JP2010102171A - 車両運転シミュレータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被験者の意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得することができる車両運転シミュレータ装置を提供する。
【解決手段】所定の場面での被験者のブレーキペダル操作量を検出する操作量検出部11と、ブレーキペダル操作量に基づいて被験者がブレーキ操作に習熟したか否かを判定する習熟判定部12と、ブレーキペダル操作量を運転に関する情報として取得する運転データ取得部14と、習熟判定部12の判定機能が有効となる習熟試験モードを、運転データ取得部14の情報取得機能が有効となる本試験モードへ切り替えるモード切替部13と、を備え、習熟判定部12により被験者がブレーキ操作に習熟したと判定した場合には、モード切替部13が操作習熟モードから本試験モードへ切り替えるように構成することにより、意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得できる。
【選択図】図2
【解決手段】所定の場面での被験者のブレーキペダル操作量を検出する操作量検出部11と、ブレーキペダル操作量に基づいて被験者がブレーキ操作に習熟したか否かを判定する習熟判定部12と、ブレーキペダル操作量を運転に関する情報として取得する運転データ取得部14と、習熟判定部12の判定機能が有効となる習熟試験モードを、運転データ取得部14の情報取得機能が有効となる本試験モードへ切り替えるモード切替部13と、を備え、習熟判定部12により被験者がブレーキ操作に習熟したと判定した場合には、モード切替部13が操作習熟モードから本試験モードへ切り替えるように構成することにより、意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の運転シミュレーションを行う装置に関するものである。
従来、被験者に模擬運転を行わせる車両運転シミュレータ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の装置は、車両走行時における横加速度のピーク値の平均値及び分散に基づいて運転特性である運転熟練度を判定するものであって、車両運転シミュレータ装置に採用されるものである。
特開平4−301875号公報
しかしながら、従来の装置にあっては、被験者がシミュレータ装置の操作感覚に習熟していない場合には、その操作感覚の習熟度合いがシミュレーション結果に反映されてしまうため、例えば本来の運転特性を取得できないおそれがある。
そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、被験者の意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得することができる車両運転シミュレータ装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明に係る車両運転シミュレータ装置は、被験者に車両の模擬運転を行わせる車両運転シミュレータ装置であって、被検者の車両の操作量を取得して操作に習熟したか否かを判定する習熟試験モードを実行し、操作に習熟した場合には車両の運転情報を取得する本試験モードに切り替えて実行することを特徴として構成される。
この発明によれば、被験者が装置の操作に習熟した後に運転情報の取得する本試験を実行することができるので、車両とシミュレータ装置の操作感覚の違いを排除して正確なシミュレーションデータを採取することができる。
また、本発明に係る車両運転シミュレータ装置は、被験者に車両の模擬運転を行わせる車両運転シミュレータ装置であって、被験者の操作量を検出する操作量検出手段と、操作量に基づいて被験者の操作の習熟を判定する習熟判定手段と、車両の運転に関する情報を取得する運転情報取得手段と、習熟判定手段により習熟度を判定する習熟試験モードから、運転情報取得手段により運転情報を取得する本試験モードへ習熟に基づいて切り替えるモード切換手段と、を備えて構成される。
この発明によれば、所定の場面における被験者の装置操作を繰り返し検出して、被験者が装置操作に習熟したか否かを判定し、被験者が装置操作に習熟したと判定した場合に、運転に関する情報を取得することができるため、シミュレータ装置と実車両との操作感覚の違いに慣れた後に運転に関する情報を取得することが可能となる。これにより、シミュレータ装置操作の習熟度合いが運転に関する情報に影響しないため、被験者の意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得することができる。
