JP3966244B2 - プレフォスフェイト鋼板およびその製造方法 - Google Patents

プレフォスフェイト鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に自動車メーカの車体製造工程における生産性向上に貢献することを目的とした、油面接着性に優れた亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体用等プレス成形性が要求される用途に亜鉛系めっき鋼板を用いる場合等、亜鉛系メッキ鋼板のプレス成形性を向上させる技術としては、亜鉛系めっき皮膜の上層にさらに鉄−亜鉛合金電気めっき皮膜を設けて、潤滑性を向上させる技術が広く用いられていた。
【0003】
近年は、亜鉛系めっき皮膜の上層にリン酸塩皮膜を設けて、潤滑性を向上させる技術(例えば、特許文献1や非特許文献1)も提案されている。なお、このようにプレス成形前に鋼材表面に設けられたリン酸塩皮膜は、非特許文献1にあるように「プレフォスフェイト皮膜」と呼ばれる。(以下、表層にプレフォスフェイト皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板を、単に「プレフォスフェイト鋼板」と呼ぶことがある。)
【0004】
特許文献1等のプレフォスフェイト処理は、処理の後水洗を経て乾焼させるもの(以下、このように水洗を経る処理形式を「反応型処理」という。)である。しかしながら、付着量や皮膜構造に及ぼす処理液、処理条件の影響が比較的大きい。一方、処理の後水洗せずそのまま乾燥させる処理形式(以下、このような処理形式を「塗布型処理」という。)であれば、処理液の劣化や処理条件の変動の影響が比較的小さく、鋼帯を処理する場合のような大量・高速の処理に適している。塗布型処理でのプレフォスフェイト処理の例としては、特許文献2がある。
【0005】
さらに最近になって、自動車車体製造において接着接合の適用が検討されるにあたり、これに使用される鋼板に関し、塗油面を脱脂することなく接着した場合の接着性(以下、「油面接着性」という)が良好であることも要求されるようになった。
【0006】
油面接着性まで考慮されたプレフォスフェイト鋼板については、例えば、特許文献3、4、5に提案されている。特許文献3、4では、プレフォスフェイト皮膜を縮合リン酸系のものとすること、および製造法として酸化物を含有する処理液を用い塗布型処理によって皮膜を形成させることを開示しており、特許文献5では、皮膜中にFeを含有させた非晶質の皮膜を形成させている。
【特許文献1】
特開平7−138764号公報
【特許文献2】
特開2000−64054号公報
【特許文献3】
特開2002−226976号公報
【特許文献4】
特開2001−98383号公報
【特許文献5】
特開2001−271153号公報
【非特許文献1】
日本パーカライジング技報Vol.8(1995.12)p.33−40
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
プレフォスフェイト鋼板に要求される性能は、成形性、溶接性、化成処理性、油面接着性等があるが、たとえば特許文献3、4の技術では必ずしも並立せず、ことに油面接着性が安定しない場合が多かった。そこで、本発明は、これら性能が並立したプレフォスフェイト鋼板およびその製造方法を確立することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プレフォスフェイト皮膜の構成や製造条件と油面接着性との関係について調査した。その結果、プレフォスフェイト皮膜のごく表層のZn(II)とPの存在比が油面接着性に影響し、Zn(II)の割合が大きいほど、油面接着性が良好であることがわかった。さらに、そのようなプレフォスフェイト皮膜を得るには、処理液の酸濃度等と同時に強電解質カチオンおよびアニオン濃度についても所定範囲に管理することが重要であることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成させた。本発明は、以下の通りである。
【0009】
