JP2010105303A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の画像を記録する場合の主走査回数を減らし、その所定の画像を記録する場合のスループットを向上させることができる画像記録装置を提供すること。
【解決手段】印刷すべき画像群(図中9ライン分の画像)の副走査方向の幅が、印刷ヘッドHEのノズル幅Hを超えていれば、記録媒体を間欠的に搬送距離d2で搬送させながら画像群を印刷し、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下であれば、記録媒体を間欠的に搬送距離d2よりも小さい搬送距離d1で搬送させながら画像群を印刷する。これにより、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下の画像群を印刷する場合には、搬送距離d2で搬送させながら印刷する場合よりも(図中左側の参照)、搬送距離d1で搬送させながら印刷する方が(図中右側参照)、主走査回数を少なくすることができ、その画像群を印刷する場合のスループットを向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像記録装置に関するものである。
従来より、記録媒体に画像を記録する画像記録装置としてインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、記録ヘッドに複数のノズルを副走査方向に所定のピッチで配列し、そのノズルから記録媒体にインクを吐出しながら記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に往復動する主走査と、記録媒体を記録ヘッドに対して一方向に相対的に移動する副走査とを繰り返しながら画像を記録媒体に記録するものであり、その記録方式の一つとしてインターレース記録方式が知られている。
このインターレース記録方式に関し、次の特許文献1には、インターレース記録方式とは、ヘッド面に副走査方向に沿って、多数のインクジェットノズルが配列された記録ヘッドにより、1回の主走査方向への走査で、同一色の多数の主走査ラインを同時に記録する記録方式において、隣接するラインは、異なる走査時に、異なるインクジェットノズルにより記録され、これにより個々のインクジェットノズルの特性、およびピッチのばらつきを目立たなくさせることで、質の高い記録を行う記録方式であると記載されている。
特開2002−337324(段落第「0003」)
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているインターレース記録方式では、副走査方向に隣接するラインは、異なる走査時に、異なるインクジェットノズルにより記録するものなので、所定の画像(副走査方向における全長が記録ヘッドに配列されているインクジェットノズルの副走査方向における全長以下である画像)を記録する場合については、主走査回数が多くなり、その所定の画像を記録する場合、スループット性に劣るという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、所定の画像を記録する場合の主走査回数を減らし、その所定の画像を記録する場合のスループットを向上させることができる画像記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の画像記録装置は、副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録するものであって、前記副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する判断手段と、その判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、前記判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えている。
請求項2記載の画像記録装置は、副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録するものであって、前記副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、一の前記一群の画像から、その一の前記一群の画像よりも副走査方向上流側に記録される他の前記一群の画像までの副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する判断手段と、その判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、前記判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えている。
請求項3記載の画像記録装置は、請求項1又は2に記載の画像記録装置において、副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録するものであって、前記副走査方向において所定の長さを超えて延びる空白領域が存在するかを判断する第1判断手段と、その第1判断手段によって存在すると判断された場合に、その空白領域よりも副走査方向下流側に記録される画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する第2判断手段と、その第2判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、前記第2判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えている。