ここで、車両運転シミュレータ装置において、習熟判定手段は、操作量が前回の操作量に近似する場合には、被験者が操作に習熟したと判定することが好適である。このように構成することで、同一場面での操作量が安定したときに被験者が装置操作に習熟したと判定することができる。
また、車両運転シミュレータ装置において、操作量検出手段は、操作量としてブレーキ操作によるブレーキ踏量の推移を取得し、習熟判定手段は、取得したブレーキ踏量の推移と前回のブレーキ踏量の推移とが近似する場合には、被験者が操作に習熟したと判定することが好適である。このように構成することで、被験者がシミュレータ装置のブレーキ操作に習熟したか否かの判定を行うことができる。
また、車両運転シミュレータ装置において、操作量検出手段は、操作量としてハンドル操作による操作量の推移を検出し、習熟判定手段は、ハンドル操作による操作量の推移に基づいて走行軌跡を取得し、取得した走行軌跡が前回の走行軌跡に近似する場合には、被験者が装置操作に習熟したと判定することが好適である。このように構成することで、被験者がシミュレータ装置のハンドル操作に習熟したか否かの判定を行うことができる。
さらに、車両運転シミュレータ装置において、操作量としてハンドル操作による操舵角の推移を検出してもよい。
本発明によれば、被験者の意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置は、例えば、模擬運転を行うための装置であって、実験や訓練に好適に採用されるものである。
最初に、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置の概要から説明する。図1は、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1の概要図である。図1に示すように、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1は、模擬運転を行うための装置であって、操作者が模擬運転を行う運転操作部2を備えている。
運転操作部2は、被験者が行う模擬運転の運転操作状態を検出するものであって、少なくともハンドル、アクセル、ブレーキを備え、模擬運転の操舵操作状態、加速及び減速操作状態を検出できるものが用いられる。また、シフトレバー、ウインカなどその他のものを備えたものであってもよい。この運転操作部2は、通常の車両形状に構成したものを用いることが好ましい。この場合、実車に乗っているような臨場感を与えることができる。
また、運転操作部2は、運転操作状態に応じて移動及び傾斜するものであることが好ましい。この場合、運転操作の臨場感を高めることができる。例えば、運転操作部2をターンテーブル3上に設け、このターンテーブル3を傾斜させることにより運転操作部2を傾斜可能とする。また、ターンテーブル3を移動させることにより運転操作部2を移動可能とする。さらに、ターンテーブル3を回転させることにより運転操作部2を回転可能とすることが好ましい。
ターンテーブル3は、回転可能に設けられる円板状の床部であって、例えば中央位置を中心として回転可能に構成されている。このターンテーブル3は、アクチュエータ4により支持され、アクチュエータ4の作動により傾斜可能となっている。アクチュエータ4としては、例えば伸縮可能な複数のシリンダにより構成されるヘキサポットが用いられる。運転操作状態に応じてアクチュエータ4を作動させてターンテーブル3と共に運転操作部2を傾斜させることにより、実際の車両運転状況に近い体感を操作者に与えることができ、運転操作の臨場感を高めることができる。
ターンテーブル3の上部には、運転操作部2の全周を覆うドーム7が設置されている。ドーム7は、例えば、円筒状の壁部71と円弧状の天井部72を備えたものが用いられる。なお、ドーム7は、運転操作部2の全周を覆う形状であれば、半円状のもの、多角形状又は矩形状を呈するものを用いる場合もある。
ドーム7の天井部72には、投影装置73が設けられている。投影装置73は、例えば複数の投影器により構成される。また、ドーム7の壁部71の内側には、スクリーン74が設けられている。投影装置73は、運転操作部2の周囲の風景を模した映像をスクリーン74に向けて投影する。この投影装置73及びスクリーン74は、車両周囲の風景を模した映像を、運転操作に応じて表示する表示部として機能するものである。また、この表示部としては、運転操作に応じて車両周囲の風景を表示できるものであれば、液晶モニタなど投影装置73及びスクリーン74以外のものを用いてもよい。
