JP2010118518A - 2ステージレーザ装置および2ステージレーザ装置に適用される調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを少なくし、より高いレーザ出力安定性、より高いレーザ出力を得る。
【解決手段】発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)によって行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、2ステージレーザ装置および2ステージレーザ装置に適用される調整方法に関する。
現在、半導体露光装置用の光源としては、エキシマレーザが使用されている。特に、60nm以下のテクノロジーノードにおいては、40W以上の高出力でかつ0.2pm以下の超狭帯域化がされたArFレーザ光源が採用されている。
露光装置用光源としてのArFレーザ光源には以下のことが要求されている。
1.高ドーズ安定性の確保と高スループット化に伴い40W以上の出力が要求されている。
2.投影レンズの高解像度化のために投影レンズの高NA化が進められている。高NA化に伴って、色収差が発生し、0.2pm以下の超狭帯域化が要求されている。
3.レーザ光源の長寿命化が要求されている。
しかしながら、一台のレーザチャンバのみを有するエキシマレーザ装置では、超狭帯域化スペクトルを維持しつつ高出力化を実現するには限界がある。
そこで、発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置が採用されるに至っている
発振段レーザ装置および増幅段レーザ装置は、共にレーザガスが封入されかつ一対の対向する放電電極が設けられたレーザチャンバを有する。発振段レーザ装置のレーザチャンバ(以下、発振段チャンバという)の放電電極間で放電が生ずると、レーザガスが励起され励起状態に遷移し、更に、この励起状態から基底状態に遷移する際に光が発生する。この光のエネルギーがある程度増幅されると、発振段レーザ装置から注入光としてのレーザ光が出力される。出力された注入光は、増幅段レーザ装置のレーザチャンバ(以下、増幅段チャンバという)に注入される。増幅段チャンバの放電電極間で放電が生ずると、注入された注入光のエネルギーが放電部で増幅された後、2ステージレーザ装置のレーザ光として、増幅段レーザ装置から出力される。
2ステージレーザ装置の方式は、大きくは2つの方式に分けられる。一つの方式は、発振段レーザ装置(これをMOという)と、光共振器を備えないアンプとしてのみ機能する増幅段レーザ装置(これをPAという)からなるものであり、MOPA(Master oscillator Power amplifier)と呼ばれている。他の一つの方式は、発振段レーザ装置(これをMOという)と、光共振器を備えアンプおよびオシレータとして機能する増幅段レーザ装置(これをPOという)からなるものであり、MOPO(Master oscillator Power oscillator)と呼ばれている。
発振段レーザ装置には、狭帯域モジュール(Line Narrow Module)が設けられており、スペクトルの超狭帯域化が実現される。一方、増幅段レーザ装置においては、発振段レーザ装置から出力され、増幅段チャンバに注入される注入光の超狭帯域化スペクトルを維持しつつエネルギーのみが増幅される。2ステージレーザ装置によれば、増幅段レーザ装置に狭帯域化モジュールなどの光学的ロスとなる構成要素が含まれていないため、レーザ発振効率が非常に高い。したがって、所望の超狭帯域化スペクトル及びレーザ出力を得ることが可能となる。所望のレーザ出力は、1パルス当たりのパルスエネルギーと繰り返し周波数の積である。例えば、次世代ArFエキシマレーザに要求される性能は、スペクトルが半値幅FWHM(Full Width at Harf Maximum)で0.2pm以下であり、レーザ出力が繰り返し周波数4kHz動作時で40W以上である。
図1は、MOPO方式の2ステージレーザ装置の配置例を示している。図1(a)は、2ステージレーザ装置1の側面図で、図1(b)は、2ステージレーザ装置1の上面図である。
同図1に示すように、2ステージレーザ装置1のフットプリントを小さくし、コンパクト化を図るために、発振段レーザ装置100の発振段チャンバ101と、増幅段レーザ装置200の増幅段チャンバ201は並列に並べて、上下に配置する構成をとることが多い。この場合、発振段チャンバ101と増幅段チャンバ201の間に、2枚以上の高反射ミラー(高反射ミラー11、12)が配置され、発振段チャンバ101から出射される注入光が2枚以上の高反射ミラー(高反射ミラー11、12)を介して増幅段チャンバ201に入射される。
MOPA方式、MOPO方式の2ステージレーザ装置に関する発明は、下記特許文献1、2などに記載されている。
特許文献1には、MOPA方式の2ステージレーザ装置の発明が記載されている。すなわち、発振段レーザ装置(MO)に、狭帯域化モジュールを搭載し、狭帯域化モジュールとミラー間で光を共振させることで、スペクトル幅が非常に狭い光を形成し、出力する。そして、このレーザ光を注入光として増幅段レーザ装置(PA)の増幅段チャンバの放電電極間の放電部に注入してレーザ光のパワーを増幅して、超狭帯域かつ高出力を得んとしている。
特許文献2には、MOPO方式の2ステージレーザ装置の発明が記載されている。すなわち、発振段レーザ装置(MO)に、狭帯域化モジュールを搭載し、狭帯域化モジュールとミラー間で光を共振させることで、スペクトル幅が非常に狭い光を形成し、出力する。そして、このレーザ光を注入光として増幅段レーザ装置(PO)の増幅段チャンバの放電電極間の放電部に注入する。増幅段レーザ装置では、注入光の導入のタイミングを合わせて放電を開始する。増幅段チャンバ内では放電が継続する限り、低コヒーレンスの光共振器により複数回光が増幅され、出力鏡から最終的にレーザ光が外部に放出される。増幅段レーザ装置側に光共振器を配置することで、増幅の効果が非常に高くなる。よって、ビーム品位をMOPA方式と同様に維持した状態で、発振段チャンバの出力が小さくても、高い増幅効率により充分に大きなレーザ出力が得られるとともに、増幅段チャンバ内での光の存在時間が長いことから、増幅段チャンバにおける放電開始のタイミングが比較的とり易い、長いパルス幅が得られるなどの利点がある。
US2002/0154668 A1 WO 2004/095661 A1
本発明は、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを少なくし、より高いレーザ出力安定性、より高いレーザ出力を得ることを解決課題とするものである。
以下は、本発明者がはじめて発見するに至った知見である。
たとえば図1に示すMOPO方式の2ステージレーザ装置1において、レーザ出力のばらつきが大きくなり、レーザ出力が低下することがあった。その原因について鋭意研究したところ、つぎの原因であることが明らかになった。
a.発振段チャンバ101と増幅段チャンバ201の設置面が異なるために、図2(a)に示すように、発振段チャンバ101で放電励起される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面202の間に相対回転角差θが生じる。
b.発振段チャンバ101と増幅段チャンバ201の間に2枚以上の高反射ミラーが設置されているために、発振段チャンバ101と増幅段チャンバ201の設置位置によっては、図2(a)に示すように、発振段チャンバ101で放電励起される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面202の間に相対回転角差θが生じる。
上記のことは、MOPA方式の2ステージレーザ装置でも同様である。
図2(b)、(c)は、相対回転角差θがレーザ出力のばらつき、レーザ出力に及ぼす影響を説明するための図である。
図2(b)に示すように、発振段チャンバ101で放電励起される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面202の間に相対回転角差θがあると、増幅段チャンバ201の放電部203のうち増幅発振が行われないビーム領域203aが生じる。増幅段チャンバ201の放電部203のうちビーム領域203aを除く、注入光と増幅段光の両レーザビーム断面102、202が重なる領域は、増幅発振が行われるビーム領域203b(斜線にて示す)である。
ここで、増幅段チャンバ201の放電部203とは、放電電極231、232間の空間であって増幅段光のレーザビームが放電励起されるビーム利得領域のことである。
一方、図2(c)は、発振段チャンバ101で放電励起される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面202の間に相対回転角差θがなく、注入光と増幅段光の両レーザビーム断面102、202が一致している場合を示している。この場合には、増幅段チャンバ201の放電部203のうち増幅発振が行われないビーム領域203aはなく、放電部203の全領域が増幅発振の行われるビーム領域203bとなる。
図2(b)に示す相対回転角差θがある状態のときには、図2(c)に示す相対回転角差θがない状態のときに比べて、レーザ出力のばらつきは増加し、レーザ出力は低下する。
これは図2(a)に示すように、増幅段光の両レーザビーム断面102、202が一致していないと、増幅段チャンバ201の放電部203で、発振段レーザ装置100からの注入光の増幅に寄与しない領域203aが生じてしまい、その結果、注入光が十分に増幅されずレーザの出力が低下するからである。また、放電電極231、232間の放電部203のうち端の部分は、放電中心部よりも放電が不安定である。その放電不安定部が注入光の増幅発振に大きく影響を及ぼすことからレーザ出力のばらつきが大きくなり、その結果、レーザ出力のパルスエネルギーがばらつき、不安定発振が生じてしまう。
なお、図2(b)に示すように、増幅発振が行われず注入光の増幅に寄与しないビーム領域203aが存在すると、増幅段チャンバ201の放電部203からは狭帯域化されない広帯域なレーザ光が発振されてしまい、ASE(Amplified Spontaneous Emission/寄生発振)が多い装置になってしまい、露光用のレーザとしては不適切なものとなる。
