JP2010102241A - 画像形成装置 - Google Patents

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雅彦 鈴見
Shizumaro Nishimura
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Abstract

【課題】 加圧ローラ表面の帯電及び除電ムラに起因するオフセットを防止する。
【解決手段】 加圧ローラ表面に除電針先端の山の位置をずらして除電針を複数対向配置する。又は、除電針先端の山を各々除電針平板面に垂直方向に変位させる。又は、除電針を複数配置する構成で、定着ニップ後から加圧ローラ回転方向下流側の除電針の山の間隔を上流より広くする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザプリンタ,LEDプリンタ等のプリンタ、デジタル複写機等の電子写真方式,静電記録方式を用いた画像形成装置に関し、特にその定着における画像品質の改善に関するものである。
従来、レーザビームプリンタ等の電子写真方式を使用した画像形成装置は、コンピュータ等の外部情報処理機器より印字に関するコマンド及びコード化された文字、イメージ画像情報をデータ受信し、フォーマッター等においてコード情報を画像情報に変換する際に写真等の濃度情報を持ったイメージ画像はディザマトリクス、誤差拡散法等公知の画像処理を受け二値化され画像情報に変換される。
次に、図8を用いて電子写真エンジン部分について説明する。
電子写真エンジン部分は、感光ドラム(感光体)201の周囲に、その回転方向に沿って感光ドラム201を帯電する一次帯電器202、感光ドラム201を露光して静電潜像を形成する露光手段203、静電潜像にトナー(現像剤)を付着させてトナー像を形成する現像装置204、感光ドラム201上のトナー像を転写材Pに転写する転写ローラ(転写装置)205、残留トナーを除去するクリーニング装置207を配設してなる。トナー像の転写先となる転写材Pは、不図示の用紙カセットから給紙搬送され、感光ドラム201に給紙される。感光ドラム201に給紙された転写材Pは、転写ローラ(転写装置)205によってトナー像が転写され、その後加熱定着装置206に搬送され、ここでトナー像が定着された転写材Pは装置外に排出される。
加熱定着装置206としては、熱ローラー方式やフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間にフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法が提案されている。図9に該装置の要部の概略構成図を示した。すなわち図9において、ステイホルダー(支持体)212に固定支持させた加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)211と、該ヒータ211に耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)213を挟んで所定のニップ幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成させて圧接させた弾性加圧ローラ220を有する。ヒータ211は通電により所定の温度に加熱・温調される。定着フィルム213は不図示の駆動手段あるいは加圧ローラ220の回転力により、定着ニップ部Nにおいてヒータ211面に密着・摺動しつつ矢印aの方向に搬送移動される、円筒状あるいはエンドレスベルト状、もしくはロール巻きの有端ウェブ状の部材である。
ヒータ211を所定の温度に加熱・温調させ、定着フィルム213を矢印の方向に搬送移動させた状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム213と加圧ローラ220との間に被加熱材としての未定着トナー像tを形成担持させた記録材Pを導入すると、記録材Pは定着フィルム213の面に密着して該定着フィルム213と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送される。この定着ニップ部Nにおいて、記録材P・トナー像tがヒータ211により定着フィルム213を介して加熱されて記録材P上のトナー像tが加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録材部分は定着フィルム213の面から剥離して搬送される。
加熱部材としてのヒータ211には一般にセラミックヒータが使用される。例えば、アルミナ等の電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板211aの面(定着フィルム213と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pb)・Ta2N等の通電発熱抵抗層211bをスクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該発熱抵抗層形成面を薄肉ガラス保護層211cで覆ってなるものである。このセラミックヒータ211は通電発熱抵抗層211bに通電がなされることにより該通電発熱抵抗層211bが発熱してセラミック基板211a・ガラス保護層211cをヒータ全体が急速昇温する。このヒータ211の昇温がヒータ背面に配置された温度検知手段214により検知されて不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段214で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層211bに対する通電を制御する。すなわちヒータ211は所定の定着温度に加熱・温調される。