車両運転シミュレータ装置1は、ECU(Electronic Control Unit)8を備えている。ECU8は、運転操作部2、アクチュエータ4及び投影装置73と接続され、車両運転シミュレータ装置1の装置全体の制御を行うものであって、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。
ECU8の構成について図2を用いて詳細に説明する。図2に示すように、ECU8は、例えば、映像信号出力部10、操作量検出部(操作量検出手段)11、習熟判定部(習熟判定手段)12、モード切替部(モード切替手段)13、運転データ取得部(運転情報取得手段)14、イベント発生部15及び駆動信号出力部16を備えており、複数の制御モードで実行可能に構成されている。
操作量検出部11は、被験者の操作量として、運転操作部2から出力される運転操作信号(操作量)を入力する機能を有している。例えば、ハンドル操舵角、ブレーキペダルの踏量、アクセルペダルの踏量等を運転操作信号として入力する機能を有している。また、操作量検出部11は、運転操作信号を映像信号出力部10、習熟判定部12、運転データ取得部14へ出力する機能を有している。
映像信号出力部10は、操作量検出部11から入力した運転操作信号に応じて地図データ上における車両の位置を算出し、その車両位置に応じた車両周囲の道路、構造物などの風景を表現する映像信号を投影装置73に出力する機能を有している。これにより、投影装置73によって地図データ上における車両周囲の映像がスクリーン74に向けて投影され、スクリーン74に運転操作に応じた映像が表示される。また、イベント発生部15から出力された信号を取得し、運転操作を伴うイベント(所定の運転場面)を表現する映像信号を投影装置73に出力する機能を有している。
イベント発生部15は、運転操作が必要なイベントを生成する機能を有している。例えば、イベント発生部15は、被験者のアクセル操作、ブレーキ操作又はハンドル操作が必要な運転シーンの映像を投影装置73に出力させる機能を有している。
駆動信号出力部16は、アクチュエータ4に対し駆動信号を出力する機能を有している。この駆動信号は、操作量検出部11から入力した運転操作信号に応じて運転操作部2を傾斜させるように生成された信号である。運転操作に応じた駆動信号がアクチュエータ4に出力されることで、運転操作に応じた体感を被験者に与えることができる。
習熟判定部12は、操作量検出部11が出力した被験者の運転操作信号に基づいて、被験者が運転操作部2の操作に習熟したか否かを判定する機能を有している。習熟判定部12は、例えば、操作量検出部11が出力した被験者の操作量を取得し、同一の運転場面における操作量の推移に基づいて、被験者が運転操作部2の操作に習熟したか否かを判定する機能を有している。また、習熟判定部12は、被験者が運転操作部2の操作に習熟したと判定するまで、所定の実行回数を上限として判定処理を繰り返す機能を有している。また、習熟判定部12は、ハンドル操作、ブレーキ操作、アクセル操作等、操作ごとに被験者が習熟したか否かを判定する機能を有している。さらに、習熟判定部12は、判定結果をモード切替部13へ出力する機能を有している。
モード切替部13は、習熟判定部12が出力した判定結果に基づいて車両運転シミュレータ装置1の実行モードを切り替える機能を有している。例えば、モード切替部13は、車両運転シミュレータ装置1の操作に習熟させる習熟試験モードと、被験者の運転に関する情報を取得する本試験モードとを切り替える機能を有している。習熟試験モードは車両運転シミュレーションさせるコースとして、ブレーキ操作やハンドル操作、アクセル操作などを行わせるカーブや交差点、車線変更、信号切替などの複数のイベントを適宜繰り返し発生させて、被験者がブレーキ操作やハンドル操作等の感覚を習熟したことを観察するモードである。本試験モードは、車両運転シミュレーションさせるコースにおいて、死角からの歩行者や車両の飛び出し、前方車両の急ブレーキ、信号タイミングの変化や脇見を誘う表示、風景の変化、薄暮や夜間、降雨、降雪などのイベントを発生させて被験者の運転動作を観察するモードである。
運転データ取得部14は、操作量検出部11が出力した運転操作信号を、シミュレーション結果(運転に関する情報)として取得する機能を有している。又、例えば、操舵操作状態、加速及び減速操作状態に基づいて、車速、加速度、横加速度、ヨーレート等の走行状態を示す情報を算出し、運転に関する情報として取得する機能を有していてもよい。
なお、ECU8のRAMには、後述する習熟度判定回数をカウントするカウンタの領域が確保されている。また、操作量検出部11から検出した運転操作信号を記録する領域が確保されている。さらに、操作に習熟したか否かを判定するためのフラグの領域が確保されている。
