JP2010169237A - 遊星歯車装置の潤滑装置 - Google Patents

遊星歯車装置の潤滑装置 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑油浴から離れていても、遊星ピンと遊星歯車の間の軸受、遊星歯車とサンギヤ又はリングギヤとの噛合い歯面に潤滑油を導入でき、安価な潤滑装置を提供する。
【解決手段】高速軸5に直結されるサンギヤ1と、ケーシング4に嵌めたリングギヤ3と、サンギヤ1とリングギヤ3の間に複数の遊星歯車2を等分角で転動自在配置し、遊星歯車2をキャリア7に固定された遊星ピン6に軸受9を介して回転自在支持し、キャリア7に低速軸8を一体に設けた遊星歯車装置20において、遊星ピン6に軸心穴10を設け、軸心穴10から軸受9に潤滑油を導入できる導入孔を設け、軸心穴10の端部に設けた開閉蓋13により軸心穴10の開口部を開閉可能に構成し、軸心穴10がケーシング4内の潤滑油浴15に浸漬の際に開いて軸心穴10に潤滑油が導入され、軸心穴10が潤滑油浴15から離れる際に閉じて軸心穴10内に潤滑油が保持されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、大型の風力発電機、建設機械等の増速機または減速機として使用される大型の遊星歯車装置の潤滑装置に関する。
遊星歯車装置では、高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた構造としていることが多い。
その潤滑方法の多くは油浴潤滑であり、遊星歯車は公転して底部に位置したときに油浴に浸漬して潤滑油が供給されるが、運転停止した場合には潤滑油に浸漬していない軸受が存在することになる。このため、これらが焼き付きを生じないようにしようとする潤滑装置が各種提案されてきた。(特許文献1、2および3)
特に、風力発電機では、風の状況によって長時間運転停止する場合やキャリアが極低速で回転する場合があり、油浴に浸漬していない遊星歯車内の軸受は潤滑油が流れ落ちてしまって、潤滑油切れが生じることがある。その状態から風の状況変化によって運転が再開されると、軸受に潤滑不良が生じて円滑な運転が損なわれることがあり、風力発電の効率低下につながってしまうとともに、前記軸受の寿命低下につながってしまうことがあるが、従来の潤滑装置では、潤滑機能を発揮できず、また、装置コストが高価になり過ぎるという問題があり、風力発電機等に使用される大型の遊星歯車装置に適した安価な潤滑装置の提供が望まれている。
特開2000−240771号公報(図1) 特開2004−270736号公報(図3) 特開2005−282593号公報(図1、図2)
前記特許文献1によれば、遊星歯車装置の潤滑装置は、キャリアに取り付けられた支軸(遊星ピン)に潤滑剤を溜める潤滑剤溜め部とする孔を設け、この潤滑剤溜め部に潤滑剤を導入するための導入路を設け、かつ、該導入路に弁を設けて、遊星歯車装置の運転中はポンプ等による潤滑剤の圧送で前記弁が開き、潤滑剤の圧送が無くなる停止中は前記弁が弁体の自重で閉じる構成として、停止中に潤滑剤溜め部からの潤滑剤の流出を防止するとしている。
しかしながら、前記特許文献1の遊星歯車装置の潤滑装置では、ポンプによる潤滑剤の圧送またはキャリアの回転による遠心力での潤滑剤の圧送を前提としており、前者はポンプ設置のために装置コストが高くなるという問題があった。また、後者はキャリアが高速回転しているときに遠心力作用による潤滑剤の圧送が可能となり、低速回転の遊星歯車装置では採用できないという問題が考えられる。
また、前記特許文献2によれば、遊星歯車装置の潤滑装置は、プラネタリギヤ(遊星歯車)の回転をニードルベアリングの介在で軸支する支持ピン(遊星ピン)の軸方向油路に潤滑油を導入する回曲した油路を有する導入プレートを設けて、プラネタリギヤの回転停止時にも支持ピンの軸方向油路内に潤滑油が十分に導入されるようにするとしている。
しかしながら、前記特許文献2の遊星歯車装置の潤滑装置では、導入プレートの油路の形状が複雑であり、油路の決定に際して実験、設計の時間が多くかかるとともに、遊星歯車装置の多量生産をする場合には油路を型等の使用で加工できるが、遊星歯車装置を少量生産する場合には加工コストが高価になるという問題が考えられる。
さらに、前記特許文献3によれば、遊星歯車装置の潤滑装置は、ピニオンギヤ(遊星歯車)の回転をニードルローラの介在で軸支するピニオン軸(遊星ピン)の軸方向油路に潤滑油を導入するに際して、シャフトに板状部材および樹脂ワッシャから成る回転体、および、キャリアの側面の前記樹脂ワッシャに対応する箇所にレシーバを設けて、キャリアの静止時においても回転部材の回転により遠心力で潤滑油を次々とレシーバに向けて供給でき、これによりピニオン軸の軸方向油路に潤滑油を導入できるとしている。
しかしながら、前記特許文献3の遊星歯車装置の潤滑装置では、キャリアの停止中にシャフトが回転している場合に有効であり、キャリアのブレーキ機構と、リングギヤと一体になった軸と回転部材の間にクラッチ機構を有することが前提であり、ブレーキ機構とクラッチ機構の設置という複雑な構成になるという問題が考えられる。
本発明は、特に大型の低速回転の遊星歯車装置において、遊星歯車装置を運転中或いは停止中に、遊星ピンがケーシング内の上部に達して潤滑油浴から離れている場合でも遊星ピンの軸心穴に潤滑油を保持して、遊星ピンと遊星歯車の間の軸受に潤滑油を導入でき、また、遊星ピンの軸心穴から前記軸受を経由して遊星歯車とサンギヤまたはリングギヤとの噛合い歯面に潤滑油を導入でき、しかも、安価で実現できる潤滑装置を提供することを目的としている。
