JP2010101999A - 液晶配向膜、液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向膜、液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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雄二郎 小口
Norihisa Tamura
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Abstract

【課題】本発明は光を照射することにより容易に液晶のプレチルト角を制御することができ、その配向が環境に対して安定でしかも着色の少ない垂直配向用の液晶配向膜を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアミック酸の少なくとも1つをポリマー成分として含有する液晶配向剤を基板に塗布して得られるポリアミック酸の薄膜に光を照射し、その後このポリアミック酸をイミド化することにより製造される光配向膜であって、このポリマー成分が主鎖中に三重結合を有し、炭素数3〜30のアルキル、アルコキシもしくはアルコキシアルキル、ステロイド骨格を有する基および末端の環に置換基としてアルキル、アルコキシもしくはアルコキシアルキルを有する環含有基から選択される基を側鎖基として有するポリアミック酸を含有するポリマー成分であり、そして80.0〜89.7度の範囲のプレチルト角を発現することを特徴とする垂直配向用光配向膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主としてポリアミック酸の薄膜に光を照射して配向処理を施した後にイミド化することにより得られる液晶配向膜に関する。
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビにも用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。従来の液晶表示素子としては、ネマティック液晶を用いた表示素子が主流であり、一方の基板近傍にある液晶の配向方向と他方の基板近傍にある液晶のそれとが90度の角度でねじれているTN(Twisted Nematic)モード、前記配向方向が通常180度以上の角度でねじれているSTN(Super Twisted Nematic)モード、薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin-film-transistor)モードの液晶表示素子が実用化されている。
しかしながらこれらの液晶表示素子は、画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに輝度やコントラストが低下することがあり、また中間調で輝度反転を生じることがある。近年この視野角に関する問題は、TNモードに光学補償フィルムを併用したり、垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード(特許文献1参照)、または横電界方式のIPS(In-Plane Switching)モード等により改良されている(特許文献2参照)。
なかでもMVAモードは、ラビングによる液晶の配向方向制御が不要であるため、傷による表示品位の劣化や液晶表示素子製造時の歩留まりの低下が少なく、現在TV用途の主流となっている。突起構造物は電極付きの基板の上に、感光性樹脂を塗布、成膜、この樹脂の露光、エッチング等々の工程を経て製作される。このようにして製作された突起構造物の上に液晶を垂直に配向させる液晶配向膜が塗布される。電圧無印加時、液晶は突起表面に対して垂直に、したがって電極面に対して垂直から僅かな角度で倒れて配向している。電圧を印加するとこの僅かに倒れた方向に沿って液晶が配向するわけである。
以上のように、MVAモードにおいて突起構造物は液晶の配向を規制するのに重要な役割を果たしているが、その製作には既述のように数工程が必要であるため、液晶の配向制御をより簡単に行う方法が種々模索されている。その中で光により液晶配向膜のプレチルト角を制御する方法(非特許文献1〜4参照)は、これを実現する有力な候補の一つであると考えられる。
光を照射して配向処理を施す光配向法については、光分解法、光異性化法、光二量化法、光架橋法等多くの配向機構が提案されている(非特許文献5および特許文献3参照)。しかしながら光配向法はこれまで配向制御能力が低く、これまで実用に至ったものは少なかった。配向のマルチドメイン化に関しても、光配向膜はマスクをしながら光の照射を重ねることによってこれを行いやすい利点がある(特許文献4および5参照)。しかしながら反面、表示素子とした時、バックライト等の光によって配向が乱れやすい欠点がある。
また、光異性化法による光配向膜としてアゾベンゼン誘導体を用いたものが種々検討されている(特許文献6および7参照)が、アゾベンゼン誘導体は着色が濃いため、これを液晶表示素子に利用する場合、着色を抑える方法を工夫する必要がある。なお、本発明と類似の文献として特許文献8および9が公開されているが,これらの文献には本発明に関する具体的な記述はない。
特開平11−242225号公報 特開平6−160878号公報 特開2005−275364号公報 特開平7−72484号公報 特開平9−211456号公報 特開平10−253963号公報 WO9637807号パンフレット 特開平11−15001号公報 特開2007−279691号公報 Liq.Cryst., vol.28, No.7, 1065(2001) Liq.Cryst., vol.29, No.4, 567(2002) Mol.Cryst., Liq. Cryst., vol.410, 275(2004) Mol.Cryst., Liq. Cryst., vol.412, 269(2004) 液晶、第3巻、第4号、262ページ、1999年
本発明の課題は、光を照射することにより容易に液晶のプレチルト角を制御することができ、かつその配向が環境に対して安定で、しかも着色の少ない垂直配向用の液晶配向膜を提供することである。
本発明者等は、主鎖に三重結合を持つポリアミック酸の膜に光を照射してこの膜に配向処理を施したあとイミド化することによって上記課題を達成できることを知り、本発明を完成した。本発明の垂直配向用光配向膜は次の[1]項に示される。
[1] ポリアミック酸の少なくとも1つをポリマー成分として含有する液晶配向剤を基板に塗布して得られるポリアミック酸の薄膜に光を照射し、その後このポリアミック酸をイミド化することにより製造される光配向膜であって、このポリマー成分が主鎖中に三重結合を有し、炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を含有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される基を側鎖基として有するポリアミック酸の少なくとも1つを含有するポリマー成分であり、そして80.0〜89.7度の範囲のプレチルト角を発現することを特徴とする垂直配向用光配向膜。
本発明により、特にVAモードにおいて、突起構造物のような液晶の配向を制御するための構造物を製作することなく表示可能な素子を提供することが可能となる。
まず最初に、本発明における用語を説明する。アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、特に説明しない限り、直鎖状の基および分岐状の基の両方を含む基として定義される。化学構造を定義する際に用いる「任意の」は、位置だけでなく個数についても自由に選択できることを意味する。そして、「任意のAがB、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、任意のAがBで置き換えられる場合、任意のAがCで置き換えられる場合および任意のAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含むことを意味する。式(1)で表される化合物を化合物(1)と略称することがある。他の式で表される化合物についても同様な略し方をすることがある。環を構成する原子と明確に結合していない置換基は、その結合位置を化学的に許容される範囲内で自由に決定できる置換基である。化学構造式において、文字、例えばAを六角形で囲った記号は環Aを意味する。実施例においては、電子天秤の表示データを質量単位であるg(グラム)を用いて示した。重量%や重量比はこのような数値に基づくデータである。
本発明は前記の[1]項と次に示す[2]〜[17]項とで構成される。
[2] 照射する光が無偏光であることを特徴とする、[1]項に記載の光配向膜。
[3] ポリマー成分が、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であって、この三重結合を持たないジアミンが請求項1に記載の側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物である、[1]項または[2]項に記載の光配向膜。
[4] ポリマー成分が、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが請求項1に記載の側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸と、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つをテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸および三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸から選択される少なくとも1つのポリアミック酸とからなる混合物である、[1]項または[2]項に記載の光配向膜。
[5] 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択されるジアミンである、[3]項または[4]項に記載の光配向膜。

