JP2010116936A - 遊星歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材の外周面と、その外周面と摺動する遊星歯車の内周面との間で、潤滑不良が発生することを防止できる遊星歯車装置を提供する。
【解決手段】内歯歯車4の内側には潤滑油6が貯留され、遊星歯車3の中央部には、遊星歯車3を回転自在に軸支する遊星支持部材(遊星歯車軸5)が設けられ、遊星歯車3には、遊星支持部材の外周面5aと摺動する内周面3aに潤滑油6を供給する給油孔3hが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】内歯歯車4の内側には潤滑油6が貯留され、遊星歯車3の中央部には、遊星歯車3を回転自在に軸支する遊星支持部材(遊星歯車軸5)が設けられ、遊星歯車3には、遊星支持部材の外周面5aと摺動する内周面3aに潤滑油6を供給する給油孔3hが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
この発明は、遊星歯車装置に関するものである。
従来から、中心に設けられた太陽歯車と、その太陽歯車の外周と噛合する遊星歯車と、その遊星歯車と内歯車で噛合する内歯歯車と、を備えた遊星歯車装置が知られている。この遊星歯車装置は、エンジンや遠心分離機等の増減速機として用いられるものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−317833号公報
しかしながら、上記従来の遊星歯車装置では、遊星歯車を回転自在に軸支する遊星歯車軸の外周面と、その外周面と摺動する遊星歯車の内周面と、の間で潤滑不良が発生するという課題がある。
図7は従来の遊星歯車装置を示す概略図であり、(a)は各歯車の静止時を、(b)は各歯車の回転時を示している。なお、図7では、各歯車を基準円によって表している。
図7は従来の遊星歯車装置を示す概略図であり、(a)は各歯車の静止時を、(b)は各歯車の回転時を示している。なお、図7では、各歯車を基準円によって表している。
図7(a)に示すように、遊星歯車装置100の内歯歯車40の内側には潤滑油60が貯留されている。また、遊星歯車30を軸支する遊星歯車軸50の中心部は中空になっており、この中空部50wに潤滑油60を流入させるようになっている。さらに、遊星歯車軸50はその外周面50aに溝部50dが設けられ、軸の中心側の中空部50wから径方向外側に向けて、中空部50wと溝部50dとを連通する給油孔50hが設けられている。給油孔50hは、中空部50wに流入した潤滑油60を溝部50dに供給するためのものである。また、遊星歯車30は遊星歯車軸50の周りを自転しながら太陽歯車20の周囲を公転し、遊星歯車軸50は自転せず、溝部50dを外側(内歯歯車40側)に向けた状態で太陽歯車20の周りを公転するように設けられている。
図7(b)に示すように、太陽歯車20が矢印20D方向に回転し、遊星歯車30が矢印30D方向に自転し、内歯歯車40が矢印40D方向に回転すると、潤滑油60は遠心力によって内歯歯車40の外周側に移動する。静止時に中空部50wに流入した潤滑油60は、遊星歯車軸50の矢印50R方向の公転による遠心力と、遊星歯車30の矢印30D方向の自転による圧力差とによって、中空部50wから給油孔50hを介して溝部50dに供給される。しかし、潤滑油60の液面60aが中空部50wよりも内歯歯車40の内周側に位置する場合には、潤滑油60が中空部50wへ流入しなくなる。そのため、中空部50wに貯留された潤滑油60がやがては全て排出され、中空部50wから溝部50dへの潤滑油60の供給が休止される。すると、互いに摺動する遊星歯車軸50の外周面50aと遊星歯車30の内周面30aとの間の潤滑油60が不足し、やがて潤滑不良が発生する。潤滑油60の油量を多くすればこのような不良は発生し難くなるが、遊星歯車列を構成する各歯車の回転時の抵抗が大きくなる。したがって、潤滑油60の油量はなるべく少なくすることが好ましい。
