、除湿効率の低下の原因となっていたほか、処理空気に混入した粒子が装置外部まで運ばれることで処理空気自体が汚染されるという問題が発生していた。また、シール材の摩耗が進むことによってシール能力が低下して、シール材を介した装置外部への空気の漏れの増加が懸念されていた。かかる装置外部へのリーク空気量の増加は、除湿装置の運転エネルギーの損失ともなっていた。
ところで、半導体や液晶のデバイス製造プロセスや、リチウム電池等の二次電池製造プロセスにおいては、水分が殆ど除去された低露点の室内環境にする必要があり、乾式の除湿ロータを備えた除湿装置がこれらの空調装置として適用される事例が増加している。このとき除湿装置に要求される処理空気の露点温度は、一般に−50℃〜−80℃である。このような低露点空気の製造においては、一般空調で用いる除湿ロータに比べて流路方向のロータの厚さを増すことで、水分の除湿率を高めるようにしている。このようにロータ厚さを増加させると、これに比例して通過する空気の圧力損失も増加するため、低露点空気製造用の除湿装置では、一般空調用の除湿装置に比べて送気ファンの静圧を高くする必要がある。これに伴い、除湿ロータの各領域における領域間の差圧及び装置外部(大気圧)との差圧も増加するため、低露点空気製造用の除湿装置では、一般空調用の除湿装置に比べて、シール部からのリーク空気量が増加する傾向にある。したがって、上述のシール構造では、より大きな弾性力によってシール材を除湿ロータに押さえ付けなければならず、上述したシール材の摩耗などの問題がより顕著となる。
そこで本発明の主たる課題は、高度なシール性能を有すると同時に、シール材と除湿ロータとの摩擦力を大幅に低減し、シール材の摩耗を抑制するとともに、シール材の摩耗に伴う除湿効率の低下や処理空気の汚染、シール能力の劣化を抑制し、かつ運転エネルギーの効率を高めた除湿ロータのシール構造を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、外枠と、この外枠内に回転自在に設けられた除湿ロータの外周との間のシール構造であって、
前記除湿ロータの端面より外側に延在して設けられたロータフランジと、前記外枠に固設されるとともに、前記ロータフランジの外側端面に対して面接触する平行配置部を備える第1外周シール部材と、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材の平行配置部が共に嵌合される凹部を有し、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材を一体的に覆うように配設されるとともに、前記ロータフランジの背面に固定部を有する第2外周シール部材とから構成され、
前記凹部内で前記ロータフランジ、第1外周シール部材及び第2外周シール部材は、相互に押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態で取り付けられていることを特徴とする除湿ロータの外周シール構造が提供される。
上記請求項1記載の発明では、前記除湿ロータの端面より外側に延在してロータフランジを設け、このロータフランジの外側端面に対して面接触する平行配置部を備える第1外周シール部材を前記外枠に固設するとともに、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材の平行配置部が共に嵌合される凹部を有し、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材を一体的に覆うように配設されるとともに、前記ロータフランジの背面に固定部を有する第2外周シール部材を設けることによって除湿ロータの外周シール構造が構成されている。このとき、前記凹部内で前記ロータフランジ、第1外周シール部材及び第2外周シール部材は、相互に押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態で取り付けられている。
このため、従来のシール構造に比べて、第1外周シール部材、ロータフランジ及び第2外周シール部材との間の摩擦力を大幅に低減することができ、各部材の摩耗が抑制できるとともに、各部材の摩耗に伴う除湿効率の低下や処理空気の汚染、シール能力の劣化も抑制でき、かつ各部材間の摩擦力によるエネルギー損失が低減するため、運転エネルギーの向上にもつながるようになる。
ところで、前記第2外周シール部材の支持構造としては、前記第1外周シール部材に接合する構造とすることも可能であるが、そのようにすると、除湿ロータの回転精度を高めなくてはならないとともに、本シール構造の組立て及びロータフランジと第2外周シール部材との間の位置調整の作業性が悪くなる。更に、シール部材のメンテナンスが困難となるなどの問題が生じるため、前記第2外周シール部材は、前記ロータフランジの背面に固着させるようにしてある。
