JP2010116599A - 表面処理亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸亜鉛系皮膜を備える潤滑鋼板において、該潤滑鋼板を50℃の水に5分間に亘って浸漬した際に溶解するリン酸亜鉛系皮膜中のリンの量が、リン酸亜鉛系皮膜に含有されていたリンの量の50%以下である表面処理亜鉛系めっき鋼板、及び、亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛処理液を塗布した後、乾燥する工程を経て、亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛系皮膜を形成した表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、塗布はロールコート法では、リン酸亜鉛処理液中の全酸濃度T.A.と遊離酸濃度F.A.との比で表される酸比が2.5以上6.5以下であり、シャワーリンガー法では、酸比が2.5以上4.5以下である表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法とする。
【選択図】図1
Description
亜鉛系めっき目付量=45g/m2、合金化度(Fe%)=9.8%の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(規格:JAC270D、板厚:0.8mm)を準備し、下記の処理液及び処理方法により、亜鉛系めっき層の上にリン酸亜鉛系皮膜を設ける基礎実験を実施した。
リン酸イオン濃度:50g/L、亜鉛イオン濃度:15g/L、硝酸イオン濃度:4g/L、フッ素イオン濃度:0.5g/L、及び、酸比(全酸濃度T.A.と遊離酸濃度F.A.との比):4.8の処理液をベースに、処理液量との関連で狙ったリン付着量(50〜150mg/m2)になるように、処理液を希釈した。
表面処理は、アルカリ脱脂工程及び表面調整工程の後、リン酸亜鉛処理工程を行い、その後、乾燥工程を経る順番とした。各工程の条件は、以下の通りとした。
・アルカリ脱脂:70℃の7%NaOHへ5秒間浸漬した。
・表面調整:パーコレン Z(日本パーカライジング製)3g/L液(常温)へ10秒間浸漬した。
・リン酸亜鉛処理:塗布方法はロールコート法及びシャワーリンガー法とした。
ロールコート法による塗布は、鋼板上へ、ロールコートにて、3.5mL/m2、5.0mL/m2、及び、10mL/m2の各処理液を転写することにより行った。これに対し、シャワーリンガー法による塗布は、スプレー(液流量=100L/min)にて3秒間処理した後、リンガーロールで余分の液を絞り、リンガーロールにより絞った後の処理液量が5.0mL/m2となるように行った。
・オーブン乾燥:最高到達板温が60℃となる条件を10秒間に亘って維持した。リン酸亜鉛処理工程終了後、3秒以内に乾燥工程を開始した。
蛍光X線分析法でめっき層表面を分析することにより皮膜中のリン量(P付着量)を測定した。
サンプルを25mm×100mmに切断し、プレス潤滑油ノックスラスト320H(パーカー興産製)を塗油(塗油量=2g/m2)したまま、下記の接着条件で接着させた。その後、せん断剥離試験に供し、その際の試験強度(せん断強度)を測定することにより、接着性を評価した。
接着剤 :合成ゴム系の熱硬化型接着剤(環境対応型)
接着面積 :25mm×25mm
接着剤厚さ :1mm
引張速度 :50mm/min
加熱条件 :165℃×10分間
接着後養生条件:24時間 室温放置
・ロールコート法によりリン酸亜鉛処理液を塗布した場合、P付着量が増大すると、せん断強度(以下において「接着強度」ということがある。)が低下した。
・シャワーリンガー法によりリン酸亜鉛処理液を塗布した鋼板は、ロールコート法によりリン酸亜鉛処理液を塗布した鋼板と比較して、P付着量が同程度の場合、接着強度が低かった。
・ロールコート法では、塗布された処理液量が多いほど、接着強度に及ぼすP付着量の影響が小さかった。
Psol=100×(P0−P1)/P0
ここに、
Psol:溶出P量(%)
P0 :純水へ浸漬する前のP付着量
P1 :純水へ浸漬した後のP付着量
である。
以下に示すように、リン酸亜鉛系処理液と亜鉛系めっき鋼板表面との界面におけるpH状態によって、第1リン酸亜鉛から、第2リン酸亜鉛、第3リン酸亜鉛(通称、ホパイト)へと反応が進行する。
Zn + 2H+ → Zn2+ + H2↑ 式(1)
次に、リン酸亜鉛系処理液とめっき皮膜表面との界面におけるpHの上昇に伴って、水に可溶性の第一リン酸亜鉛が生成する反応が生じる。この反応は、下記式(2)で表される。
Zn2+ + 2H3PO4 → Zn(H2PO4)2 + H2↑ 式(2)
その後、上記界面の更なるpHの上昇に伴って、水に不溶性の第二リン酸亜鉛や第三リン酸亜鉛が生成する反応が生じる。これらの反応は、下記式(3)及び式(4)で表される。
3Zn(H2PO4)2 → 3ZnHPO4 + 3H3PO4 式(3)
3ZnHPO4 → Zn3(PO4)2 + H3PO4 式(4)
・上記式(1)のエッチング反応を十分に進行させることが、界面pHの上昇および亜鉛源の供給の点で有効であり、
