JP2010108706A - エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】共振器構造を有し、共振波長が異なる複数のEL素子を備えたEL装置について、その製造工程を簡略化し、生産性の向上を図るようにした製造方法を提供する。
【解決手段】光反射層120と、半透過反射層と、これらの間に配置された発光層と、光反射層と半透過反射層との間に配置された画素電極とを含むEL素子を複数有し、EL素子の発光領域には共振器構造が形成され、EL素子は、第1EL素子と、第1EL素子に比べて共振器構造における共振波長が短い第2EL素子と、を備えたEL装置の製造方法である。第1EL素子の形成領域ではその膜厚が厚く、第2EL素子の形成領域ではその膜厚が薄くなり、画素電極間の分離領域では除去されて透明導電層を露出させるように、パターニングして感光性樹脂マスク222を形成する工程と、この感光性樹脂マスクを用いて透明導電層をエッチングする工程を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス装置の製造方法に関する。
従来、有機EL(ElectroLuminescent)材料からなる発光層を第1電極と第2電極との間に配置した有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が、基板上に配列されて構成された有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)が提案されている。この有機EL装置においては、発光層による出射光のスペクトルのピーク幅が広くその強度も低いため、例えば表示装置として採用されたときに充分な色再現性の確保が困難であるという問題がある。
この問題を解決するため、例えば特許文献1には、発光層からの出射光を共振させる共振器構造を各発光素子に形成した構成が開示されている。この構成においては、発光層に対して基板側に位置する光透過性の第1電極と、該基板との間に位置する光反射層(誘電体ミラー)とが配設される。発光層からの出射光は、この発光層を挟んで相互に対向する光反射層と第2電極との間で往復する。そして、光反射層と第2電極との光学的距離に応じた共振波長の光が選択的に増幅されたうえで、観察側に出射する。したがって、スペクトルのピーク幅が狭く強度も高い光を表示に利用することができ、表示装置の色再現性を向上させることが可能になる。また、発光素子ごとに光反射層と第2電極との光学的距離を調整することにより、複数の色(例えば赤色や緑色や青色)に対応した波長の光を取り出すこともできる。
また、特許文献2には、誘電膜を挟んで共振構造を形成し、誘電膜を多層化してその厚さを変えることで、共振構造における共振長を変え、複数の色(例えば赤色や緑色や青色)に対応した波長の光を取り出すようにした方法が開示されている。
国際公開第01/039554号パンフレット 特開2006−278257号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された表示素子は、RGBの色毎に発光層の厚さを変えているため、これら発光層の形成工程が複雑になり、さらに、その膜厚制御が困難であるといった課題がある。
また、前記特許文献2では、誘電膜を多層に形成するため、この多層誘電体膜の製造工程が大幅に増加し、生産性を損なうといった課題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、共振器構造を有し、共振波長が異なる複数のエレクトロルミネッセンス素子を備えたエレクトロルミネッセンス装置について、その製造工程を簡略化し、生産性の向上を図るようにした、エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を提供することにある。
本発明のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基体上に、光反射層と、半透過反射層と、前記光反射層と前記半透過反射層との間に配置された発光層と、前記光反射層と前記半透過反射層との間に配置された光透過性の画素電極とを含むエレクトロルミネッセンス素子を複数有し、
前記エレクトロルミネッセンス素子の発光領域には共振器構造が形成され、
前記複数のエレクトロルミネッセンス素子は、第1エレクトロルミネッセンス素子と、該第1エレクトロルミネッセンス素子に比べて前記共振器構造における共振波長が短い第2エレクトロルミネッセンス素子と、を備えてなるエレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
前記基体上の前記光反射層上に透明導電層を形成する工程と、
前記透明導電層上に感光性樹脂層を形成する工程と、
前記感光性樹脂層を、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が厚く、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域より薄くなり、前記画素電極間の分離領域では除去されて前記透明導電層を露出させるように、パターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程と、
前記感光性樹脂マスクを用いて前記透明導電層における前記画素電極間の分離領域をエッチングし、前記透明導電層を複数の電極部に分離する工程と、
前記分離領域のエッチング後、前記感光性樹脂マスクをアッシングして、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させる工程と、
前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部の表層をエッチングして該電極部を所定の厚さにする工程と、
前記第2エレクトロルミネッセンス素子の電極部のエッチング後、前記感光性樹脂マスクをアッシングもしくは剥離液による剥離処理をして、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させる工程と、
前記第1エレクトロルミネッセンス素子の電極部上、及び前記第2エレクトロルミネッセンス素子の電極部上にそれぞれ発光層を形成する工程と、
前記発光層上に光透過反射層を形成する工程と、を備えたことを特徴としている。
