JP2010114103A - フリップチップボンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フリップチップボンディング装置において半導体チップと回路基板を加熱加圧接合する際、作業用ヘッドと作業台板が平行でないと不良品ができてしまう原因になっていた。また、作業台板は熱影響によって平行精度が変化してしまうことがあった。このために、作業台板の平行度調整方法を見直す事により不良発生を防止する。
【解決手段】作業台板20を支える軸を3点(311、312、313)にし、ジャッキ手段で制御しながら上下動するようにすると共に、作業用ヘッドを作業台板に当接させ3点の高さを測定することにより平行度を測定し制御部で作業台板の平行度を調整することによって、不良品ができないようにすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、粘着シートに貼着されてウエハから切り出された電子部品を吸着してピックアップし反転して基板に接続する、フリップチップボンダ装置に関するものである。
ウエハとは、半導体素子製造の材料で、シリコン等の半導体の素材の結晶を円柱状に成長させたインゴッドを薄くスライスした円盤状の板である。板の厚さは0.03mm〜1mm程度である。
この板は表面が現像・エッチングされ、レジスト除去された状態で粘着シートに貼着されて細かくダイジングされた状態で集積回路が構成された電子部品 (以下チップと称す)として提供されている。
チップは一辺が1mm〜30mm角程度の正方形で、作業ヘッドのノズル等で吸着して搬送され回路基板等に加熱加圧接合して実装される。
本出願はフリップチップボンダ装置とも呼ばれる、チップに貼着されたバンプを用いてチップを回路基板(以下基板と称す)に接続するときに用いられる装置に関するものである。
フリップチップボンダ装置はウエハによって提供されたチップを反転ヘッドで反転し、作業用ヘッドで吸着保持して基板に加熱加圧接合する構成になっている。
このとき基板が載置されたボンディングステージは常に作業用ヘッドと平行に作業範囲内を移動しなくてはならない。もしも、ボンディングステージが傾斜していると、作業用ヘッドは基板に対して一定の距離が保てなくなり、加熱加圧接合が良好に実行されず、不良品を発生させる原因になることがある。
そこで従来は図8に示す特開2005―28202のように、ノズル台にダイヤルゲージを取り付けて(図示しない)、テーブル90上を移動させて人の手によって四隅のハンドル91を回転させてテーブル90の四隅を上下動させてノズル台に対して平行になるように調整し、押しねじ92によって保持固定するように構成されていた。
更に従来例として、図7に示す特開2002―110743のようにステージ95に対して、ヘッド測定器96を取り付け、ヘッド99に対してステージ測定器97を取り付け、非同一直線上における三点の位置を測定して演算し、傾き調整機構98によってヘッドまたはステージの面の傾きを調整するように構成したボンディング装置が提供されている。

特開2005-28202 特開2002-110743
特許文献1に示すような方法では、手動で4箇所の高さを調整しなくてはならない。大変困難な作業である。特に本出願に使用されるフリップチップボンダ装置のような精密機械においては数μm程度の誤差しか許されず、手動で調整するためには多大な時間を費やさねばならず限界があった。
また、フリップチップボンダ装置は、加熱加圧接合によってチップと基板を接合させる装置なので作業台板20の上のボンディングステージ19に昇温機構が内蔵されていて一定温度に昇温され基板を暖める場合がある。その熱は時間と共に架台部に伝達され熱膨張によって作業台板の平行度に誤差を生じさせる原因になることがあった。
従って加熱加圧接合作業中は一定時間内に何度も短時間で平行度を検査して調整しなければならない。
また、作業用ヘッドは数十キログラムの力でチップを基板に押圧することがあり、押圧力を受ける作業台板が3箇所以上の支点で支えられている場合は浮き上がる支点が発生し、押圧位置によっては作業台板が微動してしまうことがあった。
特許文献1に示すように押しねじ92によって保持するようにすれば、浮き上がる支点は防止できるが、平行度を調整するたびに、押しねじを緩める必要がある。更に押しねじ92を押し込むときに調整した平行度がずれてしまうことが考えられる。
特許文献2には作業台板とヘッドの間の測定方法と傾き調整機構については触れているが、どのように上下動させて調整するのかは明示されていない。
