JP2010105267A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドとインクカートリッジとを接続するチューブの浮きを防止する。
【解決手段】可撓性を有する4本のチューブ6は、その延在方向と直交する断面が略楕円形状であり、紙送り方向に配列されたインクジェットヘッド3の4つの接続口3cとインクカートリッジ7とに接続されているとともに、その途中の部分である固定部6aにおいて、鉛直方向に配列された状態で固定されている。固定部6aは、接続口3cよりも上方に位置している。4本のチューブ6は、接続口3cに接続される一端が互いに束ねられた状態で固定されているとともに、固定部6aにおいて上方に位置するものほど、鉛直方向から見たチューブ6の曲げの内周側に位置する接続口3cに接続されている。また、チューブ6は、接続口3cにおける上記断面の長軸方向が紙送り方向と平行となり、固定部6aにおける上記断面の長軸方向が鉛直方向と平行となるようにねじれている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1に記載の画像記録装置においては、走査方向に往復移動し、且つノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、本体に設けられたインクカートリッジとが、可撓性を有する複数のチューブを介して接続されており、複数のチューブは、インクジェットヘッドの移動に追従できるように曲げられた状態で配置されている。また、複数のチューブは、鉛直方向及び走査方向と直交する方向に配列された状態でインクジェットヘッドに一端がそれぞれ接続されているとともに、その途中の部分であって上記直交する方向に関する位置がインクジェットヘッドに接続される一端と異なる所定の固定部において、鉛直方向に配列された状態で固定されている。これにより、複数のチューブを鉛直方向に配列した状態でインクジェットヘッドに接続する場合と比較して、インクジェットヘッドの高さを小さくすることができる。
特開2007−176068号公報
ここで、特許文献1に記載されているように曲げられた状態で配置された複数のチューブには、曲げられた状態から元に戻ろうとする反力が発生する。そして、特許文献1のように複数のチューブが上記固定部において鉛直方向に配列して固定されているとともに、インクジェットヘッドに鉛直方向及び走査方向と直交する方向に配列して接続されている場合には、複数のチューブは、上記一端と上記固定部とでその高さがそれぞれ異なるため、上記反力は鉛直方向にも作用する。一方、特許文献1に記載の画像記録装置においては、より大きな記録用紙への画像の記録を実現するためには、インクジェットヘッドに多くのインクを供給する必要があり、そのためにはチューブをその径が大きなものとする必要がある。
しかしながら、チューブの径を大きくする場合、チューブの径が大きくなるのに合わせてチューブの厚みを大きくすると、その分上記反力の大きさが大きくなり、この反力が鉛直方向に作用することによりチューブが浮き上がってしまう虞がある。逆に、チューブの厚みを小さくすると、上記反力は小さくなるので、上述したようなチューブの浮き上がりを防止することはできるものの、チューブの厚みが小さいため、チューブ内の水分が外部に逃げ出してしまったり、外部からチューブ内に気体が入り込んだりしてしまう虞がある。
本発明の目的は、チューブを曲げることで発生する反力によりチューブが浮き上がってしまうのを防止しつつ、チューブ内の水分が外部に逃げ出してしまったり、外部からチューブ内に気体が入り込んだりしてしまうのを防止することが可能な液体吐出装置を提供することである。
第1の発明に係る液体吐出装置は、所定の平面と平行な第1方向に往復移動し、且つノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給するための液体が貯留された液体供給源と、前記液体吐出ヘッドと前記液体供給源とを接続する、可撓性を有する複数のチューブとを備えており、前記液体吐出ヘッドの、前記複数のチューブの一端が接続される複数の接続口が、前記所定の平面と平行な第2方向に配列されており、前記複数のチューブは、曲げられた状態で配置されており、前記所定の平面と平行で且つ前記第1方向と直交する方向に関する位置が前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口と異なる所定の固定部において、前記所定の平面と直交する第3方向に配列された状態で束ねられて固定されているとともに、その延在方向に垂直な断面が、それぞれ楕円形状を有しており、前記一端及び前記固定部の少なくとも一方における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になっていることを特徴とするものである。
これによると、チューブが固定部において第3方向に配列された状態で固定されているのに対して、液体吐出ヘッドのチューブとの接続口を所定の平面に平行な第2方向に配列することにより、第3方向に関する液体吐出ヘッドの長さを小さくすることができる。