本発明の第1の態様では、少なくとも片面のめっき表面にプレフォスフェイト皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板であって、前記プレフォスフェイト皮膜の付着量が、P換算で1mmol/m以上5mmol/m以下であり、前記プレフォスフェイト皮膜中に含有されるZnとPとのモル比Zn/Pが1.0以上2.0以下であり、前記プレフォスフェイト皮膜表面のZn(II)とPのモル比Zn(II)/Pが1.0以上であるリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板を提供して前記課題を解決する。
【0010】
この態様において、前記プレフォスフェイト皮膜が結晶性のホパイトと非晶質性のリン酸塩とを有するものであることが好ましい。また、前記プレフォスフェイト皮膜が、Ni、Mn、Feを実質的に含まないことも好ましい。
【0011】
本発明の第2の態様では、リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、
前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程とを有し、前記リン酸塩処理液は、0.3〜1.0mol/Lのリン酸根と、前記リン酸根に対してモル比で0.5以下の亜鉛イオンとを含有し、処理液中の全酸濃度T.Aと遊離酸濃度F.Aの比で表される酸比が4.5以上6.5以下であり、かつ処理液中の強電解質アニオン濃度[Am−](m:アニオンの電荷)と強電解質カチオン濃度[Mn+](n:カチオンの電荷)とが式(1)の関係を満たすものであるリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供して前記課題を解決する。
δ≡Σ(n・[Mn+])−Σ(m・[Am−])≦0 ...(1)
【0012】
本発明の第3の態様では、リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、
前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、必要に応じ、前記接触工程ののち、鋼板に付随した余剰の接触液を減少させる工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程とを有し、前記リン酸塩処理液は、0.3〜1.0mol/Lのリン酸根と、前記リン酸根に対してモル比で0.5以下の亜鉛イオンとを含有し、処理液中の全酸濃度T.Aと遊離酸濃度F.Aの比で表される酸比が4.5以上6.5以下であり、かつ処理液中のT.A.、F.A、および亜鉛イオン濃度[Zn2+]が、式(4)の関係を満たすものであるリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供して前記課題を解決する。
T.A−2F.A−14/5・[Zn2+]≦0 ...(4)
【0013】
第2、第3の態様において、前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程との間に、鋼板に付随した余剰の接触液を減少させる工程を有するようにすることもできる。
【0014】
本発明の作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、亜鉛系めっき鋼板のめっき表面に所定のプレフォスフェイト皮膜を形成するものである。以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
1.亜鉛系めっき鋼板
本発明においては、目的とするプレフォスフェイト皮膜が得られるものであれば、めっきの種類は特に限定されない。自動車用途に広く使用されている合金化溶融亜鉛めっき鋼板が現状好ましいが、今後自動車用途への展開が期待される溶融亜鉛めっき鋼板(合金化しないもの)や、電気亜鉛系めっき鋼板等も使用できる。また、その他付着量等もとくに限定されない。ただし加工性や溶接性の観点からは、めっき付着量は150g/m以下であるのが好ましい。
【0017】
2.プレフォスフェイト皮膜
2−1 皮膜の構造
本発明におけるプレフォスフェイト皮膜中の平均的なZnとPのモル比(Zn/P)は、1.0以上2.0以下である。この値は、リン酸亜鉛Zn(POのZn/P量論比(=1.5)にほぼ等しい。
【0018】
なお、本発明の方法で得られるプレフォスフェイト皮膜はZn/Pが1.0以上のものについては、概ね結晶質の皮膜(ホパイト)として観察される。一方、本発明のプレフォスフェイト皮膜は塗布型処理で形成されるため、処理液がそのまま乾燥し成膜された部分(主として、非晶質性のリン酸塩)も存在する。この部分も含め、プレフォスフェイト皮膜全体としての平均的な(Zn/P)を、1.0以上2.0以下とする。
