JP2010118253A - 有機el装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】銀からなる反射層を有する、光輝度のトップエミッション型の有機EL装置を得る。
【解決手段】基板10上に規則的に配列された画素領域101毎に形成された、陽極25と陰極27と陽極25と陰極27とに挟持される有機EL層を含む発光機能層26とからなる有機EL素子29と、有機EL素子29を駆動する駆動素子112と、を備える有機EL装置1の製造方法であって、駆動素子112を覆う平坦化層72を形成する第1の工程と、平坦化層72の一部を選択的に除去して、画素領域101を含む領域に凹部20を形成すると共に、駆動素子112の電極54の少なくとも一部を露出させるコンタクトホール51を形成する第2の工程と、凹部20内に、銀を含む液体材料16を供給する第3の工程と、液体材料16を固化して凹部20内に銀からなる薄膜22を形成する第4の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置1の製造方法。
【選択図】図8
【解決手段】基板10上に規則的に配列された画素領域101毎に形成された、陽極25と陰極27と陽極25と陰極27とに挟持される有機EL層を含む発光機能層26とからなる有機EL素子29と、有機EL素子29を駆動する駆動素子112と、を備える有機EL装置1の製造方法であって、駆動素子112を覆う平坦化層72を形成する第1の工程と、平坦化層72の一部を選択的に除去して、画素領域101を含む領域に凹部20を形成すると共に、駆動素子112の電極54の少なくとも一部を露出させるコンタクトホール51を形成する第2の工程と、凹部20内に、銀を含む液体材料16を供給する第3の工程と、液体材料16を固化して凹部20内に銀からなる薄膜22を形成する第4の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置1の製造方法。
【選択図】図8
Description
本発明は、有機EL装置の製造方法に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置は、近年、液晶表示装置に代わる表示装置として期待されており、実用化が進んでいる。かかる有機EL装置においては、スイッチング素子の配置にかかわらず光の取り出し面積を広くすることが可能な、陰極側に光を取り出すトップエミッション型が用いられることが多い。トップエミッション型の有機EL装置では、輝度を向上させるために、陽極側の反射効率を高めることが必要となる。そのため、陽極に反射金属を用いるか、あるいは(特許文献1に示すように)陽極側に反射金属層を設ける構成が提案されている。そして、上述の反射金属としては、全金属中で反射率が最も高く、かつ、反射率の波長依存性が少ないという点で銀が注目されている。
しかしながら、銀は酸化あるいは硫化し易く、また、凝集あるいは拡散し易いという特性がある。特に、成膜後、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行なうと、現像液及び剥離液によってもダメージを受け得るという課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]基板上に配列された画素領域に形成された、陽極と陰極と上記陽極と上記陰極とに挟持される少なくとも有機EL層を含む発光機能層とからなる有機EL素子と、上記有機EL素子に形成された、該有機EL素子を駆動する駆動素子と、を備える有機EL装置の製造方法であって、上記駆動素子を覆う平坦化層を形成する第1の工程と、上記平坦化層の一部を選択的に除去して、上記画素領域を含む領域に凹部を形成すると共に、上記駆動素子の電極の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを形成する第2の工程と、上記凹部内に、銀を含む液体材料を供給する第3の工程と、上記液体材料を固化して上記凹部内に銀からなる薄膜を形成する第4の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
このような製造方法であれば、任意の領域、例えば将来的に上記有機EL素子が形成される領域に、フォトリソグラフィー法を用いることなく銀からなる薄膜を形成できる。そして上述したように、銀は金属の中で反射率が最も高い材料である。したがって、光の取り出し効率が高く輝度が向上したトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
[適用例2]上述の有機EL装置の製造方法であって、上記第4の工程の後に、上記基板上に透明導電材料からなる薄膜を形成する第5の工程と、上記透明導電材料からなる薄膜を、上記コンタクトホールが形成されている領域と上記画素領域との双方に跨る領域に残るようにパターニングする第6の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
上述したように銀は反射性が高く、また、ITOは上記発光機能層に対する正孔注入特性が優れている。したがって、このような製造方法であれば、上記有機EL層の発光を上記陰極側に反射させる機能と陽極として上記発光機能層に正孔を注入する機能との双方を向上でき、より一層輝度が向上したトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
[適用例3]上述の有機EL装置の製造方法であって、上記第4の工程を実施した後、上記第5の工程を実施する前に、上記基板上を覆う絶縁層を形成する第7の工程と、該絶縁層をパターニングして上記電極の少なくとも一部を露出させる第8の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