また、チューブは、その延在方向に垂直な断面が楕円形状であり、その一端及び固定部の少なくとも一方において、その断面の長軸方向が第3方向と平行になっているため、曲げられる方向の厚みが小さくなり、曲げられたことによりチューブに発生する元に戻ろうとする反力が小さくなる。これにより、チューブが浮き上がってしまうのを防止することができる。一方、曲げられる方向と直交する方向のチューブの厚みは大きいため、チューブ内の液体の水分が外部に逃げてしまったり、チューブに外部から気体が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。なお、「第2方向」とは、所定の平面に平行な任意の方向を指し、第1方向と同じ場合、及び、所定の平面と平行で且つ第1の方向と直交する方向と同じ場合も含む。
第2の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置であって、前記複数のチューブが、前記一端及び前記固定部の両方において前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になっていることを特徴とするものである。
これによると、チューブは、曲げられる方向の厚みが特に小さくなるため、チューブを曲げたことによりチューブに発生する反力が特に小さくなり、チューブが浮き上がってしてしまうのを効果的に防止することができる。
第3の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置であって、前記複数のチューブが、前記一端において、互いに束ねられた状態で固定されており、前記一端及び前記固定部の一方における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、他方における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるようにねじれた状態で配置されていることを特徴とするものである。
複数のチューブの一端が互いに束ねられた状態で固定されていると、複数のチューブを液体吐出ヘッド及び液体供給源にそれぞれ一度に接続することが可能となるが、液体吐出ヘッドの接続口の配列方向と、固定部におけるチューブの配列方向とが直交しているため、このような互いに固定されたチューブを、その一端及び固定部の両方においてその断面の長軸方向を第3方向と平行になるようにチューブを液体吐出ヘッド及び液体供給源に接続するのは困難なものとなる。
しかしながら、本発明では、チューブを、その一端及び固定部の一方における断面の長軸方向が第3方向と平行になり、他方における断面の長軸方向が第2方向と平行になるようにねじれた状態で配置することにより、一端において互いに束ねられた状態で固定されたチューブを容易に接続することができる。
第4の発明に係る液体吐出装置は、第3の発明に係る液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口は、前記固定部において前記第3方向の一方の端に位置するチューブと同じ位置、又は当該チューブよりも前記第3方向の前記一方側に配置されており、前記液体吐出ヘッドに駆動電位を付与するためのフレキシブル配線部材をさらに備えており、前記フレキシブル配線部材は、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に隣接するように前記複数のチューブに沿って曲げられた状態で配置されており、前記複数のチューブは、前記一端における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるようにねじれた状態で配置されており、且つ、前記固定部において前記第3方向の他方側に位置するチューブほど、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に位置する前記液体吐出ヘッドの接続口に前記一端が接続されていることを特徴とするものである。
これによると、液体吐出ヘッドと液体貯留タンクとの間の部分においてチューブの断面の長軸が、その第3方向の他方側の端が一方側の端よりもチューブの曲げの内周側にくるように傾くため、チューブとフレキシブル配線部材が接触したときに、フレキシブル配線部材がチューブに乗り上げてしまいにくい。
第5の発明に係る液体吐出装置は、第3の発明に係る液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口は、前記固定部において前記第3方向の一方の端に位置するチューブと同じ位置、又は当該チューブよりも前記第3方向の前記一方側に配置されており、前記液体吐出ヘッドに駆動電位を付与するためのフレキシブル配線部材をさらに備えており、前記フレキシブル配線部材は、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に隣接するように前記複数のチューブに沿って曲げられた状態で配置されており、前記複数のチューブは、前記一端における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるようにねじれた状態で配置されており、且つ、前記固定部において前記第3方向の他方側に位置するチューブほど、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの外周側に位置する前記液体吐出ヘッドの接続口に前記一端が接続されていることを特徴とするものである。
