JP2010116433A - (メタ)アクリレート組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で入手が容易な原料で製造することができ、得られる(メタ)アクリレート組成物が硬化性及び耐乳化性に優れ、その硬化膜が強度に優れ、硬化時の体積収縮も小さい(メタ)アクリレート組成物の製造方法の提供。
【解決手段】トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(以下、「ジ体」という)とトリメチロールトリ(メタ)アクリレート(以下、「トリ体」という)を酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及びジ体の水酸基がトリ体の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物(以下、「化合物M」という)を下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、特定条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比である。
【選択図】なし
【解決手段】トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(以下、「ジ体」という)とトリメチロールトリ(メタ)アクリレート(以下、「トリ体」という)を酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及びジ体の水酸基がトリ体の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物(以下、「化合物M」という)を下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、特定条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比である。
【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線の照射により、又は加熱によって硬化可能な(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関するものである。本発明により得られる(メタ)アクリレート組成物は、塗料、インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の原料としてこれらを使用する技術分野において利用され得るものであり、特に、活性エネルギー線硬化型のハードコート塗料及びインキの原料として好適に利用され得るものである。
尚、本明細書においては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。又、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを多官能(メタ)アクリレートという。
尚、本明細書においては、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。又、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを多官能(メタ)アクリレートという。
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートを含む組成物は、活性エネルギー線照射時の速硬化性、及び得られる硬化物の硬度に優れているため、活性エネルギー線硬化型のハードコート塗料及びインキ等の用途で広く使用されている。
当該(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が知られている。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、対応する多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応(例えば、特許文献1及び同2)や、エステル交換反応で製造されている(例えば、特許文献3)。
当該(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が知られている。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、対応する多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応(例えば、特許文献1及び同2)や、エステル交換反応で製造されている(例えば、特許文献3)。
ところで、多官能(メタ)アクリレートを活性エネルギー線硬化型ハードコート塗料として使用する場合、上述した速硬化性及び硬化物の硬度に加え、硬化にともなう体積収縮が小さいことが要求される。
その理由は、体積収縮が大きいと、基材との接着性が低下したり、基材の反り(カール)が生じ、ハードコート膜の耐久性を著しく損なうためである。
その理由は、体積収縮が大きいと、基材との接着性が低下したり、基材の反り(カール)が生じ、ハードコート膜の耐久性を著しく損なうためである。
又、多官能(メタ)アクリレートを活性エネルギー線硬化型インキとして使用する場合、上述した速硬化性及び硬化物の硬度に加え、耐乳化性を有することが望ましい。
その理由は、以下の理由による。即ち、例えばオフセット印刷では、インキと湿し水は版面上で常に接触し、湿し水がインキに乳化された状態となっている。インキの耐乳化性が不十分な場合、印刷物の濃度低下、版面又はブランケット表面への転写不良したインキのパイリング、非画線部にインキが付着する汚れ、本来インキが着かない吸水ロールにインキが付着して湿し水の供給を不安定化させる水棒絡み等のトラブルを誘発する。これらのトラブルは、印刷物の品質や生産性を著しく損なってしまう。
その理由は、以下の理由による。即ち、例えばオフセット印刷では、インキと湿し水は版面上で常に接触し、湿し水がインキに乳化された状態となっている。インキの耐乳化性が不十分な場合、印刷物の濃度低下、版面又はブランケット表面への転写不良したインキのパイリング、非画線部にインキが付着する汚れ、本来インキが着かない吸水ロールにインキが付着して湿し水の供給を不安定化させる水棒絡み等のトラブルを誘発する。これらのトラブルは、印刷物の品質や生産性を著しく損なってしまう。
一方、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートは、その分子中に4個の(メタ)アクリロイル基を有し、速硬化性と硬化膜の高強度を発現する。又、硬化時の体積収縮も小さいため、活性エネルギー線硬化型のハードコート塗料として広く使用されている。又、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートは、その分子中に脂溶性である2個のエチル基を有するため、耐乳化性にも優れており、活性エネルギー線硬化型のインキとしても広く使用されている。
しかしながら、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートは、その原料アルコールであるジトリメチロールプロパンが高価であったり、入手が困難となる場合があるため、より安価で入手が容易な原料で、しかも前記性能を有する多官能(メタ)アクリレートが求められている。
他方、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの場合、その原料アルコールであるトリメチロールプロパンは、ジトリメチロールプロパンよりも安価で入手し易く、得られる硬化膜も高強度である。
しかしながら、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートは、速硬化性及び耐乳化性がジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートに及ばない。又、硬化時の体積収縮も大きい。そのため、活性エネルギー線硬化型のハードコート塗料及びインキ等での使用は限られていた。
ところで、多官能(メタ)アクリレートの上記以外の製造方法として、多官能(メタ)アクリレートを酸触媒の存在下に加熱する、いわゆるマイケル付加反応により行う方法も知られているが(特許文献4)、当該特許文献に記載された発明は、多官能(メタ)アクリレートの硬化性(速硬化性)の向上を目的としており、前記したような強度な硬化膜を得る手段、硬化時の体積収縮を小さくする手段、及び耐乳化性を改善する技術手段については開示されていない。
本発明者らは、安価で入手が容易な原料で製造することができ、得られる(メタ)アクリレート組成物が硬化性及び耐乳化性に優れ、その硬化膜が強度に優れ、硬化時の体積収縮も小さい(メタ)アクリレート組成物の製造方法を見出すため、鋭意検討を行ったのである。