本発明者は、注入光のレーザビーム断面を光軸周りに回転させて、レーザ出力のばらつき、レーザ出力を計測する実験を行った。
図3、図4は実験結果を示す。横軸は、高安定発振時、つまり最適な回転角となったときの角度を基準の0°として、その基準角度0°に対する注入光レーザビーム断面の回転角度φを示す。図3の縦軸は、パルスエネルギーのばらつきである。基準となるパルスエネルギーレベル(たとえば10mJ)を100%とし、その基準パルスエネルギーに対する変動分を%で示す。図4の縦軸は、パルスエネルギー(単位:mJ)である。
図3からわかるように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、発振が不安定となることがわかる。特に、回転角度φが2.5°を超えると、発振不安定性の悪化が顕著となる。
図4からわかるように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、発振出力が低下することがわかる。特に、回転角度φが2.5°を超えると、パルスエネルギーの低下が顕著となる。
以上の知見に基づき本発明者は、以下のような発明を想起した。
第1発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置において、
発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を一致させる調整手段が備えられたこと
を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第3発明は、第1発明において、
調整手段は、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最も安定化するように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明において、
2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大になるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第5発明は、第1発明において、
2ステージレーザ装置のレーザ出力が最も安定化し、かつレーザ出力が最大になるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第6発明は、第1発明または第2発明において、
発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測する計測手段が設けられ、
計測手段の計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第7発明は、第1発明または第3発明または第5発明において、
2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを計測する計測手段が設けられ、
計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第8発明は、第1発明または第4発明または第5発明において、
2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測する計測手段が設けられ、
計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第9発明は、第1発明または第3発明または第4発明または第5発明において、
2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきおよび2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測する計測手段が設けられ、
計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となり、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
を特徴とする。
第10発明は、第1発明において、
調整手段は、発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置の間の光軸上に設けられた回転自在の光学機器であること
を特徴とする。
第11発明は、第1発明において、
調整手段は、発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置の少なくとも一方のレーザチャンバを光軸周りに回転させる手段であること
を特徴とする。
第12発明は、第10発明において、
光学機器は、平凸レンズを含むこと
を特徴とする。
第13発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するステップと、
計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法であることを特徴とする。
第14発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
増幅段レーザ装置の稼動を停止させた状態で発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するとともに、発振段レーザ装置の稼動を停止させた状態で増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するステップと、
計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと、
調整後に2ステージレーザ装置を稼動させるステップと
を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法であることを特徴とする。
第15発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを計測するステップと、
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法であることを特徴とする。
第16発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測するステップと、
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法であることを特徴とする。
第17発明は、
発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきおよびレーザ出力を計測するステップと、
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となり、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法であることを特徴とする。
(発明の効果)
本発明によれば、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を一致させる調整を行うようにしたので、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが少なくなり、より高いレーザ出力安定性が得られるとともに、より高いレーザ出力が得られる。
以下、図面を参照して本発明に係る2ステージレーザ装置および2ステージレーザ装置に適用される調整方法の実施の形態について説明する。
(第1実施例:レーザビームの断面プロファイルを計測した結果から調整を行う実施例)
図5は、第1実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を斜視図にて示している。
同図5に示すように、2ステージレーザ装置1は、発振段レーザ装置100と増幅段レーザ装置200と、発振段レーザ装置100で放電励起された注入光のレーザビームを増幅段レーザ装置200に導くための高反射ミラー11、12と、調整手段300と、計測手段400としてのビームプロファイラ401とから構成されている。
本発明の実施例装置は、図1に示す既存の2ステージレーザ装置1に、調整手段300、ビームプロファイラ401を付加して構成される。よって、以下、図1と図5を併せ参照して説明する。
調整手段300は、発振段レーザ装置100で放電励起される注入光のレーザビームの断面を注入光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起される注入光のレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面を一致させる調整を行う。
調整手段300は、発振段レーザ装置100と増幅段レーザ装置200の間の注入光軸上に設けられた回転自在の光学機器およびその回転機構で構成されており、光学機器は、2つの平凸シリンドリカルレンズ301、302である。回転機構の詳細については、図8、図9にて後述する。
ビームプロファイラ401は、発振段レーザ装置100で放電励起される注入光のレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起される増幅段光のレーザビームの断面プロファイルを計測する。ビームプロファイラ401は、蛍光板とCCDカメラによって構成されている。蛍光板は、紫外光を可視化するために使用する。この蛍光板で発生するレーザ光の蛍光強度がレーザ光の断面の光強度を示す。蛍光強度に応じた像は、レーザ光の断面像としてCCDカメラで撮像される。レーザビームのサイズがCCDカメラの受光部よりも大きい場合には、凸レンズ等を用いてビームプロファイラ401に導くようにする。
ビームプロファイラ401は、調整手段300による調整時に使用され、調整後2ステージレーザ装置1を稼動させる際には取り外される。
発振段レーザ装置100は、発振段チャンバ101と、狭帯域化モジュール110と、出力結合ミラー(Output Coupler)120とを含んで構成されている。狭帯域化モジュール110と、出力結合ミラー120は、発振段レーザ装置100の光共振器を構成している。
