JP2010113306A - 広角光学系及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広いエリアを撮像可能であり、近接した被写体に対しても十分に補正された像を形成することができる広角光学系を提供すること。
【解決手段】 物体側より順に、開口絞りと、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズとにより構成されており、前記第3レンズは、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面であり、以下の条件式(1)、(2)を満足する。
2.2 < d2/d3 < 7 ・・・(1)
−0.04 < f/f3 < 0.04 ・・・(2)
但し、d2は前記第1レンズの光軸上の厚さ、d3は前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上の空間距離、fは広角光学系全系の焦点距離、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広角光学系及びそれを用いた撮像装置に関し、特に、比較的近接位置にある物体の撮影に好適であり、且つ、小型の広角光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。
近年、携帯電話や携帯端末機、ノートパソコン等の薄型化に伴い、光学系の光軸に沿う方向の長さを極限まで薄型化したカメラモジュールが求められている。
この要求に応えるため、2〜3枚程度の非球面レンズによって構成された単焦点の光学系が、カメラモジュールに用いるものとして、数多く提案されている。
また、近年開発された撮像素子の周辺部に光が斜めに入射しても感度の落ちない撮像素子を、カメラモジュールに用いることも提案されている。これは、そのような撮像素子を、カメラモジュールに用いれば、光学系の射出瞳位置を撮像素子側に近づけることができるため、光学系の全長を短くすることが可能となり、結果として、カメラモジュールを薄型化することが可能となるからである。
そのような光学系の一例として、下記の特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、3枚のレンズによって構成され、射出瞳位置を撮像素子側に近づけたものが記載されている。そして、それらの特許文献に記載されている光学系は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、負レンズを配置したテレフォトタイプの光学系とすることによって、光学系の全長のさらなる短縮を図っている。
特開2007−3768号公報 特開2007−47513号公報 特開2007−58153号公報
しかし、テレフォトタイプの光学系は、本来、望遠光学系において焦点距離に対する全長を短縮するために用いられるものであるため、広角光学系に用いると、倍率色収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲収差といった諸収差が発生してしまう。そのため、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載された光学系は、十分に広い画角を得ることができず、また、近接した被写体に対して十分に補正された像を形成することができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広いエリアを撮像可能であり、近接した被写体に対しても十分に補正された像を形成することができる広角光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の広角光学系は、物体側より順に、開口絞りと、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズとにより構成されており、前記第3レンズは、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面であり、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
2.2 < d2/d3 < 7 ・・・(1)
−0.04 < f/f3 < 0.04 ・・・(2)
但し、d2は前記第1レンズの光軸上の厚さ、d3は前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上の空間距離、fは広角光学系全系の焦点距離、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.30 < hm7/hP7 < 2.0 ・・・(3)
但し、hm7は前記開口絞りの中心を光軸に対して36度の角度で通過して像形成に用いられる光線が前記第3レンズの像側の面を通過する点と光軸との最短距離、hP7は前記第3レンズの像側の面の最も像側の点と光軸との最短距離である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.06 < dP7/f < 0.3 ・・・(4)
但し、dP7は前記第3レンズの像側の面の光軸と交わる点と、前記第3レンズの像側の面の最も像側の点から最短距離にある光軸上の点との間の距離である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
10 < ν2 < 25 ・・・(5)
但し、ν2は前記第2レンズのアッベ数である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.9 < r2/r3 < 4.4 ・・・(6)
但し、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径、r3は前記第2レンズの物体側の面の曲率半径である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 ・・・(7)
但し、Hrは結像位置から広角光学系全系の後側主点位置までの距離、Σdは広角光学系全系の全長である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
−2.0 < Exp/f < −0.45 ・・・(8)
但し、Expは結像位置から射出瞳位置までの距離である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 ・・・(9)
但し、L3dは前記第3レンズの物体側の面から結像位置までの距離をmm単位で示した値、FnoMinは最小Fナンバーである。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
25% < ILL < 45% ・・・(10)