本発明者らは、前記課題を解決するためには、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(ジ体)とトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(トリ体)を酸触媒の存在下に加熱して、マイケル付加反応を進行させて、ジ体、トリ体及び特定マイケル付加体を特定割合で含む(メタ)アクリレート組成物とする製造方法が有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明者の製造方法によれば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートとトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートという安価で入手が容易な原料を使用して組成物を製造することができ、得られる(メタ)アクリレート組成物は、硬化速度に優れ、その硬化物は硬度等にも優れ、硬化時の体積収縮も小さく、インキ用途に使用する場合において耐乳化性にも優れる。
本発明は、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(以下、「ジ体」という)とトリメチロールトリ(メタ)アクリレート(以下、「トリ体」という)を酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関する。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及び後記式(1)で表される化合物(以下、「化合物M」という)を下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、後記条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比であって、トリ体の面積を100とした場合のジ体及び化合物Mの面積比を表す。
以下、本発明を詳細に説明する。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及び後記式(1)で表される化合物(以下、「化合物M」という)を下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、後記条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比であって、トリ体の面積を100とした場合のジ体及び化合物Mの面積比を表す。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.原料(メタ)アクリレート
本発明では原料として、ジ体とトリ体を使用する。
原料のジ体とトリ体の割合としては、後記する条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比で、ジ体:トリ体=15.0〜150.0:100であることが好ましい。
原料のジ体とトリ体は、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸のエステル化反応、又はトリメチロールプロパンとモノ(メタ)アクリレートのエステル交換反応により得られる反応生成物を使用することが、入手が容易であり好ましい。この場合、エステル化反応物中にジ体とトリ体を50〜80重量%含むものが好ましい。
この場合、ジ体とトリ体以外の化合物を含んでいても良い。具体的には、エステル化反応で得られたものの場合は、未反応トリメチロールプロパン、未反応(メタ)アクリル酸、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート及びその他(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられ、エステル交換反応で得られたものの場合は、前記に加え、モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、反応性に優れるためアクリレートが好ましい。
本発明では原料として、ジ体とトリ体を使用する。
原料のジ体とトリ体の割合としては、後記する条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比で、ジ体:トリ体=15.0〜150.0:100であることが好ましい。
原料のジ体とトリ体は、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸のエステル化反応、又はトリメチロールプロパンとモノ(メタ)アクリレートのエステル交換反応により得られる反応生成物を使用することが、入手が容易であり好ましい。この場合、エステル化反応物中にジ体とトリ体を50〜80重量%含むものが好ましい。
この場合、ジ体とトリ体以外の化合物を含んでいても良い。具体的には、エステル化反応で得られたものの場合は、未反応トリメチロールプロパン、未反応(メタ)アクリル酸、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート及びその他(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられ、エステル交換反応で得られたものの場合は、前記に加え、モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、反応性に優れるためアクリレートが好ましい。
2.酸触媒
酸触媒は、トリ体の(メタ)アクリロイル基にジ体の水酸基を付加反応させるために使用されるものである。当該反応は、通常マイケル付加反応と称されるものである。
酸触媒は、種々のものが使用でき、具体的には硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、タングストリン酸、タングストケイ酸、モリブドリン酸、モリブドケイ酸、三フッ化ホウ素エーテラート及び四塩化スズ等が挙げられる。これらの中でも触媒活性が高く、水存在下でも失活しないという理由で、硫酸、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸が好まく、副反応が少ないという理由で、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒は、トリ体の(メタ)アクリロイル基にジ体の水酸基を付加反応させるために使用されるものである。当該反応は、通常マイケル付加反応と称されるものである。
酸触媒は、種々のものが使用でき、具体的には硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、タングストリン酸、タングストケイ酸、モリブドリン酸、モリブドケイ酸、三フッ化ホウ素エーテラート及び四塩化スズ等が挙げられる。これらの中でも触媒活性が高く、水存在下でも失活しないという理由で、硫酸、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸が好まく、副反応が少ないという理由で、メタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の使用割合としては、ジ体とトリ体の合計量に対して、ジ体とトリ体以外の(メタ)アクリレートを含む場合には、ジ体、トリ体及びその他(メタ)アクリレートの合計量〔以下、(メタ)アクリレート合計量という〕に対して、0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10重量%である。0.1重量%以上とすることにより、付加反応を充分に進行させることができ、15重量%以下とすることにより、過剰の発熱による反応系が不安定になること防止し、生成物の着色や、さらにはゲル化を防止することができる。
3.その他の成分
本発明の製造方法においては、必要に応じて反応溶媒を使用することが好ましい。
反応溶媒は、上記必須成分の希釈のために使用されるもので、例えば、トルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。
反応溶媒は、基質の溶解性等を考慮して、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
反応溶媒を使用する場合には、その配合割合としては、目的に応じてそれぞれ選択すればよいが、通常反応液の固形分が10〜80重量%となる割合が好ましい。
本発明の製造方法においては、必要に応じて反応溶媒を使用することが好ましい。
反応溶媒は、上記必須成分の希釈のために使用されるもので、例えば、トルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びにメチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。
反応溶媒は、基質の溶解性等を考慮して、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
反応溶媒を使用する場合には、その配合割合としては、目的に応じてそれぞれ選択すればよいが、通常反応液の固形分が10〜80重量%となる割合が好ましい。