Figure 2010101999
(ここに、R〜Rは、独立して水素、フッ素または炭素数1〜30の炭化水素基である。)
[6] 側鎖型ジアミンが式(2)または式(3)で表されるジアミンである、[3]〜[5]のいずれか1項に記載の光配向膜:

Figure 2010101999
(ここに、Qは炭素数3〜20のアルキル、炭素数3〜20のアルコキシ、炭素数3〜20のアルコキシアルキル、式(2−a)で表される基またはステロイド骨格を有する基であり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−または炭素数1〜12のアルキレンであり;GおよびGは独立して炭素数6〜12の2価の芳香族基または炭素数3〜8の2価の脂環式基であり;Rは炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数2〜20のアルコキシアルキルであり、これらの基における任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mおよびnは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1〜4であり;mが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;nが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)

Figure 2010101999
(ここに、Rは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンであって、これらの環の任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよく;Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり;ZおよびZは独立して単結合、−CH−、−CHCH−または−O−であり;r、s1およびs2は独立して0〜3の整数であり;rが2または3であるとき、環Aはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xもそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s1が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s2が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)
[7]側鎖型ジアミンが式(4)で表されるジアミンである、[3]〜[5]のいずれか1項に記載の光配向膜。

Figure 2010101999
(ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルである。)
[8] 三重結合を有するジアミンが式(1−1−1)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−3−1)および式(1−4−1)で表される化合物から選択されるジアミンである、[3]〜[7]のいずれか1項に記載の光配向膜。

Figure 2010101999
[9] テトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物の少なくとも1つまたはこの(これらの)テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物の混合物である、[3]〜[8]のいずれか1項に記載の光配向膜。
[10] 対向配置されている一対の基板と、これらの基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成された電極と、これらの基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、これらの液晶配向膜間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、液晶配向膜の一方または両方が[1]〜[9]のいずれか1項に記載の光配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
[11] 三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される少なくとも1つの基を側鎖基として有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸をポリマー成分として含有する、[1]項に記載の液晶配向剤。
[12] 三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される少なくとも1つの基を側鎖基として有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸と、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つをテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸および三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸から選択される少なくとも1つのポリアミック酸とからなるポリアミック酸の混合物をポリマー成分として含有する、[1]項に記載の液晶配向剤。
[13] 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択されるジアミンである、[11]項または[12]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2010101999
(ここに、R〜Rは独立して水素、フッ素、または炭素数1〜30の炭化水素基である。)
[14] 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択されるジアミンであり、側鎖型ジアミンが式(2)および式(3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、[11]項または[12]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2010101999
(ここに、R〜Rは、独立して水素、フッ素、または炭素数1〜30の炭化水素基である。)

Figure 2010101999
(ここに、Qは炭素数3〜20のアルキル、炭素数3〜20のアルコキシ、炭素数3〜20のアルコキシアルキル、式(2−a)で表される基またはステロイド骨格を有する基であり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−または炭素数1〜12のアルキレンであり;GおよびGは独立して炭素数6〜12の2価の芳香族基または炭素数3〜8の2価の脂環式基であり;Rは炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数2〜20のアルコキシアルキルであり、これらの基における任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mおよびnは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1〜4であり;mが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;nが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)

Figure 2010101999
(ここに、Rは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンであって、これらの環の任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよく;Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり;ZおよびZは独立して単結合、−CH−、−CHCH−または−O−であり;r、s1およびs2は独立して0〜3の整数であり;rが2または3であるとき、環Aはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xもそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s1が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s2が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)
[15] 側鎖型ジアミンが式(4)で表されるジアミンである、[14]項に記載の液晶配向剤。

Figure 2010101999
(ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルである。)
[16] 三重結合を有するジアミンが式(1−1−1)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−3−1)および式(1−4−1)で表される化合物から選択されるジアミンである、[11]〜[15]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

Figure 2010101999
[17] テトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物の少なくとも1つまたはこの(これらの)テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物の混合物である、[11]〜[16]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
本発明の光配向膜は、ポリアミック酸をポリマー成分として含有する液晶配向剤を基板に塗布し、これを乾燥して得られるポリアミック酸の薄膜に光を照射して配向させ、次いでこのポリアミック酸をイミド化して得られる。
本発明で用いるポリアミック酸(polyamic acid)は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応生成物であり、その誘導体を用いてもよい。ポリアミック酸の誘導体の例は、部分イミド化ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステルおよびポリアミック酸アミドである。ポリアミック酸アミドはテトラカルボン酸二無水物の一部をジカルボン酸に置き換えて反応させたポリアミック酸−ポリアミド共重合体ことである。なお、酸成分として、テトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸を混合して用いる場合は、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体だけではなく、ポリアミドおよび/またはポリアミック酸を含む混合物が得られる可能性があるが、本発明ではこのような可能性を前提にポリアミック酸−ポリアミド共重合体と称する。本発明では、これらのポリマーのうちポリアミック酸および部分イミド化ポリアミック酸が好ましく、ポリアミック酸が特に好ましい。
主鎖中に三重結合を有するポリアミック酸は、三重結合を有するジアミンおよび/または三重結合を有するカルボン酸二酸無水物を原料として用いることによって得られる。本発明では三重結合を有するジアミンを用いることが好ましい。三重結合を有するジアミンの好ましい例は、式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物である。これらの化合物の群から少なくとも1つの化合物を選択して用いることが好ましい。

Figure 2010101999
(ここに、R〜Rは独立して水素、フッ素または炭素数1〜30の炭化水素基である。)
化合物(1−1)〜化合物(1−4)の特に好ましい例を次に示す。即ち、本発明では化合物(1−1−1)、化合物(1−2−1)、化合物(1−2−2)、化合物(1−3−1)および化合物(1−4−1)の少なくとも1つを用いることが特に好ましい。