但し、ILLは結像位置における軸上光束の光量に対する軸外光束の光量である。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 ・・・(11)
但し、r1は前記第1レンズの物体側の面の曲率半径、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
また、上記の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、上記いずれかの広角光学系と、該広角光学系の像側に配置され光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、広いエリアを撮像可能であり、近接した被写体に対しても十分に補正された像を形成することができる広角光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することができる。
本発明の広角光学系及びそれを用いた撮像装置の実施例の説明に先立ち、本発明の構成による作用効果を説明する。なお、本発明においては、近軸焦点距離が正の値を持つレンズは正レンズ、近軸焦点距離が負の値を持つレンズは負レンズとして扱っている。
本発明の広角光学系は、物体側より順に、開口絞りと、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズとにより構成されている。
テレフォトタイプの光学系は、広角化すると、その光学系の像側に配置した撮像素子の撮像面に入射する軸外主光線の入射角が大きくなってしまい、撮像素子の周辺部の感度が低下してしまう。しかし、本発明の広角光学系のように、レンズよりも物体側に開口絞りを配置すれば、射出瞳を像面から離すことができるため、その撮像素子の周辺部に入射する光線の角度を小さくすることができ、撮像素子の周辺部の感度低下を回避することができる。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(1)を満足するように構成されている。
2.2 < d2/d3 < 7 ・・・(1)
但し、d2は第1レンズの光軸上の厚さ、d3は第1レンズと第2レンズとの光軸上の空間距離である。
この条件式(1)は、第1レンズの像側の面の位置を規定するための条件式である。条件式(1)の下限値を下回ると、第1レンズの像側の面が、第1レンズの物体側の面と近すぎるため、これらの2つの面の間における光線高差が小さくなってしまい、収差の補正、特に本発明の広角光学系ような広い像高域を持つ光学系においてはコマ収差の補正を良好にすることができない。一方、この条件式(1)の上限値を上回ると、第1レンズの像側の面が、第1レンズの物体側の面と遠すぎるため、他のレンズ面で発生する収差分を考慮した軸上収差を良好に補正することができなくなり、また、第1レンズの像側の面が、第2レンズの物体側の面と近すぎるため、像面湾曲や非点収差等の主光線に関わる収差とコマ収差等の収差とをバランス良く補正することができない。
なお、条件式(1)に代わり次の条件式(1)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
2.6 < d2/d3 < 7 ・・・(1)’
また、本発明の広角光学系の場合は、第3レンズは、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面であり、以下の条件式(2)を満足するように構成されている。
−0.04 < f/f3 < 0.04 ・・・(2)
但し、fは広角光学系全系の焦点距離、f3は第3レンズの焦点距離である。
第3レンズの両面をこのような形状とするとともに、この条件式(2)を満足することにより、負の屈折力を有する第2レンズの効果を打ち消すことなく、主点の位置を光学系の物体側にすることができ、焦点距離に対して光学系の全長を十分に小さくすることができる。
条件式(2)の下限値を下回ると、高分散性を持つ第3レンズの中心の屈折力が大きくなりすぎてしまい、軸上の色収差が著しく発生し、結像性能が悪化する。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、第3レンズの中心の屈折力が弱くなりすぎてしまい、発散作用も小さくなるため、主点位置が像側に移動し、光学系が大型化してしまう。
また、条件式(2)に代わり次の条件式(2)’を満足するように構成すると、第3レンズの軸上の屈折力と軸外の屈折力との差がつけやすくなるため、光学系をさらに小型化しやすくなるとともに、歪曲収差の補正が容易になり、好ましい。
−0.035 < f/f3 < 0.025 ・・・(2)’
なお、条件式(2)’の上限値又は下限値を、条件式(2)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、図1に示すパラメータが以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.30 < hm7/hP7 < 2.0 ・・・(3)
但し、hm7は開口絞りSの中心を光軸に対して36度の角度で通過して像形成に用いられる光線が第3レンズの像側の面を通過する点と光軸との最短距離、hP7は第3レンズの像側の面の最も像側の点と光軸との最短距離である。
なお、図1は、本発明に係る広角光学系と、カバーガラスと、CCD( Charge Coupled Device )やCMOS( Complementary Metal-Oxide Semiconductor )等の撮像素子とからなる撮像装置の模式図であり、条件式(3)及び(4)に係るパラメータを示す図である。
図1において、Sは開口絞り、L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、L3は第3レンズ、CGはカバーガラス、IMは撮像素子の撮像面、Lcは光軸、Lmは開口絞りSの中心を光軸に対して36度の角度で通過して撮像面IM上に像を形成する光線、PC7は第3レンズL3の像側の面が光軸Lcと交わる点、Pm7は光線Lmが第3レンズの像側の面を通過する点、PP7は第3レンズの像側の面の最も像側の点、hm7は点Pm7から光軸までの最短距離、hP7はPP7から光軸までの最短距離、dP7は点PP7から最短距離にある光軸上の点と点PC7との間の距離である。
第3レンズの両面がレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状である本発明の広角光学系は、この条件式(3)を満足するように構成すれば、光学系の像側に撮像素子を配置した場合に、その撮像素子の周辺部に入射する軸外主光線の入射角を小さくすることができ、撮像素子の周辺部の感度低下を回避することができる。また、このように構成すれば、第2レンズにより発生する糸巻き型の歪曲収差を補正することもできる。
