JP2008020831A - 液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光配向法を用いて配向制御を行う場合に、特に光の照射時間を短縮し、配向の信頼性が高く、生産性に優れた液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶装置の製造方法は、基板11上に二色性化合物を含有する配向膜12を形成する工程と、前記基板11に対して非偏光な光Lを放射し、該光Lを前記基板11の入射側に設けた光学素子5によって前記基板11に対して斜めに入射させることにより前記配向膜12の分子の配向に異方性を付与する工程と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の液晶装置の製造方法は、基板11上に二色性化合物を含有する配向膜12を形成する工程と、前記基板11に対して非偏光な光Lを放射し、該光Lを前記基板11の入射側に設けた光学素子5によって前記基板11に対して斜めに入射させることにより前記配向膜12の分子の配向に異方性を付与する工程と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置に関し、より詳しくは、光を照射することにより、ラビングを行うことなく液晶を配向させることができる配向膜を備えた液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置に関するものである。
液晶装置においては、液晶の分子配列の状態を電場等の作用によって変化させて、これに伴う光学的特性の変化を表示に利用している。多くの場合、液晶は、二枚の基板の間隙に挟んだ状態で用いられるが、ここで液晶を特定の方向に配列させるために、基板の内側に配向処理が施される。通常、配向処理は、ガラス等の基板にポリイミド等の高分子の膜を設け、これを一方向に布等で摩擦する、ラビングという方法が用いられる。
しかしながら、ラビング法は製造装置が簡単であるという利点を有するものの、製造工程において静電気や埃が発生するため、配向処理後に洗浄工程が必要となるとともに、静電気によりあらかじめ基板に設けられたTFT素子等が破壊され、これが製造時の歩留まりを下げる原因にもなっている。
これに対し、近年ラビングを行わない液晶配向膜制御技術が注目されている。とりわけ、偏光紫外線を基板上に設けられた塗膜に照射して、液晶配向を生じさせる光配向法は、簡便であり盛んに研究が行われている。(例えば、特許文献1参照)。
この光配向法は、有機分子中の光配向機能を発現させる光配向性基、例えばアゾ基等の光異性化によるもの、シンナモイル基、クマリン基、カルコン基等の光二量化によるもの、ベンゾフェノン基等の光架橋やポリイミド樹脂等の光分解によるもの等が報告されている。光異性化、光二量化や光架橋を利用した光配向膜材料としては、ガラス等の基板に塗布した際に均一な膜が得られるように、側鎖や主鎖に前記のような光配向性基を導入した高分子材料が用いられることが多い。
特開2000−147506号公報
しかしながら、偏光紫外線を用いる方法では、紫外線ランプの出力による制限のため、紫外線照射装置による光照射時間が従来のラビング配向膜に要するラビング時間よりも長くなり、生産性が低下するという問題があった。これは、偏光を一方向に揃えるために偏光子を紫外線ランプの前面に配置する必要があるため、光の半分を吸収してしまい、十分な照射強度が得られないからである。照射強度が小さい場合、配向制御に要する時間が長くなり、生産性を低下させるほか、配向不良が発生し易くなり、歩留まりを低下させる虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光配向法を用いて配向制御を行う場合に、特に光の照射時間を短縮し、配向の信頼性が高く、生産性に優れた液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶装置の製造方法は、基板上に二色性化合物を含有する配向膜を形成する工程と、前記基板に対して非偏光な光を放射し、該光を前記基板の入射側に設けた光学素子によって前記基板に対して斜めに入射させることにより前記配向膜の分子の配向に異方性を付与する工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、配向膜に対してプリズム等の光学素子を介して光を照射することで、容易に液晶の配向方向を制御することができる。非偏光な光を用いた光配向処理方法では、光の入射方向によって液晶の配向方向が制御されるため、チルト角を含めた三次元的な方向の配向制御が可能である。すなわち、偏光された光を用いる従来の光配向処理では、液晶の配向方向は光の偏光方向によって制御されていたため、基板と平行な面内での配向制御は可能であるが、基板と垂直な面内での配向制御、すなわちチルト角の制御は十分に行うことができなかった。これに対して、本発明のように光の入射方向で液晶の配向方向を制御する方法では、チルト角の制御は光の基板に対する入射角を制御することで容易に制御できるため、より自由度の高い配向制御が可能となる。また、偏光された光を用いないので、光源の光を有効に利用することができる。そのため、配向の信頼性が高く、生産性に優れた液晶装置を提供できる。