【0019】
プレフォスフェイト皮膜中には、特許文献1にもあるように、一般的にNi、Mn、Fe等のZn以外の金属元素を含有させる場合が多い。また、特許文献5では、Feを必須成分として含有させている。しかしながら、本発明では、Ni、Mn、Fe等を皮膜中に実質的に含有しない方が好ましい。
【0020】
これは、以下の理由による。プレフォスフェイト鋼板は、ほとんどの場合、成型加工後最終的に塗装される。自動車メーカー等では塗装下地処理として、例えばリン酸塩処理等の塗装下地処理が施される。健全な下地処理層を形成させるためには、その時点でプレフォスフェイト皮膜はかえって存在していない方がよく、そのためには下地処理に先立つ脱脂工程で、プレフォスフェイト皮膜は溶出してしまう方が好ましい(以下、脱脂工程での溶出しやすさを「脱膜性」と呼ぶ。)。Ni、Mn、Fe等を皮膜中に含有すると脱膜性が劣化する傾向にある。そこで、このような成形後塗装に供されるような用途では、プレフォスフェイト皮膜中にできるだけNi、Mn、Fe等を実質的に含有しないのが好ましいのである。
【0021】
なお、Ni、Mn、Fe等を含有しないプレフォスフェイト皮膜の場合、前述の脱脂工程で皮膜が完全に除去されず若干残存したとしても、その後の下地処理工程における鋼板表面のエッチングがかえって活性化され、良好な塗装下地処理層が得られる。これは、脱脂液や塗装下地処理液が劣化していたり、形状により薬液がまわりにくい部位がある加工品の下地処理をする場合などに有効である。
【0022】
なお、本発明において、「Ni、Mn、Feを実質的に含まない」とは、プレフォスフェイト皮膜中のNi、Mn、Feの元素成分の合計量が1%以下であることをいう。
【0023】
2−2 皮膜付着量
前述のようなプレフォスフェイト皮膜の付着量は、P換算で1mmol/m以上5mmol/m以下(おおよそ30〜160mg/m)であるのが好ましい。薄すぎると、プレフォスフェイト処理の本来の目的であるプレス成形性が確保されにくく、また厚すぎると、スポット溶接時の連続打点性が劣化してしまう。好ましい付着量としては2〜4mmol/mである。
【0024】
2−3 皮膜の表面構造
本発明では、プレフォスフェイト皮膜の表面のZn(II)とPのmol比(Zn(II)/P)を1.0以上とする。これにより、安定した油面接着性が得られる。1.0未満であると、たとえば成形品の接着工程において、接着貼合後の養生時間(熱硬化型接着剤の場合は加熱時間)として長時間が必要になり、生産性に悪影響をおよぼすことになる。
【0025】
本発明において、プレフォスフェイト皮膜表面とは、X線光電子分光法(XPS)で分析可能な表面領域をいい、プレフォスフェイト皮膜表面のZn(II)とPとのモル比(Zn(II)/P)は、XPSにより測定される値である。皮膜表面のZnをXPSで測定する際には、金属Znに起因するピークとZn(II)に起因するピークが検出されるので、これをピーク分離してZn(II)に起因するピークからZn(II)/Pを求めるものとする。
【0026】
3.プレフォスフェイト処理方法
3−1 前洗浄
プレフォスフェイト処理におけるめっき鋼板基材表面の反応性を確保するために、基材表面を覆う酸化物や汚れが除去されていることが必要である。亜鉛系めっき鋼板表面を覆う酸化物としては亜鉛酸化物、アルミ酸化物等が想定され、これらを効率よく除去するために、アルカリ性もしくは酸性水溶液を用いるのが好ましい。例えば水酸化ナトリウム水溶液や塩酸水溶液等をベースとする水溶液を用いることができる。特に、溶融亜鉛めっき鋼板の場合は表面をアルミ酸化物が覆っている場合が多く、アルミ酸化物を除去する目的においては水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液をべ一スとする洗浄液の使用が好ましい。
【0027】
3−2 表面調整
前記前洗浄工程の後、めっき表面の活性を均一化し、プレフォスフェイト皮膜を均一に付着させるために、さらに表面調整を行うのが好ましい。めっき鋼板は通常調質圧延が施されるが、この場合圧延ロールとの接触部/非接触部等との間で、めっき表面の活性が不均一になりプレフォスフェイト処理時の反応ムラが生じやすくなるためである。表面調整処理としては、チタンコロイド含有水性液、リン酸亜鉛コロイド含有水性液等への浸漬処理、Fe、Co、Ni等の置換析出によるフラッシュめっき等が挙げられる。