このような製造方法であれば、第6の工程の際、すなわちITO膜のパターニングの際に、上述の銀からなる薄膜がエッチング液等によりダメージを受けることを抑制できる。したがって、銀からなる薄膜の反射性の低下を抑制でき、より一層輝度が向上したトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
[適用例4]上述の有機EL装置の製造方法であって、上記第2の工程は、上記凹部の底面に上記平坦化層が残る様に、該凹部が形成される領域における上記平坦化層の深さ方向の一部を除去する工程であることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
このような製造方法であれば、平坦化層の機能を残しつつ凹部を形成できる。したがって、輝度と信頼性の双方が向上したトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
以下、図面を参照し、発光装置及び発光装置の製造方法の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態(及び後述する第2の実施形態と第3の実施形態)にかかる製造方法の対象となる有機EL装置1(及び2と3)の概略を示す図である。有機EL装置1は、周辺シール材13、及び後述する接着層78(図8参照)により互いに対向するように貼り合わされた素子基板10と対向基板11、及び、対向基板11の素子基板10の反対側に貼付された円偏光板88等からなる。
図1は、第1の実施形態(及び後述する第2の実施形態と第3の実施形態)にかかる製造方法の対象となる有機EL装置1(及び2と3)の概略を示す図である。有機EL装置1は、周辺シール材13、及び後述する接着層78(図8参照)により互いに対向するように貼り合わされた素子基板10と対向基板11、及び、対向基板11の素子基板10の反対側に貼付された円偏光板88等からなる。
素子基板10は、通電により発光する有機EL素子29(図8参照)等が形成されている基板であり、対向基板11にはカラーフィルタ75(図8参照)等が形成されている。有機EL装置1は、通電により有機EL素子29内で生じた発光45を、該カラーフィルタを介して対向基板11側に射出するトップエミッション型の有機EL装置である。発光45が射出される領域が表示領域100である。なお、表示領域100の周辺の周辺領域には、後述する走査線駆動回路120(図2参照)等が素子基板10側に形成されている。
有機EL素子29は平板状であるため、上述の発光は素子基板10側にも射出される。したがって有機EL装置1は、かかる素子基板10側への発光を対向基板11側に反射させるための反射層を有している。本実施形態にかかる製造方法はかかる反射層の形成についてのものである。
円偏光板88は直線偏光板と1/4波長補正板(直交する偏光成分間に1/4波長の位相差を与える素子。)との積層体である。光が反射する際に、偏光の回転方向が逆転する性質を利用して、上述の反射層等で反射された外光が表示領域100から射出されることを抑制して、表示品質を向上させるために貼付されている。
表示領域100には、三原色のいずれかの光を射出する三種類の画素領域101、すなわち、赤色光を射出する赤色画素領域101Rと緑色光を射出する緑色画素領域101Gと青色光を射出する青色画素領域101Bとが規則的に配置されている。有機EL装置1は、各々の画素領域101の発光を個別に制御することにより、表示領域100にカラー画像を形成できる。ここで、R,G,Bの符号を有さない「画素領域101」の表記は、上記三種類の画素領域の総称である。他の名称(例えば後述する「カラーフィルタ75」等)についても同様に、R,G,Bの符号を省略している場合は、三種類の該名称の総称である。
なお、画素領域101は光を射出する領域であり平面的な概念である。一方、有機EL画素30(図2参照)は有機EL素子等を含む機能的な概念である。また、上記三種類の画素領域101の配置の順序は図1に示す順序に限定されるものではなく、R,B,Gの順序に配置することも可能である。また千鳥状に配置することも可能である。
図2は、第1の実施形態にかかる有機EL装置1、及び後述する第2及び第3の実施形態にかかる有機EL装置の全体構成を示す回路構成図である。上述したように、有機EL装置1は、表示領域100と周辺領域とを備えている。表示領域100には、X方向に延在する複数の走査線102と、Y方向に延在する複数の信号線104と、同じくY方向に延在する複数の容量線106と、が形成されている。X方向が信号線104と容量線106とで規定され、Y方向が走査線102の中心線で規定される方形の区画毎に有機EL画素30が形成されている。
各々の有機EL画素30は、走査線102を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)108と、スイッチング用TFT108を介して信号線104から供給される画素信号を保持する保持容量110と、保持容量110によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT112と、駆動用TFT112を介して容量線106から駆動電流が流れ込む有機EL素子29等からなる。
表示領域100の周辺領域には、走査線駆動回路120、及び信号線駆動回路130が形成されている。走査線駆動回路120は、図示しない外部回路より供給される各種信号に応じて、走査線102に走査信号を順次供給する。信号線駆動回路130は、信号線104に画像信号を供給する。容量線106には、図示しない外部回路から画素駆動電流が供給される。走査線駆動回路120の動作と信号線駆動回路130の動作とは、同期信号線140を介して外部回路から供給される同期信号により相互に同期が図られている。
走査線102が駆動されスイッチング用TFT108がオン状態になると、その時点の信号線104の電位が保持容量110に保持され、保持容量110の状態に応じて駆動用TFT112のレベルが決まる。そして、駆動用TFT112を介して容量線106から画素電極25(図8参照)に駆動電流が流れ、有機EL素子29は駆動電流の大きさに応じて発光する。そして、カラーフィルタ75(図8参照)により三原色光のいずれかの光となって、各々の有機EL画素30に対応する画素領域101から射出される。