Figure 2010101999
本発明では、三重結合を持たないジアミンであって、側鎖基を有するジアミンを三重結合を有するジアミンと併用して用いる。このとき、三重結合を有するジアミンの全ジアミン量に対する含有割合は、50〜99.5モル%であることが好ましく、70〜99.5モル%であることがより好ましい。この範囲内であれば、光配向能が発現・維持される。
ここで、三重結合を持たないジアミンについて説明する。ジアミンはその構造の違いによって2種類に分けることができる。即ち、2つのアミノ基を結ぶ骨格を主鎖として見たときに、主鎖から分岐する基、即ち側鎖基を有するジアミンと側鎖基を持たないジアミンである。側鎖基を有するジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって、ポリマーの主鎖に対して多数の側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドが得られる。このようなポリマー主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドを使用するとき、このポリマーを含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子における大きなプレチルト角を発現することができる。即ち、この側鎖基は大きなプレチルト角を発現する効果を有する基であり、炭素数3以上の基である必要がある。具体的には、側鎖基は炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を有する基であって末端の環に置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシもしくは炭素数2以上のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択されることが好ましい。
側鎖基の具体例はつぎの通りである。
まず最初に、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルカルボニル、アルケニルカルボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルカルボニル、アルキニルカルボニルオキシ、アルキニルオキシカルボニル、アルキニルアミノカルボニル等を挙げることができる。そして、これらの基におけるアルキル、アルケニルおよびアルキニルはいずれも炭素数3〜30の基であり、この炭素数は3〜12であってもよい。但し、アルキルオキシアルキルにおいては、全体としての炭素数が3〜30であればよく、3〜12であってもよい。なお、これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
次に、末端の環が炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシまたは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを置換基として有することを条件に、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、フェニルオキシカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルシクロヘキシルオキシ、炭素数3以上のシクロアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニルアルキル、シクロヘキシルフェニルオキシ、ビス(シクロヘキシル)オキシ、ビス(シクロヘキシル)アルキル、ビス(シクロヘキシル)フェニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルアルキル、ビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、およびシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル等の環構造の基を挙げることができる。なお、前記の置換基は炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシまたは炭素数2〜12のアルコキシアルキルであってもよい。
さらに、2個以上のベンゼン環および/またはシクロヘキサン環で構成され、結合基がそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または炭素数1〜3のアルキレンであり、末端の環が炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシまたは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを置換基として有する環集合基を挙げることができる。この場合における置換基も、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシまたは炭素数2〜12のアルコキシアルキルであってもよい。もちろん、ステロイド骨格を有する基も側鎖基として有効である。
本発明では、実施例における場合を除き、このような側鎖基を有するジアミンを側鎖型ジアミンと称し、炭素数3以上の側鎖基を持たないジアミンを非側鎖型ジアミンと称する。このような限定句を付けずに単にジアミンと称するときには、側鎖型と非側鎖型の区別をしていないことを示す。なお、非側鎖型ジアミンは三重結合を有するジアミンを含まないものとして定義される。
側鎖型ジアミンの好ましい例は、式(2)および式(3)のそれぞれで表されるジアミンである。

Figure 2010101999
式(2)において、Qは炭素数3〜20のアルキル、炭素数3〜20のアルコキシ、炭素数3〜20のアルコキシアルキル、式(2−a)で表される基またはステロイド骨格を有する基であり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。式(2−a)における記号の意味は次の通りである。
およびXは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−または炭素数1〜12のアルキレンである。
およびGは独立して炭素数6〜12の2価の芳香族基または炭素数3〜8の2価の脂環式基である。
は炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数2〜20のアルコキシアルキルであり、これらの基における任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
mおよびnは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1〜4である。
mが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。
nが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。
そして、2つのアミノ基相互の結合位置関係はメタまたはパラであることが好ましい。即ち、Xの結合位置を1位とするとき、2つのアミノ基の結合位置は3位と5位または2位と5位であることが好ましい。

Figure 2010101999
式(3)における記号の意味は次の通りである。
は炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシである。
環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンであって、これらの環の任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよい。
は単結合または炭素数1〜5のアルキレンである。
およびZは独立して単結合、−CH−、−CHCH−または−O−である。
r、s1およびs2は独立して0〜3の整数である。
rが2または3であるとき、環Aはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xもそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。
s1が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。
s2が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。
次に、式(2)で表されるジアミンの具体例を示す。

Figure 2010101999

Figure 2010101999
これらの式において、R20は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜16のアルキルである。R21は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜10のアルキルである。R22は炭素数4〜20のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜16のアルキルである。R23は炭素数6〜20のアルキルまたは炭素数8〜20のアルキルである。R24は炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜12のアルキルである。R25は炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜10のアルキルである。
式(2)におけるQがステロイド骨格を有する基であるジアミンの例を次に示す。

Figure 2010101999
これらのうちのより好ましい例は、化合物(2−1)、化合物(2−2)、化合物(2−4)、化合物(2−5)および化合物(2−6)である。さらに好ましい例は、化合物(2−5)および化合物(2−6)である。
次に、式(3)で表されるジアミンの具体例を示す。

Figure 2010101999

Figure 2010101999
式(3−1)〜式(3−16)において、R26は水素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜12のアルコキシであり、好ましくは炭素数4〜7のアルキルである。
本発明で用いるポリマー成分のうち三重結合を有するジアミンを用いて得られるポリマー成分は、三重結合を有するジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって得られるポリアミック酸(ポリマーA)、三重結合を有するジアミンと側鎖基を有し三重結合を持たないジアミン(側鎖型ジアミン)の混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって得られるポリアミック酸(側鎖型ポリマーB)、三重結合を有するジアミンと側鎖基を有し三重結合を持たないジアミン(側鎖型ジアミン)と側鎖基を持たず三重結合を持たないジアミン(非側鎖型ジアミン)との混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって得られるポリアミック酸(側鎖型ポリマーB)、および三重結合を有するジアミンと非側鎖型ジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって得られるポリアミック酸(非側鎖型ポリマーB)である。
本発明の光配向膜の用途はVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子である。従って、本発明では、前記の側鎖型ポリマーBまたはこれを含有するポリアミック酸混合物をポリマー成分として用いる。以下の説明では、このポリアミック酸混合物を混合ポリマーと称する。混合ポリマーを調製するために用いる側鎖型ポリマーB以外のポリアミック酸は、ポリマーAおよび三重結合を持たないジアミンが非側鎖型ジアミンであるポリマーB(非側鎖型ポリマーB)の少なくとも1つであり、三重結合を持たないジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって得られるポリアミック酸(ポリマーC)を更に併用することもできる。この場合、光配向能が発現・維持されるためには、ポリマー成分を構成する全ポリアミック酸におけるジアミン残基合計量に占める三重結合を有するジアミン残基の割合を十分に大きくすればよい。なお、ポリマーCを製造するに当たって使用するジアミンは、目的に合わせて側鎖型ジアミンおよび非側鎖型ジアミンから適宜選択すればよい。
そして、混合ポリマーにおける側鎖型ポリマーBの混合割合は、5〜95重量%の範囲で任意に選ぶことができる。配向欠陥をなくし電圧保持率(VHR)等の電気的な特性を向上させるためには、側鎖型ポリマーBが10〜80重量%の割合で含まれていることが好ましい。この割合のより好ましい範囲は10〜50重量%であり、特に好ましい範囲は10〜20重量%である。
本発明では、側鎖型ジアミンを単独で用いてもよいし、2つ以上を混合して用いてもよい。側鎖型ジアミンの割合は垂直配向を得る目的や電気特性に合わせて任意に選定できる。特に液晶の垂直配向を発現させるためには、原料ジアミン総量に対する側鎖型ジアミンの割合を、0.5〜50モル%の範囲とすることが好ましく、0.5〜30モル%とすることがより好ましい。
次に、非側鎖型ジアミンの好ましい例を示す。