【0028】
3−3 プレフォスフェイト処理
本発明のプレフォスフェイト処理は、主成分としてリン酸根(PO 3−、H2PO 、HPO 2−、HPO)と亜鉛イオンとを含有する処理液を、めっき鋼板に接触させた後、水洗することなく乾燥させる塗布型処理により、亜鉛系めっき鋼板の表層にプレフォスフェイト皮膜を形成するものである。塗布型処理である以外は、本発明のプレフォスフェイト鋼板を得る方法は特に限定されないが、好ましい形態について以下に説明する。
【0029】
<処理形式>
本発明では、いわゆる塗布型処理によりプレフォスフェイト鋼板を製造する。塗布方法としては、処理液をスプレーしたのち余分な処理液を搾り取るスプレーリンガー法や、アプリケーターロールから鋼材へ処理液を転写させるロールコート法があげられる。
この2つの方法を比較すると、処理液のマスバランスを維持する観点からは、鋼板と接触した処理液の戻りの少ないロールコート法の方が有利であり、特にリバースコート法が戻りが少なくて有利である。一方、連続操業時の生産性の観点からは、スプレーリンガー法の方がリンガーロールの磨耗が少なくて有利である。特にリンガーロールの周速を、鋼板の通板速度と同期させた場合(リンガーロールを無駆動とし、ロール周速と通板速度とがほぼ一致した場合を含む。)には、ロール消耗の点で有利である。したがって、少量生産ではロールコート法が有利であり、大量生産では、薬液のマスバランス維持のシステムを付加した上でスプレーリンガー法で操業するのが有利である。
【0030】
<処理液>
プレフォスフェイト処理液中のリン酸根の含有量は、0.1〜1mol/Lの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1mol/Lである。また亜鉛イオンのリン酸根に対するモル比は、0.5以下が好ましく、より好ましくは0.35〜0.5程度である。これは、主として皮膜付着量を本発明の範囲とするのに適当だからであるためと、亜鉛イオン濃度が高くなりすぎると薬液中にリン酸亜鉛系のスラッジが発生し製品の表面品質に悪影響を及ぼすためである。
【0031】
さらに、処理液の全酸濃度(T.A.)、遊離酸濃度(F.A.)から導出される酸比(T.A./F.A.)も重要である。酸比が低い場合でも、本発明のプレフォスフェイト皮膜を有するめっき鋼板が得られないわけではないが、めっき表面からのZnの溶出量が増加するため、連続操業の際に遊離酸濃度を維持するのに多量の補給液が必要となる。逆に、酸比が大きい場合、特にスプレーリンガー
法の場合に、プレフォスフェイト皮膜が急激に析出し始めるため、付着量が過大になりやすくその制御が難しい。酸比の好ましい範囲は、4.5〜6.5である。
【0032】
本発明の塗布型処理において、油面接着性に優れたプレフォスフェイト皮膜を有する亜鉛めっき鋼板を得るためには、強電解質アニオンAm−および強電解質カチオンMn+の濃度の関係を、下記の式(1)を満たすように調整する。これによって、概ねプレフォスフェイト皮膜表面のZn(II)/Pの値が1.0以上となり、油面接着性が安定する。
δ≡Σ(n・[Mn+])−Σ(m・[Am−])≦0 ...(1)
ただし、[Am−]:Am−の濃度(mol/L)
m:アニオンの電荷
[Mn+]:Mn+の濃度(mol/L)
n:カチオンの電荷
【0033】
強電解質カチオンMn+としては、主として酸比を調整する際に添加されるアルカリ水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水溶液)中のアンモニウムイオンやナトリウムイオン等が挙げられる。これら強電解質カチオンは、言い換えると、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン等、プレフォスフェイト皮膜成分として液中に添加されるカチオンを除く、処理液、処理性を成り立たせるために付随的に添加されるカチオンのことである。また、強電解質アニオンAm−としては、後述するように、復極剤としての硝酸イオンやエッチング剤としてのフッ化物イオン等が挙げられる。これら強電解質アニオンは、言い換えると、プレフォスフェイト皮膜成分として液中に添加されるリン酸イオンを除く、処理液、処理性を成り立たせるために付随的に添加されるアニオンのことである。