定着フィルム213は、定着ニップ部Nにおいてヒータ211の熱を効率よく被加熱材としての記録材Pに与えるため、厚みは20〜70μmとかなり薄くしている。この定着フィルム213はフィルム基層、プライマー層、離型性層の3層構成で構成されており、フィルム基層側がヒータ側であり、離型性層側が加圧ローラ側である。フィルム基層はヒータ211のガラス保護層211cより絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有している。また、フィルム基層により定着フィルム213全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。プライマー層は厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されている。離型性層は定着フィルム213に対するトナーオフセット防止層であり、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を厚み10μm程度に被覆して形成してある。
また、ステイホルダー212は、例えば耐熱性プラスチック製部材より形成され、ヒータ211を保持するとともに定着フィルム213の搬送ガイドも兼ねている。
このような定着用の薄いフィルム213を用いたフィルム加熱方式の加熱装置においては、加熱部材としてのセラミックヒータ211の高い剛性のために弾性層222を有している加圧ローラ220がこれを圧接させたヒータ211の扁平下面にならって圧接部で扁平になって所定幅の定着ニップ部Nを形成し、定着ニップ部Nのみを加熱することでクイックスタートの加熱定着を実現している。
特開2008−32818号公報
しかしながら、上記従来例で示した加熱定着装置では、いつくかの画像品質問題が発生することが知られており、なかでもオフセットは主要問題の1つとなっている。このオフセットとは記録材上の未定着トナー像を加熱定着する際にトナーの一部が定着されずに定着フィルム側に付着し、定着フィルムの次の周回時に記録材側へ転移する現象である。
オフセットが発生する原因としては、様々な要因が考えられるが、加圧ローラからトナーに及ぼす静電気力が大きな要因の1つとなっている。つまり、未定着トナー像を担持した記録材の裏面と接触する加圧ローラが、記録材を連続搬送することにより、マイナス側の高電位まで帯電することがあり、加圧ローラとマイナスに帯電したトナーとが静電気的に反発するためにオフセットが発生する。一般的に、加圧ローラ表面にはフッ素樹脂等の絶縁材質で構成されているため、記録材や定着フィルム等との摩擦帯電によってマイナス数kV程度まで帯電することがあり、オフセットが発生し易くなる。このような加圧ローラ表面の帯電を防止するために、加圧ローラ表面のフッ素樹脂にカーボン等の導電材を分散させて導電化することも試みられているが、表面性が悪化することにより離型性が低下し、加圧ローラへのトナー付着や記録材へのトナー吐出し等を引き起こすという問題があり、採用されない場合が多い。
そこで、SUSやアモルファス金属等からなる除電ブラシや鋸歯状の導電板からなる除電針(以下除電針と記す)を加圧ローラ表面に対向させ、加圧ローラ表面を除電することにより、オフセットを防止する方法が提案されている。その中でも、除電針は除電ブラシよりもコストが安く、加圧ローラ表面の帯電に起因するオフセットを防止するのに有効である。
しかしながら、加圧ローラ表面を除電する除電部材として除電針を用いる場合、除電針の構成により、除電性能が大きく異なり、除電能力不足や除電ムラ等により、オフセットが発生するという問題がある。
例えば、除電針先端の山の間隔は広い方が電界が集中する為、除電効率が高い、つまり、除電後の加圧ローラ電位が低くなる傾向がある。しかし、除電針先端の山の間隔が広い為に除電ムラが発生しやすく、除電針先端の山と山の間でオフセットが発生する場合がある。また、除電針のピッチを細かくした場合、電界が集中しなくなるために、加圧ローラ表面が十分に除電されず、オフセットが発生するという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は定着装置による加圧ローラ表面の帯電に起因するオフセット画像を防止し、高品位の画像が得られる画像形成装置を低コストで提供することである。
上記課題を解決するために、本発明では、
記録材上に転写された未定着トナー像を、加熱用回転体、及び加圧用回転体とによって形成される定着ニップ部内を挟持搬送させることで永久定着を行う加熱定着装置を備え、
前記該加圧用回転体に鋸歯状の導電板からなる除電針が複数対向配置され、
前記除電針先端の山が前記加圧回転体に対向する長手位置が各除電針毎に異なることにより加圧用回転体表面の除電ムラに起因するオフセット画像を防止することができる。
更に、前記除電針先端の山の間隔が前記定着ニップから加熱用回転体の回転方向上流側より下流側の方が広いことにより、高い効率で加圧用回転体表面の除電を行えると同時に除電ムラを防止でき、加圧用回転体の帯電及び除電ムラに起因するオフセットを防止することができる。
又は、記録材上に転写された未定着トナー像を、加熱用回転体、及び駆動可能な加圧用回転体とによって形成される定着ニップ部内を挟持搬送させることで永久定着を行う加熱定着装置を備え、
前記該加圧用回転体に鋸歯状の導電板からなる除電針が対向配置され、