発振段チャンバ101は、一対の放電電極131、132を備えている。発振段チャンバ101内には、バッファガスとArガスとF2ガスが満たされている。発振段チャンバ101には、光を狭帯域化モジュール110、出力結合ミラー120それぞれに導くためのウインドウ141、142が設けられている。
図示しない電源によって放電電極131、132間に電圧が印加されると、放電電極131、132間の空間である放電部で放電が行われ、この放電によりArFエキシマが形成される。このArFエキシマからArガスとFに分離するときに193nmの波長の光が発光される。こうしてレーザビームが放電励起される。
狭帯域化モジュール110は、レーザビームのスペクトル線幅を狭くするために、プリズムビームエキスパンダとグレーティング(回折格子)を備えている。グレーティングの分散方向、つまりプリズムビームエキスパンダによるビーム拡大方向は、放電電極131、132の放電方向に対して垂直となる方向に配置されている(図1(a)参照)。
放電電極131、132間の放電部で放電励起されたレーザビームは、ウインドウ141を介して狭帯域化モジュール110に導かれて、波長選択が行われる。狭帯域化モジュール110によりレーザのスペクトル幅が400pmから0.2pm以下まで狭帯域化される。
放電電極131、132間の放電部で放電励起されたレーザビームは、光共振器によりエネルギーが増幅される。すなわち、放電部を通過した光は、ウインドウ142を介して出力結合ミラー120に入射される。出力結合ミラー120に入射される光の一部は、出力結合ミラー120の部分反射面で反射され、再び放電部を通過し、ウインドウ141を介して狭帯域化モジュール110に導かれる。狭帯域化モジュール110で波長選択が行われると光は放電部に向けて反射される。こうして光は出力結合ミラー120と狭帯域化モジュール110の間で複数回、共振を繰り返す。
出力結合ミラー120に入射される光の一部は、出力結合ミラー120の部分反射面を透過して、注入光として発振段レーザ装置100から出射される。
出力結合ミラー120を透過したレーザビームは、高反射ミラー11で反射され、平凸シリンドリカルレンズ301に入射され、平凸シリンドリカルレンズ301を透過する。平凸シリンドリカルレンズ301を透過したレーザビームは、更に平凸シリンドリカルレンズ302に入射され、平凸シリンドリカルレンズ302を透過する。平凸シリンドリカルレンズ302を透過したレーザビームは、高反射ミラー12で反射され、増幅段レーザ装置200のリアミラー210に入射される。ここで、発振段レーザ装置100の出力結合ミラー120から、増幅段レーザ装置200のリアミラー210までの距離が1m以下の場合には、リアミラー210に入射されるビームの広がり角度は、出力結合ミラー120から出射された時の広がり角度と同じになる。
この実施例では、平凸シリンドリカルレンズ301、302を高反射ミラー11、12間に配置しているが、平凸シリンドリカルレンズ301、302の配置位置としては、発振段レーザ装置100の出力結合ミラー120から、増幅段レーザ装置200のリアミラー210までの間の注入光軸上であれば、任意の位置に配置することができる。また、レンズは、シリンドリカルレンズであればよく、実施例のように2枚の組み合わせに限定されることなく1枚であっても、3枚以上であってもよい。
増幅段レーザ装置200は、増幅段チャンバ201と、リアミラー210と、出力結合ミラー(Output Coupler)220とを含んで構成されている。リアミラー210と、出力結合ミラー220は、増幅段レーザ装置200の光共振器を構成している。出力結合ミラー220を挟んで、増幅段チャンバ201に対向する位置には、ビームプロファイラ401が配置されている。
増幅段チャンバ201は、一対の放電電極231、232を備えている。増幅段チャンバ201内には、バッファガスとArガスとF2ガスが満たされている。増幅段チャンバ201には、光をリアミラー210、出力結合ミラー220それぞれに導くためのウインドウ241、242が設けられている。
図示しない電源によって放電電極231、232間に電圧が印加されると、放電電極231、232間の空間である放電部203で放電が行われ、この放電によりArFエキシマが形成される。このArFエキシマからArガスとFに分離するときに193nmの波長の光が発光される。こうしてレーザビームが放電励起される。
一方、発振段レーザ装置100より出射されリアミラー210に入射される注入光のビームの一部は、リアミラー210で反射されて、増幅段レーザ装置200の光共振器に注入されないが、リアミラー210に入射される注入光のビームの一部は、増幅段レーザ装置200の光共振器に注入される。
注入光のビームが増幅段チャンバ201の放電電極231、232間の放電部に注入されると、増幅段レーザ装置200では、注入光の導入のタイミングを合わせて放電を開始する。増幅段チャンバ201内では放電が継続する限り、低コヒーレンスの光共振器により複数回光が増幅され、出力結合ミラー220から最終的にレーザ光が外部に放出される。このようにMOPO方式の2ステージレーザ1では、増幅段レーザ装置200側に光共振器が配置されているため、増幅の効果が非常に高くなる。
すなわち、注入光のビーム中央部がリアミラー210の中心部付近を通過し、放電電極231、232間の放電部203を通過するのに同期して放電電極231、232間で放電が行われ、注入光が増幅される。ただし、リアミラー210の中心部から離れた注入光の一部は、放電部から外れて、増幅されない。
増幅された注入光のビームは、ウインドウ242を介して出力結合ミラー220に到達する。出力結合ミラー220に到達したレーザビームの一部は、出力結合ミラー220の部分反射面で反射され、再び放電部を通過し増幅される。そして、レーザビームは、ウインドウ241を介してリアミラー210に到達し、リアミラー210で反射され、再び放電部を通過し増幅される。こうして光はリアミラー210と出力結合ミラー220との間で複数回、共振を繰り返し、出力結合ミラー220に入射される光の一部が、出力結合ミラー220の部分反射面を透過して、出力光として増幅段レーザ装置200から外部に出射される。
調整時には、出力結合ミラー220を透過したレーザビームは、ビームプロファイラ401に入射される。なお、ビームプロファイラ401は、調整後、2ステージレーザ装置1を稼動させる際には取り外される。ビームプロファイラ401が取り外され2ステージレーザ装置1を稼動させるときには、出力結合ミラー220を透過したレーザビームは、外部の露光装置に導かれる。
図6は、平凸シリンドリカルレンズ301、302の回転によって注入光が回転する原理を説明するための図である。一方の平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸上で回転させる場合を例にとり説明する。
図6(a)、(b)は、異なる角度からみた斜視図であり、図6(c)、(d)はそれぞれ、図6(a)、(b)に示す仮想的なスクリーン501、502に照射されるレーザビームの断面を例示している。
図6(a)に示すように、注入光は、図中左から右に伝播し、平凸シリンドリカルレンズ301、302を順次透過する。レンズ系は転写型であり、入射ビームプロファイルを出射ビームプロファイルとして転写する。すなわち、ビームプロファイルのサイズ、形状、ビームダイバージェンスに影響を与えることはない。
図6(b)に示すように、平凸シリンドリカルレンズ301に入射する前の注入光のビームプロファイル、つまりスクリーン501上のビーム断面像(図6(c))は、注入光軸周りに基準角度(最適角度)に対して図中右へA°回転した姿勢となっている。注入光は、平凸シリンドリカルレンズ301、302を順次して通過するが、この際に、平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸周りに右回りにA°回転すると、平凸シリンドリカルレンズ302を出射した後の注入光は注入光軸周りに回転して、出射後のビームプロファイル、つまりスクリーン502上のビーム断面像(図6(d))は、基準角度(最適角度)に補正された姿勢となる。このように平凸シリンドリカルレンズ301への入射光がA°回転している場合には、平凸シリンドリカルレンズ302を同じ方向に同じ角度A°だけ回転させると、基準角度(最適角度)からの角度A°のずれを補正することができる。
なお、図6では、一方の平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸周りに回転させる場合を例にとり説明したが、他方の平凸シリンドリカルレンズ301を回転させて同様の補正を行ってもよく、平凸シリンドリカルレンズ301、302の両方を回転させて同様の補正を行ってもよい。
また、本実施例の調整手段300は、平凸シリンドリカルレンズを2枚用いた転写型組レンズで構成されているが、回転用のレンズ系あればよく、転写型組レンズでなく集光レンズ系であってもよい。
つぎに、第1実施例の調整方法について説明する。調整方法は、以下のとおりである。
(計測ステップ)
まず、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
つぎに計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)によって行う(図6参照)。
さらに具体的な調整方法は、以下のとおりである。
(計測ステップ)
増幅段レーザ装置200の稼動を停止させた状態で発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測するとともに、発振段レーザ装置100の稼動を停止させた状態で増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調製手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)によって行う(図6参照)。
(稼動ステップ)
調整後に2ステージレーザ装置1を稼動させる。たとえば、2ステージレーザ装置1から出射された出力レーザが露光装置に入射され、露光が行われる。
これを図7のフローチャートに示す。以下、このフローチャートを参照して説明する。