そこで、この発明は、遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材の外周面と、その外周面と摺動する遊星歯車の内周面との間で、潤滑不良が発生することを防止できる遊星歯車装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の遊星歯車装置は、中心に設けられた太陽歯車と、該太陽歯車の外周と噛合する遊星歯車と、該遊星歯車と内歯車で噛合する内歯歯車と、を備えた遊星歯車装置であって、前記内歯歯車の内側には潤滑油が貯留され、前記遊星歯車の中央部には、前記遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材が設けられ、前記遊星歯車には、前記遊星支持部材の外周面と摺動する内周面に前記潤滑油を供給する給油孔が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、遠心力によって潤滑油が内歯歯車の内周に沿うように移動した場合であっても、遊星歯車の自転により、給油孔を潤滑油に周期的に浸漬することが可能となる。これにより、潤滑油を給油孔へ周期的に流入させ、給油孔から遊星歯車の内周面へ潤滑油を継続的に供給することができる。したがって、遊星支持部材の外周面と、その外周面と摺動する遊星歯車の内周面との間で、潤滑不良が発生することを防止できる。
また、本発明の遊星歯車装置は、前記給油孔は、前記遊星歯車の側面に設けられた潤滑油入口と、前記遊星歯車の前記内周面に設けられた潤滑油出口と、を有することを特徴とする。
このように構成することで、内歯歯車の内周側に移動した潤滑油を遊星歯車の側面から給油孔に導入して、遊星歯車の内周面に供給することができる。また、給油孔が遊星歯車強度や他の歯車との噛合に影響を与えることを防止できる。
また、本発明の遊星歯車装置は、前記潤滑油入口は、前記遊星歯車の一対の前記側面の各々に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、双方の潤滑油入口から給油孔へ潤滑油を流入させ、より多くの潤滑油を遊星歯車の内側面に供給することができる。
また、本発明の遊星歯車装置は、前記潤滑油入口は、遠心力により前記内歯歯車の内周側に移動した前記潤滑油に浸漬される位置に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、潤滑油の量に応じて潤滑油入口が設けられるので、内歯歯車の内側に貯留された潤滑油が少量であっても、潤滑油を潤滑油入口に確実に導入することができる。したがって、潤滑油を給油孔から遊星歯車の内周面へ周期的かつ継続的に供給することができる。
また、本発明の遊星歯車装置は、前記遊星歯車の回転方向に複数の前記給油孔が均等に配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、遊星歯車が一回転する間に給油孔が周期的に複数回、潤滑油に浸漬される。これにより、各々の給油孔に潤滑油が導入され、遊星歯車が一回転する間に潤滑油が各々の給油孔から周期的に複数回、遊星歯車の内周面に供給される。したがって、遊星歯車の内周面への潤滑油の供給量を増加させることができる。
本発明によれば、遊星歯車を回転自在に軸支する遊星歯車支持部材の外周面と、その外周面と摺動する遊星歯車の内周面と、の間に継続的に潤滑油を供給して、潤滑不良が発生することを防止することができる。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、部材毎に縮尺を適宜変更している。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、部材毎に縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態の遊星歯車装置1の模式図である。図1では、各歯車をそれぞれ基準円によって表している。なお、太陽歯車2の周囲に複数の遊星歯車3が配置される場合もあるが、以下では説明を簡単にするために、遊星歯車3が一つだけ設けられている場合について説明する。
