JP2010104998A - 圧延銅箔およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 過剰品質で製造コスト高を招く虞のある従来の粗化方法を用いることなく、FPCのような高いピール強度は要求されないが所定の接合性は確保することが必要とされる場合に、それに対応可能な程度の適度な表面粗さを確保することを可能とした圧延銅箔およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 銅箔材段階の圧延銅箔1の板厚を変動させて行く圧延を行った後、粗度調節仕上工程として、粗度調節仕上用ロール3を用いて、その銅箔材の圧延銅箔1の板厚の変動を意図することなしに、その銅箔材の圧延銅箔1の表面粗さRzを、圧延を行った後のその銅箔材の圧延銅箔1の表面粗さよりも粗くなるように粗化して、表面6を所望の表面粗さRzに調節してなる圧延銅箔1を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂基板などに張り合わせてプリント配線板のような電子部品として用いられる銅箔に関するもので、特に、例えば携帯電話に内蔵されるプリント平面アンテナのような、フレキシブルプリント配線板ほどの高い可撓性・ピール強度は要求されないが所定以上のピール強度は必要とされる電子部品等に好適な圧延銅箔およびその製造方法に関する。
従来、圧延銅箔の製造方法は、焼鈍と圧延とを繰り返し行うことで、所定の厚さに仕上げるというものが一般的であった(特許文献1)。
FPC(Flexible Print Circuit board;フレキシブルプリント配線板。以下、FPCとも呼ぶ)用の圧延銅箔は、めっき法による微粒子の付着や薬品を用いて、圧延銅箔の表面を粗化することで樹脂基板との接合性の向上を図るようにしていた(特許文献2)。但し、このめっき液や薬品を用いた表面粗化方法では、薬品の管理、環境負荷の増加などのデメリットもあった。
他方、めっきや薬品を用いることなく、アルミニウム酸化物、シリコンカーバイド、銅粉などのいずれかを高速で圧延銅箔に衝突させることにより、圧延銅箔の表面に微小な凹凸を形成して、圧延銅箔の表面を粗化するという、いわゆるブラスト法を応用した粗化方法も提案されていた(特許文献3)。但し、このブラスト法では、めっき液その他の各種薬品を用いないので、環境負荷の低減は達成できるが、圧延銅箔の表面を粗化するためのブラスト工程という別工程を圧延工程の他に付加すること、およびその工程を実施するための設備を付加することなどが必要となるという不都合もあった。
いずれにしても、このような従来の技術によれば、表面に粗化を施して仕上げられた圧延銅箔は、樹脂基板との接合性が向上したものとなり、その結果、それら両者を接合してなるFPCのピール強度も、要求水準を十分に満たすことが可能なものとなる。
特開2001−62504号公報 特開2005−340635号公報 特開2002−79466号公報
しかしながら、製品によっては、上記のFPCの場合のような粗化処理を施してなる圧延銅箔ほど高いピール強度を必要としないものもある。例えば、携帯電話に内蔵される、いわゆるプリント平面アンテナなどは、FPCほどの可撓性を必要としないので、上記のような粗化処理を施された圧延銅箔が有する程に高いピール強度は必要とはされない。従って、このような場合には、上記のような粗化処理を施してピール強度を高くしても、それは過剰品質となってしまい、製造コストの徒な高額化を招いてしまうことになるという問題がある。
他方、だからと云って、上記のような粗化処理を全く省略してしまうと、確かに製造コストの高額化については回避できるが、一般に圧延が完了した段階での圧延銅箔の表面は粗さRaが小さ過ぎるので、上記のFPC以外のプリント配線板として必要とされる接合性さえ確保することが困難な場合が多く、例えばその圧延銅箔をエッチング法などによってパターン加工して形成された回路パターンにおけるエッジ部分に微小剥がれなどが発生