図3(a)〜図8は、本実施形態の有機EL装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。本実施形態の有機EL装置の製造方法は、画素領域101に反射層22を形成する工程に特徴がある。そこで、図3(a)〜図8では、上述の三原色に対応する各々の画素領域101(R,G,B)と、該画素領域に形成される有機EL素子29と該有機EL素子を駆動する駆動用TFT(以下、単に「TFT」と称する。)112の断面図を表示し、スイッチング用TFT108と保持容量110は図示を省略している。以下、図3(a)〜図8の工程断面図に沿って説明する。
まず、図3(a)に示すように、素子基板10の一方の面に、TFT112と該TFTを覆う層間絶縁層71、及びソース電極53と電極としてのドレイン電極54とを形成する。上述の一方の面の側を、以下「上」と表記し、該上側の面を「上面」と表記する。ソース電極53は、容量線106の突出部分である。ドレイン電極54は、信号線104の形成層と同一の層を島状にパターニングして形成されている。層間絶縁層71は窒化シリコンからなり、素子基板10の少なくとも表示領域100の全域に形成されている。
TFT112は、半導体層(符号無し)と、走査線102と同一の層をパターニングして形成されたゲート電極33と、半導体層とゲート電極33との間のゲート絶縁層70等からなる。半導体層のうちゲート電極33と重なる領域がチャネル領域38であり、該チャネル領域の両側にソース領域35とドレイン領域36とが形成されている。ソース領域35は、層間絶縁層71を局所的にエッチングして形成されたコンタクトホール(符号無し)を介してソース電極53と電気的に接続されており、同様にドレイン領域36は層間絶縁層71を局所的にエッチングして形成されたコンタクトホール(符号無し)を介してドレイン電極54と電気的に接続されている。
なお、ゲート電極33は、素子基板10側から順にTi(チタン)とAlCu(アルミニウム・銅合金)とTiN(窒化チタン)とが積層された構造を有している。また、ソース電極53とドレイン電極54とは、素子基板10側から順にTiとAlCuとTiとが積層された構造を有している。
次に、素子基板10の上面に、上述のTFT112及びドレイン電極54等を覆う様に窒化シリコンからなる第1の保護層73を形成する。そして次に第1の工程として、第1の保護層73を覆うように、感光性のアクリル樹脂からなる平坦化層72を形成する。該平坦化層の層厚は、略2.0μmが好ましい。
次に図3(b)に示すように、第2の工程として、平坦化層72をパターニング、すなわち選択的に除去して、コンタクトホール51と凹部20とを形成する。コンタクトホール51はドレイン電極54の表面を完全に露出させる必要があるため、第1の保護層73も含めて除去する。凹部20は平坦化層72のみを除去して、第1の保護層73は残すことが好ましい。
後述するように、凹部20の形成領域は、反射層22が形成される領域である。そして該反射層は、有機EL素子29(図8参照)が平面視で含まれるように、すなわち通電により発光する領域が含まれるように形成することが好ましい。したがって、凹部20は、底面すなわち第1の保護層73又は層間絶縁層71が露出する領域が、画素領域101と平面視で略一致するか、あるいは画素領域101と該画素領域を囲む環状の領域とを合わせた領域に一致するように形成することが好ましい。そして好ましくは、図示するように、側部がZ方向すなわち素子基板10の法線方向に対して略30度外側に向けて傾くように形成する。なお、平坦化層72を感光性のアクリル樹脂で形成する理由は、上述の凹部20等のパターニングのためである。したがって、フォトレジストを用いてパターニングする場合は感光性は必須ではない。また、感光性の絶縁材料であれば他の有機系材料、あるいは無機系の材料を用いてもよい。
次に、図4(a)に示すように、第3の工程として、凹部20内に銀を含む液体材料16を供給する。かかる供給は、図示しないインクジェット装置のノズル15から、銀ペースト(銀の粉体を含有する導体ペースト)と溶剤からなる液体材料(以下「液材」と称する)16を滴下することにより行なう。上記液材は、平坦化層72の形成材料である感光性アクリル樹脂がダメージを受けることを抑制するために、水溶性の銀ペーストと溶剤で構成されていることが好ましい。
次に、図4(b)に示すように、第4の工程として、凹部20内に滴下された液材16から溶剤(溶媒)を除去することにより固化して、銀からなる薄膜としての反射層22を形成する。反射層22の層厚は100nm乃至1000nmが好ましい。したがって、上述の第3の工程では、反射層22の層厚がかかる値になるように液材16の滴下量を設定する。
次に、第5の工程としての透明導電材料からなる薄膜の形成と第6の工程としての該薄膜のパターニングとの組み合わせを3回繰り返して、画素電極25を形成する。まず、図5(a)に示すように、透明導電材料としてのアモルファスのITO(酸化インジウム・錫合金)からなる第1のITO層41を、素子基板10の上面に形成する。
次に、図5(b)に示すように、第1のITO層41を、赤色画素領域101Rと該領域に隣り合うコンタクトホール51が形成されている領域との双方に跨る島状の領域に残るようにパターニングする。該パターニングは、蓚酸を用いてのウェットエッチングで行なう。
上述の工程において、緑色画素領域101Gと青色画素領域101Bとにおいては、第1のITO層41は反射層22が露出するまでエッチングされる。したがって、上記双方の領域においては、反射層22もエッチング液に曝される。しかし、アモルファスのITO層は成膜温度が低く、また結晶化していないため、結晶性のITO層をエッチングする場合とは異なり結晶粒間に沿ってエッチング液(蓚酸)が浸透することが抑制される。したがって、エッチング時間を厳密に制御することで、反射層22(反射層22を構成する銀の薄膜)がエッチング液に曝される時間を最小限に抑えられる。また、蓚酸自体が弱酸であるため、反射層22にダメージを与えることを抑制できる。