このエレクトロルミネッセンス装置の製造方法によれば、透明導電層をエッチングして複数の電極部に分離し、さらに第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部と、第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部とを共に形成可能にする感光性樹脂マスクを、一つの感光性樹脂層から形成するので、製造工程を簡略化し、生産性の向上を図ることができる。
また、前記の製造方法において、前記透明導電層を形成する工程では、前記光反射層上に第1透明導電層を形成し、さらに該第1透明導電層上に該第1透明導電層とエッチングの選択比が異なる第2透明導電層を積層することで、透明導電層を形成するのが好ましい。
そして、その場合に、前記第1透明導電層を、その厚さが前記第2エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、前記第2透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さとの和が、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成するのが好ましい。
このようにすれば、第1透明導電層と第2透明導電層とを積層して透明導電層を形成し、その後、感光性樹脂マスクを用いて第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の第2透明導電層を選択的にエッチングすることにより、この第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の厚さを、共振器構造における共振波長に対応する厚さに容易に形成することができる。さらに、第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部については、これを直接エッチングして膜厚を調整しなくても、その厚さを、共振器構造における共振波長に対応する厚さに容易に形成することができる。
また、前記の製造方法において、前記複数のエレクトロルミネッセンス素子は、前記第1エレクトロルミネッセンス素子と前記第2エレクトロルミネッセンス素子とに加えて、前記第2エレクトロルミネッセンス素子に比べて前記共振器構造における共振波長が短い第3エレクトロルミネッセンス素子を備えてなり、
前記感光性樹脂マスクを形成する工程では、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域より薄くなるようにパターニングし、
前記分離領域のエッチング後、アッシングにより前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させるに先だって、まず、前記感光性樹脂マスクをアッシングして、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させ、その後、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部の表層をエッチングして該電極部を所定の厚さにする工程を備え、
前記発光層を形成する工程では、第3エレクトロルミネッセンス素子の電極部上にも発光層を形成するのが好ましい。
このようにすれば、共振器構造における共振波長が異なる三つのエレクトロルミネッセンス素子を形成することができ、したがって、これら三つのエレクトロルミネッセンス素子の発光する光の波長域をそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の波長域に対応させることにより、フルカラー表示が可能なエレクトロルミネッセンス装置を容易に形成することができる。
また、この製造方法において、前記透明導電層を形成する工程では、前記光反射層上に第1透明導電層を形成し、該第1透明導電層上に該第1透明導電層とエッチングの選択比が異なる第2透明導電層を形成し、さらに、該第2透明導電層上に、前記第1透明導電層とエッチングの選択比が異なり、かつ該第2透明導電層ともエッチングの選択比が異なる第3透明導電層を積層することで、透明導電層を形成するのが好ましい。
そして、その場合に、前記第1透明導電層を、その厚さが前記第3エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、前記第2透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さとの和が、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、前記第3透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さと前記第2透明導電層の厚さとの和が、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成するのが好ましい。
このようにすれば、第1透明導電層と第2透明導電層と第3透明導電層とを積層して透明導電層を形成し、その後、感光性樹脂マスクを用いて第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の第3透明導電層と第2透明導電層とを選択的にエッチングし、さらに第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の第3透明導電層を選択的にエッチングすることにより、第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の厚さと、第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部の厚さとをそれぞれ、共振器構造における共振波長に対応する厚さに容易に形成することができる。さらに、第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域における電極部については、これを直接エッチングして膜厚を調整しなくても、その厚さを、共振器構造における共振波長に対応する厚さに容易に形成することができる。
また、前記製造方法において、前記感光性樹脂層をパターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程では、透過率の異なる複数の膜からなるハーフトーンマスクを露光マスクとして用いて前記感光性樹脂層を露光し、その後現像することでパターニングすることにより、感光性樹脂マスクを形成するのが好ましい。
このようにすれば、感光性樹脂層を直接パターニングして感光性樹脂マスクを容易に形成することができる。