し、延いては製品全体としての信頼性・耐久性を損なってしまうことになるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、過剰品質で製造コスト高を招く虞のある従来の粗化方法を用いることなく、FPCのような高いピール強度は要求されないが所定の接合性は確保することが必要とされる場合に、それに対応可能な程度の適度な表面粗さを確保することを可能とした圧延銅箔およびその製造方法を提供することにある。
本発明の圧延銅箔は、板厚を圧延によって5μm以上50μm以下とし、圧延方向に対して直交する板幅方向における表面粗さRzを前記圧延後の粗度調節仕上用ロールによる最終仕上げで1μm以上2.5μm以下に調節してなることを特徴としている。
また、本発明の圧延銅箔の製造方法は、銅箔材の板厚を変動させて行き所定の目標板厚にまで至らしめる圧延工程を行った後、最終仕上げとして、粗度調節仕上用ロールを用いて、当該銅箔材の板厚を変動させることなしに、当該銅箔材の表面粗さRzを、前記圧延工程を行った後の当該銅箔材の表面粗さRzよりも粗い所望の表面粗さに調節する粗度調節仕上工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、粗度調節仕上工程として、圧延工程に続く最終仕上げ段階で、粗度調節仕上用ロールを用いて、銅箔材の板厚を変動させることなしに、銅箔材の表面粗さRzを、圧延を行った後の銅箔材の表面粗さRzよりも粗い所望の表面粗さに調節するようにしたので、過剰品質で製造コスト高を招く虞のある従来の粗化方法を用いることなく、FPCのような高いピール強度は要求されないが所定の接合性を確保することが必要とされる場合に、そのピール強度に対応可能な程度の適度な表面粗さを確保することができる。
その具体的な数値態様としては、板厚が5μm以上50μm以下であり、かつ圧延方向に対して直交する板幅方向における表面の表面粗さRzが、1μm以上2.5μm以下である圧延銅箔を、過剰品質で製造コスト高を招く虞のある従来の粗化方法を用いることなしに、製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔およびその製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔およびその製造方法における、目標値までの板厚変動のための圧延工程およびその工程での圧延銅箔の状態(図1(a))と、板厚変動を意図しない粗度調節仕上工程およびその工程での圧延銅箔の状態(図1(b))とを模式的に示す図、図2は、圧延銅箔の表面粗さRzに対するピール強度比の相関関係についての実験結果を示す図、図3は、粗度調節仕上用ロールの表面粗さRzに対する圧延銅箔の表面粗さRzの相関関係についての実験結果を示す図である。
本実施の形態に係る圧延銅箔1は、圧延ロール2を用いた単段または多段の圧延(およびその途中に焼鈍工程(図示省略)を設けることも可能)によって、板厚t(≒t)が、目標値の5μm以上50μm以下の範囲内の値となっている。かつ、その圧延後の、粗度調節仕上用ロール3を用いた、銅箔材(圧延前〜圧延が完了して仕上げ前までの状態の圧延銅箔1;以下、この銅箔材を「銅箔材段階の圧延銅箔1」とも呼ぶものとする)の板厚tの変動を意図しない粗度調節仕上工程によって(すなわちt≒t)、圧延方向4に対して直交する板幅方向における表面6の表面粗さRzが、1μm以上2.5μm以下に調節されたものとなっている。ここで、表面粗さRzは、JIS B0601 2001/ISO4287の規定に準拠した最大粗さとする。
粗度調節仕上用ロール3は、そのロール面の表面粗さRzが、2μm以上5μm以下となっている。この粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzの調節は、例えば、砥石番手の小さめの(言い換えれば砥粒の大きめの)砥石または砥粒で研削すること、もしくは粒径の大きめの微粒子をロール表面に衝突させて微小な凹凸を形成することなどによって行うことが可能である。