条件式(3)の下限値を下回ると、高分散性を持つ第3レンズの中心の屈折力が大きくなりすぎてしまい、軸上の色収差が著しく発生し、結像性能が悪化する。一方、条件式(3)の上限値を上回ると、第3レンズの外周部近傍の収斂作用が小さくなりすぎてしまい、撮像素子の周辺部に入射する軸外主光線の入射角が大きくなり、撮像素子の周辺部の感度低下を十分に回避できない。
なお、条件式(3)に代わり次の条件式(3)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
0.50 < hm7/hP7 < 1.24 ・・・(3)’
なお、条件式(3)’の上限値又は下限値を、条件式(3)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、図1に示すパラメータが以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.06 < dP7/f < 0.3 ・・・(4)
但し、dP7は第3レンズの像側の面の光軸と交わる点と、第3レンズの像側の面の最も像側の点から最短距離にある光軸上の点との間の距離である。
第3レンズの両面がレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状である本発明の広角光学系は、この条件式(4)を満足するように構成すれば、光学系の像側に撮像素子を配置した場合に、その撮像素子の周辺部に入射する軸外主光線の入射角を小さくすることができ、撮像素子の周辺部の感度低下を回避することができる。また、このように構成すれば、歪曲収差を補正することもできる。
条件式(4)の下限値を下回ると、高分散性を持つ第3レンズの中心の屈折力が大きくなりすぎてしまい、軸上の色収差が著しく発生し、結像性能が悪化する。一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第3レンズの外周部近傍の収斂作用が小さくなりすぎてしまい、撮像素子の周辺部に入射する軸外主光線の入射角が大きくなり、撮像素子の周辺部の感度低下を十分に回避できない。また、第3レンズの像側の面における軸上光束と軸外光束とのレンズ作用の差が小さくなりすぎてしまうため、歪曲収差等の補正を効果的に行うことができない。
なお、条件式(4)に代わり次の条件式(4)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
0.09 < dP7/f < 0.19 ・・・(4)’
なお、条件式(4)’の上限値又は下限値を、条件式(4)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
10 < ν2 < 25 ・・・(5)
但し、ν2は前記第2レンズのアッベ数である。
本発明の広角光学系のような光学系を広角化するためには、第1レンズの焦点距離を小さくしなければならないが、焦点距離を小さくすると発生する色収差も大きくなってしまう。また、本発明の広角光学系の第3レンズの両面は、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面、すなわち、第3レンズの像側の面は、変曲点を有する面であるため、第3レンズにおいて軸上の色収差を補正すると、第3レンズの外周部近傍において発生する倍率色収差が大きくなってしまう。そこで、本発明の広角光学系は、第2レンズを高分散性の材料で形成し、倍率色収差の補正を行うことが好ましい。また、第2レンズには、コマ収差が増大しないような適度な屈折力を持たせることが好ましい。この条件式(5)は、そのような第2レンズを規定するための条件式である。
条件式(5)の下限値を下回ると、光学特性、特に短波長側の透過率や散乱等に対する光学特性の良好な材料が入手しにくい。一方、条件式(5)の上限値を上回ると、条件式(2)を満足する本発明の広角光学系は、第2レンズにおいて倍率色収差の除去がしにくくなるため、第3レンズの外周部近傍の性能を向上させにくい。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.9 < r2/r3 < 4.4 ・・・(6)
但し、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径、r3は前記第2レンズの物体側の面の曲率半径である。
この条件式(6)は、収差を悪化させずに、第1レンズと第2レンズとの空気間隔を小さくするための条件を規定するものである。本発明の広角光学系は、この条件式(6)を満足するように構成すれば、第1レンズと第2レンズとを近接させて配置することができるようになるため、光学系全体を小型化しやすくなり、また、第1レンズと第2レンズとの空気間隔を小さくできる、つまり、第2レンズの物体側の面から第3レンズの像側の面までの間隔を確保できるため、条件式(1)を満足しやすくなる。
条件式(6)の下限値を下回ると、コマ収差の発生が大きくなる。一方、条件式(6)の上限値を上回ると、空気間隔を大きくしなければならなり、光学系全体を小型化しにくくなり、また、条件式(1)を満足しにくくなる。
なお、条件式(6)に代わり次の条件式(6)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
1.2 < r2/r3 < 2.8 ・・・(6)’
なお、条件式(6)’の上限値又は下限値を、条件式(6)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 ・・・(7)
但し、Hrは結像位置から広角光学系全系の後側主点位置までの距離、Σdは広角光学系全系の全長である。
この条件式(7)は、像面湾曲の発生を抑えながら、光学系の全長を小さくするための条件を規定するものである。条件式(7)の下限値を下回ると、全長が大きくなる。一方、条件式(7)の上限値を上回ると、光学系の全長に対する画角が大きくなりすぎてしまうため、像面湾曲の発生を抑えにくくなる。
なお、条件式(7)に代わり次の条件式(7)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
0.46 < |Hr/Σd| < 0.89 ・・・(7)’
なお、条件式(7)’の上限値又は下限値を、条件式(7)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
−2.0 < Exp/f < −0.45 ・・・(8)
但し、Expは結像位置から射出瞳位置までの距離である。
この条件式(8)は、光学系の小型化と周辺性能の維持とを両立させるための条件を規定するものである。条件式(8)の下限値を下回ると、結像位置から射出瞳を遠くする必要があるため、光学系が大きくなる。一方、条件式(8)の上限値を上回ると、光学系の像側に撮像素子を配置した場合に、その撮像素子の周辺部に入射する光線の入射角を大きくなりすぎてしまい、周辺性能の劣化が著しくなる。