また、前記製造方法において、前記感光性樹脂層をパターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程では、解像度以下のスリットを設けたグレートーンマスクを露光マスクとして用いて前記感光性樹脂層を露光し、その後現像することでパターニングすることにより、感光性樹脂マスクを形成するのが好ましい。
このようにすれば、感光性樹脂層を直接パターニングして感光性樹脂マスクを容易に形成することができる。
また、前記製造方法において、前記感光性樹脂層を、感光部分が現像液に溶解するポジ型の感光性樹脂で形成するのが好ましい。
このようにすれば、特にハーフ露光を行った際、露光面となる表面側が感光部分となって現像液に溶解するようになり、したがって現像処理によって感光した表面側のみを選択的に溶解することが可能になる。
また、前記製造方法において、前記透明導電層を形成する工程では、前記透明導電層を、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物のうちの一種あるいは複数種から形成するのが好ましい。
インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または亜鉛酸化物によって透明導電層を形成することにより、透明導電層から得られる電極部によって透過性、導電性に優れた良好な画素電極を形成することができる。
以下、本発明のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法を詳しく説明する。
まず、本発明の製造方法によって製造されるエレクトロルミネッセンス装置(以下、EL装置と記す)の一例について、図1〜図3を参照して説明する。なお、図1は本発明に係る有機EL装置の配線構造を示す説明図、図2は図1に示した有機EL装置の平面模式図、図3は図1に示した有機EL装置の要部の断面模式図である。また、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
図1に示すように有機EL装置1は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101及び信号線102の各交点付近に、単一画素を構成する画素領域Aを形成したものである。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路104が接続されている。走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路105が接続されている。また、画素領域Aの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ112と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量capと、該保持容量capによって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ113と、この駆動用薄膜トランジスタ(駆動用TFT)113を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む陽極(画素電極)111と、この画素電極111と陰極(対向電極)12との間に挟み込まれ、挟持された機能層110とが設けられている。
なお、画素電極(陽極)111と陰極(対向電極)12と機能層110とを備えてなることにより、有機EL素子が構成されている。
このような構成によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ112がオンになると、そのときの信号線102の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ113のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ113のチャネルを介して、電源線103から画素電極111に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極12に電流が流れる。すると、機能層110はこれを流れる電流量に応じて発光する。
また、図2及び図3に示すようにこの有機EL装置1は、ガラス等からなる透明な基板2と、マトリックス状に配置された有機EL素子とを具備して構成されている。図3に示すように有機EL素子3は、基板2上に形成されたもので、画素電極111と、機能層110と、陰極12とを備えて構成されている。機能層110は、画素電極111側から順に正孔注入・輸送層60、発光層62が積層されたもので、発光層62上に陰極12が設けられたことにより、画素電極(陽極)111と陰極12との間に配設され、挟持されたものとなっている。
ここで、本発明に係る有機EL装置1は、前記有機EL素子3として、発光する光の波長域が赤色(R)である赤色EL素子3R(第1エレクトロルミネッセンス素子)と、発光する光の波長域が緑色(G)である緑色EL素子3G(第2エレクトロルミネッセンス素子)と、発光する光の波長域が青色(B)である青色EL素子3B(第3エレクトロルミネッセンス素子)とを備えて構成されている。そして、これら三種類の有機EL素子3R、3G、3Bは、いずれもその発光領域に共振器構造を形成して構成されている。
模式図である図4に示すように、有機EL素子3R、3G、3Bは、画素電極111の下面側に光反射層120を有し、また、陰極12が、その表面に到達した光の一部を透過し、残部を反射する性質を有した半透過反射層として機能するようになっている。このような構成のもとに、光反射層120と半透過反射層(陰極12)との間は発光領域になっている。すなわち、画素電極111が透明導電材料によって形成されていることにより、機能層110の発光層62で発光した光は、光反射層120と半透過反射層(陰極12)との間で反射を繰り返し、共振する。すると、この共振構造における共振波長の成分のみが選択的に増幅されたうえで、陰極12を透過し外側(観測者側)に出射する。したがって、このような構成により、スペクトルのピーク幅が狭く強度も高い光を出射できるようになっている。
ここで、有機EL素子3R、3G、3Bでは、それぞれが発光する光の波長域に対応して、画素電極111の厚さが決定され、形成されている。すなわち、赤色EL素子3Rでは、三種類の有機EL素子3R、3G、3Bのうちで発光する光の波長域が一番長いことから、共振構造における共振長さも一番長くなるように、画素電極111(111R)の厚さが一番厚く形成されている。同様に、緑色EL素子3Gでは、三種類の有機EL素子3R、3G、3Bのうちで発光する光の波長域が二番目に長いことから、画素電極111(111G)の厚さも二番目に厚く形成され、青色EL素子3Bでは、三種類の有機EL素子3R、3G、3Bのうちで発光する光の波長域が一番短いことから、画素電極111(111B)の厚さは一番薄く形成されている。
