JP2009004852A - アンテナの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッチング技術や巻線コイル形成技術など、工程が複雑で製造コストが高い方法を用いることなく、安価にかつ安全にRFID用途のアンテナを形成することができるアンテナの形成方法を提供する。
【解決手段】本発明のアンテナの形成方法は、ベース基材1上に設けられた金属膜2に、その金属膜2から形成されるアンテナパターンを遮蔽するマスキング4を施した後、ブラスト加工により、金属膜2の露出している部分を削り取り、金属膜2からなるアンテナを形成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンテナの形成方法に関し、さらに詳しくは、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波を媒体として外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体に用いられるアンテナの製造に好適なアンテナの形成方法に関する。
非接触型データ受送信体の一例であるICタグやICカードは、ベース基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットが、接着剤を介して基材に覆われてなるものである。
このようなICタグやICカードは、ベース基材の一方の面に所定のパターンのアンテナを形成し、アンテナが設けられたベース基材上にICチップを実装してインレットを作成した後、このインレットを、接着剤を介して基材により覆うことにより製造される。
従来、ICタグやICカードの製造方法において、アンテナの形成方法としては、以下のような方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
(1)スクリーン印刷により、ベース基材の一方の面に、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンのアンテナを形成する方法
(2)ベース基材の一方の面に貼着した金属箔などからなる導電性箔を、エッチングにより所定のパターンのアンテナを形成する方法
(3)めっきによりベース基材の一方の面に形成した金属膜などからなる導電性膜を、エッチングにより所定のパターンのアンテナを形成する方法
(4)ベース基材の一方の面に、1本の導線を巻き回してコイル状のアンテナを形成する方法
特開2007−5583号公報
しかしながら、スクリーン印刷によるアンテナの形成方法は、ポリマー型導電インクが高価であるため製造コストが高くなるという問題があった。
また、エッチングによるアンテナの形成方法は、フォトマスクを作製しなければならず、エッチング工程が複雑であるため製造コストが高くなる上に、廃液処理をしなければないという問題があった。
さらに、導線を巻き回してコイル状のアンテナを形成する方法は、アンテナコイルの形成時間が長い上に、導線が太いためICタグやICカードの薄型化が難しいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、エッチング技術や巻線コイル形成技術など、工程が複雑で製造コストが高い方法を用いることなく、安価にかつ安全にRFID用途のアンテナを形成することができるアンテナの形成方法を提供することを目的とする。
本発明のアンテナの形成方法は、基材上に設けられた金属膜に、該金属膜から形成されるアンテナパターンを遮蔽するマスキングを施した後、ブラスト加工により、前記金属膜の露出している部分を削り取り、前記金属膜からなるアンテナを形成することを特徴とする。
本発明のアンテナの形成方法によれば、基材上に設けられた金属膜に、該金属膜から形成されるアンテナパターンを遮蔽するマスキングを施した後、ブラスト加工により、前記金属膜の露出している部分を削り取り、前記金属膜からなるアンテナを形成するので、研磨材の微粒子の粒径を変えることにより、要求されるアンテナパターンの寸法精度に対応することができる。
また、マスキングのパターンを変更することにより、任意のアンテナパターンを容易に形成することができ、アンテナ仕様の変更にも柔軟に対応することができる。
また、必要とされるアンテナの数量に応じて、逐次加工することができるので、金属膜が設けられたアンテナ形成用基材さえ在庫しておけばよく、エッチング加工のように材料、処理液など大規模(大ロットが必要)な工法よりも、数量面において柔軟に対応することができる。
また、ブラスト加工によって、ベース基材の一方の面は粗面構造(梨地)になるので、アンテナが設けられたベース基材を用いて、非接触型データ受送信体を製造する際、ベース基材に対する表面基材の接着力が向上する。
さらに、ブラスト加工により梨地処理が施されたベース基材の一方の面に対するACP、NCPなどの導電性接着剤の接着力が向上し、その結果として、ベース基材に対するICチップの接着力が向上する。したがって、非接触型データ受送信体は、曲げ、捻りなどの屈曲に対する耐久性が向上する。