図1に示すように、遊星歯車装置1の中心部には、不図示の太陽歯車軸に接続された太陽歯車2が配置されている。また、太陽歯車2を中心として、内周側に内歯を備えたリング状の内歯歯車4が配置されている。内歯歯車4は、例えば不図示の内歯歯車軸に接続され、内歯歯車4の回転を内歯歯車軸により取り出せるようなっている。太陽歯車2と内歯歯車4との間には、遊星歯車3が配置されている。
図1に示すように、遊星歯車装置1の中心部には、不図示の太陽歯車軸に接続された太陽歯車2が配置されている。また、太陽歯車2を中心として、内周側に内歯を備えたリング状の内歯歯車4が配置されている。内歯歯車4は、例えば不図示の内歯歯車軸に接続され、内歯歯車4の回転を内歯歯車軸により取り出せるようなっている。太陽歯車2と内歯歯車4との間には、遊星歯車3が配置されている。
遊星歯車3は、中央部に貫通孔を有するリング状の形状に形成され、外周の外歯が、太陽歯車2の外周の外歯と、内歯歯車4の内周の内歯と、の双方に噛み合うように設けられている。遊星歯車3は、貫通孔に遊星歯車軸(遊星支持部材)5が挿入されて、遊星歯車軸5によって回転自在に軸支されている。また、遊星歯車3には、遊星歯車軸5の外周面5aと摺動する内周面3aに潤滑油6を供給するための給油孔3hが設けられている。
遊星歯車軸5は、例えば太陽歯車軸に枢支された不図示の連結部材に固定されており、太陽歯車2の周りを自転することなく公転するようになっている。
遊星歯車装置1は、太陽歯車2、遊星歯車3、及び内歯歯車4からなる遊星歯車列を収容し、遊星歯車列の潤滑油6を貯留する不図示のケーシングを備えている。潤滑油6は、遊星歯車列が静止した初期状態において、内歯歯車4の内側の下方部分に貯留されている。
遊星歯車装置1は、太陽歯車2、遊星歯車3、及び内歯歯車4からなる遊星歯車列を収容し、遊星歯車列の潤滑油6を貯留する不図示のケーシングを備えている。潤滑油6は、遊星歯車列が静止した初期状態において、内歯歯車4の内側の下方部分に貯留されている。
図2は、遊星歯車装置1の斜視図である。図3は、図1のA−A’線に沿う矢視断面図である。なお、図2では、太陽歯車2及び遊星歯車軸5の図示を省略し、内歯歯車4の基準円筒とその内側の遊星歯車3のみを示している。なお、図2に示す遊星歯車3の外周面は遊星歯車3の基準円筒である。
図2及び図3に示すように、遊星歯車3の給油孔3hは、遊星歯車3の一方の側面3sから他方の側面3sへ、遊星歯車3を回転軸方向に貫通するように設けられ、遊星歯車3の一対の側面3s,3sの各々に、潤滑油入口3iが形成されている。また、給油孔3hは、遊星歯車3を厚さ方向(図3の左右方向)に貫通する流路3rの略中央部から、遊星歯車3の回転中心方向へ分岐している。回転中心方向に分岐した流路3rは、遊星歯車3の内周面3aに開口しており、かかる開口部が潤滑油出口3eとなっている。
図2及び図3に示すように、遊星歯車3の給油孔3hは、遊星歯車3の一方の側面3sから他方の側面3sへ、遊星歯車3を回転軸方向に貫通するように設けられ、遊星歯車3の一対の側面3s,3sの各々に、潤滑油入口3iが形成されている。また、給油孔3hは、遊星歯車3を厚さ方向(図3の左右方向)に貫通する流路3rの略中央部から、遊星歯車3の回転中心方向へ分岐している。回転中心方向に分岐した流路3rは、遊星歯車3の内周面3aに開口しており、かかる開口部が潤滑油出口3eとなっている。
ここで、潤滑油入口3iの位置は、例えば内歯歯車4の内側に貯留される潤滑油6の油量によって決定する。後述するように、遊星歯車装置1の遊星歯車列が回転している定常状態においては、潤滑油6が遠心力によって内歯歯車4の外周側に移動し、基準円筒の内周面に沿う位置に移動する(図4参照)。したがって、まず潤滑油6の油量及び内歯歯車4の基準円の内径等から、定常状態における内歯歯車4の基準円筒の内周面4aから潤滑油6の液面6aまでの高さhを算出する。
そして、遊星歯車3の自転によって給油孔3hの潤滑油入口3iが内歯歯車4側に位置するときに、潤滑油入口3iが潤滑油6の液面6aよりも内歯歯車4の基準円筒の内周面4a側に位置するように、潤滑油入口3iの位置を決定する。このとき、所定時間経過後の潤滑油6の減少量も考慮に入れて潤滑油入口3iの位置を決定することが好ましい。
