JP2010110235A - 核酸プローブを用いた核酸の変異検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定試料中に含まれる特定核酸に存在する変異を、簡便に検出する方法を提供する。
【解決手段】測定試料中に含まれる特定核酸中の標的配列に相補的な配列からなる、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブと、前記核酸プローブと完全に相補的からなる核酸を含む、溶液の蛍光強度を測定する工程、前記核酸プローブを測定試料に添加した溶液の蛍光強度を測定する工程、および前記二工程で得られた蛍光強度値を比較する工程を行なうことで、前記標的配列のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する核酸の変異を検出する方法。
【選択図】図2

Description

本発明はインターカレーターで標識された核酸プローブを用いた、核酸の変異検出方法に関する。
ヒトを含むさまざまな動植物の遺伝子が特定され、それらの配列が明らかとされてきた結果、核酸の特異的な検出方法の有用性は向上し続けている。網羅的な遺伝子発現解析から特定された疾病関連遺伝子は、治療薬の開発対象としてだけではなく、早期発見が可能な診断マーカーとしても有用であり、遺伝病、あるいはウイルス、菌などに起因する感染症の診断に利用されている。さらに核酸のわずかな違い、例えば一塩基多型(SNPs)を検出することは非常に重要な技術となっている。
ある種の核酸(特定核酸)を検出する場合に、その核酸と完全に相補的、あるいは部分的に相補的な核酸プローブを混合し、核酸の2本鎖を形成後、検出させるのが一般的である。オリゴDNAがDNA合成機により容易に合成できることから、核酸プローブとしては、オリゴDNAが主に使用されている。
核酸プローブと特定核酸とが2本鎖を形成したか否かは、例えば標識体などを用いて検知することにより行なう。標識体としては、蛍光標識体やRI(radioactive isotope)などが用いられているが、2本鎖形成を特異的に検出できるインターカレーターを用いる方法は特に優れた検出方法である。
インターカレーターは、2本鎖核酸部分に特異的に結合する物質の総称であり、インターカレーターを用いた核酸の検出方法としては、核酸プローブと特定核酸を含む溶液にインターカレーターを混合して測定する方法、およびインターカレーターで標識された核酸プローブを用いる方法があげられる(特許文献1および非特許文献1)。特に後者の方法は、溶液中に標的核酸以外の2本鎖核酸が存在している場合でも比較的特異性を維持して検出できるメリットがあり、標的核酸を特異的に増幅する核酸増幅法と組み合わせることにより、迅速・簡便に標的核酸を検出することができる(特許文献2および非特許文献2)。
インターカレーターで標識された核酸プローブを用いた変異検出についてはこれまでも検討されており、特許文献3ではインターカレーターで標識された核酸プローブと、前記核酸プローブと完全に相補的なオリゴヌクレオチド、または当該オリゴヌクレオチドから1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチドとを混合させたところ、1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチドと混合させたときの蛍光強度が、完全に相補的なオリゴヌクレオチドと混合させたときの蛍光強度より低下している結果が得られている。しかしながら、蛍光強度の低下の割合は変異を入れた場所および測定温度によりばらついており、蛍光強度の低下が変異を入れた場所によるものか、変異の仕方(プリン塩基同士の変異、ピリミジン塩基同士の変異、またはプリン塩基とピリミジン塩基との変異)によるものか不明であった。
特開平8−211050号公報 特開2000−14400号公報 特開平10−332701号公報 Ishiguro T. et al.,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996) Ishiguro T. et al.,Analytical Biochemistry,24,1247−1252(2003)
本発明は、測定試料中に含まれる特定核酸に存在する核酸の変異を簡便に検出する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、インターカレーターで標識された核酸プローブが、特定核酸中の特定部位に存在する核酸の変異を検出していることを見出した。
第一の発明は、測定試料中に含まれる特定核酸に存在する核酸の変異を検出する方法であって、
(1)特定核酸中の標的配列に相補的な配列からなるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記核酸プローブと完全に相補的な配列からなる標的配列を含む溶液に添加し、添加後の蛍光強度を測定する工程、
(2)前記標的配列に相補的な配列からなるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記測定試料に添加し、添加後の蛍光強度を測定する工程、