また、測定方法としてレーザ光を利用する旨記載されているが、レーザ光を発生する測定器とヘッド及び測定器と作業台板の位置関係が熱影響によって変化した場合修正できない。
なお、作業台板や作業用ヘッドは作業速度を速めるためにできるだけ早く動かして、かつ、加熱加圧接合に対応しなければならない。そのために作業台板はXYテーブルの移動にしっかりと追従するとともに、平行度を保つための上下動や熱影響によって歪や残留応力を発生させないように、ゆがみ等は逃がすようにしながらXYテーブルに拘束させる様に載置しなくてはならない。
特許文献1では熱影響によって発生する歪を逃がすことは困難であり特許文献2ではどのようにして上記の問題を解決し、上下動させて平行度を調整するのか具体性に欠けるものである。
そこで、回路基板を載置する作業台板と、前記作業台板を作業範囲内で移動可能に載架したXYテーブルと、前記回路基板にチップを加熱加圧接合するために上下動する作業用ヘッドと、前記XYテーブルに固着されモータの駆動によって支持シャフトを上下動するジャッキ手段と、前記作業台板を3箇所の前記ジャッキ手段で支持することで、前記作業台板の作業表面を前記作業用ヘッドの中心軸に対して直角に交差するように規制する制御部を備え、複数の所定位置で前記作業用ヘッドを前記作業板もしくは前記回路基板に接触させることにより前記作業台板の高さを測定し、前記複数の所定位置における高さが一定になるように3箇所の前記ジャッキ手段によって前記支持シャフトを上下動するように制御部で制御するようにしたことを特徴としたフリップチップボンダ装置を提供するものである。
そして、前記支持シャフトの上部はV字形状の凹部が形成されており、前記V字形状の凹部は前記作業台板の中心に対して120度の角度になるように配置されていることを特徴とするフリップチップボンダ装置であって、前記作業台板裏面の3箇所には台板シャフトが取り付けられており、該台板シャフトの下部は球面状に形成され、前記支持シャフトのV字形状の凹部と点接触するように形成されていることを特徴とするフリップチップボンダ装置である。
また、 前記ジャッキ手段は前記モータの駆動によって回転するウォームと、 前記ウォームと噛合しているウォームホイールと、 前記ウォームホイールと螺合している前記支持シャフトとを備え、 前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛合による減速機構で生じるセルフロック作用によって、前記モータの保持トルクで前記支持シャフトの下降を防止するようにしたことを特徴とするフリップチップボンダ装置であって、 前記作業用ヘッドを前記作業台板に接触させて測定したデータを作業中の一定経過間隔で測定し作業高さ変化情報と、前記作業高さ変化情報を記憶して経過時間と相関した平均データと、 前記作業高さ変化情報を複数回測定して前記演算部で経過時間と相関したデータに作成された作業経過高さ平均値によって、 前記作業経過高さ平均値に従って前記作業台板の高さが一定になるように前記モータを駆動させるように制御するようにしたことを特徴とするフリップチップボンダ装置を提供するものである。
本願に係る発明は、作業用ヘッド40に吸着された測定冶具39を基板18もしくはボンディングステージ19に当接させて作業用ヘッド40を上下動させているヘッドモータ45によって測定冶具39と基板18の距離、もしくは測定冶具39とボンディングステージ19の距離を測定するようにしているので測定作業を短時間で行うことができる。
本装置に使用されているモータは全てパルスモータないしサーボモータであり、サーボモータの場合はモータ内部にロータリエンコーダが内蔵されており、ロータリエンコーダよってモータがどれくらいの速度でどちらの方向に何度回転したかをパルスで制御部2に送信し制御する構成になっている。従ってサーボモータの場合は制御部2によって常に管理されており、モータが停止した位置も制御部2によって確認されている。
パルスモータの場合はロータリエンコーダが内蔵されていないので、安価に提供される。モータは制御部から発信されるパルス数回転するがロータリエンコーダが内蔵されていないのでどの位置で停止しているかは発信されていないので制御部で判断することはできないが、モータ容量が負荷に対し適正であれば正確な位置決めはできる。通常は他のセンサー等で移動箇所を測定して位置決めできる場合に使用されることが多い。