次に、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1の動作を示すフローチャートである。図3に示す制御処理は、例えば運転操作部2に備わるシミュレーション実行ボタンがオンされてから所定のタイミングで繰り返し実行される。
図3に示すように、車両運転シミュレータ装置1は、習熟試験モードでのシミュレーション実行処理から開始する(S10)。S10の処理は、被験者が運転操作部2の操作に習熟するために実行されるシミュレーション処理である。この処理の詳細については後述する。S10の処理を行うことで、被験者が運転操作部2の操作に習熟したことを認識することが可能となる。S10の処理が終了すると、習熟判定処理に移行する(S12)。
S12の処理は、モード切替部13が実行し、S10の処理において被験者が運転操作部2の操作に習熟したと認識したか否かを判定する処理である。S12の処理において、被験者が運転操作部2の操作に習熟したと判定した場合には、本試験モードの実行処理へ移行する(S14)。このように、被験者が運転操作部2の操作に習熟した場合には、車両運転シミュレータ装置1の実行モードが習熟試験モードから本試験モードへと切り替わる。
S14の処理は、本試験モードでのシミュレーション実行処理である。S14の処理は、被験者の運転に関する情報をシミュレーション結果として取得するために実行されるシミュレーション処理である。例えば、操作量検出部11が出力した操作量を被験者の運転特性を示す情報であるとして取得する処理である。この処理の詳細については後述する。S14の処理が終了すると、図3に示す制御処理を終了する。
図3に示す制御処理を実行することにより、習熟試験モードでのシミュレーション実行処理で被験者が運転操作部2の操作に習熟した後に、本試験モードでのシミュレーション実行処理を行うことができる。
次に、図3に示すS10の処理の詳細について説明する。まず、運転操作部2の操作の一例としてブレーキ操作について説明する。図4は、S10の習熟試験モードでのシミュレーション実行処理の詳細を示すフローチャートである。図4に示すように、習熟試験モードでのシミュレーション実行処理として、実行回数リセット処理から開始する(S20)。
S20の処理は、習熟判定部12が実行し、習熟度の判定実行回数のカウンタを初期化する処理である。例えば、習熟判定部12は、判定実行回数のカウンタの値を0に設定する。S20の処理が終了すると、回数判定処理へ移行する(S22)。
S22の処理は、習熟判定部12が実行し、判定実行回数が上限値Nより大きいか否かを判定する処理である。S22の処理において、実行回数が上限値であるN回より大きいと判定した場合には、以降の処理は行わずに図4に示す制御処理を終了する。一方、S22の処理において、実行回数が上限値Nより小さいと判定した場合には、イベント発生処理へ移行する(S24)。
S24の処理は、イベント発生部15が実行し、被験者が運転操作部2のブレーキ操作を行う必要があるイベントを発生させる処理である。例えば、イベント発生前に、スクリーン74に車両周辺の風景及び前方を走行する先行車両の映像が表示されているとする。この場合において、イベント発生部15は、例えば先行車両が減速又は停止する映像を、映像信号出力部10及び投影装置73を介して、スクリーン74に表示させる。S24の処理が終了すると、ブレーキペダルの踏量検出処理へ移行する(S26)。
S26の処理は、操作量検出部11が実行し、イベント発生時における運転操作部2のブレーキペダル踏量を検出する処理である。操作量検出部11は、例えばスクリーン74上での先行車両の減速に伴って、図5に示すように、前方車両の減速に伴うブレーキペダル踏量を入力する。図5は、ブレーキ踏量の操作時間依存性を示すグラフであり、縦軸がブレーキ踏量、横軸がブレーキ操作時間tである。ブレーキ踏量B1は判定回数1回目の際に取得されたブレーキ踏量であり、ブレーキ踏量Bn−1、Bnは判定回数n−1回目、n回目の際に取得されたブレーキ踏量である。ブレーキ踏量を示すグラフにおいて、ブレーキ踏量が一度安定した後に再度増加して安定する場合は、ブレーキの踏み増しが発生したことを示している(例えばP1)。また、ブレーキ踏量が一度安定した後に減少して安定する場合は、ブレーキの踏み減らしが発生したことを示している(例えばP2)。操作量検出部11は、例えば図5のブレーキ踏量B1に示す操作量を取得し、ECU8のRAMに記憶する。S26の処理が終了すると、推移判定処理へ移行する(S28)。