前記除電針先端の山の位置が各々前記除電針平板に垂直な方向に変位していることを特徴とすることにより加圧用回転体表面の帯電及び除電ムラに起因するオフセット画像を低コスト且つ省スペースで防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、
加圧用回転体表面の帯電及び除電ムラに起因するオフセットを防止し、良好な画像を形成できる加熱定着装置及び画像形成装置を得ることができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下に、本発明に係る実施例を示す。
まず図1は、本発明に係る画像形成装置の構成図である。
図1において、1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。次に、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームEによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された転写材P上に感光ドラム1上より転写される。このとき転写材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された転写材Pは定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。尚、本実施例の画像形成装置は、600dpi、35枚/分(LTR縦送り:プロセススピード約201mm/sec)のプリント速度でプリントを行うことができる。
図2に本発明に係る加熱定着装置6の構成を示す。図2において、定着部材10は以下の部材から構成される。13は熱容量の小さな定着フィルムであり、図3(a)のようにポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等の低熱容量の耐熱性樹脂フィルム層13aの上に導電性プライマー層13bを介してPFA、PTFE、FEP等にカーボン等の導電性部材を混入させた離型性層13cをコーティングした複合層フィルムである。定着フィルム13は、クイックスタートを可能とするために100μm以下の厚みが好ましく、また、長寿命の加熱定着装置を構成するために十分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルムとして、20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム13の厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。
また、定着フィルム13にはオフセット等の画像不良を防止するために、定着バイアスが印加されており、定着バイアス印加方法としては図3(b)のように定着フィルム表面の一部に導電性プライマー層13bを露出させ、導電ブラシ等の給電手段31と接触させ、給電手段31に安全抵抗102を介して高圧電源101に接続することにより定着バイアス印加を行っている。
上記の構成以外にも定着フィルム13としてステンレス等の薄い金属製素管の表面に、プライマー層を介して前記離型層をコーティングした金属スリーブでも良い。この場合、定着フィルムの接地やバイアス印加のため、金属製素管が金属スリーブ表面に一部露出している。
また、11は定着フィルム13の内部に具備された加熱用ヒータであり、高熱伝導であるAl2O3又はAlN基板11a上に銀パラジウム等からなる通電発熱抵抗層11bを形成し、更にその上から薄肉ガラス保護層11cで覆ってなるものである。この加熱ヒータ11の通電発熱抵抗層11bが形成されている面又は背面を定着フィルム13に接触させることにより記録材上のトナー像を溶融、定着させるニップ部の加熱を行う。
12は加熱用ヒータ11を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐための断熱ステイホルダーであり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されており、定着フィルム13が余裕をもってルーズに外嵌されていて、矢印の方向に回転自在に配置されている。また、定着フィルム13は内部の加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12に摺擦しながら回転するため、加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12と定着フィルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させてある。これにより定着フィルム13はスムーズに回転することが可能となる。
加圧部材(加圧ローラ、以下加圧ローラと記す)20は芯金21の外側に絶縁性のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいは耐熱ゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層を形成してあってもよい。加圧ローラ20は上記の定着部材10の方向に不図示の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要なニップ部を形成するべく十分に加圧されており、長手方向端部から芯金21を介して不図示の回転駆動により、矢印の方向に回転駆動される。これにより上記定着フィルム13はステイホルダー12の外側を図の矢印方向に従動回転する。あるいは定着フィルム13の内部に不図示の駆動ローラを設け、駆動ローラを回転駆動することにより、定着フィルム13を回転させる。