なお、条件式(8)に代わり次の条件式(8)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
−1.3 < Exp/f < −0.58 ・・・(8)’
なお、条件式(8)’の上限値又は下限値を、条件式(8)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 ・・・(9)
但し、L3dは前記第3レンズの物体側の面から結像位置までの距離をmm単位で示した値、FnoMinは最小Fナンバーである。
この条件式(9)の下限値を下回ると、Fナンバーが小さくなるため、または、第3レンズの物体側の面から結像位置までの距離が近くなるため、光学系内のゴミが目立つ。一方、条件式(9)の上限値を上回ると、第3レンズの物体側の面から結像位置までの距離が長くなるため、光学系が大きくなる。
なお、条件式(9)に代わり次の条件式(9)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
0.18 < L3d/FnoMin < 0.43 ・・・(9)’
なお、条件式(9)’の上限値又は下限値を、条件式(9)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
25% < ILL < 45% ・・・(10)
但し、ILLは結像位置における軸上光束の光量に対する軸外光束の光量である。
本発明の広角光学系のように、物体側から順に、正の屈折力、負の屈折力となるように構成された光学系は、正の歪曲収差が発生する。そして、このような光学系の像側に撮像素子を配置した場合、撮像素子とレンズ枠とが光軸に対して垂直な方向にずれてしまうと、その歪曲収差は非対称に発生するため、周辺光量も非対称となり、画質が劣化してしまう。しかし、この条件式(10)を満足するように構成すると、非対称な歪曲収差の発生を抑えることができるため、中心光量と周辺光量のバランスを保ち、画質の劣化を防ぐことができる。
条件式(10)の下限値を下回ると、周辺光量のバランスが崩れてしまうため、電気補正によって像の明るさを調整して像を明るくすることが困難になり、また、周辺光量の非対称が目立ちやすくなる。一方、条件式(10)の上限値を上回ると、周辺光量のバランスは良くなるが、広角化した際の屈折力のバランス、特に、第1レンズの屈折力と第2レンズの屈折力とのバランスが崩れてしまうため、コマ収差や像面湾曲、非点収差が発生しやすくなる、または、光学系の全長が大きくなることにつながる。
なお、条件式(10)に代わり次の条件式(10)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
25% < ILL < 42% ・・・(10)’
また、本発明の広角光学系は、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 ・・・(11)
但し、r1は前記第1レンズの物体側の面の曲率半径、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
本発明の広角光学系の第1レンズは、光学系で最も小さい焦点距離を有するため、製造時にその組立誤差の影響をもっともうけやすい。しかし、条件式(11)を満足するように構成すれば、製造ばらつきの影響を抑え、良好な光学性能を得ることができる。
条件式(11)の下限値を下回ると、第1レンズの物体側の面の曲率半径が小さくなりすぎるため、その面に入射する光線の傾きがその面の法線に対して大きくなり、レンズの偏心感度が増大してしまう。一方、条件式(11)の上限値を上回ると、第1レンズの像の面の曲率半径が大きくなりすぎるため、その面から射出される光線の傾きがその面の法線に対して大きくなり、レンズの偏心感度が増大してしまう。
なお、条件式(11)に代わり次の条件式(11)’を満足するように構成するとさらに好ましい。
0.09 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.49 ・・・(11)’
なお、条件式(11)’の上限値又は下限値を、条件式(11)の上限値又は下限値としても良い。
また、本発明の広角光学系は、全てのレンズが、樹脂製であることが好ましい。
また、本発明の広角光学系は、開口絞りの物体側に、シャッターを配置することが好ましい。また、シャッターは開口絞りと一体的なものでも良いし、別体として構成したものでも良い。
また、本発明の広角光学系は、開口絞りが可変絞りであることが好ましい。
以下に、本発明の実施例1〜実施例4を図面を参照して説明する。
図面中、光学系断面図におけるr1,r2,・・・・・・及びd1,d2,・・・・・・において下付き文字として示した数字は、数値データにおける面番号1,2,・・・に対応している。また、収差曲線図において、非点収差におけるΔMはメリジオナル面の非点収差,ΔSはサジタル面の非点収差を示している。なお、メリジオナル面とは、光学系の光軸と主光線を含む面(紙面に平行な面)であり、サジタル面とは、光学系の光軸と主光線を含む面に垂直な面(紙面に垂直な面)を意味している。また、FIYは像高である。
また、以下の各実施例におけるレンズの数値データにおいては、sは面番号、rは各面の曲率半径、dは面間隔、ndはd線(波長587.5600nm)における屈折率、νdはd線におけるアッベ数、Kは円錐係数、A4,A6,A8,A10は非球面係数をそれぞれ示している。
また、下記数値データの非球面係数において、Eは10のべき乗を表している。例えば、「E−10」は、10のマイナス1乗を表している。また、各非球面形状は、各実施例における各非球面係数を用いて以下の式で表される。但し、光軸に沿う方向の座標をZ、光軸と垂直な方向の座標をYとする。
Z=(Y2/r)/[1+{1−(1+K)・(Y/r)21/2
+A44+A66+A88+A1010+・・・
図2は、本実施例に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。図3は、図2に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。
まず、図2を用いて、本実施例の広角光学系を備えた撮像装置の構成を説明する。本実施例の広角光学系を備えた撮像装置は、物体側から順に、光軸Lc上に、開口絞りS、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、CCDカバーガラスCG、撮像面IMを持つCCDが配置されている。なお、第3レンズL3とCCDカバーガラスCGとの間には、IRカットコートを施したローパスフィルターなどを配置しても良い。