S28の処理は、習熟判定部12が実行し、ブレーキ操作が安定したか否かを判定する処理である。例えば、習熟判定部12は、S28の処理で取得した今回のイベント発生時のブレーキ踏量と、ECU8のRAMに記録された前回のイベント発生時のブレーキ踏量とを比較して、近似しているか否かを判定する。例えば、習熟判定部12は、所定の操作時間におけるブレーキ踏量の同一性、踏み減らしや踏み増しのタイミングの同一性を判断して、前回のイベント発生時と同様の操作となった場合には、ブレーキ操作が安定したと判定する。例えば、n回目のブレーキ踏量Bnと、n−1回目のブレーキ踏量Bn−1とを比較すると、操作量がほぼ同一であり、踏み減らしのタイミングもほぼ同一であるので、操作量の推移がほぼ同一と判定できる。あるいは、ブレーキの踏み増しや踏み減らしの回数が少なくなることを判定したり、踏み増しや踏み減らしによるブレーキ踏量の増減が小さくなることを判定することで、ブレーキ操作が安定したと判定してもよい。S28の処理において、ブレーキ操作が安定したと判定した場合には、習熟認定処理へ移行する(S32)。
S32の処理は、習熟判定部12が実行し、被験者はブレーキ操作に習熟したと認定する処理である。習熟判定部12は、例えば、ブレーキ操作習熟フラグを0から1にセットする。S32の処理が終了すると、図4に示す処理を終了する。
一方、S28の処理において、ブレーキ操作が安定していないと判定した場合には、実行カウント処理へ移行する(S30)。S30の処理は、習熟判定部12が実行し、ブレーキ操作が安定したか否かを判定した回数をカウントする処理である。習熟判定部12は、カウンタに1を加算する。S30の処理が終了すると、実行回数設定処理へ再度移行する(S20)。
このように、実行回数の上限を超えない範囲で、ブレーキ操作が安定したと判定されるまで、S24、S26の処理が繰り返し実行される。
以上で図4に示す制御処理を終了する。図4に示す制御処理を実行することにより、操作量検出部11が出力した運転操作情報を、習熟度合いを示す情報であるとして取得して、実行回数の上限を超えない範囲で、被験者がブレーキ操作に習熟するまでイベントを発生させることができる(習熟試験モード)。また、図3のS12の処理では、ブレーキ操作習熟フラグが1である場合、すなわち、被験者がブレーキ操作に習熟した場合のみ、運転に関する情報を取得するシミュレーションを実行することができる(本試験モード)。
次に、運転操作部2の操作に係る他の例としてハンドル操作について説明する。図6は、図3のS10の習熟試験モードでのシミュレーション実行処理の詳細を示すフローチャートである。図6に示すように、習熟試験モードでのシミュレーション実行処理として、実行回数リセット処理から開始する(S40)。
S40の処理は、習熟判定部12が実行し、習熟度の判定実行回数のカウンタを初期化する処理である。例えば、習熟判定部12は、判定実行回数のカウンタの値を0に設定する。S40の処理が終了すると、回数判定処理へ移行する(S42)。
S42の処理は、習熟判定部12が実行し、判定実行回数が上限値Nより大きいか否かを判定する処理である。S42の処理において、実行回数が上限値であるN回より大きいと判定した場合には、以降の処理は行わずに図6に示す制御処理を終了する。一方、S42の処理において、実行回数が上限値Nより小さいと判定した場合には、イベント発生処理へ移行する(S44)。
S44の処理は、イベント発生部15が実行し、被験者が運転操作部2のハンドル操作を行う必要があるイベントを発生させる処理である。例えば、イベント発生前に、車両周辺の風景及び前方を走行する先行車両の映像がスクリーン74に表示されているとする。この場合、イベント発生部15は、例えば、先行車両が自車両の走行レーンで駐車する映像を映像信号出力部10及び投影装置73を介して、スクリーン74に表示させる。また、例えば、イベント発生前に、直線道路を走行する風景の映像がスクリーン74に表示されているとする。この場合、イベント発生部15は、例えば、前方に交差点が存在する風景の映像を、映像信号出力部10及び投影装置73を介して、スクリーン74に表示させる。そして、例えばスピーカ(不図示)等を介して、被験者に右折するように誘導する。S44の処理が終了すると、ハンドルの操舵角検出処理へ移行する(S46)。
S46の処理は、操作量検出部11が実行し、イベント発生時における運転操作部2の操舵角を検出する処理である。操作量検出部11は、例えば交差点右折に伴う操舵角の時間依存性を操作量検出部11から入力する。操作量検出部11は、入力した操舵角をECU8のRAMに記憶する。S46の処理が終了すると、推移判定処理へ移行する(S48)。