(3)(1)および(2)の蛍光強度値を比較する工程、
により、前記標的配列のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する核酸の変異を検出することを特徴とする、前記方法である。
第二の発明は、前記特定核酸が1本鎖DNAまたは1本鎖RNAであることを特徴とする、第一の発明に記載の方法である。
第三の発明は、前記核酸の変異がプリン塩基とピリミジン塩基との変異を含んでいることを特徴とする、第一または第二の発明に記載の方法である。
第四の発明は、前記標的配列を含む核酸を増幅させる反応を、第一から第三の発明に記載の方法の前に、または第一から第三の発明に記載の方法と同時に行なうことを特徴とする、前記方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明中の核酸とは、DNA、RNA、またはDNAとRNAのキメラであり、例としてcDNA、ゲノムDNA、mRNA、合成ポリヌクレオチドをあげることができる。なお、形状としては、1本鎖または2本鎖、直鎖状または環状、いずれの形状をとってもよい。また、特定核酸としては特に制限はなく、検出したい所望の核酸、もしくは所望の核酸を含む混合物を用いることができる。
本発明中の標的配列とは、特定核酸のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブと相補的結合ができる配列のことをいう。また、標的配列と相補的な配列とは、標的配列に対してハイブリダイゼーション可能な配列であればよく、完全に相補的な配列でなくてもよい。
本発明におけるインターカレーター性蛍光色素としては特に限定されないが、チアゾールオレンジ、エチジウムブロミド、オキサゾールイエロー、およびその誘導体を用いることができる。また、本発明におけるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブとしては、前記インターカレーター性蛍光色素とオリゴヌクレオチドとが、標的配列との相補的結合およびインターカレーターとしての性能に影響がないように結合されていればよく、適当なリンカーを用いてもよい。リンカーについては、標的配列の相補的結合およびインターカレーターの性能に影響がない範囲で適宜選択してよい。前記核酸プローブの一態様として、標的配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドからなり、かつ末端あるいはリン酸ジエステル部あるいは塩基部分に適当なリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素が結合され、さらに、3’末端の水酸基からの伸長を防止する目的で該3’末端の水酸基に適当な修飾がなされている核酸プローブがあげられる(特許文献1および非特許文献1参照)。なお、前記核酸プローブの有する塩基の長さは、通常15塩基から100塩基、好ましくは15塩基から35塩基を有するように設計されるが、標的配列に対してハイブリダイゼーション可能であれば、前記長さに限られるものではない。
本発明中のインターカレーター性蛍光色素で標識された位置とは、オリゴヌクレオチドの塩基部分に直接またはリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブの場合は当該塩基、オリゴヌクレオチドのリン酸ジエステル部に直接またはリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブの場合は当該リン酸ジエステル部の5’末端側および3’末端側に隣接した塩基のことをいう。また、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する核酸とは、標的配列からみてインターカレーター性蛍光色素で標識された位置に対応する塩基から3’末端側に位置する塩基のことをいう。
本発明中の変異とは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)(RNAの場合はウラシル(U))から選択される1組の塩基対が正常な塩基対(A/TまたはG/C)ではないことをいい、1塩基の変異のみならず、複数の連続した塩基の変異、1または複数の塩基の挿入および/または欠失により生じる変異、ならびにそれらの組み合わせも含まれる。1塩基変異の例としてはプリン塩基同士の変異(A/AまたはG/G)、ピリミジン塩基同士の変異(T(U)/T(U)またはC/C)、およびプリン塩基とピリミジン塩基との変異(A/CまたはG/T(U))があり、本発明の変異検出方法はインターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在するいずれの変異も検出可能であるが、特にプリン塩基とピリミジン塩基との変異の検出に本発明を適用するのが好ましい。