又、本発明の製造方法においては、(メタ)アクリロイル基がラジカル重合することを抑制するための重合禁止剤を反応液に添加したり、含酸素ガスを反応液に導入することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
重合禁止剤の割合としては、原料のジ体とトリ体の合計量又は(メタ)アクリレート合計量に対して50〜20,000ppmが好ましい。重合禁止剤の割合を50ppm以上とすることにより、重合防止の効果を十分にすることができ、他方20,000ppm以下とすることにより、生成物の硬化性が低下を防止し、生成物の着色を防止することができる。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で使用しても又は2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
重合禁止剤の割合としては、原料のジ体とトリ体の合計量又は(メタ)アクリレート合計量に対して50〜20,000ppmが好ましい。重合禁止剤の割合を50ppm以上とすることにより、重合防止の効果を十分にすることができ、他方20,000ppm以下とすることにより、生成物の硬化性が低下を防止し、生成物の着色を防止することができる。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
4.(メタ)アクリレート組成物の製造方法
4-1.製造方法
本発明の製造方法は、
ジ体とトリ体を前記酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関する。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及び化合物Mを下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
4-1.製造方法
本発明の製造方法は、
ジ体とトリ体を前記酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法に関する。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及び化合物Mを下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、下記条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比であって、トリ体の面積を100とした場合のジ体及び化合物Mの面積比を表す。
○液体クロマトグラフィー測定条件
装置:高速液体クロマトグラフ(HPLC)、検出器:紫外検出器、カラムの種類:炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル(粒子径:1.7μm)からなるカラム(内径;2.1mm×長さ;50mm)、カラムの温度:40℃、溶離液:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=75/25(初期)→50/50(15分)→30/70(20分)→0/100(23−25分)
尚、「→」は、溶離液の割合を、次の()で示した時間の間で段階的に変化させる意味である。
即ち、0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液(以下、TFAという)/アセトニトリル(以下、ANという)を、まず
TFA/AN=75/25で開始し、
その後15分をかけてTFA/AN=50/50に変化させ、
開始から15分後から20分後(5分間)でTFA/AN=30/70に変化させ、
開始から20分後から23分後(3分間)でTFA/AN=0/100に変化させ
開始から23分後から25分後(2分間)の間TFA/AN=0/100を維持する
ことを意味する。
○液体クロマトグラフィー測定条件
装置:高速液体クロマトグラフ(HPLC)、検出器:紫外検出器、カラムの種類:炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル(粒子径:1.7μm)からなるカラム(内径;2.1mm×長さ;50mm)、カラムの温度:40℃、溶離液:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=75/25(初期)→50/50(15分)→30/70(20分)→0/100(23−25分)
尚、「→」は、溶離液の割合を、次の()で示した時間の間で段階的に変化させる意味である。
即ち、0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液(以下、TFAという)/アセトニトリル(以下、ANという)を、まず
TFA/AN=75/25で開始し、
その後15分をかけてTFA/AN=50/50に変化させ、
開始から15分後から20分後(5分間)でTFA/AN=30/70に変化させ、
開始から20分後から23分後(3分間)でTFA/AN=0/100に変化させ
開始から23分後から25分後(2分間)の間TFA/AN=0/100を維持する
ことを意味する。
化合物Mは、下記式(1)で表される化合物であり、ジ体の水酸基がトリ体の(メタ)アクリロイル基にマイケル付加した化合物である。
〔式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を意味する。〕
式(1)において、アクリレートを原料とした場合、Rは水素原子となり、メタクリレートを原料とした場合、Rはメチル基となる。
式(1)において、アクリレートを原料とした場合、Rは水素原子となり、メタクリレートを原料とした場合、Rはメチル基となる。
本発明における液体クロマトグラフィーの測定条件は、前記の通りとする。
炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲルは市販されており、日本ウオーターズ(株)製のAcquity BEH C18等がある。
又、以下の条件として測定することが好ましい。
流速:0.3mL/min、紫外検出器の検出波長:210nm、試料濃度:0.1重量%アセトニトリル溶液、注入量:1μL
本発明では、トリ体のピークの面積値を100として、ジ体及び化合物Mのピークの相対面積値を算出する。
炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲルは市販されており、日本ウオーターズ(株)製のAcquity BEH C18等がある。
又、以下の条件として測定することが好ましい。
流速:0.3mL/min、紫外検出器の検出波長:210nm、試料濃度:0.1重量%アセトニトリル溶液、注入量:1μL
本発明では、トリ体のピークの面積値を100として、ジ体及び化合物Mのピークの相対面積値を算出する。
本発明では、反応で得られる(メタ)アクリレート組成物において、ジ体、トリ体及び化合物Mの面積比を、ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0とする。これにより硬化速度に優れ、その硬化物が硬度等の物性にも優れ、硬化時の体積収縮が小さく、耐乳化性に優れるものとすることができる。
特に、ジ体及びトリ体の割合を前記の範囲とすることにより、硬化膜の硬度と耐乳化性に優れるものとすることができ、化合物Mの割合を前記の範囲とすることにより、硬化性に優れ、かつ硬化時の体積収縮を小さくすることができる。
特に、ジ体及びトリ体の割合を前記の範囲とすることにより、硬化膜の硬度と耐乳化性に優れるものとすることができ、化合物Mの割合を前記の範囲とすることにより、硬化性に優れ、かつ硬化時の体積収縮を小さくすることができる。
反応は、ジ体とトリ体を、必要に応じて反応溶媒中で、前記酸触媒及び必要に応じて重合禁止剤の存在下に、加熱・攪拌すればよい。
ジ体及びトリ体としては、反応性に優れるためアクリレートが好ましい。
ジ体及びトリ体としては、反応性に優れるためアクリレートが好ましい。
この場合の反応温度としては、60〜130℃が好ましい。反応温度を60℃以上とすることで反応を速くすることができ、一方130℃を以下とすることで、反応を安定に行うことができるうえ、ゲル化を防止することができる。
反応時間は、原料ジ体とトリ体の割合、反応条件及び最終的に得られるジ体とトリ体の割合等に応じて適宜設定すれば良いが、2〜30時間が好ましい。
反応は、水分が存在していると反応性が悪くなることがあるため、後記するエステル化反応で得られるジ体及びトリ体を乾燥せずそのまま使用する場合には、減圧下に脱水を促進して実施することが好ましい。
減圧度としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、45〜95kPaが好ましく、より好ましくは50〜90kPaである。
減圧度としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、45〜95kPaが好ましく、より好ましくは50〜90kPaである。