請求項4記載の画像記録装置は、請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記記録手段は、主走査方向に往復移動可能に構成されている。
請求項5記載の画像記録装置は、請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置において、前記ドットは、記録媒体に向けてインクを吐出するノズルである。
請求項1記載の画像記録装置によれば、副走査方向に記録手段に配列されているドットの所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する場合には、副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断手段によって判断する。その結果、一群の画像の全長が、ドットの全長以下でないと判断された場合、第1制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、記録手段によって前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して一群の画像を記録する。一方、一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合、第2制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する。このように、一群の画像の全長がドットの全長以下である場合には、その一群の画像を第1制御手段によって記録するよりも、第2制御手段によって記録する方が、記録手段による記録回数を少なくとも1回以上減らすことができ、その一群の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。また、第2制御手段によって記録する一群の画像の全長はドットの全長以下であるので、個々のドットに関し、特性、ピッチのばらつきがあったとしても、その影響が一群の画像内で繰り返し発生することはなく、その影響が目立つことはないので、かかる一群の画像を第2制御手段によって記録したとしても高品質な画像を記録することができるという効果がある。
請求項2記載の画像記録装置によれば、副走査方向に記録手段に配列されているドットの所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する場合には、副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、一の前記一群の画像から、その一の前記一群の画像よりも副走査方向上流側に記録される他の前記一群の画像までの副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断手段によって判断する。その結果、一群の画像の全長が、ドットの全長以下でないと判断された場合、第1制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、記録手段によって前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して一群の画像を記録する。一方、一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合、第2制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する。このように、一群の画像の全長がドットの全長以下である場合には、その一群の画像を第1制御手段によって記録するよりも、第2制御手段によって記録する方が、記録手段による記録回数を少なくとも1回以上減らすことができ、その一群の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。また、仮に、一の一群の画像と他の一群の画像との間に空白領域が存在していたとしても、その一の一群の画像と他の一群の画像とは、一群の画像として判断されるので、一の一群の画像と他の一群の画像とを別々に第2制御手段によって記録するよりも、更に、その一の一群の画像と他の一群の画像とからなる一群の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。また、第2制御手段によって記録する一群の画像の全長はドットの全長以下であるので、個々のドットに関し、特性、ピッチのばらつきがあったとしても、その影響が一群の画像内で繰り返し発生することはなく、その影響が目立つことはないので、かかる一群の画像を第2制御手段によって記録したとしても高品質な画像を記録することができるという効果がある。
請求項3記載の画像記録装置によれば、副走査方向に記録手段に配列されているドットの所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する場合には、副走査方向において所定の長さを超えて延びる空白領域が存在するかを第1判断手段によって判断し、空白領域が存在すると判断された場合、更に、その空白領域よりも副走査方向下流側に記録される画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを第2手段によって判断する。その結果、一群の画像の全長が、ドットの全長以下でないと判断された場合、第1制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、記録手段によって前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して一群の画像を記録する。