S48の処理は、習熟判定部12が実行し、ハンドル操作が安定したか否かを判定する処理である。例えば、習熟判定部12は、S48の処理で取得した今回のイベント発生時の操舵角に基づいて、今回の走行軌跡を算出する。また、ECU8のRAMに記録された前回のイベント発生時の操舵角に基づいて前回の走行軌跡を算出する。これにより、例えば、図7に示す走行軌跡を取得することができる。図7は、交差点右折に伴う走行軌跡を示す概要図である。走行軌跡S1、S2は判定回数1、2回目の際に対応する走行軌跡であり、走行軌跡Sn−1、Snは判定回数n−1回目、n回目の際に対応する走行軌跡である。走行軌跡において、操舵不足と判断して切り増しが発生したことを示す箇所が例えばP3、操舵過剰と判断して切り戻しが発生したことを示す箇所が例えばP4である。そして、習熟判定部12は、前回の走行軌跡と今回の走行軌跡とを比較して、近似しているか否かを判定する。例えば、習熟判定部12は、所定の操作時間における操舵角の同一性、切り増しや切り戻しのタイミングの同一性を判断して、前回のイベント発生時と同様の操作となった場合には、ハンドル操作が安定したと判定する。例えば、n回目の走行軌跡Snと、n−1回目の走行軌跡Sn−1とを比較すると、右折開始から終了までの走行軌跡がほぼ重複する。このため、n回目においてハンドル操作が安定したと判定する。あるいは、ハンドルの切り増しや切り戻しの回数が少なくなることを判定したり、切り増しや切り戻しによる走行軌跡の変化が小さくなることを判定したりすることで、ハンドル操作が安定したと判定してもよい。S48の処理において、ハンドル操作が安定したと判定した場合には、習熟認定処理へ移行する(S52)。
S52の処理は、習熟判定部12が実行し、被験者はハンドル操作に習熟したと認定する処理である。習熟判定部12は、例えば、ハンドル操作習熟フラグを0から1にセットする。S52の処理が終了すると、図6に示す処理を終了する。
一方、S48の処理において、ハンドル操作が安定していないと判定した場合には、実行カウント処理へ移行する(S50)。S50の処理は、習熟判定部12が実行し、ハンドル操作が安定したか否かを判定した回数をカウントする処理である。習熟判定部12は、カウンタに1を加算する。S50の処理が終了すると、実行回数設定処理へ再度移行する(S40)。
このように、実行回数の上限を超えない範囲で、ハンドル操作が安定したと判定されるまで、S44、S46の処理が繰り返し実行される。
以上で図6に示す制御処理を終了する。図6に示す制御処理を実行することにより、実行回数の上限を超えない範囲で、被験者がハンドル操作に習熟するまでイベントを発生させることができる(習熟試験モード)。図3のS12の処理では、ハンドル操作習熟フラグが1である場合、すなわち、被験者がハンドル操作に習熟した場合のみ運転に関する情報を取得するシミュレーションを実行することができる(本試験モード)。
次に、図3のS14に示す本試験モードでのシミュレーション実行処理の詳細について説明する。図8は、図3のS14の習熟試験モードでのシミュレーション実行処理の詳細を示すフローチャートである。図8に示すように、本試験モードでのシミュレーション実行処理として、イベント発生処理から開始する(S60)。
S60の処理は、イベント発生部15が実行し、被験者に対して運転に関する情報を取得するために必要なイベントを発生させる処理である。イベント発生部15は、要求される実験や訓練に応じて様々な運転シーンを、映像信号出力部10を介してスクリーン74に表示させる。S60の処理が終了すると、データ取得処理へ移行する(S62)。
S62は、操作量検出部11及び運転データ取得部14が実行し、イベントに応じた被験者の操作量を、シミュレーション結果として取得する処理である。シミュレーション結果は、例えば運転特性等を判断するためのデータとして用いられる。S62の処理が終了すると、図8に示す制御処理を終了する。
以上、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1によれば、所定の場面における被験者の装置操作を繰り返し検出して、被験者が装置操作に習熟したか否かを判定し、被験者が装置操作に習熟したと判定した場合に、運転に関する情報を取得することができるため、車両運転シミュレータ装置1と実車両との操作感覚の違いに慣れた後に運転に関する情報を取得することが可能となる。これにより、車両運転シミュレータ装置1の操作の習熟度合いが運転に関する情報に影響しないため、被験者の意図した運転操作が適切に反映されたシミュレーション結果を取得することができる。
