JP4151309B2 - プラネタリギヤ軸受の潤滑装置 - Google Patents

プラネタリギヤ軸受の潤滑装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、サンギヤとリングギヤとの間にピニオンギヤを配置し、そのピニオンギヤをキャリヤによって回転自在に保持したプラネタリギヤの潤滑装置に関し、特にそのピニオンギヤの軸受を潤滑する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、プラネタリギヤ(遊星歯車機構)は、外歯歯車であるサンギヤと、内歯歯車であるリングギヤとを同心円上に配置し、これらサンギヤとリングギヤとの間にピニオンギヤを配置し、そのピニオンギヤをキャリヤによって自転および公転が可能なように保持した装置である。このピニオンギヤとして、サンギヤおよびリングギヤの両方に同時に噛み合ったピニオンギヤを設けた装置と、サンギヤに噛み合った第1のピニオンギヤと、その第1のピニオンギヤとリングギヤとに噛み合った第2のピニオンギヤとを設けた装置とが知られている。
【0003】
前者のプラネタリギヤがいわゆるシングルピニオン型遊星歯車機構と称され、また後者のプラネタリギヤがいわゆるダブルピニオン型遊星歯車機構と称されている。さらに、これらシングルピニオン型とダブルピニオン型との遊星歯車機構を組み合わせて一体的に構成したラビニョウ型遊星歯車機構も従来知られている。
【0004】
このような構成のプラネタリギヤは、サンギヤとリングギヤとキャリヤとを三要素としており、いずれかを入力要素、他のいずれかを出力要素、さらに他のいずれかを固定要素とすることにより、減速装置、増速装置、反転装置などとして機能し、さらにいずれか二つの要素を互いに連結することにより、プラネタリギヤの全体が一体化される。
【0005】
前述したように、この種のプラネタリギヤにおけるサンギヤとリングギヤとは、同一の軸線上に回転自在に配置されるから、これらのギヤを保持する軸受は、所定の軸の外周に固定的に配置し、もしくはケーシングと一体のボス部に固定的に嵌合させることができる。そのため、その軸受に対する潤滑は、前記軸やボス部を介して潤滑油を供給することにより比較的容易におこなうことができる。
【0006】
これに対して、ピニオンギヤは、サンギヤやリングギヤと比較して小径であり、しかもこれらサンギヤとリングギヤとの間でのトルクの伝達を媒介する歯車であるから、その回転数が大きく、作用する荷重も大きくなることがある。それに加えて、これらのピニオンギヤは、キャリヤに取り付けたピニオンピンに軸受を介して嵌合されているので、その軸受は前記サンギヤを支持する軸受やリングギヤを支持している軸受とは離れた位置に配置されている。
【0007】
このようにピニオンギヤを保持している軸受は、荷重および回転数の点で厳しい環境に置かれる場合があるから、その潤滑を充分におこなう必要がある。その場合、キャリヤが回転していれば、その回転中心側に潤滑油を供給し、これを遠心力によってピニオンギヤの軸受に対して供給することにより、潤滑をおこなうことができる。しかしながら、プラネタリギヤはいずれかの回転要素を固定要素として使用する場合が多く、その固定要素としてキャリヤを固定した場合、これに保持されているピニオンギヤの潤滑のために遠心力を利用できなくなる。
【0008】
そこで、例えば特開2001−227625号公報には、ケースに固定したキャリヤの一側に潤滑油路形成部材を固定し、ケースおよびその潤滑油路形成部材に設けた油路を介してキャリヤに潤滑油を供給するように構成した装置が記載されている。このような構成であれば、プラネタリギヤの回転中心軸線とケースの内周面との間に配置されたキャリヤ(より正確にはピニオン軸受)に対して潤滑油を供給することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された構造では、潤滑油を潤滑油路にいわゆる自然落下させて各ピニオン軸受に供給することになる。しかしながら、潤滑油路が上下方向に向けて形成されているのに対して、ピニオン軸受に潤滑油を導く油孔は、潤滑油路に対して直交する方向に向けて形成されているので、流下途中の潤滑油をその油孔に導入することが難しい。そのため、結局は、流下させた潤滑油が下側に溜まり、その油面が上昇して前記油孔の開口端の高さまで達した後、その溜まった潤滑油が油孔に入り込んで、ピニオン軸受に対して潤滑油が供給されことになる。
【0010】