一方、一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合、第2制御手段は、搬送手段によって記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する。このように、一群の画像の全長がドットの全長以下である場合には、その一群の画像を第1制御手段によって記録するよりも、第2制御手段によって記録する方が、記録手段による記録回数を少なくとも1回以上減らすことができ、その一群の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。また、仮に、一の一群の画像と他の一群の画像との間に空白領域が存在していたとしても、その空白領域の副走査方向の長さが所定の長さ以下であると第1判断手段によって判断された場合には、その一の一群の画像と他の一群の画像とは、一群の画像として判断されるので、一の一群の画像と他の一群の画像とを別々に第2制御手段によって記録するよりも、更に、その一の一群の画像と他の一群の画像とからなる一群の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。また、第2制御手段によって記録する一群の画像の全長はドットの全長以下であるので、個々のドットに関し、特性、ピッチのばらつきがあったとしても、その影響が一群の画像内で繰り返し発生することはなく、その影響が目立つことはないので、かかる一群の画像を第2制御手段によって記録したとしても高品質な画像を記録することができるという効果がある。
請求項4記載の画像記録装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置の奏する効果に加え、前記記録手段は、主走査方向に往復移動可能に構成されているので、記録手段が主走査方向に固定されている場合よりも、1回の主走査に要する時間が掛り、主走査回数を減らすことができることは、特に、有効であるという効果がある。
請求項5記載の画像記録装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置の奏する効果に加え、前記ドットは、記録媒体に向けてインクを吐出するノズルであるので、ノズルから吐出されるインク滴によって形成される画像を記録する場合のスループットを向上させることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像記録装置の一例である多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)10の外観斜視図である。MFP10は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種の機能を有している。
また、MFP10は、所定の画像を記録する場合の主走査回数を減らし、その所定の画像を記録する場合のスループットを向上させることができるものであり、2種類の異なるインターレース方式のうち、副走査方向の画像幅に応じて、いずれか一方の方式を採用して記録用紙に画像を印刷するように構成されている。詳細については後述するが、2種類のインターレース方式のうち、一方は、搬送距離d2ごとに記録用紙を搬送しながら画像を印刷する方式(以後、「均等送り方式」と称する)であり、他方は、搬送距離d2よりも距離が短い搬送距離d1ごとに記録用紙を搬送しながら画像を印刷する方式(以後、「微細送り方式」と称する)である。
本実施形態のMFP10は、印刷すべき画像群の画像の縦幅(副走査方向の幅)が、印刷ヘッドHEのノズル幅H(図2(a)参照)を超えていれば、その画像群を均等送り方式で印刷する一方、印刷すべき画像群の画像の縦幅が、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下であれば、その画像群を微細送り方式で印刷するものである。
MFP10には、主に、下部に設けられるプリンタ11と、上部に設けられるスキャナ12と、正面上部に設けられる操作パネル92とが設けられている。プリンタ11は、記録用紙に画像を印刷するインクジェット方式のプリンタで構成されており、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用して、カラー印刷を行うものである。
このプリンタ11は、記録用紙を搬送する記録用紙搬送用モータ(不図示)と、記録用紙へインクを吐出する印刷ヘッドHE(図2(a)参照)と、印刷ヘッドHEが搭載されるキャリッジ(不図示)と、キャリッジを主走査方向(図1のX方向)へ往復移動させるキャリッジモータ(不図示)とにより構成されている。
記録用紙に画像が印刷される場合には、まず、給紙トレイ20から記録用紙が給紙され、その給紙された記録用紙は、開口13の奥に向かって進み、下方から上方へUターンするように案内されてキャリッジに至る。そして、画像の印刷開始位置まで記録用紙が副走査方向(図1のY方向)に搬送されると共に、画像の印刷開始位置までキャリッジが主走査方向(図1のX方向)に移動させられる。その後、キャリッジの印刷ヘッドHEからインクが吐出されつつ、そのキャリッジが主走査方向に移動させられ、記録用紙における主走査方向に画像が印刷される。
そして、主走査方向の画像の印刷が終了したら、記録用紙が副走査方向(図1のY方向)に所定距離だけ搬送され、次の印刷開始位置までキャリッジが移動させられて、主走査方向に画像が印刷開始される。以後同様に、記録用紙の搬送、および、キャリッジの移動により記録用紙に画像が印刷され、画像が全て印刷されたら、画像の印刷された記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