また、作業用ヘッド40の上部には力センサー42が配置されており、測定冶具39が何かに当接すると接触したことが判断できるようになっている。この力センサー42は加熱加圧接合作業のときに加圧力を制御測定するために使用されるものである。
この力センサー42を用いて作業用ヘッド40と作業台板20の距離を測定するもので、実作業に近い状態で測定するので誤差を少なくすることができる。つまり本発明の計測方法は作業台板20と作業用ヘッド40が当接して直接測定する方法なので、測定部と作業部が同じであり誤差の発生が少ない。
何回か測定された作業高さ変化情報は演算部3に記憶され演算されて作業経過高さ平均データRとして演算部3で平均値が作成される。作業経過高さ平均データRが作業を開始して時間が経過し熱影響と共に作業台板20の平行度が変化する測定値と誤差がすくなくなるようであれば、測定回数を減らし作業効率を上げることができるようになる。
つまり作業経過高さ平均データRに従って作業台板20の高さが一定になるように制御部が制御するようにすれば、測定作業を間欠にさせることができその分作業速度を上昇させることができる。
数μm程度の誤差もなく測定できると共に、仮に熱膨張によって作業用ヘッド40の長さや作業台板20の高さが変形していても、変形している状態で平行度を調整して保持することができる。従って、実際の加熱加圧接合のときの誤差も少ない。
作業台板20が3つの台板シャフト30によって支持され、台板シャフト30は120度角度に配置された3つの支持シャフト31の溝部に係合するように配置されているので、作業台板20が熱膨張によって変形してもその応力を逃がすことができるようになっている。
また、作業台板20はたわみが発生しないよう充分に厚く製作されているが、熱膨張や、加熱加圧接合で曲げ応力が発生しても、台板シャフト30の球面部と支持シャフト31のV字形状溝による点接触作用により応力が発生しないようになっている。
作業台板20は3点で支持するように構成されているので、浮き上がる支点が発生しない。従って加圧されたときに作業台板20が微動することがないので正確な接合が可能である。
押さえボルト等はなくても作業台座20が充分な重量であれば、支持シャフト31が上昇下降することで自動的に平行度を保つことができるよう構成される。仮に作業台板20の重量が不足している場合でも、数箇所をばね等によって保持テーブル21と締結して作業台板20が加圧によって浮き上がることがないように補うことができるように構成しても良い。
更に支持シャフト31とウォームホイル32が螺合しておりウォームモータ34の駆動によってウォーム33を回転させる構成になっているので、ウォームモータ34の保持トルクが小さくても支持シャフト31を一定の高さに保持することができる。
支持シャフト31のV溝が120度の角度で均等に配設されておりV溝に係合された台板シャフト30によって支えられた作業台板20はXYテーブル21による水平方向の作業速度が速くなっても点接触しており微動することがない。
本発明は三角測量の原理で作業台板20の3箇所の高さを測定し、同じ3箇所の基準高さとの高低差を検出し、3箇所の支持シャフトの上下動で位置決め調整する方法であり、最低限のみの測定と駆動による合理的な調整方法である。
本発明は数μm程度の誤差しか許されない、フリップチップボンダ装置に関するもので、作業が長時間にわたり作業用ヘッド40や作業台板20が加熱加圧接合時の熱影響によって徐々に変形して誤差を生じ製作される部品に不良品が発生するのを防止しようとするものである。
そのために定期的に(作業工程が数クールで終了した毎に)測定冶具39を吸着保持した作業用ヘッド40を下降させ作業台板20と接触させ作業用ヘッド40の位置に合わせて、作業台板20を自動で平行になるように構成されている。以下にその詳細を説明する。
図1に示すように半導体チップは粘着シートに貼着されたウエハ19の状態でウエハ台16に設置されモータ161によってX方向に移動する構成になっている。
ウエハ19上の半導体チップは反転ヘッド17によって吸着保持されることによってウエハ19から剥がされてモータ171の駆動によってY方向に移動すると共にモータ172の駆動によって反転ヘッド17が上向きの状態になるようにして、所定位置で作業用ヘッド40に半導体チップを受け渡すよう構成されている。
作業用ヘッド40はヘッド吸着通路401によって吸引されることによりヒータ41の下部に吸着保持されヒータ41によって加熱される。また、作業用ヘッド40の下部にはチップ吸着通路402から吸引することにより半導体チップが吸着保持される。