本実施の形態に係る圧延銅箔の製造方法では、図1(a)に示したように、まず、目標値までの板厚変動を意図した圧延工程として、圧延ロール2を用いた単段または多段の圧延を、銅箔材段階の圧延銅箔1に施して、未加工の状態での板厚tを目標値の板厚tまで変動させて行く。この板厚変動とは、具体的には、一段の圧延ごとに、板厚をt>tのように薄くしていく。
このような圧延工程によって、最終仕上げ前の銅箔材段階の圧延銅箔1の板厚tを変動させてtとする。この圧延工程が完了した段階で、板厚tは、目標値である5μm以上50μm以下の範囲内の所定の値となっている。
この板厚tの目標値の範囲は、一般的な回路形成用の銅箔として実用的な板厚が斯様な範囲であると想定されることに基づいて、設定されたものである。
圧延工程が完了した段階では、生産能率を良好なものとするために圧延ロール2としてロール表面の肌理の細かいものを用いていることに起因して、最終仕上げ前の銅箔材段階の圧延銅箔1の表面5の表面粗さRzは、目標値である1μm以上2.5μm以下の範囲内の所定の値よりも小さな値となっている。すなわち、必要とされるピール強度に対応した表面粗さRzよりも小さな粗さとなっている。
その後、図1(b)に示したように、粗度調節仕上工程として、粗度調節仕上用ロール3を用いて、その銅箔材段階の圧延銅箔1の板厚tの変動を意図することなしに(t≒t)、その銅箔材段階の圧延銅箔1の表面5を粗化することにより、最終的にその表面6の表面粗さRzを、圧延を行った後のその銅箔材段階の圧延銅箔1の表面粗さRzよりも粗い、1μm以上2.5以下の範囲内の所望の表面粗さに調節する。
このような圧延工程および粗度調節仕上工程を経ることにより、過剰品質で製造コスト高を招く虞のある従来の粗化方法を用いることなしに、従って簡易かつ低コストに、出来上がった(最終仕上りの)圧延銅箔1の板厚tを、目標値の5μm以上50μm以下の範囲内の所定の値とすることができ、かつ圧延方向4に対して直交する板幅方向における表面6の表面粗さRzを、1μm以上2.5μm以下の範囲内の所定の値とすることができる。
次に、圧延銅箔1の表面粗さRzの数値限定理由、および粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzの数値限定理由について説明する。
表面粗さRzが0.6μmである従来の一般的な圧延銅箔のピール強度を基準(=1)としたときの、評価対象の圧延銅箔1のピール強度の比率を、ピール強度比として求め、そのピール強度比と表面粗さRzとの相関関係について、実験により確認した。その結果は、図2に示したようなものとなった。
表面粗さRzが2μm以上になると、次第にピール強度比の増加が鈍って飽和傾向となっていく。そしてさらに、表面粗さRzが2.5μm以上の領域では(但し図2ではグラフ領域外のため図示省略)、ピール強度比の増加が益々小さくなり、またそのような高い値の表面粗さRzを得ることができるような粗度調節仕上用ロール3の作製やそれを用いた工程の管理・実施などに労力が掛かり過ぎることとなる。このため、表面粗さRzは2.5μmまでが好適であると考えられる。
他方、下限値である表面粗さRzを1μmとすることの理由については、この圧延方法によって得られる圧延銅箔のピール強度比は、表面粗さRzを1μmとしたときの辺りか
ら10%以上高くなり、一般的な剥がれ等が生じない程度に必要とされるピール強度を確保することが可能となるからである。また逆に、表面粗さRzが1μm未満になると、ピール強度比は急峻に低下し、一般的な剥がれ等が生じない程度に必要とされるピール強度を確保することが困難になるからである。
また、圧延銅箔1の表面粗さRzと粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzとの相関関係について調べた。その結果は、図3に示したように、明確な正比例の関係にあり、その比例定数は、約2であることが確認された。