【0034】
強電解質カチオンと強電解質アニオンの関係が、式(1)を満たさない場合、つまり、強電解質カチオンが処理液中に過剰に含まれる場合は、得られる皮膜表層のZn/P組成が小さくなり、油面接着性に悪影響を及ぼす。過剰な強電解質カチオンがプレフォスフェイト皮膜の表面組成に影響を及ぼす理由は明確ではないが、例えば、以下のような機構が考えられる。
【0035】
すなわち、プレフォスフェイト反応は、下記式(i)のエッチング反応と下記式(ii)及び(iii)の加水分解反応よりなる。
Zn(めっき皮膜)+2HPO→Zn2++2HPO +H↑(i)
Zn2++2HPO →ZnHPO↓+HPO (ii)
3ZnHPO→Zn(PO(ホパイト)+HPO (iii)
【0036】
(i)〜(iii)の反応の進行に伴って、処理液中のリン酸根は消費され、減少してゆく。このとき、処理液中の未反応のリン酸根と過剰の強電解質カチオンと(δ)が、酸・塩基としての等量をむかえた時点で、(ii)〜(iii)の反応が停止すると考えられる。この結果、乾燥造膜過程では、例えば強電解質カチオンとリン酸根が結合した塩がプレフォスフェイト皮膜近傍に生成され、結果として皮膜のごく表層のZn(II)/Pの値が小さくなると考えられる。
【0037】
なお、処理液中のF.A.、T.A.は以下の式で表される。
F.A.≡[PO]+Σ(m・[Am−])−2・[Zn2+]−Σ(n・[Mn+]) ・・・(2)
T.A.≡F.A.+[PO]+4/5・[Zn2+] ...(3)
ただし、[PO]:処理液中のリン酸根の濃度
[Zn2+]:処理液中のZn(II)の濃度
【0038】
これより、式(1)は、次の式(4)で表すこともできる。
δ≡Σ(n・[Mn+])−Σ(m・[Am−])
=T.A.−2F.A.−14/5・[Zn2+]≦0 ...(4)
【0039】
その他の条件についても説明する。
プレフォスフェイト処理液の前記以外の成分としては、復極剤としての硝酸イオン(NO )を、リン酸根に対するモル比で0.05以上0.5以下含有するのが好ましい。また、エッチング性フッ化物(たとえばフッ化水素酸、フルオロケイ酸、フルオロほう酸等)を、フッ化水素酸換算でリン酸イオンに対するモル比で0.05以上0.5以下含有することが好ましい。これらの成分が少なすぎる場合、前記(i)〜(iii)の反応の進行速度が小さく短時間で本発明の目的とする皮膜が得られにくい。多すぎても効果が飽和し、経済的にあまりメリットがない。
【0040】
また、前述のようにプレフォスフェイト皮膜中にはNi、Fe、Mn等を実質的に含有しない方がよいので、処理液中にも極力含まないのが好ましい。連続操業では、鋼帯や設備から溶出する成分が混入するが、処理液中にはこれらの元素が合計で100ppm以下であるのが好ましい。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
<プレフォスフェイト鋼板の作製>
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(極低炭素鋼、板厚0.8mm、めっき付着量:46/47(g/m))に、前洗浄および表面調整処理を行ってから、第1表(A)、(B)に示すように、成分を適宜変更したプレフォスフェイト処理液を用いてスプレーリンガー法でプレフォスフェイト処理を行い、プレフォスフェイト鋼板を作製した。主なプレフォスフェイト処理条件およびプレフォスフェイト処理液の分析方法は、以下の通りである。
・プレフォスフェイト処理条件
前洗浄条件:7%NaOH水溶液(70℃)に5秒間浸漬、浸漬後水洗。
表面調整処理:パーコレンZ(日本パーカライジング製)1g/L液(常温)に10秒間浸漬。
・プレフォスフェイト処理液の分析方法
処理液をろ紙に所定量染み込ませて試料とし、蛍光X線分析装置を用いてリン酸濃度、亜鉛イオン濃度を定量分析した。全酸濃度、遊離酸濃度は、酸・塩基滴定によって測定した。全酸濃度、遊離酸濃度、亜鉛イオン濃度の測定値から、前述の式(4)を用いて第1表(A)のδを算出した。
【0042】
<プレフォスフェイト鋼板の評価>
上記得られたプレフォスフェイト鋼板のサンプルについて、皮膜分析および性能評価した。およびプレフォスフェイト皮膜の分析方法ならびに性能の評価方法は、以下の通りである。
【0043】
・プレフォスフェイト皮膜の付着量測定、バルク組成分析