また、上述した通り、このプリンタ11は、均等送り方式と、微細送り方式との2種類のインターレース方式のうち、副走査方向の画像幅に応じて、いずれか一方の方式を採用して記録用紙に画像を印刷するように構成されている。ここで、図2(a)を参照して、均等送り方式と、微細送り方式とについて説明する。図2(a)は、均等送り方式と、微細送り方式とにより印刷される画像の一例を示すイメージ図である。
まず始めに、プリンタ11の印刷ヘッドHEについて説明する。図2(a)に示すように、印刷ヘッドHEには、4色の各インクをそれぞれ吐出する4つのノズル(一組とする)が主走査方向に沿って設けられており、さらに、その4つ一組のノズルが副走査方向に沿って、所定のピッチで複数併設されている。なお、印刷ヘッドHEに併設されている各4つ一組のノズルには、印刷ヘッドHEの上端から下端に向かう(副走査方向)順に、ノズル番号(1、2、3、…)が付されているものとする。
そして、この副走査方向に複数併設されているノズルのうち、何れかの一組のノズルからインクを吐出しつつ、印刷ヘッドHEを主走査方向に搬送すると、主走査方向に1ライン分の画像が印刷される。例えば、図2(a)に示す印刷ヘッドHEでは、4つ一組のノズルが副走査方向に沿って、1ラインピッチで5個併設されているので、印刷ヘッドHEを主走査方向に1回走査させることにより、記録用紙上に最大5ライン分の画像を印刷できる。
また、記録用紙上に印刷すべき画像全体(画像データ)は、1ライン以上の画像で構成されているものとし、各ラインは、ライン上の少なくとも一部分にはインクを吐出するライン(以後、「画像ライン」と称する)、または、ライン上には全くインクを吐出しないライン(以後、「空白ライン」と称する)の何れか一方であるとする。そして、画像全体を構成する各ラインには、画像全体の上端から下端に向かう(副走査方向)順に、ライン番号(1、2、3、…)が付されているものとする。
次に、均等送り方式と、微細送り方式とについて説明する。上述した通り、均等送り方式は、搬送距離d2ごとに記録用紙を搬送しながら、主走査方向に印刷ヘッドHEを走査させて、記録用紙上に画像が印刷する方式である。
例えば、この搬送距離d2は、副走査方向に印刷する画像解像度R[line/inch]と、印刷ヘッドHEの副走査方向のノズル幅H[inch]と、印刷ヘッドHEのノズル密度D[line/inch]と、副走査方向に印刷可能な最大の画像解像度MR[line/inch]とに基づいて決定される。但し、印刷する画像解像度Rは、最大の画像解像度MR以下であるものとする。具体的には、搬送距離d2は、
繰り返し回数K[回]=印刷する画像解像度R[line/inch]÷ノズル密度D[line/inch]
搬送距離d2[line]=(ノズル幅H[inch]×最大の画像解像度MR[line/inch]÷繰り返し回数K)×1ライン分の搬送距離
と算出することができる。なお、繰り返し回数Kは、画像を印刷する場合に、同一領域内を何回印刷するか(何回走査するか)を示している。また、上述した搬送距離d2は一例であって、プリンタ11の仕様などに応じて適宜設定されるものである。
例えば、300[dpi]の画像を、ノズル密度Dが150[line/inch]の印刷ヘッドHEを用いて印刷する場合には、繰り返し回数が2回となる。つまり、150[line/inch]の画像を、同一領域内に2回重ねて印刷することで、300[dpi]の画像が印刷される。
また、均等送り方式では、同一領域内に複数回重ねて画像を印刷する場合、その同一領域内では、一度使用したノズルが重複して使用しないようにノズルを選択し、画像を印刷する。例えば、同一領域内において、まず、奇数のライン番号に対応する画像が、奇数のノズル番号に対応する各ノズルにより印刷され、次に、偶数のライン番号に対応する画像が、偶数のノズル番号に対応する各ノズルにより印刷される。
このように印刷することで、印刷ヘッドHEにおいて、ノズルのピッチやインク吐出特性などにバラツキがある場合でも、そのバラツキにより生じる画質の低下を分散させて、目立たないようにできる。よって、画質が局所的に低下することを抑制できるので、画像全体の画質を均等にでき、画像全体の品質を向上させることができる。
例えば、図2(a)に示す印刷ヘッドHEを用いて、9ライン分の画像を印刷する場合であれば、搬送距離d2ごとに、記録用紙を搬送しながら画像を印刷するので、少なくとも3回以上の印刷(走査)が必要となる。
一方、微細送り方式は、搬送距離d2よりも距離が短い搬送距離d1ごとに、記録用紙を搬送しながら、主走査方向に印刷ヘッドHEを走査させて、記録用紙上に画像を印刷する方式である。例えば、搬送距離d1は、
搬送距離d1=(最大の画像解像度MR[line/inch]÷印刷する画像解像度R[line/inch])×1ライン分の搬送距離
となる。なお、上述した搬送距離d1は一例であって、プリンタ11の仕様などに応じて適宜設定されるものである。
例えば、図2(a)に示す印刷ヘッドHEを用いて、9ライン分の画像を印刷する場合であれば、1ライン分ずつ(搬送距離d1ごとに)、記録用紙を搬送しながら画像を印刷するので、2回の走査で印刷が完了する。つまり、微細送り方式を用いて画像を印刷すれば、均等送り方式を用いる場合よりも、印刷回数(走査回数)を少なくでき、9ライン分の画像を印刷する場合のスループット性を向上させることができる。
また、微細送り方式は、均等送り方式と比較した場合に、記録用紙の搬送距離が短いので、印刷ヘッドHEにおいて、ノズルのピッチやインク吐出特性などにバラツキがあると、そのバラツキにより生じる画質の低下が分散されにくい。しかしながら、この微細送り方式は、印刷すべき画像群の画像の縦幅が、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下である場合、即ち、限られた狭い範囲内を印刷する場合にのみ用いられる。よって、そのバラツキにより画質が低下しても、印刷した画像群の周囲には比較対象となる画像が少ないので、画質が局所的に低下していても目立たず、画像全体の品質を維持できる。