この結果に基づいて、上記のような圧延銅箔1の表面粗さRz(1μm以上2.5μm以下)を得るためには、その2倍の表面粗さRz(2μm以上5μm以下)となるように、粗度調節仕上用ロール3のロール表面を粗化すればよいという結論が得られた。ここで、粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzが5μm以上になると、圧延時に、粗度調節仕上用ロール3の表面に銅箔材段階の圧延銅箔1(図2、図3では圧延材と表記してある)の付着が大きくなり、圧延時間の経過に連れて粗度調節仕上用ロール3の実質的な表面粗さの変化が大きくなって、延いては、例えば銅箔材段階の圧延銅箔1が極めて長い帯材の場合などには、その圧延途中でロール交換が必要な状態となり、圧延の生産性が著しく損なわれる虞がある。このことからも、粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzの上限値は5μmとすることが望ましいものと考えられる。
本発明の実施の形態に係る圧延銅箔およびその製造方法では、上記のように、まず圧延工程として、圧延ロール2を用いた単段または多段の圧延によって、銅箔材段階の圧延銅箔1の板厚tを、目標値である5μm以上50μm以下の範囲内の所定の厚さにまで加工しておき、その後、粗度調節仕上工程として、表面粗さRzを2μm以上5μm以下の範囲内の所定の粗さに調節してなる粗度調節仕上用ロール3を用いて、銅箔材段階の圧延銅箔1の板厚の変動を意図することなしに、その銅箔材段階の圧延銅箔1の表面に対して粗化を施すようにしている。
このようにすることにより、過剰品質で製造コスト高を招く虞のあるめっきや薬品やブラスト法などを用いた従来の粗化方法を用いることなしに、粗度調節仕上用ロール3を用いた粗化によって最終的に得られる圧延銅箔1の表面6の表面粗さRzを、圧延を行った後(であってかつ粗化を施す前の)の銅箔材段階の圧延銅箔1の表面5の表面粗さRzよりも粗い所望の表面粗さRzである1μm以上2.5μm以下の範囲内の所定の粗さに調節して、一般的な剥がれ等が発生することのないような程度の適度な表面粗さを有する圧延銅箔1を得ることができる。
すなわち、従来の技術では、めっきや薬品やブラスト法などを用いて圧延銅箔1の表面を粗化していたが、この方法では、例えばFPC等の場合ほどにはピール強度を要求とされない製品に用いられる圧延銅箔の場合、出来上がった圧延銅箔はピール強度の観点つまり表面粗さの観点からは過剰品質なものとなり、徒な製造コスト高を招く虞があった。
また、従来の一般的な圧延では、所定の目標値まで板厚を薄くして行く圧延工程の効率(生産能率)を高めるために、表面の肌理が細かい圧延ロールを用いて圧延を行っていたので、斯様な圧延ロールを用いて圧延を施したままの圧延銅箔では、表面粗さが小さ過ぎて、必要なピール強度が得られなかった。あるいは、従来の圧延プロセスでも、仕上げ圧延や調質圧延等も行われてはいたが、これらはいずれも、引張強さ等の質別を調節するものであり、むしろ本発明とは逆に、圧延銅箔の表面を平滑にして光沢(つや)を出すためのものであったため、必要なピール強度は得られなかった。
しかし、本発明の実施の形態に係る圧延銅箔およびその製造方法によれば、上記のように、まず一般的な圧延ロール2を用いた生産能率の高い圧延工程によって、圧延銅箔1の板厚を能率よく所定の目標値にまで調節しておき、その圧延工程が完了して銅箔材段階の圧延銅箔1を目標の板厚とした後、その銅箔材段階の圧延銅箔1の表面5に対して、粗度
調節仕上工程として、粗度調節仕上用ロール3を用いた、最も望ましくは単段の(但し多段も可能)、板厚変化を意図しない粗化処理を施すようにしたので、生産能率の低下等の不都合を生じることなく、粗度調節仕上用ロール3を用いた簡易な方法によって、圧延銅箔1の表面6の表面粗さRzを所望の目標値に調節することができ、その結果、必要とされる所定のピール強度を確保することが可能となる。
より具体的には、最終仕上げとして表面粗さRzが2μm以上5μm以下の粗度調節仕上用ロール3を用いて、圧延銅箔1に対してその板厚を変動しない(板厚の変動を基本的に意図しない)ようにしながらその表面粗さRzの調節を行うようにしたので、良好な表面平坦度や圧延速度を確保しつつ、圧延銅箔1の表面6の表面粗さRzを所望のピール強度に対応した粗度に調節することが可能となる。