Figure 2010101999

Figure 2010101999

Figure 2010101999
高いVHRを配向膜に付与し、焼き付き現象を抑制することを考慮すれば、これらの非側鎖型ジアミンのうち式(V−1)〜式(V−7)、式(VI−1)〜式(VI−12)、式(VI−26)、式(VI−27)、式(VII−1)、式(VII−2)、式(VII−6)、および式(VIII−1)〜式(VIII−5)で表されるジアミンがより好ましく、式(V−6)、式(V−7)、および式(VI−1)〜式(VI−12)で表されるジアミンがさらに好ましい。なお、上記の非側鎖型ジアミンの具体例において、Meはメチルを意味する。
さらにシロキサン系ジアミンを上記のジアミンと併用してもよい。このシロキサン系ジアミンの好ましい例は式(5)で表されるジアミンである。

Figure 2010101999
ここに、RおよびRは独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、Rは炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、そしてyは1〜10の整数である。
これらのジアミンにおいて、芳香環に直接アミノ基が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)ジアミンは、液晶に良好な配向性を与えるので特に好ましい。さらに液晶表示素子の電気特性の低下原因となりやすいエステルやエーテル結合等の酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかしそのような構造を有していても、電気特性に悪影響を与えない範囲内の量であれば何ら問題とはならない。
テトラカルボン酸二無水物は、芳香族系(複素芳香環系を含む)、脂肪族系(複素環系を含む)および脂環式系の何れの群に属するものであってもよい。ポリアミック酸は、液晶表示素子の電気特性の低下原因となりやすいエステルやエーテル結合等の酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。したがって、テトラカルボン酸二無水物も酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかし、そのような構造を有していても電気特性に悪影響を与えない範囲内の量であれば何ら問題とはならない。
本発明で好ましく用いることのできるテトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。なお、Meはメチルを意味する。