すなわち、まず、発振段レーザの発振を止める(ステップ1001)。
つぎに、増幅段レーザを発振させる(ステップ1002)。
つぎに、ビームプロファイラ401で増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPを計測する(ステップ1003)。
つぎに、増幅段レーザの発振を止める(ステップ1004)。
つぎに、発振段レーザを発振させる(ステップ1005)。
つぎに、発振停止中の増幅段チャンバ201を通過した注入光をビームプロファイラ401で受光する(ステップ1006)。
つぎに、ビームプロファイラ401で注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCを計測する(ステップ1007)。
つぎに、増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPと、注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCを比較する(ステップ1008)。
つぎに、増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPと、注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCが一致するように、平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸上で回転させる。たとえば、増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPが基準角度となっており、注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCが基準角度(最適角度)から角度A°だけずれている場合には、図6(c)、(d)に示すように、平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸周りにA°だけ回転させてずれを補正し、両ビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMP、BP-OSCを一致させればよい。すなわち図2(a)、(b)、(c)で説明したように、発振段チャンバ101で放電励起されるレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起されるレーザビームの断面202の間に相対回転角差θがないように一致させる(ステップ1009)。
上記調整後、2ステージレーザ装置1を稼動させて、露光を行う。
図7では、増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPを計測してから、注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCを計測するようにしているが、注入光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-OSCを計測してから、増幅段光のビームプロファイラ(断面プロファイル)BP-AMPを計測してもよい。
調整手段300の調整は、手動であってもよく、自動制御であってもよい。たとえば平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸周りに手動操作にて回転させることができる回転機構を設け、この回転機構を手動にて操作して平凸シリンドリカルレンズ302を回転させてもよい。また平凸シリンドリカルレンズ302を注入光軸周りに回転させる回転アクチュエータを設けるとともに、この回転アクチュエータを制御するコントローラを設け、コントローラから回転アクチュエータに出力される指令信号に応じて平凸シリンドリカルレンズ302を回転させてもよい。
図8(a)〜(d)はそれぞれ、平凸シリンドリカルレンズの回転機構の各構成例を2方向からみた図である。いずれも平凸シリンドリカルレンズ302をマイクロメータで手動操作する構成例であり、筐体の構成が異なる。いずれも平凸シリンドリカルレンズ302を筐体350内に配置し、つまみ351の操作により平凸シリンドリカルレンズ302を回転可能としている。図8(c)、(d)は、粗動回転用つまみ351a、微動回転用つまみ351bを設け、単位操作量当たりの平凸シリンドリカルレンズ302の回転量を異ならせている。粗動回転用つまみ351aを単位操作量操作すると、平凸シリンドリカルレンズ302は大きく回転し、微動回転用つまみ351bを単位操作量操作すると、平凸シリンドリカルレンズ302は小さく回転する。
図9(a)、(b)、(c)は、平凸シリンドリカルレンズの回転アクチュエータの構成例を三方向からみた図である。
図9(a)、(b)、(c)では、図8におけるつまみ351に相当する部分をモータ352で置き換えている。モータ352にはモータ制御用ケーブル353が接続され、このモータ制御用ケーブル353には、図示しないコントローラが接続されている。コントローラからモータ制御用ケーブル353を介してモータ352に指令信号が出力されると、指令信号に応じて平凸シリンドリカルレンズ302が回転される。
以上の説明では、調整手段300に、回転自在の平凸シリンドリカルレンズが用いられる場合を例にとり説明した。しかし、調整手段300としては、発振段レーザ装置100と増幅段レーザ装置200の間の注入光軸上に設けられた回転自在の光学機器であればよく、シリンドリカルレンズを含む構成、シリンドリカルレンズ以外の光学機器を用いる構成のいずれでもよい。
図10は、調整手段300に、回転自在のシリンドリカルミラー303とシリンドリカルレンズ304を用いた実施例を示す。図10(a)は全体構成の斜視図で、図10(b)は、シリンドリカルミラー303の拡大斜視図である。シリンドリカルミラー303は、水平方向に湾曲した曲率を有しており、垂直方向には曲率がないように形成されている。
シリンドリカルミラー303を注入光軸周りに回転させることで注入光を回転させることができる。
なお、図10では、シリンドリカルミラー303を注入光軸周りに回転させる場合を例にとり説明したが、シリンドリカルレンズ304を図6で説明したのと同様に注入光軸周りに回転させることで注入光を回転させてもよく、シリンドリカルミラー303、シリンドリカルレンズ304の両方を回転させて同様の補正を行ってもよい。
上述した実施例では、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を一致させる調整を行うようにしているが、増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を一致させるようにしてもよい。また、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面および増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を一致させてもよい。
(第1実施例に係る発明の効果)
第1実施例によれば、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測し、この計測結果に基づいて、光学機器を回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、調整するようにしたので、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが少なくなり、より高いレーザ出力安定性、より高いレーザ出力が得られる。
上述の第1実施例では、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測し、この計測結果に基づいて、光学機器を回転させて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなる調整を行うようにしている。
しかし、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきを計測し、この計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが最小となるように、調整を行う実施も可能である。これについて、以下、第2実施例にて説明する。
(第2実施例:レーザ出力のばらつきを計測した結果から調整を行う実施例)
図11は、第2実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を斜視図にて示している。以下では、第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
図11において、図5に示す装置構成と異なる点は、計測手段400としてビームプロファイラ401の代わりに、2ステージレーザ装置1の出力レーザ光のレーザ出力(レーザエネルギー)を検出するレーザエネルギー検出器402と、レーザエネルギー検出器402で検出されたレーザ出力に基づきレーザ出力のばらつきを計測するレーザ制御装置403と、レーザエネルギー検出器402に出力レーザ光を導くためのビームスプリッタ404が設けられている点である。なお、レーザエネルギー検出器402、レーザ制御装置403、ビームスプリッタ404は、本来、図5に示す装置構成のものにも、通常の計測、制御を行なうために設けられているが、図5では図示を省略している。
ビームスプリッタ404は、出力結合ミラー220を挟んで、増幅段チャンバ201に対向する位置に配置されている。レーザエネルギー検出器402は、ビームスプリッタ404によって光が反射する方向に配置されている。レーザエネルギー検出器402は、レーザ制御装置403に接続されている。レーザ制御装置403は、コンピュータを含んで構成されている。
出力結合ミラー220から出射されたレーザ光の一部はビームスプリッタ404を透過して、外部の露光装置に導かれるが、同レーザ光の一部はビームスプリッタ404で反射され、レーザエネルギー検出器402に入射される。レーザ制御装置403には、レーザエネルギー検出器402で検出されたレーザ出力が入力され、レーザ出力のばらつきが計測される。