この方法によれば、配向膜に対してプリズム等の光学素子を介して光を照射することで、容易に液晶の配向方向を制御することができる。非偏光な光を用いた光配向処理方法では、光の入射方向によって液晶の配向方向が制御されるため、チルト角を含めた三次元的な方向の配向制御が可能である。すなわち、偏光された光を用いる従来の光配向処理では、液晶の配向方向は光の偏光方向によって制御されていたため、基板と平行な面内での配向制御は可能であるが、基板と垂直な面内での配向制御、すなわちチルト角の制御は十分に行うことができなかった。これに対して、本発明のように光の入射方向で液晶の配向方向を制御する方法では、チルト角の制御は光の基板に対する入射角を制御することで容易に制御できるため、より自由度の高い配向制御が可能となる。また、偏光された光を用いないので、光源の光を有効に利用することができる。そのため、配向の信頼性が高く、生産性に優れた液晶装置を提供できる。
本発明においては、前記光を前記基板に向けて放射するに際して、前記光学素子の入射側にマスクを介在させ且つ前記光学素子を前記基板と平行な面内で回転させた状態で光を放射する工程をさらに有することにより、前記配向膜に異なる分子の配向方向を有する複数の配向領域を形成することが望ましい。
この方法によれば、配向膜に対して容易に複数の配向領域を形成することができる。光の照射方向は光学素子を回転することにより制御できるため、精度が高く、簡便な配向制御が可能である。
この方法によれば、配向膜に対して容易に複数の配向領域を形成することができる。光の照射方向は光学素子を回転することにより制御できるため、精度が高く、簡便な配向制御が可能である。
本発明の液晶装置の製造装置は、配向膜を形成した基板を載置するステージと、前記ステージに向けて非偏光の光を放射する光源と、前記ステージと前記光源と間の光路上に設けられ、マスクを挿入して保持するためのマスク保持手段と、前記ステージと前記マスク保持手段との間の光路上に設けられ、前記ステージに向けて放射された光の光路を前記ステージに対して斜め方向に変換する光学素子と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、二色性色素を含有した配向膜に対して光を照射することで、容易に液晶の配向制御を行うことができる。光の照射方向は光学素子により制御できるため、精度が高く、簡便な配向制御が可能である。さらに、非偏光な光を用いた光配向処理方法では、光の入射方向によって液晶の配向方向が制御されるため、チルト角を含めた三次元的な方向の配向制御が可能である。なお、前記光学素子としては、プリズム等の屈折素子を好適に採用することができ、これにより、コンパクトな製造装置が提供できる。
この構成によれば、二色性色素を含有した配向膜に対して光を照射することで、容易に液晶の配向制御を行うことができる。光の照射方向は光学素子により制御できるため、精度が高く、簡便な配向制御が可能である。さらに、非偏光な光を用いた光配向処理方法では、光の入射方向によって液晶の配向方向が制御されるため、チルト角を含めた三次元的な方向の配向制御が可能である。なお、前記光学素子としては、プリズム等の屈折素子を好適に採用することができ、これにより、コンパクトな製造装置が提供できる。
本発明においては、前記光学素子を前記ステージと平行な面内で回転する光学素子回転手段を有することが望ましい。
この構成によれば、マスクを交換しつつ光学素子の回転角度を調節することで、容易に複数の配向領域を形成することができる。
この構成によれば、マスクを交換しつつ光学素子の回転角度を調節することで、容易に複数の配向領域を形成することができる。
本発明においては、前記光学素子と前記光源との間の光路上に、前記光源から放射された光を前記ステージに向けて投射する投射光学系を有することが望ましい。
この構成によれば、マスクによる露光パターンにぼやけが生じることがないので、精度の高い配向制御が可能になる。
この構成によれば、マスクによる露光パターンにぼやけが生じることがないので、精度の高い配向制御が可能になる。
以下、本発明の実施の態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
