JP2010105914A - 結晶体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】引き上げバッチごとのバラツキ防止に有効な結晶体の製造方法を提供する。
【解決手段】CZ法による結晶体製造方法において、初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さと、メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定した液位変化量と、ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さとを用いて、ルツボ内のメルト深さを算出する工程を有し、前記石英ルツボ形状データは、標準ルツボと使用ルツボの重量差(ΔW)に基づいて、両者の肉厚差(Δt)を概算し、この肉厚差(Δt)分だけルツボの形状データ(P[n])をシフトして、補正データ(P’[n])を作成する。そして、この作成した補正データ(P’[n])を使用して結晶体の引き上げを行う。
【選択図】図4
【解決手段】CZ法による結晶体製造方法において、初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さと、メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定した液位変化量と、ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さとを用いて、ルツボ内のメルト深さを算出する工程を有し、前記石英ルツボ形状データは、標準ルツボと使用ルツボの重量差(ΔW)に基づいて、両者の肉厚差(Δt)を概算し、この肉厚差(Δt)分だけルツボの形状データ(P[n])をシフトして、補正データ(P’[n])を作成する。そして、この作成した補正データ(P’[n])を使用して結晶体の引き上げを行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、結晶体の製造方法に関し、特に、引き上げバッチごとのバラツキ防止に有効な結晶体の製造方法に関する。
チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)は、ルツボに収容されたメルトにシードを浸漬し、該シードを上昇させて結晶体を成長させる技術である。このCZ法では、一般に、メルトの液位を一定に制御しながら結晶体の引き上げが行われる。これは、メルトと結晶体の界面固定や結晶体の酸素濃度制御および結晶熱履歴制御を目的としたものである。
上記液位一定制御によれば、結晶体の制御を容易かつ好適に行うことができるため、現在この液位一定制御は、結晶体製造の基幹技術となっている。この液位一定制御は、結晶体の成長長さの増加量とメルトの液位降下量との比率に基づいてルツボを上昇させる比率制御によって達成される。
しかし、従来の比率制御では、実際に液位を一定にすることが困難であり、引き上げバッチごとに制御結果が異なるといった問題があった。このような液位一定制御の誤差は、結晶体の成長速度に影響するため、場合によっては所望の直径や酸素濃度や結晶熱履歴が得られず歩留まりの低下原因となっていた。
特に、近年、結晶体の直径や酸素濃度や結晶熱履歴の厳密な制御が要求されており、歩留まりの低下を避けてこのような要求を満たすためには、上記のような引き上げバッチごとのバラツキを低減させる必要がある。
そこで、本発明は、引き上げバッチごとのバラツキ防止に有効な結晶体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、黒鉛ルツボ内に収容された石英ルツボに充填されたメルトから結晶体を成長させるCZ法で結晶体を製造する方法において、初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さと、メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定した液位変化量と、ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さとを用いて、ルツボ内のメルト深さを算出する工程を持つことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、ルツボ内のメルト深さは、MD=MP+MD
0
−CLH(ここで:MD=メルト深さ、CLH=ルツボ上昇高さ、MD
0
=初期メルト深さ、MP=液位変化量)であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1および請求項2に記載の発明において、メルト深さを石英ルツボ形状データにあてはめてルツボ内径を算出する工程を含むことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3に記載の発明において、前記ルツボ内径を用いてルツボ比率演算を行う工程を含むことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から3に記載の発明において、石英ルツボ形状データとメルト深さから石英ルツボとメルトが接触する面積を求める工程と、ルツボ内径と結晶直径からメルト表面積を求める工程と石英ルツボとメルトが接触する面積とメルト表面積を用いて下記a〜bのうちの少なくとも1つの条件を決定することを特徴とする。