Figure 2010101999

Figure 2010101999
これらのテトラカルボン酸二無水物において、配向膜の光配向能を向上させるためには化合物(A−1)、化合物(A−2)または化合物(A−7)を用いることが好ましく、化合物(A−1)または化合物(A−2)を用いることが特に好ましい。配向膜のVHRを向上させたり、着色を軽減させるためには化合物(A−13)、化合物(A−17)〜化合物(A−20)、化合物(A−27)〜化合物(A−29)、化合物(A−31)、化合物(A−38)〜化合物(A−40)、または化合物(A−42)を用いることが好ましく、化合物(A−13)または化合物(A−17)を用いることが特に好ましい。
テトラカルボン酸二無水物はこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他の公知の化合物を用いてもよい。またこれらのテトラカルボン酸二無水物は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の光配向膜は、前記の側鎖型ポリマーBまたは混合ポリマーを溶剤に溶解した状態のワニス、即ち液晶配向剤を基板上に塗布し、溶剤を乾燥したのち配向処理を施すことにより形成される。この液晶配向剤はポリマー成分として混合ポリマーを含有することが好ましい。
本発明では、ポリアミック酸合成溶液をそのまま液晶配向剤として用いることができる。この液晶配向剤を基板に塗布するときには、膜厚の調整のために、溶剤による希釈によってポリアミック酸濃度を調整してもよい。この溶剤による希釈操作に当たって、ポリアミック酸を高濃度で含有する液晶配向剤と溶剤との混合を容易に行うためには、液晶配向剤(ポリアミック酸合成溶液)中のポリアミック酸の濃度が40重量%以下であることが好ましい。即ち、本発明における液晶配向剤中の全ポリアミック酸の濃度は、特に限定されないが、0.1〜40重量%であることが好ましい。
本発明で用いる溶剤の好ましい例は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン(GBL)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。これらの溶剤はポリアミック酸合成および得られたポリアミック酸溶液の希釈のいずれにおいても好ましく用いることができる。
スピンナー法や印刷法等の塗布方法のときには膜厚を良好に保つために、液晶配向剤中のポリアミック酸濃度は通常10重量%以下とされることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法ではさらに低濃度とすることもあり得る。一方ポリアミック酸の濃度が0.1重量%以上であると、得られる液晶配向膜の膜厚が好ましいものとなり易い。従ってポリアミック酸の濃度は、通常のスピンナー法や印刷法等の塗布方法では0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10重量%である。しかしながら、塗布方法によっては、さらに希薄な濃度で使用してもよい。
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、ポリマーの濃度、使用するポリマーの種類、溶剤の種類と割合によって多種多様である。例えば印刷機による塗布の場合は、5〜100mPa・s(より好ましくは10〜70mPa・s)である。この範囲にあれば十分な膜厚が得られまた印刷ムラもない。インクジェット印刷による塗布の場合は1〜30mPa・s(より好ましくは5〜20mPa・s)である。
本発明で使用するポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体の分子量、たとえば重量平均分子量(MW)は、目的とする液晶配向剤の粘度を得るために任意に選択できる。しかしながら、配向膜の経時劣化を防ぐためにMWは10,000以上が好ましい。このようなポリアミック酸の分子量を調節するためにモノアミン、および/またはモノカルボン酸無水物を前記原料と併用してもよい。また分子量が大きすぎると粘度が高くなり取り扱い難くなるので、MWは200,000以下が好ましい。
MWを10,000以下にする必要がある場合、焼成時に架橋反応する置換基をポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体に導入することが好ましい。このような目的のために特開平11−193326に記載の反応性基を有するジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物や、特開平1−188528に記載の反応性基を有するモノアミン、および/またはモノカルボン酸無水物を前記原料と併用することが好ましい。また下記に示すような架橋剤を同様な目的に使用してもよい。
本発明の液晶配向剤に有機シリコーン化合物を添加すれば、液晶配向膜のガラス基板への密着性の調節ができる。本発明の液晶配向剤に添加する有機シリコーン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルである。
この有機シリコーン化合物の液晶配向剤への添加割合は、上記の液晶配向膜に要求される特性を損なうことなく、表示不良を改善することができる範囲であれば特に制限はない。しかしながら、これらを多く添加すると、液晶配向膜としたとき液晶の配向不良が生ずる。したがって、これらの濃度は液晶配向剤に含有されるポリマーに対する重量比で、0.0001〜0.05の範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.001〜0.03の範囲である。
ポリアミック酸のカルボン酸残基と反応してポリアミック酸同士を繋ぐ、いわゆる架橋剤を本発明の液晶配向剤に添加することも、特性の経時劣化や環境による劣化を防ぐために重要である。このような架橋剤としては、特許第3049699号公報、特開2005−275360号公報、特開平10−212484号公報等に記載されているような多官能エポキシ、イソシアネート材料等が挙げられる。また架橋剤自身が反応して網目構造のポリマーとなり、ポリアミック酸もしくはポリイミドを用いて作製した液晶配向剤を用いる液晶配向膜の強度を向上するような材料も上記と同様な目的に使用することができる。このような架橋剤としては、特開平10−310608号公報、特開2004―341030号公報等に記載されているような多官能ビニルエーテル、マレイミド、またはビスアリルナジイミド誘導体等が挙げられる。なお本発明に用いられる架橋剤はこれら以外でもよい。
本発明における好ましい液晶配向膜は、液晶表示素子を形成したときの液晶のプレチルト角が80.0〜89.7度の範囲である。プレチルト角は、例えば中央精機製液晶特性評価装置OMS−CA3型を用いて、Journal of Applied Physics, Vol.48 No.5, p.1783-1792 (1977)に記載されているクリスタルローテーション法によって測定することができる。
本発明における配向膜の膜厚は、膜の厚みの均一性と機械的、光学的、電気特性の観点から、通常5〜500nmである。膜による表示素子の着色を抑えるため、液晶配向膜の膜厚は5〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚はエリプソメトリーや接触式段差計によって測定することができる。また液晶配向膜の膜厚は、液晶配向剤の濃度、粘度や液晶配向剤の塗布条件によって調整することができる。
本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤の膜に光を照射して膜中のポリアミック酸またはその誘導体を配向させる工程と、配向させた液晶配向剤の膜を加熱してポリアミック酸またはその誘導体をイミド化する工程とを含む方法によって製造することができる。以下の説明では、液晶配向剤の膜に光を照射して膜中のポリアミック酸またはその誘導体を配向させる工程を光配向工程と称する。
ポリアミック酸濃度が調整された液晶配向剤の塗布方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても公知技術と同様に適用可能である。
前記の光配向工程では、液晶配向剤の膜の表面に対して斜めの方向から光を照射する工程を含む。この工程によれば、前記平均配向方向と光の入射面におけるポリアミック酸の配向(基板面に対する傾斜角)との両方を制御することが可能である。このような光として特に無偏光が好ましい。
液晶配向剤の膜の表面に対して斜めの方向から照射される光の照射角度は、特に限定されるものではないが、液晶配向膜の表面または基板面に対して20〜70度であることが、良好なポリイミド主鎖の配向と液晶のプレチルト角とを得る観点から好ましく、さらには30〜60度であることがより好ましい。
照射される光の光源には、本発明の目的が達成される範囲内である限り、どのようなものであってもよい。このような光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、Deep UVランプ、エキシマーレーザー等が挙げられる。
照射される光の波長は300〜600nm、より好ましくは340〜500nmである。300nm以上の波長の光では配向膜の光分解が抑えられ、600nm以下の波長の光では光反応が進み易くなる。このような観点から、光配向工程における光の照射では、短波長カットフィルターまたはバンドパスフィルター等を用いることが好ましい。また光反応を効率的に行うため、紫外・可視の連続光源を用い、紫外光と可視光を同時に照射することが好ましい。
照射される光の照射光量は、用いる液晶配向剤の種類、光源の波長、および照射条件に依存する。目安としては、Deep UVランプと340〜500nmのバンドパスフィルターを用いて光配向工程を行う場合の照射量は、0.5J/cm以上であり、好ましくは1J/cm以上である。照射量は特に上限はないが、液晶配向膜の劣化を避けるためには、2,000J/cm以下であることが好ましく、設備および処理に係わるコスト等の経済性を考慮すると300J/cm以下であることが好ましい。
配向したポリアミック酸またはその誘導体のイミド化は、通常加熱によって行われる。本発明においても加熱処理を配向後のポリアミック酸またはその誘導体のイミド化に適用することができる。加熱によるイミド化工程の方法としては、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等の一般に知られている方法が適用可能である。前記イミド化工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
本発明の液晶配向膜の製造では、基板に塗布した液晶配向剤から溶剤を除く工程をさらに含むことが好ましい。この溶剤を除く工程は前記の光配向工程の前に行うことが好ましく、イミド化工程と同様に、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等の一般に知られている方法によって行うことができる。この工程はポリアミック酸またはその誘導体がイミド化することを防ぐため、溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましい。本発明において、70〜100℃で1〜10分間にこれを行うことが好ましい。
本発明の液晶配向膜の製造では、洗浄液による洗浄工程をさらに含んでいてもよい。洗浄工程としては、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの洗浄は単独で行ってもよいし併用してもよい。洗浄液としては純水、メチルアルコール、エチルアルコール若しくはイソプロピルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、またはアセトン若しくはメチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろんこれらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが好ましい。
本発明の液晶配向膜を有する液晶表示素子は、上記のように基板上に液晶配向膜を作製し、次いでスペーサを介してこの基板を対向させて組み立てる工程、液晶組成物を基板の隙間に封入する工程および偏光フィルムを貼り付ける工程等の工程を行うことにより得られる。
本発明の液晶表示素子は、対向配置されている一対の基板と、前記基板の対向している面の一方または両方に形成されている本発明の液晶配向膜と、前記液晶配向膜間に形成されている液晶層と、前記液晶層中の液晶組成物に電圧を印加するための電極とを有する。本発明における液晶表示素子は、液晶配向膜を除いて従来の液晶表示素子と同様に構成することができる。
前記電極は基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は基板の全面に形成されていてもよいし、所望の形状にパターン化されていてもよい。電極の形状には例えば櫛型またはジグザグ構造等が挙げられる。電極は一対2枚の基板のうち一方に形成されていてもよいし、両方に形成されていてもよい。前記基板または電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
前記液晶層は、対向している面の一方または両方に本発明の液晶配向膜が形成されているような対向している一対の基板の隙間に、液晶組成物を封入して形成される。液晶層の厚みを均一に制御するため、基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサを必要に応じて用いることができる。前記スペーサとしてはガラスや樹脂製の微粒子やシート等が挙げられる。
前記液晶組成物には、誘電率異方性が負の各種の液晶組成物を用いることができる。このような液晶組成物の好ましい例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307号公報、特開2001−019965号公報、特開2001−072626号公報、特開2001−192657号公報等に開示されている。そして、これらの液晶組成物は、1つ以上の光学活性化合物をさらに添加して使用してもよい。
また本発明の液晶表示素子は、液晶表示素子の種類に応じてさらなる他の部材を有していてもよい。例えばカラー表示の薄膜トランジスタ(TFT)を使用した液晶素子においては、第1の透明基板上にはTFT、絶縁膜、保護膜および画素電極等が形成されており、第2の透明基板上には画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜および画素電極等を有する。またIPSモードにおいては、電極を持たない透明基板上に、ブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜等を有する。他方に設置された櫛歯状の電極は、例えばガラス等の透明基板上にCr等の金属のスパッタリング法等を用いて堆積した後、所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って形成される。
さらにVAモードにおいては、透明基板上に微小な突起物を形成させる場合(いわゆるMVAモード)があるが、本発明の液晶配向膜を用いれば、マスキングを併用した光照射処理により、液晶の配向方向のマルチドメイン化が実施できる。
なお、本発明の光配向膜は、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他全ての材料の配向制御に用いることができる。
以下本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例で用いるジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物を以下に示す。
<ジアミン>
化合物(1−2−1):4,4’−ジアミノジフェニル−1,4−ブタジイン