好ましい製造方法の一例を挙げると、攪拌機、温度計を備えた反応器にジ体及びトリ体をそれぞれ所定量仕込み、必要に応じて反応溶媒を用い、酸触媒と更に重合禁止剤をそれぞれ適量仕込み、攪拌下所定時間加熱・攪拌する方法を挙げることができる。
反応終了後、反応液は中和・水洗し、水層を分離した後、有機層を減圧下加熱して溶媒を留去し、目的とする(メタ)アクリレート組成物を得る。
反応終了後、反応液は中和・水洗し、水層を分離した後、有機層を減圧下加熱して溶媒を留去し、目的とする(メタ)アクリレート組成物を得る。
4-2.エステル化反応物を使用する製造方法
本発明の製造方法としては、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸のエステル化反応物をそのまま使用して製造することもできる(以下、第2発明という)。
即ち、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下に加熱・攪拌し、ジ体とトリ体の混合物を得た後、当該混合物を酸触媒の存在下に加熱・攪拌して(メタ)アクリレート組成物を製造しても良い。
本発明の製造方法としては、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸のエステル化反応物をそのまま使用して製造することもできる(以下、第2発明という)。
即ち、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下に加熱・攪拌し、ジ体とトリ体の混合物を得た後、当該混合物を酸触媒の存在下に加熱・攪拌して(メタ)アクリレート組成物を製造しても良い。
トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸の脱水エステル化反応の方法としては、従来知られた種々の方法で行えば良く、例えば多価アルコールと(メタ)アクリル酸を酸触媒存在下、加熱・攪拌し脱水する方法が挙げられる。
第2発明では、原料トリメチロールプロパンに、必要に応じて他の多価アルコールを含んでいても良い。具体的には、ジトリメチロールプロパン等が挙げられる。この場合、他の多価アルコールは、原料アルコールの全量に対して40重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下であり、特に好ましくは10重量%以下である。
トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸の使用割合は、エステル化反応生成物中のジ体とトリ体が上記の好ましい範囲内となるように適宜決定すれば良いが、トリメチロールプロパン中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を0.6〜1.8とすることが好ましい。この割合を0.6以上とすることにより、ジ体以外の水酸基を有する化合物、例えば未反応トリメチロールプロパンや水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレートと、トリ体との付加反応を抑制することができ、生成物の増粘や、反応後の水洗において2層分離しにくくなることを防止することができる。他方1.8以下とすることにより、未反応の(メタ)アクリル酸が少なくなり、経済的であり、中和におけるアルカリ量も低減することができる。
トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸との最も好適な割合は、目的とするジ体とトリ体の割合や反応条件等によって異なるが、実験的手法によって容易に設定することができる。又、エステル化反応生成物中のジ体とトリ体の割合を、目的の割合に制御するためには、反応で留出する水の量を測定することが好ましい。
酸触媒としては、前記と同様のものを使用することができる。
酸触媒の使用割合としては、トリメチロールプロパン及び(メタ)アクリル酸の合計量に対して0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10重量%である。
酸触媒の使用割合としては、トリメチロールプロパン及び(メタ)アクリル酸の合計量に対して0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10重量%である。
反応温度としては、80〜130℃が好ましい。反応温度を80℃以上とすることにより、反応速度を早いものとすることができ、他方130℃以下とすることにより、反応系が安定となり、ゲル化を防止することができる。
反応時間は、使用する原料の種類、割合及び量並びに最終的に得られるジ体とトリ体の割合等に応じて適宜設定すれば良いが、4〜40時間が好ましい。
反応は、減圧下に実施することが好ましい。これにより、効率的に脱水を行うことができ、反応を短時間で終了することができるうえ、得られる組成物の着色を防止することができる。
減圧度としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、45〜95kPaが好ましく、より好ましくは50〜90kPaである。
減圧度としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、45〜95kPaが好ましく、より好ましくは50〜90kPaである。
エステル化反応においては、効率的に脱水を行うことができるため、反応溶媒を使用することが好ましい。反応溶媒としては、前記と同様のものが使用できる。
又、本発明の製造方法においては、(メタ)アクリロイル基がラジカル重合することを抑制するための重合禁止剤を反応液に添加したり、含酸素ガスを反応液に導入することが好ましい。当該重合開始剤及び含酸素ガスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
又、本発明の製造方法においては、(メタ)アクリロイル基がラジカル重合することを抑制するための重合禁止剤を反応液に添加したり、含酸素ガスを反応液に導入することが好ましい。当該重合開始剤及び含酸素ガスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
第2発明では、前記エステル化反応で得られたジ体とトリ体の混合物を、酸触媒の存在下に加熱・攪拌して(メタ)アクリレート組成物を製造する。
この場合、得られたジ体とトリ体の混合物に酸触媒を添加することなく、エステル化反応で使用した酸触媒の存在下にそのまま引き続き加熱しても良く、又、新たに酸触媒を添加して加熱しても良い。
又、得られた反応混合物を中和・水洗した後、有機層を分離し、得られた有機層に新たに酸触媒を添加して加熱する方法もある。
この場合、中和のためのアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。これらをそのまま使用しても、又は水溶液として使用してもよい。又、中和・水洗操作は加温又は冷却により温度制御しながら実施してもよい。中和・水洗処理によれば、反応混合物中の未反応(メタ)アクリル酸等の水溶性成分を除去することができる。これにより、生成するジ体とトリ体の割合を、目的とする割合に好ましく制御することができ、又、反応後の水洗工程における水層と有機層の分離が困難となることを防ぐことができる。
この場合、得られたジ体とトリ体の混合物に酸触媒を添加することなく、エステル化反応で使用した酸触媒の存在下にそのまま引き続き加熱しても良く、又、新たに酸触媒を添加して加熱しても良い。
又、得られた反応混合物を中和・水洗した後、有機層を分離し、得られた有機層に新たに酸触媒を添加して加熱する方法もある。
この場合、中和のためのアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。これらをそのまま使用しても、又は水溶液として使用してもよい。又、中和・水洗操作は加温又は冷却により温度制御しながら実施してもよい。中和・水洗処理によれば、反応混合物中の未反応(メタ)アクリル酸等の水溶性成分を除去することができる。これにより、生成するジ体とトリ体の割合を、目的とする割合に好ましく制御することができ、又、反応後の水洗工程における水層と有機層の分離が困難となることを防ぐことができる。
第2発明によれば、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸を原料として、1ポットで(メタ)アクリレート組成物を製造することができるため、工程がシンプルとなり、低コストである。
この場合も、ジ体とトリ体の反応性に優れるため、原料としてアクリル酸を使用して製造されたアクリレートが好ましい。
この場合も、ジ体とトリ体の反応性に優れるため、原料としてアクリル酸を使用して製造されたアクリレートが好ましい。
5.使用方法