上述したように、本実施形態の製造方法では、第5の工程としてのITO層の形成と第6の工程としての該ITO層のパターニングとの組み合わせを3回行なう。1回目の組み合わせでは、1層目のITO層(第1のITO層41)をパターニングして、赤色画素領域101Rと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域にのみ島状のITO層を形成する。2回目の組み合わせでは、2層目のITO層(第2のITO層42)をパターニングして、赤色画素領域101Rと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域、及び緑色画素領域101Gと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域に島状のITO層を形成する。3回目の組み合わせ、すなわち3層目のITO層(第3のITO層43)の形成と該ITO層のパターニングは、三種類の画素領域101(R,G,B)と夫々の画素領域101に対応するコンタクトホール51の形成領域に島状のITO層を形成する。
その結果、図6(a)に示すように、赤色画素領域101Rと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域には、第1のITO層41と第2のITO層42と第3のITO層43とが素子基板10側から順に積層されてなる画素電極25が形成される。緑色画素領域101Gと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域には、第2のITO層42と第3のITO層43とが素子基板10側から順に積層されてなる画素電極25が形成される。青色画素領域101Bと該領域に対応するコンタクトホール51の形成領域とに跨る領域には、第3のITO層43からなる画素電極25が形成される。かかる画素電極25は、ドレイン電極54を介してTFT112と電気的に接続され、かつ画素領域101では、素子基板10(第1の保護層73)との間に銀からなる反射層22を挟持している。
次に、図6(b)に示すように、画素領域101(R,G,B)を囲む隔壁77を形成する。かかる隔壁77により、各々の画素領域101に再度凹部(符号無し)が形成される。本実施形態にかかる有機EL装置1においては、隔壁77は平坦化層72と同じく感光性のアクリル樹脂で形成されている。非感光性のアクリル樹脂を、フォトレジストを用いてパターニングすることもできる。隔壁77は、画素電極25の立ち上がり部、すなわち平坦化層72に沿って素子基板10の基板面に対して斜めに傾いている部分を完全に覆うようにパターニングする。すなわち、画素電極25の反射層22と対向している領域のみを露出するようにパターニングする。
次に、図7(a)に示すように、各々の画素領域101(R,G,B)における隔壁77で囲まれた凹部内に発光機能層26を形成する。発光機能層26は単層として図示しているが、具体的には画素電極25上に順に積層された正孔輸送層と有機EL層と電子輸送層と(いずれの符号は付与していない)からなる。好ましくは、画素電極25と正孔輸送層との間に正孔注入層を形成し、電子輸送層と後述する陰極27(図7(b)参照)との間に電子注入層を形成する。
有機EL層は、EL(エレクトロルミネッセンス)現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極25と後述する陰極27との間に電圧を印加すると、有機EL層には、正孔輸送層から正孔が、また、電子輸送層から電子が注入され、有機EL層内で再結合する。有機EL層は、かかる再結合時に発光する。なお、本実施形態にかかる有機EL装置1の有機EL層は白色光を発光する有機EL層であり、各々の画素領域101(R,G,B)に共通の層が形成されている。
かかる発光機能層26は、反射層22と同様にインクジェット法、すなわち液材の滴下(供給)と溶媒の除去によって形成することができる。すなわち上述の各層の形成材料と溶媒とからなる液材を隔壁77で囲まれた上述の凹部(符号無し)内に滴下し溶媒を乾燥等により除去して固化する工程を複数回繰り返すことで、該凹部内に複数の層からなる発光機能層26を形成できる。また、蒸着法等により素子基板10の全面に形成した後パターニングしてもよい。
次に、図7(b)に示すように、陰極27と第1のパシベーション層85と応力緩和層86と第2のパシベーション層87とを記載の順に積層する。陰極27は、層厚略12.5nmのMgAg(マグネシウム・銀)合金からなる。かかる薄い層厚とすることで、金属材料を用いながら半反射性、すなわち光反射性と光透過性との双方が付与されている。画素電極25と発光機能層26と陰極27の積層体が有機EL素子29である。陰極27は少なくとも表示領域100(図1参照)の全域に形成されており、0電位となっている。したがって、画素電極25に電圧が印加されると該電圧に応じた電流が発光機能層26に流れて、発光機能層26が該電流量に応じて発光する。
第1のパシベーション層85は層厚200nmの酸化シリコン、応力緩和層86は層厚2000nmのアクリル樹脂、第2のパシベーション層87は層厚400nmの、酸化シリコンからなる。かかるパシベーション層等は、水分等の滲入を抑制し、有機EL装置1の信頼性を向上させる機能を有している。
次に、図8に示すように、素子基板10と対向基板11とを、接着層78及び周辺シール材13(図1参照)により貼り合わせる。対向基板11は、ガラスあるいは石英等の透明材料からなる。対向基板11の一方の面に円偏光板88が貼付され、もう一方の面にはカラーフィルタ層76が形成されている。対向基板11はカラーフィルタ層76が形成されている面が素子基板10と対向するように貼り合わされる。カラーフィルタ層76はカラーフィルタ75(R,G,B)とブラックマトリクス75Kとからなる。各カラーフィルタ75(R,G,B)は画素領域101(R,G,B)と対向するように形成されている。
