JP2010108943A - 非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電解質塩がフッ素原子を含有するリチウム塩であり、該非水溶媒は環状カーボネートおよび/または環状エステルと、ジビニルスルホンまたはメタンスルホン酸2−プロピニルのようなアルキン誘導体のうち少なくとも1種とを含有し、さらに該非水溶媒中に下記一般式(V)、
【化1】
(式中、RA、RB、RCは、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を示し、RDは、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)で表される第3級カルボン酸エステルが0.1〜10重量%含有されているリチウム二次電池に関する。
【選択図】 なし
Description
しかし、本発明者の研究によると、これらの混合溶媒を非水溶媒として用い、負極として、一般的な負極材料である天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、特に高結晶化した天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料を用いたリチウム二次電池の場合には、電解液が、負極で分解して不可逆容量が増大したり、場合によっては炭素材料の剥離の発生がみられることが判明した。この不可逆容量の増大や炭素材料の剥離は、電解液中の溶媒が充電時に分解することにより発生し、炭素材料と電解液との界面における溶媒の電気化学的還元に起因するものである。特に、融点が低く、誘電率の高いPC(プロピレンカーボネート)は、低温でも高い電気伝導性を有するが、黒鉛負極を用いる場合にはPCの分解が発生して、リチウム二次電池用には使用できないという問題点があることが判明した。また、EC(エチレンカーボネート)の場合でも、充放電を繰り返す間に一部分解が発生して、電池性能の低下が生じることも判明した。また、ピバリン酸メチルは、沸点が101℃であるために、非水溶媒中のピバリン酸メチルの含有量が50重量%程度以上になると、高温時には、電池が膨れたり、電池性能が低下することがあることも判明した。また、上記の特許文献1で具体的に記載されているLiClO4を電解液中の電解質塩として用いた場合には、高温での電池作動において分解してガス発生したり、20℃以上のサイクル特性に悪影響を及ぼす問題が発生しやすいことも判明した。
実施例1
〔電解液の調製〕プロピレンカーオネート(PC):メタンスルホン酸2−プロピニル(MSP):ピバリン酸メチル〔前記式(I)中、RA=RB=RC=RD=メチル基〕(重量比)=87:3:10の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して電解液を調製した。
LiCoO2(正極活物質)を80重量%、アセチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にしてアルミ箔上に塗布した。その後、これを乾燥し、加圧成型して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%、の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にして銅箔上に塗布した。その後、これを乾燥し、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の電解液を注入させてコイン電池
(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、0.8mAの定電流定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、1M LiPF6+EC:GBL(重量比)=50:50を電解液(添加剤無し)として用いた場合(比較例5)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は88.5%であった。また、高温作動時の電池の膨れは無かった。電池のコイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
コイン電池の作製条件を表1記載のようにした以外は実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、50サイクル後の放電容量維持率を測定した。その測定結果を表1に示す。
〔濡れ性の評価〕
以下のような方法により、濡れ性の評価を行った。すなわち、1M LiPF6 PC/MSP=97/3(重量比)の溶液に各種第3級カルボン酸エステルを所定量加えた時の電解液に対するセパレータ(CELGARD Inc.製ポリプロピレン微多孔性フィルム;セルガード♯2500(商標))の含浸性を濡れ性として評価した。含浸させて20秒後のセパレータの含浸性を目視で確認した。その結果を表2に示す。表2の結果から、アルコール残基のアルキル基の炭素原子数が4以上のピバリン酸エステルは、セパレータへの親和性が、アルコール残基のアルキル基の炭素原子数が2のピバリン酸エチルよりも高く、このため、微多孔性セパレータと接触下に置くと、速やかに、セパレータの多孔構造に浸透することが分る。このことは、リチウム二次電池の製造工程における製造時間の短縮につながる。すなわち、リチウム二次電池の製造工程において、電池容器内に、正極シート、セパレータ、そして負極シートからなる積層体を装着したのち、電解液を充填し、次いで電池容器の蓋を装着する作業が行われるが、その蓋の装着は、充填された電解液が、セパレータに微多孔構造内に存在していた空気を置き換えて、該微多孔構造内に充填したのち実施する必要がある。したがって、セパレータの微多孔構造に短時間の内に浸透する電解液の使用により、リチウム二次電池の製造時間の短縮が実現する。
Claims (10)
- リチウム複合酸化物を含む材料からなる正極、炭素を含む材料からなる負極、セパレータ、および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム二次電池において、該電解質塩がフッ素原子を含有するリチウム塩であり、該非水溶媒は環状カーボネートおよび/または環状エステルと、ジビニルスルホンまたは下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、
- 前記ジビニルスルホンまたはアルキン誘導体の含有量が、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
- 前記電解質塩が、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3およびLiPF5(iso−C3F7)から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載のリチウム二次電池。
- 前記環状カーボネートがエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載のリチウム二次電池。
- 前記環状エステルがγ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載のリチウム二次電池。
- リチウム複合酸化物を含む材料からなる正極、炭素を含む材料からなる負極、セパレータ、および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム二次電池用非水電解液において、該電解質塩がフッ素原子を含有するリチウム塩であり、該非水溶媒が環状カーボネートおよび/または環状エステルと、ジビニルスルホンまたは下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、
- 前記ジビニルスルホンまたはアルキン誘導体の含有量が、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項5記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- 前記電解質塩が、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3およびLiPF5(iso−C3F7)から選ばれる少なくとも1種以上である請求項6記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- 前記環状カーボネートがエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種以上である請求項6記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- 前記環状エステルがγ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項5記載のリチウム二次電池用非水電解液。
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CN109888386A (zh) * | 2019-01-18 | 2019-06-14 | 东莞市杉杉电池材料有限公司 | 一种锂离子电池电解液及含有该电解液的锂离子电池 |
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JPH0896848A (ja) * | 1994-09-22 | 1996-04-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2000195545A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-14 | Ube Ind Ltd | リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
JP2001023688A (ja) * | 1999-07-13 | 2001-01-26 | Ube Ind Ltd | 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 |
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