a)ルツボ回転数条件、b)シード回転数条件。ルツボ回転数条件とシード回転数条件は古くから当業者が酸素濃度制御と酸素面内分布制御と抵抗面内分布制御に適用されていた。石英ルツボとメルトが接触する面積とメルト表面積との比の変化に基づきルツボ回転数を設定し、ルツボ回転数設定値に対して面内分布が規格値を満足するようにシード回転数条件を決めるのは周知の事である。しかし、ルツボ回転数条件とシード回転数条件をシード軸移動距離または結晶成長長さに対してプログラム入力していた。このため結晶成長径のバラツキや肩重量のバラツキに起因して、酸素濃度や酸素面内分布や抵抗面内分布が狙い値から外れ規格外の不良品が製造される場合があった。請求項5に記載の発明はメルト深さ検出値から石英ルツボとメルトが接触する面積とメルト表面積を結晶引き上げ中に算出でき、上記の不良発生の低減をすることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1から5に記載の発明において、石英ルツボ形状データとメルト深さから石英ルツボ内の残メルト量を求める工程と、残メルト量とルツボ回転数条件とシード回転数条件とを用いて結晶成長速度条件を決定する工程を持つことを特徴とする。結晶成長条件の最大値は残メルト量とルツボ回転数条件とシード回転数条件を考慮して決定されることは周知の事である。液位移動条件も酸素濃度の制御として残メルト量とルツボ回転数条件とシード回転数条件を考慮して決定されることは周知の事である。しかし、結晶成長条件と液位移動条件をシード軸移動距離または結晶成長長さに対してプログラム入力していた。このため結晶成長径のバラツキや肩重量のバラツキに起因して、結晶の変形・曲がりによる直径不良品や酸素濃度不良品が製造される場合があった。請求項6に記載の発明はメルト深さ検出値から残メルト量を結晶引き上げ中に算出でき、上記の不良発生の低減をすることができる。
請求項7記載の発明は、黒鉛ルツボ内に収容された石英ルツボに充填されたメルトから結晶体を成長させるCZ法で結晶体を製造する結晶体の製造装置において、初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さを算出するメルト深さ算出手段と、メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定し液位変化量を算出する液位変化量算出手段と、ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さを算出するルツボ上昇高さ算出手段と、メルト深さ算出手段が算出したメルト深さと液位変化量を算出手段が算出した液位変化量とルツボ上昇高さ算出手段が算出したルツボ上昇高さとを用いてルツボ内のメルト深さを算出するメルト深さ算出手段を具備することを特徴とする。
(発明の概要)
本発明の一の特徴は、標準ルツボと使用ルツボの重量差ΔWに基づいて両者の肉厚差Δtを概算し、この概算した肉厚差を用いて形状データを補正することにある。標準ルツボとは、例えば、ルツボの設計図に示されたような典型的な形状を有するルツボを意味し、使用ルツボとは、引き上げバッチごとに使用するルツボを意味する。
本発明の一の特徴は、標準ルツボと使用ルツボの重量差ΔWに基づいて両者の肉厚差Δtを概算し、この概算した肉厚差を用いて形状データを補正することにある。標準ルツボとは、例えば、ルツボの設計図に示されたような典型的な形状を有するルツボを意味し、使用ルツボとは、引き上げバッチごとに使用するルツボを意味する。
標準ルツボと使用ルツボの重量差ΔWを求める理由は、引き上げバッチごとに生じる誤差成分を捉えるためである。そして、この重量差ΔWを肉厚差Δtという幾何情報に変換し、ルツボの形状データに反映させる。これにより、比率演算時に参照される形状データが使用ルツボの形状に近くなるため、実質的に各バッチごとの誤差が吸収されることになる。
(発明プロセス)
以下、本発明に至った過程を説明する。まず、引き上げバッチごとに液位一定制御にバラツキが生じる原因としては、メルトを収容する石英ルツボの形状差が考えられる。つまり、CZ法では、結晶体を1本引き上げるごとに、石英ルツボが交換されるため、個々の石英ルツボに形状差があると、同じ量のメルトを使用した場合でも、充填される深さやメルト表面の径に差が生じることになる。
以下、本発明に至った過程を説明する。まず、引き上げバッチごとに液位一定制御にバラツキが生じる原因としては、メルトを収容する石英ルツボの形状差が考えられる。つまり、CZ法では、結晶体を1本引き上げるごとに、石英ルツボが交換されるため、個々の石英ルツボに形状差があると、同じ量のメルトを使用した場合でも、充填される深さやメルト表面の径に差が生じることになる。
この石英ルツボは、サセプターである黒鉛ルツボ内に収容され、この状態で素材が充填される。この充填された素材は、ヒーターによって加熱されるため、石英ルツボは、この加熱時に軟化し、黒鉛ルツボの内周面にフィットする。従って、石英ルツボの形状は、この段階で決まる。
黒鉛ルツボの形状は、加熱によってそれ程変形しないため、黒鉛ルツボの内周形状が一定であれば、石英ルツボの外縁形状も一定になる。従って、外縁形状に関しては、引き上げバッチことのバラツキが問題になることはないと考えられる。これに対し、石英ルツボの内周形状は、該石英ルツボの肉厚によって決まるため、バラツキが生じ易い。石英ルツボの肉厚のバラツキは、製造過程で必然的に生じるものであるため、全ての石英ルツボの肉厚を一定にすることは困難である。このような石英ルツボの内周形状のバラツキは、次のような問題を引き起こすと考えられる。