そのため、キャリヤが公転しないことにより上側に止まっているピニオン軸受に対する潤滑を、油面が上昇するまでおこなうことができず、その潤滑がおこなわれるまでに長時間を要する不都合がある。また流下させる潤滑油量が少ない場合には、油面が充分に高くならないので、上側のピニオン軸受に対して潤滑油を供給できない事態が生じる可能性がある。
【0011】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、キャリヤが固定されているプラネタリギヤにおけるピニオン軸受に対して充分に潤滑油を供給することのできる潤滑装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、自然流下する潤滑油の一部を受け取って貯留するとともにその潤滑油をピニオン軸受に供給する油溜まりを、潤滑油を導く油路の途中に設けたことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、サンギヤと該サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤとの間に複数のピニオンギヤが配置されるとともに、それらのピニオンギヤのそれぞれが、常時固定されているキャリヤに取り付けたピニオンピンに軸受を介して回転自在に保持されたプラネタリギヤ軸受の潤滑装置において、前記ピニオンピンの軸端側に、上方から流下する潤滑油を導く油路が、上側のピニオンピンの軸端から順に下側のピニオンピンの軸端を繋ぐように形成され、さらに少なくとも上下方向で中間に位置するピニオンピンの軸端に対応する位置に、前記油路から分岐した凹部を成しかつ前記油路を流下する潤滑油を流入させて貯留する油溜まりが形成され、その油溜まりの底の部分が前記ピニオンピンにおける軸受に連通していることを特徴とする潤滑装置である。
【0013】
したがって請求項1の発明では、固定されているキャリヤによって保持されたピニオンピンの軸端を上下に繋ぐ油路を、潤滑油が流下し、その過程で中間部に形成されている油溜まりに流入し、ここに溜まる。この油溜まりがその底の部分で、ピニオンピンに嵌合されている軸受に連通しているので、油溜まりからピニオン軸受に潤滑油が供給される。すなわち、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受であっても、そのピニオン軸受に対応して相対的に高い位置に配置されている油溜まりに潤滑油が溜められ、ここから潤滑油が供給されるので、前記油路に対する潤滑油の供給を開始した後の早い時期に、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受に対して潤滑油が供給されてその軸受の潤滑がおこなわれる。
【0014】
また、請求項2の発明は、サンギヤと該サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤとの間に複数のピニオンギヤが配置されるとともに、それらのピニオンギヤのそれぞれが、常時固定されているキャリヤに取り付けたピニオンピンに軸受を介して回転自在に保持され、かつそのピニオンピンの軸端から前記軸受に到る油孔がピニオンピンに形成されたプラネタリギヤ軸受の潤滑装置において、前記ピニオンピンの前記油孔が開口している軸端側に、上方から流下する潤滑油を導く油路が、上側の油孔の開口端から順に下側の油孔の開口端を繋ぐように形成され、さらに少なくとも上下方向で中間に位置するピニオンピンにおける油孔の開口端に対応する位置に、前記油路から分岐した凹部を成しかつ前記油路を流下する潤滑油を流入させて貯留する油溜まりが形成され、その油溜まりの底の部分が前記ピニオンピンにおける油孔に連通していることを特徴とする潤滑装置である。
【0015】
したがって請求項2の発明では、ピニオンピンに形成した油孔が開口している油路が上下方向に向けて形成されており、その油路にその上方から潤滑油が供給され、潤滑油が下方に流れる。潤滑油の一部は、油路中を流下する間に、その中間部に形成されている油溜まりに流入し、ここに溜まる。この油溜まりの底の部分に油孔が開口しているので、油溜まりから油孔を介してピニオン軸受に潤滑油が供給される。すなわち、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受であっても、そのピニオン軸受に対応して相対的に高い位置に配置されている油溜まりに潤滑油が溜められ、ここから潤滑油が供給されるので、前記油路に対する潤滑油の供給を開始した後の早い時期に、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受に対して潤滑油が供給されてその軸受の潤滑がおこなわれる。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1もしくは2の構成において、前記中間に位置するピニオンピンより上側に位置するピニオンピンに対応してかつ前記油路に連通した他の油溜まりが形成され、前記中間に位置するピニオンピンに対応して設けられている油溜まりは、前記他の油溜まりより深く形成されていることを特徴とする潤滑装置である。