第1レンズL1は、両面が非球面の両凸レンズである。第2レンズL2は、両面が非球面であって像側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。第3レンズL3は、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面により形成されたメニスカスレンズである。
次に、本実施例に係る各光学系を構成するレンズの構成及び数値データを示す
数値データ1
単位 mm
面データ
s r d nd νd 有効径
1 (開口絞り) ∞ 0.20 0.65
2 (非球面) 2.528 1.18 1.52559 56.45 0.90
3 (非球面) -1.254 0.20 1.09
4 (非球面) -0.739 1.02 1.58393 30.21 1.98
5 (非球面) -1.691 0.63 1.39
6 (非球面) 1.612 0.61 1.58393 30.21 2.06
7 (非球面) 1.351 0.86 2.36
8 ∞ 0.50 1.51633 64.14 2.60
9 ∞ 0.30 2.71
像面 ∞
非球面データ
第2面
K= -5.621, A4= 1.40251E-02, A6=-5.20761E-02
第3面
K= -0.965, A4=-4.01327E-02
第4面
K= -0.739, A4= 1.76074E-01, A6= 1.51755E-02
第5面
K= 0.067, A4= 9.18177E-02, A6= 2.68669E-02
第6面
K= -2.207, A4=-4.43963E-02, A6= 1.25664E-03
第7面
K= -2.929, A4=-2.72328E-02, A6=-7.55043E-04
各種データ
焦点距離 3.64
Fナンバー 2.8
画角 -37.6°
像高 2.8
レンズ全長 5.3
BF 1.49
上記条件式に係るデータ
条件式 (1) 2.2 < d2/d3 < 7 : 5.90
条件式 (2) −0.04 < f/f3 < 0.04 : -0.0353
条件式 (3) 0.30 < hm7/hP7 < 2.0 : 0.943
条件式 (4) 0.06 < dP7/f < 0.3 : 0.128
条件式 (5) 10 < ν2 < 25 : 30.21
条件式 (6) 0.9 < r2/r3 < 4.4 : 1.69
条件式 (7) 0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 : 0.67
条件式 (8) −2.0 < Exp/f < −0.45 : -0.99
条件式 (9) 0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 : 0.26
条件式(10)25% < ILL < 45% : 31.8
条件式(11)0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 : 0.34
図4は、本実施例に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。図5は、図4に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。
まず、図4を用いて、本実施例の広角光学系を備えた撮像装置の構成を説明する。本実施例の広角光学系を備えた撮像装置は、物体側から順に、光軸Lc上に、開口絞りS、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、CCDカバーガラスCG、撮像面IMを持つCCDが配置されている。なお、第3レンズL3とCCDカバーガラスCGとの間には、IRカットコートを施したローパスフィルターなどを配置しても良い。
第1レンズL1は、両面が非球面の両凸レンズである。第2レンズL2は、両面が非球面であって像側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。第3レンズL3は、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面により形成されたメニスカスレンズである。
次に、本実施例に係る各光学系を構成するレンズの構成及び数値データを示す
数値データ2
単位 mm
面データ
s r d nd νd 有効径
1 (開口絞り) ∞ 0.20 0.67
2 (非球面) 3.315 1.15 1.53071 55.69 0.86
3 (非球面) -1.512 0.42 1.12
4 (非球面) -0.760 0.88 1.58393 30.21 1.15
5 (非球面) -1.466 0.50 1.38
6 (非球面) 2.626 1.11 1.53071 55.69 1.94
7 (非球面) 2.216 0.79 2.43
8 ∞ 0.30 1.51633 64.14 2.64
9 ∞ 0.30 2.70
像面 ∞
非球面データ
第2面
K= -1.840, A4=-4.59100E-02, A6=-3.05100E-02, A8=-7.12400E-02
第3面
K= -1.218, A4=-7.36900E-02, A6=-2.97600E-02, A8= 3.09400E-02, A10=-2.59300E-02
第4面
K= -0.926, A4= 1.49100E-01, A6= 1.07400E-01, A8=-8.17500E-02, A10= 2.31100E-02
第5面
K= -0.490, A4= 7.28800E-02, A6= 5.67100E-02, A8=-1.36400E-02, A10= 8.56100E-04
第6面
K= -7.093, A4=-2.29700E-02, A6=-6.43000E-04, A8= 1.18900E-03, A10=-2.30700E-04
第7面
K= -1.369, A4=-6.13500E-02, A6= 9.18900E-03, A8=-7.47900E-04, A10=-2.48600E-06
各種データ
焦点距離 3.73
Fナンバー 2.8
画角 -36.8°
像高 2.8
レンズ全長 5.5
BF 1.28
上記条件式に係るデータ
条件式 (1) 2.2 < d2/d3 < 7 : 2.74
条件式 (2) −0.04 < f/f3 < 0.04 : -0.004
条件式 (3) 0.30 < hm7/hP7 < 2.0 : 0.937
条件式 (4) 0.06 < dP7/f < 0.3 : 0.074
条件式 (5) 10 < ν2 < 25 : 30.21
条件式 (6) 0.9 < r2/r3 < 4.4 : 1.99
条件式 (7) 0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 : 0.66
条件式 (8) −2.0 < Exp/f < −0.45 : -0.99
条件式 (9) 0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 : 0.36