請求項2に係る本発明として、前記第1外周シール部材は、前記平行配置部が前記ロータフランジの外側端面に対して接離する方向に位置調整可能に設けられている請求項1、2いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造が提供される。
上記請求項2記載の発明は、第1外周シール部材を取付ける際、ロータフランジに押し付け力が発生しないようにするため、平行配置部(シール部)を、前記ロータフランジの外側端面に対して接離する方向に位置調整可能としたものである。例えば、外枠との固定手段としてボルト・ナットでの締結構造を採用するとともに、ボルト孔を長孔とし、ボルト孔内でボルト位置を調整することにより前記第1外周シール部材の位置調整を可能とする。
請求項3に係る本発明として、前記第1外周シール部材及び第2外周シール部材は、耐熱性を有するゴム材で構成されている請求項1、2いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記第1外周シール部材及び第2外周シール部材として、耐熱性を有するゴム材で構成する。除湿ロータの製作精度によっては金属製とすることも可能であるが、柔軟性が無く高い製作精度が要求されるため、導入コストが割高となる傾向にある。ゴム材で構成しても各部材間に隙間を生じ難くすることが可能であり、十分なシール性能を持たせることが可能である。但し、流通空気が高温のため劣化や変形が起こる可能性があるため耐熱性を有するシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱性を有するゴム材とする。
請求項4に係る本発明として、前記除湿ロータは、流路方向に2以上の多段で設けられ、それぞれに前記外周シール構造を有している請求項1〜3いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造が提供される。
上記請求項4記載の発明では、除湿ロータを流路方向に2以上の多段で設けた場合においても本シール構造が採用できるようにした。この場合、単段の除湿ロータを用いて製造される処理空気の露点温度(例えば露点温度−50℃以下)より低い処理空気の露点温度(例えば露点温度−70℃以下)とすることができるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、シール材と除湿ロータとの摩擦力を大幅に低減し、シール材の摩耗を抑制するとともに、シール材の摩耗に伴う除湿効率の低下や処理空気の汚染、シール能力の劣化を抑制し、かつ運転エネルギーの効率を高めた除湿ロータの外周シール構造が提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は除湿ロータ2の斜視図、図2は本発明に係る除湿ロータのシール構造1の要部拡大断面図である。
本発明に係る除湿ロータの外周シール構造1は、外枠3と、この外枠3内に回転自在に設けられた除湿ロータ2の外周との間をシールするためのものであって、前記除湿ロータ2の両端面の外周部全長に亘って設けられるものである。
前記外枠3は、前記除湿ロータ2を囲繞する枠体であり、両端面には、除湿ロータ2に各流路が接続可能なように開口が設けられている。
前記除湿ロータ2は、回転ドラム状に形成されたケーシング4の両端面に網目状、ハニカム状、スリット状などの通気構造が備えられ、前記ケーシング4の内部にはシリカゲル等の水分の吸脱着性能に優れた固形の吸着材5が内蔵されている。各流路の気体は、前記通気構造を通って除湿ロータ2の内部を通過することができ、その際に内蔵する吸着材5の水分の吸・脱着作用によって湿度調整が行われるようになっている。この除湿ロータ2は、中心部に流路方向に沿って設けられた回転軸6によって回転自在に支持され、駆動モータによって前記回転軸6を連続的に回転させることにより、各流路に介在する吸着材5を入れ替えるようにしている。また、前記除湿ロータ2の両端面の外周部には、後段で詳述するロータフランジ10が設けられている。
前記除湿ロータ2の両端面には、外部から室内への給気路と、室内から外部への排気路と、吸着材の再生効率を高めるための高温空気が流通するパージ流路とが接続可能に形成されている。また、前記除湿ロータ2は、周方向に、前記給気路に介在し吸着材5が導入空気に含まれる水分量を除湿する処理領域7aと、前記排気路に介在し吸着材5が吸着した水分を高温空気により再生する再生領域7bと、前記パージ流路に介在し前記再生領域7bでの再生効率を高めるためのパージ領域7cとに画成されるようになっている。
前記各流路は、除湿ロータ2の端面において、中心部から放射状に設けられた仕切りシール8、8…によって、それぞれ仕切られている。前記仕切りシール8は、従来のシール構造(例えば図4の構造)と同様に、除湿ロータ2の端面に耐熱性を有するゴム材からなるシール部材を当接させる構造などとすることができる。
以下、前記外周シール構造1についてより具体的に詳述する。