次に、加圧ローラ20表面を除電する除電部材としての除電針15について説明する。
除電針15は厚さ0.1mmのSUS板金からなり、図2のように除電針15a、15b共に加圧ローラ20表面との間に所定の間隙dをもって対向配置されている。除電針15と加圧ローラ20表面との距離は、近ければ近いほど除電性能は向上するが、近づけすぎると除電針15と加圧ローラ20表面が接触し、加圧ローラ20が破損してしまう恐れがある。その為、本実施例では加圧ローラ外径公差、熱膨張及び除電針15の取り付け公差等を考慮して、間隙dを2.0mmとした。
除電針15の先端の形状は図4に示すように山の間隔が2mm、高さが3mmの鋸歯状であり、除電針15aと15bで先端の山の位置をずらして加圧ローラ20表面に対向配置している。これにより除電針15aだけでは除電針先端の山と山の間にできる除電ムラを除電針15bで解消することができる。(図4参照)
また、除電針15の取り付け位置としては、加圧ローラ20表面電位が最も高い定着ニップ直後が最も除伝効率が高く、好ましい。尚、本実施例では除電針15を接地しているが、ダイオードを介して接地、又は、バイアスを印加することによってより除電効率を高めることも可能である。
次に、具体的な実験例について説明する。
表1に加圧ローラ20表面を除電しない場合と除電針を1本設ける場合、及び、図4のように除電針15の山の位置をずらして2本設けた場合のオフセットレベルを比較した結果を示す。尚、オフセットレベルの確認は、加圧ローラ20表面が帯電しやすい低温・低湿環境で高抵抗化した紙(Xx4024放置紙)を100枚通紙した後に行った。また、画像パターンとしては除電ムラが確認しやすいように600dpi孤立1ドットからなるハーフトーン画像で行った。
Figure 2010102241
表1からわかるように加圧ローラ20に除電部材である除電針15を対向配置しない場合、加圧ローラ20表面電位は-3.5kV以上に帯電し、NGレベルのオフセットが発生する。しかし、除電針15を1本加圧ローラ20に対向配置すると加圧ローラ表面電位が-2.5〜-3.0kV程度まで低下し、オフセットも大幅に改善した。しかし、除電針先端の山と山の間で除電ムラが発生し、その除電ムラに起因するオフセットが発生した。これに対して、本実施例のように除電針15の山の位置をずらして2本設けることにより、除電ムラに起因するオフセットも発生しなくなった。但し、表面電位計では加圧ローラ20の除電針ピッチでの電位ムラを正確に検出できないため、加圧ローラ表面電位に大きな差異はでなかったが参考値として表1に記載しておく。尚、本実施例では除電針15を2本使用したが、除電針15先端の山の間隔等を変えて複数設けることによってより除電効率を高めることも可能である。
以上より、除電針15先端が加圧ローラに対向する位置を各除電針毎に異ならせることによって、加圧ローラ表面の帯電および除電針先端の山と山の間で発生する除電ムラを防ぎ、オフセットの発生を防止することができる。
本実施例では、前記実施例1のように加圧ローラの回転方方向に複数(本実施例では2本)対向配置する構成で、加圧ローラ回転方向下流側に位置する除電針15の山の間隔を上流側にある除電針の山の間隔よりも広くする構成について説明する。尚、本実施例の画像形成装置のプロセススピードは266mm/s、45枚/分(LTR縦送り)であり、その他の条件は前記実施例と同様であり、再度の説明は省略する。
除電針15先端の山の間隔が広いほうが、電界が集中する為に除電効率が向上することが知られている。一方、除電針15先端の山と山の間では除電されないため、除電ムラが発生しやすくなるという問題がある。
そこで、本実施例では図5のように除電針15aは先端の山の間隔が1mmのものとし、その加圧ローラ回転方向に配置する除電針15bを3mm間隔のものとした。これにより、除電針の先端の山の間隔が狭い除電針15aで、ムラなく除電し、除電針先端の山の間隔が広く、除電効果の高い除電針15bで更に除電することでムラなく、効果的に加圧ローラ表面を除電することができる。
表2に本実施例の除電針構成でのオフセットレベルを示す。尚、オフセットの確認は、前記実施例と同様に低温・低湿環境及び高抵抗紙(Xx4024放置紙)を用いて行った。
Figure 2010102241
表2よりわかるように、加圧ローラに除電部材である除電針15を対向配置しない場合、加圧ローラ表面電位は-3.5kV以上に帯電し、NGレベルのオフセットが発生する。また、除電針先端の山の間隔が1mmの除電針を2本使用した場合は、除電性能が不足する為に加圧ローラ表面電位が高くオフセットが発生する。これは、加圧ローラ回転方向上流側にある除電針で除電した後、2本目の除電針では殆ど除電されないためである。これに対して、本実施例の構成では、プロセススピード266mm/s(45枚/分:LTRサイズ紙縦送り)という厳しい条件でも加圧ローラ表面の帯電に起因するオフセットは発生せず、除電ムラによるオフセットも発生しなかった。
尚、本実施例では除電針15の山の間隔が1mmと3mmの2本を使用したが、除電針15の山の間隔や除電針15の本数は画像形成速度等の画像形成条件や画像形成装置の構成に依存するため、オフセットを防止できる構成は本実施例の構成に限られるものではない。
以上より、加圧ローラ表面を除電する除電針15を加圧ローラの回転方向に複数対向配置する構成で、加圧ローラ回転方向下流側に位置する除電針の山の間隔を上流側にある除電針の山の間隔よりも広くすることにより、除電効率を向上することができ、加圧ローラ表面が帯電及び除電ムラに起因するオフセットを防止することが出来る。