液位一定制御の基本処理である比率演算は、メルトの表面が位置した部分のルツボの内径(以下、「ルツボ内径CI」という)を演算パラメータとして用いるため、比率演算を正確に行うためには、メルト表面の径を正確に把握する必要がある。
しかし、メルト表面の径を光学的手法等で測定することは困難であるため、ルツボ内径CIは、一般に、メルト表面の位置の変化量(以下、「液位MP」という)を測定し、この測定した値と石英ルツボ充填時の初期深さ(以下、「メルト初期深さMD0」という)との加算値から、ルツボを上昇させた高さ(以下、「ルツボ上昇高さCLH」という)を減じて、メルト深さMDを算出し、このメルト深さMDを石英ルツボの形状に当てはめて求められる。
このため、引き上げバッチごとに石英ルツボの内周形状が異なると、上記のようにして求められたルツボ内径CIに誤差が生じることになる。反面、各バッチごとに使用される石英ルツボ、即ち、使用ルツボの個々の形状、特に軟化後の形状を測定することは事実上困難であり、また、煩雑でもある。
従って、引き上げバッチごとの誤差成分を別の観点から捉える必要がある。このように考えた本発明者が個々の使用ルツボの違いを調べた結果、各使用ルツボの重量に±15%程度のバラツキがあることが明らかになった。
この±15%程度の重量のバラツキは、各使用ルツボの肉厚のバラツキに起因または誘起するものと考えられる。そこで、本発明者は、この重量のバラツキを利用して、各使用ルツボの形状を捉えるという観点から創作行為を繰り返し、引き上げバッチごとのバラツキ防止に有効な構成を想到した。以下、この特徴ある新規な構成を詳細に説明する。
(発明の形態)
以下、図1乃至図5を使用して、本発明の構成を説明する。図1は、標準ルツボの形状を示す斜視図である。同図に示すように、標準ルツボ200は、tsの肉厚とSの表面積を有する石英ルツボである。尚、以下の説明では、メルトが収容される内周面の表面積をSとして説明するが、標準ルツボ200の外壁の表面積をSとしてもよい。
以下、図1乃至図5を使用して、本発明の構成を説明する。図1は、標準ルツボの形状を示す斜視図である。同図に示すように、標準ルツボ200は、tsの肉厚とSの表面積を有する石英ルツボである。尚、以下の説明では、メルトが収容される内周面の表面積をSとして説明するが、標準ルツボ200の外壁の表面積をSとしてもよい。
この標準ルツボ200は、前述したように、例えば、設計図に示されたような典型的な形状を有するルツボを意味する。従って、この標準ルツボ200の肉厚tsおよび表面積Sは、当該設計図から設計上のデータとして求めることができる。尚、標準ルツボ200は、このような設計上のものに限定されるものではなく、実際に製造された一のルツボを標準ルツボ200としてもよい。
図2は、使用ルツボの形状を示す斜視図である。前述したように、引き上げ開始時の石英ルツボは、軟化して黒鉛ルツボの内周面にフィットした状態であるため、その外縁形状は一定と考えることができる。しかし、同図に示すように、使用ルツボ202は、tcの肉厚を有し、標準ルツボ200との間にはΔtの肉厚差がある。この肉厚差Δtは、主に、製造誤差によって発生し、石英ルツボの厚さは、一般に、ルツボの壁面に沿って不均一である。従って、この肉厚差Δtを正確に測定することは困難である。結晶体の製造時には、この使用ルツボ202にメルト12が収容される。
図3は、図1に示した標準ルツボ200の形状データの作成概念を示す概念図である。同図に示すように、まず、標準ルツボ200の内周形状を複数の形状データP[n]で近似する。この形状データの基になる曲線x=f(y)は、標準ルツボ200の中心断面とする。各形状データP[n]は、直交座標系で表現された座標データであり、各データ点の末尾に付した[n]の記号は、各データの識別子を意味する。
次に、標準ルツボ200の重量(以下、「標準ルツボ重量WS」という)を測定し、これを記憶しておく。ここまでの工程は、少なくとも一度行っておけばよく、引き上げバッチごとに行う必要はない。
次に、結晶体の引き上げ前に、使用ルツボ202の重量(以下、「使用ルツボ重量WC」という)を測定し、標準ルツボ重量WSと使用ルツボ重量WCの重量差ΔWを算出する。この重量差ΔWが引き上げバッチごとの誤差成分を示すパラメータとなる。重量差ΔWの算出は、[式1]
上式を用いて行えばよい。
上式を用いて行えばよい。
続いて、上記算出した重量差ΔWを肉厚差Δtに変換する。肉厚差Δtへの変換は、標準ルツボ200または使用ルツボ202の密度(石英ガラスの場合2.2)と気泡率kを用いて行うことができる。気泡率kは石英ルツボの製造方法に依存するバラメータであり、製造方法に合わせて決定する。
重量差ΔWの肉厚差Δtへの変換は、[式2]
ここで:Δt=標準ルツボと使用ルツボの肉厚差;ΔW=標準ルツボと使用ルツボの重量差;S=標準ルツボの表面積;ρ=標準ルツボの密度;k=気泡率;上式を用いて行えばよい。尚、気泡率kがわからない場合には、気泡率k=0と仮定すればよい。あるいは、上式中のρ(1−k)を石英ルツボのカサ密度としてもよい。
ここで:Δt=標準ルツボと使用ルツボの肉厚差;ΔW=標準ルツボと使用ルツボの重量差;S=標準ルツボの表面積;ρ=標準ルツボの密度;k=気泡率;上式を用いて行えばよい。尚、気泡率kがわからない場合には、気泡率k=0と仮定すればよい。あるいは、上式中のρ(1−k)を石英ルツボのカサ密度としてもよい。