ここで、図1の説明に戻る。プリンタ11の正面には、開口13が形成されており、この開口13から一部が露呈するようにして給紙トレイ20及び排紙トレイ21が上下2段に設けられている。給紙トレイ20は、印刷前の記録用紙を積載するためのものである。この給紙トレイ20に積載された記録用紙は、プリンタ11の内部へ給送され、所望の画像が印刷された後に排紙トレイ21へ排出されるようになっている。
スキャナ12は、いわゆるフラットベッドスキャナとして構成されている。原稿カバー30は、MFP10の天板として設けられており、その原稿カバー30の下には、図示しないプラテンガラスが配置されている。原稿は、プラテンガラス上に載置され、原稿カバー30に覆われた状態でスキャナ12に読み取られる。
操作パネル92は、プリンタ11やスキャナ12を操作するためのものであって、操作キー93と、LCD94とが主に設けられている。ユーザは、操作キー93の各種ボタンを操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、記録用紙の種類(普通紙又は葉書)の設定や、解像度(ドラフトモード又はフォトモード)の設定を、操作パネル92を介して指示することができる。
次に、図2(b)を参照して、MFP10の電気的構成について説明する。図2(b)は、MFP10の電気的構成を示すブロック図である。図2(b)に示すように、MFP10は、CPU88、ROM89、RAM90、操作キー93、LCD94、プリンタ11、及び、スキャナ12を主に有している。
CPU88、ROM89、及び、RAM90は、バスライン95を介して互いに接続されている。また、操作キー93、LCD94、プリンタ11、スキャナ12、及び、バスライン95は、入出力ポート96を介して互いに接続されている。
CPU88は、ROM89やRAM90に記憶される固定値やプログラムに従って、MFP10が有している各機能の制御や、入出力ポート96と接続された各部を制御するものである。ROM89は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。後述する図3のフローチャートに示すインターレース印刷処理、図4(a)のフローチャートに示す微細送り印刷処理、図4(b)のフローチャートに示す均等送り印刷処理を実行する各プログラムは、このROM89に格納されている。
また、ROM89には、許容空白ライン数メモリ89aと、微細送り閾値メモリ89bとが設けられている。許容空白ライン数メモリ89aは、画像データの画像全体を、複数の画像群に分ける場合の条件とする空白ラインのライン数が記憶されるメモリである。
詳細については後述するが、例えば、許容空白ライン数メモリ89aに「3」というライン数が記憶されている場合には、画像全体において、先頭ラインから最終ラインに向かって、4以上(3を超えて)連続して出現する空白ラインを一区切りとして画像を区切り、区切られた各領域内の画像(各ライン)を、それぞれ一つの画像群とする。
言い換えると、連続して出現する空白ラインのライン数が、許容空白ライン数メモリ89aの値以下であれば、その空白ラインを画像群の一部分とみなし、画像群は続いているものとする。
微細送り閾値メモリ89bは、印刷すべき画像群を印刷する場合に、微細送り方式を用いるか、均等送り方式を用いるかの判定基準に用いられるライン数が記憶されるメモリである。具体的には、ノズル幅H[inch]×最大の画像解像度MR[line/inch]より算出される値が、この微細送り閾値メモリ89bに記憶されている。
印刷すべき画像群の総ライン数が、微細送り閾値メモリ89bの値以下である場合には、印刷すべき画像群は、微細送り方式により印刷され、印刷すべき画像群の総ライン数が、微細送り閾値メモリ89bの値を超えている場合には、印刷すべき画像群は、微細送り方式により印刷される。
RAM90は、書換可能な揮発性のメモリであり、MFP10の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。例えば、画像の印刷要求がなされた場合に、その印刷要求がなされた画像の画像データなどが一時的に記憶される。
次に、図3を参照して、MFP10のCPU88により実行されるインターレース印刷処理について説明する。図3は、MFP10のインターレース印刷処理を示すフローチャートである。
このインターレース印刷処理は、特に、画像全体を印刷する場合に、印刷する画像群の画像の縦幅(副走査方向の幅)に応じて、その画像群を微細送り方式または均等送り方式で印刷するための処理である。また、このインターレース印刷処理は、例えば、ユーザやパーソナルコンピュータから画像の印刷要求が入力された場合に実行される処理である。
インターレース印刷処理は、まず、記録用紙を1枚取り込み(S1)、変数COMPに0を設定して初期化する(S2)。次に、変数Nに1を設定し、変数Mに0を設定して各変数N,Mを初期化する(S3)。
詳細については後述するが、変数COMPには、画像全体の各ラインのうち、印刷を終了したライン番号の最大値が設定される。即ち、1ライン目から変数COMPが示すライン番号までが、印刷を終えたラインとなる。また、変数Nには、画像データから印刷すべき画像群が抽出された場合に、その画像群の総ライン数が設定され、変数Mには、画像データから印刷すべき画像群が抽出された場合に、その画像群の後に連続して続く空白ラインの総ライン数が設定される。