これによると、液体吐出ヘッドと液体貯留タンクとの間の部分においてチューブの断面の長軸が、その第3方向の他方側の端が一方側の端よりもチューブの曲げの内周側にくるように傾くため、チューブとフレキシブル配線部材が接触したときに、フレキシブル配線部材がチューブに乗り上げてしまいにくい。
第6の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置であって、前記複数のチューブが、前記一端における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行となるようにねじれた状態で配置されていることを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドとの接続部分におけるチューブの延在方向に直交する断面において、その短軸方向が第3方向と平行になるため、液体吐出ヘッドの第3方向に関する長さを小さくすることができる。
本発明によれば、チューブが固定部において第3方向に配列された状態で固定されているのに対して、液体吐出ヘッドのチューブとの接続口を所定の平面に平行な第2方向に配列することにより、第3方向に関する液体吐出ヘッドの長さを小さくすることができる。
また、チューブは、その延在方向に垂直な断面が楕円形状であり、その一端及び固定部の少なくとも一方において、その断面の長軸方向が第3方向と平行になっているため、曲げられる方向の厚みが小さくなり、曲げられたことによりチューブに発生する元に戻ろうとする反力が小さくなる。これにより、チューブが浮き上がってしまうのを防止することができる。一方、曲げられる方向と直交する方向のチューブの厚みは大きいため、チューブ内の液体の水分が外部に逃げてしまったり、チューブに外部から気体が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。図2は、図1の部分拡大図である。図3は図2のIII−III線断面図である。図4は図2のIV−IV線断面図である。
図1〜図4に示すように、プリンタ1(液体吐出装置)は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3(液体吐出ヘッド)、4本のチューブ6、4つのインクカートリッジ7、チューブガイド8、フレキシブルフラットケーブル(FFC)9(フレキシブル配線部材)などを備えている。
キャリッジ2は、互いに平行に配置された2本のガイド軸5に沿って水平面(所定の平面)と平行な走査方向(図1の左右方向、第1方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3は、ヘッド本体3a及びサブタンクユニット3bを有している。ヘッド本体3aは、キャリッジ2の下面に配置されており、その下面に形成されたノズル10からインクを吐出する。
サブタンクユニット3bには、ヘッド本体3aに供給するためのインクを一時的に貯留するための図示しないサブタンク、サブタンクに接続された図示しないインク流路などが形成されており、ヘッド本体3aに接続されているとともに、ヘッド本体3aに接続されている部分から図1の下方に延びている。また、サブタンクユニット3bには、その図1における下端部に、図1の上下方向(水平面と平行な第2方向)に沿って配列された4つの接続口3cが設けられている。そして、4つ接続口3cには、それぞれ、チューブ6の一端が接続されている。
4つのインクカートリッジ7(液体供給源)は、プリンタ1の図1における右下端部に配置されており、走査方向に配列されている。4つのインクカートリッジ7には、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されており、チューブ6の他端が接続されている。これにより、インクカートリッジ7に貯留されたインクが、チューブ6を介してインクジェットヘッド3に供給される。
そして、プリンタ1においては、図示しない用紙搬送機構により図1の下方(紙送り方向)に搬送される記録用紙Pにキャリッジ2とともに走査方向に移動するインクジェットヘッド3のノズル10からインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行うことが可能となっている。
チューブ6は、例えば合成樹脂などの可撓性を有する材料からなる。チューブ6は、その延在方向と直交する方向に関する断面(以下、単にチューブ6の断面といった場合には当該方向に関する断面とする)の形状が略楕円になっているとともに、その内部に形成された空間6bの当該方向に関する断面が円形となっている。これにより、チューブ6の厚みは、上記断面の長軸方向に関して大きくなっており、上記断面の短軸方向に関して小さくなっている。
