JP4128942B2 - 蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置 - Google Patents

蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置 Download PDF

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本発明は、蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置に係り、特に揮発性有機物質( Volatile Organic Compound、以下、VOC という)を含む排ガスを燃焼処理する装置であって、被処理ガスが高温または硬質ダストを含有する場合であっても、高いガスシール性を確保することができる蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置に関する。
近年の環境規制の強化に伴い、各種事業所等における環境装置のニーズが高まっており、メンテナンス性に優れた排ガス処理装置の需要も増加傾向にある。
例えば、塗装、金属洗浄、印刷工場等から発生するトルエン、キシレン等のVOCを含んだ排ガスは、通常、蓄熱式排ガス処理装置に導入して燃焼処理される。図1は、このような蓄熱式排ガス処理装置を示す説明図である。図1において、この装置は、熱源5が内蔵された燃焼炉4と、該燃焼炉4にそれぞれ連結され、相互に区画された固定蓄熱室3Aおよび3Bと、該蓄熱室3A、3BへVOC含有ガス1、処理済みガス6および/または図示省略したパージガスを流入もしくは流出させるための回転分配弁(以下、分配弁装置という)2とから主として構成されている。
VOC含有ガス1は、分配弁装置2によって、例えば蓄熱室3Aに供給され、ここで所定温度まで加熱された後、燃焼炉4に入り、熱源5によって燃焼温度まで加熱されて燃焼し、無害化された後、180度方向転換して流入時に通過した蓄熱室3Aとは別の蓄熱室3Bに流入し、ここで燃焼熱が回収された後、分配弁装置2を経て処理済みガス6として系外へ放出される。
このような蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置は、排ガス処理装置におけるガスの分配と流路切替によって熱回収に寄与する重要機器として位置付けられている。図6は、従来の分配弁装置を示す展開図である。図6において、この装置は、図示省略した燃焼炉と、該燃焼炉にそれぞれ連通する複数の蓄熱室を有する仕切り室11と、該仕切り室11の一の蓄熱室を経て燃焼炉へ流入する被処理ガスと別の蓄熱室を経て燃焼炉から流出する処理済みガスの流れを順次切り替える分配弁装置とを備えた蓄熱式排ガス処理装置の前記分配弁装置であって、仕切り室11の全蓄熱室に連通するように設けられた、被処理ガスの流路12と処理済みガスの流路13とを有する多重管ヘッダ14と、該多重管ヘッダ14と前記仕切り室11との間に配置された図示省略した固定弁と、該固定弁に当接するように設けられ、前記固定弁と協働して前記多重管ヘッダ14の各ガス流路12、13と前記仕切り室11の各蓄熱室とを順次連通または遮断させる回転弁15とを有し、該回転弁15の前記多重管ヘッダ14を形成する外管16、内管18および該内管18の内側に同心円状に設けられたパージガス供給管22との摺接面にそれぞれ環状の摺動材26を配置したものである。23は、回転弁15の回転軸、24Aおよび24Bは、回転弁15に設けられた分配用開口、25は、仕切り室11の蓄熱室をそれぞれ図示省略した燃焼炉に連結する接続管である。
なお、仕切り室11は、上下方向に自由に動くよう、下部ケーシングと外周部で心ずれおよび回転方向(水平方向)のみ固定されている。上部ケーシングと下部ケーシングを固定する構造の場合は、回転弁と上部ケーシングとの間に隙間ができるが、性能上問題ない隙間寸法とするか、またはパッキンやラビリンス構造によって対処されている。
このような装置において、図示省略した駆動装置によって回転弁15が所定速度で回転されると、被処理ガスであるVOC含有ガスは、パージガス供給管22と内管18とで形成される断面環状の被処理ガス流路12を流通し、回転弁15のガス分配用開口24Aを経て仕切り室11の一の蓄熱室に流入し、ここで所定温度に加熱されたのち接続管25を経て図示省略した燃焼炉に流入し、該燃焼炉内でさらに加熱されてVOCが消失する。VOCが消失した排ガスは、方向転換し、別の接続管25を経て、仕切り室11の別の蓄熱室に流入し、ここで燃焼熱が回収されたのち、回転弁15の排出ガス用のガス分配用開口24Bを経て多重管ヘッダー14の内管18と外管16とで形成される断面環状の処理済みガス流路13に流入し、処理済みガスとして系外に放出される。