これにより、潤滑油入口3iは、遊星歯車列の定常状態における遠心力によって内歯歯車4の外周側に移動してその液面6aが基準円筒の内周面4aに沿った状態で安定した潤滑油6に、確実に浸漬される位置に設けられる。本実施形態では、例えば遊星歯車3の外周(基準円)から約10mm程度内側に入った位置に潤滑油入口3iが設けられている。
これにより、潤滑油入口3iは、遊星歯車列の定常状態における遠心力によって内歯歯車4の外周側に移動してその液面6aが基準円筒の内周面4aに沿った状態で安定した潤滑油6に、確実に浸漬される位置に設けられる。本実施形態では、例えば遊星歯車3の外周(基準円)から約10mm程度内側に入った位置に潤滑油入口3iが設けられている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4は、遊星歯車列が回転している定常状態における遊星歯車装置1を示す模式図である。図5は、定常状態における遊星歯車3の拡大図である。
図4に示すように、不図示の太陽歯車軸により太陽歯車2を矢印2Dの方向に回転させると、遊星歯車3は、太陽歯車2の回転により遊星歯車軸5の周りを矢印3D方向に自転する。内歯歯車4は、遊星歯車3の自転により矢印4D方向に回転する。また、遊星歯車軸5は、太陽歯車軸の軸周りに回転可能に枢支されているので、太陽歯車2の周りを自転することなく矢印5R方向に公転する。また、遊星歯車軸5に軸支された遊星歯車3は、遊星歯車軸5の公転によって太陽歯車2の周りを矢印5R方向に公転する。
図4は、遊星歯車列が回転している定常状態における遊星歯車装置1を示す模式図である。図5は、定常状態における遊星歯車3の拡大図である。
図4に示すように、不図示の太陽歯車軸により太陽歯車2を矢印2Dの方向に回転させると、遊星歯車3は、太陽歯車2の回転により遊星歯車軸5の周りを矢印3D方向に自転する。内歯歯車4は、遊星歯車3の自転により矢印4D方向に回転する。また、遊星歯車軸5は、太陽歯車軸の軸周りに回転可能に枢支されているので、太陽歯車2の周りを自転することなく矢印5R方向に公転する。また、遊星歯車軸5に軸支された遊星歯車3は、遊星歯車軸5の公転によって太陽歯車2の周りを矢印5R方向に公転する。
内歯歯車4の回転によって遠心力が作用し、潤滑油6は内歯歯車4の外周側に移動し、内歯歯車4の基準円筒の内周面4aの内側で、内周面4aに沿う位置に移動する。本実施形態では、例えば、太陽歯車2の矢印2D方向の自転速度及び遊星歯車軸5の矢印5R方向の公転速度は約1360rpmであり、遊星歯車3の矢印3D方向の自転速度は約583rpmであり、内歯歯車4の矢印4D方向の自転速度は約1600rpmである。
ここで、本実施形態の遊星歯車装置1では、図1に示すように遊星歯車3に給油孔3hが設けられている。また、図2及び図3に示すように、給油孔3hの潤滑油入口3iが遊星歯車3の側面3sに設けられ、潤滑油出口3eが遊星歯車3の内周面3aに設けられている。そのため、図5に示すように、遠心力によって潤滑油6が内歯歯車4の外周側に移動して、基準円筒の内周面4aに沿う位置に移動した場合であっても、遊星歯車3の矢印3D方向の自転により、給油孔3hの潤滑油入口3iを潤滑油6に周期的に浸漬することが可能となる。これにより、遊星歯車3の側面3sの潤滑油入口3iから給油孔3hの内部へ潤滑油6を周期的に流入させることができる。
また、潤滑油入口3iは、予め、遠心力により内歯歯車4の基準円筒の内周面4a側に移動した潤滑油6に浸漬される位置に設けられている。そのため、内歯歯車4の内側に貯留された潤滑油6が従来よりも少量であっても、潤滑油6を潤滑油入口3iに確実に流入させることができる。
給油孔3hは、図5に仮想線(二点鎖線)によって示す内歯歯車4側に位置するときに潤滑油入口3iから内部に潤滑油6が導入された後、遊星歯車3の矢印3D方向の回転に伴って太陽歯車2側に移動する。