また、チューブ6は、前述したようにその一端がインクジェットヘッド3の接続口3cに接続されているとともに、接続口3cから図1の左方に延びている。そして、約180°曲げられて図1の右方に延び、前述したようにその他端がインクカートリッジ7に接続されている。ここで、チューブ6をこのように曲げて配置しているのは、キャリッジ2が走査方向に移動したときに、チューブ6がキャリッジ2に追従することができるようにするためである。
また、チューブ6は、曲げられた部分とインクカートリッジ7との間の途中の部分である固定部6aにおいて、鉛直方向(第3方向)に配列されているとともに、固定部材14とチューブガイド8とに挟まれて固定されている。
ここで、チューブ6の固定部6aは、全て、インクジェットヘッド3の接続口3cよりも図1における下方にある(所定の平面と平行で且つ第1方向と直交する方向に関する位置が接続口3cと異なる)。また、固定部6aは、鉛直方向に関してインクジェットヘッド3の接続口3cよりも上方に位置している。言い換えれば、インクジェットヘッド3の接続口3cは、4本のチューブ6の固定部6aのうち最も下側の端(一方の端)に位置するものよりも下方(一方側)に配置されている。あるいは、インクジェットヘッド3の接続口3cは、最も下方に位置する固定部6aと同じ高さに配置されていてもよい。
さらに、4本のチューブ6は、インクジェットヘッド3の接続口3cに接続されるその一端において連結部13により互いに束ねられた状態で固定されている。これにより、4本のチューブ6を一度に接続口3cに接続することが可能となり、チューブ6の接続口3cへの接続を容易に行うことができる。なお、4本のチューブ6は、その一端と固定部6aとの間の部分においては互いに束ねられておらず、独立して変形することができるようになっている。
また、4本のチューブ6は、図3に示すように、固定部6aにおいて、その断面の長軸方向が鉛直方向と平行になっているとともに、その断面の長軸方向が、紙送り方向と平行となるように、インクジェットヘッド3の接続口3cに接続されることでねじれた状態となっている。
ここで、本実施の形態とは異なり、インクジェットヘッド3の接続口3cを、固定部6aの配列に合わせて鉛直方向に配列すれば、チューブ6を上述したようなねじれた状態にすることなく接続口3cにチューブ6を接続することができるが、この場合には、インクジェットヘッド3(サブタンクユニット3b)の鉛直方向に関する長さが大きくなってしまう。
しかしながら、本実施の形態では、インクジェットヘッド3の接続口3cを紙送り方向に配列しているので、固定部6aにおいて鉛直方向に配列されたチューブ6を紙送り方向に配列された接続口3cに接続するためには、チューブ6を上述したようにねじれた状態にする必要があるものの、インクジェットヘッド3の鉛直方向に関する長さを小さくすることができる。
さらに、4本のチューブ6は、固定部6aにおいて上方に位置しているものほど、平面視でのチューブ6の曲げの内周側(図1の下側)に位置する接続口3c、すなわち、紙送り方向(図1の上下方向)に関して、固定部6aから大きく離れた接続口3cに接続されている。一方、4本のチューブ6は、インクの流路抵抗を均一にするためにその長さがほぼ同じとなっている。したがって、4本のチューブ6は、図1〜図4に示すように、チューブ6の上記一端と固定部6aとの間の部分は、下方に位置するチューブ6ほど、平面視での(第3方向から見た)チューブ6の曲げの内周側に位置している。
なお、本実施の形態では、上述したように、4本のチューブ6が接続口3c(一端)と固定部6aとの間の部分において互いに固定されておらず、独立して変形することができるので、4本のチューブ6の長さが同じ場合であっても、チューブ6を、固定部6aにおいて上方(他方側)に位置しているものほど、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置する接続口3cに接続されるようにねじれた状態で配置することが可能となっている。
そして、以上のように、接続口3cが固定部6a接続口71aよりも下方に位置しているとともに、4本のチューブ6が、固定部6aにおいて上方に位置しているものほど、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置する接続口3cに接続されるようにねじれた状態で配置されることにより、4本のチューブ6は、図4に示すように、接続口3cと固定部6aとの間の部分における断面の長軸が、その上端が下端よりも平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置するように傾斜している。なお、接続口3cが最も下方に位置する固定部6aと同じ高さにある場合でも、チューブ6の傾斜方向は同様になる。
ここで、チューブ6は、前述したようにその接続口3cと固定部6aとの間の部分で曲げられているため、チューブ6には、それぞれ、曲げられた状態から元に戻ろうとする反力F1〜F4が発生する。そして、本実施の形態では、チューブ6の一端が接続されるインクジェットヘッド3の接続口3cと、チューブ6の固定部6aとが、互いに異なる高さに位置することから、上記反力F1〜F4は、その向きが紙送り方向に対してそれぞれθ1〜θ4だけ傾斜しており、紙送り方向だけでなく、鉛直方向にも作用することとなる。