次に、画像データにおいて、(変数COMP+変数N)が示すライン番号を開始地点とし、空白ラインが出現するまでのライン数を計数する(S4)。なお、計数中に画像の最終ラインに到達した場合には、そこで計数を終了する。そして、S4の処理で計数したライン数を変数Nに設定する(S5)。これにより、変数Nには、画像ラインのライン数が設定される。
次に、画像データにおいて、(変数COMP+変数N+1)が示すライン番号を開始地点とし、画像ラインが出現するまでのライン数を計数する(S6)。なお、計数中に画像の最終ラインに到達した場合には、そこで計数を終了する。そして、S6の処理で計数したライン数を変数Mに設定する(S7)。これにより、変数Mには、空白ラインのライン数が設定される。
そして、変数Nが0であるかを判定し(S8)、変数Nが0である場合は(S8:Yes)、印刷する画像ラインがなかった場合であるので、S9〜S14をスキップして、S15の処理に移行する。一方、変数Nが1以上である場合は(S8:No)、変数Mが許容空白ライン数メモリ89aの値以下であるかを判定する(S9)。
変数Mが許容空白ライン数メモリ89aの値以下である場合は(S9:Yes)、S6の処理で計数した空白ラインを画像群の一部分とみなす場合であり、変数Nに、変数Mの値を加算する(S10)。
そして、変数Mに0を設定し(S11)、S4の処理に戻り、上述したS4〜S11の処理を繰り返す。この処理の繰り返すことで、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出できる。また、変数Nに、印刷すべき画像群の総ライン数を設定でき、変数Mに、その画像群の後に連続して続く空白ラインの総数を設定できる。
一方、S9の処理において、変数Mが許容空白ライン数メモリ89aの値を超えている場合は(S9:No)、印刷すべき画像群が抽出された場合(抽出が終了した場合)であり、変数Nが微細送り閾値メモリ89bの値以下であるかを判定する(S12)。
変数Nが微細送り閾値メモリ89bの値以下である場合は(S12:Yes)、印刷すべき画像群の画像の縦幅(副走査方向の幅)が、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下の場合であるので、微細送り印刷処理を実行する(S13)。
詳細については後述するが(図4(a)参照)、微細送り印刷処理は、印刷すべき画像群(総ライン数N)を微細送り方式(図2(a)参照)によって記録用紙上に印刷するための処理である。
一方、S12の処理において、変数Nが微細送り閾値メモリ89bの値を超えている場合は(S12:No)、印刷すべき画像群の画像の縦幅(副走査方向の幅)が、印刷ヘッドHEのノズル幅Hを超えている場合であるので、均等送り印刷処理を実行する(S14)。
詳細については後述するが(図4(b)参照)、均等送り印刷処理は、印刷すべき画像群(総ライン数N)を均等送り方式(図2(a)参照)によって記録用紙上に印刷するための処理である。
S13の処理、または、S14の処理が終了したら、次に、記録用紙をMライン分搬送し(S15)、変数COMPに、変数Nの値と、変数Mの値とを加算する(S16)。そして、画像全体を印刷したかを判定し(S17)、まだ画像全体の印刷が終了していない場合は(S17:No)、S3の処理に戻り、上述したS3〜S17の各処理を繰り返す。一方、画像全体の印刷が終了した場合は(S17:Yes)、画像を印刷した記録用紙を排出して(S18)、このインターレース印刷処理を終了する。
本実施形態では、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出する場合に、連続して出現した空白ラインの数が、許容空白ライン数メモリ89aの値以下であれば、その出現した空白ラインを画像群の一部分とみなし、画像群は続いているものとしている。
よって、1ラインでも空白ラインが出現したら画像群が終了したとし、それ以降に出現する画像ラインは別の画像群であると区別する場合よりも、抽出される画像群の総数が少なくなるので、印刷回数(走査回数)を少なくできる。
ここで、その一例を、図5参照して説明する。図5は、空白ラインを含む画像群の一例を示すイメージ図である。図5に示す画像群の中には、連続して出現する空白ラインが、許容空白ライン数メモリ89aの値以下含まれているとし、且つ、その画像群の画像の縦幅(副走査方向の幅)が、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下であるとする。この場合、本実施形態であれば、図5に示す画像群を1つの画像群として扱うので、微細送り方式による2回の走査で印刷を完了できる。
しかしながら、1ラインでも空白ラインが出現したら、それ以降は別の画像群とする構成の場合には、この画像群は2つの画像群と区別される。よって、微細送り方式による2回の走査で1つ目の画像群が印刷され、続けて、微細送り方式による2回の走査で2つ目の画像群が印刷されるので、合計4回の走査で印刷が完了することになる。なお、微細送り方式について説明したが、均等送り方式でも同様に、抽出される画像群の総数が少なくなるので、印刷回数(走査回数)を少なくできる。
よって、本実施形態のように、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出する場合に、連続して出現した空白ラインの数が、許容空白ライン数メモリ89aの値以下であれば、その出現した空白ラインを画像群の一部分とみなす場合の方が、1ラインでも空白ラインが出現したら、それ以降は別の画像群であると区別する場合よりも、抽出される画像群の総数が少なくなるので、印刷回数(走査回数)を少なくできる。
次に、図4(a)を参照して、MFP10のCPU88により実行される微細送り印刷処理(S13)について説明する。図4(a)は、MFP10の微細送り印刷処理(S13)を示すフローチャートである。