[液晶装置の製造装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶装置の製造装置1を示す概略構成図である。図1において、製造装置1は、パターンが形成されたマスク3を保持して移動可能なマスク保持手段8と、基板11を保持して移動可能なステージ6と、露光光Lを射出する光源2と、光源2から射出された露光光Lをマスク3に導き、その露光光Lでマスク3を照明する照明光学系19と、露光光Lで照明されたマスク3のパターンの像を基板11上に投影する投影光学系4と、投影光学系4で投影された光を基板に対して斜め方向に入射させる光学素子5と、該光学素子5を基板11と平行な面内で回転させる光学素子回転手段7と、を備えている。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶装置の製造装置1を示す概略構成図である。図1において、製造装置1は、パターンが形成されたマスク3を保持して移動可能なマスク保持手段8と、基板11を保持して移動可能なステージ6と、露光光Lを射出する光源2と、光源2から射出された露光光Lをマスク3に導き、その露光光Lでマスク3を照明する照明光学系19と、露光光Lで照明されたマスク3のパターンの像を基板11上に投影する投影光学系4と、投影光学系4で投影された光を基板に対して斜め方向に入射させる光学素子5と、該光学素子5を基板11と平行な面内で回転させる光学素子回転手段7と、を備えている。
光源2は、露光光Lを発生する放電ランプ21と、放電ランプ21から発生した露光光Lを集光する楕円鏡22とを備えている。放電ランプ21は、陰極及び陽極を有する超高圧水銀ランプを含み、楕円鏡22の楕円の焦点に配置されている。
照明光学系19は、折り曲げミラー9,10を含むが、これ以外にもコリメータレンズ、波長選択フィルタ、オプティカルインテグレータ、フィールドレンズ、ハーフミラー、リレーレンズ等を含んで構成しても良い。照明光学系19は、マスク3上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光Lで照明する。
マスク保持手段8は、図示略のマスク保持手段駆動装置により、マスク3を保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能に構成されている。マスク3は、基板11上に形成する配向領域の数に対応した数のマスクが用意されている。各マスクには、露光しようとする配向領域に対応した開口部が形成されており、このマスクの開口部を介して配向領域に選択的に光が露光されるようになっている。マスク保持手段8は、露光しようとする配向領域に対応したマスク3を選択し、これを露光光Lの光路内に挿入する。そして、所定の配向分割領域の露光が終了したら、別の配向領域に対応したマスク3を選択し、露光光Lの光路内に挿入する。
光学素子5は、投影光学系4で投影された光を基板に対して斜め方向に入射させる光路変換面5Aを備えている。また、光学素子5は、光学素子回転手段7によって基板11と平行な面内(XY平面内)で回転可能に構成されている。投射光学系4から投射されたZ軸に平行な光は、光学素子5の光路変換面5AによってZ軸と交差する方向の光に変換される。その光の屈折角度は、光学素子5の光入射面5Bと光変換面5A(光射出面)との成す角度及び光学素子5の屈折率によって制御される。また、光学素子5から射出された光の進行方向(光の進行方向をXY平面に投影した方向)は、光路変換面5Aの法線の方向、すなわち光学素子5のXY平面内における回転角度によって制御される。
なお、図1では光学素子5としてプリズム等の屈折素子を使用する。プリズムを用いることで、装置全体をコンパクトにまとめることができるからである。ただし、光学素子5はこれに限らず、例えばミラー等の反射素子やホログラム等の回折素子を光学素子5として用いることもできる。
ステージ6は、図示略のステージ駆動装置により、基板11を保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能に構成されている。製造装置1は、マスク保持手段8に保持されているマスク3を照明光学系19からの露光光Lで照明し、マスク3からの露光光Lを投影光学系4及び光学素子5を介してステージ6に保持された基板11上に照射することによって、マスク3のパターンの像を基板11上に投影して、基板11を露光する。
ここで、基板11上には配向膜12が形成されている。この配向膜12は、光を照射することによって有機分子が配向する光配向性の材料によって構成されている。このように光で有機分子の配向方向を制御することのできる配向膜(言い換えると、光で液晶を配向させることのできる配向膜)を光配向膜といい、その光配向膜に光を照射することによって光配向膜の配向方向を制御する方法を光配向法という。この光配向膜としては、有機分子中の光配向機能を発現させる光配向性基、例えばアゾ基等の光異性化や再配列によるもの、シンナモイル基、クマリン基、カルコン基等の光二量化によるもの、ベンゾフェノン基等の光架橋やポリイミド樹脂等の光分解によるもの等を用いることができる。