本実施例では、前記実施例1で2本設けた除電針15を図6のように1本とし、除電針15先端の山をそれぞれ図7のように除電針平板に垂直方向に変位させる構成について説明する。尚、本実施例の画像形成装置のプロセススピードは126mm/s、22枚/分(LTR縦送り)であり、その他の条件は前記実施例1と同様であり、再度の説明は省略する。
前記実施例で述べたように除電針15の先端の山の間隔は広いほうが、電界が集中する為に除電効果が向上するが、除電ムラが発生しやすくなる。
そこで、本実施例では除電針15として、山の間隔が1mm、高さ2mmのものを使用し、図7のように先端の山を除電針平板面に対して交互に1mm変位させる構成とした。これにより、1本の除電針15で先端の山と山の間隔を比較的大きく取れるため、低コスト・省スペースで除電効率を高めることができる。但し、除電針15を複数設ける構成ほど先端の山の間隔を大きく取れないため除電効率は若干劣るが、プロセススピードが比較的遅く、それほど高い除電効率を必要としない場合に有効である。
表3に本実施例の除電針構成でのオフセットレベルを示す。尚、オフセットの確認は、前記実施例と同様に低温・低湿環境及び高抵抗紙(Xx4024放置紙)を用いて行った。
Figure 2010102241
表3よりわかるように、加圧ローラに除電部材である除電針15を配設しない場合、加圧ローラ表面電位は-3.5kV以上に帯電し、NGレベルのオフセットが発生する。また、除電針15の先端の山を変位させていない除電針15を使用した場合は、除電性能が不足する為に加圧ローラ表面電位が高くオフセットが発生する。これに対して、本実施例の構成では、加圧ローラ表面電位がオフセットが発生しないレベルまで除電され、また、除電針15の山と山の間で発生するオフセットも発生しなかった。
尚、本実施例では除電針の山のピッチが1mmのものを使用し、除電針の山を交互に変位させる例について説明したが、除電針の山の間隔や山の変位方法は装置の画像形成条件や画像形成速度等に依存するため、オフセットを防止できる構成は本実施例の構成に限られるものではない。
以上より、加圧ローラ表面を除電する除電針15の先端の山の部分を所定間隔で除電針15平板に垂直方向に変位させることによって、省スペース且つ低コストで除電効率を向上することができ、加圧ローラ表面の帯電及び電位ムラに起因するオフセットを防止することが出来る。
本発明に係わる画像形成装置の構成図。 本発明に係わる加熱定着装置の構成図。 (a)実施例1の定着フィルム層構成を表す図、(b)実施例1の定着フィルムへのバイアス印加方法を表す図。 本実施例1の除電針構成及び加圧ローラ表面電位を表す図。 本実施例2の除電針構成を表す図。 本実施例3の加熱定着装置の構成図。 本実施例3の除電針構成を表す図。 従来の画像形成装置の構成図。 従来の加熱定着装置の構成図。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザスキャナ(露光手段)
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
10 定着部材
11 加熱部材(ヒータ)
11a セラミック基板
11b 通電発熱抵抗層
11c 薄肉ガラス保護層
12 ステイホルダー
13 薄肉フィルム(定着フィルム)
14 温度検知素子
20 加圧ローラ
21 加圧ローラ芯金
31 給電手段
101 高圧直流(DC)電源
P 記録材

Claims (4)

  1. 記録材上に転写された未定着トナー像を、加熱用回転体、及び加圧用回転体とによって形成される定着ニップ部内を挟持搬送させることで永久定着を行う加熱定着装置を備え、
    前記該加圧用回転体に鋸歯状の導電板からなる除電針が複数対向配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記除電針先端の山が前記記加圧回転体に対向する長手位置が各除電針毎に異なることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記除電針先端の山の間隔が前記定着ニップから加熱用回転体の回転方向上流側より下流側の方が広いことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 記録材上に転写された未定着トナー像を、加熱用回転体、及び駆動可能な加圧用回転体とによって形成される定着ニップ部内を挟持搬送させることで永久定着を行う加熱定着装置を備え、
    前記加圧用回転体に鋸歯状の導電板からなる除電針が対向配置され、
    前記除電針先端の山の位置が前記除電針平板に垂直な方向に変位していることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11372368B2 (en) 2020-08-24 2022-06-28 Kyocera Document Solutions Inc. Image forming apparatus that prevents contamination of charge neutralizer provided in fixing device
EP4215990A1 (en) * 2022-01-21 2023-07-26 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus incorporating same

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