また、本実施形態では、一番薄い青色EL素子3Bの画素電極111(111B)は、後述する第1透明導電層115aによって形成されており、緑色EL素子3Bの画素電極111(111G)は、第1透明導電層115aと第2透明導電層115bとによって形成されており、一番厚い赤色EL素子3Rの画素電極111(111R)は、第1透明導電層115aと第2透明導電層115bと第3透明導電層115cとによって形成されている。
また、図3に示すように基板2の厚さ方向において、前記有機EL素子3(3R、3G、3B)を含むEL素子部10と基板2との間には、回路素子部14が形成されている。この回路素子部14には、前述の走査線、信号線、保持容量、スイッチング用の薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トランジスタ113等が形成されている。このような回路素子部14と前記基板2とにより、本発明の基体が構成されている。
また、陰極12は、その一端が陰極コンタクト70に接続されており、この陰極コンタクト70は、基板2上に形成された陰極用配線12aに接続されている。そして、図2に示すようにこの配線12aの端部が、フレキシブル基板5上の配線5aに接続されている。なお、この配線5aは、フレキシブル基板5上に備えられた駆動IC6(駆動回路)に接続されている。
また、本発明の有機EL装置1は、前述したように発光層62で発光した光が、陰極12を透過し外側(観測者側)に出射する、いわゆるトップエミッション型となっている。したがって、このような回路素子部14の構成については、図3に示した構造と異なり、駆動用TFT113等を後述する隔壁の下方に配置することなく、画素電極111の下方に配置し、開口率を高めることもできる。
図3に示すように回路素子部14には、基板2上にSiOを主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO及び/又はSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域が、チャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする層間絶縁層283が形成されている。
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、電源線(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された層間絶縁層283の上層には、平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されたもので、駆動用TFT113やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
そして、この平坦化膜284の表面上には、光反射層120と画素電極111とが積層されて形成されており、特に画素電極111は、前記平坦化膜284に設けられたコンタクトホール111aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極111は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
光反射層120は、光反射性を有する導電性材料によって形成されたものである。光反射性を有する導電性材料としては、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、あるいはこれらを主成分とする合金等が用いられ、例えばAlとNd(ネオジム)との合金が好適に用いられる。
画素電極111は、透明導電材料によって形成されたもので、図4に示したように青色EL素子3Bでは第1透明導電層115aのみから形成され、緑色EL素子3Gでは第1透明導電層115aと第2透明導電層115bとから形成され、赤色EL素子3Rでは第1透明導電層115aと第2透明導電層115bと第3透明導電層115cとから形成されている。
ここで、第1透明導電層115aのみからなる青色EL素子3Bの画素電極111Bは、その厚さが、青色EL素子3B(第3エレクトロルミネッセンス素子)の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成されている。また、第1透明導電層115aと第2透明導電層115bとからなる緑色EL素子3Gの画素電極111Gは、その厚さが、緑色EL素子3G(第2エレクトロルミネッセンス素子)の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成され、第1透明導電層115aと第2透明導電層115bと第3透明導電層115cとからなる赤色EL素子3Rの画素電極111Rは、その厚さが、赤色EL素子3R(第1エレクトロルミネッセンス素子)の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成されている。
第1透明導電層115a、第2透明導電層115b、第3透明導電層115cとなる透明導電材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO[登録商標])、亜鉛酸化物(ZnO)が好適に用いられ、これらのうちから選択された一種あるいは複数種により、前記の各透明導電層は形成されている。
ただし、第2透明導電層115bを形成する透明導電材料については、第1透明導電層115aを形成する透明導電材料とエッチングの選択比が異なる材料、すなわち、第1透明導電層115aに対して高いエッチング選択比がとれる材料が好適に用いられる。また、第3透明導電層115cを形成する透明導電材料については、第2透明導電層115bを形成する透明導電材料、及び第1透明導電層115aを形成する透明導電材料とエッチングの選択比が異なる材料、すなわち、第2透明導電層115b及び第1透明導電層115aのいずれに対しても高いエッチング選択比がとれる材料が好適に用いられる。このように選択比がとれる材料の組み合わせとしては、前記したインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物を挙げることができる。これら三種類の材料を用いて適宜な順に積層し、従来公知のエッチング条件から適宜な条件を選択することにより、高い選択比で第3透明導電層115c及び第2透明導電層115bをそれぞれエッチングすることができる。