本発明の製造方法により得られた(メタ)アクリレート組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物や熱硬化型組成物等の硬化型組成物の原料として、塗料、インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の各種工業用途に使用できる。これらの中でも、塗料(特にハードコート塗料)及びインキ用途での使用に好適に使用できる。
本発明の製造方法により得られた(メタ)アクリレート組成物は、活性エネルギー線硬化型組成物や熱硬化型組成物等の硬化型組成物の原料として、塗料、インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の各種工業用途に使用できる。これらの中でも、塗料(特にハードコート塗料)及びインキ用途での使用に好適に使用できる。
活性エネルギー線の照射方法及び加熱方法等の硬化手段については、ラジカル重合性化合物の硬化方法として知られている一般的な方法を採用すれば良い。
硬化型組成物には、以下に詳述する各種成分を配合することができる。
5−1.その他(メタ)アクリレート
(メタ)アクリレート組成物を硬化型組成物として使用する場合には、前記(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート〔その他(メタ)アクリレート〕を配合することができる。
(メタ)アクリレート組成物を硬化型組成物として使用する場合には、前記(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート〔その他(メタ)アクリレート〕を配合することができる。
その他(メタ)アクリレートとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下モノ(メタ)アクリレートという〕及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下ポリ(メタ)アクリレートという〕等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニルアクリレート等の脂環式モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら以外にも、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、マレイミド(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等の2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、並びにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら以外にも、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートも使用可能である。
又、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーも使用することができる。
これらの中でも、組成物の硬化物にさらに硬度を付与する目的で、前記したポリ(メタ)アクリレートを配合することがより好ましい。
5−2.重合開始剤
(メタ)アクリレート組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合、特に、可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、組成物に光重合開始剤を配合する。尚、電子線硬化型組成物とする場合は、光重合開始剤を必ずしも配合する必要はない。
(メタ)アクリレート組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合、特に、可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、組成物に光重合開始剤を配合する。尚、電子線硬化型組成物とする場合は、光重合開始剤を必ずしも配合する必要はない。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパンー1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ベンジルメチルケタール(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173:メルク社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(ダロキュア1116:メルク社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン(ZLI3331:チバスペシャルティケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO( BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BAPO2:チバスペシャルティケミカルズ社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、CGI1700(チバスペシャルティケミカ
ルズ社製)、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4' −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4' −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4' −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系の及びそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
ルズ社製)、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4' −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4' −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4' −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系の及びそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤には、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、キサンテン、チオキサンテン、クマリン及びチオクマリン等の色素増感剤;o−トリルチオ尿素等の尿素類;ナトリウムジエチルジチオホスフェート及びs−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物;N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
これら光増感剤は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
これら光増感剤は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
(メタ)アクリレート組成物を熱硬化型組成物として使用する場合、組成物に熱重合開始剤を配合する。
熱重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。
熱重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。
5−3.その他成分
前記成分以外にも、必要に応じて、樹脂、無機顔料、有機顔料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、有機フィラー、光安定剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を配合することもできる。前記樹脂としては、二塩基酸ジアリルエステル重合体(ジアリルフタレート樹脂等)、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、メラミン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及びオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
前記成分以外にも、必要に応じて、樹脂、無機顔料、有機顔料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、有機フィラー、光安定剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を配合することもできる。前記樹脂としては、二塩基酸ジアリルエステル重合体(ジアリルフタレート樹脂等)、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、メラミン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及びオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、以下において、「部」は重量部を意味する。