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設け、前記軸心穴の端部に設けた開閉蓋により前記軸心穴の開口部を開閉できるように構成して、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬する際に開いて前記軸心穴に潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れる際に閉じて前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする。
(2)第2の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第1の手段の遊星歯車装置の潤滑装置において、前記開閉蓋を前記遊星ピンの両端で前記軸心穴近辺に設けたピンを支点として前記軸心穴と相対的に揺動させることにより開閉できるようにし、かつ、前記開閉蓋が自重で常に一定方向へ向くようにして、前記ピンの位置および前記開閉蓋の形状を、前記遊星歯車が公転軌道の下部に達した時、および、公転軌道の上部に達した時に、前記開閉蓋が前記軸心穴の開口部を開くように構成したことを特徴とする。
(3)第3の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記構成の遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記軸心穴の端部に設けた一方向弁により、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬している間に前記軸心穴の外部から内部に向けて潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れている間は前記軸心穴の内部から外部に向けての潤滑油の流出が抑止されるように構成して、前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする。
(4)第4の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第3の手段の遊星歯車装置の潤滑装置において、前記一方向弁を、軸方向に孔を有する栓により構成したことを特徴とする。
(5)第5の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記構成の遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、該軸心穴が中央部を凹みとする段差を有するようにして、かつ、該軸心穴の中央部から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記キャリア等の回転体に設けた潤滑油保持具により、前記遊星歯車の公転軌道の下部で前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を受けて保持し、前記遊星歯車の公転軌道の上部に達した際に該保持していた潤滑油を滴下させて前記軸心芯穴に導入するように構成して、前記段差を有する軸心穴に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする。
(6)第6の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第5の手段の遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた潤滑油カップとして、該潤滑油カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、前記潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転の上部に達した時に、該潤滑油カップが保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする。
(7)第7の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第5の手段の遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けたピンを支点として揺動するカップとし、該カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転により上部に向かうまでは潤滑油を保持したままの姿勢を維持して、前記回転体の回転の上部に達した時に、該カップが前記ピンを支点として傾くことにより保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする。
(8)第8の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第5の手段の遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた弾力性のある吸油性潤滑油保持具とし、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の下部に達して前記潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を吸い取って保持し、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の上部に達した時に、前記保持していた潤滑油を搾り出し用カム等との係合により滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする。