画素電極111が形成された平坦化膜284の表面上には、画素電極111と、これの外周部を覆う無機隔壁25とが形成されており、さらにこの無機隔壁25上には、有機隔壁221が形成されている。ここで、無機隔壁25はSiOからなっており、有機隔壁221は、アクリル系やポリイミド系等の耐熱性絶縁性樹脂で、かつ、感光性の樹脂からなっている。
また、画素電極111上には、隔壁に形成された無機隔壁25の開口内、及び有機隔壁221の開口内、すなわち単一画素の形成領域に、前記した機能層110が形成されている。
機能層110は、正孔注入・輸送層60と発光層62とが積層されてなるもので、後述するように液相法で形成されたものである。正孔注入・輸送層60は、その形成材料として、例えば3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられている。ただし、これ以外にも、従来公知の正孔注入・輸送性材料を用いることができるのはもちろんである。
発光層62は、前記正孔注入・輸送層60上に形成されたもので、その形成材料としては、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体等の高分子材料が用いられ、さらに、これらの高分子材料にペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等がドープされたものも用いられる。ただし、赤色EL素子3Rでは赤色(R)の波長域の光を発光する材料が用いられ、同様に緑色EL素子3Gでは緑色(G)の波長域の光を発光する材料が、また、青色EL素子3Bでは青色(B)の波長域の光を発光する材料がそれぞれ用いられる。
陰極12は、発光層62を覆い、さらに有機隔壁221を覆って形成されたもので、発光層62に電子を注入する機能を有するものである。ただし、この陰極12は、本発明では前述したようにその表面に到達した光の一部を透過し、残部を反射する半透過反射層として機能するようになっている。具体的には、真空蒸着法で形成された厚さ5nm程度のLiF(フッ化リチウム)と、これの上に共蒸着法で形成された厚さ10nm程度のMgAgとからなる、積層膜によって形成されている。なお、陰極12の材料としては、前記材料以外にも、CaやBaなどの電子注入性を有する導電材料が使用可能である。
これら導電材料は、十分に薄く形成されることで透明性を発揮するものの、実際にはある程度反射する、半透過反射性のものである。したがって、形成された陰極12は、前述したようにその表面に到達した光の一部を透過し、残部を反射する半透過反射層として機能する。このような構成のもとに、半透過反射層である陰極12と、前記画素電極111の下面側に配設された光反射層120と間には、前述したように光共構造が形成されている。
そして、この陰極12上には、透明接着層(図示せず)を介して透明封止基板(図示せず)が貼着されている。
次に、このような構成の有機EL装置1の製造方法に基づき、本発明の製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態ではまず、従来と同様にして基板2上に回路素子部14を形成する。そして、基板2の全面を覆って光反射層120の形成材料を成膜し、その後これをパターニングすることにより、図5(a)に示すように光反射層120を形成する。
次いで、前記光反射層120を覆って透明導電層を形成する。具体的には、図5(b)に示すように画素電極111及び陰極コンタクト70の形成材料となる、第1透明導電材料層115A、第2透明導電材料層115B、第3透明導電材料層115Cをこの順に形成し、これら透明導電材料層によって透明導電層を形成する。例えば、第1透明導電材料層115Aをインジウム錫酸化物(ITO)で形成し、第2透明導電材料層115Bを亜鉛酸化物(ZnO)で形成し、第3透明導電材料層115Cをインジウム亜鉛酸化物で形成する。
なお、これら第1透明導電材料層115A、第2透明導電材料層115B、第3透明導電材料層115Cの厚さについては、第1透明導電材料層115Aを、青色EL素子3Bの共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成する。また、第2透明導電材料層115Bの厚さについては、この第2透明導電材料層115Bの厚さと前記第1透明導電材料層115Aの厚さとの和が、緑色EL素子3Gの共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成する。さらに、第3透明導電材料層115Cの厚さについては、この第3透明導電材料層115Cの厚さと前記第2透明導電材料層115Bの厚さと前記第1透明導電材料層115Aの厚さとの和が、赤色EL素子3Rの共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成する。
次いで、前記第3透明導電材料膜115C上に、図5(c)に示すように感光性樹脂層220を形成する。この感光性樹脂層220を形成する材料としては、一般に用いられるレジストや、感光性のアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が好適に用いられる。また、特に紫外線照射等による感光(露光)によってその感光部分が現像液に溶解する、ポジ型の感光性樹脂(レジスト)が用いられる。
次いで、この感光性樹脂層220を露光し、さらに現像することによって感光性樹脂層220をパターニングし、図6(a)に示すように感光性樹脂マスク222を形成する。ここで、感光性樹脂層220の露光に際しては、露光マスクとして、透過率の異なる複数の膜からなるハーフトーンマスク、あるいは、解像度以下のスリットを設けたグレートーンマスクが好適に用いられる。
具体的には、前記赤色EL素子3Rの形成領域においては露光光を透過せず、前記緑色EL素子3Gの形成領域では露光光を少し透過し、前記青色EL素子3Bの形成領域では露光光を前記緑色EL素子3Gの形成領域より多く透過し、前記画素電極111間の分離領域では、露光光が全部透過するように、前記のハーフトーンマスクあるいはグレートーンマスクを形成する。また、陰極コンタクト70の形成領域においては、前記赤色EL素子3Rの形成領域と同様に露光光を透過せず、陰極コンタクト70とEL素子3との分離領域では、露光光が全部透過するように、前記のハーフトーンマスクあるいはグレートーンマスクを形成する。そして、これを用いて露光を行う。