上式による変換は、重量差ΔWが発生する原因を肉厚差Δtの合計として捉えたものである。即ち、肉厚差Δtがルツボの壁面に沿って均一に発生しているものと仮定した場合の概算値である。これにより、重量差ΔWという物理量が肉厚差Δtという座標情報に変換されるため、形状データの補正に利用できる状態となる。
図4は、図3に示した形状データP[n]のシフト概念を示す概念図である。同図に示すように、肉厚差Δtの概算後、図3に示した形状データP[n]を法線方向に該肉厚差Δt分だけシフトして、これを補正データP’[n]とする。
各データ点の法線方向は、同図に示すように、曲線x=f(y)の接線と直交する方向である。各データ点における接線は、曲線x=f(y)の微分によって求めることができる。従って、スカラ量Δtを有し、当該接線と直交する方向に向くベクトルをX成分とY成分に分解して、形状データP[n]のX座標およびY座標にそれぞれ加算すれば、補正データP’[n]を求めることができる。
形状データP[n]のシフト方向は、式2の算出結果がプラス、即ち、標準ルツボ200の肉厚の方が使用ルツボ202の肉厚よりも大きいの場合には(ts>tc)、同図に示す方向となり、式2の算出結果がマイナス、即ち、標準ルツボ200の肉厚の方が使用ルツボ202の肉厚よりも小さい場合には(ts<tc)、同図に示す方向と逆の方向になる。
図5は、形状データP[n]をシフトして得られた補正データP’[n]によって表されるルツボの形状を示す概念図である。同図に示すように、使用ルツボ202の形状は、補正データP’[n]の集合によって近似的に表現され、これらの補正データP’[n]で構成される近似曲線は、x=f’(y)となる。このような近似曲線を導出しておけば、引き上げ時のメルト12の挙動が容易に把握できる。
即ち、同図に示すように、使用ルツボ202内のメルト12の深さ(以下、「メルト深さMD」という)は、曲線x=f’(y)のY座標に相当するため、例えば、前述した方法等によって検出したメルト深さMDをこの曲線の変数yに代入すれば、当該使用ルツボ202のルツボ内径CIが求まる。
尚、P[0]=(0,0)とした場合には、上記補正処理によってP’[0]=(0,−Δt)となり、補正後の基準点がΔtずれることになる。補正後の基準点P’[0]を(0,0)に設定したい場合には、全ての補正データP’[n]のY座標にΔtを加算すればよい。
以上説明したように構成される本発明によれば、引き上げバッチごとの誤差を示す重量差ΔWというパラメータを利用して、形状データP[n]が補正されるため、石英ルツボの形状バラツキが吸収され、各バッチ間の制御性向上が期待できる。
(要約)
標準ルツボと使用ルツボの重量差ΔWに基づいて、両者の肉厚差Δtを概算し、この肉厚差Δt分だけルツボの形状データP[n]をシフトして、補正データP’[n]を作成する。そして、この作成した補正データP’[n]を使用して結晶体の引き上げを行う(図4参照)。
標準ルツボと使用ルツボの重量差ΔWに基づいて、両者の肉厚差Δtを概算し、この肉厚差Δt分だけルツボの形状データP[n]をシフトして、補正データP’[n]を作成する。そして、この作成した補正データP’[n]を使用して結晶体の引き上げを行う(図4参照)。
(好適な実施例)
重量差ΔWを利用して肉厚差Δtを求めるという前述した技術思想は、引き上げバッチごとに石英ルツボが交換される結晶体の製造において、非常に有用な考え方である。ここでは、この特徴ある技術思想を産業上好ましいと思われる態様で具現化した例を示す。尚、前述した構成要素のうち、特に説明を加える必要がないと思われるものについては、同一名称および同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施例は、本発明の一具現化例であり、本発明を限定するものではない。
重量差ΔWを利用して肉厚差Δtを求めるという前述した技術思想は、引き上げバッチごとに石英ルツボが交換される結晶体の製造において、非常に有用な考え方である。ここでは、この特徴ある技術思想を産業上好ましいと思われる態様で具現化した例を示す。尚、前述した構成要素のうち、特に説明を加える必要がないと思われるものについては、同一名称および同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施例は、本発明の一具現化例であり、本発明を限定するものではない。
図6は、形状データP[n]の格納例を示す概念図である。同図に示すように、標準ルツボ200の形状から求めた形状データP[n]は、X座標およびY座標からなる直交座標系の座標データとして格納する。同図に示すように、データ点P[n]は、該データ点のX座標を示すX[n]とY座標を示すY[n]とで構成される。
図7は、標準ルツボ200の内周面の表面積を算出する方法を示す平面図である。同図に示すように、標準ルツボ200の表面積Sは、形状データP[n]で区分された複数面の合計値として求める。即ち、P[n−1]点とP[n]点との間に位置する各領域の面積S[n]は、i=1、2≦i<n、i=n+1の場合についてそれぞれ、[式3]
ここで:X[i]=データ点P[i]のX座標;Y[i]=データ点P[n]のY座標;[式4]
[式5]
上記各式を実行して求める。
ここで:X[i]=データ点P[i]のX座標;Y[i]=データ点P[n]のY座標;[式4]