計測値は、パルスエネルギーのばらつきであってもよく、レーザ出力(レーザ出力は、1パルス当たりのパルスエネルギーと繰り返し周波数の積)のばらつきであってもよい。
図3で説明したように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、パルスエネルギーがばらつき、発振が不安定となる。よって、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最も安定化するように、調整手段300を手動にて調整または自動制御すればよい。具体的には、レーザ出力のばらつき(パルスエネルギーのばらつき)を計測しつつ、レーザ出力のばらつき(パルスエネルギーのばらつき)が最小(図3において最適角度0°のときの値)になるように、調整手段300による調整、つまり光学機器を回転させる調整を手動または自動制御で行えばよい。なお、自動制御で行う場合には、レーザ制御装置403に、調整手段300を自動制御するコントローラの機能を持たせればよい。もちろん、レーザエネルギー検出器402、レーザ制御装置403、ビームスプリッタ404は、通常の計測、制御を行なうものとして機能させ、これらとは別に、本発明に係るレーザ出力のばらつきの計測、レーザ出力のばらつきを最小にする制御を行う同等の機器を設ける実施も可能である。
つぎに、第2実施例の調整方法について説明する。調整方法は、以下のとおりである。
(計測ステップ)
2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきを計測する。
(調整ステップ)
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが最小となるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)により行う。
調整は、2ステージレーザ装置1が稼動する前に行ってもよく、2ステージレーザ装置1が稼動中に行ってもよい。
また、上記調整ステップにおいては、増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよく、また、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面および増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよい。
(第2実施例に係る発明の効果)
第2実施例では、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきを計測し、計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが最小となるように、光学機器を回転させるようにしたので、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが少なくなり、より高いレーザ出力安定性が得られる。
(第3実施例:レーザ出力を計測した結果から調整を行う実施例)
以下では、第1実施例、第2実施例と共通する部分については説明を省略する。
第3実施例の構成は、図11に示す第2実施例の構成と同じであり、レーザエネルギー検出器402と、レーザ制御装置403と、ビームスプリッタ404が設けられている。ただし、計測内容および制御内容が異なる。
出力結合ミラー220から出射されたレーザ光の一部はビームスプリッタ404を透過して、外部の露光装置に導かれるが、同レーザ光の一部はビームスプリッタ404で反射され、レーザエネルギー検出器402に入射される。レーザ制御装置403には、レーザエネルギー検出器402で検出されたレーザ出力が入力され、レーザ出力が計測される。
計測値は、パルスエネルギーであってもよく、レーザ出力(レーザ出力は、1パルス当たりのパルスエネルギーと繰り返し周波数の積)であってもよい。
図4で説明したように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、パルスエネルギーが低下し、発振出力が低下する。よって、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最大になるように、調整手段300を手動にて調整または自動制御すればよい。具体的には、レーザ出力(パルスエネルギー)を計測しつつ、レーザ出力(パルスエネルギー)が最大(図4において最適角度0°のときの値)になるように、調整手段300による調整、つまり光学機器を回転させる調整を手動または自動制御で行えばよい。なお、自動制御で行う場合には、レーザ制御装置403に、調整手段300を自動制御するコントローラの機能を持たせればよい。もちろん、レーザエネルギー検出器402、レーザ制御装置403、ビームスプリッタ404は、通常の計測、制御を行なうものと機能させ、これらとは別に、本発明に係るレーザ出力の計測、レーザ出力を最大にする制御を行う同等の機器を設ける実施も可能である。
つぎに、第3実施例の調整方法について説明する。調整方法は、以下のとおりである。
(計測ステップ)
2ステージレーザ装置1のレーザ出力を計測する。
(調整ステップ)
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最大となるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)により行う。
調整は、2ステージレーザ装置1が稼動する前に行ってもよく、2ステージレーザ装置1が稼動中に行ってもよい。
また、上記調整ステップにおいては、増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよく、また、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面および増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよい。
(第3実施例に係る発明の効果)
第3実施例では、2ステージレーザ装置1のレーザ出力を計測し、計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最大となるように、光学機器を回転させるようにしたので、2ステージレーザ装置1で、より高いレーザ出力が得られる。
(第4実施例:レーザ出力のばらつきおよびレーザ出力を計測した結果から調整を行う実施例)
以下では、第1実施例、第2実施例、第3実施例と共通する部分については説明を省略する。
第4実施例の構成は、図11に示す第2実施例の構成と同じであり、レーザエネルギー検出器402と、レーザ制御装置403と、ビームスプリッタ404が設けられている。ただし、計測内容および制御内容が異なる。
出力結合ミラー220から出射されたレーザ光の一部はビームスプリッタ404を透過して、外部の露光装置に導かれるが、同レーザ光の一部はビームスプリッタ404で反射され、レーザエネルギー検出器402に入射される。レーザ制御装置403には、レーザエネルギー検出器402で検出されたレーザ出力が入力され、レーザ出力およびレーザ出力のばらつきが計測される。
計測値は、パルスエネルギーおよびパルスエネルギーのばらつきであってもよく、レーザ出力(レーザ出力は、1パルス当たりのパルスエネルギーと繰り返し周波数の積)およびレーザ出力のばらつきであってもよい。
図3で説明したように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、パルスエネルギーがばらつき、発振が不安定となる。また、図4で説明したように、注入光レーザビーム断面の回転角度φが大きくなり、最適角度0°からずれるほど、パルスエネルギーが低下し、発振出力が低下する。よって、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最も安定化し、かつレーザ出力が最大になるように、調整手段300を手動にて調整または自動制御すればよい。具体的には、レーザ出力(パルスエネルギー)を計測しつつ、レーザ出力(パルスエネルギー)が最大(図4において最適角度0°のときの値)になるように、かつ、レーザ出力(パルスエネルギー)のばらつきを計測しつつ、レーザ出力(パルスエネルギー)のばらつきが最小(図3において最適角度0°のときの値)になるように、調整手段300による調整、つまり光学機器を回転させる調整を手動または自動制御で行えばよい。なお、自動制御で行う場合には、レーザ制御装置20に、調整手段300を自動制御するコントローラの機能を持たせればよい。もちろん、レーザエネルギー検出器402、レーザ制御装置403、ビームスプリッタ404は、通常の計測、制御を行なうものと機能させ、これらとは別に、本発明に係るレーザ出力および出力のばらつきの計測、レーザ出力を最大にし、レーザ出力のばらつきを最小にする制御を行う同等の機器を設ける実施も可能である。
つぎに、第4実施例の調整方法について説明する。調整方法は、以下のとおりである。
(計測ステップ)
2ステージレーザ装置1のレーザ出力およびレーザ出力のばらつきを計測する。
(調整ステップ)
計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最大となるように、かつ2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが最小となるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(平凸シリンドリカルレンズおよび平凸シリンドリカルレンズの回転機構)により行う。
調整は、2ステージレーザ装置1が稼動する前に行ってもよく、2ステージレーザ装置1が稼動中に行ってもよい。
また、上記調整ステップにおいては、増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよく、また、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面および増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させてもよい。
(第4実施例に係る発明の効果)
