JP2010106332A - 抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Niを3.0〜4.5mass%、Siを0.6〜1.2mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さ900MPa以上、導電率25%IACS以上であることを特徴とする、抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料。さらにSnを0.05〜1.5mass%、Mgを0.01〜0.2mass%、Agを0.005〜0.3mass%、Mnを0.01〜0.5mass%、Feを0.005〜0.2mass%、Crを0.005〜0.2mass%、Coを0.05〜2mass%のうち1種または2種以上を総量で0.005〜2mass%含有してもよい。
【選択図】なし
Description
(1)Niを3.0〜4.5mass%、Siを0.6〜1.2mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さ900MPa以上、導電率25%IACS以上であることを特徴とする、抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料、
(2)Niを3.0〜4.5mass%、Siを0.6〜1.2mass%含有し、さらにSnを0.05〜1.5mass%、Mgを0.01〜0.2mass%、Agを0.005〜0.3mass%、Mnを0.01〜0.5mass%、Feを0.005〜0.2mass%、Crを0.005〜0.2mass%、Coを0.05〜2mass%のうち1種または2種以上を総量で0.005〜2mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さ900MPa以上、導電率25%IACS以上であることを特徴とする、抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料、
(3)材料中に存在する介在物の大きさを20μm以下、密度を10個/mm2以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料、
を提供するものである。
Mgは強度を向上させるとともに耐クリープ特性を改善する。0.01mass%未満であると改善効果は現れず、0.2mass%以上では導電性が低下する。従って、Mgを含有する場合の含有量は0.01〜0.2mass%、好ましくは0.05〜0.15mass%である。
Agは耐熱性および強度を向上させると同時に、結晶粒の粗大化を阻止して強度を高める。Ag量が0.005mass%未満ではその効果が充分に得られず、0.3mass%を超えて添加しても特性上に悪影響はないもののコスト高になる。これらの観点から、Agを含有する場合の含有量は0.005mass%〜0.3mass%、好ましくは0.01〜0.2mass%とする。
Mnは、強度を上昇させると同時に熱間加工性を改善する効果があり、0.01mass%未満であるとその効果が小さく、0.5mass%を超えて含有しても、添加量に見合った効果が得られないばかりでなく、導電性を劣化させる。よってMnを含有する場合の含有量は0.01〜0.5mass%、好ましくは0.1〜0.35mass%とする。
Fe、CrはSiと結合し、Fe−Si化合物、Cr−Si化合物を形成し、強度を上昇させる。また、Niとの化合物を形成せずに銅マトリックス中に残存するSiをトラップし、導電性を改善する効果がある。Fe−Si化合物、Cr−Si化合物は析出硬化能が低いため、多くの化合物を生成させることは強度向上の観点から得策ではない。また、0.2mass%を超えて含有すると曲げ加工性が劣化してくる。これらの観点から、Fe、Crを含有する場合の添加量は、それぞれ0.005〜0.2mass%、好ましくはそれぞれ0.03〜0.15mass%とする。
CoはNiと同様にSiと化合物を形成し、強度を向上させる。CoはNiに比べて高価であるため、本発明ではCu−Ni−Si系合金を利用しているが、コスト的に許されるのであれば、Cu−Co−Si系やCu−Ni−Co−Si系を選択してもよい。Cu−Co−Si系は時効析出させた場合に、Cu−Ni−Si系より強度、導電性ともにわずかによくなる。したがって、熱・電気の伝導性を重視する部材には有効である。また、Co−Si化合物は析出硬化能が僅かに高いため、耐クリープ特性も若干改善される傾向にある。これらの観点から、Coを含有する場合の添加量は、0.05〜2mass%、好ましくは0.08〜1.5mass%とする。
これらを2種以上同時に添加する場合には、求められる特性に応じて適宜決定すればよいが、導電性、曲げ加工性の観点から総量で0.005〜2.0mass%とした。