以上のような構成によって通常作業時は、作業用ヘッド40に吸着保持された半導体チップがヒータ41によって加熱され、基板18の所定の位置に加熱加圧接合される。
半導体チップの加圧はヘッドモータ45(サーボモータ)の駆動によってヘッドボールネジ軸46が回転し螺合しているヘッドボールネジナット47が上昇下降し、シャフト44をZ方向に移動することができるようになっており、これらの構成によって作業用ヘッド40に吸着された半導体チップを基板18に加圧することができるようになっている。
また、図2に示すようにシャフト44下部には力センサー42が取り付けられており、どれくらいの押圧力で半導体チップが基板18に押圧されているか測定できるようになっている。
力センサー42下部には、冷却部43が取り付けられており、冷却吹き込み口431から吹き込まれた冷却風によって冷却されヒータ41の発熱が上部に伝わって、熱影響によってシャフト44とその近傍が変形しないように考慮されている。
しかしながら長時間作業が続くと周りの雰囲気温度も上昇し熱がシャフト44にも伝わり熱膨張によって誤差を生じる可能性も考慮される。
なお、作業用ヘッド40と基板18ないしボンディングステージ19との距離を測定するときは、作業用ヘッド40の下部に測定冶具39を吸着保持させることにより、基板18ないしボンディングステージ19と点接触するように考慮されている。
本発明の装置の各所に使用されているモータは全てパルスモータかサーボモータであり、サーボモータの場合はロータリエンコーダが内蔵されている。モータは回転数や回転角度に応じて回転パルスを発生しそれを制御部で測定・演算することによりモータがどちらの方向にどれだけ回転したかが判断できるように構成されている。従ってヘッドモータ45(サーボモータ)によってヘッドボールネジ軸46を回転して螺合しているヘッドボールネジナット47を上下させるよう構成されている作業用ヘッド40の位置は、ヘッドボールネジ軸46とヘッドボールネジナット47のネジピッチが判明しておればヘッドモータ45の回転を演算することによりヘッドボールネジナット47の位置が解かり、そのことによって作業用ヘッド40の位置も確定することができる構成になっている。
また、上記したような熱影響によってシャフト44が熱膨張したとしても、熱膨張した位置に合わせて作業台板20の高さを調整するようにすれば作業用ヘッド40が下降する距離は常に一定にすることができる。
なお、作業用ヘッド40を基板18もしくはボンディングステージ19もしくは作業台板20に当接させて作業台板20の高さを一定にかつ作業用ヘッド40に対して平行にするために測定するときは、先端の尖った状態の測定冶具39を作業用ヘッド40に吸着保持させて、基板18、ボンディングステージ19、作業台板20に当接させて作業用ヘッド40に対して全ての接点が一定距離になるように調整される。
また、上記したように作業用ヘッド40上部には力センサー42が設置されており、測定冶具39が上記基板18、ボンディングステージ19、作業台板20に当接したときに押圧力が発生する。そのときのヘッドモータ45の回転パルスから作業用ヘッド40に対する距離が判断されるようになっている。
次に作業台板20について図3、図4、図5を用いて説明する。作業台板20はXYテーブル22に固定された保持テーブル21の上に3点を支持されるようにして、載置させられている。
図2に示すようにXYテーブル22はモータ221を駆動させることによりX方向に移動し、モータ222を駆動させることにより、Y方向に移動するようになっている。上記XYテーブル23は本体1に固定されている。
図2に示すようにXYテーブル22に保持テーブル21が固着されている。そして図4に示すように保持テーブル21の3箇所にジャッキ手段35が固定されており、該ジャツキ手段35によって上下動する3箇所の支持シャフト31(第1支持シャフト311、第2支持シャフト312、第3支持シャフト313)が取り付けられている。
支持シャフト31の上部はV字形状の凹部が形成されており、3箇所の支持シャフト31の凹部の向き120度ずつ異なっている。
支持シャフト31のV字形状の凹部はそれぞれ向きが異なっており、保持テーブル21の中央部分もしくは上部に搭載される作業台板30の中央部分もしくは重心部分から均等の距離で凹部の溝の向きが120度の角度になるように配置されている。つまりY字状に配置されている。