また、圧延銅箔1を所定の板厚とするまでの圧延については、一般的な肌理の細かい(表面粗さRzが2μm未満の)ロール表面を有する圧延ロール2を用いて行うようにしているので、ここで仮に粗度調節仕上用ロール3を板厚変動のために用いた場合に想定される圧延速度約60〜70m/minと比較すると、圧延ロール2を用いて行う場合は300m/minとなり、約4〜5倍の圧延速度が確保できる。またそれと共に、圧延中または圧延後の圧延銅箔1の表面にロールスクラッチの転写(砥粒やその他の金属粉等の脱落〜付着に起因して生じる深い溝状の欠陥)のような表面品質の低下が発生することを、回避することができる。
しかも、圧延工程を行う圧延ラインの最終端付近に粗度調節仕上用ロール3を設置するだけでよいので、最終仕上げとしての粗度調節仕上工程を実施するための設備の追加等についても簡易で低コストなものとすることができる。また、例えば圧延銅箔1に要求される表面粗さRzの設定変更の対応等についても、圧延ラインの最終端付近に設置された粗度調節仕上用ロール3を、そのとき新たに要求されている表面粗さRzに対応したものに取り換えるだけで済むので、きわめて簡易に行うことが可能であるというメリットもある。
なお、粗度調節仕上用ロール3を用いた最終仕上げ工程では、圧延銅箔1の板厚の変動は意図していないが、実際には、このとき、粗度調節仕上用ロール3を銅箔材段階の圧延銅箔1の表面5に幾許かの押圧力でもって接触させることで粗化を行うのであるから、それに伴う板厚の微少な変動も不可避的に生じ得ることが想定される。しかし、斯様な程度の板厚変動は、圧延工程で行われるような板厚変動を意図したものとは規模が明らかに異なり、極めて微少なものであるから、言うなれば誤差の範囲内の変動に等しいものと見做しても構わないものと考えられる。
実施例1として、ロール表面の表面粗さRzが2.04μmの粗度調節仕上用ロール3を作製し、上記の実施の形態で説明した製造方法によって、厚さ18μm、表面粗さRzが1.02μmの圧延銅箔1を製造した。
粗度調節仕上用ロール3は、GC#60の砥石(図示省略)を用いて、砥石回転数600rpm、ロール回転数60rpm、送り速度300mm/minの設定で研削加工して、そのロール表面を表面粗さRzが2.04μmとなるように加工して作製した。
そして、圧延対象の銅箔材段階の圧延銅箔1には、板厚0.1mmで焼鈍を行った後、圧延ロール2を用いて、目標板厚18μmまで圧延を行った。続いて、粗度調節仕上工程として、圧延ラインの終端に設けられた粗度調節仕上用ロール3によって、処理速度100m/minで、平均板厚を減少させることなく(t≒t)粗化処理を施して、表面6の表面粗さRzが1.02μmの圧延銅箔1を製造した。
このようにして製造した圧延等箔1を、PET(PolyEthylene Terephthalate;ポリエチレンテレフタレート)製の基板(図示省略)の表面に張り合わせて、いわゆる銅張基板(図示省略;以下同様)を構成し、それを用いて携帯電話に内蔵されるアンテナ用のプリ
ント配線板を作製するために、エッチング法等によりパターン加工を施して回路系を形成した後、パターンめっき処理を施したところ、圧延銅箔1をパターン加工してなる回路パターン端部における、めっき液の滲みやそれによる剥離等の発生は全く見受けられず、必要な接合力(ピール強度等)を確保されていることが確認された。
実施例2として、粗化前の表面粗さRzが0.45μmのロールに、砥粒番手#220のWA系の砥粒を用いた噴射圧力0.5MPaによるブラスト処理を施して、表面粗さRzを4.98μmとした粗度調節仕上用ロール3を作製し、それを用いて上記の実施の形態で説明したような製造方法によって、厚さ18μm、表面粗さRzが2.47μmの圧延銅箔1を製造した。