給油孔3hは、図5に仮想線(二点鎖線)によって示す内歯歯車4側に位置するときに潤滑油入口3iから内部に潤滑油6が導入された後、遊星歯車3の矢印3D方向の回転に伴って太陽歯車2側に移動する。
ここで、本実施形態の遊星歯車装置1は、遊星歯車3の給油孔3hが太陽歯車2側に位置するときに、給油孔3hの潤滑油出口3eから遊星歯車3の内周面3a側に潤滑油6が流出するように構成されている。
すなわち、図5に示すように、給油孔3hが太陽歯車2側(図示下方側)に移動したときには、給油孔3hに導入された潤滑油6には、遊星歯車3の矢印3D方向の自転による遠心力と、遊星歯車軸5の矢印5D方向の公転による遠心力が作用する。遊星歯車軸5の公転による遠心力は、潤滑油6を遊星歯車3の内周面3aに流出させる方向に作用するが、遊星歯車3の自転による遠心力は、給油孔3h内部の潤滑油6が遊星歯車3の内周面3aに流出するのを妨げる方向に作用する。
すなわち、図5に示すように、給油孔3hが太陽歯車2側(図示下方側)に移動したときには、給油孔3hに導入された潤滑油6には、遊星歯車3の矢印3D方向の自転による遠心力と、遊星歯車軸5の矢印5D方向の公転による遠心力が作用する。遊星歯車軸5の公転による遠心力は、潤滑油6を遊星歯車3の内周面3aに流出させる方向に作用するが、遊星歯車3の自転による遠心力は、給油孔3h内部の潤滑油6が遊星歯車3の内周面3aに流出するのを妨げる方向に作用する。
また、遊星歯車3は矢印3D方向に自転し、遊星歯車軸5は自転しないため、遊星歯車3の内周面3aと遊星歯車軸5の外周面5aとは相対的に移動し、これらの間に相対的な速度差が発生する。そのため、遊星歯車3の内周面3aと遊星歯車軸5の外周面5aとの間の隙間Gに存在する空気や潤滑油6等の流体は、遊星歯車3の回転により高速で流動する。これにより、隙間Gの圧力が給油孔3h内の圧力よりも小さくなり、潤滑油出口3eには潤滑油6を給油孔3hの内部から遊星歯車3の内周面3a側に流出させるような吸引力が作用する。
本実施形態の遊星歯車装置1は、給油孔3hが太陽歯車2側に位置するときに、給油孔3h内の潤滑油6に作用する、矢印5D方向の公転による遠心力と、矢印3D方向の自転による遠心力と、上述の吸引力と、の合力が、遊星歯車3の回転中心方向に作用するように構成されている。すなわち、遊星歯車3の矢印3D方向の自転による遠心力が、矢印5D方向の公転による遠心力よりも大きい場合であっても、隙間Gと給油孔3h内の圧力差による吸引力によって、給油孔3hの内部から遊星歯車3の内周面3a側に流出させることができるようになっている。
したがって、遊星歯車3の矢印3D方向の自転により、給油孔3hが内歯歯車4の基準円筒の内周面4a側に位置するときに、潤滑油6を潤滑油入口3iから給油孔3h内に導入させ、給油孔3hが太陽歯車2側に位置するときに、給油孔3hの潤滑油出口3eから遊星歯車3の内周面3aに潤滑油6を供給することができる。これにより、潤滑油6を給油孔3hから遊星歯車3の内周面3aへ周期的かつ継続的に供給することができる。そのため、従来のように遊星歯車軸5の外周面5aと、その外周面5aと摺動する遊星歯車3の内周面3aとの間で、潤滑油6が不足して潤滑不良が発生することを防止できる。
また、潤滑油入口3iを遊星歯車3の側面3sに設けることで、潤滑油入口3iを遊星歯車3の歯車が形成されている面に設ける場合と比較して、給油孔3hが遊星歯車3の強度や他の歯車との噛合に影響を与えることを防止できる。
また、潤滑油入口3iを遊星歯車3の一対の側面3s,3sの各々に設けることで、双方の潤滑油入口3i,3iから給油孔3hへ潤滑油6を流入させ、潤滑油出口3eから遊星歯車3の内周面3aへより多くの潤滑油6を供給することができる。
また、潤滑油入口3iを遊星歯車3の一対の側面3s,3sの各々に設けることで、双方の潤滑油入口3i,3iから給油孔3hへ潤滑油6を流入させ、潤滑油出口3eから遊星歯車3の内周面3aへより多くの潤滑油6を供給することができる。