Figure 2010101999

化合物(2−5−1):5−(4−(4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)ベンジル)−1,3−ジアミノベンゼン

Figure 2010101999

化合物(30):4,4’−ジアミノアゾベンゼン

Figure 2010101999

化合物(31):1−アミノ−4−((4−アミノフェニル)エテニルカルボニル)−ベンゼン

Figure 2010101999
<テトラカルボン酸二無水物>
化合物(A−1):ピロメリット酸二無水物

Figure 2010101999
化合物(A−13):1,2,3,4−シクロブタン二無水物

Figure 2010101999
化合物(A−20):2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物

Figure 2010101999
化合物(2−5−1)は特開2002−162630号公報の実施例2に準拠して合成した。化合物(31)はWO9637807に従って合成した。化合物(A−1)および化合物(A−13)は市販の化合物を精製して実験に用いた。その他の化合物は市販品をそのまま使用した。
次に、実施例における試験法を示す。
<電圧保持率>
「水嶋他、第14回液晶討論会予稿集 p78(1988)」に記載の方法で行った。測定は、ゲート幅69μs、周波数60Hz、波高±5Vの矩形波をセルに印加して行った。測定は60℃で行った。この値は、印加した電荷がフレーム周期後どの程度保持されているかを示す指標であり、この値が100%ならば全ての電荷が保持されていることを示す。
<液晶中のイオン量測定(イオン密度)>
応用物理、第65巻、第10号、1065(1996)に記載の方法に従い、東陽テクニカ社製、液晶物性測定システム6254型を用いて測定した。周波数0.01Hzの三角波を用い、±10Vの電圧範囲、温度60℃で測定した。イオン密度が大きいとイオン性不純物による焼き付き等の不具合が発生しやすい。即ち、イオン密度は焼き付き発生を予測する指標となる物性値である。
<重量平均分子量(Mw)>
液晶配向剤におけるポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーエミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用い、溶出液として0.6重量%リン酸含有DMFを用い、カラム温度50℃、ポリスチレンを標準溶液として測定した。
<UV−Visスペクトル>
UV−Visスペクトル測定装置(日本分光V−660)を用い、リファレンスに配向膜を形成していないガラス基板を用い測定した。
〔合成例1〕(化合物(1−2−2)の合成)
市販の試薬から常法に従って誘導した、2−ブロモ−5−ニトロ安息香酸クロリド25.4g(96mmol)の塩化メチレン(100ml)溶液に、室温以下で塩化アルミニウム15g(110mmol)を加えた。この溶液中に、4−n−ペンチルシクロヘキシルベンゼン22g(95mmol)の塩化メチレン(50ml)溶液をさらに加え、室温で一晩攪拌した。純水(200ml)中に反応混合物を加え、有機層を分離した。有機層をさらに純水、5%重曹水、および純水(各100ml)の順で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過および溶媒を減圧留去後、得られた粗生成物をエタノールで再結晶することにより、目的とする4−n−ペンチルシクロヘキシル−2’−ブロモ−5’−ニトロベンゾフェノンを得た。収量28g(収率64%)。
上記化合物28g(61mmol)を塩化メチレン(150ml)に溶解し、氷浴上、室温以下で四塩化チタン8ml(73mmol)を加え、さらにトリエチルシラン20ml(120mmol)を加えた。室温で2時間撹拌後、純水(150ml)中に反応混合物を加え、有機層を分離した。上記と同様な後処理を行った後、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン−トルエン混合溶剤(容量比=1:1))で精製することにより、目的とする4−n−ペンチルシクロヘキシル−2’−ブロモ−5’−ニトロジフェニルメタンを得た。収量18g(収率67%)。
上記化合物9.0g(20mmol)、トリメチルシリルアセチレン3.1ml(22mmol)、ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウム(II)360mg(0.51mmol)、およびヨウ化銅(I)190mg(1.0mmol)の混合物を、トリエチルアミン(50ml)中、2時間還流した。冷却後、トルエン(100ml)および純水(100ml)で抽出を行った。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過および溶媒を減圧留去し、4−n−ペンチルシクロヘキシル−5’−ニトロ−2’−トリメチルシリルアセチルジフェニルメタンを得た。得られた粗生成物はこのまま次の反応に用いた。
上記化合物をテトラヒドロフラン(THF、50ml)に溶解し、室温で、テトラブチルアンモニウムフルオリドTHF溶液(1M)23mlを加え、1時間撹拌した。上記と同様に、トルエン(100ml)および純水(100ml)で抽出を行った後、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘプタン−トルエン混合溶剤(容量比=1:1))で精製することにより、目的とする4−n−ペンチルシクロヘキシル−2’−アセチル−5’−ニトロジフェニルメタンを得た。収量7.0g(収率90%)
上記化合物6.9g(18mmol)および鉄粉3.0g(54mmol)にエタノール(50ml)を加え、還流させた。ここに濃塩酸2.1mlを加え、そのまま2時間還流した。反応後、20%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH14以上に反応液を調節した。反応液は熱いままセライトろ過し、セライト上の未溶解物をさらにトルエン(50ml)で洗い流した。有機層をろ過し、純水(50ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過および溶媒を減圧留去し、目的とする4−n−ペンチルシクロヘキシル−5’−アミノ−2’−アセチルジフェニルメタンを得た。6.2g(収率96%)得られた粗生成物はこのまま次の反応に用いた。
上記化合物6.2g(17mmol)、ヨウ化銅(I)340mg(3.4mmol)、およびN,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン660mg(5.7mmol)の混合物を、エチレングリコールジメチルエーテル(30ml)中、室温で空気を吹き込みながら1晩撹拌した。反応後、酢酸エチル(100ml)と純水(100ml)で上記と同様な抽出操作を行い、目的とする化合物(1−2−2)を得た。この化合物はメタノール(30ml)を加え、不溶物をろ過することで精製した。収量5.8g(収率94%)
[ポリマー合成例1](液晶配向剤V1の調製)
50mLの四つ口フラスコに化合物(1−2−1)(0.4736g、2.0389mmol)、化合物(2−5−1)(0.2205g、0.50961mmol)を入れ、NMP(5g)に溶解した。反応系の温度を室温に保ちながら化合物(A−1)(0.5559g、2.5486mmol)を加え一晩反応させた。得られたワニスにGBL(7.5g)、BCS(8.75g)、NMP(2.5g)を加え、約80℃に加熱した。粘度が約35mPa・sになるまでこの温度で攪拌し、高分子成分の濃度が約5重量%のポリアミック酸の液晶配向剤V1を調製した。このV1におけるポリアミック酸の重量平均分子量Mwは38,000であった。
[ポリマー合成例2〜6](液晶配向剤V2〜V6の調製)
合成例1と同様な方法によって、ポリアミック酸濃度が5重量%である液晶配向剤V2〜V6を調製した。結果を合成例1の結果と共に表1に示す。
〔ポリマー合成例7〕(液晶配向剤V7の調製)
50mLの四つ口フラスコに化合物(1−2−2)(1.8012g、2.5118mmol)および化合物(2−5−1)(0.1207g、0.2791mmol)を入れ、NMP7.0gに溶解した。温度を室温に保ちながら化合物(A−1)(0.3044g、1.396mmol)およびA−2(0.2734g、1.396mmol)を加え、さらにNMPを5.5g加え一晩反応させた。得られたワニスにNMPおよびBCSをそれぞれ17.5gおよび22.5g加え、液晶配向剤V7を調製した。このV7におけるポリアミック酸の粘度が約18mPa・s、重量平均分子量Mwは29,000であった。
<表1>
Figure 2010101999
[実施例1]
サンプル瓶に液晶配向剤V1を3g計り取り、BCを加え5gとした。片面にITO電極を設けた透明ガラス基板(2cm×3cm)上に、このポリアミック酸濃度が約3重量%の溶液を滴下し、スピンナー法により塗布した(1,600rpm、15秒)。塗布後基板を80℃で3分間加熱し溶媒を蒸発させた後、基板平面を光源に対して45度傾け、無偏光を照射した(365nmでエネルギー約5J/cm)。光照射後の基板を230℃で30分間加熱処理し、膜厚約60nmの液晶配向膜を得た。ITO電極上に上記の液晶配向膜が形成された基板2枚を、液晶配向膜が形成されている面を対向させ、さらに対向する液晶配向膜の間に液晶組成物を注入させるための空隙を形成して合わせ、セル厚20μmの液晶セルC1(液晶表示素子)を組み立てた。ガラスの張り合わせ方向は、傾斜させた方向を左右とし傾斜させた方向と垂直な方向を上下とした時、左右を反対に上下を同一にして行った。このセルに下記に示す液晶組成物を注入した。