図3のように保持テーブル21の上に作業台板20が乗せられる。作業台板20の裏面の3箇所に台板シャフト30が取り付けられており、台板シャフト30の下端部は球面状に形成され、それぞれの台板シャフト31のV字形状凹部に係合されて点接触するように形成されている。
このような取り付け方法によりXYテーブル22が移動しても、120度毎に配置された支持シャフト31のV字状凹部によって係合した台板シャフト30が移動することがない構造をしている。
また、熱影響によって作業台板20が伸縮してもその内部応力は逃がされ、歪が発生することがないように構成されている。
また、3点で上記のように支持されることによって作業台板20が作業用ヘッド40によって加圧されても微動しないように考慮されている。但し仮に作業台板20の重量が不足している場合でも、数箇所をばね等によって保持テーブル21と締結して作業台板20が部分的な加圧によって台板シャフト30が浮き上がることがないように補うことができるように構成しても良い。
次に、ジャッキ手段35について説明する。図5に示すように、ジャッキ手段35は保持テーブル21に固定されている。ジャツキ手段35は、ウォームモータ34、ウォーム33、ウォームホイール32、支持シャフト31等で構成されている。
ウォームモータ34が駆動することによりウォーム33が回転するとウォーム33と噛合しているウォームホイール32が回転する。ウォーム33とウォームホイール32の減速比が大きいのでギャ比によってウォームホイール32からウォーム33を回転させることができないように、セルフロック機構が発生し、支持シャフト31が降下するのを防止することができる。
ウォームホイール32が回転することにより、ウォームホイール32と螺合している支持シャフト31を上下動することができるようになっている。
また、ウォーム33とウォームホイール32の減速比が大きいので上記したようなセルフロック機構が働かなくても小型のウォームモータ34の保持トルクでも充分に作業台板20の自重を支え、支持シャフト31が降下することを防止することができる。
以上のように構成されたフリップチップボンダ装置の動作について説明する。前述したように本発明に係る装置はウエハ162のチップを作業用ヘッド40に吸着保持して基板18に加熱加圧接合する装置である。
そして作業用ヘッド40に対して基板18を設置する作業台板20が平行であるかを自動で測定して調整する装置を提供するものである。
作業用ヘッド40を用いた測定方法から説明する。通常作業用ヘッド40は反転ヘッド17から受け渡されたチップを吸着保持して基板18に加熱加圧接合する。しかし作業台板20の平行度を測定する際は測定冶具39を吸着保持する。測定冶具39は先端が尖った形状をしており、接触部が点接触になるように作られている。
作業台板20の平行度測定ステップを始めた際、作業用ヘッド40は所定位置(図示しない)に設置保管されている測定冶具39を吸着保持する。以上が開始ステップf1である。
次に作業用ヘッド40は、チップを加熱加圧接合する位置(作業位置)に移動する。作業用ヘッド40が下降する位置が図3の作業台板20の点P1の位置になるように制御部2内であらかじめ設定しておき、XYテーブル部23を移動させる。以上がXYテーブル1点目移動ステップf2である。
次に作業台板20の点P1の直上に達した作業用ヘッド40がヘッドモータ45の駆動によって上下動するようになっている。測定冶具39が作業台板20に接触すると力センサー42が荷重変化を捉え、制御部2は測定冶具39が作業台板20に接触したことを感知する。そしてそのときの測定冶具39の先端部の高さ、つまり点P1の高さがヘッドモータ45のロータリエンコーダ部で計測される。以上が1点目計測ステップf3である。
次に作業用ヘッド40は一旦所定の高さまで上昇して作業位置で停止する。そして作業用ヘッド40の作業位置の直下が作業台板20の点P2の位置になるようにXYテーブル部23を移動させる。以上がXYテーブル2点目移動ステップf4である。
作業台板20の点P2に作業用ヘッド40が下降し、測定冶具39の先端部が点P2と接触し点P2の高さを計測する。以上が2点目計測ステップf5である。
次に作業用ヘッド40は一旦所定の高さまで上昇して作業位置で停止する。そして作業用ヘッド40の作業位置の直下が作業台板20の点P3の位置になるようにXYテーブル部23を移動させる。以上がXYテーブル3点目移動ステップf6である。
作業台板20の点P3に作業用ヘッド40が下降し、測定冶具39の先端部が点P3と接触し点P3の高さを計測する。以上が3点目計測ステップf7である。