ここで、インクジェットヘッド3のノズル10からインクを吐出することにより印刷を行うプリンタ1においては、例えば、大きな記録用紙Pへの印刷を実現しようとすると、インクジェットヘッド3に供給するインクの量を多くする必要があるが、このためには、チューブ6を径の大きなものとする必要がある。
このとき、本実施の形態とは異なり、チューブ6が略円形の断面形状を有するものである場合、チューブ6をその径に合わせて厚みの大きなものにすると、上述した反力F1〜F4が大きくなり、チューブ6が上方に浮き上がってしまう虞がある。さらに、各チューブ6に生じる反力F1〜F4は、その大きさ及び向きが互いに異なっているとともに、前述したように4本のチューブ6その接続口3cと固定部6aとの間の部分においては互いに固定されておらず独立して変形することができるため、チューブ6が浮き上がったときに、その浮き上がり量が互いに異なり、チューブ6同士が絡まってしまう虞もある。
逆に、チューブ6を、その厚みの小さいものにすると、上述したようなチューブ6の浮き上がりを防止することはできるものの、空間6b内(チューブ6内)のインクの水分が外部に逃げ出したり、外部から空間6b内(チューブ6内)に空気が入り込んだりしてしまう虞がある。
これに対して、本実施の形態では、チューブ6が略楕円の断面形状を有しているとともに、固定部6aにおいて、その長軸方向が鉛直方向と平行となるように配列されているとともに、その長軸方向が紙送り方向と平行となるように、インクジェットヘッド3の接続口3cに接続されているので(チューブ6の一端及び固定部6aの少なくとも一方の断面の長軸方向が第3方向と平行になっているため)、チューブ6の曲げられる方向の厚みが小さなものとなる。これにより、上述した反力が小さくなり、チューブ6が上方に浮き上がってしまうのを防止することができる。
一方、曲げられる方向と直交する方向に関しては、チューブ6の厚みが大きくなっているので、空間6b内のインクの水分が外部に逃げ出したり、外部から空間6b内に空気が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。
ここで、本実施の形態とは異なり、チューブ6を、接続口3cに接続される一端における断面及び固定部6aにおける断面の両方においてその長軸方向が鉛直方向と平行になるように接続すれば、チューブ6に生じる反力を本実施の形態の場合よりも小さくすることができる。しかしながら、この場合には、上述したように4本のチューブ6がその両端部において互いに束ねられて固定されているので、固定部6aにおいて上方に位置しているチューブ6ほど、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置する接続口3cに接続されるようにねじれた状態となり、且つ、チューブ6の接続口3c及び固定部9aの両方における断面の長軸方向が鉛直方向と平行になるように4本のチューブ6を接続するのは困難なものとなる。
そこで、本実施の形態では、チューブ6を、接続口3cに接続される一端おける断面の長軸方向が紙送り方向と平行になるとともに、固定部6aにおける断面の長軸方向が鉛直方向と平行になるように接続することにより、一端において互いに束ねられて固定されたチューブ6を容易に接続口3cに接続することができる。
また、この場合には、接続口3cにおけるチューブ6の断面の短軸方向が鉛直方向と平行になるので、インクジェットヘッド3の鉛直方向に関する長さを小さくすることも可能となる。
また、プリンタ1においては、高温状況下で上述したような印刷動作を繰り返し行うと、チューブ6が柔らかくなり、垂れ下がるといったことが生じる。
このとき、本実施の形態とは逆に、4本のチューブ6が、固定部6aにおいて上方に位置しているものほど、平面視でのチューブ6の曲げの外周側に位置する接続口3cに接続されていると、固定部6aにおいて最も上に位置するチューブ6と接続される接続口3cが、本実施の形態の場合よりも、紙送り方向に関して固定部6aから大きく離れることになるため、固定部6aにおいて最も上に位置するチューブ6に発生する反力F1の向きの紙送り方向に対する角度θ1が小さくなり、反力F1の鉛直方向成分の大きさが、本実施の形態の場合と比較して小さくなる。これにより、固定部6aにおいて最も上に位置するチューブ6が大きく垂れ下がって、他の3本のチューブ6を押し下げ、その結果、チューブ6がプリンタ1のいずれかの部分に接触してしまう虞がある。
これに対して、本実施の形態では、4本のチューブ6が、固定部6aにおいて上方に位置しているものほど、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置する接続口3cに接続されているので、上述したように各チューブ6に発生する反力F1〜F4が小さくなりつつも、固定部6aにおいて最も上に位置するチューブ6に生じる反力F1の鉛直方向成分はある程度大きくなるため、当該チューブ6が下方に垂れ下がって、他の3本のチューブ6を押し下げてしまうのを防止することができる。