Figure 2010101999
この液晶セルC1を110℃で30分間アイソトロピック処理を行い室温まで冷却した。この液晶セルC1を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC1を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC1のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.3度であった。液晶が傾斜する方向は無偏光の光の照射方向であった。またこの液晶セルC1に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、セルの全領域中に配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されずきれいな配向が得られた。またこの状態で液晶セルC1を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
本実施例では、偏光顕微鏡観察は、倍率が100倍、光学条件がクロスニコルの条件で行った。
この液晶セルC1のVHRは30Hzで95.0%、0.3Hzで32.1%であり、イオン密度は719pCであった。
[実施例2]
基板をITO電極なしの無アルカリガラス基板に変えた以外は実施例1と同様にして膜厚約60nmの液晶配向膜を得た。この配向膜を形成した基板のUV−Visスペクトルを測定した結果を図1に示す。
[実施例3]
実施例1で使用した液晶配向剤に、特開2004−341030号公報にBANI−Mとして記載の下記化合物(20)を、液晶配向剤に対して20重量%加えて溶解させた以外は実施例1と同様にして液晶セルC1’を作製した。

Figure 2010101999
この液晶セルC1’を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC1’を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC1’のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.3度であった。液晶が傾斜する方向は無偏光の光の照射方向であった。またこの液晶セルC1’に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、セルの全領域中に配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されずきれいな配向が得られた。また、この状態で液晶セルC1’を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
この液晶セルC1’のVHRは30Hzで96.7%、0.3Hzで43.5%であり、イオン密度は561pCであった。
[実施例4]
液晶配向剤V1をV2とV3の混合物(重量比:V2/V3=80/20)に変えた以外は実施例2と同様にして液晶セルC2を作製した。この液晶セルC2を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC2を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC2のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.4度であった。液晶が傾斜する方向は無偏光の光の照射方向であった。またこの液晶セルC2に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されなかった。また、この状態で液晶セルC2を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
この液晶セルC2のVHRは30Hzで97.4%、0.3Hzで53.0%であり、イオン密度は381pCであった。
[実施例5]
液晶配向剤V1をV3とV4の混合物(重量比:V3/V4=20/80)に変えた以外は実施例1と同様にして液晶セルC3を作製した。この液晶セルC3を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC3を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC3のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.5度であった。液晶が傾斜する方向は無偏光の光の照射方向であった。またこの液晶セルC3に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されなかった。また、この状態で液晶セルC3を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
この液晶セルC2のVHRは30Hzで97.5%、0.3Hzで57.1%であり、イオン密度は351pCであった。
[実施例6]
液晶配向剤V1をV7に変えたこと以外は実施例1と同様にして液晶セルC4を作成した。この液晶セルC4を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC4を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC4のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.3度であった。液晶が傾斜する方向は無偏光の光の照射方向であった。またこの液晶セルC4に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されなかった。また、この状態で液晶セルC4を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
この液晶セルC4のVHRは30Hzで98.2%、0.3Hzで78.0%であり、イオン密度は253pCであった。
[比較例1]
実施例1において、無偏光の照射と230℃30分間の加熱処理の順番を逆にした以外は、実施例1と同様に液晶セルC5を作製した。この液晶セルC5を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルを回転させても暗状態は変化せず、また、液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC5のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、90.0度であった。またこの液晶セルC5に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、セルの全領域中に数箇所数個に配向不良が観察された。
[比較例2]
実施例1において、無偏光の照射の変わりに直線偏光のみを照射した。直線偏光の偏光方向は基板を傾けた方向に対して垂直方向、すなわちS偏光とした。この条件では基板を傾けた方向に対してポリマー主鎖が配向している。これ以外は、実施例1と同様に液晶セルC6を作製した。この液晶セルC6を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルを回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC6のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、90.0度であった。また、この液晶セルC6に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、シュリーレン組織が観察された。すなわち液晶は、一部では配向していない等、配向状態は良好ではなかった。また、この状態で液晶セルC6を回転させたときわずかに明暗が観察された。
[比較例3]
液晶配向剤V1をV5に変えた以外は実施例1と同様にして液晶セルC7を作製した。この液晶セルC7を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC7を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC7のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、89.1度であった。また、この液晶セルC7に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、セルの全領域中に配向欠陥によるシュリーレン組織は観察されずきれいな配向が得られた。またこの状態で液晶セルC5を回転させたとき明瞭な明暗が観察された。
次に、液晶配向剤V1をV5に変えたこと以外は実施例2と同様にしてITO電極なしの無アルカリガラス基板に膜厚約60nmの液晶配向膜を形成させたところ、この配向膜は着色の程度が非常に強かった。この基板のUV−Visスペクトルを測定した結果を以下の図2に示す。即ち、配向剤V5では配向状態には問題はないが、着色の程度が強いという欠点があった。
[比較例4]
液晶配向剤V1をV6に変えた以外は実施例1と同様に液晶セルC8を作製した。この液晶セルC8を偏光顕微鏡で観察したところ、クロスニコル状態で液晶セルC8を回転させても暗状態は変化せず、また液晶の配向欠陥による光抜けも観察されなかった。この液晶セルC8のプレチルト角を前記の方法で測定したところ、90.0度であった。また、この液晶セルC8に電圧(5V)を印加して偏光顕微鏡で観察したところ、シュリーレン組織が観察された。つまり液晶が全く配向していなかった。
実施例1〜5および比較例1〜5の結果から、三重結合を主鎖に持つポリアミック酸を、特定の角度から無偏光を照射したのち、イミド化した液晶配向膜を用いることにより、ガラス基板に対して垂直に配向した液晶にプレチルト角を発現することができ、良好な表示が可能なVAモード液晶表示素子が得られることが分かる。また、実施例2と比較例3の結果から、本発明の主鎖に三重結合を持つポリアミック酸から作製された光配向膜はアゾベンゼンを用いた光配向膜に比べ、着色が少ないことがわかる。
実施例2におけるUV−Visスペクトル測定結果 比較例4におけるUV−Visスペクトル測定結果