外周シール構造1は、除湿ロータ2の端面より外側に延在して設けられるロータフランジ10と、前記外枠に固設されるとともに、前記ロータフランジ10の外側端面に対して面接触する平行配置部(以下、シール部11a)を備える第1外周シール部材11と、前記ロータフランジ10及び第1外周シール部材11の平行配置部11aが共に嵌合される凹部13aを有し、前記ロータフランジ10及び第1外周シール部材11を一体的に覆うように配設されるとともに、前記ロータフランジ10の背面に固定部を有する第2外周シール部材13とから構成されている。
このとき、前記凹部13a内では、前記ロータフランジ10、第1外周シール部材11及び第2外周部材13は、相互に押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態で取り付けられている。
前記ロータフランジ10は、前記ケーシング4と同様の素材によって構成することができ、ケーシング4の端縁に対して外周方向に面一で、全周に亘って設けられている。
前記第1外周シール部材11は、前記ロータフランジ10に対して平行配置されるシール部11aと、外枠3の開口縁部から内側に延在するブラケット枠3aに対して固定手段12によって固設される固定部11bとを有する断面略L字形のリング状部材であり、その外径は前記ロータフランジ10の外径と略同等に形成されるとともに、その内径は前記ケーシング4の内径と略同等に形成されている。この第1外周シール部材11は、前記固定部11bの周方向に適宜の間隔で複数のボルト通孔が設けられるとともに、前記ブラケット枠3aにも周方向に適宜の間隔で対応するボルト通孔が設けられ、これら固定部11b及びブラケット枠3aを連通するボルト・ナットなどの固定手段12によって、前記外枠3に固定されている。
前記第2外周シール部材13は、内面側に凹部13aが設けられた断面略コの字形のリング状部材であり、前記凹部13aには、ロータフランジ10及び第1外周シール部材11のシール部11aが嵌合されるようになっている。この第2外周シール部材13は、ロータフランジ10の背面に対して接着剤14によって接着されている。
前記第2外周シール部材13の凹部13a内では、前記ロータフランジ10、第1外周シール部材11及び第2外周シール部材13が、互いに押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態で取り付けられている。
前記外周シール構造1によって、外部へのリーク空気をほぼゼロとすることができる。発明者の実験では、本シール構造を採用した除湿ロータでは、除湿ロータ内部の圧力が1500Pa程度であっても、ロータ外部へのリーク空気がほぼゼロとなることが確認された。また本シール構造は、第1外周シール部材11をロータフランジ10に押し付ける必要が無いため、シール強度が劣化せず、長期間シール性能を維持することができる。さらに、押し付け力に起因するロータフランジ10とのせん断力がほとんど生じないため、ロータ本体が円滑に回転でき、ロータの回転駆動に必要な駆動モータのトルクを軽減することができる。
ここで、前記第1外周シール部材11及び第2外周シール部材13は、十分な耐熱性を有するとともに、動摩擦係数が小さく、表面が平滑である材質のものを用いることが望ましい。
前記第1外周シール部材11の材質については、目的や用途によって種々の耐熱性を有する素材、例えば金属やゴム材などを使用することが可能である。前記第1外周シール部材11を金属製とした場合には、除湿ロータ2に高い製作精度が求められることとなり、除湿ロータ2の製作コストが割高となる。このため、前記第1外周シール部材11は耐熱性を有するゴム材で構成することが好ましい。前記第1外周シール部材11をゴム材とした場合、低露点空気を製造する除湿装置への適用にあたっては、再生領域に導入される再生空気温度が120℃〜140℃と高温になるため、高温での劣化や変形が生じにくい材質(例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等)を用いることが望ましい。一方、金属製の第1外周シール部材11とした場合には、このような高温に対する材料変形のリスクを低減できるという利点を有する。
前記第2外周シール部材13の材質についても前記第1外周シール部材11と同様に考えることができる。第2外周シール部材13は、直接、除湿ロータ2内部の空気に晒されることは無いが、ロータ回転数が1〜3rph程度の低回転では、熱伝導によりシール材の温度上昇が起こるため、シリコン等の耐熱性を有する材質のものを用いることが望ましい。仮に前記第1外周シール部材11を金属製とした場合は、この第1外周シール部材11と第2外周シール部材13との間の面接触状態を維持するため、第2外周シール部材13についてはゴム製とすることが望ましい。
ところで、前記第2外周シール部材13をロータフランジ10に固着するための前記接着剤14についても、耐熱温度が再生空気温度以上の耐熱性を有するものを使用する。