◎実施例1
攪拌機、温度計を備えた反応器に、ジ体、トリ体及び化合物Mを含むアクリレート混合物であって、下記条件で測定された面積比で、ジ体:トリ体:化合物M=52.8:100:9.3の割合で含む混合物を80部、反応溶媒としてトルエン80部、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸(以下、PTSという)2.1部及び重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下、BHTという)0.01部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、MQという)0.01部を仕込んだ後、80℃に加熱し、10時間反応させた。
反応終了後、反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離した。その後、水20部を加え40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)にMQを0.05部加え、1〜400mmHgの減圧下、70℃で4時間攪拌しトルエンを留去したところ、79部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、下記条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
○ジ体:トリ体:化合物M=2.0:100:23.3
攪拌機、温度計を備えた反応器に、ジ体、トリ体及び化合物Mを含むアクリレート混合物であって、下記条件で測定された面積比で、ジ体:トリ体:化合物M=52.8:100:9.3の割合で含む混合物を80部、反応溶媒としてトルエン80部、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸(以下、PTSという)2.1部及び重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下、BHTという)0.01部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、MQという)0.01部を仕込んだ後、80℃に加熱し、10時間反応させた。
反応終了後、反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離した。その後、水20部を加え40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)にMQを0.05部加え、1〜400mmHgの減圧下、70℃で4時間攪拌しトルエンを留去したところ、79部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、下記条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
○ジ体:トリ体:化合物M=2.0:100:23.3
○高速液体クロマトグラフィー測定条件:
・高速液体クロマトグラフ:日本ウオーターズ(株)製 Acquity UPLC システム
・カラム:種類;炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル(Acquity BEH 1.7μm C18)(カラム:内径;2.1mm×長さ;50mm)、カラムの温度;40℃
・溶離液:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=75/25(初期)→50/50(15分)→30/70(20分)→0/100(23−25分)、流速:0.3mL/min、
・紫外検出器の検出波長:210nm、試料濃度:0.1重量%アセトニトリル溶液、注入量:1μL
・ジ体のピーク保持時間:2.8分、トリ体のピーク保持時間:8.5分、化合物Mのピーク保持時間:17.0分
※トリ体のピークの面積値を100としてジ体、化合物Mのピークの相対面積値を算出した。
尚、化合物Mは、別途LC/MS〔(UPLC)装置:日本ウオーターズ(株)製 Acquity UPLC システム、(MS)装置:Quattro premier API タンデム四重極〕で測定した分子量及びH1NMR測定の結果、前記式(1)においてRが水素原子である化合物であることを同定した。
・高速液体クロマトグラフ:日本ウオーターズ(株)製 Acquity UPLC システム
・カラム:種類;炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル(Acquity BEH 1.7μm C18)(カラム:内径;2.1mm×長さ;50mm)、カラムの温度;40℃
・溶離液:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=75/25(初期)→50/50(15分)→30/70(20分)→0/100(23−25分)、流速:0.3mL/min、
・紫外検出器の検出波長:210nm、試料濃度:0.1重量%アセトニトリル溶液、注入量:1μL
・ジ体のピーク保持時間:2.8分、トリ体のピーク保持時間:8.5分、化合物Mのピーク保持時間:17.0分
※トリ体のピークの面積値を100としてジ体、化合物Mのピークの相対面積値を算出した。
尚、化合物Mは、別途LC/MS〔(UPLC)装置:日本ウオーターズ(株)製 Acquity UPLC システム、(MS)装置:Quattro premier API タンデム四重極〕で測定した分子量及びH1NMR測定の結果、前記式(1)においてRが水素原子である化合物であることを同定した。
◎実施例2
攪拌機、温度計、水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン402部(3モル)、アクリル酸563部(7.8モル)、反応溶媒としてトルエン666部、酸触媒としてPTSを25部及び重合禁止剤としてMQを3.0部を仕込んだ後、80kPaにて5時間加熱還流させ、水124部(6.9モル)を留出させた。
反応液を前記と同様に分析した結果、ジ体とトリ体の比が面積比で52.8:100:9.3の混合物であった。
反応液(1450部)に、PTSを24部加え、80kPaにて13時間加熱還流した。
反応終了後、反応液にトルエン666部、10%水酸化ナトリウム水溶液379部を加え、40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離して、過剰量のアクリル酸を除去した。その後、水212部を加え40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)にMQを0.20g加え、1〜400mmHgの減圧下、80℃で5時間攪拌しトルエンを留去したところ、635部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=1.7:100:29.6
攪拌機、温度計、水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン402部(3モル)、アクリル酸563部(7.8モル)、反応溶媒としてトルエン666部、酸触媒としてPTSを25部及び重合禁止剤としてMQを3.0部を仕込んだ後、80kPaにて5時間加熱還流させ、水124部(6.9モル)を留出させた。
反応液を前記と同様に分析した結果、ジ体とトリ体の比が面積比で52.8:100:9.3の混合物であった。
反応液(1450部)に、PTSを24部加え、80kPaにて13時間加熱還流した。
反応終了後、反応液にトルエン666部、10%水酸化ナトリウム水溶液379部を加え、40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離して、過剰量のアクリル酸を除去した。その後、水212部を加え40℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)にMQを0.20g加え、1〜400mmHgの減圧下、80℃で5時間攪拌しトルエンを留去したところ、635部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=1.7:100:29.6
◎実施例3
実施例2において、PTSの量を50.2部に変更し、4時間還流させる以外は実施例2と同様にしてエステル化反応を行い、水126(7.0モル)部を留出させた。
さらに、酸触媒添加することなく、引継ぎ80kPaにて13時間加熱還流した。反応終了後、実施例2と同様にして中和・水洗を行い、666部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=1.6:100:28.2