有機EL装置1は、以下のように発光45(R,G,B)を射出する。上述したように、各々の発光機能層26は、通電量に応じて発光する。該発光の内、対向基板11側に向かった光は、一部がカラーフィルタ75及び対向基板11等を透過して三原色のいずれの色の光として射出される。そして上述の一部以外の残りの光は、陰極27の半反射性により反射されて素子基板10側に向かう。そして、画素電極25を介して反射層22に到達し、該反射層により反射されて再度対向基板11側に向かう。
また、素子基板10側に向かった発光も、画素電極25を介して反射層22に到達し、該反射層により反射されて対向基板11側に向かう。対向基板11側に向かった光の一部はカラーフィルタ75及び対向基板11等を透過して三原色のいずれの色の光として射出され、残りの光は陰極27の半反射性により反射されて素子基板10側に向かう。すなわち発光機能層26内で生じた光は、反射層22と陰極27との間で反射を繰り返しつつ、カラーフィルタ75及び対向基板11等を透過して射出される。
このように、反射層22と陰極27との間は共振構造(共振器)として機能している。上述の発光は該共振構造により色純度が向上した後、カラーフィルタ75(R,G,B)により一層高純度の光として射出される。したがって、第1〜第3のITO層(41,42,43)の層厚はかかる共振構造の光学的距離を好ましい値とするために設定されている。
具体的には、赤色画素領域101Rに形成された画素電極25を構成する第1のITO層41と第2のITO層42と第3のITO層43との積層体の(法線方向の)光学的距離と、発光機能層26の(法線方向の)光学的距離と、の和は赤色光に相当する波長範囲の光の共振長と略一致している。緑色画素領域101Gに形成された画素電極25を構成する第2のITO層42と第3のITO層43との積層体の光学的距離と、発光機能層26の光学的距離と、の和は緑色光に相当する波長範囲の光の共振長と略一致している。青色画素領域101Bに形成された画素電極25を構成する第3のITO層43の光学的距離と、発光機能層26の光学的距離と、の和は青色光に相当する波長範囲の光の共振長と略一致している。
かかる共振構造により、本実施形態にかかる製造方法で得られる有機EL装置1は、共通の発光機能層26を用いているにもかかわらず、画素領域101(R,G,B)毎に異なる波長範囲の光を形成できる。そして、カラーフィルタ75(R,G,B)によりさらに色純度が向上した光として射出できる。
かかる共振構造においては反射を繰り返すことによる光の取り出し効率の低下、すなわち輝度の低下が問題となる。そこで、本実施形態の製造方法は、素子基板10側に形成される反射層22を、全金属中で反射率が最も高く、かつ、反射率の波長依存性が少ない銀で構成することで、反射を繰り返させることによる光の強度の低下を抑制して、輝度の高いトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
そして、本実施形態の製造方法によれば、かかる銀からなる反射層22をインクジェット法で形成するため、フォトリソグラフィー工程を削減できる。また、反射層22が形成過程において現像液及び剥離液等に曝されることがないため、対薬品性に劣る銀を用いても表面が化学的に変化することを抑制でき、反射率の低下を抑制できる。その結果、輝度一層向上したトップエミッション型の有機EL装置1を得ることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、銀からなる薄膜の形成工程が反射層22の形成工程そのものであり、銀からなる薄膜をさらに加工する工程を要しない。したがって、銀からなる薄膜の形成後、該薄膜の表面をただちにITOからなる薄膜で覆うことができ、経時変化による(反射率の低下等の)影響を抑制できる。
また、反射層22をインクジェット法で形成するために形成する凹部20は、平坦化層72を感光性のアクリル樹脂で形成することにより、露光と現像を1回ずつ追加することのみで形成できる。平坦化層72は、該凹部を形成しない場合にも必要な要素であるため、最小限の工程の追加で反射層22を銀で形成できる。したがって、製造コストの増加を抑制しつつ、輝度一層向上したトップエミッション型の有機EL装置を得ることができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態にかかるトップエミッション型の有機EL装置の製造方法について説明する。図9(a)〜図11は、第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。本実施形態にかかる製造方法は第1の実施形態にかかる製造方法に類似しており、また、本実施形態により得られる有機EL装置2も、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と類似している。そこで、以下の記載においては、有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付与し、形成材料等の説明の記載は一部省略している。以下、工程断面図に沿って説明する。
続いて、第2の実施形態にかかるトップエミッション型の有機EL装置の製造方法について説明する。図9(a)〜図11は、第2の実施形態の有機EL装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。本実施形態にかかる製造方法は第1の実施形態にかかる製造方法に類似しており、また、本実施形態により得られる有機EL装置2も、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と類似している。そこで、以下の記載においては、有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付与し、形成材料等の説明の記載は一部省略している。以下、工程断面図に沿って説明する。