条件式(10)25% < ILL < 45% : 39.9
条件式(11)0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 : 0.37
図6は、本実施例に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。図7は、図6に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。
まず、図6を用いて、本実施例の広角光学系を備えた撮像装置の構成を説明する。本実施例の広角光学系を備えた撮像装置は、物体側から順に、光軸Lc上に、開口絞りS、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、CCDカバーガラスCG、撮像面IMを持つCCDが配置されている。なお、第3レンズL3とCCDカバーガラスCGとの間には、IRカットコートを施したローパスフィルターなどを配置しても良い。
第1レンズL1は、両面が非球面の両凸レンズである。第2レンズL2は、両面が非球面であって像側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。第3レンズL3は、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面により形成されたメニスカスレンズである。
次に、本実施例に係る各光学系を構成するレンズの構成及び数値データを示す
数値データ3
単位 mm
面データ
s r d nd νd 有効径
1 (開口絞り) ∞ 0.10 0.68
2 (非球面) 3.076 1.11 1.53071 55.69 0.80
3 (非球面) -1.651 0.42 1.05
4 (非球面) -0.838 0.80 1.63259 23.27 1.10
5 (非球面) -1.568 0.40 1.30
6 (非球面) 3.271 1.39 1.53071 55.69 1.67
7 (非球面) 2.771 0.74 2.38
8 ∞ 0.30 1.51633 64.14 2.66
9 ∞ 0.30 2.72
像面 ∞
非球面データ
第2面
K= -1.561, A4=-4.45188E-02, A6=-2.78685E-02, A8=-4.80497E-02
第3面
K= -1.110, A4=-7.35754E-02, A6=-2.18139E-03, A8= 8.64574E-03, A10=-1.50468E-02
第4面
K= -0.906, A4= 1.40870E-01, A6= 1.10717E-01, A8=-7.36659E-02, A10= 1.76769E-02
第5面
K= -0.424, A4= 6.85954E-02, A6= 5.20628E-02, A8=-1.17039E-02, A10= 1.12392E-03
第6面
K=-15.009, A4=-1.96223E-02, A6=-7.60260E-03, A8= 3.02406E-03, A10=-7.56075E-04
第7面
K= -2.040, A4=-4.50247E-02, A6= 6.82918E-03, A8=-1.05009E-03, A10= 3.98509E-05
各種データ
焦点距離 3.77
Fナンバー 2.8
画角 -36.8°
像高 2.8
レンズ全長 5.5
BF 1.23
上記条件式に係るデータ
条件式 (1) 2.2 < d2/d3 < 7 : 2.64
条件式 (2) −0.04 < f/f3 < 0.04 : -0.004
条件式 (3) 0.30 < hm7/hP7 < 2.0 : 0.999
条件式 (4) 0.06 < dP7/f < 0.3 : 0.055
条件式 (5) 10 < ν2 < 25 : 23.27
条件式 (6) 0.9 < r2/r3 < 4.4 : 1.96
条件式 (7) 0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 : 0.67
条件式 (8) −2.0 < Exp/f < −0.45 : -0.9
条件式 (9) 0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 : 0.4
条件式(10)25% < ILL < 45% : 36.2
条件式(11)0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 : 0.3
図8は、本実施例に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。図9は、図8に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。
まず、図8を用いて、本実施例の広角光学系を備えた撮像装置の構成を説明する。本実施例の広角光学系を備えた撮像装置は、物体側から順に、光軸Lc上に、開口絞りS、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、CCDカバーガラスCG、撮像面IMを持つCCDが配置されている。なお、第3レンズL3とCCDカバーガラスCGとの間には、IRカットコートを施したローパスフィルターなどを配置しても良い。
第1レンズL1は、両面が非球面の両凸レンズである。第2レンズL2は、両面が非球面であって像側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。第3レンズL3は、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面により形成されたメニスカスレンズである。
次に、本実施例に係る各光学系を構成するレンズの構成及び数値データを示す
数値データ4
単位 mm
面データ
s r d nd νd 有効径
1 (開口絞り) ∞ 0.24 0.62
2 (非球面) 2.323 0.94 1.52559 56.45 0.92
3 (非球面) -1.684 0.25 1.09
4 (非球面) -0.771 0.48 1.58393 30.21 1.19
5 (非球面) -1.418 0.71 1.18
6 (非球面) 1.647 0.66 1.52559 56.45 1.93
7 (非球面) 1.420 0.50 2.25
8 ∞ 0.50 1.51633 64.14 2.47
9 ∞ 0.54 2.61
像面 ∞
非球面データ
第2面
K= 1.373, A4=-6.48922E-02, A6=-7.14622E-02, A8=-3.64287E-02, A10= 6.17409E-02
第3面
K= 0.000, A4=-4.68358E-02, A6= 2.92909E-02, A8= 2.90073E-02, A10=-8.75951E-03