特開平06−109385号公報 特開平07−305824号公報 特開平10−061940号公報 特開2001−004127号公報
上記従来技術は、回転弁と摺動材との接触部がガスシール部となって優れたガスシール性が発揮されるが、回転弁の自重を支持する支持部がガスシール部を兼ねているために、被処理ガスに硬質ダストが含まれる場合、または被処理ガスが、例えば200℃を越える高温の場合は、次のような問題があった。
すなわち、硬質ダストによって摺動材の摩耗速度が促進され、その交換頻度が著しく増大するにもかかわらず、回転弁支持部がガスシール部を兼ねていたために摺動材の交換が煩雑になること、および回転弁または該回転弁支持部の熱変形等によるシール部の垂直移動に対し、ロバスト的でないことに起因して摺動材に偏摩耗が生じ易く、長期安定なガスシール性を確保できないという問題があった。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、常温用シール材が適用できないような高温度雰囲気においても、また被処理ガスが硬質ダストを含む場合であっても、ガスの漏洩を防止して優れたガスシール性を発揮することができる、蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は、被処理ガス流路、処理済みガス流路およびパージガス流路を有する三重管ヘッダと回転弁との摺接面構造、および回転弁の支持体構造等について種々検討したところ、回転弁の支持部とガスシール部とを分離させることにより、構成部材の熱変形等の外乱の影響を受け難いシール機構が構築され易くなることを知得し、この知見に基づいて鋭意研究した結果、多重管ヘッダの外周部に、回転弁の外周部を支持する軸受を設けるとともに、回転弁における、多重管ヘッダの被処理ガス流路と処理済みガス流路を区画する内管が対向する位置に円形のウェアリングを設け、該ウェアリングの被処理ガス流路側全周に、前記内管に摺接してウェアリングと内管との隙間をシールする可撓性シール材を配置することにより、被処理ガスと処理済みガスとの差圧を利用して前記シール材がウェエリングと内管の内周面に密着してその隙間がシールされることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本願で特許請求する発明は、以下のとおりである。
(1)燃焼炉と、該燃焼炉にそれぞれ連通する複数の蓄熱室を有する仕切り室と、該仕切り室の一の蓄熱室を経て前記燃焼炉へ流入する被処理ガスと別の蓄熱室を経て燃焼炉から流出する処理済みガスの流れを順次切替える分配弁装置とを備えた蓄熱式排ガス処理装置の前記分配弁装置であって、前記仕切り室の全蓄熱室に連通するように設けられた、少なくとも被処理ガスと処理済みガスの流路を有する多重管ヘッダと、該多重管ヘッダと前記仕切り室との間に配置された固定弁と、該固定弁に当接するように設けられ、前記固定弁と協働して前記多重管ヘッダの各ガス流路と前記仕切り室の各蓄熱室とを順次連通または遮断させる回転弁とを有し、前記多重管ヘッダの外周部に、前記回転弁の外周部を支持する軸受を設けるとともに、前記回転弁における、前記多重管ヘッダの被処理ガス流路と処理済みガス流路を区画する内管が対向する位置に円形のウェアリングを設け、該ウェアリングの被処理ガス流路側全周に、前記内管の内周面に摺接してウェアリングと内管との隙間をシールする可撓性シール材を配置したことを特徴とする蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置。
(2)前記可撓性シール材を、複数の短冊状のシール材で形成し、それぞれ周方向に一部重複させながら前記ウェアリングの被処理ガス流路側全周に暖簾状に吊り下げたことを特徴とする上記(1)に記載の分配弁装置。
(3)前記短冊状シール材を、2枚〜5枚重ね合せて前記ウェアリングに取り付けたことを特徴とする上記(2)に記載の分配弁装置。
(4)前記短冊状シール材を、所定のあそび幅を設けて前記ウェアリングに取付けたことを特徴とする上記(2)または(3)に記載の分配弁装置。