本発明のアンテナの形成方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1〜3は、本発明のアンテナの形成方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
本発明のアンテナの形成方法は、基材上に設けられた金属膜に、その金属膜から形成されるアンテナパターンを遮蔽するマスキングを施した後、ブラスト加工により、金属膜の露出している部分を削り取り、金属膜からなるアンテナを形成する方法である。
以下、本発明のアンテナの形成方法の一実施形態について詳細に説明する。
まず、図1に示すように、ベース基材1の一方の面に金属膜2が設けられた導電性基材3を用意する。
ベース基材1としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリイミドからなる電気絶縁性のフィルムまたはシートが好適に用いられる。
金属膜2としては、アルミニウム、銅、銀などからなり厚みが5μm〜30μmの金属箔からなるものや、真空蒸着や電解めっきにより形成され、アルミニウム、銅、銀などからなり厚みが0.1μm〜5.0μmのものが挙げられる。RFID用途のアンテナとしては、厚みが0.1μm以上であれば実用可能であるが、後工程のブラスト加工においては、金属膜2の厚みが薄いほど、加工時間を短縮できるので好ましい。
導電性基材3としては、例えば、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材に、接着剤を介して、厚み9μmのアルミニウム箔を貼着した積層シートが用いられ、このような積層シートとして具体的には、アルペット9−100(パナック社製)が挙げられる。
次いで、図2に示すように、金属膜2上に、金属膜2から形成されるコイル状のアンテナパターンを遮蔽するマスキング4を設ける。すなわち、金属膜2において、マスキング4によって覆われている部分が、アンテナとなる。
次いで、金属膜2上にマスキング4が設けられた状態で、ブラスト加工により、マスキング4に覆われていない部分、すなわち、金属膜2の露出している部分を削り取り、ベース基材1の一方の面1aを露出させ、図3に示すようなコイル状のアンテナパターンをなす金属膜2からなるアンテナ5を形成する。これと同時に、ブラスト加工により露出したベース基材1の一方の面1aには、梨地(凹凸)処理が施される。
ここで、ブラスト加工とは、対象物(本発明では、導電性基材3の金属膜2)に、研磨材を高速で吹き付けて衝突させ、梨地(凹凸)処理やバリ取りなどを行う加工のことである。ブラスト加工としては、対象物に研磨材を直接吹き付ける乾式ブラスト、対象物に研磨材と水などの液体を混合した混合液を吹き付ける湿式ブラストが挙げられる。本発明では、アンテナの腐食による性能の低下を防止するために、乾式ブラストが好適に用いられる。
研磨材としては、スチール、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、ガラスビーズ、ナイロン、プラスチックなどからなり、平均粒径が5μm〜400μm程度の微粒子が用いられる。研磨材の粒径は、アンテナパターンの寸法精度の要求に応じて、適宜調整される。
なお、この実施形態では、アンテナパターンをコイル状としているので、アンテナコイルを跨ぐ部分(図3中、符号6で示す部分)を形成するために、マスキングと、それに伴うブラスト加工を二工程行う。
また、この実施形態では、アンテナ5として、コイル状のアンテナを例示したが、本発明のアンテナの形成方法はこれに限定されない。本発明の本発明のアンテナの形成方法にあっては、ベース基材の一方の面に設けられた金属膜のブラスト加工により、所定のアンテナパターンに形成することができるアンテナであれば、ポールアンテナ、折り曲げポールアンテナループアンテナ、ダイポールアンテナ、ループアンテナなどであってもよい。
次に、上述の実施形態のアンテナの形成方法により形成したアンテナを用いた非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
図4〜6は、本発明のアンテナの形成方法により形成したアンテナを用いた非接触型データ受送信体の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
図4に示すように、上述のアンテナの形成方法によりベース基材1の一方の面1aに形成されたアンテナ5と、ICチップ7とを、アンテナ5の接点5a,5aと、ICチップ7の接点(図示略)において、導電材8を介して電気的に接続する。