(9)第9の手段の遊星歯車装置の潤滑装置は、前記第1から8の手段のいずれかの遊星歯車装置の潤滑装置において、前記軸受内に導入された潤滑油を前記遊星歯車の歯面に向かって導入できるように導入孔を前記遊星歯車に設けて、前記遊星歯車、サンギヤ、リングギヤの歯面が潤滑されるようにしたことを特徴とする。
請求項1に係わる本発明は、高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設け、前記軸心穴の端部に設けた開閉蓋により前記軸心穴の開口部を開閉できるように構成して、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬する際に開いて前記軸心穴に潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れる際に閉じて前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことにより、低速運転の大型遊星歯車装置が長時間運転停止しても運転再開時に潤滑不良を生じることがない安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項2に係わる本発明は、請求項1に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記開閉蓋を前記遊星ピンの両端で前記軸心穴近辺に設けたピンを支点として前記軸心穴と相対的に揺動させることにより開閉できるようにし、かつ、前記開閉蓋が自重で常に一定方向へ向くようにして、前記ピンの位置および前記開閉蓋の形状を、前記遊星歯車が公転軌道の下部に達した時、および、公転軌道の上部に達した時、若しくは適切な時(適切なタイミング)に前記開閉蓋が前記軸心穴の開口部を開くように構成したことにより、前記軸心穴に確実に潤滑油を保持できる安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項3に係わる本発明は、前記構成の遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記軸心穴の端部に設けた一方向弁により、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬している間に前記軸心穴の外部から内部に向けて潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れている間は前記軸心穴の内部から外部に向けての潤滑油の流出が抑止されるように構成して、前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことにより、低速運転の大型遊星歯車装置が長時間運転停止しても運転再開時に潤滑不良を生じることがない安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項4に係わる本発明は、請求項3に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記一方向弁を、軸方向に孔を有する栓により構成したことにより、低速運転の遊星歯車装置の前記軸心穴に潤滑油を保持できる安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項5に係わる本発明は、前記構成の遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、該軸心穴が中央部を凹みとする段差を有するようにして、かつ、該軸心穴の中央部から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記キャリア等の回転体に設けた潤滑油保持具により、前記遊星歯車の公転軌道の下部で前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を受けて保持し、前記遊星歯車の公転軌道の上部に達した際に該保持していた潤滑油を滴下させて前記軸心穴に導入するように構成して、前記段差を有する軸心穴に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことにより、低速運転の大型遊星歯車装置が長時間運転停止しても運転再開時に潤滑不良を生じることがない安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項6に係わる本発明は、請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた潤滑油カップとして、該潤滑油カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、前記潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転の上部に達した時に、該潤滑油カップが保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことにより、前記軸心穴に確実に多くの潤滑油を導入して保持できる安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項7に係わる本発明は、請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けたピンを支点として揺動するカップとし、該カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転により上部に向かうまでは潤滑油を保持したままの姿勢を維持して、前記回転体の回転の上部に達した時に、該カップが前記ピンを支点として傾くことにより保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことにより、前記軸心穴に確実に多くの潤滑油を導入して保持できる安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項8に係わる本発明は、請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた弾力性のある吸油性潤滑油保持具とし、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の下部に達して前記潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を吸い取って保持し、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の上部に達した時に、前記保持していた潤滑油を搾り出し用カム等との係合により滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことにより、前記軸心穴に確実に多くの潤滑油を導入して保持できる安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
請求項9に係わる本発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記軸受内に導入された潤滑油を前記遊星歯車の歯面に向かって導入できるように導入孔を前記遊星歯車に設けたことにより、前記遊星ピンの軸心穴から前記軸受部を経由してさらに遊星歯車とサンギヤまたはリングギヤとの噛合い歯面に潤滑油を導入できて、該噛合い歯面が低速運転の大型遊星歯車装置が長時間運転停止しても運転再開時に潤滑不良を生じることがない安価な潤滑装置を提供できるという効果を有する。
本発明に係わる潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図である。 図1のA視図で、潤滑装置に関する部分のみを示し、遊星ピンの公転を分割して潤滑装置の状態変化を示したものである。 第2の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図で、一部切断としてあり、図1に相当する図である。 図3の潤滑装置部の拡大図である。 第3の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図であり、図1に相当する図である。 図5の断面B−B図で、一部破断としてある。 第4の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図であり、図1に相当する図である。 図7の断面D−D図で、一部破断としてある。
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わる潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図である。
図2は、図1のA視図で、潤滑装置に関する部分のみを示し、遊星ピンの公転を分割して潤滑装置の状態変化を示したものである。
図において、遊星歯車装置20は、サンギヤ1と、該サンギヤ1の外歯と噛み合って等分角で配置される複数(図では4個)の遊星歯車2と、前記サンギヤ1と同一軸線を有するとともに複数の前記遊星歯車2に隣接し、これら遊星歯車2の外歯とその内歯が噛み合うリングギヤ3とを備えている。
サンギヤ1と一体に構成された高速軸5はケーシング4内で図示しない軸受により軸支されて軸心Cの周りを回転するようになっており、リングギヤ3は外周面がケーシング4の溝4aに嵌め込まれている。遊星歯車2は内周面がキャリア7と一体に構成された遊星ピン6の外周面と軸受9を介して回転自在となっている。
なお、前記遊星ピン6の前記キャリア7側と反対側にキャリア7aが前記キャリア7と図示しない連結棒で連結して設けられており、前記遊星ピン6はキャリア7とキャリア7aにより支持されている。
キャリア7と一体に構成された低速軸8はケーシング4内で図示しない軸受により軸支されて軸心Cの周りを回転するようになっている。
前記遊星ピン6にはその軸心に軸心穴10が貫通して明けられ、さらに、該軸心穴10から遊星ピン6の外周面に向かって潤滑油を軸受9へ導入する1箇または必要により数箇の導入孔11が開けられている。
また、前記遊星歯車2には軸受9側から歯面側に向かって潤滑油を導入する1箇または必要により数箇の導入孔12が明けられている。