露光後現像処理を行うことにより、前記赤色EL素子3Rの形成領域と前記陰極コンタクト70の形成領域とでは元の厚さが保持されてその膜厚が厚くなり、前記緑色EL素子3Gの形成領域ではその膜厚が前記赤色EL素子3Rの形成領域より薄くなり、前記青色EL素子3Bの形成領域ではその膜厚が前記緑色EL素子3Gの形成領域より薄くなり、前記画素電極間の分離領域、及び陰極コンタクト70とEL素子3との分離領域では除去されて前記第3透明導電材料層115Cを露出させるように、パターニングする。
これにより、感光性樹脂マスク222が形成される。
次いで、この感光性樹脂マスク222を用い、画素電極間の分離領域、及び陰極コンタクト70とEL素子3との分離領域に露出した第3透明導電材料層115C、さらには第2透明導電材料層115B、第1透明導電材料層115Aを、順次エッチングする。これにより、図6(b)に示すように各EL素子の形成領域毎に、それぞれのEL素子に対応する画素電極となる、電極部115が形成される。
次いで、感光性樹脂マスク222の表層部をアッシングし、図6(c)に示すように前記青色EL素子3Bの形成領域に対応する電極部115を覆っている、膜厚を最も薄く形成した部分を除去して該電極部115の第3透明導電材料層115Cを露出させる。
次いで、アッシング後の感光性樹脂マスク222を用い、前記青色EL素子3Bの形成領域に露出した電極部115における第3透明導電材料層115C(第3透明導電層115c)と、その下の第2透明導電材料層115B(第2透明導電層115b)とを順次エッチングする。このとき、特に第2透明導電材料層115Bをエッチングした際には、この第2透明導電材料層115Bを第1透明導電材料層115A(第1透明導電層115a)に対して高いエッチング選択比がとれる材料で形成しているので、第1透明導電材料層115Aをほとんどオーバーエッチングすることなく、第3透明導電材料層115C及び第2透明導電材料層115Bを選択的にエッチングすることができる。したがって、エッチング後に残った第1透明導電材料層115Aは、図7(a)に示すように成膜時の厚さとほぼ等しい厚さの第1透明導電層115aとなり、この第1透明導電層115aによって青色EL素子3Bの画素電極111B(111)が形成される。
次いで、残った感光性樹脂マスク222の表層部を再度アッシングし、図7(b)に示すように前記緑色EL素子3Gの形成領域に対応する電極部115を覆っている、膜厚を少し薄く形成した部分を除去して該電極部115の第3透明導電材料層115Cを露出させる。
次いで、アッシング後の感光性樹脂マスク222を用い、前記緑色EL素子3Gの形成領域に露出した電極部115における第3透明導電材料層115Cをエッチングする。このように第3透明導電材料層115Cをエッチングした際には、この第3透明導電材料層115Cを第2透明導電材料層115Bに対して高いエッチング選択比がとれる材料で形成しているので、第2透明導電材料層115Bをほとんどオーバーエッチングすることなく、第3透明導電材料層115Cを選択的にエッチングすることができる。また、この第3透明導電材料層115Cを第1透明導電材料層115A(第1透明導電層115a)に対しても高いエッチング選択比がとれる材料で形成しているので、第1透明導電層115aをエッチングすることもない。
したがって、エッチング後に残った第2透明導電材料層115B及び第1透明導電材料層115Aは、図7(c)に示すようにいずれも成膜時の厚さとほぼ等しい厚さの第2透明導電層115b及び第1透明導電層115aとなり、これら第2透明導電層115b及び第1透明導電層115aによって緑色EL素子3Gの画素電極111G(111)が形成される。
次いで、残った感光性樹脂マスク222の表層部をアッシングし、もしくは剥離液によって剥離し、図8(a)に示すように前記赤色EL素子3Rの形成領域に対応する電極部115を露出させるとともに、陰極コンタクト70を露出させる。すると、赤色EL素子3Rの形成領域に対応する電極部115では、第3透明導電材料層115C、第2透明導電材料層115B、第1透明導電材料層115Aがいずれも成膜時の厚さに保持されており、これによって第3透明導電層115c、第2透明導電層115b、第1透明導電層115aからなる赤色EL素子3Rの画素電極111R(111)が形成される。また、陰極コンタクト70も形成される。
次いで、前記各透明導電層上および平坦化膜284上に、SiO等の無機絶縁材料をCVD法等で成膜して隔壁層(図示せず)を形成し、続いて、公知のホトリソグラフィー技術、エッチング技術を用いて隔壁層をパターニングする。これにより、図8(b)に示すように、形成する各有機EL素子3の画素領域毎に開口(図示略)を形成すると同時に、無機隔壁25を形成する。
次いで、図8(c)に示すように、無機隔壁25の所定位置、詳しくは画素領域を囲む位置に樹脂等によって有機隔壁221を形成する。
次いで、このようにして画素電極111と無機隔壁25と有機隔壁221とを形成した側の面を酸素プラズマ処理し、その表面に付着した有機物等の汚染物を除去して濡れ性を向上させる。具体的には、基板2を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、続いて大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。
次いで、撥液化処理を行うことにより、特に有機隔壁221の上面及び側面の濡れ性を低下させる。具体的には、大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基板2を室温まで冷却することで、有機隔壁221の上面及び側面を撥液化し、その濡れ性を低下させる。
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極111の露出面および無機隔壁25についても多少の影響を受けるが、画素電極111の材料であるITOおよび無機隔壁25の構成材料であるSiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、酸素プラズマ処理で濡れ性が向上した面は濡れ性がそのままに保持される。