以上説明したように、本実施形態の遊星歯車装置1によれば、遊星歯車軸5の外周面5aと遊星歯車3の内周面3aとの間に継続的に潤滑油6を供給して、潤滑不良が発生することを防止することができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図1〜図4を援用し、図6を用いて説明する。本実施形態では、遊星歯車3の回転方向(矢印3D方向)に複数の給油孔3hが形成されている点で、上述の第一実施形態で説明した遊星歯車装置1と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
次に、本発明の第二実施形態について、図1〜図4を援用し、図6を用いて説明する。本実施形態では、遊星歯車3の回転方向(矢印3D方向)に複数の給油孔3hが形成されている点で、上述の第一実施形態で説明した遊星歯車装置1と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図6は本実施形態の遊星歯車装置1Bの定常状態における遊星歯車3近傍の拡大図である。
図6に示すように、本実施形態の遊星歯車装置1Bでは、矢印3D方向の遊星歯車3の自転による回転方向に複数の給油孔3hが形成されている。給油孔3hは、第一実施形態と同様に潤滑油入口3iと潤滑油出口3eとを備え、遊星歯車3の回転方向に4つの給油孔3hが均等に配置されている。
図6に示すように、本実施形態の遊星歯車装置1Bでは、矢印3D方向の遊星歯車3の自転による回転方向に複数の給油孔3hが形成されている。給油孔3hは、第一実施形態と同様に潤滑油入口3iと潤滑油出口3eとを備え、遊星歯車3の回転方向に4つの給油孔3hが均等に配置されている。
本実施形態の遊星歯車装置1Bによれば、遊星歯車3が一回転する間に、複数の給油孔3hの潤滑油入口3iの各々が、順次、潤滑油6に浸漬される。これにより、内歯歯車4側を通過した各々の給油孔3hに、順次、潤滑油6が流入する。そして、各々の給油孔3hが太陽歯車2側に位置するときに、各々の給油孔3hの潤滑油出口3eから遊星歯車3の内周面3aへ潤滑油6が順次供給される。すなわち、遊星歯車3が一回転する間に、遊星歯車3の内周面3aと、遊星歯車軸5の外周面5aとの間に潤滑油6が周期的に複数回供給される。
以上説明したように、本実施形態の遊星歯車装置1Bによれば、第一実施形態の遊星歯車装置1と同様の効果が得られるだけでなく、遊星歯車3の内周面3aへの潤滑油6の供給量をさらに増加させ、潤滑性能をより向上させることができる。また、潤滑油6の供給周期を短くして、潤滑性能をより向上させることができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、遊星歯車軸は太陽歯車軸に枢支されていなくてもよい。
また、潤滑油入口は、一の給油孔に対して単数であってもよく、3つ以上設けてもよい。また、遊星歯車の強度や遊星歯車及び内歯歯車の噛み合わせ等に影響を及ぼさなければ、遊星歯車の歯車が形成された面に形成してもよい。また、潤滑油出口は一の貫通孔に対して複数設けてもよい。
また、遊星歯車軸と遊星歯車との間には、ベアリングが配置されていてもよい。
また、遊星歯車列の回転数及び回転方向は、上述の実施形態で説明した遊星歯車列の回転数及び回転方向に限定されない。
また、遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材は、遊星歯車を貫通する軸でなくてもよい。例えば、軸方向に分離可能な支持部材を遊星歯車の双方の側面から遊星歯車の中央部に挿入し、双方の側面側から遊星歯車を支持するようにしてもよい。
また、潤滑油入口は、一の給油孔に対して単数であってもよく、3つ以上設けてもよい。また、遊星歯車の強度や遊星歯車及び内歯歯車の噛み合わせ等に影響を及ぼさなければ、遊星歯車の歯車が形成された面に形成してもよい。また、潤滑油出口は一の貫通孔に対して複数設けてもよい。
また、遊星歯車軸と遊星歯車との間には、ベアリングが配置されていてもよい。
また、遊星歯車列の回転数及び回転方向は、上述の実施形態で説明した遊星歯車列の回転数及び回転方向に限定されない。
また、遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材は、遊星歯車を貫通する軸でなくてもよい。例えば、軸方向に分離可能な支持部材を遊星歯車の双方の側面から遊星歯車の中央部に挿入し、双方の側面側から遊星歯車を支持するようにしてもよい。
1 遊星歯車装置、2 太陽歯車、3 遊星歯車、3a 内周面、3e 潤滑油出口、3h 給油孔、3i 潤滑油入口、3s 側面、4 内歯歯車、4a 内周面(内周)、5 遊星歯車軸(遊星支持部材)、5a 外周面、6 潤滑油
Claims (5)
- 中心に設けられた太陽歯車と、該太陽歯車の外周と噛合する遊星歯車と、該遊星歯車と内歯車で噛合する内歯歯車と、を備えた遊星歯車装置であって、
前記内歯歯車の内側には潤滑油が貯留され、
前記遊星歯車の中央部には、前記遊星歯車を回転自在に軸支する遊星支持部材が設けられ、
前記遊星歯車には、前記遊星支持部材の外周面と摺動する内周面に前記潤滑油を供給する給油孔が設けられていることを特徴とする遊星歯車装置。 - 前記給油孔は、前記遊星歯車の側面に設けられた潤滑油入口と、前記遊星歯車の前記内周面に設けられた潤滑油出口と、を有することを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置。
- 前記潤滑油入口は、前記遊星歯車の一対の前記側面の各々に設けられていることを特徴とする請求項2記載の遊星歯車装置。
- 前記潤滑油入口は、遠心力により前記内歯歯車の外周側に移動した前記潤滑油に浸漬される位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の遊星歯車装置。
- 前記遊星歯車の回転方向に複数の前記給油孔が均等に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の遊星歯車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008288631A JP2010116936A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | 遊星歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008288631A JP2010116936A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | 遊星歯車装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010116936A true JP2010116936A (ja) | 2010-05-27 |
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ID=42304737
Family Applications (1)
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JP2008288631A Pending JP2010116936A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | 遊星歯車装置 |
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JP (1) | JP2010116936A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105937604A (zh) * | 2016-06-15 | 2016-09-14 | 泰州进鑫机械有限公司 | 带有挤压槽的自润滑内齿轮 |
CN105952878A (zh) * | 2016-06-15 | 2016-09-21 | 泰州进鑫机械有限公司 | 带有离心挤压板的自润滑内齿轮 |
-
2008
- 2008-11-11 JP JP2008288631A patent/JP2010116936A/ja active Pending
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