第4面
K= -1.002, A4= 4.06561E-01, A6=-1.21298E-02, A8=-2.79473E-02, A10= 3.67448E-03
第5面
K= -0.959, A4= 2.53800E-01, A6= 6.85022E-02, A8=-5.74446E-02, A10= 1.15390E-02
第6面
K= -5.072, A4=-2.83124E-02, A6=-1.16295E-02, A8= 3.75786E-03, A10=-3.02246E-04
第7面
K= -4.453, A4=-2.25374E-02, A6=-7.90523E-03, A8= 2.04710E-03, A10=-1.94628E-04
各種データ
焦点距離 3.45
Fナンバー 2.8
画角 -39.0°
像高 2.8
レンズ全長 4.6
BF 1.34
上記条件式に係るデータ
条件式 (1) 2.2 < d2/d3 < 7 : 3.76
条件式 (2) −0.04 < f/f3 < 0.04 : 0.0004
条件式 (3) 0.30 < hm7/hP7 < 2.0 : 0.995
条件式 (4) 0.06 < dP7/f < 0.3 : 0.078
条件式 (5) 10 < ν2 < 25 : 30.21
条件式 (6) 0.9 < r2/r3 < 4.4 : 2.18
条件式 (7) 0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 : 0.74
条件式 (8) −2.0 < Exp/f < −0.45 : -0.7
条件式 (9) 0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 : 0.3
条件式(10)25% < ILL < 45% : 34.3
条件式(11)0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 : 0.16
さて、以上のような本発明の広角光学系を用いた撮像装置は、デジタルカメラやパソコン、携帯電話等に好適に組み込むことができる。以下に、その実施形態を例示する。
まず、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだデジタルカメラの一例を示す。図10は、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図であり、図11は、同後方斜視図である。
図10及び図11に示すように、デジタルカメラ1は、前面に、撮影用開口部101,ファインダー用開口部102,フラッシュ発光部103が設けられている。また、上部に、シャッターボタン104が設けられている。また、背面に、液晶表示モニター105、情報入力部106、ファインダー接眼部107が設けられている。また、内部には、本発明の広角光学系を用いた撮像装置や処理手段、記録手段を備えている。
このように構成されたデジタルカメラ1は、その上部に設けられているシャッターボタン104を押圧すると、それに連動して撮像装置を介して画像情報の取得がなされるようになっている。取得された画像情報は、デジタルカメラ1の内部に設けられている記録手段に記録される。また、記録された画像情報は、処理手段によって取り出され、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター105に表示することもできる。
次に、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだ情報処理装置であるパソコンの一例を示す。図12は、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだパソコンのカバーを開いた状態における前方斜視図であり、図13は、同側面図である。
図12及び図13に示すように、パソコン2は、外部から操作者が情報を入力するためのキーボード201、操作者が画像を観察するための液晶表示モニター202を備えている。そして、液晶表示モニター202の側方には、撮影用開口部203が形成されている。また、内部には、操作者自身やその周辺の像を撮影するための本発明の広角光学系を用いた撮像装置や処理手段、記録手段を備えている。
なお、撮像装置により取得された画像情報は、記録手段に記録される。また、記録された画像情報は、処理手段によって取り出され、電子画像として液晶表示モニター202に表示される。そして、その画像は、処理手段により、インターネットや電話回線を介して、通信相手のパソコンに表示させることも可能である。
また、本例においては、撮像装置は、液晶表示モニター202の側方に配置されているが、その場所に限らず、液晶表示モニター202の上方や下方等の側方以外の位置や、キーボード201の周囲等どこに配置してもかまわない。
また、本例においては、液晶表示モニター202は、不図示のバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子を用いるが、CRTディスプレイ等を用いても構わない。
次に、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだ情報処理装置である携帯電話の一例を示す。図14(a)は、本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだ携帯電話の正面図であり、図14(b)は、同側面図である。
図14(a)及び図14(b)に示すように、携帯電話3は、操作者の声を情報として入力するマイク部301,通話相手の声を出力するスピーカ部302,操作者が情報を入力する入力キー303,操作者自身や通話相手等の撮影像や電話番号等の情報を表示する液晶表示モニター304,通信電波の送信と受信を行うアンテナ305を備えている。そして、スピーカ部302の側方には、撮影用開口部306が形成されている。また、内部には、操作者自身やその周辺の像を撮影するための本発明の広角光学系を用いた撮像装置や処理手段、記録手段を備えている。なお、液晶表示モニター304は液晶表示素子を用いたものである。また、図中、各構成の配置位置は、このような配置位置に限られるものではなく、適宜な配置でかまわない。
なお、撮像装置により取得された画像情報は、記録手段に記録される。また、記録された画像情報は、処理手段によって取り出され、電子画像として液晶表示モニター304に表示される。さらに、処理手段は、通信相手に画像を送信する場合、その画像情報を送信可能な信号へと変換する信号処理機能を備えている。