[式5]
上記各式を実行して求める。
そして、前述した式2の実行後、上記式6を実行して得られた表面積Sを前述した式3に代入して、肉厚差Δtを算出する。
図8は、図6に示した形状データP[n]の補正方法を示す概念図である。同図に示すように、まず、形状データP[n]中の隣接点P[n−1]とP[n]とを結ぶ直線の傾き(以下、「区間傾きa[n]」という)を各データ点について算出する。この区間傾きa[n]は、[式7]
ここで:Y[n]=データ点P[n]のY座標;Y[n−1]=データ点P[n−1]のY座標;X[n]=データ点P[n]のX座標;X[n−1]=データ点P[n−1]のX座標;上式を実行して算出する。
ここで:Y[n]=データ点P[n]のY座標;Y[n−1]=データ点P[n−1]のY座標;X[n]=データ点P[n]のX座標;X[n−1]=データ点P[n−1]のX座標;上式を実行して算出する。
続いて、肉厚差Δtをスカラ量として有し平均傾きa’[n]と垂直方向に向くベクトルをX成分とY成分に分解する。当該ベクトルのX成分は同図中のΔXで示した成分あり、Y成分はΔYで示した成分である。これらΔXおよびΔYは、各データ点について存在し、n番目のデータに関する成分をΔX[n]およびΔY[n]と表記する。
ここで注目すべきは、ルツボの底面を示すデータ点P[0]とルツボの壁面が垂直になっている部分のデータ点についてである。即ち、ルツボの底面を示すデータ点P[0]の接線は、傾きが0°であるため、補正データP’[n]は、Y座標にΔtシフトし、X座標にはシフトしない。一方、ルツボの壁面が垂直になっている部分のデータ点の接線は、傾きが90°であるため、当該部分の補正データP’[n]は、X座標にΔtシフトし、Y座標にはシフトしない。
これは、ルツボの底面に近づくに従って肉厚差が該ルツボの深さに影響し、ルツボの開口部に近づくに従って肉厚差が該ルツボの内径に影響することを示す。本発明では、各データ点のシフト方向を該各データ点の法線方向とすることで、肉厚差がルツボの深さおよび内径に与える影響が実質的に補正される。
図9は、補正データP’[n]の格納例を示す概念図である。同図に示すように、形状データP[n]をシフトして得られた補正データP’[n]は、X座標およびY座標からなる直交座標系の座標データ(X’[n],Y’[n])として格納される。結晶体の引き上げ時には、この同図に示すように格納された座標データが使用される。以下、このように補正されたデータが実際の引き上げ時にどのように使用されるかを説明する。
図10は、本発明の好適な実施例に係る結晶体の製造装置の構成を示す一部断面図である。以下、同図に基づいて、該結晶体製造装置の構成を説明する。尚、以下の説明において、信号名の後ろに付加した<>は、物理量の単位を示すものとする。
主制御部30は、シード制御部32と、ルツボ制御部48と、ヒーター制御部34とを駆使して、結晶成長直径GDとシード上昇速度SLの2値制御を実行する。この主制御部30は、該2値制御を達成するために、シード上昇速度SLと、ルツボの上昇速度と、ヒーターの温度を決定し、該決定した値をシード制御部32と、ルツボ制御部48と、ヒーター制御部34にそれぞれ出力する。さらに、この主制御部30は、メルト12の液位を一定にするために、結晶体10の成長に伴って、ルツボ14を所定の比率で上昇させる液位一定制御を行う。この液位一定制御により、シード18の上昇高さと結晶成長長さGLが等しいものとして扱うことができる。
シード制御部32は、シード18の昇降および回転に関する制御機構と結晶成長重量GWを測定する重量センサ26を有し(図11参照)、主制御部30が決定したシード上昇速度SLでシード18を上昇させる。
ルツボ制御部48は、ルツボ14の昇降および回転に関する制御機構を有し(図11参照)、主制御部30が決定した速度でルツボ14を上昇させる。
ヒーター制御部34は、主制御部30の出力HPWR<volt>信号に基づいて、HCNT<W/h>信号を生成し、該生成した信号をヒーター16に出力する。その結果、ヒーター16は、HCNT<W/h>に応じて発熱し、ルツボ14に熱量が供給される。
液位センサ28は、メルト12の上方に配設され、液位MPを光学的に検出する。そして、該検出した値をMP<volt>信号として主制御部30に出力する。
保温筒40は、ヒーター16の外周に配設され、ヒーター16から放出された熱をその内側に保持し、ルツボ14への供熱効率を向上させる。
温度センサ42は、保温筒40の内部に配設され、保温筒40周辺温度を検出する。そして、該検出した温度をTMP<volt>信号として主制御部30に出力する。尚、この温度センサ42に代えて、保温筒40の周辺に放射温度計を配設し、保温筒40の内側を構成するシールド材の温度を測定してもよい。
チャンバー38は、結晶体10と、ルツボ14やヒーター16等のホットゾーン部品をその内部に気密収容する。このチャンバー38内には、アルゴンガスが供給される。
ルツボシャフト46は、ルツボ支持台44の下面に固定され、ルツボ制御部48から供給された動力によって、昇降および回転する。ルツボ支持台44は、ルツボ14をその上面に載置し、ルツボシャフト46の上下動および回転に追従して移動する。その結果、ルツボ14が昇降および回転する。
図11は、図10に示したシード制御部32とルツボ制御部48の構成を示すブロック図である。以下、同図に基づいて、シード制御部32とルツボ制御部48の構成を説明する。