(5)前記多重管ヘッダの内管の端部に、該内管を前記ウェアリング方向に延長するシールリングを設けるとともに、前記ウェアリングの処理済みガス流路側全周に、被処理ガス流路側と同様の可撓性シール材を取付けて二つの可撓性シール材の端部をそれぞれ前記シールリングの内周面および外周面に摺接させ、前記二つの可撓性シール材とシールリングと前記ウェアリングとで環状の空間部を形成し、該空間部へシール空気を投入する手段を設けたことを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の分配弁装置。
(6)前記多重管ヘッダの内管内に、前記仕切り室の各蓄熱室にパージガスを導入するパージガス供給管を設けたことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の分配弁装置。
(7)燃焼炉と、該燃焼炉にそれぞれ連通する複数の蓄熱室を有する仕切り室と、該仕切り室の一の蓄熱室を経て前記燃焼炉へ流入する被処理ガスと別の蓄熱室を経て燃焼炉から流出する処理済みガスの流れを順次切替える分配弁装置とを備えた蓄熱式排ガス処理装置において、前記分配弁装置として、上記(1)〜(6)の何れかに記載の分配弁装置を用いたことを特徴とする蓄熱式排ガス処理装置。
本願の請求項1に記載の発明によれば、熱変形等の外乱に対して影響の少ないシール機構が構築され、しかも摺動材の摩耗に対する追従性が向上するので、排ガスが、例えば200℃を越えるような高温であっても、また、シリカ等に代表されるような硬質ダストを含んでいても迅速な対応により長期間安定して高いガスシール性を確保することができる。
本願の請求項2に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、シール材の密着性およびガスシール性が向上する。
本願の請求項3に記載の発明によれば、上記発明と同様、ガスシール性が向上する。
本願の請求項4に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、シール材の自由度が増大し、密着性およびガスシール性がより向上する。
本願の請求項5に記載の発明によれば、被処理ガスと処理済みガスの混合を確実に防止することができる。
本願の請求項6に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、被処理ガスと処理済みガスとの切り替え時に蓄熱室内にパージガスを流通させることができるので、ガスの混合防止効果が向上する。
本願の請求項7に記載の発明によれば、排ガスが、例えば200℃を越えるような高温であっても、また、シリカ等に代表されるような硬質ダストを含んでいても長期間安定して高いガスシール性を確保できる蓄熱式排ガス処理装置が得られる。
本発明の蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置は、回転弁支持構造とガスシール構造を分離したものである。すなわち、本発明において回転弁は、その外周部が多重管ヘッダの最外周部に設けられた軸受けによって支持されており、ガスシールは、回転弁における、多重管ヘッダの被処理ガス流路と処理済みガス流路を区画する内管が対向する位置に円形のウェアリングを設け、該ウェアリングの被処理ガス流路側全周に、前記多重管ヘッダの内管の内周面と摺接してウェアリングと内管との隙間をシールする可撓性シール材を配置することによって被処理ガスと処理済みガスをシールするようにしたものであり、熱膨張による構成部材の歪み、延び等に対して柔軟に対応できるようにしたものである。
本発明において、可撓性シール材とは、例えば板ばねに代表されるものであり、特殊素材のものではなく、一般に市場に流通している汎用素材で構成され、入手が容易で、かつ経済的なものである。可撓性シール材は、複数の短冊状のもので構成され、それぞれシール面の周方向に一部重複させながら、ウッアリングの内側に暖簾状に吊り下げて配列することが好ましい。これによって、シール面への密着性が向上し、ガスシール性が高くなる。また短冊状の可撓性シール材を、2〜5枚重ねて用いることにより、より高いガスシール性が得られる。さらに短冊状のシール材を、所定のあそび幅、例えば0.5mm程度のあそび幅を設けてウェアリングの所定位置に取付けることが好ましい。これによってシール材の自由度が増大し、シール面への密着性およびガスシール性がより向上する。