以上の構成からなる外周シール構造1の組立ては、先ず前記第2外周シール部材13の凹部13aとロータフランジ10の背面側とを接着剤14によって接着する。次いで、ロータフランジ10の端面側と第2外周シール部材13との間に、第1外周シール部材11のシール部11aを挿入するとともに、第1外周シール部材11のシール部11aがロータフランジ10側又は第2外周シール部材13側に過度に偏倚しないように位置調整しながら、固定手段12によって第1外周シール部材11を外枠3(ブラケット枠3a)に固定する。
前記固定手段12としては、図2に示されるように、ブラケット枠3a及び第1外周シール部材11の固定部11bの通孔を連通させ、外側からボルト12aを挿通するとともに、その内周に周設された固定リング12cに設けられた通孔にも挿通した上で、その内側からナット12bで固定した構造とすることができる。この場合、前記第1外周シール部材11を前記ロータフランジ10の外側端面に対して接離する方向に位置調整可能とするには、第1外周シール部材11の前記通孔を縦方向に長い長孔とすればよい。
上述の通り前記第2外周シール部材13は、前記ロータフランジ10に接着されることにより、除湿ロータ2と一体的に回転するようになっている。ここで、前記第2外周シール部材13をロータフランジ10に接着せずに、図3に示されるように、第2外周シール部材11に接着することも考えられる。しかし、このようにすると、円周方向に均一なシールを実現するためには、ロータフランジ10の回転精度を相当に高める必要があり、回転精度の向上に製作コストがかかる。また、外周シール構造1の組立てにおいても、第2外周シール部材13と第1外周シール部材11とを接着した上でロータフランジ10に組み込まなければならず、狭隘な部分での作業性に問題を生じると同時に、ロータフランジ10と第2外周シール部材13との間の位置調整が面倒となり、且つ第1外周シール部材11の交換などメンテナンスが困難となるなどの問題を生じる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例の除湿ロータ2について、流路方向に直列して2以上の多段で設け、それぞれの除湿ロータ2に上記外周シール構造1を有するようにしても良い。これにより、単段の除湿ロータ2を用いて製造される処理空気の露点温度(例えば露点温度−50℃以下)より低い処理空気の露点温度(例えば露点温度−70℃以下)とすることができるようになる。
除湿ロータ2の斜視図である。 本発明に係る除湿ロータのシール構造1の要部拡大断面図である。 他の形態のシール構造1の要部拡大断面図である。 従来のシール構造50を示す要部拡大断面図である。 特許文献1のシール構造60を示す断面図である。 特許文献2のシール構造70を示す断面図である。 特許文献3のシール構造80を示す断面図である。
符号の説明
1…シール構造(外周シール)、2…除湿ロータ、3…外枠、4…ケーシング、5…吸着材、6…回転軸、10…ロータフランジ、11…第1外周シール部材、12…固定手段、13…第2外周シール部材、14…接着剤

Claims (4)

  1. 外枠と、この外枠内に回転自在に設けられた除湿ロータの外周との間のシール構造であって、
    前記除湿ロータの端面より外側に延在して設けられたロータフランジと、前記外枠に固設されるとともに、前記ロータフランジの外側端面に対して面接触する平行配置部を備える第1外周シール部材と、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材の平行配置部が共に嵌合される凹部を有し、前記ロータフランジ及び第1外周シール部材を一体的に覆うように配設されるとともに、前記ロータフランジの背面に固定部を有する第2外周シール部材とから構成され、
    前記凹部内で前記ロータフランジ、第1外周シール部材及び第2外周シール部材は、相互に押し付け力を加えることなく、隙間無く面接触させた状態で取り付けられていることを特徴とする除湿ロータの外周シール構造。
  2. 前記第1外周シール部材は、前記平行配置部が前記ロータフランジの外側端面に対して接離する方向に位置調整可能に設けられている請求項1、2いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造。
  3. 前記第1外周シール部材及び第2外周シール部材は、耐熱性を有するゴム材で構成されている請求項1、2いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造。
  4. 前記除湿ロータは、流路方向に2以上の多段で設けられ、それぞれに前記外周シール構造を有している請求項1〜3いずれかに記載の除湿ロータの外周シール構造。
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