次いで、前記有機隔壁221に囲まれた領域内に正孔注入・輸送層60を形成する。この正孔注入・輸送層60の形成工程では、スピンコート法や液滴吐出法が採用されるが、本実施形態では、有機隔壁221に囲まれた領域に正孔注入・輸送層60の形成材料を選択的に配する必要上、特に液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。このインクジェット法により、正孔注入・輸送層60の形成材料を前記画素電極111の露出面上に配し、その後、熱処理(乾燥処理)を行うことにより、図9(a)に示すように正孔注入・輸送層60を形成する。
次いで、この正孔注入・輸送層60上に、発光層62の形成材料を同様にインクジェット法で配し、その後、熱処理(乾燥処理)を行うことにより、図9(b)に示すように発光層62を形成する。これにより、正孔注入・輸送層60と発光層62とからなる機能層110が形成される。
次いで、前記機能層110及び有機隔壁221、さらに前記陰極コンタクト70の一部を覆って例えばLiFを厚さ5nm程度、MgAgを厚さ10nm程度に積層し、図9(c)に示すように前記陰極コンタクト70を覆ってこれに接する陰極12を形成する。
なお、この陰極12の形成では、前記正孔注入・輸送層60や発光層62などの形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うことにより、画素領域にのみ選択的に形成するのでなく、基板2のほぼ全面に陰極12を形成する。
その後、前記陰極12上に接着層(図示せず)を形成し、さらにこの接着層によって封止基板を接着し、封止を行う。これにより、図3に示した有機EL装置1を得る。
このような製造方法にあっては、透明導電層となる第3透明導電材料層115C、第2透明導電材料層115B、第1透明導電材料層115Aをエッチングして複数の電極部に分離し、さらに赤色EL素子3Rの形成領域における電極部と、緑色EL素子3Gの形成領域における電極部と、青色EL素子3Bの形成領域における電極部とを共に形成可能にする感光性樹脂マスク222を、一つの感光性樹脂層220から形成するので、製造工程を簡略化し、生産性の向上を図ることができる。したがって、このように一つの感光性樹脂マスク222によって各有機EL素子3の画素電極111を形成することができるため、各有機EL素子3の発光領域の位置精度を良好にし、開口率を設計通りに形成することができる。
また、各有機EL素子3の画素電極111の厚さを精度良く形成することができるので、各有機EL素子3における共振器構造を精度良く形成することができ、したがって各有機EL素子3から出射する光の色純度を高めることができるとともに、スペクトルのピーク幅を狭くして強度を高めることもできる。
さらに、透明導電層となる第3透明導電材料層115C、第2透明導電材料層115B、第1透明導電材料層115Aを連続して成膜するので、エッチング等によって生じるパーティクルの付着を防止することができ、したがってパーティクルに起因する発光不良等を防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態では、有機EL素子3として赤色EL素子3R、緑色EL素子3G、青色EL素子3Bの三種類を備えてフルカラー表示を可能にしているが、特にフルカラー表示を必要としない場合では、前記赤色EL素子3R、緑色EL素子3G、青色EL素子3Bのうちの二種類のみを備えることで、本発明に係る有機EL装置を構成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では透明導電層(画素電極111)を、エッチングの選択比が異なる第1透明導電材料層115A(第1透明導電層115a)、第2透明導電材料層115B(第2透明導電層115b)、第3透明導電材料層115C(第3透明導電層115c)によって構成したが、例えば透明導電層を単一層で形成してもよい。その場合には、各有機EL素子3の形成領域毎に、エッチング時間を管理することなどで画素電極の厚さを所望の厚さになるように、透明導電層のエッチングを行う。
さらに、本発明は有機EL装置の製造方法に限定されることなく、無機EL装置の製造方法にも適用可能である。
本発明に係る有機EL装置の配線構造説明図である。 図1の有機EL装置の平面模式図である。 図1の有機EL装置の要部断面模式図である。 図1の有機EL装置の要部を説明するための模式図である。 (a)〜(c)は図1の有機EL装置の製造方法を説明する工程図である。 (a)〜(c)は図5に続く製造方法を説明する工程図である。 (a)〜(c)は図6に続く製造方法を説明する工程図である。 (a)〜(c)は図7に続く製造方法を説明する工程図である。 (a)〜(c)は図8に続く製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
1…有機EL装置、2…基板、3…有機EL素子、3R…赤色EL素子、3G…緑色EL素子、3B…青色EL素子、12…陰極(半透過反射層)、60…正孔注入・輸送層、62…発光層、110…機能層、111、111R、111G、111B…画素電極(陽極)、115a…第1透明導電層、115b…第2透明導電層、115c…第3透明導電層、115A…第1透明導電材料層、115B…第2透明導電材料層、115C…第3透明導電材料層、120…光反射層、220…感光性樹脂層、222…感光性樹脂マスク

Claims (10)

  1. 基体上に、光反射層と、半透過反射層と、前記光反射層と前記半透過反射層との間に配置された発光層と、前記光反射層と前記半透過反射層との間に配置された光透過性の画素電極とを含むエレクトロルミネッセンス素子を複数有し、
    前記エレクトロルミネッセンス素子の発光領域には共振器構造が形成され、
    前記複数のエレクトロルミネッセンス素子は、第1エレクトロルミネッセンス素子と、該第1エレクトロルミネッセンス素子に比べて前記共振器構造における共振波長が短い第2エレクトロルミネッセンス素子と、を備えてなるエレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記基体上の前記光反射層上に透明導電層を形成する工程と、
    前記透明導電層上に感光性樹脂層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂層を、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が厚く、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域より薄くなり、前記画素電極間の分離領域では除去されて前記透明導電層を露出させるように、パターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程と、