この微細送り印刷処理は、印刷すべき画像群(総ライン数N)を微細送り方式(図2(a)参照)によって記録用紙上に印刷するための処理である。
微細送り印刷処理は、まず、搬送距離d1を算出する(S21)。上述した通り、本実施形態では、「搬送距離d1=(最大の画像解像度MR[line/inch]÷印刷する画像解像度R[line/inch])×1ライン分の搬送距離」としている。なお、この搬送距離d1は一例であって、プリンタ11の仕様などに応じて適宜設定されるものである。
次に、印刷ヘッドHEに設けられているノズルのうち、印刷に使用するノズルを決定する(S22)。そして、決定した各ノズルからインクを吐出して、記録用紙上に画像を印刷する(S23)。
次に、記録用紙を搬送距離d1だけ副走査方向に搬送し(S24)、Nライン分の画像を印刷したかを判定する(S25)。Nライン分の画像の印刷を終了していない場合は(S25:No)、S22の処理に戻り、上述したS22〜S25の各処理を繰り返す。一方、Nライン分の画像を印刷した場合は(S25:Yes)、画像群の印刷を終了した場合であるので、この微細送り印刷処理を終了する。
よって、この微細送り印刷処理により印刷される画像群は、均等送り方式を用いる場合よりも、印刷回数(走査回数)が少なく印刷でき、印刷される画像群のスループット性を向上させることができる。また、この微細送り印刷処理により印刷される画像群の縦幅は、印刷ヘッドHEのノズル幅H以下であるので、仮に、ノズルのピッチやインク吐出特性などにバラツキがあったとしても、そのバラツキが微細送り印刷処理により印刷される画像群の縦幅内で繰り返し出現することがないので、微細送り印刷処理により印刷される画像群であったとしても、均等送り印刷処理により印刷される画像群と同等の画像品質にすることができる。
次に、図4(b)を参照して、MFP10のCPU88により実行される均等送り印刷処理(S14)について説明する。図4(b)は、MFP10の均等送り印刷処理(S14)を示すフローチャートである。
この均等送り印刷処理は、印刷すべき画像群(総ライン数N)を均等送り方式(図2(a)参照)によって記録用紙上に印刷するための処理である。
均等送り印刷処理は、まず、搬送距離d2を算出する(S31)。上述した通り、本実施形態では、「搬送距離d2=(ノズル幅H[inch]×最大の画像解像度MR[line/inch]÷繰り返し回数K)×1ライン分の搬送距離」としている。なお、この搬送距離d2は一例であって、プリンタ11の仕様などに応じて適宜設定されるものである。
次に、印刷ヘッドHEに設けられているノズルのうち、印刷に使用するノズルを決定する(S32)。そして、決定した各ノズルからインクを吐出して、記録用紙上に画像を印刷する(S33)。
次に、記録用紙を搬送距離d2だけ副走査方向に搬送し(S34)、Nライン分の画像を印刷したかを判定する(S35)。Nライン分の画像の印刷を終了していない場合は(S35:No)、S32の処理に戻り、上述したS32〜S35の各処理を繰り返す。一方、Nライン分の画像を印刷した場合は(S35:Yes)、画像群の印刷を終了した場合であるので、この均等送り印刷処理を終了する。よって、この均等送り印刷処理により印刷される画像群については、印刷ヘッドHEにおいて、ノズルのピッチやインク吐出特性などにバラツキがある場合でも、そのバラツキにより生じる画質の低下を分散させて、目立たないようにできる。よって、画質が局所的に低下することを抑制できるので、印刷される画像の画質を均等にでき、画像品質を向上させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施形態のインターレース印刷処理(図3参照)では、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出する場合に、連続して出現した空白ラインの数が、許容空白ライン数メモリ89aの値以下であれば、その出現した空白ラインを画像群の一部分とみなすように構成しているが、1ラインでも空白ラインが出現したら、それ以降の画像ラインは別の画像群であると区別するように構成しても良い。即ち、一以上の空白ラインに挟まれた画像群の副走査方向の長さが印刷ヘッドHEのノズル幅H以下であれば、その画像群を微細送り方式、超えていれば均等送り方式により印刷するように構成しても良い。
また、本実施形態のインターレース印刷処理(図3参照)では、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出した後に、その画像群の総ライン数(変数Nの値)が、微細送り閾値メモリ89bの値以下であるかを判定しているが、画像群の総ライン数(変数Nの値)と、その画像群の後に連続して続く空白ラインの総ライン数(変数Mの値)との和が、微細送り閾値メモリ89bの値以下であるかを判定するように構成しても良い。
また、本実施形態のインターレース印刷処理(図3参照)では、画像全体の中から印刷すべき画像群を抽出する場合に、印刷すべき画像群の総ライン数(変数Nの値)と、その画像群の後に連続して続く空白ラインの総ライン数(変数Mの値)とを計数しているが、画像群の後に連続して続く空白ラインの総ライン数に代えて、画像群の前に連続して続く空白ラインの総ライン数を計数し、変数Mに設定するように構成しても良い。そして、画像群の総ライン数(変数Nの値)と、その画像群の前に連続して続く空白ラインの総ライン数(変数Mの値)との和が、微細送り閾値メモリ89bの値以下であるかを判定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、微細送り閾値メモリ89bに、「ノズル幅H[inch]×最大の画像解像度MR[line/inch]」より算出される値を記憶させているが、これに「繰り返し回数K−1」を加算した値を記憶させても良い。例えば、ノズル幅Hと等しい縦幅の画像を印刷する場合に、繰り返し回数Kが2であると、1回目の印刷が行われた後に、記録用紙が副走査方向に搬送され、その後2回目の印刷が行われる。すると、2回目の印刷では、副走査方向に搬送された分だけ、新たな領域に画像を印刷することができる。つまり、繰り返し回数Kが2以上であって、ノズル幅Hと等しい縦幅の画像を印刷する場合には、印刷回数を増やすことなく、(繰り返し回数K−1)ライン分多く画像を印刷できる。よって、印刷すべき画像群の画像の縦幅が、ノズル幅Hより(繰り返し回数K−1)ライン分多くても、微細送り方式で印刷できるので、印刷回数(走査回数)を少なくできる。