まず、図9(a)に示すように、第1の実施形態における第1〜第4の工程と同一の工程を実施して、各々の画素領域101(R,G,B)に形成された凹部20内に、銀からなる薄膜である反射層22を形成する。なお、図9(a)は、図4(b)と略同一の図である。
次に、図9(b)に示すように、第7の工程として、素子基板10上の全面を覆う絶縁層としての窒化シリコンからなる第2の保護層74を形成する。
次に、図10(a)に示すように、第8の工程として、コンタクトホール51の形成領域における第2の保護層74をエッチングにより除去して、ドレイン電極54の上面の少なくとも一部を露出させる。第2の保護層74を除去する領域はコンタクトホール51の形成領域のみである。反射層22の上面は第2の保護層74で覆われるようにする。
次に、図10(b)に示すように、画素領域101(R,G,B)とコンタクトホール51の形成領域に跨る画素電極25を形成する。本実施形態における画素電極の形成は上述の第1の実施形態における段落34から段落37に記載の工程と略同一の手順で行なう。ただし、透明導電材料として結晶性のITO層を用い、エッチング液として王水を用いる点で第1の実施形態における画素電極25の形成工程とは異なっている。
上述の第1の実施形態で述べたように、画素領域101毎に異なる層厚の画素電極25を形成するためには、青色画素領域101Bにおいては1回、緑色画素領域101Gにおいては2回、凹部20の底面(第1の実施形態においては反射層22の上面)をITO層のエッチング液に曝す必要がある。したがって、第1の実施形態においては反射層22の形成材料である銀に与えるダメージが少ない蓚酸でエッチング可能なアモルファスのITOで画素電極25を形成している。しかし、本実施形態の製造方法では、反射層22の上面が窒化シリコンからなる第2の保護層74で覆われている。したがって、反射層22の形成材料である銀がエッチング液に曝されることがない。したがって、エッチング液に王水等の強酸を必要とする結晶性のITOで、画素電極25を形成できる。
次に、図11に示すように、上述の第1の実施形態における段落39から段落43に記載の工程を実施して、発光機能層26、隔壁77、陰極27、を形成して有機EL素子29と、該有機EL素子とTFT112等から成る有機EL画素30を形成する。そして、陰極27の上面に、第1のパシベーション層85と応力緩和層86と第2のパシベーション層87とを順に積層する。
そして次に、カラーフィルタ層76と円偏光板88とが貼付された対向基板11と素子基板10とを、カラーフィルタ層76と第2のパシベーション層87とが対向するように、接着層78と周辺シール材13(図1参照)とにより貼り合わせる。以上の工程により本実施形態にかかるトップエミッション型の有機EL装置2を得る。
本実施形態の製造方法によれば、反射層22の上面を窒化シリコンからなる第2の保護層74で覆った後に画素電極25を形成するため、画素電極の形成(すなわちITO層のパターニング)に王水等の強酸を用いることができる。そのため、画素電極を結晶性のITOで形成できる。かかる結晶性のITOはアモルファスのITOに比べて導電性が向上している。したがって、本実施形態によって得られる有機EL装置2は通電時における画素電極での損失を低減でき、表示品質の向上及び消費電力の低減が可能となる。また、凹部20と該凹部を囲む平坦化層72とで形成される段差により、画素電極25を形成する際のITO層に切れ目が生じた場合にも、エッチング液により反射層22がダメージを受けることを回避できる。
また、本実施形態にかかる有機EL装置2は、反射層22と画素電極25の間が絶縁性材料である窒化シリコンからなる第2の保護層74で仕切られているため反射層22は電気的にフローティング状態である。したがって、画素電極25に電圧が印加されても反射層22には電流が流れない。反射層22の形成材料である銀は敏感な材料であり、通電が繰り返されると、いわゆるエレクトロマイグレーションにより形状等が変化する可能性がある。本実施形態にかかる有機EL装置2においては、反射層22が画素電極25から電気的に絶縁されているため、かかる現象が生じることを回避できる。したがって、表示品質の経時変化が抑制され、信頼性等が向上している。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態にかかるトップエミッション型の有機EL装置の製造方法について説明する。図12(a)〜図14は、第3の実施形態の有機EL装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。本実施形態にかかる製造方法も第2の実施形態と同様に第1の実施形態にかかる製造法に類似しており、また、本実施形態により得られる有機EL装置3も、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と類似している。そこで、以下の記載においては、有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付与し、形成材料等の説明の記載は一部省略している。以下、工程断面図に沿って説明する。
続いて、第3の実施形態にかかるトップエミッション型の有機EL装置の製造方法について説明する。図12(a)〜図14は、第3の実施形態の有機EL装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。本実施形態にかかる製造方法も第2の実施形態と同様に第1の実施形態にかかる製造法に類似しており、また、本実施形態により得られる有機EL装置3も、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と類似している。そこで、以下の記載においては、有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素には同一の符号を付与し、形成材料等の説明の記載は一部省略している。以下、工程断面図に沿って説明する。