・リン酸亜鉛系処理液を塗布してから乾燥までの時間をある程度とることが、上記式(3)及び式(4)の反応を進行させる上で有利である、
と考えられる。
アセトンに浸漬したサンプルを1分間以上に亘って超音波洗浄した後、XPS(島津製作所製 ESCA−3200)にて、最表面の元素分析を実施した。測定条件を以下に示す。
X線源 :Mg−Kα(8kV−30mA)
スパッタリング:無し
測定元素 :ZnLMM、P2P、O1Sの各ピークの積分強度から、最表面に存在する各元素の割合を算出
XPSによる分析結果を、図4及び図5にそれぞれ示す。
図1は、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板1の形態例を示す図である。図1に示すように、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板1は、リン酸亜鉛系皮膜2を有し、該リン酸亜鉛系皮膜2は、亜鉛系めっき鋼板3の表面に形成されている。
O/P≧6
である。好ましくは、O/P≧10である。ここで、原子比O/Pは、XPS分析により求めた、最表面の元素組成から算出される。より具体的には、リン酸亜鉛系皮膜2の表面をスパッタリングすることなくXPS分析を行うことにより測定される、O及びPの原子%から算出される値が、原子比O/Pである。
(O+Zn)/(O+Zn+P)≧0.85
である。好ましくは、(O+Zn)/(O+Zn+P)≧0.88である。ここで、原子比(O+Zn)/(O+Zn+P)は、XPS分析により求めた、最表面の元素組成から算出される。より具体的には、リン酸亜鉛系皮膜2の表面をスパッタリングすることなくXPS分析を行うことにより測定される、O、Zn、及び、Pの原子%から算出される値が、原子比(O+Zn)/(O+Zn+P)である。
1.5≦Y/X≦2.5
であることが好ましい。
2.1.亜鉛系めっき鋼板
本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法において、基材に用いる亜鉛系めっき鋼板3は特に限定されない。具体的には、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、及び、合金化溶融亜鉛−アルミめっき鋼板等を用いることができる。本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板1の主たる用途は自動車車体用であるので、この用途に広く用いられおり、かつ成形性の観点から潤滑性が求められる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を基材(亜鉛系めっき鋼板3)とするのがもっとも有用である。
亜鉛系めっき鋼板のリン酸亜鉛処理に先立って、表面調整(乾燥を含む)を行うことができる。表面調整を行うことにより、後述するリン酸亜鉛処理において、リン酸亜鉛処理液とめっき層との反応性を増大させることができる。
表面調整に用いる表面調整剤は、市販の表面調整剤、例えば、Tiコロイド系の処理液やリン酸亜鉛コロイド含有水性液等を用いればよい。表面調整では、これらの表面調整剤を用いた浸漬処理又はスプレー処理を行う。本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法において、表面調整剤は自動車用化成処理鋼板で使用される市販の表面調整剤を好適に用いることができる。
さらに、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法では、表面調整に先立って、めっき表面の活性化や汚れの除去を目的として、アルカリ洗浄を行ってもよい。
2.3.1.処理方式
一般的なめっき皮膜のリン酸亜鉛処理方法は、処理液を接触させ、めっき皮膜と化学反応させてから余分な処理液を水洗除去する反応型、及び、所定量の処理液を鋼板上に付着させそのまま乾燥する塗布型に大別される(このほかに、電解による方式も存在する)。ここで、反応型は、処理液の一定濃度確保と水洗後の水処理のための廃液設備等が必要になり、いずれも付帯設備が大掛かりになりやすい。また、リン酸亜鉛系の皮膜を形成する際には、反応型処理では、リン酸亜鉛のスラッジが発生するので、そのスラッジ処理の課題もある。そのため、リン酸系の潤滑皮膜を亜鉛系めっき鋼板上に形成する方法としては、塗布型処理の方が、非常に簡便で、かつ、スラッジ発生の問題もなく、好適であるといえる。したがって、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法における処理方式は、塗布型とする。
前述のように、ロールコート法とシャワーリンガー法とでは、接液時の反応性が変化するために、好適な液組成の範囲が異なる。すなわち、前述のように、シャワーリンガー法の皮膜形成初期段階では、シャワーによりフレッシュな処理液が供給されるため、フレッシュな処理液が供給されている間は界面pHが上昇しにくく、上記式(2)の反応までが主体と考えられる。一方、処理液からのリン酸の供給が止まるロールコート法では、難溶性の上記式(3)及び(4)までの反応が進みやすい結果、接着性がより安定する。したがって、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法において、シャワーリンガー法を適用する場合は、ロールコート法よりも、処理液のエッチング力を高める必要があり、後述するように、酸比やフッ素含有量の好適範囲が異なる。