【0017】
したがって請求項3の発明では、上下方向での中間の位置に配置されているピニオンピンに対応する油溜まりが相対的に深く形成されているので、潤滑油が入りにくい位置に配置されていても、そのピニオンピンにおける軸受に対する潤滑油の量が必要十分な量となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を、図面に示す具体例を参照して説明する。図1および図2はこの発明を適用したプラネタリギヤユニット1を示している。このプラネタリギヤユニット1は、いわゆるシングルピニオン型であって、外歯歯車であるサンギヤ2と内歯歯車であるリングギヤ3とが同心円上に配置され、これらサンギヤ2とリングギヤ3との間にピニオンギヤ4が配置されている。図に示す例では、5つピニオンギヤ4が設けられており、各ピニオンギヤ4は、サンギヤ2とリングギヤ3との両方に噛合させられている。
【0019】
各ピニオンギヤ4は、円周方向に等間隔に配置されており、またその間隔を保った状態で自転するようにキャリヤ5によって保持されている。すなわちキャリヤ5は、ピニオンギヤ4を挟んだ両側に配置された一対の環状の板材をピニオンギヤ4と干渉しない位置で連結した構造の部材である。このキャリヤ5を構成している一対の環状板材によって両端部を支持した5本のピニオンピン6が、キャリヤ5の円周方向に等間隔に配置されている。そして、各ピニオンピン6にそれぞれピニオン軸受7を介してピニオンギヤ4が回転自在に保持されている。
【0020】
各ピニオンピン6には軸線方向における一方の端面(図1での左側の端面)から軸線方向での中間部に到り、かつ軸線方向での中間部で外周面に開口する油孔8が形成されている。なお、ピニオンピン6の端部は、キャリヤ5を構成している板材を貫通しているので、前記油孔8は軸端側に開口している。
【0021】
上記のプラネタリギヤユニット1はケーシング9の内部に収納され、かつケーシング9の内部に一体に設けた隔壁部10によって保持されている。すなわち隔壁部10は、ケーシング9の内面から半径方向で中心側に張り出させて設けた円板状の部分であって、その内周端部に嵌合させた軸受11を介してサンギヤ軸12が回転自在に保持され、そのサンギヤ軸12が前記サンギヤ2の内周部にスプライン嵌合されている。また、隔壁部10の中間部には、軸線方向に突出した円筒部が形成され、その円筒部の内周側に嵌合させた軸受13によってリングギヤ3が回転自在に保持されている。
【0022】
前記隔壁部10は、ピニオンピン6に形成された油孔8が開口している軸端側に位置している。前記キャリヤ5は回転しないように固定されており、したがってその一部が隔壁部10に接触している。
【0023】
そして、この隔壁部10の前記プラネタリギヤユニット1側の側面に油路14が形成されている。この油路14は、断面が筒状に閉じた形状であっもよいが、図示の例では隔壁部10の側面に形成した溝として構成されている。さらにこの油路14は、全体として前記隔壁部10の中心部を中心とした環状をなし、図での上側の部分(実際の使用状態での上側の部分)で開口幅が相対的に広く、中間部より下側では開口幅が相対的に狭くなっており、かつ適宜に蛇行している。
【0024】
したがって油路14は、各ピニオンピン6の油路8が開口している端部を、上側のピニオンピン6から下側のピニオンピン6の順に繋いでいる。そして、上端部では隔壁部10の上側に開口し、かつ下端部では隔壁部10の内周側に開口している。
【0025】
上記の油路14の一部を変形させた形状の油溜まり15が設けられている。この油溜まり15は、油路14を区画形成している側壁部分を変形させることにより形成されたものであり、各ピニオンピン6の端部に対応する位置に設けられており、かつそれぞれのピニオンピン6に嵌合させてあるピニオン軸受7に、前記油孔8やキャリヤ5を構成している板材に設けた切り欠き部(図示せず)などを介して連通している。
【0026】
より具体的に説明すると、最上部に位置するピニオンピン6に対応する油溜まり15は、V字状の凹部として形成されている。また、上下方向で中間部に位置する左右のピニオンピン6に対応する油溜まり15は、円弧状に湾曲して窪んだ凹部として形成されており、その凹部の底の部分にピニオンピン6に形成した油孔8が開口している。さらに、最も低い位置に有るピニオンピン6に対応する油溜まり15は、油路14をV字状に屈曲させ、その屈曲部にピニオンピン6に形成した油孔8が開口するように構成したものである。なお、図2には、油孔8の開口位置を「●」で示してある。したがって各油孔8の開口端が油路4によって順に繋がれている。