本発明に係る撮像装置の模式図であり、条件式(3)及び(4)に係るパラメータを示す図である。 実施例1に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。 図2に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。 実施例2に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。 図4に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。 実施例3に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。 図6に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。 実施例4に係る広角光学系を備えた撮像装置の構成を示す光軸に沿う断面図である。 図8に示した広角光学系の球面収差,非点収差,歪曲収差,倍率色収差を示す図である。 本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだデジタルカメラの一例の外観を示す前方斜視図である。 図10に示したデジタルカメラの後方斜視図である。 本発明の広角光学系を用いた撮像装置を組み込んだパソコンの一例のカバーを開いた状態における前方斜視図である。 図12に示したパソコンの側面図である。 本発明のズームレンズを用いた撮像装置を組み込んだ携帯電話の一例を示す図であり、(a)は携帯電話の正面図、(b)は携帯電話の側面図である。
符号の説明
S 開口絞り
1、L2、L3 レンズ
CG カバーガラス
IM 撮像面
Lc 光軸
Lm 開口絞りの中心を光軸に対して36度の角度で通過する光線
C7 第3レンズの像側の面が光軸と交わる点
m7 光線Lmが第3レンズの像側の面を通過する点
P7 第3レンズの像側の面の最も像側の点
m7 点Pm7から光軸までの最短距離
P7 点PP7から光軸までの最短距離
P7 点PP7から最短距離にある光軸上の点と点PC7との間の距離
1 デジタルカメラ
101,203,306 撮影用開口部
102 ファインダー用開口部
103 フラッシュ発光部
104 シャッターボタン
105,202,304 液晶表示モニター
106 情報入力部
107 ファインダー接眼部
2 パソコン
201 キーボード
3 携帯電話
301 マイク部
302 スピーカ部
303 入力キー
305 アンテナ

Claims (11)

  1. 物体側より順に、開口絞りと、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズとにより構成されており、
    前記第3レンズは、両面が、光軸近傍では物体側に凸面を向けた形状となりレンズ外周部近傍では物体側に凹面を向けた形状となるように、光軸からの距離に従って屈折力を変化させた非球面であり、
    以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする広角光学系。
    2.2 < d2/d3 < 7 ・・・(1)
    −0.04 < f/f3 < 0.04 ・・・(2)
    但し、d2は前記第1レンズの光軸上の厚さ、d3は前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上の空間距離、fは広角光学系全系の焦点距離、f3は前記第3レンズの焦点距離である。
  2. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の広角光学系。
    0.30 < hm7/hP7 < 2.0 ・・・(3)
    但し、hm7は前記開口絞りの中心を光軸に対して36度の角度で通過して像形成に用いられる光線が前記第3レンズの像側の面を通過する点と光軸との最短距離、hP7は前記第3レンズの像側の面の最も像側の点と光軸との最短距離である。
  3. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の広角光学系。
    0.06 < dP7/f < 0.3 ・・・(4)
    但し、dP7は前記第3レンズの像側の面の光軸と交わる点と、前記第3レンズの像側の面の最も像側の点から最短距離にある光軸上の点との間の距離である。
  4. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の広角光学系。
    10 < ν2 < 25 ・・・(5)
    但し、ν2は前記第2レンズのアッベ数である。
  5. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の広角光学系。
    0.9 < r2/r3 < 4.4 ・・・(6)
    但し、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径、r3は前記第2レンズの物体側の面の曲率半径である。
  6. 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の広角光学系。
    0.3 < |Hr/Σd| < 1.4 ・・・(7)
    但し、Hrは結像位置から広角光学系全系の後側主点位置までの距離、Σdは広角光学系全系の全長である。
  7. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の広角光学系。
    −2.0 < Exp/f < −0.45 ・・・(8)
    但し、Expは結像位置から射出瞳位置までの距離である。
  8. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の広角光学系。
    0.1 < L3d/FnoMin < 0.7 ・・・(9)
    但し、L3dは前記第3レンズの物体側の面から結像位置までの距離をmm単位で示した値、FnoMinは最小Fナンバーである。
  9. 以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の広角光学系。
    25% < ILL < 45% ・・・(10)
    但し、ILLは結像位置における軸上光束の光量に対する軸外光束の光量である。
  10. 以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の広角光学系。
    0.07 < (r1+r2)/(r1−r2) < 0.8 ・・・(11)
    但し、r1は前記第1レンズの物体側の面の曲率半径、r2は前記第1レンズの像側の面の曲率半径である。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の広角光学系と、該広角光学系の像側に配置され光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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