例えば、アゾベンゼン誘導体を含有する配向膜に偏光を照射すると、偏光面に対して一定の方向に有機分子が配向するため、この性質を利用して、所定方向に配向処理された配向膜を作製することができる。この方法では偏光した光を用いているが、偏光しないランダムな光(非偏光な光)を膜面に対して斜め方向から照射しても、容易に分子が配向し、液晶配向能が得られる。
例えば、式(A)で表されるアゾ化合物に偏光した光を照射すると、配向膜表面のアゾベンゼンの部位がその光の偏光面に垂直な方向に再配列する。そのため、配向膜12に対して斜め方向から非偏光な光を照射すると、この光の全ての偏光成分に対してアゾベンゼン部分が垂直に再配列しようとし、その結果、配向膜12の有機分子が該光の入射方向と平行な方向に配向するようになる。また、光は膜面に対して斜めに照射されることから、有機分子の長軸は膜面に対して傾いた方向に配向される。このため、配向膜12に液晶を接触させた場合、液晶は配向膜12の膜面に対して傾いた状態に配向され、これによりプレチルトの付与が可能になる。
また、式(A)で表されるアゾ化合物の光配向性基の配向状態を安定させる目的で、アゾ化合物に重合性官能基を付与した、例えば式(B)で表されるアゾ化合物も知られている。このような光配向性を有する配向膜(光配向膜)の材料及びその配向処理方法としては、特開2006−018106号公報、特開2002−250924号公報、特開平11−12242号公報又は特開2005−173548号公報に開示されたものを用いることができる。例えば、特開2002−250924号公報には、式(A)及び式(B)で表されるアゾ化合物を用いた配向膜の形成方法として、1分子中に2個以上の重合性官能基を有する二色性染料を含有する光配向膜用組成物を基板上に塗布し、偏光を照射して液晶配向機能を付与した後、加熱又は光照射により重合性官能基を重合させることによって配向膜を得る方法が示されている。
[液晶装置の製造方法]
次に、以上のように構成された液晶装置の製造装置1を用いて液晶装置を製造する方法について基板11上に形成した配向膜12に配向処理を施す工程を中心に説明する。図2は(a)は配向膜12を形成した直後の状態を示す説明図、図2(b)は一の配向領域に選択的に配向処理を施した状態を示す説明図、図2(c)は他の一の配向領域に選択的に配向処理を施した状態を示す説明図、図2(d)はかかる配向膜に対して液晶を接触させた状態を示す説明図である。
次に、以上のように構成された液晶装置の製造装置1を用いて液晶装置を製造する方法について基板11上に形成した配向膜12に配向処理を施す工程を中心に説明する。図2は(a)は配向膜12を形成した直後の状態を示す説明図、図2(b)は一の配向領域に選択的に配向処理を施した状態を示す説明図、図2(c)は他の一の配向領域に選択的に配向処理を施した状態を示す説明図、図2(d)はかかる配向膜に対して液晶を接触させた状態を示す説明図である。
まず、公知の方法により基板11上に配向膜12を形成する。配向膜12としては、光配向性を有する公知の材料を用いることができ、本実施形態の場合、例えば式(A)で示した材料が用いられる。配向膜12は、かかる材料を水或いは極性有機溶媒に溶解した塗布液をガラス等の基板11に塗布した後、水或いは極性有機溶媒を除去することにより形成される。配向膜12を形成した直後の配向膜の分子13は図2(a)のようにランダムに配向されており、液晶に対する配向機能を有しない。
次に、この基板11を図1に示した製造装置1のステージ6上に設置する。そして、マスク保持手段8に所定のマスク3を保持し、光学素子5の回転角度を所定の角度に設定した後、光源2から放射された非偏光な光L1を光学素子5を介して配向膜13の第1配向領域12A(図示左側の配向領域)に入射させる。光源2としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、He−Cdレーザー、YAGレーザー等の紫外光レーザー等の種々の光源を用いることができるが、特に超高圧水銀ランプは、式(A)で表されるアゾ化合物の極大吸収波長に近い、365nmの紫外線の発光強度が大きいことから好適に採用される。
光源2から放射された光L1は、マスク3を透過した後、光学素子5の光路変換面5Aによって屈折され、配向膜12の膜面に対して斜め方向入射される。すると、光L1が照射された部分(第1配向膜領域12A)の配向膜分子13は図2(b)に示すように光L1の入射方向と平行な方向に配向し、その配向方向に応じた方向に液晶に対する配向機能を有するようになる。