ここまでの作業で計測されたP1、P2、P3の3点が描く三角形が、あらかじめ演算部3によって想定されたQ1、Q2、Q3の3点が描く三角形と一致すれば作業台板20は作業用ヘッド40に対して平行である。このような演算を行うのが演算ステップf8である。
図3に描かれたようなP1、P2、P3の3点が描く三角形が演算されて作業台板20が作業用ヘッド40に対して平行であれば、想定されたQ1、Q2、Q3の3点が描く三角形と高さ調整許容範囲内で一致しているか否かを判断する。以上が高さ調整許容範囲内ステップf9である。
P1、P2、P3の描く三角形がQ1、Q2、Q3の描く三角形と高さ調整許容範囲内で一致しておれば、作業台板20の高さ調整作業を終了する。以上が終了ステップf13である。作業用ヘッド40は測定冶具39を所定の位置に戻してチップを基板18に加熱加圧接合する通常作業を続行する。
高さ調整許容範囲判断ステップf9で点P1、P2、P3の描く三角形が点Q1、Q2、Q3の描く三角形と許容範囲内で一致していないときは、3箇所のジャッキ手段35を作動させて作業台板20を支える支持シャフト31を演算部3の演算結果に基づいて制御部2で制御してそれぞれ上下動させ点P1、P2、P3の描く三角形が点Q1、Q2、Q3の描く三角形と一致するように作業台板20を調整する。これが高さ調整実行ステップf10である。
次工程で指定回数完了ステップf11が設定されている。ここには通常1回以上の指定回数が入力される。高さ調整実行ステップf10の手順によって演算部3の演算通りに作業台板20が調整されるが、作業台板20が演算どおりに調整されているか、もしくは演算に間違いがなかったかは実測してみないと判断できない。そこで指定回数完了ステップf11で指定された回数だけf2〜f10の手順を繰り返すように手順が設定されている。
f11のステップで指定された回数内に高さ調整許容範囲内ステップf9で許容範囲内に調整ができれば、作業台板20の高さ調整作業を終了し、チップを基板18に加熱加圧接合する通常作業に復帰する。
指定回数完了ステップf11に指定された回数f2〜f10のステップを繰り返した場合は何かの不具合(部品の故障やごみの挟み込み等)が考えられる。そこでエラー通知(例えばブザー音やランプ点灯、作業停止等)を行う。以上がエラー通知ステップf12である。
エラー通知ステップf12の手順では作業者を呼ぶ(オペレータコール)等の手段を行い作業を中断して、作業台板20の高さ調整作業を終了する。
以上のように作業台板20の高さ調整作業が行われる。なお点P1、P2、P3の測定と点Q1、Q2、Q3の設定は作業台板20上で実行したけれども、作業中であれば基板18やボンディングステージ19上で行われることもある。
以上のように作業台板20もしくは作業台板20に載置されたボンディングステージ19か基板18をXYテーブル部23によって移動させ、所定の3箇所の位置に上下動する作業用ヘッド40を接触させることによって高さ測定し点P1、P2、P3による三角測量を行い作業台板20もしくはボンディングステージ19もしくは基板18が作業用ヘッド40に対して平行であれば描かれる点Q1、Q2、Q3による仮想三角形と同じ高さになるように演算部3において演算する。
演算部3によって点P1、P2、P3と点Q1、Q2、Q3の高低差h1、h2、h3、を求め、次に第1支持シャフト311、第2支持シャフト312、第3支持シャフト313をどれだけ上下動させたら高低差h1、h2、h3が高さ許容範囲内になるかを演算する。
そして3箇所に備えられたジャッキ手段35が支持シャフト31を上下動するように制御部2で制御する。その結果作業台板20の作業表面が作業用ヘッド40の中心軸に対して直角に交差するように規制する演算部3と制御部2の機能を利用するのが規制手段である。
また、計測する点は3以上あってもよく演算する仮想点も3点以上であっても良いが、平面を規定するには3点で規定するのが合理的である。あくまでもあらかじめ設定した仮想点上にXYテーブル部23を動かして作業用ヘッド40を降下させて作業台板20に接触させ、実際の接触した位置と仮想点の高さの違いを規制手段(演算部3と制御部2による機能)によって一致させようとするものである。
ジャッキ手段35において上下動する3箇所の支持シャフト31の上端部はV字形状の凹部が形成されている。更にV字形状の凹部の向きは作業台板20の中心部に向かって120度の角度になるように例えばY字方向の状態で配置されている。
従って3箇所の支持シャフト31のV字形状凹部に嵌合されている台板シャフト30はXYテーブル22に固定されている保持テーブルがX方向、Y方向に移動しても追従して微動することがない。