第4実施例では、2ステージレーザ装置1のレーザ出力およびレーザ出力のばらつきを計測し、計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置1のレーザ出力が最大となるように、かつ2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが最小となるように、光学機器を回転させるようにしたので、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが少なくなり、より高いレーザ出力安定性、より高いレーザ出力が得られる。
上述の第1ないし第4実施例では、平凸シリンドリカルレンズ、ミラーなどの光学機器を回転する調整を行う場合について説明した。しかし、レーザチャンバ(発振段チャンバ101または/および増幅段チャンバ201)を回転する調整を行うことで、レーザビームの断面を回転させてもよい。
以下の第5、第6実施例では、調整手段300は、発振段レーザ装置100と増幅段レーザ装置200の少なくとも一方のレーザチャンバ101、201を光軸周りに回転させる手段で構成される。
(第5実施例:発振段チャンバを回転させる調整を行う実施例)
発振段チャンバ101を回転させる場合について説明する。
図12は、第5実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を斜視図にて示している。以下では、第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
図12において、計測手段400としてビームプロファイラ401が設けられている点は図5に示す装置構成と同じであるが、回転自在の光学機器(平凸シリンドリカルレンズ301、302)で構成される調整手段300の代わりに、発振段チャンバ101を回転させることで、注入光のレーザビームを注入光軸周りに回転させる回転機構310で構成される調整手段300が設けられる点が、図5に示す装置構成と異なる。
図13(b)に、回転機構310の構成例を示す。図13(a)は、発振段チャンバ101が垂直軸に対して傾斜している様子を示している。図13(a)、(b)は、発振段チャンバ101を、注入光が出射する側、つまりウインドウ142側からみた図である。
図13(b)に示すように、回転機構310は、発振段チャンバ101を支持するチャンバ支持台311と、チャンバ支持台311の図中左右に、上方に突き出し自在に設けられ、ねじ込み量に応じて発振段チャンバ101の左右それぞれを突き上げるねじ312、313とから構成されている。
図13(a)に示すように、発振段チャンバ101が注入光軸周りに回転し、垂直軸に対して傾斜しているとする。このとき出力結合ミラー120、ウインドウ142、放電電極131、132は、垂直軸に対して傾斜し、放電電極131、132間に形成される注入光のレーザビームの断面(ビームプロファイル)102は、垂直軸に対して傾斜することになる。このため図2で説明したように、高反射ミラー11、12を介して、増幅段チャンバ201に注入される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起されるレーザビームの断面202の間に相対回転角差θが生じる(増幅段チャンバ201は、垂直軸に対して傾斜していないとする)。これにより増幅段チャンバ201の放電部203(ビーム利得領域)のうち増幅発振が行われないビーム領域203aが生じ、高出力かつ高安定な発振が実現できなくなる。
そこで、ねじ312、313のねじ込み量を手動あるいは自動制御で調整する。これによりチャンバ支持台311の上方への左右突き出し量を調整することができる。この結果発振段チャンバ101の左右それぞれが所望する量だけ突き上げられ、発振段チャンバ101が注入光軸周りに回転し、発振段チャンバ101が所望する傾き、つまり垂直軸に対して傾斜しない姿勢となる。これにより図2で説明したように、注入光と増幅段光の両レーザビーム断面の相対回転角差θがなくなり高出力かつ高安定な発振が実現される。
調整方法の手順は、前述の第1実施例の調整方法の手順と同様であり、つぎのとおり行われる。
(計測ステップ)
まず、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
つぎに計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(発振段チャンバ101の回転機構310)によって行う。
図13(b)に示す回転機構310は、一例であり、ねじの突き上げによって発振段チャンバ101を傾斜させる以外の構成の回転機構を採用することも可能である。
図14(a)、(b)、(c)は、回転機構310の他の構成例を斜視図にて例示する。
図14(a)、(b)、(c)に示すように、発振段チャンバ101の下端は板部150で構成されている。発振段チャンバ101は、レーザフレーム30により下方より支持されている。発振段チャンバ101の板部150の左右には、左右それぞれにおけるレーザフレーム30、板部150間の距離を調整する左右調整部材314が設けられている。
図14(a)は、左右調整部材314を、ねじで構成した場合を例示している。左右のねじのねじ込み量を調整することで、左右それぞれのレーザフレーム30、板部150間距離が調整される。これにより発振段チャンバ101の左右の高さが調整され、発振段チャンバ101が注入光軸周りに回転し、発振段チャンバ101を所望する傾きにすることができる。
図14(b)は、左右調整部材314を、シムで構成した場合を例示している。左右それぞれにシムを挿入することで、左右それぞれのレーザフレーム30、板部150間距離が調整される。これにより発振段チャンバ101の左右の高さが調整され、発振段チャンバ101が注入光軸周りに回転し、発振段チャンバ101を所望する傾きにすることができる。なお、シムの代わりにスペーサを用いてもよい。
図14(c)は、左右調整部材314を、ジャッキで構成した場合を例示している。左右それぞれのジャッキを作動させることで、左右それぞれのレーザフレーム30、板部150間距離が調整される。これにより発振段チャンバ101の左右の高さが調整され、発振段チャンバ101が注入光軸周りに回転し、発振段チャンバ101を所望する傾きにすることができる。なお、ジャッキは、油圧、空圧等任意の駆動源により作動させることができる。
上述したねじ、ジャッキを用いた回転機構300の場合には、回転機構300を手動のみならず自動制御で調整することができる。しかし、シム、スペーサを用いた回転機構300の場合には、手動調整の実施が望ましい。たとえば、2ステージレーザ装置1を市場に出荷する段階でシムあるいはスペーサが挿入されて調整が行われる。
(第6実施例:増幅段チャンバを回転させる調整を行う実施例)
つぎに、増幅段チャンバ201を回転させる場合について説明する。
図15は、第6実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を斜視図にて示している。以下では、第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
図15において、計測手段400としてビームプロファイラ401が設けられている点は図5に示す装置構成と同じであるが、回転自在の光学機器(平凸シリンドリカルレンズ301、302)で構成される調整手段300の代わりに、増幅段チャンバ201を回転させることで、増幅段チャンバ201で放電励起されたレーザビームを注入光軸周りに回転させる回転機構310で構成される調整手段300が設けられる点が、図5に示す装置構成と異なる。
図16(b)に、回転機構310の構成例を示す。図16(a)は、増幅段チャンバ201が垂直軸に対して傾斜している様子を示している。図16(a)、(b)は、増幅段チャンバ201を出力レーザ光が出射する側、つまりウインドウ242側からみた図である。
回転機構310は、図13(b)に示す回転機構310と同様に構成されている。
図16(a)に示すように、増幅段チャンバ201が注入光軸周りに回転し、垂直軸に対して傾斜しているとする。このとき出力結合ミラー220、ウインドウ242、放電電極231、232は、垂直軸に対して傾斜し、放電電極231、232間に形成されるレーザビームの断面(ビームプロファイル)202は、垂直軸に対して傾斜することになる。このため図2で説明したように、高反射ミラー11、12を介して、増幅段チャンバ201に注入される注入光のレーザビームの断面102と増幅段チャンバ201で放電励起されるレーザビームの断面202の間に相対回転角差θが生じる(発振段チャンバ101は、垂直軸に対して傾斜していないとする)。これにより増幅段チャンバ201の放電部203(ビーム利得領域)のうち増幅発振が行われないビーム領域203aが生じ、高出力かつ高安定な発振が実現できなくなる。
そこで、ねじ312、313のねじ込み量を手動あるいは自動制御で調整する。これによりチャンバ支持台311の上方への左右突き出し量を調整することができる。この結果増幅段チャンバ201の左右それぞれが所望する量だけ突き上げられ、増幅段チャンバ201が注入光軸周りに回転し、増幅段チャンバ201が所望する傾き、つまり垂直軸に対して傾斜しない姿勢となる。これにより図2で説明したように、注入光と増幅段光の両レーザビーム断面の相対回転角差θがなくなり高出力かつ高安定な発振が実現される。
調整方法の手順は、前述の第1実施例の調整方法の手順と同様であり、つぎのとおり行われる。
(計測ステップ)
まず、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
つぎに計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(増幅段チャンバ201の回転機構310)によって行う。
図16(b)に示す回転機構310は、一例であり、前述の図14(a)、(b)、(c)と同様に、ねじの突き上げによって増幅段チャンバ201を傾斜させる以外の構成の回転機構を採用することも可能である。
(第7実施例:発振段チャンバおよび増幅段チャンバを回転させる調整を行う実施例)
第5実施例と同様に発振段チャンバ101を回転するとともに、第6実施例と同様に増幅段チャンバ201を回転する調整を複合して行う実施も可能である。