次に、マスク3を第2配向領域12B(図示右側の配向領域)用のマスクに交換し、光学素子5を前記の状態からXY平面内で180°回転した後、光源2から放射された非偏光な光L2を光学素子5を介して配向膜13の第2配向領域12Bに斜めに入射させる。すると、光L2が照射された部分(第2配向膜領域12B)の配向膜分子13は図2(c)に示すように光L2の入射方向と平行な方向に配向し、その配向方向に応じた方向に液晶に対する配向機能を有するようになる。この配向方向は、第1配向領域12Aの配向方向と平行で且つその向き(プレチルトの方向)が180°異なる方向である。
続いて、このように配向された配向膜12を加熱等により硬化し、配向膜分子13の配向状態を固定する。これにより、基板11上に、配向分割された複数の配向領域12A,12Bを有する配向膜12が形成される。この配向膜12は、光L1,21の入射方向に応じた複数の配向領域12A,12Bを有していることから、この配向膜12に液晶14を接触させると、図2(d)に示すように液晶14は配向領域毎に異なった配向状態をとる。その結果、広視野角化が実現され、視認性の良い液晶装置が提供される。
なお、図2(d)では、液晶14は配向膜分子13の配向方向に平行な方向に配向しているが、液晶14の配向方向は必ずしも配向膜分子13の配向方向に平行になるとは限らず、配向膜分子13が持つ官能基の配列状態及び該官能基と液晶14との相互作用によって異なった方向に配向することもある。
このように、本実施形態においては、二色性色素を含有した配向膜12に対して複数回に分けて光を照射することで、容易に複数の配向領域12A,12Bを形成することができる。光の照射方向は光学素子5を回転することにより制御できるため、精度が高く、簡便な配向制御が可能である。さらに、非偏光な光を用いた光配向処理方法では、光の入射方向によって液晶14の配向方向が制御されるため、チルト角を含めた三次元的な方向の配向制御が可能である。すなわち、偏光された光を用いる従来の光配向処理では、液晶の配向方向は光の偏光方向によって制御されていたため、基板と平行な面内での配向制御は可能であるが、基板と垂直な面内での配向制御、すなわちチルト角の制御は十分に行うことができなかった。これに対して、本実施形態のように光の入射方向で液晶14の配向方向を制御する方法では、チルト角の制御は光の基板に対する入射角を制御することで容易に制御できるため、より自由度の高い配向制御が可能となる。また、偏光された光を用いないので、光源2の光を有効に利用することができる。そのため、配向の信頼性が高く、生産性に優れた液晶装置を提供できる。
なお、本実施形態では、2つの配向領域13A,13Bを形成するために2枚のマスク3を用いたが、マスクの数は1枚でも同様の配向制御を行うことができる。前述した二色性化合物の光配向プロセスは、光二量化や架橋、光分解のように化学反応によるものではないため、可逆的である。したがって、いったん光照射によって配向した後も、分子は再配向する能力を有しており、この性質を利用すれば、マスクを2枚用いなくても配向分割が可能になる。例えば、基板全面に所定の方向から光を照射し、配向膜全体を一方向に配向させる。次に、マスクを用いて、特定の配向領域にだけ異なる方向から光を照射することで、その部分だけ他の領域と異なる配向状態を示すようになる。このように、非偏光光を用いた光配向処理では、配向膜分子の再配列が可逆的に行われるため、特定の配向領域に対して異なる配向処理を重ねて行うことで、最後に行われた配向処理によって規定される方向に配向膜分子を配向させることができる。そして、配向状態が確定した段階で、架橋反応等により配向状態を固定すれば、再び光が照射されても配向状態は変化せず、安定した配向状態を維持することができる。
また、本実施形態では、製造装置1をマスク3と基板11とを一次元方向に同期移動しつつ、マスク3に形成されたパターンを投影光学系4を介して基板11上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわち、いわゆるスキャニング・ステッパとして構成したが、ミラープロジェクション方式の露光装置(MPA)についても同様の構成を適用することができる。
[液晶装置の構成]
次に、このようにして形成された配向膜を備えた液晶装置について図3を用いて説明する。図3は、かかる配向膜12を備えた液晶装置の一例であるTN型液晶装置100の概略構成図である。
次に、このようにして形成された配向膜を備えた液晶装置について図3を用いて説明する。図3は、かかる配向膜12を備えた液晶装置の一例であるTN型液晶装置100の概略構成図である。
この液晶装置100は、第1基板11とそれに対向する第2基板15とを有する。第1基板11と第2基板15との間には、図示略のスペーサによって維持される間隙、いわゆるセルギャップが形成されており、そのセルギャップ内に液晶14が封入されている。