本発明の変異検出方法では、特定核酸が2本鎖である場合は変性して1本鎖に解離させた後、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブとハイブリダイゼーションするのが好ましい。2本鎖核酸の変性方法としては、溶液のpHを酸性またはアルカリ性にする方法、溶液を高温にする方法が例示できる。溶液のpHを酸性またはアルカリ性にする方法としては、0.1M NaOH、または0.1M HCl溶液に置換する方法があげられる。また、溶液を高温にする方法としては、特定核酸の融解温度(T)以上(通常、95℃以上)にする方法があげられる。前記変性方法で1本鎖に解離させた後のハイブリダイゼーションは、溶液のpHを中性に戻すこと、または温度を徐々に下げT以下にすることにより容易に行なうことができる。なお、標的核酸が1本鎖DNAまたは1本鎖RNAの場合は、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブと混和するだけでよいため、本発明の変異検出方法における特定核酸として好ましい態様といえる。
本発明における特定核酸は一般的に知られている核酸抽出方法により抽出精製された核酸が好ましいが、充分な量が存在すれば抽出精製したものでなくともよい。一方、抽出精製した特定核酸の量では充分でない場合には、PCR法、LAMP法、ICAN法、NASBA法、TMA法、3SR法、TRC法(特許文献2および非特許文献2)といった核酸増幅反応を本発明の変異検出方法に追加することで、少なくとも特定核酸中の標的配列を含む核酸を増幅させればよい。さらに、前記核酸増幅反応は、本発明の変異検出方法を行なう前に行なっても良いし、本発明の変異検出方法と同時に行なってもよい。なお、特定核酸が1本鎖RNAの時は、1本鎖RNAの増幅および変異検出を、迅速、一定温度、かつ一段階の反応で行なうことが可能なTRC法を核酸増幅反応として用いるのが好ましい。
本発明において、標的配列とインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブの接触は、両者がハイブリダイゼーションする条件(例えば、適当なpH、溶媒、イオン環境、温度)で行なわれる。温度や塩濃度、イオンの種類、バッファーのpH等の詳細な条件は適宜選択することができ、一例としてTRC法で核酸増幅反応させるときの溶液組成をあげることができる。
本発明の変異検出方法は、特定核酸中の標的配列のうちインターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する、1塩基の変異、複数塩基連続の変異、1塩基対複数塩基の変異、さらには2本鎖核酸の少なくとも片側の鎖における1または複数塩基の欠失および/または挿入によって生じる変異の検出に適用することができる。特に、インターカレーター性蛍光色素が標的配列と核酸プローブとの2本鎖核酸に挿入される位置付近、具体的には標的配列のうちインターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に4塩基目までに存在する前記変異の検出に本発明を適用するのが好ましい。なお、変異を検出したい特定核酸が測定試料中に2種類以上含まれる場合は、
(1)各特定核酸中の標的配列に相補的な配列からなる、1種類のインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記核酸プローブと完全に相補的な配列からなる核酸を含む溶液、および測定試料に添加し、蛍光強度をそれぞれ各特定核酸ごとに測定する方法、
(2)各特定核酸中の標的配列に相補的な配列からなる、各特定核酸ごとに異なるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記核酸プローブと完全に相補的な配列からなる核酸を含む溶液、および測定試料に添加し、蛍光強度をそれぞれ1度に測定する方法、
いずれの方法を採用してもよい。(1)の方法では、測定を各特定核酸ごとに行なう必要があるが、使用するインターカレーター性蛍光色素は1種類のため、使用する蛍光検出器の性能、および核酸プローブの配列に応じて、最適なインターカレーター性蛍光色素を選定することができる。(2)の方法はインターカレーター性蛍光色素を各色素が有する蛍光プロファイルが重ならないように選定する必要があるが、複数の特定核酸に存在する核酸の変異検出を一つのチューブ内で行なうことができる。
本発明は、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを用いることで、測定試料中に含まれる、特定核酸中の標的配列のうちインターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する核酸の変異を検出することを特徴としている。本発明の検出方法は、特定核酸中の特定部位に存在する塩基の変異を検出することができるため、一塩基多型(SNPs)といった核酸のわずかな違いを検出することが必要な、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬といった用途に適用することができる。