チューブガイド8は、図1においてチューブ6の下側に隣接して配置されており、走査方向に延びている。そしてチューブガイド8には、チューブ6の曲げられた部分と固定部6aとの間の部分が当接しており、これにより、チューブ6が曲げられることにより発生する反力F1〜F4によってチューブ6が広がってしまうのが規制されている。
FFC9は、インクジェットヘッド3に駆動電位などを付与するためのものであり、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に、チューブ6に隣接して配置されており、チューブ6に沿って曲げられた状態で延びている。
ここで、前述したように、チューブ6の接続口3cと固定部9aとの間の部分は互いに固定されておらず、独立して変形することができるようになっているため、キャリッジ2の移動や、チューブ6に生じる反力F1〜F4などにより、チューブ6が変形してその高さが変化するが、これによって、チューブ6に隣接して配置されたFFC9の下端が、チューブ6の紙送り方向(図3の左右方向)に関してFFC9に最も近い点よりも上方にきてしまうと、FFC9がチューブ6に乗り上げてしまう虞がある。そして、FFC9がチューブ6の上に乗り上げてしまうと、チューブ6と乗り上げたFFC9とが擦れることにより、チューブ6が傷ついてしまう虞がある。
このとき、本実施の形態とは異なり、例えば、図5(a)に示すように、チューブ6’が略円形の断面を有しており、チューブ6’の紙送り方向に関してFFC9に最も近い点6c’が、チューブ6’の中心と同じ高さにある場合や、図5(b)に示すように、チューブ6’’の略楕円の断面を有するものであるが、チューブ6’’の接続口3cと固定部6aとの間の部分における断面の長軸が、その上端(他方側の端)が下端(一方側の端)よりも平面視でのチューブ6’’の曲げの外周側(図5の右側)に位置するように傾斜しており、チューブ6’’の紙送り方向に関してFFC9に最も近い点6c’’が、チューブ6’’の中心よりも低い位置にある場合には、FFC9はチューブ6’、6’’上に乗り上げてしまいやすい。
しかしながら、本実施の形態では、前述したように、チューブ6の接続口3cと固定部6aとの間の部分における断面の長軸が、その上端が下端よりも平面視でのチューブ6の曲げの内周側(図4の右側)に位置するように傾斜しており、チューブ6の紙送り方向に関してFFC9に最も近い点6cが、チューブ6の中心よりも上方にあるため、FFC9がチューブ6に乗り上げてしまいにくい。
以上に説明した実施の形態によると、チューブ6を固定部6aにおいて鉛直方向に配列しているのに対して、インクジェットヘッド3の接続口3cを紙送り方向に配列しているので、接続口3cを固定部6aにおけるチューブ6の配列方向と同様に鉛直方向に配列した場合と比較して、インクジェットヘッド3の鉛直方向に関する長さを小さくすることができる。
また、チューブ6が曲げられた状態で配置されていることにより、チューブ6には、曲げられた状態から元に戻ろうとする反力F1〜F4が生じ、反力F1〜F4は鉛直方向にも作用するが、チューブ6が略楕円の断面形状を有しているとともに、固定部6aにおいて、その長軸方向が鉛直方向と平行となるように配置されているため、チューブ6の曲げられる方向の厚みは小さなものとなる。これにより、上述した反力F1〜F4が小さくなり、チューブ6が上方に浮き上がってしまうのを防止することができる。
一方、曲げられる方向と直交する方向に関しては、チューブ6の厚みが大きくなっているので、空間6b内のインクの水分が外部に逃げ出したり、外部から空間6b内に空気が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。
さらに、4本のチューブ6は、接続口3cに接続されるその一端において連結部13により互いに束ねられて固定されていることにより、4本のチューブ6を接続口3cに対して一度に接続することができるようになっているが、チューブ6を、接続口3cに接続される一端における断面の長軸方向が紙送り方向と平行になり、固定部6aにおける断面の長軸方向が鉛直方向と平行になるようにねじれた状態で接続することにより、チューブ6を容易に接続口3cに接続することができる。
また、接続口3cにおけるチューブ6の断面の短軸方向が鉛直方向になるので、インクジェットヘッド3の鉛直方向に関する長さを小さくすることが可能となる。
また、平面視でのチューブ6の曲げの内周側に、チューブ6に隣接するようにFFC9が配置されているが、チューブ6の接続口3cと固定部6aとの間の部分における断面が、その長軸方向の上端が下端よりも平面視でのチューブ6の曲げの内周側に位置するように傾斜しており、チューブ6の紙送り方向に関してFFC9に最も近い点6cが、チューブ6の中心よりも上方にあるため、FFC9がチューブ6に乗り上げてしまいにくい。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図6、図7に示すように、チューブ6がその接続口3cに接続される一端において互いに固定されておらず、固定部6a及び接続口3cに接続される一端の両方において、その断面の長軸方向が鉛直方向と平行になっている(変形例1)。