前記遊星ピン6の両端面にはピン14を支点として揺動される開閉蓋13が設けられており、該開閉蓋13は、図2に示すように、遊星ピン6の矢印8a方向の公転の際、自重で常に一定の上下方向へ向くようになっているとともに、遊星ピン6の公転における下端の位置および上端の位置で、前記軸心穴10が開口状態となるように、軸心穴10と係合する部分に切欠き13aおよび13bを有している。
これにより、前記遊星ピン6が潤滑油浴15の油面15aの下方にある時には潤滑油が前記軸心穴10に自然に流入するようになっている。また、遊星ピン6が公転の上端部近辺にある時には空気が軸心穴10へ流入できるようになっている。
遊星歯車装置20の潤滑装置20aは、上記のように、前記遊星ピン6に明けられた軸心穴10、導入孔11、前記遊星歯車2に明けられた導入孔12、および、前記遊星ピン6の両端面の開閉蓋13、ピン14等から構成されている。
次に、本実施の形態に係わる遊星歯車装置20の潤滑装置20aの作用を説明する。
サンギヤ1が軸心Cの周りを回転すると、遊星歯車2がサンギヤ1の外歯およびリングギヤ3の内歯との噛み合いにより自転および公転して、低速軸8と一体になっているキャリア7が軸心Cの周りを矢印8aの方向に回転し、それに伴って遊星ピン6が矢印8aの方向に公転していく。
キャリア7が回転しても、開閉蓋13はその自重によりピン14を支点として常に一定の上下方向を保ったまま、遊星ピン6に明けられた軸心穴10と相対的な位置を変えつつ揺動する。
遊星ピン6がその公転によりケーシング4内の潤滑油浴15の油面15aの下方に浸漬していくと、開閉蓋13に構成された切欠き13aにより軸心穴10が徐々に開かれて、遊星ピン6が公転の最下端に達すると軸心穴10は切欠き13aにより完全な開放状態となる。その後、軸心穴10は開閉蓋13により徐々に閉じられて、油面15aに上昇するまでには開閉蓋13により完全な閉鎖状態となる。
軸心穴10が開閉蓋13の切欠き13aにより開かれた状態になっているとき、潤滑油浴15の潤滑油が軸心穴10に自然に流入して、その、後開閉蓋13によって完全な閉鎖状態になると、潤滑油は軸心穴10の中に保持されたままとなる。
遊星ピン6が公転の上端部近くにくると、軸心穴10を閉鎖状態にしていた開閉蓋13が軸心穴10との相対的な位置を変えつつ、開閉蓋13に構成された切欠き13bにより軸心穴10が徐々に開けられて、遊星ピン6が公転の最上端に達すると軸心穴10は切欠き13bにより完全な開放状態となる。
軸心穴10が開閉蓋13の切欠き13bにより開かれた状態になると、軸心穴10内に空気が入るようになる。
軸心穴10内に保持されていた潤滑油は、軸心穴10が閉鎖状態のままでも少しずつ軸心穴10内から導入孔11を経由して軸受9部に、さらに、軸受9部から遊星歯車2の導入孔12を経由して遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、および、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面に導入されていく。しかしながら、潤滑油の表面張力により導入孔11または導入孔12からの潤滑油の導入は少しずつである。
軸心穴10内に空気が入ることにより、上記潤滑油の表面張力が流入した空気によりバランスを崩されて、潤滑油は軸心穴10内から導入孔11を経由して軸受9部に導入されやすくなり、軸受9部が潤滑される。また、軸受9部から遊星歯車2の導入孔12を経由して遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、および、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面に導入されて、該噛み合い歯面が潤滑される。
このように、公転軌道の上部に達した時と遊星歯車2が公転軌道の下部に達した時に軸心穴10が開口するので、適切なタイミングで潤滑油の流出を自由に調整することが可能である。なお、上記の構成のほかにも、開閉蓋13の切欠き13a,13bの位置を調整することで、潤滑油が流出するタイミングを自由に調整することが可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図3および図4によって説明する。
図3は、第2の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図であり、図1に相当する図である。
図4は、図3の潤滑装置部の拡大図である。
図の遊星歯車装置30において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。潤滑装置30aは、第1の実施の形態の開閉蓋13およびピン14に代わって、一方向弁31を設けて構成されており、該一方向弁31は貫通した軸心穴10の両端部の内部に潤滑油を流入させるが、外部への流出は抑止する。
前記一方向弁31は、その中心に孔31aを有した栓となっており、この栓が形成する段差により軸心穴10の内部は図中二点鎖線で示した凹部10hを形成している。
なお、前記一方向弁31は、上記のような孔31aを有したものに限定されることはなく、潤滑油を外部から内部へ向かって流入させるが、内部から外部へ向かっての流出を抑止する他の構造としてもよいことはもちろんである。
次いで、第2の実施の形態に係わる遊星歯車装置30の潤滑装置30aの作用を説明する。遊星ピン6がその公転によりケーシング4内の潤滑油浴15の油面15aの下方に浸漬すると、潤滑油が軸心穴10内の両端部に設けられた一方向弁31の孔31aを経由して凹部10hに流入し、遊星ピン6の公転の間、凹部10hに保持された状態となる。