また、本発明の核酸の変異検出方法の前または本発明の核酸の変異検出方法と同時に、核酸増幅反応を行なうことで、測定試料に含まれる微量の特定核酸に存在する核酸の変異を検出することができる。さらに、近縁の菌種の16SrRNA(例えば、抗酸菌に属する菌の16SrRNA、レジオネラ属菌の16SrRNA)、ウイルスの変異体(例えば、HCVのバリアント、HIVのバリアント、ノロウイルスの遺伝子型)といった塩基配列の非常に似通った核酸が含まれた溶液から特定核酸を検出する場合、特定核酸特異的に設計した核酸増幅用プライマーを用いても、特定核酸以外の核酸を増幅する場合があるが、本発明の核酸の変異検出方法を採用することで、蛍光強度値の違いから特定核酸を増幅しているかどうかを判定することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1 インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブの調製
非特許文献1の方法に基づき、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを調製した。
(1)光学活性なホスホン酸ジエステル結合(R体)を持つジヌクレオチドをホスホロアミダイド化後、市販のDNA合成機(Applied Biosystems Model 380B DNA Synthesizer(商品名)、Perkin−Elmer社)を用いて配列番号1の塩基配列を有するプローブ合成用オリゴヌクレオチドを調製した。
(2)(1)で調製したオリゴヌクレオチド溶液(A260nmで3から5OD相当)を凍結乾燥後、乾燥ペレットに40μLの0.1M TEAA(pH7.5)および7.5μLの1.0M AgNOを添加し、撹拌後、室温で40分間反応させた。
(3)反応後のオリゴヌクレオチド溶液に、10μLの1.0M DTTを添加し、攪拌後、室温で30分間反応させた。反応後、15分間遠心して上澄液を回収した。一方、沈殿は40μLの0.1M TEAA(pH7.5)を添加後、攪拌、遠心(5分)を行ない、回収した上澄液を、前記上澄液と合わせた。
(4)(3)の上澄み液を、高速液体クロマトグラフィーにより精製後、前記生成物に対して、20μLの0.01M DTTを加え、撹拌した。
(5)200μLのDMF、300μLの1.0M リン酸緩衝液(pH10.0)、および500μLの水からなる溶媒でオキサゾールイエローを飽和させ、これをオキサゾールイエロー溶液とした。
(6)(4)で調製した溶液に、(5)のオキサゾールイエロー溶液を300から500μL添加し、2時間放置した。反応後、ゲル濾過(セファデックスG−25(商品名)、GEヘルスケアバイオサイエンス社)を行ない、高速液体クロマトグラフィーにより精製することで、アミノアルキルホスホン酸をリンカーとしてオキサゾールイエローが標識された核酸プローブを調製した。なお、高速液体クロマトグラフィー操作において使用した緩衝液は0.1M TEAA(pH7.0)/50%アセトニトリルであり、ゲル濾過操作において使用した緩衝液は0.1M TEAA (pH7.0)/5%アセトニトリルである。
前記方法で調製した、オキサゾールイエローで標識された核酸プローブを図1に示した。配列番号1に記載の配列の5’末端側から3塩基目のCと4塩基目のTとの間のリン酸ジエステル部分に、リンカーを介してオキサゾールイエローを結合させている。調製した核酸プローブはTE緩衝液(10mM Tris−HCl(pH7.8)、1mM EDTA)に溶解後、使用するまで−30℃で遮光保存した。
実施例2 1塩基変異の検出
実施例1で調製した核酸プローブを用いて1塩基変異の検出を試みた。
(1)実施例1で調製した核酸プローブの完全相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(配列番号2)、および前記核酸プローブの完全相補鎖より1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列番号2から20)を合成した。
(2)蛍光測定用96穴プレート(Nunc社)の各ウェルに、TE緩衝液で調製した18nM 核酸プローブ(配列番号1)溶液を100μLずつ分注し、さらにTE緩衝液で調製した 1.8μM オリゴヌクレオチド(配列番号2から43)溶液1μLを添加した。
(3)(2)の溶液を、マイクロプレートリーダーインフィニット200(商品名)(TECAN社)を用いて、励起波長470nm、蛍光波長520nmの条件で測定した(測定温度24℃)。
測定結果を図2に示した。核酸プローブ(配列番号1)の完全相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(配列番号2)を添加したときは、添加前と比較して有意な蛍光強度の増大を確認した。