5%クロム酸水溶液にてプレフォスフェイト皮膜だけを溶解し、溶解液中のP及びZnを原子吸光法で定量分析した。
【0044】
・プレフォスフェイト皮膜の表面組成分析
XPS法でプレフォスフェイト皮膜表面のZn、Pそれぞれのスペクトルの積分強度を測定し(評価面積:5mm×5mm)、Zn(II)/P元素組成比を算出した。Znのピークについては、金属ZnのピークとZn(II)のピークを分離し、Zn(II)のみの値を用いた。
【0045】
・プレス性評価法
円筒絞り試験機を用いて、防錆油を塗布した状態で、以下の条件でカップ成形を行い、材料破断が起こる時の限界ブランクホルダ圧で評価した。
パンチ直径:50mm 肩R:5mm
ダイス直径:52.4mm 肩R:5mm
ブランク直径:100mm (絞り比:2.0)
評価基準:
○:17.15kN以上(合格)
△:14.70kN以上17.15kN未満(合格)
×:14.70kN未満(不合格)
【0046】
・スポット溶接性評価法
スポット溶接機を用いて、以下の条件でスポット溶接し、ナゲット径(mm)が4√t(t:鋼板厚み(mm))より小さくなるまでの打点数で評価した。
電極:ドーム型電極
加圧力:2450N
通電時間:12サイクル(周波数は50Hz)
溶接電流:チリが発生し始める最小電流を予め調査し、その電流に設定
評価基準:
○:3000打点以上(合格)
×:3000打点未満(不合格)
【0047】
・化成処理性評価法
化成処理性は、下記のアルカリ脱脂、水洗、表面調整を施した後、下記に示す条件で化成処理(リン酸亜鉛処理)を行った。得られた化成処理材の表面をSEMで観察することで調査した。
脱脂条件: ファインクリーナー4380(日本パーカライジング社製)200g/L液(50℃)に、2分間浸漬。
表面調整条件:パーコレンZ(日本パーカライジング製)1g/L液(常温)に10秒間浸漬。
化成処理条件:PB−3080(日本パーカライジング社製、液温43℃)を2分間スプレー。
評価基準:
○:1〜10μm程度の化成結晶粒が緻密に析出した。
×:結晶がまばらに析出している。
×:結晶粒の大きさが不均一である。
×:結晶粒が粗大である。
【0048】
・油面接着性評価法
サンプルを25mm×200mmに切断し、防錆油を塗油(塗油量2g/m)したまま下記の接着条件で接着させた。その後、T型剥離試験(引き剥がし速度:50mm/分)に供し、その際の剥離の形態(剥離面に占める接着剤の凝集破壊の面積率)で評価した。
接着剤:塩化ビニル系熱硬化型接着剤
接着剤厚さ:100μm
加熱条件:150℃、15分間
接着後養生時間:24時間
評価基準:
○:凝集破壊面積率80%以上(合格)
△:凝集破壊面積率が30%以上80%未満(不合格)
×:凝集破壊面積率が30%未満
【0049】
結果を第1表(A)、(B)に示す(No.1〜24)。
【0050】
【表1】
Figure 0003966244
【0051】
【表2】
Figure 0003966244
【0052】
本発明のプレフォスフェイト鋼板は、良好なプレス性、スポット溶接性、化成処理性、油面接着性をあわせもっていた。ただし、プレフォスフェイト皮膜付着量(P付着量)の小さい場合(No.1〜3、5〜6、13〜14、17〜18、21〜22)は、若干プレス性が劣った。一方、皮膜付着量(P付着量)が大きすぎる場合は(No.4、8、12)ではスポット溶接性に劣った。また、表層Zn(II)/Pが1未満のもの(No.17〜19、21〜24)は、油面接着性に劣った。一方、表層Zn(II)/Pモル比が1以上である本発明では、化成処理性はすべて良好であった。
【0053】
これは、プレフォスフェイト処理液中にNi、Mn、Fe等を実質的に含んでおらず、皮膜中にも含まれていないためと考えられた。また、本実施例では、バルクのZn/Pの値はほぼ1.5程度で安定していた。さらに、本発明の製造方法によれば、良好な成形性、溶接性、化成処理性、油面接着性をあわせもつプレフォスフェイト鋼板を、安定して製造することができた。
【0054】
(実施例2)
溶融亜鉛めっき鋼板(極低炭素材、板厚0.8mm、付着量90/90(g/m))に、実施例1と同様の前洗浄および表面調整処理を施してから、ロールコート法でプレフォスフェイト処理を行い、性能を評価した。プレフォスフェイト条件は、第2表(A)、(B)のとおりである。また、評価方法については、概ね実施例1と同様であるが、スポット溶接性の評価基準は以下の通りである。・スポット溶接性の評価基準