また、台板シャフト30の下端は球面状に形成されており、支持シャフト31のV字形状凹部とは点接触するように形成されている。従って作業台板20が熱影響によって膨張し3箇所の台板シャフトの位置が微小にずれることがあっても、作業台板20に内部応力を発生させて歪ませることがなく作業面が平坦に維持されやすくなる。
ジャッキ手段35はウォームモータ34を駆動させて回転するウォーム33によって水平回転するウォームホイール32と連結されている。ウォーム33のネジ部の回転に対してウォームホイール32の歯車が噛合することにより大きく減速比を変化させることができる。その結果セルフロック作用が働いてウォームホイール32からウォーム33を回すことができない。従ってウォームホイール32と螺合している支持シャフト31が作業台板20の重量によって降下することがない。
また減速比の大きなウォーム33とウォームホイール32の組み合わせのため、保持トルクの小さいウォームモータ34であっても作業台板20の重量によって降下しないように保持することができる。
作業用ヘッド40を降下させて作業台板20の数箇所の点の高さを測定しそのつど作業台板20の高さ調整を実行させた手順は、通常チップを基板18に加熱加圧接合している合間に、定期的に行われる。
同種の作業を繰り返すのであれば作業時間の開始と共に、上記のように点の高さ測定した結果もほぼ同じ結果となり制御部の調整もほぼ同様に繰り返されることが想定される。
そこで作業用ヘッド40を作業台板20に接触させて測定したデータを全て演算部3に蓄積し作業中の一定経過間隔で測定した作業高さ変化情報と、その作業高さ変化情報を作業開始時間と相関させた平均データを求めて、作業用ヘッド40を降下させて測定作業をしなくても一定作業時間になったら制御部2によってジャッキ手段35を自動で動作させて、今までの経験値で作業台板20が作業用ヘッド40の中心軸に対して直交するように対処しようとするものである。
このことにより図6に描かれている動作フローのf1〜f8の測定作業を省略することができ、その文作業時間を効率化させることができる。
以上のような方法であれば熱影響によってシャフト44や架台4が微小変形したとしても、作業用ヘッド40に対して一定距離で、かつ作業用ヘッド40の中心軸に対して直角に交差する作業台板20として調整することができる。
以上のような構成であれば、作業用ヘッド40が直接作業台板20の作業面に接触して測定するので実作業に近く誤差が少ない。また、レーザ光のような別の測定器を必要としないので経済的である。
また、直接作業部を使用して測定するので熱影響による変形をリセットして変形部に影響されず測定することができる。
作業台板20の第1〜第3の点の測定値Pを測定して角度を計測するので、短時間で実行でき三角測量と同じ手順であり効率的である。
第1〜第3の支持シャフトの上下動で作業台板20の角度を変更するようにしたことで、浮き上がってしまう支点がなく平行度を出すのが効率的である。
更に本発明は図2に示すように、作業用ヘッド40を作業台板20に当接させるステップf2〜f3によって点P1の高さを測定し、同様にステップf4〜f5によって点P2の高さを測定し、同じくステップf6〜f7によって点P3のそれぞれの高さを測定し、それぞれの点の基準高さである点Q1〜Q3との高低差h1〜h3を検出する高低差検出手順による、最も合理的な手順で作業台板20の高低差を検出することができる。
また、本発明は演算部3によって第1支持シャフト〜第3支持シャフトを上下動することにより測定点P1〜P3が基準高さQ1〜Q3との高低差h1〜h3が許容範囲内になるように演算する調整量演算手順によって容易で正確な調整量を演算することができる。
そして、演算された調整量に基づいた第1支持シャフト〜第3支持シャフトを上下動することにより、正確に作業台板20の作業面を作業用ヘッド40の中心軸に対して直角に交差するように設定することができる。
また、高低差h1〜h3が許容範囲内になるまで指定回数分上記ステップf2〜f10を行うことにより正確な作業面を確認することができると共に、指定回数で調整できない場合は何らかの問題があることにエラー通知するようにして無駄な動作が繰り返されないように防止している。


本発明は、フリップチップボンダ装置だけでなく、様々な加熱部分で構成された精密部品組立装置等に応用することができる。