調整方法の手順は、前述の第1実施例の調整方法の手順と同様であり、つぎのとおり行われる。
(計測ステップ)
まず、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
つぎに計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面および増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(発振段チャンバ101および増幅段チャンバ201の回転機構310)によって行う。
第5実施例、第6実施例、第7実施例では、レーザビームの断面プロファイルの計測結果に基づいて回転機構310による調整を行うようにしているが、第2実施例、第3実施例、第4実施例で説明したのと同様に、レーザ出力のばらつきの計測結果に基づいて、あるいは、レーザ出力の計測結果に基づいて、あるいは、レーザ出力のばらつきおよびレーザ出力の計測結果に基づいて、回転機構310による調整を行なうようにしてもよい。
(第5実施例、第6実施例、第7実施例に係る発明の効果)
第5実施例、第6実施例、第7実施例によれば、レーザチャンバ(発振段チャンバ101または/および増幅段チャンバ201)を回転する調整を行うことで、レーザビームの断面を回転させるようにしたので、2ステージレーザ装置1のレーザ出力のばらつきが少なくなり、より高いレーザ出力安定性、より高いレーザ出力が得られる。
(第8実施例:スリット(あるいはアパーチャ)を回転させる調整を行う実施例)
図17は、第8実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を斜視図にて示している。以下では、第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
図17において、計測手段400としてビームプロファイラ401が設けられている点は図5に示す装置構成と同じであるが、回転自在の平凸シリンドリカルレンズ301、302で構成される調整手段300の代わりに、回転自在のスリット320で構成される調整手段300が設けられる点が、図5に示す装置構成と異なる。なお、スリット320の代わりにアパーチャを設ける実施も可能である。
スリット320は、高反射ミラー11と高反射ミラー12の間の注入光軸上に配置されている。スリット320は、注入光軸周りに回転可能に構成され、手動操作にて、あるいは自動制御にて回転される。スリット320の回転機構については、図8、図9に示す平凸シリンドリカルレンズの回転機構と同様にして構成することができる。
ただし発振段レーザ装置100から出射される注入光のレーザビームのサイズは、スリット320のサイズよりも大きく、スリット320を通過した後の注入光のレーザビームのサイズは、増幅段チャンバ201の放電部203(ビーム利得領域)からレーザ出力を効率良く取り出すのに十分に大きいサイズである必要がある。また、注入光のレーザビームのサイズは、増幅段光のレーザビームのサイズよりも大きい必要がある。
図18(a)、(b)は、スリット320と、注入光のレーザビームの断面102と、増幅段光のレーザビームの断面202の関係を示している。 図18(a)は、スリット320が回転する前の状態を示し、図18(b)がスリット320が回転した後の状態を示す。図中、破線で示す部分は、増幅段光のレーザビーム断面202と重なる注入光のレーザビーム断面102の切り出し部である。
同図18に示すように、スリット320を回転させることで、注入光のレーザビーム断面102を注入光軸回りに擬似的に回転させることができる。
これにより図2で説明したように、注入光と増幅段光の両レーザビーム断面の相対回転角差θがなくなり高出力かつ高安定な発振が実現される。
調整方法の手順は、前述の第1実施例の調整方法の手順と同様であり、つぎのとおり行われる。
(計測ステップ)
まず、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルをビームプロファイラ401で計測する。
(調整ステップ)
つぎに計測結果に基づいて、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置200で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置100で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を調整手段300(スリット320およびスリット320の回転機構)によって行う。
以上は、MOPO方式の2ステージレーザ装置1を想定して説明したが、2ステージレーザ装置1の光共振器の構成は任意である。たとえば、図19に示すように、増幅段レーザ装置200にリング光共振器を用いた構成に本発明を適用することができる。
以下、図5に示す構成と共通する部分については適宜省略して説明する。図19(a)は、2ステージレーザ装置1の側面図で、図19(b)は、2ステージレーザ装置1の上面図である。
図19に示すように、狭帯域化モジュール110と、出力結合ミラー120は、発振段レーザ装置100の光共振器を構成している。狭帯域化モジュール110は、プリズムビームエキスパンダとグレーティング(回折格子)を備えている。グレーティングの分散方向、つまりプリズムビームエキスパンダによるビーム拡大方向は、放電電極131、132の放電方向に対して垂直となる方向に配置されている。
出力結合ミラー120を透過したレーザビームは、高反射ミラー11で反射され、平凸シリンドリカルレンズ301に入射され、平凸シリンドリカルレンズ301を透過する。平凸シリンドリカルレンズ301を透過したレーザビームは、更に平凸シリンドリカルレンズ302に入射され、平凸シリンドリカルレンズ302を透過する。平凸シリンドリカルレンズ302を透過したレーザビームは、高反射ミラー12で反射され、更に高反射ミラー13で反射され、増幅段レーザ装置200の出力結合ミラー220に入射される。
出力結合ミラー220と、高反射ミラー14、15、16は、増幅段レーザ装置200のリング光共振器を構成している。すなわち、出力結合ミラー220、高反射ミラー14、15、16はそれぞれ、増幅段チャンバ201の上面からみて、増幅段チャンバ201の長手方向に対して45°だけ反射面が傾斜して配置される(図19(b)参照)。なお、出力結合ミラー220を挟んで、増幅段チャンバ201に対向する位置には、ビームプロファイラ401が配置されている。
発振段レーザ装置100より出射され出力結合ミラー220に入射される注入光のビームは、出力結合ミラー220を透過して増幅段レーザ装置200のリング光共振器に注入される。出力結合ミラー220を透過した注入光のビームは、高反射ミラー14で反射され、ウインドウ241を介して増幅段チャンバ201の放電電極231、232間の放電部203に注入される。出力結合ミラー220を透過した注入光は、ビームダイバージェンスを有するので、わずかに広がりながら高反射ミラー14により反射され、増幅段チャンバ201の放電電極231、232間の放電部203に傾いて入射される。注入光が増幅段チャンバ201の放電電極231、232間の放電部203に注入されると、増幅段レーザ装置200では、注入光の導入のタイミングを合わせて放電を開始する。増幅段チャンバ201内では放電が継続する限り、リング光共振器により複数回光が増幅され、出力結合ミラー220から最終的にレーザ光が外部に放出される。
すなわち、注入光のビームが放電電極231、232間の放電部203を通過するのに同期して放電電極231、232間で放電が行われ、注入光が増幅される。増幅された注入光のビームは、ウインドウ242を介して高反射ミラー16に入射される。高反射ミラー16で反射された増幅注入光のビームは、高反射ミラー15に入射され、高反射ミラー15で反射され、増幅段チャンバ201のウインドウ242に向けて折り返される。増幅注入光のビームは、放電電極231、232間の放電部203に傾いて入射され、更に増幅される。
放電電極231、232間の放電部203を通過した増幅注入光は、ウインドウ241を介して出力結合ミラー220に到達する。出力結合ミラー220に到達したレーザビームの一部は、出力結合ミラー220の部分反射面で反射され、更に高反射ミラー14で反射されて、再び放電部を通過し増幅される。増幅されたレーザビームは、ウインドウ242を通過して高反射ミラー16、15で折り返され、再び放電部を通過し増幅される。こうして光は高反射ミラー14、15、16と出力結合ミラー220との間で複数回、共振を繰り返し、出力結合ミラー220の部分反射面に入射される光の一部が、出力結合ミラー220を透過して、出力光として増幅段レーザ装置200から外部に出射される。
出力結合ミラー220の反射率が20〜30%であるとすると、注入効率は80%から70%となり、高い注入効率を得ることができる。
図19に示す2ステージレーザ装置1では、増幅段チャンバ201の長手方向に対して45°傾斜させた高反射ミラー14、15、16を用いてレーザ光を増幅段チャンバ201に折り返すようにしているが、全反射プリズムによるフレネル反射を利用してレーザ光を増幅段チャンバ201に折り返すようにしてもよい。
また、上述の各実施例では、MOPO方式の2ステージレーザ装置1を想定して説明したが、各実施例におけるMOPO方式の2ステージレーザ装置1の構成を、MOPA方式の2ステージレーザ装置の構成に置換して同様に本発明を実施してもよい。