【0027】
このように油溜まり15の形状は異なっており、特に図に示す例では、上下方向での位置に応じて形状が異なっている。すなわち、最上部の油溜まり15は、油路14の上部から流下する潤滑油が直接流入し、この油溜まり15に対応する位置のピニオンピン6に形成した油孔8に潤滑油が入り易いので、比較的浅く形成されている。これに対して上下方向で中間部に位置するピニオンピン6の油路8には潤滑油が流入しにくいので、これに対応する油溜まり15は、比較的深く形成されている。そして、最下部の油溜まり15は油路14を通ってきた潤滑油が自然に溜まる部分であり、また隔壁部10の内周側からも潤滑油が流入するので、油路14を屈曲させた単純な形状とされている。
【0028】
一方、ケーシング9の上部に中空部分であるリザーバー部16が形成されている。このリザーバー部16は、歯車などの適宜の回転部材が回転することにより跳ね上げられた潤滑油や図示しない油路を介して送られた潤滑油を一時的に溜める部分である。そして、前記油路14の上端部がこのリザーバー部16に連通されている。すなわちリザーバー部16に送られた潤滑油が油路14に自然落下して流下するようになっている。
【0029】
つぎに上記の潤滑装置の作用について説明する。上記のプラネタリギヤユニット1を含む装置が運転されて潤滑油が圧送され、あるいは所定の回転部材が回転すると、ケーシング9の上部に形成されているリザーバー部16に潤滑油が流入し、ここに一時的に貯留される。このリザーバー部16の下側に前記油路14が連通しているので、リザーバー部16の潤滑油が自然落下により油路14に流下し、その油路14に沿って流れる。
【0030】
図2に示すように、油路14は最上部の油溜まり15を中心にして左右に分岐する形状であるから、その最上部の油溜まり15に先ず潤滑油が流入し、ここに所定量の潤滑油が貯留される。このようにして油溜まり15に溜められた潤滑油が、その油溜まり15から最上部のピニオン軸受7に供給され、そのピニオン軸受7の潤滑がおこなわれる。なお、図示の例では、ピニオンピン6に形成した油孔8を介してピニオン軸受7に対して潤滑油が供給される。すなわち、最上部に位置するピニオン軸受7であっても、油路14に対する潤滑油の供給を開始すると、直ちにそのピニオン軸受7に潤滑油が供給されて潤滑がおこなわれ、過渡的であっても潤滑不良や不足が生じることがない。
【0031】
最上部の油溜まり15の容量に対して過剰な量の潤滑油は、油路14に導かれて流下するので、その一部が、上下方向での中間部に形成されている油溜まり15に流入し、ここに貯留される。したがってこの油溜まり15によって捕捉された潤滑油が、ここから上下方向での中間部に位置するピニオン軸受7に対して供給され、その潤滑がおこなわれる。すなわち各油溜まり15からここに開口している油孔8に流入し、上下方向での中間部に位置するピニオン軸受7に対してその油孔8を介して潤滑油が供給され、その潤滑がおこなわれる。なお、この中間部のピニオン軸受7に対する潤滑油の量は、その油溜まり15の深さなどで決まる容積を適宜に設定することにより、必要十分な量とすることができる。
【0032】
この中間部の油溜まり15をオーバーフローした潤滑油およびその油溜まり15に捕捉されなかった潤滑油が油路14に導かれて更に流下し、ついには油路14の最下部の油溜まり15に溜まる。なお、この最下部の油溜まり15には隔壁部10の内周端部側から流入する潤滑油も貯留される。そして、この油溜まり15から最下部のピニオン軸受7に対して油孔8を介して潤滑油が供給され、その潤滑がおこなわれる。したがってこの最下部のピニオン軸受7に対しても、上記のプラネタリギヤユニット1を含む装置が運転されると直ちに潤滑油が供給され、潤滑不足や遅れが生じることがない。
【0033】
なお、上記の図1および図2に示す例は、最上部に一つのピニオンピン6が位置し、これを頂点の一つとする正五角形の他の頂点に相当する位置に他のピニオンピン6が配置された構成のプラネタリギヤユニット1を対象とする例であるが、ピニオンピン6の位置は、設計上、任意の角度位置に設定されるので、この発明の油溜まり15はそれらのピニオンピン6の位置に対応させて設ければよい。例えば図3は、最下部の近傍に一つのピニオンピン6が位置し、これを正五角形の頂点の一つとし、他の頂点に相当する位置にピニオンピン6が配置されているプラネタリギヤユニット1を対象とする例を示している。この図3に示す例では、上側の二つのピニオンピン6における油孔8には潤滑油が入り易いので、これらのピニオンピン6に対応する油溜まり15は相対的に浅く形成され、これに対して上下方向での中間部に位置するピニオンピン6における油孔8には潤滑油が入り難いので、これらのピニオンピン6に対応する油溜まり15は相対的に深く形成されて、潤滑油の貯留量が多くなるようになっている。