第1基板11の液晶側の面には第1配向膜12が形成されている。また、第1基板11の液晶とは反対側の面には第1偏光板17が設けられている。第1偏光板17の透過軸方向は第1配向膜12の配向方向と平行な方向に配置されている。一方、第2基板15の液晶側の面には第2配向膜16が形成されている。また、第2基板15の液晶とは反対側の面には第2偏光板18が設けられている。第2偏光板18の透過軸方向は第2配向膜15の配向方向と平行な方向に配置されている。
ここで、第1配向膜12には、互いに配向方向の異なる複数の配向領域12A,12Bが形成されている。これらの配向領域は、前述した光配向処理によって形成されたものである。すなわち、第1配向領域12Aと第2配向領域12Bの配向方向は互いに平行で且つそのプレチルトの方向が180°異なる向きとなっている。一方、第2配向膜16にはこのような複数の配向処理は施されておらず、その配向方向は第1配向領域12Aと第2配向領域12Bに対して共通の方向とされている。したがって、第1配向領域12Aでは、液晶14は基板間において図示右回りの方向に90°ツイストしており、第2配向領域12Bでは、液晶14は基板間において図示左回りの方向に90°ツイストした状態となっている。
この液晶装置100においては、基板間に電圧を印加したときの液晶14の立ち上がり方向が第1配向領域12Aと第2配向領域12Bとで異なるため、配向分割をしない単一の配向領域を形成する場合に比べて広い視野角が得られるものとなっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…液晶装置の製造装置、2…光源、3…マスク、4…投射光学系、5…プリズム(光学素子)、6…ステージ、7…光学素子回転手段、8…マスク保持手段、11…基板、12…配向膜、12A…第1配向領域、12B…第2配向領域、L,L1,L2…光
Claims (6)
- 基板上に二色性化合物を含有する配向膜を形成する工程と、
前記基板に対して非偏光な光を放射し、該光を前記基板の入射側に設けた光学素子によって前記基板に対して斜めに入射させることにより前記配向膜の分子の配向に異方性を付与する工程と、を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記光を前記基板に向けて放射するに際して、前記光学素子の入射側にマスクを介在させ且つ前記光学素子を前記基板と平行な面内で回転させた状態で光を放射する工程をさらに有することにより、前記配向膜に異なる分子の配向方向を有する複数の配向領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 基板を載置するステージと、
前記ステージに向けて非偏光の光を放射する光源と、
前記ステージと前記光源と間の光路上に設けられ、マスクを挿入して保持するためのマスク保持手段と、
前記ステージと前記マスク保持手段との間の光路上に設けられ、前記ステージに向けて放射された光の光路を前記ステージに対して斜め方向に変換する光学素子と、を有することを特徴とする液晶装置の製造装置。 - 前記光学素子はプリズムであることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置の製造装置。
- 前記光学素子を前記ステージと平行な面内で回転する光学素子回転手段を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の液晶装置の製造装置。
- 前記光学素子と前記光源との間の光路上に、前記光源から放射された光を前記ステージに向けて投射する投射光学系を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかの項に記載の液晶装置の製造装置。
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JP2006194487A JP2008020831A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | 液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置 |
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JP2010101999A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Chisso Corp | 液晶配向膜、液晶配向剤および液晶表示素子 |
JP2012113095A (ja) * | 2010-11-24 | 2012-06-14 | Hitachi High-Technologies Corp | 露光装置及び露光方法 |
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