この圧延等箔1を、PET製の基板(図示省略)の表面に張り合わせて、いわゆる銅張基板を構成し、それにエッチング法等によりパターン加工を施して回路系を形成した後、パターンめっき処理を施したところ、この実施例2の圧延銅箔1の場合も、パターン端部における圧延銅箔1の、めっき液の滲みやそれによる剥離等の発生は全く見受けられず、必要な接合力(ピール強度等)が確保されていることが確認された。
実施例3として、粗化前のロールに、砥粒番手#600のWA系の砥粒を用いたブラスト処理を施して、表面粗さRzを3.45μmとした粗度調節仕上用ロール3を作製し、それを用いて上記の実施の形態で説明したような製造方法によって、厚さ18μm、表面粗さRzが1.32μmの圧延銅箔1を製造した。
この圧延等箔1を、PET製の基板(図示省略)の表面に張り合わせて、いわゆる銅張基板を構成し、それにエッチング法等によりパターン加工を施して回路系を形成した後、パターンめっき処理を施したところ、この実施例3の圧延銅箔1の場合も、パターン端部における圧延銅箔1の、めっき液の滲みやそれによる剥離等の発生は全く見受けられず、必要な接合力(ピール強度等)が確保されていることが確認された。また、実施例1および実施例2の結果とも併せて考察すると、粗度調節仕上用ロール3の表面粗化の際のブラスト処理に使用する砥粒の粗さ(番手)を変更することで、研削砥石を用いた粗化の場合よりも広い範囲で、粗度調節仕上用ロール3の表面粗さRzを自在に設定することが可能となることが確認された。
以上のような実験結果から、本実施例に係る圧延銅箔およびその製造方法によれば、粗度調節仕上用ロール3を用いた簡易で低コストな方法によって、圧延銅箔1の表面6の表面粗さRzを所望の目標値に調節することができ、その結果、例えば一般的な剥離等が発生しない程度の適度なピール強度を確保することが可能となることが確認された。
本発明の実施の形態に係る圧延銅箔およびその製造方法における、板厚変動のための圧延工程およびその工程での圧延銅箔の状態(図1(a))と、板厚変動を意図しない粗度調節仕上工程およびその工程での圧延銅箔の状態(図1(b))とを、模式的に示す図である。 圧延銅箔の表面粗さRzに対するピール強度比の相関関係についての実験結果を示す図である。 粗度調節仕上用ロールの表面粗さRzに対する圧延銅箔の表面粗さRzの相関関係についての実験結果を示す図である。
符号の説明
1 圧延銅箔
2 圧延ロール
3 粗度調節仕上用ロール
4 圧延方向
5 銅箔財段階の圧延銅箔の表面
6 最終仕上後の圧延銅箔の表面

Claims (5)

  1. 板厚を圧延によって5μm以上50μm以下とし、圧延方向に対して直交する板幅方向における表面粗さRzを圧延後の粗度調節仕上用ロールによる最終仕上げで1μm以上2.5μm以下に調節してなる
    ことを特徴とする圧延銅箔。
  2. 請求項1記載の圧延銅箔において、
    前記粗度調節仕上用ロールとして表面粗さRzが2μm以上5μm以下のロールを用いて前記最終仕上げを施してなる
    ことを特徴とする圧延銅箔。
  3. 銅箔材の板厚を変動させて行き所定の目標板厚に至らしめる圧延工程を行った後、最終仕上げとして、粗度調節仕上用ロールを用いて、当該銅箔材の板厚を変動させることなしに、当該銅箔材の表面粗さRzを、前記圧延工程を行った後の当該銅箔材の表面粗さRzよりも粗い所望の表面粗さに調節する粗度調節仕上工程を含む
    ことを特徴とする圧延銅箔の製造方法。
  4. 請求項3記載の圧延銅箔の製造方法において、
    前記目標板厚を、5μm以上50μm以下とし、
    かつ前記銅箔材の圧延方向に対して直交する板幅方向における表面粗さRzを、前記粗度調節仕上用ロールを用いた粗度調節仕上工程によって、1μm以上2.5μm以下に調節する
    ことを特徴とする圧延銅箔の製造方法。
  5. 請求項3または4記載の圧延銅箔の製造方法において、
    前記粗度調節仕上用ロールとして、表面粗さRzが2μm以上5μm以下のロールを用いて、前記粗度調節仕上工程を行う
    ことを特徴とする圧延銅箔の製造方法。
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