遊星ピン6の公転または停止の間に、軸心穴10内の潤滑油は徐々に導入孔11を経由して軸受9部に導入されて軸受9部が潤滑される。また、軸受9部から導入孔12を経由して遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、および、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面へ導入されて、該噛み合い歯面が潤滑される。
孔31aを有した前記一方向弁31は、遊星ピン6の公転が低速の場合には、孔31aからの潤滑油の流入時間に余裕が生じるために効果的であり、潤滑装置30aの装置コストが安価である。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図5および図6によって説明する。
図5は、第3の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図であり、図1に相当する図である。
図6は、図5の断面B−B図で、一部破断としてある。
図の遊星歯車装置40において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。軸心穴10の両端には、一端が軸心穴10の外部に一部はみ出した位置で、遊星ピン6の公転の求心側に潤滑油受け部16cを有し、かつ、遊星ピン6の公転の遠心側に開口した開口部16bを有し、他端が軸心穴10の内方に向かって開口した孔16a付きの潤滑油受けピン16が嵌め込まれている。キャリア7には、その円周部で前記潤滑油受けピン16に対応した位置に、回転の求心側の底部に油溜めの膨らみ41aを持った潤滑油カップ41が取り付けられており、前記キャリア7の回転で潤滑油カップ41が潤滑油浴15内に浸漬した際に潤滑油を掬い上げて保持し、潤滑油カップ41が上部にきたときに潤滑油カップ41の公転により潤滑油受け43に垂下するようになっている。
なお、前記潤滑油カップ41の膨らみ41aは、前記キャリア7の回転で潤滑油カップ41が最上端に達する前に、潤滑油カップ41の公転による傾きにより潤滑油をすべて流出してしまわないようにし、潤滑油カップ41内の潤滑油の多くが最上端近辺で潤滑油受け43に滴下されるように構成されている。
該潤滑油受け43に滴下された潤滑油は潤滑油受け43に接続された案内樋44を経由して前記潤滑油受けピン16の開口部16bに導入されるようになっており、前記潤滑油受け43は支持具45を介してケーシング4に取り付けられている。
遊星歯車装置40の潤滑装置40aは、上記のように、潤滑油受けピン16、潤滑油カップ41、潤滑油受け43、案内樋44等で構成されている。
なお、前記潤滑装置40aはキャリア7a側にも設けた二重の構成としてもよい。
次いで、第3の実施の形態に係わる遊星歯車装置40の潤滑装置40aの作用を説明する。キャリア7が矢印8aの方向に回転して、潤滑油カップ41が潤滑油浴15内に浸漬すると、潤滑油を掬い上げて保持し、前記潤滑油カップ41が上部にくると、前記潤滑油カップ41の傾きに伴って前記潤滑油カップ41内の潤滑油が潤滑油受け43に滴下され、案内樋44、潤滑油受けピン16の開口部16b、潤滑油受け部16c、孔16aを経由して遊星ピン6の軸心穴10に導入される。
軸心穴10内で潤滑油受けピン16が構成する段差により軸心穴10の凹部に閉じ込められた潤滑油を保持したまま遊星ピン6が公転する。公転または停止の間に潤滑油は徐々に導入孔11を経由して軸受9部に導入されて、軸受9部が潤滑される。さらに、導入孔12を経由して軸受9部から遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、および、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面にも導入されて該噛み合い歯面が潤滑される。
なお、本実施の形態においては、前記潤滑油カップ41で潤滑油浴15から比較的多量の潤滑油を掬い上げて、上記のように、潤滑油カップ41から滴下した潤滑油を、潤滑油受け43、案内樋44、潤滑油受けピン16の開口部16b、潤滑油受け16c、孔16aを経由して遊星ピン6の軸心穴10に短時間で導入するので、遊星ピン6の公転が高速の場合でも、多量の潤滑油導入が確実に行われるという特徴を有する。
なお、潤滑油カップ41をキャリア7に対して図示せぬピン等により回動自在に軸支するとともに、時計の回転方向へのみ回動可能に取り付け、潤滑油カップ41が潤滑油受け43と対面する範囲において、ケーシング4に固定されたプッシャ付きシリンダ47を作動して、図6において、同カップ41を時計の回転方向へ90度回転して、潤滑油を潤滑油受け43に滴下させるようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
また、本発明の第4の実施の形態を図7、図8によって説明する。
図7は、第4の実施の形態の潤滑装置を構成した遊星歯車装置の要部の側面断面図で、図1に相当する図である。
図8は、図7の断面D−D図で、一部破断としてある。
図の遊星歯車装置60において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。キャリア7の円周部には潤滑油受けピン16の位置に対応して、潤滑油を吸油して保持する弾力性のある例えばスポンジ状の吸油性潤滑油保持具61がピン62を介して取り付けられている。該吸油性潤滑油保持具61は、キャリア7の矢印8aの方向の回転により潤滑油浴15に浸漬すると、潤滑油を吸油し、潤滑油浴15の油面15aより上方の位置になっても潤滑油を保持したまま、キャリア7の回転により上方へ持ち上げられる。