実施例2において、PTSの量を50.2部に変更し、4時間還流させる以外は実施例2と同様にしてエステル化反応を行い、水126(7.0モル)部を留出させた。
さらに、酸触媒添加することなく、引継ぎ80kPaにて13時間加熱還流した。反応終了後、実施例2と同様にして中和・水洗を行い、666部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=1.6:100:28.2
◎比較例1
実施例2において、アクリル酸の量を777部(10.78モル)及びPTSの量を20部に変更し、12時間還流させる以外は実施例2と同様にしてエステル化反応を行い、水152部(8.4モル)を留出させた。
反応終了後、実施例2と同様にして中和・水洗を行い、777部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=2.4:100:13.3
実施例2において、アクリル酸の量を777部(10.78モル)及びPTSの量を20部に変更し、12時間還流させる以外は実施例2と同様にしてエステル化反応を行い、水152部(8.4モル)を留出させた。
反応終了後、実施例2と同様にして中和・水洗を行い、777部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=2.4:100:13.3
◎比較例2〔特開平7−101901号公報(特許文献4)の実施例4の追試〕
攪拌機、温度計、水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン74部(0.55モル)、アクリル酸120部(1.66モル)、反応溶媒としてトルエン200部、酸触媒としてPTSを3.9部及び重合禁止剤としてMQを0.2部仕込んだ後、80kPaにて4時間加熱還流させ、水20部(1.1モル)を留出させた。
反応終了後、反応液を前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体とトリ体の比が面積比で46.9:100:12.9の混合物であった。
反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液230部を加え、20℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離して、過剰量のアクリル酸を除去した。上層(有機層)を下記条件にてガスクロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体とトリ体の比がモル比で55:45の混合物であった。
攪拌機、温度計、水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン74部(0.55モル)、アクリル酸120部(1.66モル)、反応溶媒としてトルエン200部、酸触媒としてPTSを3.9部及び重合禁止剤としてMQを0.2部仕込んだ後、80kPaにて4時間加熱還流させ、水20部(1.1モル)を留出させた。
反応終了後、反応液を前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体とトリ体の比が面積比で46.9:100:12.9の混合物であった。
反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液230部を加え、20℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を分離して、過剰量のアクリル酸を除去した。上層(有機層)を下記条件にてガスクロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体とトリ体の比がモル比で55:45の混合物であった。
○ガスクロマトグラフィー測定条件
・ガスクロマトグラフ;島津製作所(株)製 GC−9A
・カラム;ジーエルサイエンス(株)製 TC−5(膜厚;0.25μm、内径;0.32mm、長さ;30m)
・キャリアーガス;ヘリウム
・検出器;FID
・インジェクション及び検出器の温度;260℃
・試料濃度;10重量%アセトン溶液
・注入量;1μL
・カラムの昇温プログラム;100℃にて3分保持後、10℃/minの速度で260℃まで昇温し、260℃にて10分間保持
・ジ体のピーク保持時間;7.9分、トリ体のピーク保持時間;10.1分
※メタキシレンを内部標準物質とし、ジ体及びトリ体の含有量を算出
・ガスクロマトグラフ;島津製作所(株)製 GC−9A
・カラム;ジーエルサイエンス(株)製 TC−5(膜厚;0.25μm、内径;0.32mm、長さ;30m)
・キャリアーガス;ヘリウム
・検出器;FID
・インジェクション及び検出器の温度;260℃
・試料濃度;10重量%アセトン溶液
・注入量;1μL
・カラムの昇温プログラム;100℃にて3分保持後、10℃/minの速度で260℃まで昇温し、260℃にて10分間保持
・ジ体のピーク保持時間;7.9分、トリ体のピーク保持時間;10.1分
※メタキシレンを内部標準物質とし、ジ体及びトリ体の含有量を算出
上層(有機層)にPTSを3.5部加え、110℃にて4時間加熱攪拌した。反応終了後、酸触媒を除去するために水を80部加え20℃で攪拌した後静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)を1mm〜400mmHgの減圧下、60℃で攪拌してトルエンを留去したところ、132部のアクリレート組成物を得た。
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=6.4:100:23.6
得られたアクリレート組成物を使用して、前記と同様の条件で高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、ジ体、トリ体及び化合物Mの割合は以下の通りであった。
・ジ体:トリ体:化合物M=6.4:100:23.6
○評価
得られたアクリレート組成物を使用して、以下の評価を行った。
得られたアクリレート組成物を使用して、以下の評価を行った。
1)硬化性
アクリレート組成物100部に対して、3部の光重合開始剤〔1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン:チバ・ジャパン(株)製商品名イルガーキュア184:以下、Irg184という〕を添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
紫外線硬化型組成物をボンデライト鋼板に10μmの厚みに塗布し、これを120W/cm集光型高圧水銀灯(焦点距離10cm)の下にコンベアを用いて10m/minの速度で通過させ、塗膜表面のタックが無くなるまでに要したパス回数で評価により、硬化性を測定した。
アクリレート組成物100部に対して、3部の光重合開始剤〔1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン:チバ・ジャパン(株)製商品名イルガーキュア184:以下、Irg184という〕を添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
紫外線硬化型組成物をボンデライト鋼板に10μmの厚みに塗布し、これを120W/cm集光型高圧水銀灯(焦点距離10cm)の下にコンベアを用いて10m/minの速度で通過させ、塗膜表面のタックが無くなるまでに要したパス回数で評価により、硬化性を測定した。
2)硬度
硬化性試験で完全に硬化させた硬化膜を使用し、JIS K5600−5−4に従い鉛筆硬度により評価した。
硬化性試験で完全に硬化させた硬化膜を使用し、JIS K5600−5−4に従い鉛筆硬度により評価した。
3)硬化時の体積収縮率(硬化収縮率)
JIS K 0061−2001(化学製品の密度及び比重測定方法)に従って、比重瓶法にてアクリレート組成物の25℃における比重を測定した。
アクリレート組成物100部に対して、2部の光重合開始剤(Irg184)を添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
紫外線硬化型組成物を直径4cm、深さ1mmの円形の型枠に流し込み、60W/cm平行光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で150秒間の紫外線照射を行った。その後、型枠から硬化物を取り出し、表裏を反転させて、さらに60W/cm集光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で150秒間の紫外線照射を行った
JIS K 6911−1995に従って、硬化物の比重を測定した。
アクリレート組成物の比重と、硬化物の比重から、硬化時の体積収縮率(硬化収縮率)を算出した。
硬化収縮率(%)=(硬化物の比重−アクリレート組成物の比重)/(硬化物の比重)×100
JIS K 0061−2001(化学製品の密度及び比重測定方法)に従って、比重瓶法にてアクリレート組成物の25℃における比重を測定した。