第1モーターアンプ54−1は、主制御部30の出力SL<volt>信号を設定信号として受け取り、第1ギア52−1の回転速度を参照しながらモーター駆動電力SCNT<volt>を生成する。そして、該生成した信号を第1モーター50−1に出力する。
第1モーター50−1は、第1モーターアンプ54−1の出力SCNTに応じて第1ギア52−1を回転させる。その結果、ワイヤードラム24が回転して、ワイヤー22が巻き取られ、シード18が上昇する。尚、シード18を下降させる場合には、第1モーター50−1を逆回転させる。
第1ロータリーエンコーダ56−1は、第1ギア52−1の回転速度をパルス信号に変換して、第1パルスカウンタ58−1に出力する。第1パルスカウンタ58−1は、第1ロータリーエンコーダ56−1から受信したパルス信号を計数し、この計数した結果をSLH信号(シード上昇高さ)として主制御部30に出力する。尚、シード18が下降しているときは、第1パルスカウンタ58−1の計数値がデクリメントされる。
シード制御部32内には、同図に示した構成の他、シード18を回転させる構成が設けられる。この構成は、上述したシード18を上昇させる構成に準ずるものであり、ここでは説明を省略する。
第2モーターアンプ54−2は、主制御部30の出力CL<volt>信号を設定信号として受け取り、第2ギア52−2の回転速度を参照しながらモーター駆動電力CCNT<volt>を生成する。そして、該生成した信号を第2モーター50−2に出力する。
第2モーター50−2は、第2モーターアンプ54−2の出力CCNTに応じて第2ギア52−2を回転させる。その結果、ルツボシャフト46が上方向に移動して、ルツボ14が上昇する。尚、ルツボ14を下降させる場合には、第2モーター50−2を逆回転させる。
第2ロータリーエンコーダ56−2は、第2ギア52−2の回転速度をパルス信号に変換して、第2パルスカウンタ58−2に出力する。第2パルスカウンタ58−2は、第2ロータリーエンコーダ56−2から受信したパルス信号を計数し、この計数した結果をCLH信号(ルツボ上昇高さ)として主制御部30に出力する。尚、ルツボ14が下降しているときは、第2パルスカウンタ58−2の計数値がデクリメントされる。
ルツボ制御部48内には、同図に示した構成の他、ルツボ14を回転させる構成が設けられる。この構成は、上述したルツボ14を上昇させる構成に準ずるものであり、ここでは説明を省略する。
図12は、図10に示したヒーター制御部34の構成を示すブロック図である。同図に示すように、ヒーター制御部34は、サイリスタと電力センサを用いたフィードバック制御系で構成される。このような構成は、周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
図13は、図10に示した主制御部30の第1ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図を用いて、該第1ブロックの構成を説明する。尚、以下の説明では、伝達関数に含まれるパラメータを次のように統一して使用する。
KV=速度変換定数、KT=温度変換定数、TDV=速度制御系微分時間、TDT=温度制御系微分時間、TIV=速度制御系積分時間、TIT=温度制御系積分時間、αV=速度制御系微分係数、αT=温度制御系微分係数、PV=速度制御系比例ゲイン、PT=温度制御系比例ゲイン。
第1アンプ66−1は、デジタル入力信号SLHをSLH<mm>に変換し、このSLH<mm>を結晶成長長さGL<mm>として、第1演算実行部68−1と、目標直径決定部78と、図15に示す目標速度決定部80に出力する。尚、上記第1アンプ66−1の後段は、ソフトウェアで構成する。
目標直径決定部78は、結晶成長長さGLに対応する目標直径をプログラムパターンとして予め記憶し、GL<mm>を該プログラムパターンに当てはめて、該当する目標直径を決定する。そして、該決定した値をGD(GL)<mm>として第1演算実行部68−1と、図15に示す第4演算実行部68−4に出力する。
第1演算実行部68−1は、[式13]
ここで:Dcrystal=結晶体10の比重;π=円周率;GL=結晶成長長さ;GD(GL)=目標直径;上記演算を実行して、前記目標直径に対応する目標重量を予測する。そして、該予測した重量GPW<g>を第2減算器70−2に出力する。
ここで:Dcrystal=結晶体10の比重;π=円周率;GL=結晶成長長さ;GD(GL)=目標直径;上記演算を実行して、前記目標直径に対応する目標重量を予測する。そして、該予測した重量GPW<g>を第2減算器70−2に出力する。
第3アンプ66−3は、アナログ入力信号GW<volt>をGW<g>に変換し、該GW<g>を第2減算器70−2に出力する。この第3アンプ66−3の後段は、ソフトウェアで構成する。
第2減算器70−2は、GPW<g>とGW<g>の差をとって、重量偏差GWD<g>を生成し、該生成した値をD型速度操作アンプ72と、PID型温度操作アンプ74に出力する。
図14は、図10に示した主制御部30の第2ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図を用いて、該第2ブロックの構成を説明する。
第2アンプ66−2は、デジタル入力信号CLHをCLH<mm>に変換し、このCLH<mm>を第3減算器70−3に出力する。尚、この第2アンプ66−2の後段は、ソフトウェアで構成する。