リン酸亜鉛処理液処理液に含有されるリン酸根の濃度は、後述する塗布液量の範囲で所定付着量のリン酸塩皮膜が形成されるように調整される。リン酸亜鉛処理液に含有される遊離酸の量を多くし、亜鉛系めっき層とのエッチング量を多くすることが重要である。本発明において、リン酸亜鉛処理液中のリン酸亜鉛処理液中の全酸濃度T.A.と遊離酸濃度F.A.との比で表される酸比は、ロールコート法では、2.5以上6.5以下とする。一方、シャワーリンガー法では、より、エッチング力を上げる観点から、2.5以上、4.5以下とする。
ロールコート法により鋼板に塗布されるリン酸亜鉛処理液の塗布液量は、3.5mL/m2以上とする。塗布液量を多くすることにより、特に形成される皮膜の付着量が多い場合であっても良好な接着性を有する表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造することが可能になる。ただし、塗布ムラを抑制しやすくしたり、リン酸亜鉛処理液の成分調整を容易にしたりする等の観点からは、塗布液量を20mL/m2以下とすることが好ましい。
・アルカリ脱脂:70℃の7%NaOHへ5秒間浸漬した。
・表面調整:パーコレン Z(日本パーカライジング製)3g/L液(常温)へ10秒間浸漬した。
・リン酸亜鉛処理:塗布方法はロールコート法及びシャワーリンガー法とした。
シャワーリンガー法による塗布は、スプレー(液流量=100L/min)にて3秒間処理した後、リンガーロールで余分の液を絞り、リンガーロールにより絞った後の処理液量が5.0mL/m2となるように行った。以下、シャワーリンガー法による当該塗布条件を「条件A」という。これに対し、ロールコート法による塗布は、鋼板上へ、ロールコートにて、3.0mL/m2、5.0mL/m2、及び、10mL/m2の各処理液を転写することにより行った。以下、ロールコートにて3.0mL/m2の処理液を転写した塗布条件を「条件B」、5.0mL/m2の処理液を転写した塗布条件を「条件C」、10mL/m2の処理液を転写した塗布条件を「条件D」という。
・オーブン乾燥:最高到達板温が60℃となる条件を10秒間に亘って維持した。リン酸亜鉛処理工程終了後、3秒以内に乾燥工程を開始した。
使用したリン酸亜鉛処理液の組成を、表1に示す。
蛍光X線分析法でめっき層表面を分析することにより皮膜中のリン量(P付着量)を測定した。
50℃の純水中に表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板を5分間浸漬する前後の皮膜中のP量を蛍光X線分析法により測定し、上記基礎実験と同様の方法により、水へ溶出したリンの量(溶出P量(%))を算出した。
上記基礎実験と同様の条件で、リン酸亜鉛系皮膜の表面をXPS分析し、原子比O/P、及び、原子比(O+Zn)/(O+Zn+P)を算出した。
重クロム酸で、リン酸亜鉛系皮膜を溶解させ、ICP分析法にて、P量及びZn量を測定し、そのZn量に対するP量をモル比(Zn/P。上記Y/Xに相当。)の形で整理した。
特開2003−136151号公報に記載のピンオンディスク試験方法により、防錆油を塗布した状態で、以下の条件にて摩擦係数を測定し、摩擦係数及び摩擦係数の変動から、摺動性を評価した。
・試験条件
押し付け荷重 :30N
試験具先端形状 :SKD鋼球(5mmΦ)
試験温度 :60℃
回転半径 :10mm
摺動速度 :63mm/min (1rpm)
摺動回数 :10回転
摩擦係数(μmax) :1回転毎に12回の測定値から算出した平均値の10個の最大値より、最大摩擦係数の算出を行い、摺動性の評価を行った。
・評価基準
×:μmaxが、0.15以上
△:μmaxが、0.12〜0.15未満
○:μmaxが、0.12未満
スポット溶接試験機を用いて、以下の条件でスポット溶接を行い、ナゲット径(mm)が4√t(t:鋼板板厚(mm))よりも小さくなるまでの溶接打点数により、スポット溶接性を評価した。
・溶接条件
電極 :16mmΦドーム型(WR型,先端:40mmR)
材質 :Cu−Cr
加圧力 :2450N
通電時間 :12サイクル(周波数50Hz)
溶接電流 :チリが発生する最少電流をあらかじめ調査して、その電流値に設定
・評価基準
○:3000打点以上
×:3000打点未満
各種表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、塗装下地用の化成処理として、アルカリ脱脂、水洗、及び、表面調整の各処理を施した後、下記の条件で塗装下地用の化成処理(リン酸亜鉛処理)を行った。その後、得られた化成処理材の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、化成処理性を評価した。
・脱脂条件
ファインクリナー4380(日本パーカライジング製)200g/L液(50℃)に、2分間浸漬後、水洗
・表面調整条件
パーコレンZ(日本パーカライジング製)1g/L液(常温)に10秒間浸漬
・化成処理
PB−L3080(日本パーカライジング製)液温43℃ 2分間スプレー
・評価基準
○:1μm程度の化成結晶が緻密に析出
×:結晶がまばらに析出