まず、図12(a)に示すように、素子基板10の上面にTFT112と該TFTを覆う層間絶縁層71、及びソース電極53と電極としてのドレイン電極54とを形成する。そして、素子基板10の上面に、上述のTFT112及びドレイン電極54等を覆う様に窒化シリコンからなる第1の保護層73を形成する。そして次に、第1の工程として、第1の保護層73を覆うように、感光性のアクリル樹脂からなる平坦化層72を形成する。上記の各要素の形成方法及び形成材料は、第1の実施形態にかかる製造方法及び該製造方法で得られる有機EL装置1と同様である。
次に、図12(b)に示すように、第2の工程として平坦化層72をパターニングして、ドレイン電極54の上面の一部を露出させるコンタクトホール51を形成すると共に、画素領域101(R,G,B)に凹部20を形成する。
該凹部は、第1の実施形態における凹部20及び第2の実施形態における凹部20とは異なり、第1の保護層73を露出させない様に、浅く形成されている。したがって、画素領域101(R,G,B)における平坦化層72のエッチングは、コンタクトホール51の形成領域におけるエッチングとは異なり、深さ方向(Z方向)の一部、具体的には略50%に留められている。上述したように平坦化層72の層厚は略2.0μmであるため、本実施形態における凹部20の深さは略1.0μmとなる。かかる深さであれば、反射層22の形成時における液材(銀ペーストと溶剤からなる液体材料)16の滴下時に、該液材が凹部20の周囲に溢れ出ることを回避できる。そして、かかる構成により、凹部20の底面と平坦化層72の上面との間の段差は、第1の実施形態にかかる有機EL装置1及び第2の実施形態にかかる有機EL装置2における該段差に比べて縮小されている。
上述の深さ方向の異なるエッチング、すなわち凹部20の形成とコンタクトホール51の形成とを同時に行なうために、ハーフ露光を行なっている。本実施形態における平坦化層72の形成材料である感光性アクリル樹脂は、紫外線等が照射された領域が可溶となるポジ型である。上述の第2の工程、すなわち平坦化層72のパターニングは、露光工程と現像(エッチング)工程等から成る。該露光工程において、多階調マスク(グレイトーンマスクあるいはハーフトーンマスク)用いて、画素領域101(R,G,B)における平坦化層72に対してはハーフ露光を行なう。その結果、現像時に該領域では平坦化層72が深さ方向の一部までしか除去されず、上述の浅い凹部20が形成される。
次に、図13(a)に示すように、上述の第1の実施形態における段落32から段落33に記載の工程を実施して、凹部20内に銀からなる反射層22を形成する。
次に、図13(b)に示すように、上述の第1の実施形態における段落34から段落38に記載の工程を実施して、画素領域101(R,G,B)とコンタクトホール51の形成領域に跨る画素電極25を形成する。本実施形態における画素電極25は第1の実施形態にかかる有機EL装置1と同様にアモルファスのITOで形成する。
次に、図14に示すように、上述の第1の実施形態における段落39から段落43に記載の工程を実施して、発光機能層26、隔壁77、陰極27、を形成して有機EL素子29と、該有機EL素子とTFT112等から成る有機EL画素30を形成する。さらに、陰極27の上面に、第1のパシベーション層85と応力緩和層86と第2のパシベーション層87とを順に積層する。
そして次に、カラーフィルタ層76と円偏光板88とが貼付された対向基板11と素子基板10とを、カラーフィルタ層76と第2のパシベーション層87とが対向するように、接着層78と周辺シール材13(図1参照)とにより貼り合わせる。以上の工程により、本実施形態にかかる有機EL装置3を得る。
本実施形態の製造方法によれば、凹部20を浅く形成するため、該凹部の底面と該凹部の周囲を囲む平坦化層72との間の段差を、保護層等を別途形成することなく縮小できる。したがって、画素電極25を形成する際において、ITO層に切れ目が発生する可能性を工程数を増加させることなく低減できる。したがって、製造コストを増加させることなく信頼性の向上した有機EL装置を得ることができる。また、平坦化層72の機能を画素領域101内においてもある程度は維持できるため、該画素領域と平面視で重なるように形成され得る要素(例えば保持容量110等)による凹凸の影響を抑制できる。したがって、反射層22をより一層平坦な面上に形成でき、表示品質を向上できる。
(変形例1)
上述の第2の実施形態にかかる有機EL装置2においては画素電極25と反射層22との間に第2の保護層74が形成されており、第3の実施形態にかかる有機EL装置3においては画素電極25と反射層22との間に平坦化層72が略半分の層厚で残されている。ここで、画素電極25と反射層22との間に第2の保護層74を形成すると共に、画素電極25と反射層22との間に平坦化層72が略半分の層厚で残す製造方法も可能である。かかる態様であれば、画素電極25のパターニング時に反射層22の表面が影響を受けることをより一層抑制でき、より一層高品質の有機EL装置を得ることができる。また、凹部20と該凹部との境界の段差をより一層低減でき、画素電極25の形成時における段切れをより一層低減できる。そして、有機EL装置2と同様に画素電極25を結晶性のITOで形成できるため、表示品質を向上できる。