○:1000点以上
×:1000点未満
【0055】
結果を第2表(A)、(B)に示す(No.25〜33)。
【0056】
【表3】
Figure 0003966244
【0057】
【表4】
Figure 0003966244
【0058】
第2表(A)、(B)によれば、母材がGI(溶融亜鉛メッキ鋼板)である場合でも、本発明のプレフォスフェイト鋼板は、良好な成形性、溶接性、化成処理性、油面接着性をあわせもっていた。ただし、プレフォスフェイト皮膜付着量(P付着量)の小さい場合(No.25、28、31)は、若干プレス性が劣った。また、表層Zn/Pモル比が1未満のもの(No.28、29、31〜33)は、油面接着性に劣った。
【0059】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0060】
【発明の効果】
本発明から得られるプレフォスフェイト鋼板は、成形性、溶接性、化成処理性、油面接着性に優れており、ことに自動車車体用プレフォスフェイト鋼板として有用である。

Claims (6)

  1. 少なくとも片面のめっき表面にプレフォスフェイト皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板であって、前記プレフォスフェイト皮膜の付着量が、P換算で1mmol/m以上5mmol/m以下であり、前記プレフォスフェイト皮膜中に含有されるZnとPとのモル比Zn/Pが1.0以上2.0以下であり、前記プレフォスフェイト皮膜表面のZn(II)とPのモル比Zn(II)/Pが1.0以上であることを特徴とする、リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板。
  2. 前記プレフォスフェイト皮膜が、結晶性のホパイトと非晶質性のリン酸塩とを有するものであることを特徴とする請求項1のリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板。
  3. 前記プレフォスフェイト皮膜中にNi、Mn、Feを実質的に含まないことを特徴とする請求項1または2のリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板。
  4. リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程とを有し、前記リン酸塩処理液は、0.3〜1.0mol/Lのリン酸根と、前記リン酸根の対してモル比で0.5以下の亜鉛イオンとを含有し、処理液中の全酸濃度T.Aと遊離酸濃度F.Aの比で表される酸比が4.5以上6.5以下であり、かつ処理液中の強電解質アニオン濃度[Am−](m:アニオンの電荷)と強電解質カチオン濃度[Mn+](n:カチオンの電荷)とが式(1)の関係を満たすものであることを特徴とする、リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
    Σ(n・[Mn+])−Σ(m・[Am−])≦0 ...(1)
  5. リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程とを有し、前記リン酸塩処理液は、0.3〜1.0mol/Lのリン酸根と、前記リン酸根に対してモル比で0.5以下の亜鉛イオンとを含有し、処理液中の全酸濃度T.Aと遊離酸濃度F.Aの比で表される酸比が4.5以上6.5以下であり、かつ処理液中のT.A.、F.A、および亜鉛イオン濃度[Zn2+]が、式(4)の関係を満たすものであることを特徴とする、リン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
    T.A−2F.A−14/5・[Zn2+]≦0 ...(4)
  6. 前記亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩処理液を接触させる接触工程と、前記工程のあと水洗することなく乾燥させる工程との間に、鋼板に付随した余剰の接触液を減少させる工程を有することを特徴とする、請求項4または5に記載のリン酸塩被覆亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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