×:結晶粒の大きさが不均一である
×:結晶粒が粗大である
上記基礎実験の接着性試験と同様の方法により、油面接着性(接着性)を評価した。接着性の評価基準は、以下の通りである。
・評価基準
○:接着剤内での凝集破壊面積率80%以上 (極めて良好で合格)
△:接着剤内での凝集破壊面積率50%以上、80%未満(合格)
×:接着剤内での凝集破壊面積率50%未満(不合格)
表2より、水可溶性のリン酸亜鉛比率(Psol、溶出P量)が、50%以下であれば、接着性が良好であり、20%以下であれば、より良好であった。これに対し、水可溶性のリン酸比率(Psol、溶出P量)が50%を超えるものは、接着性が不良であった。さらに、試験No.21や試験No.22のように、皮膜付着量(P付着量)が厚すぎたり薄すぎたりする場合は、化成処理性や溶接性あるいは摺動性に劣った。また、試験No.21や試験No.23では、スラッジが鋼板表面に残り、外観がいわば粉をふいたような外観が得られた。
さらに、塗布方式の面から比較すると、ロールコート法(塗布条件B、C、D)の方が、シャワーリンガー法(塗布条件A)よりも全般に接着性が良好であった。多量のフッ酸根及び硝酸根が含有されていた処理液No.3を用いて表面処理を行った表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、塗布方式によらず、塗布液量が変動し付着量が変化しても、良好な性能(接着性、摺動性、化成処理性、及び、溶接性)が得られた。これに対し、処理液No.5を用いて表面処理を行った場合は、ロールコート法(塗布条件B、C、D)では合格レベルの接着性が得られたが、シャワーリンガー法(塗布条件A)では合格レベルの接着性が得られず、不芳であった。
2…リン酸亜鉛系皮膜
3…亜鉛系めっき鋼板
Claims (9)
- 亜鉛系めっき層の表面に、リン酸亜鉛系皮膜を備える表面処理亜鉛系めっき鋼板において、該表面処理亜鉛系めっき鋼板を50℃の水に5分間に亘って浸漬した際に溶解する前記リン酸亜鉛系皮膜中のリンの量が、前記リン酸亜鉛系皮膜に含有されていたリンの量の50%以下であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき鋼板。
- 前記リン酸亜鉛系皮膜の最表面に存在する酸素とリンとの原子比O/Pが、
O/P≧6
であることを特徴とする、請求項1に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。 - 前記リン酸亜鉛系皮膜の最表面に存在する酸素と亜鉛とリンとの原子比(O+Zn)/(O+Zn+P)が、
(O+Zn)/(O+Zn+P)≧0.85
であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。 - 前記リン酸亜鉛系皮膜に含有されるリン酸の量をXモル、前記リン酸亜鉛系皮膜に含有される亜鉛の量をYモルとするとき、モル比Y/Xが、
1.5≦Y/X≦2.5
であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。 - 亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛処理液をロールコート法により塗布した後、乾燥する工程を経て、前記亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛系皮膜を形成した表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、
前記リン酸亜鉛処理液中の全酸濃度T.A.と遊離酸濃度F.A.との比で表される酸比が、2.5以上6.5以下である
ことを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 前記リン酸亜鉛処理液は、0.1g/L以上5g/L以下のフッ酸根を含有することを特徴とする、請求項5に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 前記塗布時に前記亜鉛系めっき層の表面へと塗布される前記リン酸亜鉛処理液の量が、3.5mL/m2以上であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛処理液をシャワーリンガー法により塗布した後、乾燥する工程を経て、前記亜鉛系めっき層の表面にリン酸亜鉛系皮膜を形成した表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、
前記リン酸亜鉛処理液は、1.5g/L以上5g/L以下のフッ酸根を含有し、
前記リン酸亜鉛処理液中の全酸濃度T.A.と遊離酸濃度F.A.との比で表される酸比が、2.5以上4.5以下である
ことを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 前記塗布時に前記亜鉛系めっき層の表面へと塗布される前記リン酸亜鉛処理液の量が、10mL/m2以下であることを特徴とする、請求項8に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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