【0035】
ところで上述したキャリヤ5と油路14を形成してある隔壁部10とは互いに接触しているものの、一体化はされていない。そのため、油溜まり15に導いた潤滑油がキャリヤ5と隔壁部10との間から漏れてしまう可能性がある。このような不都合を解消するために、キャリヤ5と隔壁部10との間にスペーサ17を介在させることが好ましい。
【0036】
そのスペーサ17の一例を図4に示し、このスペーサ17を取り付けた例を図5に示してある。すなわちここに示すスペーサ17は、前記隔壁部10における油路14が形成されている側面に密着させられて油路14を覆うほぼ環状をなす板状の部材であり、各ピニオンピン6における油孔8に対応する箇所には、油孔8に差し込まれる円筒状の突起部18が形成されている。また、キャリヤ5を構成している一方の環状板材の外周面に係合するクランプ片19が一体に設けられている。このクランプ片19は、例えばスペーサ17の一部を切り起こした板バネ状の部分であって、その弾性力によってキャリヤ5に係合している。その状態で各突起部18が各油孔8に差し込まれている。さらに、スペーサ17の上側の部分は、隔壁部10の側面から離れる方向に湾曲されられている。これは、潤滑油をスペーサ17と隔壁部10との間に積極的に導入するためである。
【0037】
したがって上記のスペーサ17を使用した場合には、キャリヤ5と隔壁部10との間にスペーサ17が挟み込まれることにより、油溜まり15の下側の部分がほぼ密閉され、その結果、油溜まり15から潤滑油が漏洩することが防止もしくは抑制される。しかも、前記突起部18が油孔8に対して潤滑油を積極的に導くので、ピニオン軸受7に対して充分に潤滑油を供給することができる。
【0038】
なお、スペーサ17は隔壁部10の側面における油路14の開口端を閉じるためのものであるから、スペーサ17はキャリヤ5に取り付けるよりも隔壁部10に取り付けることが好ましい。その例を図6に示してあり、ここに示す例は、スペーサ17の内周端部に、前記突起部18とは反対側に突出させたクランプ片20を形成した例である。このクランプ片20を隔壁部10の内周面のエッジ部に係合させることにより、スペーサ17が隔壁部10に取り付けられている。他の構成は図5に示す例と同様である。
【0039】
したがってこの図6に示すように構成すれば、スペーサ17が隔壁部10の側面に、より確実に密着するので、油溜まり15からの潤滑油の漏洩を防止もしくは抑制することができる。
【0040】
さらに、上述したスペーサ17は、油孔8に嵌合する複数の突起部18を備えているから、各突起部18が油孔8に嵌合することによりスペーサ17はキャリヤ5に対して相対的に位置決めされかつキャリヤ5に対して取り付けられる。したがって突起部18によってキャリヤ5に対するスペーサ17の位置を決め、隔壁部10に対してスペーサ17を密着させる作用は、両者の間に介在させた弾性部材によって生じさせればよい。例えば、図7に示すように、スペーサ17の内周縁の複数箇所に前記突起部18と同方向、すなわちキャリヤ5側に突出した弾性片21を形成し、その弾性片21をキャリヤ5の側面に押し付け、その反力によってスペーサ17を隔壁部10に対して押し付けるように構成してもよい。
【0041】
なお、その弾性片21の形状は必要に応じて適宜に形状とすることができ、例えば図8に示すように、円周方向に延びた円弧状をなす片持ちレバーに類した形状であっもよい。あるいは図9に示すようにT字状をなし、その左右両側の自由端部側を突起部18と同方向に突出させてその部分が弾性的に撓むように構成したものであってもよい。
【0042】
さらに、この発明における油路および油溜まりは、上述した具体例の形状に限定されないのであって、例えば図10に示すように、断面形状がロートに模した形状をなすように油溜まり15を形成し、その筒状をなす下端部を油孔8に挿入した構造としてもよい。
【0043】