また、本実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1によれば、同一場面での操作量が安定したときに被験者が装置操作に習熟したと判定することができる。例えば、車両運転シミュレータ装置1における被験者の習熟度合いが影響するブレーキ操作量を取得して前回値と比較することで、被験者が装置操作に習熟したか否かの判定を的確に行うことができる。また、例えば、車両運転シミュレータ装置1における被験者の習熟度合いが影響する走行軌跡を取得して前回値と比較することで、被験者が装置操作に習熟したか否かの判定を的確に行うことができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る車両運転シミュレータ装置の一例を示すものである。本発明に係る車両運転シミュレータ装置は、実施形態に係る車両運転シミュレータ装置1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る車両運転シミュレータ装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上述した実施形態では、ブレーキ操作、ハンドル操作の習熟を判定する例について説明したが、アクセル操作の習熟を判定する場合であっても良い。
また、上述した実施形態では、ハンドル操作の習熟を判定するために走行軌跡を求めて前回値と比較する例を説明したが、操舵角を取得して前回値と比較することで、被験者がハンドル操作に習熟したか否かを判定してもよい。
また、上述した実施形態では、ハンドル操作及びブレーキ操作の全てを習熟した後に本試験モードでのシミュレーション処理を実行しているが、必ずしも全ての操作を習熟する必要はなく、実験の態様や取得したい情報に応じて習熟すべき操作を選択、追加してもよい。
さらに、上述した実施形態では、運転操作部2が実際に走行可能には構成されていない例を説明したが、実際に走行する車両であってもよい。
1…車両運転シミュレータ装置、11…操作量検出部(操作量検出手段)、12…習熟判定部(習熟判定手段)、13…モード切替部(モード切替手段)、14…運転データ取得部(運転情報取得手段)。
Claims (6)
- 被験者に車両の模擬運転を行わせる車両運転シミュレータ装置であって、
前記被検者の車両の操作量を取得して操作に習熟したか否かを判定する習熟試験モードを実行し、操作に習熟した場合には前記車両の運転情報を取得する本試験モードに切り替えて実行する車両運転シミュレータ装置。 - 被験者に車両の模擬運転を行わせる車両運転シミュレータ装置であって、
前記被験者の操作量を検出する操作量検出手段と、
前記操作量に基づいて前記被験者の操作の習熟を判定する習熟判定手段と、
前記車両の運転に関する情報を取得する運転情報取得手段と、
前記習熟判定手段により前記習熟度を判定する習熟試験モードから、前記運転情報取得手段により前記運転情報を取得する本試験モードへ前記習熟に基づいて切り替えるモード切換手段と、
を備える車両運転シミュレータ装置。 - 前記習熟判定手段は、前記操作量が前回の操作量に近似する場合には、前記被験者が操作に習熟したと判定する請求項2に記載の車両運転シミュレータ装置。
- 前記操作量検出手段は、前記操作量としてブレーキ操作によるブレーキ踏量の推移を取得し、
前記習熟判定手段は、取得したブレーキ踏量の推移と前回のブレーキ踏量の推移とが近似する場合には、前記被験者が操作に習熟したと判定する請求項2又は3に記載の車両運転シミュレータ装置。 - 前記操作量検出手段は、前記操作量としてハンドル操作による操作量の推移を検出し、
前記習熟判定手段は、ハンドル操作による操作量の推移に基づいて走行軌跡を取得し、取得した走行軌跡が前回の走行軌跡に近似する場合には、前記被験者が操作に習熟したと判定する請求項2〜4の何れか一項に記載の車両運転シミュレータ装置。 - 前記操作量検出手段は、前記操作量としてハンドル操作による操舵角の推移を検出する請求項5に記載の車両運転シミュレータ装置。
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CN102800222A (zh) * | 2012-07-23 | 2012-11-28 | 湖州金博电子技术有限公司 | 一种农用车驾驶技术考核装置及其考核方法 |
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- 2008-10-24 JP JP2008274222A patent/JP2010102171A/ja active Pending
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