導電材8としては、ACP(Anisotropic Conductive Paste:異方性導電ペースト)工法、NCP(Non Conductive Resin Paste:無導電粒子ペースト)工法、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)工法、NCF(Non Conductive Resin Film:無導電粒子フィルム)工法などが用いられる。特に、導電材8として、ACP、NCPなどの導電性接着剤を用いた場合、ブラスト加工により梨地処理が施されたベース基材1の一方の面1aに対する接着剤の接着力が向上し、その結果として、ベース基材1に対するICチップ7の接着力が向上するので好ましい。
次いで、図5に示すように、ベース基材1の一方の面1aに、接着剤を介して、ベース基材1と同様の材質からなる表面基材9を貼着し、図6に示すような非接触型データ受送信体10を得る。
以上説明したように、この実施形態のアンテナの形成方法によれば、ブラスト加工により、研磨材の微粒子を用いて、ベース基材1上に設けられた金属膜2の露出している部分を削り取ることによって金属膜2からなるアンテナ5を形成し、ベース基材1上において、アンテナ5のスペース部分(アンテナ5が配設されない部分)や線間部分(アンテナ5の間隙)を形成するので、研磨材の粒径を変えることにより、要求されるアンテナパターンの寸法精度に対応することができる。
また、マスキング4のパターンを変更することにより、任意のアンテナパターンを容易に形成することができ、アンテナ仕様の変更にも柔軟に対応することができる。
また、必要とされるアンテナ5が設けられたベース基材1の数量に応じて、導電性基材3を逐次加工することができるので、導電性基材3さえ在庫しておけばよく、エッチング加工のように材料、処理液など大規模(大ロットが必要)な工法よりも、数量面において柔軟に対応することができる。
また、ブラスト加工によって、ベース基材1の一方の面1aは粗面構造(梨地)になるので、アンテナ5が設けられたベース基材1を用いて、非接触型データ受送信体10を製造する際、ベース基材1に対する表面基材9の接着力が向上する。
さらに、ブラスト加工により梨地処理が施されたベース基材1の一方の面1aに対するACP、NCPなどの導電性接着剤の接着力が向上し、その結果として、ベース基材1に対するICチップ7の接着力が向上する。したがって、非接触型データ受送信体10は、曲げ、捻りなどの屈曲に対する耐久性が向上する。
なお、ブラスト加工と同様に、ベース基材1上に設けられた金属膜2を削り取り、アンテナを形成する方法としては、レーザを用いた加工方法が挙げられる。しかしながら、レーザを用いた加工方法は、金属膜を削り取る際に粉塵が発生し、その粉塵がベース基材に付着して、ベース基材に対する接着剤の接着力が低下するため好ましくない。一方、この実施形態のアンテナの形成方法によれば、金属膜3において、アンテナ5となる部分にはマスキングを施し、金属膜3のその他の部分を全て削り取ってしまうので、ベース基材に対する接着剤の接着力を低下することなく、アンテナを形成することができる。また、金属膜3の残った部分(アンテナ5をなす部分)には粉塵が付着しないので、アンテナ5の機能が劣化することがない。
本発明のアンテナの形成方法は、ベース基材の一方の面に金属膜が設けられた導電性基材を用いて、電子回路を形成する場合にも適用することができる。得られた電気回路は、粉塵が付着していないので、回路抵抗が部分的に異なるという不具合が生じない。
本発明のアンテナの形成方法の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のアンテナの形成方法の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のアンテナの形成方法の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のアンテナの形成方法により形成したアンテナを用いた非接触型データ受送信体の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のアンテナの形成方法により形成したアンテナを用いた非接触型データ受送信体の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のアンテナの形成方法により形成したアンテナを用いた非接触型データ受送信体の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
符号の説明
1・・・ベース基材、2・・・金属膜、3・・・導電性基材、4・・・マスキング、5・・・アンテナ、7・・・ICチップ、8・・・導電材、9・・・表面基材、10・・・非接触型データ受送信体。

Claims (1)

  1. 基材上に設けられた金属膜に、該金属膜から形成されるアンテナパターンを遮蔽するマスキングを施した後、ブラスト加工により、前記金属膜の露出している部分を削り取り、前記金属膜からなるアンテナを形成することを特徴とするアンテナの形成方法。

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