    前記感光性樹脂マスクを用いて前記透明導電層における前記画素電極間の分離領域をエッチングし、前記透明導電層を複数の電極部に分離する工程と、
    前記分離領域のエッチング後、前記感光性樹脂マスクをアッシングして、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させる工程と、
    前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部の表層をエッチングして該電極部を所定の厚さにする工程と、
    前記第2エレクトロルミネッセンス素子の電極部のエッチング後、前記感光性樹脂マスクをアッシングもしくは剥離液による剥離処理をして、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させる工程と、
    前記第1エレクトロルミネッセンス素子の電極部上、及び前記第2エレクトロルミネッセンス素子の電極部上にそれぞれ発光層を形成する工程と、
    前記発光層上に光透過反射層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  2. 前記透明導電層を形成する工程では、前記光反射層上に第1透明導電層を形成し、さらに該第1透明導電層上に該第1透明導電層とエッチングの選択比が異なる第2透明導電層を積層することで、透明導電層を形成することを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  3. 前記第1透明導電層を、その厚さが前記第2エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、
    前記第2透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さとの和が、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成することを特徴とする請求項2記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  4. 前記複数のエレクトロルミネッセンス素子は、前記第1エレクトロルミネッセンス素子と前記第2エレクトロルミネッセンス素子とに加えて、前記第2エレクトロルミネッセンス素子に比べて前記共振器構造における共振波長が短い第3エレクトロルミネッセンス素子を備えてなり、
    前記感光性樹脂マスクを形成する工程では、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域ではその膜厚が前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域より薄くなるようにパターニングし、
    前記分離領域のエッチング後、アッシングにより前記第2エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させるに先だって、まず、前記感光性樹脂マスクをアッシングして、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部を露出させ、その後、前記第3エレクトロルミネッセンス素子の形成領域の前記電極部の表層をエッチングして該電極部を所定の厚さにする工程を備え、
    前記発光層を形成する工程では、第3エレクトロルミネッセンス素子の電極部上にも発光層を形成することを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 前記透明導電層を形成する工程では、前記光反射層上に第1透明導電層を形成し、該第1透明導電層上に該第1透明導電層とエッチングの選択比が異なる第2透明導電層を形成し、さらに、該第2透明導電層上に、前記第1透明導電層とエッチングの選択比が異なり、かつ該第2透明導電層ともエッチングの選択比が異なる第3透明導電層を積層することで、透明導電層を形成することを特徴とする請求項4記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  6. 前記第1透明導電層を、その厚さが前記第3エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、
    前記第2透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さとの和が、前記第2エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成し、
    前記第3透明導電層を、その厚さと前記第1透明導電層の厚さと前記第2透明導電層の厚さとの和が、前記第1エレクトロルミネッセンス素子の共振器構造における共振波長に対応する厚さになるように形成することを特徴とする請求項5記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  7. 前記感光性樹脂層をパターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程では、透過率の異なる複数の膜からなるハーフトーンマスクを露光マスクとして用いて前記感光性樹脂層を露光し、その後現像することでパターニングすることにより、感光性樹脂マスクを形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  8. 前記感光性樹脂層をパターニングして感光性樹脂マスクを形成する工程では、解像度以下のスリットを設けたグレートーンマスクを露光マスクとして用いて前記感光性樹脂層を露光し、その後現像することでパターニングすることにより、感光性樹脂マスクを形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 前記感光性樹脂層を、感光部分が現像液に溶解するポジ型の感光性樹脂で形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 前記透明導電層を形成する工程では、前記透明導電層を、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物のうちの一種あるいは複数種から形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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