第7アンプ66−7は、図10に示した液位センサ28のアナログ出力MP<volt>をMP<mm>に変換し、該MP<mm>を第3減算器70−3に出力する。この第7アンプ66−7の後段は、ソフトウェアで構成する。
第3減算器70−3は、MD0とMP<mm>の加算値からCLH<mm>を減じて、メルト深さMD<mm>を生成する。そして、該生成した値を図15に示す第2演算実行部68−2に出力する。
第3減算器70−3は、MD0とMP<mm>の加算値からCLH<mm>を減じて、メルト深さMD<mm>を生成する。そして、該生成した値を図15に示す第2演算実行部68−2に出力する。
図15は、図10に示した主制御部30の第3ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図を用いて、該第3ブロックの構成を説明する。
目標速度決定部80は、結晶成長長さGLに対応する目標速度をプログラムパターンとして予め記憶し、GL<mm>を該プログラムパターンに当てはめて、該当する目標速度を決定する。そして、該決定した値をSL(GL)<mm>として第4減算器70−4に出力する。このSL(GL)<mm/min>が結晶成長速度GRの目標値となる。
第4減算器70−4は、SL(GL)<mm/min>とSLC<mm/min>との差をとって、その結果を第4アンプ66−4と第4演算実行部68−4に出力する。
第4アンプ66−4は、上記第4減算器70−4の出力をアナログ信号SL<volt>に変換し、図11に示す第1モーターアンプ54−1に出力する。この第4アンプ66−4の後段は、ハードウェアで構成する。
第2演算実行部68−2は、図9に示す値を格納したルツボ形状テーブル82を参照しながら、以下に示す手順で入力されたメルト深さMDに対応するルツボ内径CIを算出する。
(1)図14に示した第3減算器70−3が出力したメルト深さMDを検索キーとして、ルツボ形状テーブル82から以下の条件を満たすデータ点n−1とnとを検索する。
Y’[n−1]≦MD<Y[n]
ここで:Y[n−1]=データ点n−1におけるルツボ深さ;MD=第3減算器70−3が出力したメルト深さ;Y[n]=データ点nにおけるルツボ深さ(2)上記検索の結果得られたデータ点n−1およびnの値を用いて、[式16]
上式を実行し、得られたCI<mm>を第4演算実行部68−4に出力する。
ここで:Y[n−1]=データ点n−1におけるルツボ深さ;MD=第3減算器70−3が出力したメルト深さ;Y[n]=データ点nにおけるルツボ深さ(2)上記検索の結果得られたデータ点n−1およびnの値を用いて、[式16]
上式を実行し、得られたCI<mm>を第4演算実行部68−4に出力する。
第3演算実行部68−3は、[式17]
ここで:W0=初期チャージ重量;MD0=メルト初期深さ;CI(y)=ルツボの深さyに対応したルツボ内径;上式を実行して得られたMD0<mm>を図14に示す第3減算器70−3に出力する。このメルト初期深さMD0は、引き上げ開始時に算出して記憶しておき、後は、この記憶した値を使用する。
ここで:W0=初期チャージ重量;MD0=メルト初期深さ;CI(y)=ルツボの深さyに対応したルツボ内径;上式を実行して得られたMD0<mm>を図14に示す第3減算器70−3に出力する。このメルト初期深さMD0は、引き上げ開始時に算出して記憶しておき、後は、この記憶した値を使用する。
第4演算実行部68−4は、[式18]
ここで:Dcrystal=結晶体10の比重;GD(GL)=目標直径;Dmelt=メルト12の比重;CI(MD)=メルト12の液面が接触した部分のルツボ14の直径;SL(GL)=目標速度決定部80が出力した結晶成長速度;SLC=重量偏差に基づく操作量;上記比率演算を実行して、その結果を第5アンプ66−5に出力する。
ここで:Dcrystal=結晶体10の比重;GD(GL)=目標直径;Dmelt=メルト12の比重;CI(MD)=メルト12の液面が接触した部分のルツボ14の直径;SL(GL)=目標速度決定部80が出力した結晶成長速度;SLC=重量偏差に基づく操作量;上記比率演算を実行して、その結果を第5アンプ66−5に出力する。
第5アンプ66−5は、CL<mm/min>をアナログ信号CL<volt>に変換し、図11に示す第2モーターアンプ54−2に出力する。この第5アンプ66−5の後段は、ハードウェアで構成する。
図16は、図10に示した主制御部30の第4ブロックの構成を示すブロック図である。以下、同図を用いて、この第4ブロックの構成を説明する。
第5減算器70−5は、ヒーター16の設定温度Tset<℃>とTC<℃>との差をとって、ヒーター温度HT<℃>を生成する。そして、該生成した値を第6アンプ66−6に出力する。
第6アンプ66−6は、HT<℃>をアナログ信号HT<volt>に変換し、第6減算器70−6に出力する。この第6アンプ66−6の後段は、ハードウェアで構成する。
第6減算器70−6は、HT<volt>信号と温度センサ42の出力TMP<volt>との差をとって、温度偏差HTD<volt>を生成する。そして、該生成した信号をPID型温度制御アンプ84に出力する。
以上の構成により、液位一定制御が安定し、結晶体の製造が好適に行われる。尚、上述した実施例は、液位一定制御を行う場合の例であるが、本発明は、液位を移動させる場合にも適用でき、同様の効果が期待できることは言うまでもない。また、本発明は、実際のチャージ重量をデータ化する技術やワイヤーの伸びを補正する技術と組み合わせることにより、より好適な結晶体の製造が期待できる。