また、本実施形態のプリンタ11は、キャリッジ(不図示)を主走査方向(図1のX方向)へ往復移動させるキャリッジ式のプリンタであるが、ライン式のプリンタであっても同様に本発明を適用できる。また、本実施形態は、インクジェット式のプリンタを用いた場合の一例について説明したが、他の方式のプリンタを用いても良い。例えば、熱転写式、感熱式、ドットインパクト式などのプリンタを用いても良い。
本発明の画像記録装置の一例であるMFPの外観斜視図である。 (a)は、均等送り方式と、微細送り方式とにより印刷される画像の一例を示すイメージ図であり、(b)は、MFPの電気的構成を示すブロック図である。 MFPのインターレース印刷処理を示すフローチャートである。 (a)は、MFPの微細送り印刷処理を示すフローチャートであり、(b)は、MFPの均等送り印刷処理を示すフローチャートである。 空白ラインを含む画像群の一例を示すイメージ図である。
符号の説明
10 MFP(画像記録装置の一例)
S9 第1判断手段の一例
S12 判断手段の一例、第2判断手段の一例
S14 第1制御手段の一例
S15 第2制御手段の一例
HE 印刷ヘッド(記録手段の一例)

Claims (5)

  1. 副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する画像記録装置において、
    前記副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する判断手段と、
    その判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、
    前記判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
  2. 副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する画像記録装置において、
    前記副走査方向において空白領域に挟まれている画像を一群の画像とし、一の前記一群の画像から、その一の前記一群の画像よりも副走査方向上流側に記録される他の前記一群の画像までの副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する判断手段と、
    その判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、
    前記判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
  3. 副走査方向に記録媒体を搬送する搬送手段と、副走査方向に所定ピッチで配列されているドットを有し、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記ドットを介して画像を記録する記録手段とを備え、前記副走査方向に前記所定ピッチよりも小さいピッチで画像を記録する画像記録装置において、
    前記副走査方向において所定の長さを超えて延びる空白領域が存在するかを判断する第1判断手段と、
    その第1判断手段によって存在すると判断された場合に、その空白領域よりも副走査方向下流側に記録される画像を一群の画像とし、その一群の画像の副走査方向における全長が、前記記録手段に配列されているドットの副走査方向における全長以下であるかを判断する第2判断手段と、
    その第2判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下でないと判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも大きい第1の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは異なるドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第1制御手段と、
    前記第2判断手段によって前記一群の画像の全長が、前記ドットの全長以下であると判断された場合に、前記搬送手段によって前記記録媒体を前記所定ピッチよりも小さい第2の搬送量搬送する搬送制御と、前記一群の画像の副走査方向に隣接するラインは同じドットを介して形成されるように前記記録手段によって前記一群の画像の一部を記録する記録制御とを繰り返して前記一群の画像を記録する第2制御手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
  4. 前記記録手段は、主走査方向に往復移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 前記ドットは、記録媒体に向けてインクを吐出するノズルであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。
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