本合金の用途は抵抗溶接機の構造部材であり、溶接時の加圧力は400kgを超えるため、高強度、高疲労特性が要求される。強度と疲労特性は一般的に正の相関があるため、より高強度材が好ましいこととなる。ベリリウム銅の強度は引張強さで1100〜1300MPa程度であるが、実用的に必要な強度は引張強さで900MPa以上である。これより低いと疲労破断が生じ易く問題となる。また、導電性は、ベリリウム銅の導電率は20〜25%IACS程度であり、通電特性上は20%IACSで十分であるが、放熱性に優れるという観点から導電性はより高い方が望ましい。特に高熱になるチップを接続するシャンク部は、導電性は高い方が良い。そのため、本発明では導電率を25%IACS以上と規定した。
介在物の大きさ、密度は、疲労特性に影響を与える。本発明に用いられる銅合金材の製造過程において、介在物の大きさを20μm以下、密度を10個/mm2以下とすることで、疲労特性が向上する。これは、介在物が存在すると応力集中が生じ、そこを起点に破壊が開始するためと考えられる。そのため、介在物は小さく、少ない方が良く、好ましくは大きさ15m以下、密度を8個/mm2以下である。介在物の種類としては、溶解時に溶け残ったもの(未溶解化合物)や鋳造時の凝固過程において生じるもの(晶出物)等が考えられる。
種々の組成のCu−Ni−Si系銅合金(表1参照)を高周波溶解炉にて溶解し、各ビレットを鋳造した。次に、前記ビレットを900℃で熱間押出して、直ちに水中焼入れを行い、丸棒を得た。次いで前記丸棒を冷間にて引抜きを行い直径20mmの丸棒を製造し、さらに450℃で2時間時効熱処理を行った。この様にして得られた丸棒について、[1]引張強度、[2]導電率、[3]疲労特性を下記方法により調べた。なお、合金No.31については、直径20mmの市販材をそのまま使用した。
[1]引張強度
JIS Z 2241に準じて3本測定しその平均値(MPa)を示した。
[2]導電率
四端子法を用いて、20℃(±1℃)に管理された恒温槽中で、各試料について2本ずつ測定し、その平均値(%IACS)を示した。
[3]疲労試験
各試料より、厚さ0.3mmの板を切り出し、負荷応力300MPaにて疲労試験を行った。測定は各試料につき3枚ずつ行い、その平均をとった。応力の付与は106回(100万回)までとして、破断が生じたものは破断した時の応力付与回数をカウントし、破断が生じなかったものは100万回以上とした。測定結果を表2に示す。
表2の合金No.21〜29は合金成分を本発明例の範囲外とした例である。No.21はNiが低目であり、引張強さが低く疲労特性を満足しない。No.22は、Siが低目であり、引張強さが低く疲労特性を満足しない。No.23〜29は、添加元素の含有量が規定より多いことにより、導電率が低下している。
介在物の大きさが疲労特性に及ぼす影響について、本実施例を用いて示す。
表1の合金のNo.1、3、4、6、9および10の組成の銅合金からビレットを鋳造した。この時、溶解温度を低目、溶解時間を短目とし、また鋳造時の冷却速度を変えることで、粗大で高密度な介在物をビレット内部に形成させた。得られたビレットを900℃で熱間押出して、直ちに水中焼入れを行い、丸棒を得た。次いで前記丸棒を冷間にて引抜きを行い直径20mmの丸棒を製造し、さらに450℃で2時間時効熱処理を行った。この様にして得られた丸棒について、引張強度、導電率、疲労特性を前述の方法により調べた。また、介在物の大きさ、密度については、得られた丸棒の任意の3箇所の横断面について、光学顕微鏡を用いてそれぞれ3視野について組織を調査することにより求めた。ビレットの組成を表3に、特性値の測定結果を表4に示す。
Claims (3)
- Niを3.0〜4.5mass%、Siを0.6〜1.2mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さ900MPa以上、導電率25%IACS以上であることを特徴とする、抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料。
- Niを3.0〜4.5mass%、Siを0.6〜1.2mass%含有し、さらにSnを0.05〜1.5mass%、Mgを0.01〜0.2mass%、Agを0.005〜0.3mass%、Mnを0.01〜0.5mass%、Feを0.005〜0.2mass%、Crを0.005〜0.2mass%、Coを0.05〜2mass%のうち1種または2種以上を総量で0.005〜2mass%含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さ900MPa以上、導電率25%IACS以上であることを特徴とする、抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料。
- 材料中に存在する介在物の大きさが20μm以下、密度が10個/mm2以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の抵抗溶接機の構造部材用銅合金材料。
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