そして、この発明は、上述したシングルピニオン型遊星歯車機構を対象とした潤滑装置に限定されないのであって、ダブルピニオン型遊星歯車機構あるいはラビニョ型遊星歯車機構などの他のプラネタリギヤを対象とする潤滑装置に適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明あるいは請求項2の発明によれば、キャリヤが固定されていることにより、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受であっても、そのピニオン軸受に対応して上下方向での中間に配置されている油溜まりに潤滑油が溜められ、ここから潤滑油が供給されるので、前記油路に対する潤滑油の供給を開始した後の早い時期に、上下方向での中間に配置されているピニオン軸受に対して潤滑油を供給してその軸受の潤滑を必要十分におこなうことができる。
【0045】
また、請求項3の発明によれば、上下方向での中間の位置に配置されているピニオンピンに対応する油溜まりが相対的に深く形成されているので、潤滑油が入りにくい位置に配置されていても、そのピニオンピンにおける軸受に対する潤滑油の量を必要十分な量とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る潤滑装置における油路および油溜まりの形状の一例を示す正面図である。
【図2】 その潤滑装置の断面側面図である。
【図3】 この発明に係る油路および油溜まりの他の形状を示す正面図である。
【図4】 この発明で用いることのできるスペーサの一例を示す断面図である。
【図5】 そのスペーサを使用したこの発明の一例を示す断面図である。
【図6】 そのスペーサを隔壁部に取り付けた例を示す断面図である。
【図7】 隔壁部に向けて押圧するための弾性片を設けたスペーサの一例を示す正面図である。
【図8】 スペースに設けた弾性片の他の形状を示すためのスペーサの正面図である。
【図9】 スペースに設けた弾性片の更に他の形状を示すためのスペーサの正面図である。
【図10】 油溜まりをロート状とした例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…プラネタリギヤ、 2…サンギヤ、 3…リングギヤ、 4…ピニオンギヤ、 5…キャリヤ、 6…ピニオンピン、 7…ピニオン軸受、 8…油孔、9…ケーシング、 10…隔壁部、 14…油路、 15…油溜まり、 16…リザーバー部、 17…スペーサ、 18…突起部、 19,20…クランプ片、 21…弾性片。

Claims (3)

  1. サンギヤと該サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤとの間に複数のピニオンギヤが配置されるとともに、それらのピニオンギヤのそれぞれが、常時固定されているキャリヤに取り付けたピニオンピンに軸受を介して回転自在に保持されたプラネタリギヤ軸受の潤滑装置において、
    前記ピニオンピンの軸端側に、上方から流下する潤滑油を導く油路が、上側のピニオンピンの軸端から順に下側のピニオンピンの軸端を繋ぐように形成され、さらに少なくとも上下方向で中間に位置するピニオンピンの軸端に対応する位置に、前記油路から分岐した凹部を成しかつ前記油路を流下する潤滑油を流入させて貯留する油溜まりが形成され、その油溜まりの底の部分が前記ピニオンピンにおける軸受に連通していることを特徴とするプラネタリギヤ軸受の潤滑装置。
  2. サンギヤと該サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤとの間に複数のピニオンギヤが配置されるとともに、それらのピニオンギヤのそれぞれが、常時固定されているキャリヤに取り付けたピニオンピンに軸受を介して回転自在に保持され、かつそのピニオンピンの軸端から前記軸受に到る油孔がピニオンピンに形成されたプラネタリギヤ軸受の潤滑装置において、
    前記ピニオンピンの前記油孔が開口している軸端側に、上方から流下する潤滑油を導く油路が、上側の油孔の開口端から順に下側の油孔の開口端を繋ぐように形成され、さらに少なくとも上下方向で中間に位置するピニオンピンにおける油孔の開口端に対応する位置に、前記油路から分岐した凹部を成しかつ前記油路を流下する潤滑油を流入させて貯留する油溜まりが形成され、その油溜まりの底の部分が前記ピニオンピンにおける油孔に連通していることを特徴とするプラネタリギヤ軸受の潤滑装置。
  3. 前記中間に位置するピニオンピンより上側に位置するピニオンピンに対応してかつ前記油路に連通した他の油溜まりが形成され、前記中間に位置するピニオンピンに対応して設けられている油溜まりは、前記他の油溜まりより深く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラネタリギヤ軸受の潤滑装置。
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