以上説明したように、本発明によれば、引き上げバッチごとのバラツキ防止に有効な結晶体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、引き上げバッチごとの誤差を示す重量差ΔWというパラメータを利用して、形状データP[n]が補正されるため、石英ルツボの形状バラツキが吸収され、各バッチ間の制御性向上が期待できる。
10…結晶体、12…メルト、14…ルツボ、16…ヒーター、18…シード、20…シードチャック、22…ワイヤー、24…ワイヤードラム、26…重量センサ、28…液位センサ、30…主制御部、32…シード制御部、34…ヒーター制御部、38…チャンバー、40…保温筒、42…温度センサ、44…ルツボ支持台、46…ルツボシャフト、48…ルツボ制御部、50−1…第1モーター、50−2…第2モーター、52−1…第1ギア、52−2…第2ギア、54−1…第1モーターアンプ、54−2…第2モーターアンプ、56−1…第1ロータリーエンコーダ、56−2…第2ロータリーエンコーダ、58−1…第1パルスカウンタ、58−2…第2パルスカウンタ、60…サイリスタコントローラ、62…交流直流変換器、64…電力センサ、66−1…第1アンプ、66−2…第2アンプ、66−3…第3アンプ、66−4…第4アンプ、66−5…第5アンプ、66−6…第6アンプ、66−7…第7アンプ、68−1…第1演算実行部、68−2…第2演算実行部、68−3…第3演算実行部、68−4…第4演算実行部、70−2…第2減算器、70−3…第3減算器、70−4…第4減算器、70−5…第5減算器、70−6…第6減算器、72…D型速度操作アンプ、74…PID型温度操作アンプ、78…目標直径決定部、80…目標速度決定部、82…ルツボ形状テーブル、84…PID型温度制御アンプ、86…PD型速度操作アンプ、88…I型温度操作アンプ、100…結晶成長速度決定部、102…比率演算部、104…液位移動速度加算部、106…液位変動量検出部、108…速度変換部、200…標準ルツボ、202…使用ルツボ、a[n]…区間傾き、a’[n]…平均傾き、CI…ルツボ内径、CL…ルツボ上昇速度、CLH…ルツボ上昇高さ、GD…結晶成長直径、GL…結晶成長長さ、GR…結晶成長速度、GW…結晶成長重量、GWD…重量偏差、MD…メルト深さ、MD0…メルト初期深さ、MP…液位、P[n]…形状データ、P’[n]…補正データ、SL…シード上昇速度、SLH…シード上昇高さ、Δt…肉厚差、ΔW…重量差、WC…使用ルツボ重量、WS…標準ルツボ重量、
Claims (7)
- 黒鉛ルツボ内に収容された石英ルツボに充填されたメルトから結晶体を成長させるCZ法で結晶体を製造する方法において、
初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さと、メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定した液位変化量と、ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さとを用いて、ルツボ内のメルト深さを算出する工程を持つことを特徴とする結晶体の製造方法。 - 請求項1記載のルツボ内のメルト深さは、
MD=MP+MD0−CLH
ここで:MD=メルト深さ、CLH=ルツボ上昇高さ、MD0=初期メルト深さ、MP=液位変化量
であることを特徴とする結晶体の製造方法。 - メルト深さを石英ルツボ形状データにあてはめてルツボ内径を算出する工程を含むことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の結晶体の製造方法。
- 前記ルツボ内径を用いてルツボ比率演算をおこなう工程を含むことを特徴とする請求項1から3に記載の結晶体の製造方法。
- 石英ルツボ形状データとメルト深さから石英ルツボとメルトが接触する面積を求める工程と、
ルツボ内径と結晶直径からメルト表面積を求める工程と
石英ルツボとメルトが接触する面積とメルト表面積を用いて下記a〜bのうちの少なくとも1つの条件を決定することを特徴とする請求項1から3に記載の結晶体の製造方法。
a)ルツボ回転数条件
b)シード回転数条件 - 石英ルツボ形状データとメルト深さから石英ルツボ内の残メルト量を求める工程と、
残メルト量とルツボ回転数条件とシード回転数条件とを用いて下記c〜dのうち少なくとも1つの条件を決定することを特徴とする請求項1から5に記載の結晶体の製造方法。
c)結晶成長速度条件
d)液位移動条件 - 黒鉛ルツボ内に収容された石英ルツボに充填されたメルトから結晶体を成長させるCZ法で結晶体を製造する結晶体の製造装置において、
初期チャージ重量と石英ルツボ形状データとに応じて演算された石英ルツボに充填された初期のメルト深さである初期メルト深さを算出するメルト深さ算出手段と、
メルトセンサでメルト表面の位置の変化量を測定し液位変化量を算出する液位変化量算出手段と、
ルツボ軸の動いた距離であるルツボ上昇高さを算出するルツボ上昇高さ算出手段と、
メルト深さ算出手段が算出したメルト深さと
液位変化量を算出手段が算出した液位変化量と
ルツボ上昇高さ算出手段が算出したルツボ上昇高さとを用いてルツボ内のメルト深さを算出するメルト深さ算出手段を具備することを特徴とする結晶体の製造装置。
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