上述の第2の実施形態にかかる有機EL装置2においては画素電極25と反射層22との間に第2の保護層74が形成されており、第3の実施形態にかかる有機EL装置3においては画素電極25と反射層22との間に平坦化層72が略半分の層厚で残されている。ここで、画素電極25と反射層22との間に第2の保護層74を形成すると共に、画素電極25と反射層22との間に平坦化層72が略半分の層厚で残す製造方法も可能である。かかる態様であれば、画素電極25のパターニング時に反射層22の表面が影響を受けることをより一層抑制でき、より一層高品質の有機EL装置を得ることができる。また、凹部20と該凹部との境界の段差をより一層低減でき、画素電極25の形成時における段切れをより一層低減できる。そして、有機EL装置2と同様に画素電極25を結晶性のITOで形成できるため、表示品質を向上できる。
(変形例2)
上述の第1〜第3の実施形態においては、画素電極の層厚を、射出する発光45の色毎に三種類に変化させて、発光45の色に合わせた共振構造を形成している。しかし、白色光を有色光とすることをカラーフィルタ層76のみで実施して、画素電極25は全て共通とする態様も可能である。また、発光機能層26に含まれる有機EL層を、発光45の色に合せて三種類用いて、共振構造を用いず、かつカラーフィルタ層76も用いない態様も可能である。
いずれの態様においても、ITO層の形成工程及び該ITO層のパターニング工程を各1回で済ますことができ、製造コストを低減できる。また、画素電極25の形成時に、ITO層を反射層22が露出するまでエッチングする必要がないため、反射層22がダメージを受けることを低減でき、表示品質を向上できる。
上述の第1〜第3の実施形態においては、画素電極の層厚を、射出する発光45の色毎に三種類に変化させて、発光45の色に合わせた共振構造を形成している。しかし、白色光を有色光とすることをカラーフィルタ層76のみで実施して、画素電極25は全て共通とする態様も可能である。また、発光機能層26に含まれる有機EL層を、発光45の色に合せて三種類用いて、共振構造を用いず、かつカラーフィルタ層76も用いない態様も可能である。
いずれの態様においても、ITO層の形成工程及び該ITO層のパターニング工程を各1回で済ますことができ、製造コストを低減できる。また、画素電極25の形成時に、ITO層を反射層22が露出するまでエッチングする必要がないため、反射層22がダメージを受けることを低減でき、表示品質を向上できる。
1…第1の実施形態の有機EL装置、2…第2の実施形態の有機EL装置、3…第3の実施形態の有機EL装置、10…素子基板、11…対向基板、13…周辺シール材、15…ノズル、16…銀の液材、20…凹部、22…反射層、25…陽極としての画素電極、26…発光機能層、27…陰極、29…有機EL素子、30…有機EL画素、30R…赤色有機EL画素、30G…緑色有機EL画素、30B…青色有機EL画素、33…ゲート電極、35…ソース領域、36…ドレイン領域、38チャネル領域、41…第1のITO層、42…第2のITO層、43…第3のITO層、45…発光、51…コンタクトホール、53…ソース電極、54…ドレイン電極、70…ゲート絶縁層、71…層間絶縁層、72…平坦化層、73…第1の保護層、74…絶縁層としての第2の保護層、75B…青色カラーフィルタ、75G…緑色カラーフィルタ、75K…ブラックマトリクス、75R…赤色カラーフィルタ、76…カラーフィルタ層、77…隔壁、78…接着層、85…第1のパシベーション層、86…応力緩和層、87…第2のパシベーション層、88…円偏光板、100…表示領域、101…画素領域、101B…青色画素領域、101G…緑色画素領域、101R…赤色画素領域、102…走査線、104…信号線、106…容量線、108…スイッチング用TFT、110…保持容量、112…駆動用TFT、120…走査線駆動回路、130…信号線駆動回路、140…同期信号線。
Claims (4)
- 基板上に配列された画素領域に形成された、陽極と陰極と前記陽極と前記陰極とに挟持される少なくとも有機EL層を含む発光機能層とからなる有機EL素子と、
前記有機EL素子に形成された、該有機EL素子を駆動する駆動素子と、
を備える有機EL装置の製造方法であって、
前記駆動素子を覆う平坦化層を形成する第1の工程と、
前記平坦化層の一部を選択的に除去して、前記画素領域を含む領域に凹部を形成すると共に、前記駆動素子の電極の少なくとも一部を露出させるコンタクトホールを形成する第2の工程と、
前記凹部内に、銀を含む液体材料を供給する第3の工程と、
前記液体材料を固化して前記凹部内に銀からなる薄膜を形成する第4の工程と、
を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 請求項1に記載の有機EL装置の製造方法であって、
前記第4の工程の後に、前記基板上に透明導電材料からなる薄膜を形成する第5の工程と、
前記透明導電材料からなる薄膜を、前記コンタクトホールが形成されている領域と前記画素領域との双方に跨る領域に残るようにパターニングする第6の工程と、
を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 請求項2に記載の有機EL装置の製造方法であって、
前記第4の工程を実施した後、前記第5の工程を実施する前に、前記基板上を覆う絶縁層を形成する第7の工程と、該絶縁層をパターニングして前記電極の少なくとも一部を露出させる第8の工程と、を順に実施することを特徴とする有機EL装置の製造方法。 - 請求項2又は3に記載の有機EL装置の製造方法であって、
前記第2の工程は、前記凹部の底面に前記平坦化層が残る様に、該凹部が形成される領域における前記平坦化層の深さ方向の一部を除去する工程であることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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-
2008
- 2008-11-13 JP JP2008290667A patent/JP2010118253A/ja not_active Withdrawn
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