本発明において、ウェアリングの被処理ガス流路側だけでなく、処理済みガス流路側にも同様の可撓性シール材を取付け、二つの可撓性シール材の下端をそれぞれ多重管ヘッダの内管またはこれ延長するシールリングの内周面および外周面に摺接させ、二つの可撓性シール材と内管またはシールリングとウェアリングとで環状の空間部を形成し、該空間部に被処理ガスと処理済みガスとの混合を防止するシール空気を投入する手段を設けることもできる。このような構成とすることにより、被処理ガスと処理済みガスとの混合をより確実に防止することができる。
図2は、本発明の一実施例である蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置を示す展開図、図3および図4は、それぞれ図2の要部を示す拡大断面図およびその部分断面図である。図2において、この装置は、蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置であって、図6の従来技術と異なるところは、図4に拡大して示したように、回転弁15の外周部を多重管ヘッダ14の外周部に設けた軸受け17で支持するとともに、被処理ガス流と処理済みガス流をシールする摺動材26に代えて、回転弁15における、多重管ヘッダ14の被処理ガス流路12と処理済みガス流路13を区画する内管18が対向する位置に円形のウェアリング19を設け、該ウェアリング19の被処理ガス流路側全周に、前記内管18またはこれを延長するシールリング21の内周面に摺接してウェアリング19とシールリング21との隙間をシールする可撓性シール材20を配置した点であり、軸受け17として、例えば滑り軸受または転がり軸受が使用され、典型的にはベアリングローラーに代表されるころ軸受が採用される。
このような構成において、被処理ガスは、図6の装置と同様に仕切り室11の一の蓄熱室を経て図示省略した燃焼炉に導入され、VOCが燃焼処理されたのち、処理済みガスとして他の蓄熱室を経て流出し、系外へ排出される。このとき、被処理ガスと処理済みガスとのシールは、回転弁15に取付けられたウェアリング19の高圧ガス側、すなわち被処理ガス流路12側である内周面全周に配列された可撓性シール材としての板ばねが、図3に示したように、被処理ガスと処理済みガスとの圧力差に起因して前記ウェアリング19と多重管ヘッダ14の内管の上端部に設置されたシールリング21に面接触してその間の隙間をシールすることによって達成される。
本実施例によれば、回転弁15の支持部とガスシール部とを分離させたことにより、熱膨張による回転弁15の歪み、延び等、またはガスシール不全に対し、回転弁支持部に影響を与えることなく、可撓性シール材20のみを交換することによって迅速に対応してガスシール性を維持することができる。そして、このような分配弁装置を蓄熱式排ガス処理装置に適用することにより、排ガスが、例えば200℃を越えるような高温であっても、また、シリカ等に代表されるような硬質ダストを含んでいても長期間安定して高いガスシール性を確保しつつ燃焼処理することができる。
本実施例において、可撓性シール材20は、図4等に示したように、ウェアリング19に完全に固定されることなく、所定のあそび幅、例えば0.5mm程度のあそび幅を持たせて暖簾のように吊した状態に取り付けることが好ましい。これによって、可撓性シール材20の自由度が増大し、被処理ガスと処理済ガスとの差圧の作用によって移動し易くなり、ウェアリング19とシールリング21との隙間に密着してガスシール性が向上する。なお、ウェアリング19とシールリング21の隙間は環状であるが、シール材20が可撓性であるために、内周面の円弧に追従して変形するので、前記隙間を完全にシールすることができる。
本実施例において、図4に示したように、回転弁15とその上部部材、例えば固定弁との間に、被処理ガスの処理済みガス側への漏洩を防止するダムリング28を設けることが好ましい。なお、本実施例においては、シールリング21を省略して可撓性シール材20を、多重管ヘッダの内管18の内壁面に摺接させてガスシール性を確保してもよい。
図5は、本発明の他の実施例を示す要部説明図である。この装置は、ウェアリング19の内側だけでなく、外側にも可撓性シール材20を装着し、シールリング21の内周面と外周面にそれぞれ前記二つの可撓性シール材20を摺接させ、この二つの可撓性シール材20と、内管18を延長するシールリング21と、ウェアリング9とで環状の空間部を形成し、該空間部へ高圧のシールエア30を投入するシールエア供給孔29を、前記シールリング21に設けたものである。