フリップチップボンダ装置1の全体図で反転ヘッド17がウエハ19に半導体チップを取りに行った状態を示す図である。 図1における作業用ヘッド40の箇所を拡大して図示したものである。 保持テーブル21と作業台板20を拡大しかつ作業台板20を透明に図示したものである。 作業台板20を消去して保持テーブル21の構成を図示したものである。 図4のウォーム33、支持シャフト31、台板シャフト30を拡大して図示したものである。 作業台板20が作業用ヘッド40の中心軸に対して直角に交差するように規制する手順をフローチャートにしたものである。 別途測定器96,97を取り付けてヘッド99に対してステージ95を水平に保つようにした従来例である。 4箇所のハンドル91で水平を保ち押しねじ92で保持するようにした従来例である。
符号の説明
1
フリップチップボンダ装置本体
2
制御部
3
演算部
4
架台
16 ウエハ台
161 モータ
162 ウエハ
17 反転ヘッド
171 モータ
172 モータ
18 基板
19
ボンディングステージ
20 作業台板
21 保持テーブル
22 XYテーブル
221 モータ
222 モータ
23
XYテーブル部
30 台板シャフト
31
支持シャフト
311
第1支持シャフト
312
第2支持シャフト
313
第3支持シャフト
32
ウォームホイール
33
ウォーム
34
ウォームモータ
35
ジャッキ手段
39
測定冶具
40
作業用ヘッド
401
ヘッド吸着通路
402
チップ吸着通路
41
ヒータ
42
力センサー
43
冷却部
431 冷却吹き込み口
44
シャフト
45
ヘッドモータ
46
ヘッドボールネジ軸
47
ヘッドボールネジナット
90
テーブル
91
ハンドル
92
押しねじ
95
ステージ
96
ヘッド測定器
97
ステージ測定器
98
傾き調整機構
99
ヘッド


Claims (5)

  1. 回路基板を載置する作業台板と、
    前記作業台板を作業範囲内で移動可能に載架したXYテーブルと、
    前記回路基板にチップを加熱加圧接合するために上下動する作業用ヘッドと、
    前記XYテーブルに固着されモータの駆動によって支持シャフトを上下動するジャッキ手段と、
    前記作業台板を3箇所の前記ジャッキ手段で支持することで、前記作業台板の作業表面を前記作業用ヘッドの中心軸に対して直角に交差するように規制する制御部を備え、
    複数の所定位置で前記作業用ヘッドを前記作業板もしくは前記回路基板に接触させることにより前記作業台板の高さを測定し、前記複数の所定位置における高さが一定になるように3箇所の前記ジャッキ手段によって前記支持シャフトを上下動するように制御部で制御するようにしたことを特徴としたフリップチップボンダ装置。
  2. 前記支持シャフトの上部はV字形状の凹部が形成されており、前記V字形状の凹部は前記作業台板の中心に対して120度の角度になるように配置されていることを特徴とする請求項1記載のフリップチップボンダ装置。
  3. 前記作業台板裏面の3箇所には台板シャフトが取り付けられており、該台板シャフトの下部は球面状に形成され、前記支持シャフトのV字形状の凹部と点接触するように形成されていることを特徴とする請求項1、2記載のフリップチップボンダ装置。
  4. 前記ジャッキ手段は前記モータの駆動によって回転するウォームと、
    前記ウォームと噛合しているウォームホイールと、
    前記ウォームホイールと螺合している前記支持シャフトとを備え、
    前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛合による減速機構で生じるセルフロック作用によって、前記モータの保持トルクで前記支持シャフトの下降を防止するようにしたことを特徴とする請求項1記載のフリップチップボンダ装置。
  5. 前記作業用ヘッドを前記作業台板に接触させて測定したデータを作業中の一定経過間隔で測定し作業高さ変化情報と、
    前記作業高さ変化情報を記憶して経過時間と相関した平均データと、
    前記作業高さ変化情報を複数回測定して前記演算部で経過時間と相関したデータに作成された作業経過高さ平均値によって、
    前記作業経過高さ平均値に従って前記作業台板の高さが一定になるように前記モータを駆動させるように制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載のフリップチップボンダ装置。


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