キャリア7の回転により前記吸油性潤滑油保持具61が上部へくると、一対のカム65により吸油性潤滑油保持具61を押しつぶしたような形状にして、保持していた潤滑油を搾り出すようになっており、搾り出された潤滑油は潤滑油受け43に受けられる構造となっている。なお、一対のカム65は支持具66によりケーシング4に取り付けられており、潤滑油受け43は支持具45によりケーシング4に取り付けられている。ここで、吸油性潤滑油保持具61からの潤滑油搾り出しは、一対のカム65による構造に限定されることなく、他の構造としてもよい。
遊星歯車装置60の潤滑装置60aは、上記のように、吸油性潤滑油保持具61、一対のカム65、65および、前記第3の実施の形態で説明した潤滑油受けピン16、潤滑油受け43、案内樋44等で構成されている。
なお、前記潤滑装置60aはキャリア7a側にも設けた二重の構成としてもよい。
次いで、第4の実施の形態に係わる遊星歯車装置60の潤滑装置60aの作用を説明する。キャリア7の回転により吸油性潤滑油保持具61が潤滑油浴15内に浸漬すると、吸油性潤滑油保持具61は潤滑油を吸油して保持し、吸油性潤滑油保持具61が上部にくると、一対のカム65、65との係合により、吸油性潤滑油保持具61に保持されていた潤滑油が搾り出されて前記潤滑油受け43に垂下され、さらに案内樋44、潤滑油受けピン16の開口部16b、潤滑油受け16c、孔16aを経由して遊星ピン6の軸心穴10に導入される。
前記第3の実施の形態での説明と同様に、軸心穴10内で潤滑油受けピン16が構成する段差により軸心穴10の凹部に閉じ込められた潤滑油を保持したまま遊星ピン6が公転する。公転または停止の間に潤滑油は徐々に導入孔11を経由して軸受9部に導入されて、軸受9部が潤滑される。さらに、導入孔12を経由して軸受9部から遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、および、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面にも導入されて、該噛み合い歯面が潤滑される。
また、本実施の形態においても、前記第3の実施の形態での説明と同様に、吸油性潤滑油保持具61により潤滑油浴15から比較的多量の潤滑油を掬い上げて、上記のように、吸油性潤滑油保持具61から一対のカム65、65との係合により滴下した潤滑油を、潤滑油受け43、案内樋44、潤滑油受けピン16の開口部16b、潤滑油受け16c、孔16aを経由して遊星ピン6の軸心穴10に短時間で導入するので、遊星ピン6の公転が高速の場合でも、潤滑油導入が確実に行われるという特徴を有する。
上記第1の実施の形態から第4の実施の形態の説明では、遊星ピン6に設けた軸心穴10を貫通穴とした場合を示したが、軸心穴10を一方のみ開口して、他方は塞いだ穴とした場合でもよい。
以上説明してきたように、第1の実施の形態では、開閉蓋13の作用により遊星ピン6に明けられた軸心穴10の開口部を開閉することにより、潤滑油浴15内に浸漬して自然流入した潤滑油を前記軸心穴10に保持することができる。また、第2の実施の形態では、前記軸心穴10の開口部に設けた一方向弁31により、潤滑油浴15内に浸漬して自然流入した潤滑油を前記軸心穴10の凹部に保持することができる。さらに、第3の実施の形態では、回転体に設けた潤滑油カップ41により潤滑油浴15内に浸漬して掬い上げた潤滑油を滴下させて、潤滑油受け43、案内樋44、潤滑油受けピン16等により遊星ピン6に明けられた軸心穴10の凹部に導入して保持することができる。第4の実施の形態では、吸油性潤滑油保持具61、一対のカム65、潤滑油受けピン16、潤滑油受け43、案内樋44、潤滑油受けピン16等により遊星ピン6に明けられた軸心穴10の凹部に潤滑油を導入して保持することができる。
このようにして、遊星ピン6の軸心穴10に潤滑油を保持することにより、遊星歯車装置が長時間運転停止することがあっても、運転再開時に直ちに軸受9部および遊星歯車2とサンギヤ1との噛み合い歯面、または、遊星歯車2とリングギヤ3との噛み合い歯面に潤滑油を供給できて、潤滑切れを生じることがなく、しかも安価な潤滑装置を提供できるようになった。
1 サンギヤ
2 遊星歯車
3 リングギヤ
4 ケーシング
6 遊星ピン
7、7a キャリア
9 軸受
10 軸心穴
11 導入孔
12 導入孔
13 開閉蓋
13a、13b (開閉蓋の)切欠き
14 ピン
15 潤滑油浴
16 潤滑油受けピン
16a (潤滑油受けピンの)孔
16b (潤滑油受けピンの)開口部
16c (潤滑油受けピンの)潤滑油受け部
20、30、40、60 遊星歯車装置
20a、30a、40a、60a 潤滑装置
31 一方向弁
41 潤滑油カップ
43 潤滑油受け
44 案内樋
47 プッシャ付きシリンダ
61 吸油性潤滑油保持具
65 一対のカム

Claims (9)