アクリレート組成物100部に対して、2部の光重合開始剤(Irg184)を添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
紫外線硬化型組成物を直径4cm、深さ1mmの円形の型枠に流し込み、60W/cm平行光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で150秒間の紫外線照射を行った。その後、型枠から硬化物を取り出し、表裏を反転させて、さらに60W/cm集光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で150秒間の紫外線照射を行った
JIS K 6911−1995に従って、硬化物の比重を測定した。
アクリレート組成物の比重と、硬化物の比重から、硬化時の体積収縮率(硬化収縮率)を算出した。
硬化収縮率(%)=(硬化物の比重−アクリレート組成物の比重)/(硬化物の比重)×100
4)カール性
アクリレート組成物100重量部に対して、5部の光重合開始剤〔2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・ジャパン(株)製商品名イルガーキュア907〕、50部のトルエンを添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルムに、紫外線硬化型組成物を4μmの厚みに塗布し、80℃のオーブン内に2分間放置してトルエンを蒸発させた。その後、80W/cm平行光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で紫外線照射を行い、硬化処理を行った(照射強度1000mJ/cm2)。
硬化処理を行ったフィルムを10cm×10cmにカットし、温度23℃、湿度50%の室内に1時間放置した。その後、水平なガラス板上にフィルムを置いて、浮き上がった四辺それぞれの高さを測定し、四辺の測定値の合計(単位:mm)をカール性として表1に記載した。
アクリレート組成物100重量部に対して、5部の光重合開始剤〔2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・ジャパン(株)製商品名イルガーキュア907〕、50部のトルエンを添加混合し、紫外線硬化型組成物を調製した。
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルムに、紫外線硬化型組成物を4μmの厚みに塗布し、80℃のオーブン内に2分間放置してトルエンを蒸発させた。その後、80W/cm平行光型高圧水銀灯(焦点距離30cm)の下で紫外線照射を行い、硬化処理を行った(照射強度1000mJ/cm2)。
硬化処理を行ったフィルムを10cm×10cmにカットし、温度23℃、湿度50%の室内に1時間放置した。その後、水平なガラス板上にフィルムを置いて、浮き上がった四辺それぞれの高さを測定し、四辺の測定値の合計(単位:mm)をカール性として表1に記載した。
5)耐乳化性
上記実施例及び比較例で得たアクリレート組成物を、各2.2g、パラキシレン4.4g、純水6.6gをバイアルに入れた。
バイアルの蓋を閉め、振とう器(ヤマト科学(株)製;SHAKER MODEL SA−31)を使って5分間振とうした後に静置した。耐乳化性の判定は、静置してから有機層と水層が分離するのに要した時間と、両層が分離した時点での有機層と水層の透明度を目視で評価し、以下の◎、○、△及び×で判定した。
◎:透明
○:やや濁りがある
△:濁りがあるが、試験管を通しても向こう側が見通せる
×:白濁し、試験管の向こう側が全く見通せない
上記実施例及び比較例で得たアクリレート組成物を、各2.2g、パラキシレン4.4g、純水6.6gをバイアルに入れた。
バイアルの蓋を閉め、振とう器(ヤマト科学(株)製;SHAKER MODEL SA−31)を使って5分間振とうした後に静置した。耐乳化性の判定は、静置してから有機層と水層が分離するのに要した時間と、両層が分離した時点での有機層と水層の透明度を目視で評価し、以下の◎、○、△及び×で判定した。
◎:透明
○:やや濁りがある
△:濁りがあるが、試験管を通しても向こう側が見通せる
×:白濁し、試験管の向こう側が全く見通せない
実施例1〜同3で得られたアクリレート組成物は、硬化性及び耐乳化性に優れ、得られた硬化膜は硬度が高く、硬化収縮やカールも少ないものであった。
一方、比較例1で得られるアクリレート組成物は、本発明において、ジ体の割合を満たすものの、化合物Mの割合の下限18.0に満たないものであり、硬化収縮及びカールが大きくなってしまった。又、特許文献4の実施例4の追試に相当する比較例2では、得られるアクリレート組成物が、本発明において、化合物Mの割合を満たすものの、ジ体の割合の上限2.5を超えるものであり、耐乳化性が不十分なものであった。
一方、比較例1で得られるアクリレート組成物は、本発明において、ジ体の割合を満たすものの、化合物Mの割合の下限18.0に満たないものであり、硬化収縮及びカールが大きくなってしまった。又、特許文献4の実施例4の追試に相当する比較例2では、得られるアクリレート組成物が、本発明において、化合物Mの割合を満たすものの、ジ体の割合の上限2.5を超えるものであり、耐乳化性が不十分なものであった。
本発明により得られる(メタ)アクリレート組成物は、活性エネルギー線照射時の速硬化性、及び得られる硬化物の硬度に優れる。よって、塗料、インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の原料としてこれらを使用する各種産業分野において有用に利用され得る。特に、本発明により得られる(メタ)アクリレート組成物は、活性エネルギー線硬化型のハードコート塗料及びインキの原料として好適である。
Claims (4)
- トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(以下、「ジ体」という)とトリメチロールトリ(メタ)アクリレート(以下、「トリ体」という)を酸触媒の存在下に反応させ下記組成となる様に加熱・攪拌する(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
○(メタ)アクリレート組成物
ジ体、トリ体及び下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物M」という)を下記割合で含む組成物
ジ体:トリ体:化合物M=0.1〜2.5:100:18.0〜50.0
尚、上記割合は、下記条件で液体クロマトグラフィーにより測定された面積比であって、トリ体の面積を100とした場合のジ体及び化合物Mの面積比を表す。
○液体クロマトグラフィー測定条件
装置:高速液体クロマトグラフ(HPLC)、検出器:紫外検出器、カラムの種類:炭素数18のアルキル基で修飾されたシリカゲル(粒子径:1.7μm)からなるカラム(内径;2.1mm×長さ;50mm)、カラムの温度:40℃、溶離液:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=75/25(初期)→50/50(15分)→30/70(20分)→0/100(23−25分)
尚、「→」は、溶離液の割合を、次の()で示した時間の間で段階的に変化させる意味である。 - 反応温度60〜130℃で加熱・攪拌する請求項1記載の(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
- ジ体とトリ体の合計量に対して、又はジ体とトリ体以外の(メタ)アクリレートを含む場合には、ジ体、トリ体及びその他(メタ)アクリレートの合計量に対して酸触媒を0.1〜15重量%使用する請求項1又は請求項2記載の(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
- トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下に加熱・攪拌し、ジ体とトリ体の混合物を得た後、当該混合物を酸触媒の存在下に加熱・攪拌する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の(メタ)アクリレート組成物の製造方法。
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JP2008288648A JP2010116433A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | (メタ)アクリレート組成物の製造方法 |
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JP2016521780A (ja) * | 2013-06-04 | 2016-07-25 | コーニング インコーポレイテッド | 多官能ポリオールアクリレートの合成 |
-
2008
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