Claims (17)

  1. ポリアミック酸の少なくとも1つをポリマー成分として含有する液晶配向剤を基板に塗布して得られるポリアミック酸の薄膜に光を照射し、その後このポリアミック酸をイミド化することにより製造される光配向膜であって、このポリマー成分が主鎖中に三重結合を有し、炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を含有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される基を側鎖基として有するポリアミック酸の少なくとも1つを含有するポリマー成分であり、そして80.0〜89.7度の範囲のプレチルト角を発現することを特徴とする垂直配向用光配向膜。
  2. 照射する光が無偏光であることを特徴とする、請求項1に記載の光配向膜。
  3. ポリマー成分が、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であって、この三重結合を持たないジアミンが請求項1に記載の側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物である、請求項1または2に記載の光配向膜。
  4. ポリマー成分が、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが請求項1に記載の側鎖基を有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸と、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つをテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸および三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸から選択される少なくとも1つのポリアミック酸とからなる混合物である、請求項1または2に記載の光配向膜。
  5. 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つのジアミンである、請求項3または4に記載の光配向膜。

    Figure 2010101999
    (ここに、R〜Rは、独立して水素、フッ素、または炭素数1〜30の炭化水素基である。)
  6. 側鎖型ジアミンが式(2)または式(3)で表されるジアミンである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光配向膜:

    Figure 2010101999
    (ここに、Qは炭素数3〜20のアルキル、炭素数3〜20のアルコキシ、炭素数3〜20のアルコキシアルキル、式(2−a)で表される基またはステロイド骨格を有する基であり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−または炭素数1〜12のアルキレンであり;GおよびGは独立して炭素数6〜12の2価の芳香族基または炭素数3〜8の2価の脂環式基であり;Rは炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数2〜20のアルコキシアルキルであり、これらの基における任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mおよびnは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1〜4であり;mが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;nが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)

    Figure 2010101999
    (ここに、Rは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンであって、これらの環の任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよく;Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり;ZおよびZは独立して単結合、−CH−、−CHCH−または−O−であり;r、s1およびs2は独立して0〜3の整数であり;rが2または3であるとき、環Aはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xもそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s1が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s2が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)
  7. 側鎖型ジアミンが式(4)で表されるジアミンである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光配向膜。

    Figure 2010101999
    (ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルである。)
  8. 三重結合を有するジアミンが式(1−1−1)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−3−1)および式(1−4−1)で表される化合物から選択されるジアミンである、請求項3〜7のいずれか1項に記載の光配向膜。

    Figure 2010101999
  9. テトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物の少なくとも1つまたはこの(これらの)テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物の混合物である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の光配向膜。
  10. 対向配置されている一対の基板と、これらの基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成された電極と、これらの基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、これらの液晶配向膜間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、液晶配向膜の一方または両方が請求項1〜9のいずれか1項に記載の光配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
  11. 三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される少なくとも1つの基を側鎖基として有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸をポリマー成分として含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
  12. 三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと三重結合を持たないジアミンとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸であり、そしてこの三重結合を持たないジアミンが炭素数3〜30のアルキル、炭素数3〜30のアルコキシ、炭素数3〜30のアルコキシアルキル、少なくとも1つの環を有する基であって末端の環に置換基として炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシもしくは炭素数2〜30のアルコキシアルキルを有する基およびステロイド骨格を有する基から選択される少なくとも1つの基を側鎖基として有する側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンと炭素数3以上の側鎖基を持たない非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物であるポリアミック酸と、三重結合を有するジアミンの少なくとも1つをテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸および三重結合を有するジアミンの少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸から選択される少なくとも1つのポリアミック酸とからなるポリアミック酸の混合物をポリマー成分として含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
  13. 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択されるジアミンである、請求項11または12に記載の液晶配向剤。

    Figure 2010101999
    (ここに、R〜Rは独立して水素、フッ素、または炭素数1〜30の炭化水素基である。)
  14. 三重結合を有するジアミンが式(1−1)〜式(1−4)で表される化合物の群から選択されるジアミンであり、側鎖型ジアミンが式(2)および式(3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項11または12に記載の液晶配向剤。

    Figure 2010101999
    (ここに、R〜Rは、独立して水素、フッ素、または炭素数1〜30の炭化水素基である。)

    Figure 2010101999
    (ここに、Qは炭素数3〜20のアルキル、炭素数3〜20のアルコキシ、炭素数3〜20のアルコキシアルキル、式(2−a)で表される基またはステロイド骨格を有する基であり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−または炭素数1〜12のアルキレンであり;GおよびGは独立して炭素数6〜12の2価の芳香族基または炭素数3〜8の2価の脂環式基であり;Rは炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数2〜20のアルコキシアルキルであり、これらの基における任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mおよびnは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1〜4であり;mが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;nが2または3であるとき、Gはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)

    Figure 2010101999
    (ここに、Rは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;環Aは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロへキシレンであって、これらの環の任意の水素は炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよく;Xは単結合または炭素数1〜5のアルキレンであり;ZおよびZは独立して単結合、−CH−、−CHCH−または−O−であり;r、s1およびs2は独立して0〜3の整数であり;rが2または3であるとき、環Aはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく、Xもそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s1が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよく;s2が2または3であるとき、Zはそれぞれ同一の基であっても異なる基であってもよい。)
  15. 側鎖型ジアミンが式(4)で表されるジアミンである、請求項14に記載の液晶配向剤。

    Figure 2010101999
    (ここに、Rは炭素数1〜20のアルキルである。)
  16. 三重結合を有するジアミンが式(1−1−1)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−3−1)および式(1−4−1)で表される化合物から選択されるジアミンである、請求項11〜15のいずれか1項に記載の液晶配向剤。

    Figure 2010101999
  17. テトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物の少なくとも1つまたはこの(これらの)テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物の混合物である、請求項11〜16のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
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