一方、核酸プローブ(配列番号1)の完全相補鎖より1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列番号3から20)を添加したときは、オリゴヌクレオチド配列のうちオキサゾールイエローを標識した位置(配列番号1の5’末端側から3および4塩基目、配列番号2から20の5’末端側から15および16塩基目)から3’末端側の位置に変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列3から14)の多くで、完全相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(配列番号2)を添加したときと比較し蛍光強度が減少していたのに対し、オキサゾールイエローを標識した位置から5’末端側の位置に変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列15から20)は完全相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(配列番号2)を添加したときと比較し蛍光強度が同等または増加していた。本結果は、標的核酸と核酸プローブとが2本鎖核酸を形成するときに、オキサゾールイエローが、標的核酸からみて標識した位置から3’末端側(核酸プローブからみて5’末端側)の2本鎖核酸の間に挿入されることを示唆する結果といえる。
また、標的核酸からみてオキサゾールイエローを標識した位置から3’末端側に1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列番号3から14)のうち、プリン塩基(アデニン(A)とグアニン(G))とピリミジン塩基(シトシン(C)とチミン(T))との変異になるように変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列番号5、6、11および14)を添加したときは、蛍光強度の低下が特に著しく、いずれもオリゴヌクレオチド添加前より蛍光強度が下回っていた。
以上の結果から、実施例1で調製した核酸プローブを用いることで、標的配列のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側にある1塩基変異、特にプリン塩基とピリミジン塩基との1塩基変異を識別できることが示された。
実施例3 2塩基連続変異の検出
実施例1で調製した核酸プローブを用いて2塩基連続変異の検出を試みた。
(1)実験方法
オリゴヌクレオチドとして、2塩基連続変異を入れたオリゴヌクレオチド(配列番号21から44)を使用した他は、実施例2と同様に行なった。
(2)結果
蛍光強度の測定結果を図3に示す。今回検討したいずれのオリゴヌクレオチド(配列番号21から44)も、核酸プローブ(配列番号1)の完全相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(配列番号2)を添加したときと比較し、蛍光強度が減少しており、配列番号31以外のオリゴヌクレオチドを添加したときは、オリゴヌクレオチド添加前より蛍光強度が減少していた。以上の結果から、実施例1で調製した核酸プローブを用いることで、標的配列のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側にある2塩基連続変異を識別できることが示された。
実施例1で調製したインターカレーター性蛍光色素で標識した核酸プローブ。 実施例1で調製した核酸プローブを用いて1塩基変異を入れたオリゴヌクレオチドを測定した結果(実施例3)。左に示した塩基配列が混和したオリゴヌクレオチドの配列であり、変異を入れた箇所を小文字で示した。蛍光強度はオリゴヌクレオチドを添加する前の蛍光強度を差し引いた値を示した。 実施例1で調製した核酸プローブを用いて2塩基連続変異を入れたオリゴヌクレオチドを測定した結果(実施例4)。左に示した塩基配列が混和したオリゴヌクレオチドの配列であり、変異を入れた箇所を小文字で示した。蛍光強度はオリゴヌクレオチドを添加する前の蛍光強度を差し引いた値を示した。

Claims (4)

  1. 測定試料中に含まれる特定核酸に存在する核酸の変異を検出する方法であって、
    (1)特定核酸中の標的配列に相補的な配列からなるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記核酸プローブと完全に相補的な配列からなる標的配列を含む溶液に添加し、添加後の蛍光強度を測定する工程、
    (2)前記標的配列に相補的な配列からなるインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを、前記測定試料に添加し、添加後の蛍光強度を測定する工程、
    (3)(1)および(2)の蛍光強度値を比較する工程、
    により、前記標的配列のうち、インターカレーター性蛍光色素で標識された位置から3’末端側に存在する核酸の変異を検出することを特徴とする、前記方法。
  2. 前記特定核酸が1本鎖DNAまたは1本鎖RNAであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸の変異がプリン塩基とピリミジン塩基との変異を含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記標的配列を含む核酸を増幅させる反応を、請求項1から3に記載の方法の前に、または請求項1から3に記載の方法と同時に行なうことを特徴とする、前記方法。
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