この場合には、図6、図7に示すように、チューブ6の全域にわたって、その断面の長軸方向が鉛直方向と平行になり、チューブ6が曲げられる方向に関するチューブ6の厚みが特に小さくなるため、チューブ6に生じる反力の大きさを特に小さくすることができる。
なお、本実施の形態においても、変形例1と同様、接続口3cに接続されるチューブ6の一端が互いに固定されていなくてもよい。
別の一変形例では、図8〜図10に示すように、チューブ6が、固定部6aにおいてその断面の長軸方向が紙送り方向(図9の左右方向)と平行になっている。そして、固定部6aにおいて上方(第3方向の他方側)に位置するチューブ6ほど、平面視でのチューブ6の曲げの外周側(図8の上側)に位置するインクジェットヘッド3の接続口3cに接続されているとともに、接続口3cに接続される一端における断面の長軸方向が、鉛直方向と平行になるようにねじれた状態となっている(変形例2)。
この場合でも、図10に示すように、接続口3cと固定部6aとの間の部分におけるチューブ6の断面の長軸が、その上端が下端よりも平面視でのチューブ6の曲げの内周側(図10の左側)にくるように傾斜しており、チューブ6の紙送り方向に関してFFC9に最も近い点6dが、チューブ6の中心よりも上方にあるため、FFC9がチューブ6に乗り上げてしまいにくい。
さらに、この場合には、図8、図10に示すように、固定部6aにおいて上方に位置するチューブ6ほど、紙送り方向に関して、固定部6aから大きく離れるため、FFC9が乗り上げてしまう可能性の高い下方に位置するチューブ6ほど紙送り方向に関してFFC9から離れた位置にくるので、FFC9はさらにチューブ6に乗り上げてしまいにくい。
また、この場合にも、チューブ6の曲げられる方向に関する厚みが小さくなるため、上述の実施の形態と同様、チューブ6が浮き上がったり、チューブ6同士が絡まったりしてしまうのを防止することができるとともに、チューブ6の曲げられる方向と直交する方向に関する厚みが大きくなるため、空間6b内のインクの水分が外部に逃げ出したり、外部から空間6b内に空気が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。
以上の説明では、インクジェットヘッド3の接続口3cが全ての固定部6aよりも下方に配置されている、あるいは、インクジェットヘッド3の接続口3cが、最も下方に位置する固定部6aと同じ高さに配置されていたが、接続口3cが、最も下方に位置する固定部6aよりも上方に配置されていてもよい。
固定部6aと接続口3cとが、鉛直方向に関してどのような位置関係になっていても、固定部6aにおいて鉛直方向に配列されているとともに、接続口3cが紙送り方向に配列されている以上、固定部6aのうち少なくとも3つは接続口3cと異なる高さに配置されることとなり、チューブ6に生じる反力が鉛直方向に作用して、チューブ6を浮き上がらせてしまう虞がある。しかしながら、この場合でも、チューブ6を、固定部6a及び接続口3cに接続される一端の少なくとも一方における断面の長軸方向が鉛直方向と平行になるようにチューブ6を配置することにより、上述した実施の形態と同様、チューブ6が曲げられる方向のチューブ6の厚みが小さくなる、チューブ6に生じる反力は小さくなる。また、チューブ6が曲げられる方向と直交する方向に関しては、チューブ6の厚みが大きくなるため、空間6b内のインクの水分が外部に逃げ出したり、外部から空間6b内に空気が入り込んだりしてしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態では、インクジェットヘッド3の4つの接続口3cが走査方向と直交する紙送り方向に配列されていた(第2方向が、所定の平面と平行で且つ第1方向と直交する方向と同じであった)が、4つの接続口3cは、走査方向に配列されていてもよいし、あるいは、走査方向及び紙送り方向以外の水平面と平行な方向に配列されていてもよい。
また、本実施の形態では、チューブ6が4本であったが、チューブ6の数は、2本、3本、あるいは5本以上であってもよい。
また、以上の説明では、キャリッジ2とともに走査方向に移動するノズル10からインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、走査方向に移動し、且つノズルからインク以外の液体を吐出する液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のチューブ近傍の部分拡大図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 チューブの形状又は配置が実施の形態と異なる場合の比較例を示す図である。 変形例1の図3相当の図である。 変形例1の図4相当の図である。 変形例2の図2相当の図である。 変形例2の図3相当の図である。 変形例2の図4相当の図である。