図1は、MOPO方式の2ステージレーザ装置の配置例を示した図で、図1(a)は、2ステージレーザ装置の側面図で、図1(b)は、2ステージレーザ装置の上面図である。 図2(a)は、発振段チャンバで放電励起されるレーザビームの断面と増幅段チャンバで放電励起されるレーザビームの断面の間に相対回転角差があることを説明する図であり、 図2(b)、(c)は、相対回転角差がレーザ出力のばらつき、レーザ出力に及ぼす影響を説明するための図である。 図3は、基準角度に対する注入光レーザビーム断面の回転角度と、パルスエネルギーのばらつきとの関係を示すグラフである。 図4は、基準角度に対する注入光レーザビーム断面の回転角度と、パルスエネルギーとの関係を示すグラフである。 図5は、第1実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を示した斜視図である。 図6は、平凸シリンドリカルレンズの回転によって注入光が回転する原理を説明するための図であり、図6(a)、(b)は、異なる角度からみた斜視図であり、図6(c)、(d)はそれぞれ、図6(a)、(b)に示す仮想的なスクリーンに照射されるレーザビームの断面を例示した図である。 図7は、調整方法の手順を示すフローチャートである。 図8(a)〜(d)は、平凸シリンドリカルレンズの回転機構の各構成例を示す図である。 図9(a)、(b)、(c)は、平凸シリンドリカルレンズの回転アクチュエータの構成例を示す図である。 図10は、調整手段に、シリンドリカルミラーとシリンドリカルレンズを用いた実施例を示す図で、図10(a)は全体構成の斜視図で、図10(b)は、シリンドリカルミラーの拡大斜視図である。 図11は、第2実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を示した斜視図である。 図12は、第5実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を示した斜視図である。 図13(b)は、発振段チャンバの回転機構の構成例を示す図で、図13(a)は、発振段チャンバが垂直軸に対して傾斜している様子を示した図である。 図14(a)、(b)、(c)は、回転機構の他の構成例を例示する斜視図である。 図15は、第6実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を示した斜視図である。 図16(b)は、増幅段チャンバの回転機構の構成例を示す図で、図16(a)は、増幅段チャンバが垂直軸に対して傾斜している様子を示した図である。 図17は、第8実施例の装置構成例を示す図で、MOPO方式の2ステージレーザ装置の構成例を示した斜視図である。 図18(a)、(b)は、スリットと、注入光のレーザビームの断面と、増幅段光のレーザビームの断面の関係を示した図で、図18(a)はスリット回転前の状態を示す図で、図18(b)はスリット回転後の状態を示す図である。 図19は、増幅段レーザ装置にリング光共振器を用いた2ステージレーザ装置の構成例を示す図で、図19(a)は、2ステージレーザ装置の側面図で、図19(b)は、2ステージレーザ装置の上面図である。
符号の説明
1 2ステージレーザ装置、100 発振段レーザ装置、200 増幅段レーザ装置、
101 発振段チャンバ、201 増幅段チャンバ、300 調整手段、400 計測手段

Claims (17)

  1. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置において、
    発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を一致させる調整手段が備えられたこと
    を特徴とする2ステージレーザ装置。
  2. 発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1記載の2ステージレーザ装置。
  3. 調整手段は、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最も安定化するように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1記載の2ステージレーザ装置。
  4. 2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大になるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1記載の2ステージレーザ装置。
  5. 2ステージレーザ装置のレーザ出力が最も安定化し、かつレーザ出力が最大になるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1記載の2ステージレーザ装置。
  6. 発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測する計測手段が設けられ、
    計測手段の計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1または2記載の2ステージレーザ装置。
  7. 2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを計測する計測手段が設けられ、
    計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1または3または5記載の2ステージレーザ装置。
  8. 2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測する計測手段が設けられ、
    計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1または4または5記載の2ステージレーザ装置。
  9. 2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきおよび2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測する計測手段が設けられ、
    計測手段の計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となり、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、調整手段が手動にて調整または自動制御されること
    を特徴とする請求項1または3または4または5記載の2ステージレーザ装置。
  10. 調整手段は、発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置の間の光軸上に設けられた回転自在の光学機器であること
    を特徴とする請求項1記載の2ステージレーザ装置。
  11. 調整手段は、発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置の少なくとも一方のレーザチャンバを光軸周りに回転させる手段であること
    を特徴とする請求項1記載の装置
  12. 光学機器は、平凸レンズを含むこと
    を特徴とする請求項10記載の2ステージレーザ装置。
  13. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
    発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルおよび増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するステップと、
    計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
    を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法。
  14. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
    増幅段レーザ装置の稼動を停止させた状態で発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するとともに、発振段レーザ装置の稼動を停止させた状態で増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面プロファイルを計測するステップと、
    計測結果に基づいて、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面と増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面のずれがなくなるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと、
    調整後に2ステージレーザ装置を稼動させるステップと
    を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法。
  15. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
    2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきを計測するステップと、
    計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
    を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法。
  16. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
    2ステージレーザ装置のレーザ出力を計測するステップと、
    計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
    を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法。
  17. 発振段レーザ装置と増幅段レーザ装置が備えられた2ステージレーザ装置に適用される調整方法であって、
    2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきおよびレーザ出力を計測するステップと、
    計測結果に基づいて、2ステージレーザ装置のレーザ出力のばらつきが最小となり、2ステージレーザ装置のレーザ出力が最大となるように、発振段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面または/および増幅段レーザ装置で放電励起されるレーザビームの断面を光軸周りに回転させる調整を行うステップと
    を含む2ステージレーザ装置に適用される調整方法。
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