本実施例においても、被処理ガス流路から処理済ガス流路へのガスの漏洩を効果的に防止して高いガスシール性を発揮することができる。
本発明の蓄熱式排ガス処理装置およびその分配弁装置は、従来の装置と比較し、高温、高ダスト環境下で使用でき、部品点数は増加するもののメンテナンス適応性が高く、消耗部品が安価で済むことから、有用性が高く実用的である。本発明を採用することにより、従来技術に比べて必要消耗品の単価を例えば約30%低減することができる。
本発明が適用される蓄熱式排ガス処理装置の説明図。 本発明である分配弁装置の一実施例を示す展開図。 図2の要部拡大断面図およびその部分断面図。 図2の要部拡大断面図およびその部分断面図。 本発明の他の実施例の要部を示す拡大断面図およびその部分断面図。 従来技術を示す説明図。
符号の説明
1…VOC含有ガス、2…分配弁装置、3(3A、3B)…蓄熱室、4…燃焼炉、5…熱源、6…処理済みガス、11…仕切り室、12…被処理ガスの流路、13…処理済みガスの流路、14…多重管ヘッダ、15…回転弁、16…外管、17…軸受け、18…内管、19…ウェアリング、20…可撓性シール材、21…シールリング、22…シールガス供給管、23…回転弁の回転軸、24…扇形の開口、25…接続管、26…摺動材、27…差圧の作用方向を示す矢印、28…ダムリング、29…シールエア供給孔、30…シールエア。

Claims (7)

  1. 燃焼炉と、該燃焼炉にそれぞれ連通する複数の蓄熱室を有する仕切り室と、該仕切り室の一の蓄熱室を経て前記燃焼炉へ流入する被処理ガスと別の蓄熱室を経て燃焼炉から流出する処理済みガスの流れを順次切替える分配弁装置とを備えた蓄熱式排ガス処理装置の前記分配弁装置であって、前記仕切り室の全蓄熱室に連通するように設けられた、少なくとも被処理ガスと処理済みガスの流路を有する多重管ヘッダと、該多重管ヘッダと前記仕切り室との間に配置された固定弁と、該固定弁に当接するように設けられ、前記固定弁と協働して前記多重管ヘッダの各ガス流路と前記仕切り室の各蓄熱室とを順次連通または遮断させる回転弁とを有し、前記多重管ヘッダの外周部に、前記回転弁の外周部を支持する軸受を設けるとともに、前記回転弁における、前記多重管ヘッダの被処理ガス流路と処理済みガス流路を区画する内管が対向する位置に円形のウェアリングを設け、該ウェアリングの被処理ガス流路側全周に、前記内管の周面に摺接してウェアリングと内管との隙間をシールする可撓性シール材を配置したことを特徴とする蓄熱式排ガス処理装置の分配弁装置。
  2. 前記可撓性シール材を、複数の短冊状のシール材で形成し、それぞれ周方向に一部重複させながら前記ウェアリングの被処理ガス流路側全周に暖簾状に吊り下げたことを特徴とする請求項1に記載の分配弁装置。
  3. 前記短冊状シール材を、2枚〜5枚重ね合せて前記ウェアリングに取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の分配弁装置。
  4. 前記短冊状シール材を、所定のあそび幅を設けて前記ウェアリングに取付けたことを特徴とする請求項2または3に記載の分配弁装置。
  5. 前記多重管ヘッダの内管の端部に、該内管を前記ウェアリング方向に延長するシールリングを設けるとともに、前記ウェアリングの処理済みガス流路側全周に、被処理ガス流路側と同様の可撓性シール材を取付けて二つの可撓性シール材の端部をそれぞれ前記シールリングの内周面および外周面に摺接させ、該二つの可撓性シール材とシールリングと前記ウェアリングとで環状の空間部を形成し、該空間部へシール空気を投入する手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の分配弁装置。
  6. 前記多重管ヘッダの内管内に、前記仕切り室の各蓄熱室にパージガスを導入するパージガス供給管を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の分配弁装置。
  7. 燃焼炉と、該燃焼炉にそれぞれ連通する複数の蓄熱室を有する仕切り室と、該仕切り室の一の蓄熱室を経て前記燃焼炉へ流入する被処理ガスと別の蓄熱室を経て燃焼炉から流出する処理済みガスの流れを順次切替える分配弁装置とを備えた蓄熱式排ガス処理装置において、前記分配弁装置として、請求項1〜6の何れかに記載の分配弁装置を用いたことを特徴とする蓄熱式排ガス処理装置。
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