符号の説明
1 プリンタ
3 インクジェットヘッド
3c 接続口
6 チューブ
6a 固定部
7 インクカートリッジ
9 FFC
10 ノズル

Claims (6)

  1. 所定の平面と平行な第1方向に往復移動し、且つノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに供給するための液体が貯留された液体供給源と、
    前記液体吐出ヘッドと前記液体供給源とを接続する、可撓性を有する複数のチューブとを備えており、
    前記液体吐出ヘッドの、前記複数のチューブの一端が接続される複数の接続口が、前記所定の平面と平行な第2方向に配列されており、
    前記複数のチューブは、
    曲げられた状態で配置されており、
    前記複数のチューブの途中の部分であって、前記所定の平面と平行で且つ前記第1方向と直交する方向に関する位置が前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口と異なる所定の固定部において、前記所定の平面と直交する第3方向に配列された状態で固定されているとともに、
    その延在方向に垂直な断面が、それぞれ楕円形状を有しており、前記一端及び前記固定部の少なくとも一方における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になっていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記複数のチューブが、前記一端及び前記固定部の両方において前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になっていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記複数のチューブが、
    前記一端において、互いに束ねられた状態で固定されており、
    前記一端及び前記固定部の一方における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、他方における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるようにねじれた状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口は、前記固定部において前記第3方向の一方の端に位置するチューブと同じ位置、又は当該チューブよりも前記第3方向の前記一方側に配置されており、
    前記液体吐出ヘッドに駆動電位を付与するためのフレキシブル配線部材をさらに備えており、
    前記フレキシブル配線部材は、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に隣接するように前記複数のチューブに沿って曲げられた状態で配置されており、
    前記複数のチューブは、前記一端における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるようにねじれた状態で配置されており、且つ、前記固定部において前記第3方向の他方側に位置するチューブほど、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に位置する前記液体吐出ヘッドの接続口に前記一端が接続されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記液体吐出ヘッドの前記複数の接続口は、前記固定部において前記第3方向の一方の端に位置するチューブと同じ位置、又は当該チューブよりも前記第3方向の前記一方側に配置されており、
    前記液体吐出ヘッドに駆動電位を付与するためのフレキシブル配線部材をさらに備えており、
    前記フレキシブル配線部材は、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの内周側に隣接するように前記複数のチューブに沿って曲げられた状態で配置されており、
    前記複数のチューブは、前記一端における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行になるようにねじれた状態で配置されており、且つ、前記固定部において前記第3方向の他方側に位置するチューブほど、前記第3方向から見た前記複数のチューブの曲げの外周側に位置する前記液体吐出ヘッドの接続口に前記一端が接続されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  6. 前記複数のチューブが、
    前記一端における前記断面の長軸方向が前記第3方向と平行になるとともに、前記固定部における前記断面の長軸方向が前記第2方向と平行となるようにねじれた状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
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