  1. 高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設け、前記軸心穴の端部に設けた開閉蓋により前記軸心穴の開口部を開閉できるように構成して、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬する際に開いて前記軸心穴に潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れる際に閉じて前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  2. 請求項1に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記開閉蓋を前記遊星ピンの両端で前記軸心穴近辺に設けたピンを支点として前記軸心穴と相対的に揺動させることにより開閉できるようにし、かつ、前記開閉蓋が自重で常に一定方向へ向くようにして、前記ピンの位置および前記開閉蓋の形状を、前記遊星歯車が公転軌道の下部に達した時、および、公転軌道の上部に達した時、若しくは適切な時(適切なタイミング)に前記開閉蓋が前記軸心穴の開口部を開くように構成したことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  3. 高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、かつ、該軸心穴から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記軸心穴の端部に設けた一方向弁により、前記軸心穴が前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬している間に前記軸心穴の外部から内部に向けて潤滑油が導入され、前記軸心穴が前記潤滑油浴から離れている間は前記軸心穴の内部から外部に向けての潤滑油の流出が抑止されるように構成して、前記軸心穴内に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  4. 請求項3に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記一方向弁を、軸方向に孔を有する栓により構成したことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  5. 高速軸に直結されるサンギヤと、ケーシングに嵌め込まれたリングギヤと、前記サンギヤの外歯と前記リングギヤの内歯との間に複数の遊星歯車を等分角で転動自在に配置し、前記遊星歯車をキャリアに固定された遊星ピンに軸受を介して回転自在に支持し、前記キャリアに低速軸を一体に設けた遊星歯車装置において、前記遊星ピンに軸心穴を設け、該軸心穴が中央部を凹みとする段差を有するようにして、かつ、該軸心穴の中央部から前記軸受に潤滑油を導入できる導入孔を設けて、前記キャリア等の回転体に設けた潤滑油保持具により、前記遊星歯車の公転軌道の下部で前記ケーシング内の潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を受けて保持し、前記遊星歯車の公転軌道の上部に達した際に該保持していた潤滑油を滴下させて前記軸心穴に導入するように構成して、前記段差を有する軸心穴に潤滑油が保持されて、前記導入孔経由で前記軸受が潤滑されるようにしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  6. 請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた潤滑油カップとして、該潤滑油カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、前記潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転の上部に達した時に、該潤滑油カップが保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  7. 請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けたピンを支点として揺動するカップとし、該カップが、前記回転体の回転の下部に達した時に、潤滑油浴から潤滑油を掬い上げて保持し、前記回転体の回転により上部に向かうまでは潤滑油を保持したままの姿勢を維持して、前記回転体の回転の上部に達した時に、該カップが前記ピンを支点として傾くことにより保持していた潤滑油を滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  8. 請求項5に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記潤滑油保持具を、前記回転体の前記遊星ピンに対応した位置に設けた弾力性のある吸油性潤滑油保持具とし、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の下部に達して前記潤滑油浴に浸漬した際に潤滑油を吸い取って保持し、該吸油性潤滑油保持具が前記回転体の回転の上部に達した時に、前記保持していた潤滑油を搾り出し用カム等との係合により滴下させて、前記軸心穴に導入させるように構成したことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載する遊星歯車装置の潤滑装置において、前記軸受内に導入された潤滑油を前記遊星歯車の歯面に向かって導入できるように導入孔を前記遊星歯車に設けて、前記遊星歯車、サンギヤ、リングギヤの歯面が潤滑されるようにしたことを特徴とする遊星歯車装置の潤滑装置。
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